JP4075261B2 - 環状オレフィン系共重合体 - Google Patents
環状オレフィン系共重合体Info
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- C08F232/08—Copolymers of cyclic compounds containing no unsaturated aliphatic radicals in a side chain, and having one or more carbon-to-carbon double bonds in a carbocyclic ring system having condensed rings
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状オレフィン系共重合体に関し、更に詳しくは光学特性、接着性、低吸湿性等の諸性能に優れた環状オレフィン系共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、透明樹脂材料は、成形加工性が良好であること、軽量であること、割れにくいことなどの理由から、光学材料や電子材料として、ガラス材料に代わって広く用いられている。かかる透明樹脂材料としては、従来、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアリレート樹脂、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などが知られている。
而して、光ディスク、レンズ、液晶を使用したパネル、フィルムや、光半導体封止材料などの電子材料などに使用される透明樹脂材料においては、優れた特性、具体的には、透明性が高いこと、複屈折が小さいこと、耐熱性が高いこと、吸湿性が小さいこと、他の材料例えば金属に対する接着性および密着性が高いことなどが要求されている。然るに、上記の透明樹脂材料は、これらの特性を十分に満足するものではない。
【0003】
また、既存の環状オレフィン系(共)重合体、例えば、(1)チグラー型触媒によるエチレンとノルボルネン系炭化水素化合物との共重合体(特開昭61−292601号公報、特開昭60−168708号公報等参照)、(2)メタセシス触媒によるテトラシクロドデセン系炭化水素化合物の単独またはノルボルネン系炭化水素化合物の開環(共)重合体に水素添加して得られる重合体(特開昭60−26024号公報参照)、(3)メタセシス触媒による極性置換基を有するノルボルネン誘導体の開環(共)重合体の水素化物(特開平1−132625号公報、特開平1−132626号公報、特開平4−202404号公報等参照)、(4)エチレンと、環状オレフィンと、極性基を有する環状オレフィンとによる共重合体(特開平2−51511号公報)なども、上記の特性を十分に満足するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
具体的に説明すると、上記(1)または(2)の透明樹脂材料は、極性基を有しないため、他の材料に対する接着性および密着性が低い、という欠点を有する。
また、上記(3)の透明樹脂材料は、上記(1)または上記(2)の透明樹脂材料に比較して、他の材料に対する接着性および密着性が高いものであるが、その程度は十分なものではなく、また、極性置換基を有するノルボルネン誘導体に由来する構造単位の割合が高いため、吸湿性が大きい、という欠点を有する。
また、上記(4)の透明樹脂材料は、極性基を有する環状オレフィンにおいて、当該極性基を導入することによって生じた活性な第三級水素原子(第三級炭素原子に結合した水素原子)が存在する、すなわち極性基が結合した炭素原子に第三級水素原子が結合しており、このような第三級水素原子は離脱してラジカルが生じやすいため、耐熱性が低い、という問題がある。
また、極性基として例えばカルボキシル基を有する環状オレフィンは、臭気の強いものであり、このような環状オレフィンを使用した場合には、得られる共重合体中に環状オレフィンが残存することにより、当該共重合体も臭気の強いものとなるため、環境・衛生上問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、優れた光学特性を有し、他の材料に対する接着性および密着性が高く、吸湿性が小さく、しかも、耐熱性の高く、更に臭気のないまたは少ない環状オレフィン系共重合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構造単位(a)と、
下記一般式(1)で表される構造単位(b)と、
下記一般式(2)で表される構造単位(c)とを有してなり、
135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.2〜5dl/gであることを特徴とする。
【0007】
【化5】
【0008】
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基または下記の官能基を示し、X1 およびX2 のうち少なくとも一方は下記の官能基である。Z1 およびZ2 は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、Z1 およびZ2 のうち下記官能基が結合した炭素原子に結合しているものは、炭素数1〜10の炭化水素基である。nは0〜2の整数を示す。
官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミノ基若しくはこれらのアミノ基が結合した炭化水素基またはこれらの第四級アンモニウム塩、N活性水素を少なくとも一つ有するアミド基またはこのアミド基が結合した炭化水素基、並びにX1 とX2 とから構成された−CO−NH−CO−で表されるイミド基から選ばれた官能基。〕
【0009】
【化6】
【0010】
〔式中、R1 〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、R9 とR10とまたはR11とR12とは、一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R9 またはR10とR11またはR12とは、互いに結合して単環または多環構造を形成していてもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
【0011】
本発明の環状オレフィン系共重合体においては、全構造単位中における上記一般式(1)で表される構造単位(b)の割合が0.001〜30モル%であることが好ましく、更に好ましくは0.005〜10モル%、特に好ましくは0.01〜3モル%である。
また、ガラス転移温度が50〜300℃であることが好ましい。
【0012】
本発明の環状オレフィン系共重合体の製造方法は、下記一般式(3)で表される官能基含有環状オレフィンと、周期表第2族、第12族および第13族から選ばれた金属による有機金属化合物とを反応させ、
得られた反応生成物と、エチレンと、下記一般式(4)で表される環状オレフィンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウムからなる触媒の存在下に重合させる工程を有することを特徴とする。
【0013】
【化7】
【0014】
〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基または下記の官能基を示し、X1 およびX2 のうち少なくとも一方は下記の官能基である。Z1 およびZ2 は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、Z1 およびZ2 のうち下記官能基が結合した炭素原子に結合しているものは、炭素数1〜10の炭化水素基である。nは0〜2の整数を示す。
官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミノ基若しくはこれらのアミノ基が結合した炭化水素基またはこれらの第四級アンモニウム塩、N活性水素を少なくとも一つ有するアミド基またはこのアミド基が結合した炭化水素基、並びにX1 とX2 とから構成された−CO−NH−CO−で表されるイミド基から選ばれた官能基。〕
【0015】
【化8】
【0016】
〔式中、R1 〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、R9 とR10とまたはR11とR12とは、一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R9 またはR10とR11またはR12とは、互いに結合して単環または多環構造を形成していてもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
【0017】
本発明の熱可塑性重合体組成物は、上記の環状オレフィン系共重合体と、この環状オレフィン系共重合体以外の熱可塑性重合体とを含有してなることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈環状オレフィン系共重合体〉
本発明の環状オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する構造単位(a)(以下、単に「構造単位(a)」ともいう。)と、上記一般式(1)で表される構造単位(b)(以下、単に「構造単位(b)」ともいう。)と、上記一般式(2)で表される構造単位(c)(以下、単に「構造単位(c)」ともいう。)とを含有してなるものである。
