JP4072625B2 - 量子ドット電界効果トランジスタ、それを用いたメモリ素子及び光センサ及びそれらの集積回路 - Google Patents
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これらの問題を解決するために従来の手段としては、図1に示すように、電界効果トランジスタのゲート絶縁膜(103、105)中に量子ドット(104)を形成し、量子ドットへの電荷の注入によりトランジスタの閾値電圧を制御し、多値メモリ動作させている。これをメモリとして用いれば、従来の0または1の2値によるメモリ動作と異なり、0、1、2、3といった多値を使うことができるので、素子の占有面積が同じでも記憶容量を劇的に増やすことが可能となる。
また電気信号ではなく、光によって電界効果トランジスタを動作させる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。これはゲート電極(106)に光パルス(110)を照射することによってゲート絶縁膜中に形成した多段量子ドットに電荷を注入するものである。この技術によれば、電気配線によるゲート電圧印加がなくとも電界効果トランジスタの閾値電圧制御が可能となるので、信号遅延のない光入力によってデータ書き込みが可能となる(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
また、量子ドットをゲート絶縁膜中に導入し、これをメモリノードとして用いることによって多値メモリ動作させる電界効果トランジスタ技術に加えて、量子ドット電界効果トランジスタの書き込み時間と電荷保持特性を向上させるため、ゲート絶縁膜(103、105)に高誘電率絶縁膜であるHfO2膜を用いる技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。HfO2膜は、半導体層であるSiとの接合に於いて、伝導帯に対するバリアが低いため、HfO2膜中の量子ドットへの電子注入が容易であるという利点と、量子ドットに注入された電荷を長時間安定してドット内に保持できるという利点を兼ね備える。
更に前期課題を解決するために本発明の電界効果トランジスタは、前記高誘電率絶縁層は、Si伝導帯との接合バリア高さが1eV以下であることを特徴とする。ここで言う接合バリア高さとは、例えば、図4の(423)に示すようなエネルギー差を指す。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記高誘電率絶縁層は、タンタル酸化膜であることを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記高誘電率絶縁層は、Si伝導帯との接合バリア高さが1eV以下であることを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を化合物半導体基板で構成したことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を絶縁体上に形成された単結晶半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を絶縁体上に形成された化合物半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を絶縁体上に形成された多結晶半導体で構成したことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を多結晶化合物半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた不純物半導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタであって、該量子ドット電界効果トランジスタへの段階的光照射により、前記ゲート電極層から前記高誘電率絶縁層を介した前記多段量子ドット層への段階的電荷注入によるデータ書込み、および前記多段量子ドット層から前記トンネルSiO2膜を介したSi層への電荷の放出によるデータ消去をおこなうことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた不純物半導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタであって、該量子ドット電界効果トランジスタの多段量子ドット層に於ける電子なだれ増幅により光検知を行うことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた不純物半導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタと、少なくとも該量子ドット電界効果トランジスタへの段階的光照射により、前記ゲート電極層から前記高誘電率絶縁層を介した前記多段量子ドット層への段階的電荷注入によるデータ書込み、および前記多段量子ドット層から前記トンネルSiO2膜を介したSi層への電荷の放出によるデータ消去をおこなうメモリ素子と、該量子ドット電界効果トランジスタの多段量子ドット層に於ける電子なだれ増幅により光検知をおこなう光センサとを単一基板上に設けたことを特徴とする。
本発明は、量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた不純物半導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタを複数個具え、光入力により該複数のトランジスタを動作させることを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記高誘電率絶縁層はタンタル酸化膜であることを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記高誘電率絶縁層はSi伝導帯との接合バリア高さが1eV以下であることを特徴とする。
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本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を絶縁体上に形成された単結晶半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
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本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を絶縁体上に形成された多結晶半導体で構成したことを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、前記半導体層を多結晶化合物半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた半透明導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタであって、該量子ドット電界効果トランジスタへの段階的光照射により前記ゲート電極層から前記高誘電率絶縁層を介した前記多段量子ドット層への段階的電荷注入によるデータ書込み、および前記多段量子ドット層から前記トンネルSiO2膜を介したSi層への電荷の放出によるデータ消去をおこなうことを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた半透明導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタであって、該量子ドット電界効果トランジスタの多段量子ドット層に於ける電子なだれ増幅により光検知をおこなうことを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた半透明導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタと、少なくとも該量子ドット電界効果トランジスタへの段階的光照射により、前記ゲート電極層から前記高誘電率絶縁層を介した前記多段量子ドット層への段階的電荷注入によるデータ書込み、および前記多段量子ドット層から前記トンネルSiO2膜を介したSi層への電荷の放出によるデータ消去をおこなうメモリ素子と、該量子ドット電界効果トランジスタの多段量子ドット層に於ける電子なだれ増幅により光検知をおこなう光センサとを単一基板上に設けたことを特徴とする。
