JP4076031B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣りに用いる釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿は、竿体と、竿体の竿元側に配置されリールを装着するためのリールシートと、竿体の竿元側端部にはめ込まれて固定された蓋付き円筒型部材である竿元グリップと、竿体のリールシート付近に固定された前グリップとを有している。
【0003】
この従来の釣竿では、ユーザは固定された竿元グリップ,前グリップを握ってキャスティングやリトリーブ等を行い、仕掛けにかかった魚を釣り上げる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の円筒形のグリップを握ってキャスティングを行うと、グリップを握る手が竿体の円周方向に滑ってしまい、竿体が円周方向に微妙に回転し、ねらったポイントに仕掛けをうまく投げ入れられない場合があった。また、従来の円筒形のグリップでは、竿体の軸方向への手の滑りも十分に防止し難い。
【0005】
さらに、右利きのユーザと左利きのユーザとでは、リールの脚及びリールシートを抑えつつ把持する前グリップを握る手が左右反対になり、最も大きなグリップ力が必要とされる箇所が異なる。ここで、左右対称に形成された従来の前グリップでは、それぞれのユーザーに十分に対応しがたい。
本発明の別の課題は、釣竿操作時に釣竿を握る手が周方向や軸方向へ滑るのを抑え、円滑に操作できる釣竿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかる釣竿は、魚釣りに用いる釣竿であって、竿体と、竿体の周面に設けられリールを装着可能なリールシートと、竿体のリールシートの反対面にそれぞれ円周方向に分離し2箇所に形成されているグリップ片より長いグリップ固定面と、各グリップ固定面の必要箇所にそれぞれ固定された複数の弾性部材を用いて形成されるグリップ片とを備えている。
【0007】
この場合には、複数の弾性部材を用いて形成されるグリップ片が竿体の円周方向に分離して形成されているので、複数のグリップ片が円周方向の複数の箇所でユーザの手に接触する。この結果、グリップを握る手が円周方向に微妙にずれてしまうのを抑え、釣竿の操作性が向上する。また、複数の弾性部材を用いて形成されるグリップ片は竿体の軸方向にずれて配置されており、グリップを握る手が滑って釣竿の軸方向へずれてしまうのも防止する。
そして、ユーザが複数のグリップ固定面のそれぞれ任意の箇所にグリップ片を取り付けてグリップ位置を調節する。この結果、ユーザに最もフィットする位置で竿体を握ることが可能になり、竿体の操作性が向上する。また、いずれか任意の一方のグリップ片を穂先方向にずらして配置すると、右利き,左利きのいずれのユーザにも対応できる
【0008】
発明2にかかる釣竿は、魚釣りに用いる釣竿であって、竿体と、竿体の周面に設けられリールを装着可能なリールシートと、竿体のリールシートの反対面にそれぞれ円周方向に分離し2箇所に形成されているグリップ片より長いグリップ固定面と、各グリップ固定面の必要箇所にそれぞれ固定された複数の弾性部材を用いて形成されるグリップ片と、リールシートが設けられた軸線上の前記竿体の竿元側端部周面に形成された第1グリップ固定面と、第1グリップ固定面に対して竿体の周面方向にそれぞれ離れて形成された第2及び第3グリップ固定面と、第1〜第3グリップ固定面にそれぞれ固定された複数の弾性部材を用いて形成される第1〜第3グリップ片とを備えている。
【0009】
この場合には、前記に加えて、竿体の竿元側端部を握る際に、第1〜第3の3つのグリップ片が円周方向の複数の箇所でユーザの手に接触し、グリップを握る手が円周方向に微妙にずれてしまうのを抑える。なお、第1グリップ片に対して前記竿体の周面方向にそれぞれ離れて配置された第2及び第3グリップ片が、リールの脚部及びリールシートを握る手の前腕部を支持するので、釣竿の操作性がさらに向上する。
【0010】
発明3にかかる釣竿は、第1〜第3グリップ固定面は、それぞれ記竿体の軸方向にずれて形成されている。
この場合、軸方向にずれて配置された第1〜第3グリップ片が、グリップを握る手の釣竿の軸方向へずれを防止する
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明の一実施形態を採用した釣竿10は、図1に示すように、複数の竿体からなり穂先側から順次収納可能な内部竿体1と、内部竿体1が挿入され収納可能なように内部竿体1の竿元側に連結された外部竿体2とを有している。内部竿体1及び外部竿体2は、それぞれ炭素繊維に強化樹脂を含浸させたプリプレグをマンドレルに巻回し焼成して得られた先細り筒状部材であって、内部にそれぞれ釣糸挿通通路200(図3参照)を有している。また、内部竿体1の穂先側先端にはトップガイド3が設けられている。
【0014】
外部竿体2は、竿元側端部に配置された尻栓4と、穂先側外周面に設けられ釣糸100を釣糸挿通通路200へ導入するための釣糸導入孔5と、尻栓4の穂先側に設けられリール6を装着するリールシート7と、釣糸導入孔5とリールシート7との間の外周面に設けられた釣糸案内部材8とを有している。そして、リール6からの釣糸100は、釣糸案内部材8と釣糸導入孔5とを通って釣糸挿通通路200へ挿通され、トップガイド3から外部へ導かれている。
【0015】
また、外部竿体2のリールシート7付近の周面には、図2及び図3に詳しく示すように、前グリップ21が取り付けられており、外部竿体2の竿元側端部の周面には、図4及び図5で詳しく示すように、竿元グリップ31が取り付けられている。