【0019】
本発明の環状オレフィン系共重合体において、構造単位(a)は、全構造単位中20〜90モル%となる割合で含有されていることが好ましく、更に好ましくは25〜88モル%、特に好ましくは30〜85モル%である。この割合が20モル%以上である場合には、当該環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が300℃以下のものとなりやすく、熱劣化することなしに成形加工することができる、という利点がある。一方、この割合が90モル%以下である場合には、当該環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が50℃以上のものとなりやすく、十分な耐熱性が得られる、という利点がある。
【0020】
構造単位(b)は、上記一般式(1)で表される構造単位であって、上記一般式(3)で表される官能基含有環状オレフィン(以下、「特定の官能基含有環状オレフィン」ともいう。)により形成されるものである。
上記一般式(1)および一般式(3)において、基X1 および基X2 は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基または特定の官能基であり、X1 およびX2 のうち少なくとも一方は特定の官能基である。
ここで、特定の官能基は、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基が結合した炭化水素基、カルボキシル基、カルボキシル基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミノ基若しくは第二級アミノ基が結合した炭化水素基、これらのアミノ基若しくはアミノ基が結合した炭化水素基の第四級アンモニウム塩、N活性水素を少なくとも一つ有するアミド基、このアミド基が結合した炭化水素基、並びにX1 とX2 とから構成された−CO−NH−CO−で表されるイミド基から選ばれた官能基であり、ヒドロキシル基が結合した炭化水素基、カルボキシル基が結合した炭化水素基、アミノ基が結合した炭化水素基またはその第四級アンモニウム塩としては、置換基を除く炭素数が1〜5のものが好ましい。
また、基Z1 および基Z2 は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、基Z1 および基Z2 のうち特定の官能基が結合した炭素原子に結合しているものは、炭素数1〜10の炭化水素基である。
また、繰り返し数nの値は0〜2の整数である。
【0021】
構造単位(b)としては、一般式(1)において、基X1 および基X2 の一方のみが特定の官能基であって、当該特定の官能基が結合した炭素原子に結合している基Z1 または基Z2 が、炭素数が1または2の炭化水素基であるものが、当該重合体の分解が起こりにくく、優れた耐久性を有する環状オレフィン系共重合体が得られる点で好ましく、特に、基X1 および基X2 の他方が水素原子であって、当該水素原子が結合した炭素原子に結合している基Z1 または基Z2 が水素原子であるものが好ましい。
また、特定の官能基としては、−OH(ヒドロキシル基)、−CH2 OH(ヒドロキシメチル基)、−COOH(カルボキシル基)、−NH2 (アミノ基)、−CH2 NH2 (アミノメチル基)、−NHR(但し、Rは炭素数が1〜5のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基を示す。以下、同じ。)、−CO−NH2 、−CONHR、−CO−NH−CO−などが好ましい。
また、一般式(3)において、繰り返し数nの値が3以上である場合には、当該官能基含有環状オレフィンを他の単量体と共重合させることが困難となる。
【0022】
構造単位(b)を形成するための特定の官能基含有環状オレフィンは、シクロペンタジエンと官能基含有オレフィンとをディールス・アルダー反応によって縮合させ、必要に応じて加水分解反応させることにより製造される。
このような特定の官能基含有環状オレフィンの具体例としては、
5,6−ジメチル−5,6−ジヒドロキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(アミノメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ビス(アミノメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(アミノプロピル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(アミノカルボニル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(N−メチル−アミノカルボニル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−5,6−ビス(N−プロピル−アミノカルボニル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ビス(アミノカルボニル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジエチル−5,6−ビス(N−エチル−アミノカルボニル)−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン−5,6−ジカルボン酸イミド、
5−メチル−5−ヒドロキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−ヒドロキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチル−5−ヒドロキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−アミノメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチル−5−アミノメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−アミノプロピル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−アミノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−N−メチル−アミノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル−5−N−プロピル−アミノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチル−5−アミノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチル−5−N−エチル−アミノカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
8,9−ジメチル−8,9−ジカルボキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジエチル−8,9−ジカルボキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジメチル−8,9−ビス(ヒドロキシルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジエチル−8,9−ビス(ヒドロキシルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジメチル−8,9−ビス(アミノメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジエチル−8,9−ビス(アミノメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジメチル−8,9−ビス(アミノカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジメチル−8,9−ビス(N−メチル−アミノカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジエチル−8,9−ビス(アミノカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジエチル−8,9−ビス(N−エチル−アミノカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチル−8−カルボキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−ヒドロキシルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチル−8−ヒドロキシルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−アミノメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチル−8−アミノメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−アミノカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−N−メチル−アミノカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチル−8−アミノカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エチル−8−N−エチル−アミノカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などが挙げられる。