本発明は、上記量子ドット電界効果トランジスタにおいて、半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた半透明導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタを複数個具え、光入力により該複数のトランジスタを動作させることを特徴とする。
図2において、本発明の半導体層(200)としては、(100)の面方位を有する単結晶Si基板を用いた。基板は、p型で、素子分離のためのフィールド酸化後、閾値電圧制御のためBを1.5×1017 cm−3イオン注入により導入した。
半導体層の上には、厚さ3.5nmのトンネル酸化膜(203)を設ける。トンネル酸化膜としてSiO2膜を用いる。このSiO2膜は、2%酸素雰囲気中にて1000℃でSi基板を酸化することにより形成した。
高誘電率絶縁層の上に、不純物半導体ゲート電極(207)を設ける。このゲート電極(207)は、量子ドットへ注入する電荷の供給源となる。ゲート電極材料としては、本実施例の電界効果トランジスタでは光照射により発生する電荷を量子ドットに注入するために、不純物半導体層を用いた。
本実施例の電界効果トランジスタの他の構成部(浅接合を含むソース・ドレイン領域、その他の電極等)は従来のトランジスタと同様の一般的構成を具えている。
図3(a)は、量子ドットに電荷を注入する前の電界効果トランジスタのオン状態を示す。量子ドットに電荷がなく、フラットバンド条件下ではトランジスタの断面方向バンド図は図4(a)に示すようになる。この状態での電界効果トランジスタのゲート電圧−ドレイン電流特性は図2(b)の(211)に示すようなものとなる。フラットバンド電圧に対して正のゲート電圧VS2を印加したとき流れる電流IL1は基準値(214)より大きいので、この状態は論理上の“0”と判定される。この状態に対応するバンド図は図4(b)で示される。
さらに本発明の電界効果トランジスタに2回目のパルス光(310)を照射すると、ゲート電極で発生した電子がTa2O5絶縁膜の低いバリアを超えて量子ドットへと再度注入される。これによって、量子ドットの第2層まで電子注入が起こる。このようにしてトランジスタの閾値電圧は更に+側へとシフトするので、この状態でのトランジスタのゲート電圧−ドレイン電流特性は図2(b)(213)に示すようなものとなる。この場合、図3−2(d)に示されるようにトランジスタにゲート電圧VS3を印加しても流れる電流IL3は基準電流(214)より小さいため、この状態は論理上の“2”と判定される。このように、光入力によってトランジスタの閾値をシフトさせることによって多値情報の入力が可能となる。
量子ドットに注入された電荷は、光入力または電荷放出操作のない間は量子ドットに保持される。よって、光入力された情報はトランジスタへの電力供給を遮断しても不揮発的に保持される(図4(d))。
101 ソース領域
102 ドレイン領域
103 トンネル酸化膜
104 量子ドット
105 コントロール酸化膜
106 ゲート電極
203 トンネル酸化膜
204 多段量子ドット層
205 量子ドット
206 高誘電率絶縁層
207 不純物半導体ゲート電極
305 光励起電子
400 ゲート電極
401 高誘電率絶縁層
402 酸化膜
403 トンネル酸化膜
404 半導体層
405 量子ドット
407 フェルミエネルギー
Claims (18)
- 半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた不純物半導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えたことを特徴とする量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記高誘電率絶縁層は、タンタル酸化膜であることを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記高誘電率絶縁層は、Si伝導帯との接合バリア高さが1eV以下であることを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を化合物半導体基板で構成したことを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を絶縁体上に形成された単結晶半導体薄膜で構成したことを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を絶縁体上に形成された化合物半導体薄膜で構成したことを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を絶縁体上に形成された多結晶半導体で構成したことを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を多結晶化合物半導体薄膜で構成したことを特徴とする請求項1記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた不純物半導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタを複数個具え、光入力により該複数のトランジスタを動作させることを特徴とする集積回路。
- 半導体層上に設けられたトンネルSiO2膜、該トンネルSiO2膜上に設けられたSi量子ドット層とSiO2膜を交互に少なくとも2層以上重ねて形成された多段量子ドット層、多段量子ドット層の上部に設けられた高誘電率絶縁層、該高誘電率絶縁層上に設けられた半透明導体からなるゲート電極層、を少なくとも具えた量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記高誘電率絶縁層はタンタル酸化膜であることを特徴とする請求項10記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記高誘電率絶縁層はSi伝導帯との接合バリア高さが1eV以下であることを特徴とする、請求項10記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を化合物半導体基板で構成したことを特徴とする請求項10記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を絶縁体上に形成された単結晶半導体薄膜で構成したことを特徴とする請求項10記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を絶縁体上に形成された化合物半導体薄膜で構成したことを特徴とする請求項10記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
- 前記半導体層を絶縁体上に形成された多結晶半導体で構成したことを特徴とする請求項10記載の量子ドット電界効果トランジスタ。
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