図2及び図3に示すように、外部竿体2のリールシート7と反対側の周面は、他の部分に比べてやや膨らんでおり、2つの窪み部2aが外部竿体2の軸方向から見て左右に対称に形成されている。また、前グリップ21は1対のグリップ片21a,21bからなる部材である。1対のグリップ片21a,21bは、それぞれ軸方向に伸びた変形円筒形部材であって、窪み部2aにはめ込んで接着剤で固定されている。このグリップ片21a,21bは、それぞれポリイソプレン,ポリブタジエン等のゴムからなる弾性部材や、ポリスチレン,フェノール樹脂等の合成樹脂部材を用いて形成される。ここで、穂先側(図2の右側)に向かって右側に位置するグリップ片21aは他方のグリップ片21bより穂先側に位置するように軸方向へ互いにずれて固定されている。
【0016】
また、図4及び図5に示すように、外部竿体2の竿元側の周面に配置される竿元グリップ31は、第1〜第3グリップ片31a〜31cからなる部材である。この第1〜第3グリップ片31a〜31cも、上記前グリップ21と同様に、それぞれポリイソプレン,ポリブタジエン等のゴムからなる弾性部材や、ポリスチレン,フェノール樹脂等の合成樹脂部材を用いて形成される。この第1グリップ片31aは、リールシート7が設けられた軸線上の外部竿体2の竿元側端部周面に接着剤で固定されている。そして、第2グリップ片31b及び第3グリップ片31は、それぞれ外部竿体2の円周方向に分離しかつ軸方向にずれて接着剤で固定されている。具体的には、図5に示すように、第2,第3グリップ片31b,31cは、第1グリップ片31aの反対面側に左右対称に配置されている。
【0017】
このように構成された釣竿10では、軸方向にずれて配置された前グリップ21の2つのグリップ片21a,21bが、リール6の脚部及びリールシート7を握る際の指にフィットし、竿体の操作性が向上する。また、グリップ片21aがグリップ片21bより穂先側に位置するように軸方向へ互いにずれて固定されているので、ユーザが右手でリール6の脚部及びリールシート7を握る場合、その右手の指に十分にフィットする。
【0018】
なお、ユーザが左手でリール6の脚部及びリールシート7を握る場合は、グリップ片21a,21bを逆に配置する。即ち、グリップ片21bを穂先側にずらして接着することにより、左手の指に十分にフィットするようになる。
また、竿元グリップ31の第1〜第3グリップ片31a〜31cが、外部竿体2の竿元側端部を握るユーザの手に円周方向の複数の箇所で接触し、竿元グリップ31を握る手が円周方向に微妙にずれてしまうのを抑える。さらに、第1グリップ片31aに対して第2,第3グリップ片31b,31cが穂先側にずれて配置されているグリップ31が、グリップ31を把持する手の軸方向へのずれも防止する。さらにまた、リトリーブ時等において、第2及び第3グリップ片31b,31cが、リール6の脚部及びリールシート7を握る手の前腕部を支持するので、釣竿の操作性がさらに向上する。
【0019】
[その他の実施形態]
(a)上記実施形態においては、竿元グリップ31の取り付け位置にグリップ片取付用の窪み部を形成していないが、所定の位置に窪み部を設けてもよい。このように窪み部を設けることで、グリップ片の竿体への付着安定性が向上する。
(b)前グリップ及び竿元グリップの所定の位置に窪み部を設けて、ユーザがグリップ片を任意の位置に取り付けられるようにしてもよい。このようにすることで、各ユーザに最も適した位置にグリップを設けることができ、釣竿の操作性がさらに向上する。
(c)グリップ片の形状は、三角柱,四角柱,円柱状等の様々な形状に成形してもよい。
(d)本発明は「中通し竿」に限定されるものではなく、その他、並継ぎ竿等の竿にも適応できる。また、特にリールシートを有さない釣竿に適応してもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明にかかる釣竿では、竿体の周面に竿体の円周方向に分離しかつ竿体の軸方向にずれて配置された複数のグリップ片からなるグリップとを備えているので、操作時に釣竿を握る手が周方向及び軸方向へ滑るのを抑え、円滑に操作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】図1のリールシート付近の拡大図。
【図3】図2のIII −III 断面図。
【図4】図1の竿元側端部付近の拡大図。
【図5】図4のV−V断面図。
【符号の説明】
1 内部竿体
2 外部竿体
6 リール
7 リールシート
21 前グリップ
31 竿元グリップ

Claims (3)

  1. 魚釣りに用いる釣竿であって、
    竿体と、
    前記竿体の周面に設けられリールを装着可能なリールシートと、
    前記竿体のリールシートの反対面にそれぞれ円周方向に分離し2箇所に形成されているグリップ片より長いグリップ固定面と、
    前記各グリップ固定面の必要箇所にそれぞれ取付けられた複数の弾性部材を用いて形成されるグリップ片とを備えた釣竿。
  2. 魚釣りに用いる釣竿であって、
    竿体と、
    前記竿体の周面に設けられリールを装着可能なリールシートと、
    前記竿体のリールシートの反対面にそれぞれ円周方向に分離し2箇所に形成されているグリップ片より長いグリップ固定面と、
    前記各グリップ固定面の必要箇所にそれぞれ固定された複数の弾性部材を用いて形成されるグリップ片と、
    前記リールシートが設けられた軸線上の前記竿体の竿元側端部周面に形成された第1グリップ固定面と、前記第1グリップ固定面に対して前記竿体の周面方向にそれぞれ離れて形成された第2及び第3グリップ固定面と、
    前記第1〜第3グリップ固定面にそれぞれ固定された複数の弾性部材を用いて形成される第1〜第3グリップ片とを備えた釣竿。
  3. 前記第1〜3グリップ固定面は、それぞれ前記竿体の軸方向にずれて形成されている、請求項2に記載の釣竿。
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