【0023】
構造単位(b)は、全構造単位中0.001〜30モル%の範囲で含有されていることが好ましく、更に好ましくは0.005〜10モル%、特に好ましくは0.01〜3モル%である。
構造単位(b)の含有割合が0.001モル%以上である場合には、得られる共重合体は、金属やポリオレフィン系以外の重合体に対する接着性および密着性が高いものとなりやすい、という利点がある。一方、構造単位(c)の割合が30モル%以下である場合には、得られる共重合体は、耐熱性が高いものとなりやすく、また、吸湿性が低いものとなりやすい、という利点がある。
【0024】
構造単位(c)は、上記一般式(2)で表される構造単位であって、上記一般式(4)で表される環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン」ともいう。)により形成されるものである。上記一般式(2)および上記一般式(4)において、R1 〜R12は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、R9 とR10とまたはR11とR12とは、一体化して2価の炭化水素基を形成していてもよく、R9 またはR10とR11またはR12とは、互いに結合して単環または多環構造を形成していてもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。
【0025】
このような特定の環状オレフィンの具体例としては、
ビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−エチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−ブチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−ヘキシルビシクロ〔2,2,1〕−2−ヘプテン、
5−シクロヘキシル〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−フェニルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,6−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5,5−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル,6−エチルビシクロ〔2.2.1.〕−2−ヘプテン、
5,6,−ジエチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル,6−プロピルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
5−メチル,6−シクロヘキシル〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
1−メチルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテン、
トリシクロ〔4.3.0.12,5 〕−3−デセン、
2−メチル−トリシクロ〔4.3.0.12,5 〕−3−デセン、
トリシクロ〔4.4.0.12,5 〕−3−デセン、
テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、
8−メチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、
8,9−ジメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、
5,10−ジメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10.〕−3−ドデセン、
ペンタシクロ〔6.6.13,6 .02,7 .09,14〕−4−ヘキサデセン、
ヘキサシクロ〔6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14〕−4−ヘプタデセン、
12−メチルヘキサシクロ〔6.6.13,6 .110,13 .02,7 .09,14〕−4−ヘプタデセン、
トリシクロ〔4.4.0.12,5 〕−3−ウンデセン、
ペンタシクロ〔6.5.1.13,6 .02,7 .09,13〕−3−ペンタデセン、
ペンタシクロ〔4.7.0.12,5 .08,13.19,12〕−3−ペンタデセン、
5−メチル−5−フェニルビシクロ〔2.2.1.〕−2−ヘプテン、
8−フェニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルビシクロ〔2.2.1.〕−2−ヘプテン、
8−エチリデンビシクロ〔2.2.1.〕−2−ヘプテン、
1,4−メタノ−1,1a,4,4a−テトラヒドロフルオレン、
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン
などが挙げられる。
【0026】
構造単位(c)は、全構造単位中10〜75モル%の範囲で含有されていることが好ましく、更に好ましくは12〜70モル%、特に好ましくは15〜60モル%である。
構造単位(c)の含有割合が10モル%以上である場合には、当該環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度が50℃以上のものとなりやすく、十分な耐熱性が得られる、という利点がある。一方、構造単位(c)の割合が75モル%以下である場合には、当該環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が300℃以下のものとなりやすく、熱劣化することなしに成形加工することができる、という利点がある。
【0027】
本発明の環状オレフィン系共重合体には、上記の構造単位(a)〜構造単位(c)以外の構造単位(以下、「他の構造単位」という。)、例えばα−オレフィンに由来する構造単位、ジエンに由来する構造単位、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのシクロオレフィン類に由来する構造単位が含有されていてもよい。このような他の構造単位の含有割合は、全構造単位中5モル%以下であることが好ましい。
【0028】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η〕が0.2〜5の範囲にあるものであり、好ましくは0.3〜4、特に好ましくは0.4〜3である。
この極限粘度[η〕が0.2以上である場合には、高い破壊強度を有する環状オレフィン系重合体が得られる、という利点がある。一方、この極限粘度[η〕が5以下である場合には、当該環状オレフィン系重合体は、成形加工性が良好であるため、成形時に熱劣化を起こすことなく、また、複屈折の小さい成形体が得られる、という利点がある。
また、本発明のオレフィン系共重合体は、ゲル透過クロマトグラフィー法によって135℃のo−ジクロロベンゼン溶媒で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量Mwが20,000〜600,000であることが好ましく、更に好ましくは30,000〜500,000、特に好ましくは40,000〜400,000であり、ポリスチレン換算数平均分子量Mnが10,000〜400,000であることが好ましく、更に好ましくは15,000〜300,000、特に好ましくは20,000〜250,000である。
また、本発明のオレフィン系共重合体のガラス転移温度は、50〜300℃、特に70〜250℃であることが好ましい。
ここで、環状オレフィン系共重合体のガラス転移温度は、示差熱分析計(DSC)により測定することができる。
【0029】
本発明の環状オレフィン系共重合体には、例えば2,6−ジ−t−ブチル,4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン等の酸化防止剤や、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を添加することができ、これにより、当該環状オレフィン系共重合体の安定性をさらに向上させることができる。
【0030】
本発明の環状オレフィン系共重合体は、構造単位(b)が官能基(基X1 および/または基X2 )を有するため、他の材料例えば金属やオレフィン系以外の重合体に対して高い接着性および密着性を有するものである。
また、構造単位(b)には、官能基(基X1 および/または基X2 )が結合した炭素原子に水素原子が結合されておらず、従って、結合した炭素原子から離脱してラジカルが発生しやすい第三級水素原子が存在しないため、高い耐熱性を有するものである。
また、構造単位(b)には、官能基(基X1 および/または基X2 )が結合した炭素原子に炭化水素基が結合されているため、官能基が例えばカルボキシル基である場合にも、このような構造単位を形成するための特定の官能基含有環状オレフィンは臭気のないまたは少ないものであるので、臭気のないまたは少ない共重合体が得られる。
さらに、構造単位(b)の含有割合を特定の範囲に設定することにより、他の材料に対する接着性および密着性を損なうことなしに吸湿性の小さいものとすることができる。
本発明の環状オレフィン系共重合体は、以上のような性質を有するため、光ディスク、レンズ、光ファイバー、液晶パネルに用いられる導光板やフィルムなどの光学材料、光半導体封止材料等の電子部品材料やその他の電子材料として好適であり、その他には、自動車部品、医療容器などにも広く用いることができる。
また、本発明の環状オレフィン系共重合体は、それ自体単独で使用することもできるが、後述する熱可塑性重合体組成物のように、他の重合体の改質材として利用することができ、これにより、他の重合体に対して、例えば他の材料に対する接着性および密着性、光学特性、その他の特性を付与することができる。
【0031】
〈環状オレフィン系共重合体の製造方法〉
以上のような環状オレフィン系共重合体は、以下のようにして製造することができる。
先ず、周期表第2族、第12族および第13族から選ばれた金属による有機金属化合物(以下、「特定の有機金属化合物」という。)をマスキング剤として用い、この特定の有機金属化合物と、特定の官能基含有環状オレフィンとを反応させることにより、特定の官能基含有環状オレフィンの官能基(基X)をマスキング処理する。
【0032】
マスキング処理に用いられる特定の有機金属化合物の具体例としては、
ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、
ジブチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、メチルアルモキサン、ブチルアルモキサン等のトリアルキルアルミニウムと水との反応物、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド等の水素化有機アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド等のハロゲン化有機アルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシドなどが挙げられる。
これらの中で有機アルミニウム化合物が好ましく、特に好ましい有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライドなどが挙げられる。
【0033】
マスキング処理すなわち特定の官能基含有環状オレフィンと特定の有機金属化合物との反応は、不活性溶媒または希釈剤の存在下で、かつ、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
ここで、不活性溶媒または希釈剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、ベンゼントルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類を用いることができる。
【0034】
また、特定の有機金属化合物は、特定の官能基含有環状オレフィンにおける官能基1当量に対して0.5当量以上となる割合で用いることが好ましく、より好ましくは0.5〜3当量、さらに好ましくは0.7〜2当量である。この割合が過小である場合には、マスキングされない官能基が多量に残存するため、後述する重合処理において触媒活性が低下して重合反応が十分に進行しないことがある。
特定の官能基含有環状オレフィンと特定の有機金属化合物との反応条件は、用いられる特定の有機金属化合物および特定の官能基含有環状オレフィンの種類によって異なるが、反応時間が、通常、5分間以上、好ましくは15〜120分間であり、反応温度が、通常、0〜100℃、好ましくは10〜50℃である。
【0035】
このようにしてマスキング処理された特定の官能基含有環状オレフィンは、重合処理に供されるまでに使用されるまで30℃以下の温度に貯蔵されることが好ましく、これにより、副反応の発生を防止することができる。
また、マスキング処理された特定の官能基含有環状オレフィンには、さらに、マスキングされた化合物中に未反応の金属−炭素結合が存在する場合には、貯蔵中の安定性を増すために、イソプロパノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキサノール、メタノール、エタノール、アミルアルコール、ノニルアルコール、ドデカノールなどのアルコール類、4−メチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、ノニルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジtert−ブチルクレゾールなどのフェノール類を添加することもできる。
また、ハロゲン化有機アルミニウムを用いる場合には、貯蔵中に特定の官能基含有環状オレフィンにおける二重結合のカチオン反応による消失を防止するために、弱いルイス塩基であるジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソールなどのエーテル化合物や、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、テレフタル酸メチルなどの有機カルボン酸エステル化合物を、ハロゲン化有機アルミニウム1モルに対して0.01〜0.2モルとなる割合で添加することができる。
【0036】
そして、本発明の製造方法においては、マスキング処理された特定の官能基含有環状オレフィンと、エチレンと、特定の環状オレフィンとを重合処理する。
この重合処理においては、遷移金属化合物、好ましくは周期表第4族および第5族から選ばれた金属の化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。
この触媒としては、マスキング処理された特定の官能基含有環状オレフィンと、エチレンと、特定の環状オレフィンとの共重合反応において、比較的ランダムなモノマー配列を与えるものを用いることが好ましい。具体的な触媒系としては、以下のものが挙げられる。
【0037】
(1)炭化水素化合物に可溶なバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系であって、バナジウム化合物または有機アルミニウム化合物にいずれかに塩素原子を少なくとも1つ含むもの。
ここで、バナジウム化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物、VCl4 、VO(acac)2 ,V(acac)3 (ここで、「acac」はアセチルアセトナート基を示す。)、下記一般式(6)で表される化合物などを用いることができる。
【0038】
【化9】
一般式(5):O=VClk (OR13)3-k
【0039】
(式中、R13はエチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどの炭化水素基を示す。kは0〜3の整数を示す。)
【0040】
【化10】
一般式(6):VCl3 ・jA
【0041】
(式中、Aは、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、2−メトキシメチル−テトラヒドロフラン、ジメチルピリジンなどの炭化水素化合物に可溶な錯体を作るルイス塩基を示す。jは2〜3の整数である。)
【0042】
有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(7)で表されるトリアルキルアルミニウム化合物、下記一般式(8)または下記一般式(9)で表される水素化アルキルアルミニウム、下記一般式(10)、下記一般式(11)または一般式(12)で表される塩素化アルキルアルミニウム、下記一般式(13)または下記一般式(14)で表されるアルコキシまたはフェノキシ置換有機アルミニウム、水と上記トリアルキルアルミニウム化合物との反応によって得られるメチルアルモキサン(MAO)、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサンなどを用いることができる。
【0043】
【化11】
【0044】
また、この触媒系においては、上記のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物に、さらに有機酸若しくは無機酸のエステル、エーテル、アミン、ケトン、アルコキシシランなどの含酸素若しくは含窒素電子供与体を添加することができる。
【0045】
(2)シリカまたは塩化マグネシウム上に担持されたハロゲン化チタニウムまたはハロゲン化ジルコニウムと、有機アルミニウムとからなる触媒系。
ここで、ハロゲン化チタニウムとしては、四塩化チタニウム、四臭化チタニウム、四塩化ジルコニウムなどを用いることができる。
有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルモキサンなどを用いることができる。
また、この触媒系においては、上記の化合物に、さらにジオクチルフタレート、テトラアルコキシシラン,ジフェニルジメトキシシランなどを添加することができる。
【0046】
(3)配位子として、水素、アルキル基およびアリル基から選ばれた置換基を有するシクロペンタジエニル基またはインデニル基を1つまたは2つ有する、チタニウム、ジルコニウム、ハーフニウムから選ばれた金属の遷移金属化合物と、メチルアルモキサンを少なくとも50モル%含有する有機アルミニウム化合物とからなる触媒系。
【0047】
上記遷移金属化合物の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロライド、エチレン(ビス- インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジウコニウムジクロライド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチル(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチル(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチルチタニウムモノクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、η1 :η5 −{(tert−ブチル−アミド)ジメチルシリル](2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)}チタニウムジクロライド、ビス(1,1,1−トリフルオロ−3−フェニル−2,4−ブタジオナト)などを挙げることができる。
【0048】
(4)ビスアルキル置換またはN−アルキル置換置換サルチルアルドイミンとチタン、ジルコニウムまたはハーフニウムとの2塩化物と、メチルアルモキサン(MAO)とからなるメタロセン触媒。
【0049】
上記の触媒は、遷移金属化合物が特定の官能基含有環状および特定の環状オレフィンの合計1モルに対して0.0000005〜0.01モルとなる割合で、有機アルミニウム化合物が遷移金属化合物1モルに対して0.1〜10000モルとなる割合で用いることが好ましい。
【0050】
重合反応は、適宜の溶媒または希釈剤の存在下で行われることが好ましい。このような溶媒または希釈剤としては、例えば脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類およびこれらのハロゲン化物を用いることができる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが挙げられる。これら溶媒または希釈剤は、蒸留処理または吸着処理によって水分を20ppm以下にして用いることが好ましい。
【0051】
重合反応は、0〜150℃、特に10〜100℃の温度で行われることが好ましい。
また、重合反応においては、必要に応じて分子量調節剤を用いることができ、その具体例としては、水素、ジエチル亜鉛、水素化ジイソブチルアルミニウムなどが挙げられる。
また、重合反応を行うための反応器は、バッチ式および連続式のいずれであってもよい。連続式の反応器としては、チューブ型反応器、塔型反応器、槽型反応器などを用いることができる。
【0052】
本発明においては、以上のようにして重合処理を行った後、得られる共重合体に対して脱マスキング処理を行う。
特定の官能基含有環状オレフィンとして、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するものを用いた場合には、脱マスキング剤として、シュウ酸、フマル酸、ジオクチル一リン酸、トリフロロ酢酸、ドデシルベンゼンスルフォン酸、ノニルフェノキシポリエチレングリコールのモノリン酸エステル、ノニルフェノキシポリエチレングリコールのジリン酸エステル、ラウロキシポリエチレングリコールのモノリン酸エステル、ラウロキシポリエチレングリコールのジリン酸エステル等の比較的酸性度の大きい酸が用いられる。
一方、特定の官能基含有環状オレフィンとして、アミノ基またはアミド基を有するものを用いた場合には、脱マスキング剤として、t−ブタノールと、リチウム、ナトリウムまたはカリウムとのアルコラート、アミルアルコールと、リチウム、ナトリウムまたはカリウムとのアルコラート、オクタン酸のリチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩、ノニルフェノールのリチウム塩またはカリウム塩などの塩基性の強いアルコラートやフェノールまたは有機カルボン酸のアルカリ金属塩が用いられる。
また、第4級アンモニウム塩によって形成された官能基を有する環状オレフィン系共重合体を製造する場合には、上記の脱マスキング処理によって得られるアミノ基を有する共重合体に、有機カルボン酸、有機リン酸、有機スルフォン酸、第三級炭素原子、アリル位の炭素原子またはベンジル位の炭素原子に、ハロゲン原子が結合した活性な有機ハロゲン化物などを作用させる。
【0053】
本発明の製造方法においては、このようにして得られるオレフィン系共重合体を含有する重合体溶液を、シリカ、アルミナ、ケイソウ土などが充填された吸着カラムを通過させることによって、或いは重合体溶液に、水、アルコールなどを多量に添加して洗浄することによって、残留する脱マスキング剤、重合触媒などの除去処理を行うことが好ましい。
そして、重合体溶液に多量のメタノールなどを添加することによって固形物を析出させ、さらに乾燥処理することにより、本発明の環状オレフィン系共重合体が得られる。
【0054】
以上のような方法によれば、特定の官能基含有環状オレフィンにおける官能基をマスキング処理するため、重合反応において触媒の活性が低下することがなく、しかも、マスキング剤として特定の有機金属化合物を用いるため、重合反応において立体障害が生ずることがなく、その結果、所期の環状オレフィン系共重合体を確実に製造することができる。
【0055】
〈熱可塑性重合体組成物〉
本発明においては、上記の構造単位(a)〜構造単位(c)を有する環状オレフィン系共重合体(以下、「特定の環状オレフィン系共重合体」ともいう。)と、当該特定の環状オレフィン系共重合体以外の熱可塑性重合体(以下、「他の重合体」ともいう。)とを混合することにより、熱可塑性重合体組成物を調製することができる。
【0056】
熱可塑性重合体組成物を構成するための他の重合体としては、特定の環状オレフィン系共重合体と十分な相溶性を有するものであれば、非晶性ポリマー、結晶性ポリマー、液晶ポリマーなどの種々のものを用いることができる。
かかる他の重合体の具体例としては、特定の環状オレフィン系共重合体以外の環状オレフィン系重合体、ノルボルネン系重合体、水素化石油樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレーンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、その他の透明樹脂などを挙げることができる。
【0057】
特定の環状オレフィン系重合体以外の環状オレフィン系重合体およびノルボルネン系重合体(以下、これらを「他の環状オレフィン系重合体」ともいう。)としては、特開昭61−292601号公報および特開昭60−168708号公報に記載された、チグラー型触媒によるエチレンとノルボルネン系炭化水素化合物との共重合体、特開昭60−26024号公報に記載された、メタセシス触媒によるテトラシクロドデセン系炭化水素化合物の単独またはノルボルネン系炭化水素化合物の開環(共)重合体に水素添加して得られる重合体、特開平2−51511号公報に記載された、エチレンと、環状オレフィンと、極性基を有する環状オレフィンとによる共重合体、特開平1−132625号公報、特開平1−132626号公報、特開平4−202404号公報に記載された、メタセシス触媒による極性置換基を有するノルボルネン誘導体の開環(共)重合体の水素化物などを用いることができる。
【0058】
本発明に有用なスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリクロルスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン含有量が50重量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共重合体などを挙げることができ、これらは、その1種のみでなく、2種以上を用いることもできる。
【0059】
本発明において有用な塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと、50重量%以下、好ましくは45重量%以下の塩化ビニルと共重合可能な二重結合を少なくとも1個有する化合物との共重合体を挙げることができる。
この共重合可能な二重結合を少なくとも1個有する化合物の具体例としては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステル、マレイン酸およびそれらのエステル、アクリロニトリルなどを挙げることができる。
塩化ビニル系樹脂の重合度は通常400〜4500であり、特に400〜1500が好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを単独でまたは塩化ビニルと前記共重合可能な化合物とをフリーラジカル触媒の存在下で(共)重合することによって得られるものであり、その製造方法は広く知られている。
【0060】
本発明において有用なポリアリーレンスルフィド樹脂は、式−(Ar−S)−で表わされる構成単位を70モル%以上含有してなるものである。ここで、Arは、p−フェニレン、m−フェニレン、2,6−ナフタレン、4,4’−ビフェニレン、p,p’−ビベンジル、およびこれらの核置換体などの炭素原子数6以上の芳香族基を表わす。これらのうち、核無置換のp−フェニレン核からなる構造単位を有するポリ−p−フェニレンスルフィドが成形加工性の点から好ましい。
式−(Ar−S)−で表わされる構成単位が70モル%未満である樹脂を用いると、得られるポリマーの結晶性の低下、転移温度の低下および成形品の物性の低下などの好ましくない結果を生じる。30モル%未満であれば、1,2,4−結合フェニレン核などの3価以上の結合手を有する芳香族基、脂肪族基、ヘテロ原子含有基などが含有されていてもよい。
上記ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合物とジチオール芳香族化合物またはモノハロゲン化芳香族チオールとの縮合反応、あるいはジハロゲン化芳香族化合物と硫化アルカリあるいは水硫化アルカリとアルカリまたは硫化水素とアルカリ化合物からの脱塩縮合反応を利用する方法などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
本発明に有用なポリカーボネート樹脂の例としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、脂肪族−芳香族ポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。一般には、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)スルホンスルフィドまたはスルホキサイド系などのビスフェノール類を重合して得られる重合体若しくは共重合体であって、必要に応じてハロゲンにより置換されたビスフェノール類を用いた重合体である。ポリカーボネート樹脂の種類および製造方法については、例えば日刊工業新聞社発刊(昭和44年9月30日発行)の「ポリカーボネート樹脂」の記載を参照することができる。
【0062】
本発明に有用なポリエステル樹脂の代表例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(ペンタメチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)などの芳香族ジカルボン酸と二価アルコールとから得られるポリエステル樹脂および芳香族ジカルボン酸と芳香族ジフェノールとから得られる芳香族ポリエステル樹脂である、いわゆるポリアリレート樹脂を挙げることができる。ポリアリレート樹脂の具体例としては、ビスフェノールAとテレフタール酸またはイソフタール酸とによるポリエステル樹脂およびコポリエステル樹脂を例示することができる。これらのうち特に好ましいものは、PETおよびPBTである。
【0063】
本発明に有用なポリアミド樹脂は、通常、式:H2 N−(CH2 )x −NH2 (式中、xは3〜12の整数である。)で表わされる線状ジアミンと、式:HOOC−(CH2 )y −COOH(式中、yは2〜12の整数である。)で表わされる線状ジカルボン酸との縮合によって製造されたもの、若しくはラクタムの開環重合によって製造されたものを挙げることができる。
これらのポリアミド樹脂の好ましい例としては、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12 、ナイロン4,6、ナイロン3,4、ナイロン6,9、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン4などが挙げられる。また、ナイロン6/6,10、ナイロン6/6,12、ナイロン6/4,6、ナイロン6/12、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/4,6/6,6、ナイロン6/6,6/6,12、ナイロン6/4,6/10、ナイロン6/4,6/12などの共重合体ポリアミド類を挙げることができる。
さらにナイロン6/6,T(T:テレフタル酸成分)、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とメタキシリレンジアミンまたは脂環族ジアミンとにより得られる半芳香族ポリアミド樹脂、メタキシリレンジアミンと上記線状ジカルボン酸とにより得られるポリアミド樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテルアミド樹脂およびポリエステルエーテルアミド樹脂などを挙げることができる。
【0064】
以上において、本発明の効果が十分に発揮される好ましい熱可塑性重合体組成物としては、以下のものが挙げられる。
(イ)特定の環状オレフィン系共重合体と、極性基を有しない他の環状オレフィン系重合体とを含有してなる熱可塑性重合体組成物。
このような熱可塑性重合体組成物によれば、極性基を有しない他の環状オレフィン系重合体の欠点であった他の材料に対する低い接着性および密着性が改善される。
(ロ)特定の環状オレフィン系共重合体と、極性基を有する他の環状オレフィン系重合体とを含有してなる熱可塑性重合体組成物。
このような熱可塑性重合体組成物によれば、極性基を有する他の環状オレフィン系重合体における接着性および密着性が更に向上し、また、光学特性も向上し、光学材料や電子部品材料として一層好適なものとなる。
(ハ)特定の環状オレフィン系共重合体と、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレートまたはポリカーボネートとを含有してなる熱可塑性重合体組成物。
このような熱可塑性重合体組成物によれば、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレートまたはポリカーボネートにおける光学特性が向上する。
なお、上記(イ)〜(ハ)以外の熱可塑性重合体組成物においても、特定の環状オレフィン系共重合体と他の重合体との相溶性が良好で、他の材料に対する低い接着性および密着性が改善される。
【0065】
本発明の熱可塑性重合体組成物において、特定の環状オレフィン系共重合体と他の重合体との割合は、特定の環状オレフィン系共重合体および他の重合体の種類、両者の相溶性、組成物の使用目的に応じて適宜選択されるが、金属に対する高い接着性および密着性を有すると共に、優れた耐熱性を有する重合体組成物が得られる点で、組成物全体における特定の環状オレフィン系共重合体の割合が5〜95重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%である。
【0066】
本発明の熱可塑性重合体組成物には、ゴム質重合体およびゴム強化熱可塑性樹脂が、それぞれ単独であるいはこれらの両方が含有されていてもよい。このようにゴム質重合体および/またはゴム強化熱可塑性樹脂を更に含有することにより、熱可塑性重合体組成物の耐衝撃性を向上させることができる。
ここで、ゴム質重合体とは、ガラス転移温度が0℃以下の重合体であって、通常のゴム状重合体および熱可塑性エラストマーが含まれる。
【0067】
ゴム状重合体の具体例としては、例えばエチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合ゴム;エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレンのランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体、水素化スチレン−ブタジエン共重合体、水素化スチレン−イソプレン共重合体、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などが挙げられる。また、ゴム質重合体は、上記のゴム状重合体をジビニルベンゼンなどの公知の架橋剤を使用して架橋させたものであってもよい。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0068】
上記エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体において、エチレンとα−オレフィンの割合は、重量比で95:5〜5:95、好ましくは95:5〜20:80、更に好ましくは92:8〜60:40、特に好ましくは85:15〜70:30とされる。
ここで使用されるα−オレフィンは、炭素数が3〜20の不飽和炭化水素化合物であり、その具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1などを挙げることができる。特に好ましいものはプロピレンである。
上記エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体におけるシクロヘキサン不溶分は、最終的に得られる熱可塑性重合体組成物の成形加工性と耐衝撃性に影響を与える成分であり、このことを考慮して、その割合は50重量%以下、好ましくは5重量%以下とされる。
上記エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体のためのポリエン化合物としては、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、6−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、9−メチル−1,9−ウンデカジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,4,9−デカトリエン、4−ビニル−1−シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−メチル−2−ノルボルナジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエンなどを挙げることができる。
上記のゴム状重合体よりなるゴム質重合体は、そのムーニー粘度 (ML1+4、100℃)が5〜200であることが好ましい。
【0069】
ゴム質重合体として用いられる熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリブタジエン樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹脂などを挙げることができる。
芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体としては、α−β、α−β−α、α−β−γ、α−β1 −β2 、α/β、α−α/β、α−α/β−γ、α−α/β−α、β2 −β1 −β2 、γ−β、γ−β−γ、γ−α/β−γ、γ−α−β〔式中、αは芳香族ビニル化合物重合体、βは共役ジエン化合物重合体、β1 はビニル結合含有量が20重量%以上の共役ジエン化合物重合体、β2 はビニル結合含有量が20重量%未満の共役ジエン化合物重合体、α/βは芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物のランダム共重合体、γは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体であり、かつ芳香族ビニル化合物が漸増するテーパー重合体を表わす。〕やこれらの水素添加物を挙げることができる。
特に透明性の優れた熱可塑性重合体組成物を得るために好ましいゴム質重合体としては、水素化スチレン−ブタジエンランダム共重合体、ブロック共重合体またはブロック−ランダム共重合体であってスチレン含有量が20〜45重量%のもの、並びにブタジエンとアクリル酸エステルの共重合体であってしかもブタジエンとアクリル酸エステルの重量比が10〜90:90〜10であるもの、並びにこれらの100重量部にスチレンおよび/またはアクリロニトリルが0〜30重量部の割合で共重合されたものおよびその水素添加物を挙げることができる。
【0070】
ゴム質重合体は、特定の環状オレフィン系重合体との相溶性を向上させる目的で、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基などの官能基によって変性されたものであってもよい。
このゴム質重合体の変性のために使用される官能基を有する不飽和化合物の量は、熱可塑性重合体組成物全体の0.01〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
【0071】
本発明の熱可塑性重合体組成物に用いることのできるゴム強化熱可塑性樹脂は、ゴム質重合体の存在下において、これと共重合可能な単量体あるいは単量体混合物、例えば芳香族ビニル化合物、マレイミド系化合物、ビニルシアン化合物およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体などを共重合してなる熱可塑性の共重合体である。
ここに、ゴム強化熱可塑性樹脂を得るためのゴム質重合体の例としては、前記ゴム質重合体と同様のものを挙げることができる。これらのゴム質重合体は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらのうち、物性上好ましいゴム質重合体はジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマーである。
【0072】
ゴム質重合体の存在下に共重合される芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、ジメチルスチレンなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち好ましく用いられる芳香族ビニル化合物はスチレンである。
マレイミド系化合物の具体例としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどを挙げることができ、好ましくはN−フェニルマレイミド、N−o−クロルフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどであり、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニルシアン化合物の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げることができ、これらのちで好ましいものはアクリロニトリルである。
他の共重合可能なビニル化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートなどのアクリル酸のアルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートなどのメタクリル酸のアルキルエステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物を挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を用いることができる。
【0073】
以上のようなゴム強化熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン樹脂(AES樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリレート−スチレン樹脂(ABMS樹脂)、アクリロニトリル−n−ブチルアクリレート−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ゴム変性ポリスチレン(ハイインパクトスチレン)などを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
ゴム質重合体および/またはゴム強化熱可塑性樹脂を含有させる場合において、その含有割合は、最終的に得られる熱可塑性重合体組成物全体の2〜98重量%の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは5〜95重量%、特に好ましくは10〜90重量%の範囲である。
【0075】
本発明の熱可塑性重合体組成物は、単軸押出機または二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどを用いる通常の方法により、特定の環状オレフィン系共重合体、他の重合体およびその他の成分を混合することによって得ることができる。一例を示せばミキサーで各成分を混合した後、押出機で220〜350℃で溶融混練して造粒物を得る方法、更に簡単な方法としてこれらの成分を直接成形機内で溶融混練して成形物を得る方法などを挙げることができる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
〈実施例1〉
容量10Lのステンレス製のオートクレーブ内に、トルエン4.0Lを入れた後、窒素気流下に5−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン25mmolを入れた。次いで、この系にエチルアルミニウムセスキクロライド25mmolを添加して反応させることにより、5−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンにおけるカルボキシル基のマスキング処理を行った。
その後、この系にテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン1.9molおよびエチルアルミニウムセスキクロライド50mmolを添加した。次いで、このオートクレーブ内にエチレンガスを導入することにより、その内部の圧力が2.0kg/cm2 になるまで加圧した。この系にVO(OC2 H5 )Cl2 5.0mmolを添加し、直ちに、オートクレーブ内に窒素ガスを導入することにより、その内部の圧力が4.0kg/cm2 になるまで加圧し、この状態で、30℃、20分間の条件で、エチレン、マスキング処理された5−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンの重合処理を行った。
【0078】
得られた重合体溶液に、50mmolのシュウ酸を含有するメタノール溶液を添加して30分間攪拌することにより、脱マスキング処理を行った。
次いで、重合体溶液を大量のメタノール中に加えることにより、共重合体を析出させ、40℃、12時間の条件で減圧乾燥処理することにより、固体状の環状オレフィン系共重合体145gを得た。
【0079】
このオレフィン系共重合体について分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合は80.8モル%、5−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに由来する構造単位の含有割合は0.2モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位の含有割合は19モル%であった。
また、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η〕が1.1、ゲル透過クロマトグラフィー法によって測定したポリスチレン換算重量平均分子量Mwが115,000、ポリスチレン換算数平均分子量Mnが85,000であった。
また、示差熱分析計(DSC)によって、10℃/minの昇温速度で−20℃〜200℃の範囲で測定したガラス転移温度は70.3℃であった。
【0080】
〈実施例2〉
オートクレーブ内にエチレンガスを導入することにより、その内部の圧力が1.0kg/cm2 になるまで加圧したこと以外は、実施例1と同様にして固体状の環状オレフィン系共重合体130gを得た。
このオレフィン系共重合体について分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合は71.6モル%、5−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに由来する構造単位の含有割合は0.4モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位の含有割合は28モル%であった。
また、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η〕が0.58、ゲル透過クロマトグラフィー法によって測定したポリスチレン換算重量平均分子量Mwが84,000、ポリスチレン換算数平均分子量Mnが54,000であった。
また、示差熱分析計(DSC)によって、10℃/minの昇温速度で−20℃〜200℃の範囲で測定したガラス転移温度は125℃であった。
【0081】
〈比較例1〉
5−カルボキシ−5メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンの代わりにビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンを用いたこと以外は、実施例2と同様にして環状オレフィン系共重合体140gを得た。
得られたオレフィン系共重合体について分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合は71モル%、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに由来する構造単位の含有割合は0.8モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位の含有割合は28.2モル%であった。
また、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η〕が0.57、ゲル透過クロマトグラフィー法によって測定したポリスチレン換算重量平均分子量Mwが82000、ポリスチレン換算数平均分子量Mnが83000であった。
また、示差熱分析計(DSC)によって、10℃/minの昇温速度で−20℃〜200℃の範囲で測定したガラス転移温度は127℃であった。
【0082】
〈比較例2〉
5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンの代わりに5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンを用いたこと以外は、実施例2と同様にして環状オレフィン系共重合体124gを得た。
得られたオレフィン系共重合体について分析したところ、エチレンに由来する構造単位の含有割合は70.0モル%、5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに由来する構造単位の含有割合は0.5モル%、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位の含有割合は29.5モル%であった。
また、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η〕が0.58、ゲル透過クロマトグラフィー法によって測定したポリスチレン換算重量平均分子量Mwが83000、ポリスチレン換算数平均分子量Mnが50000であった。
また、示差熱分析計(DSC)によって、10℃/minの昇温速度で−20℃〜200℃の範囲で測定したガラス転移温度は126℃であった。
【0083】
上記の実施例1〜2および比較例1〜2で得られた環状オレフィン系共重合体について、以下の項目の評価を行った。以上、結果を表1に示す。
(1)屈折率:
ASTM D542に準拠し、25℃におけるD線(589nm)の屈折率n25 D を測定した。
(2)全光線透過率:
ASTM D1003に準拠し、厚みが3.2mmの試験片により全光線透過率を測定した。
(3)光弾性係数:
エリプソメータにより、波長546nmの光弾性係数を測定した。
(4)吸湿率:
23℃の水中に24時間浸漬させた後、吸水率を測定した。
(5)密着性:
10cm×10cmの試験片にアルミニウムを蒸着し、この蒸着膜に対して、カッターにより、1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成されるよう切り込みを入れ、セロハンテープによる剥離試験を行い、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定した。
(6)耐熱性:
厚みが1mmのシート(試験片)を作製し、このシートを160℃で30分間加熱した後、当該シートを構成する共重合体中のカルボキシル基の残存率を、1700cm-1の赤外吸収スペクトルにより求めた。
【0084】
【表1】
【0085】
表1の結果から明らかなように、実施例1および実施例2に係る環状オレフィン系共重合体は、優れた光学特性を有するものであり、金属に対する接着性および密着性が高く、また、吸湿性が小さく、しかも、耐熱性の高いものであることが確認された。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の環状オレフィン系共重合体は、優れた光学特性を有するものであり、また、構造単位(b)が特定の官能基(基X1 および/または基X2 )を有するため、他の材料例えば金属やオレフィン系以外の重合体に対して高い接着性および密着性を有するものである。
また、構造単位(b)には、特定の官能基(基X1 および/または基X2 )が結合した炭素原子に水素原子が結合されておらず、従って、結合した炭素原子から離脱してラジカルが発生しやすい第三級水素原子が存在しないため、高い耐熱性を有するものである。
また、構造単位(b)には、特定の官能基(基X1 および/または基X2 )が結合した炭素原子に炭化水素基が結合されているため、特定の官能基が例えばカルボキシル基である場合にも、このような構造単位を形成するための特定の官能基含有環状オレフィンは臭気のないまたは少ないものであるので、臭気のないまたは少ない共重合体が得られる。
さらに、構造単位(b)の含有割合を特定の範囲に設定することにより、他の材料に対する接着性および密着性を損なうことなしに吸湿性の小さいものとすることができる。
本発明の環状オレフィン系共重合体は、以上のような性質を有するため、光ディスク、レンズ、光ファイバー、液晶パネルに用いられる導光板やフィルムなどの光学材料、光半導体封止材料等の電子部品材料やその他の電子材料として好適であり、その他には、自動車部品、医療容器などにも広く用いることができる。
【0087】
本発明の環状オレフィン系共重合体の製造方法によれば、優れた光学特性を有し、他の材料に対する接着性および密着性が高く、吸湿性が小さく、しかも、耐熱性が高く、更に臭気のないまたは少ない環状オレフィン系共重合体を確実に製造することができる。
【0088】
本発明の熱可塑性重合体組成物は、上記の環状オレフィン系共重合体が含有されているため、他の材料に対する接着性および密着性が向上し、また、光学特性が向上し、更に上記の環状オレフィン系共重合体に起因する種々の特性が付与されたものである。
Claims (3)
- エチレンに由来する構造単位(a)と、
下記一般式(1)で表される構造単位(b)と、
下記一般式(2)で表される構造単位(c)とを有してなり、
135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.2〜5dl/gであることを特徴とする環状オレフィン系共重合体。
官能基:ヒドロキシル基若しくはヒドロキシル基が結合した炭化水素基、カルボキシル基若しくはカルボキシル基が結合した炭化水素基、第一級アミノ基、第二級アミノ基若しくはこれらのアミノ基が結合した炭化水素基またはこれらの第四級アンモニウム塩、N活性水素を少なくとも一つ有するアミド基またはこのアミド基が結合した炭化水素基、並びにX1 とX2 とから構成された−CO−NH−CO−で表されるイミド基から選ばれた官能基。〕
- 全構造単位中における一般式(1)で表される構造単位(b)の割合が0.001〜30モル%であることを特徴とする請求項1に記載の環状オレフィン系共重合体。
- ガラス転移温度が50〜300℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の環状オレフィン系共重合体。
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