JP4072581B2 - 足場装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建造物の支柱に装着され、作業者が支柱に梁材をねじやリベットを用いて取付作業を行ったり溶接作業を行う際に使用される足場装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
中層や高層の建築物や地下建築物などの種々の構造物には、鉄骨製の支柱とこれに水平に取り付けられる鉄骨製の梁材とを有するものがある。支柱には工場においてガセットプレートと言われる鋼製のプレートを溶接などの手段によって固定し、さらにそのプレートに梁材基部をボルトやリベットを用いて工場において固定したり溶接により固定するようにしている。そして、建築現場において支柱を垂直に敷設した後に、梁材基部に対して梁材本体をボルトやリベットにより固定したり溶接により固定する方式、つまりブラケット工法が多く採用されている。また、ガセットプレートが固定された状態の支柱をトラックなどで建築現場に搬送し、支柱を垂直に敷設した状態で、ガセットプレートに対して梁材を固定する方式、つまりノンブラケット工法が考えられており、その場合には予め梁材基部を支柱に固定する作業は不要となり、建築現場において支柱に対して梁材がガセットプレートの部分に直接固定されることになる。
【0003】
いずれの場合にあっても、支柱のガセットプレートに対して梁材を固定したり、梁材基部に梁材本体を固定する作業があり、これらの作業はボルトなどにより支柱に固定したり、溶接によって固定する作業を行う必要があるので、この作業を行うために、支柱を垂直に基盤面に敷設する前に、支柱を水平状態として足場装置を支柱に所定の間隔毎に取り付けている。
【0004】
この足場装置としては、従来では、特許第2768885 号公報に示されるように、支柱を両側から挟み込むようにして2つの足場枠を取り付け、それぞれの足場枠の両端部に連結足場板やウイングステージを取り付けるようにして、支柱の周囲に作業者用の足場を構築するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
中層や高層の建築物を建築する際には、1つの支柱には建築される階層に応じて複数の水平梁材が上下方向に所定の間隔を隔てて取り付けられることになるので、足場装置もそれに対応させて1つの支柱に上下方向に所定の間隔を隔てて複数個取り付けられることになる。
【0006】
作業者は、足場装置における所定の作業の進行に伴って、下段側の足場装置と上段側の足場装置との間で昇り降りする必要がある。たとえば、最下段の足場装置において所定の作業が終了した後には、その上段側の足場装置に移って上段側における所定の作業を行うことになり、そのために梯子が使用されている。
【0007】
従来では、支柱を垂直に基盤面に敷設する前に、足場装置を支柱に取り付けるときに梯子も支柱に直接取り付けるようにしている。このため、従来では、予め支柱には所定の個所に梯子を固定するためのフックなどの部材を溶接しておく必要がある。
【0008】
このように、従来の足場装置は基本的に作業者が梁材を支柱に固定する作業を行うために作業場所を確保するためのものであり、支柱に取り付けられた梯子を用いて作業者が昇り降りする際には、足場装置の間に設けられた連結足場板を持ち上げて足場装置と梯子との間の乗り移りを行う必要がある。
【0009】
その乗り移りの際には、作業者の安全を確保するために、安全ブロックと言われる器具を支柱に取り付けるようにしている。この安全ブロックは支柱の上端部に取り付けられ、これから下方に親綱つまり引き寄せロープが伸びており、作業者は腰の部分に取り付けた命綱を親綱に引っ掛けた状態として、梯子を昇り降りすることになる。
【0010】
このため、従来のように、支柱に直接梯子を取り付けるようにした場合には、予め梁材基部が固定されていると、その梁材基部が親綱の這い回しの邪魔となり、作業性が良くない。
【0011】
また、支柱に梯子を取り付けるようにした場合には、支柱に対して予め工場において梯子を取り付けるためのフックなどの部材を溶接しておく必要があり、支柱の外面に取り付けられる部材の数が多くなり、設計に時間がかかるだけでなく、建築現場において梯子の位置を変更することはできない。しかも、支柱に梯子を取り付けるようにした場合には、梁材が固定される部分には梯子を取り付けることができないので、その部分を乗り移る際には、ブラケット工法が採用された場合には予め支柱に固定された梁材基部に足を掛ける必要があり、その乗り移りを慎重に行う必要がある。また、ノンブラケット工法が採用された場合には、支柱の外面のうち梁材が固定される面には梯子を取り付けることができないので、他の面にタラップなどを取り付ける必要があり、そのためのフックなどを予め支柱の外面に固定しなければならない。
【0012】
また、梯子を支柱に取り付けるようにした場合には、昇り降りする作業者は梯子の回りには手摺などが配置されていないため、特に、地上面から高くなった場所での上下の移動には、作業者に不安感を与えることになる。
【0013】
本発明の目的は、支柱に取り付けられる足場装置に対して梯子を取り付けるようにして作業性の向上を図り得るようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の足場装置は、長方形の枠体を有し、断面四辺形の支柱の第1の外面に取り外し自在に装着される第1の足場ユニットと、長方形の枠体を有し、前記支柱の前記第1の外面に平行な第2の外面に取り外し自在に装着される第2の足場ユニットと、前記第1の足場ユニットの両端部と前記第2の足場ユニットの両端部との間に配置される連結足場板と、前記第1と第2の足場ユニットの端部における枠体の内側に形成された2つの梯子取付スペースに隣接させて前記第1と第2の足場ユニットにそれぞれ2つずつ開閉自在に設けられたハッチと、上下に隣接し合う前記足場ユニットに前記梯子取付スペースの部分で装着される梯子とを有し、上下に隣り合う前記足場ユニットの全てに取り付けられる前記梯子を一直線状に取り付ける状態と、ずらして取り付ける状態とに設定し得るようにしたことを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、支柱に上下に所定の間隔を隔てて装着された2組の足場装置の足場ユニットに梯子を装着することができ、足場装置を作業者のための作業場所とともに、梯子を支持する部材としても利用することができる。
【0016】
本発明の足場装置は、足場ユニットの両端部にそれぞれハッチを設けるとともに、両端部のハッチに対応させて枠体の両端部の内側に梯子取付スペースが設けられているので、上下方向に所定の間隔置きに支柱に装着された複数組の足場装置の間に装着される梯子の配置パターンを多くすることができ、作業場所に対応した最適の配置パターンを選定することができる。
【0017】
本発明にあっては、ハッチは常閉式となっており、足場装置の上で作業者が作業する際には、その部分を作業場所とすることができるとともに、ハッチからの作業者の不用意な落下を防止することができる。
【0018】
本発明にあっては、足場ユニットの下面には下方に突出して脚部が設けられているので、複数の足場ユニットを積み重ねることができ、運搬や保管のスペースを確保しつつ、崩れを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の足場装置を支柱に取り付けた状態を示す斜視図であり、図2は図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【0021】
図1は建築中の鉄骨構造物の一部を示す図であり、断面四辺形の鉄骨製の支柱11の4面にはそれぞれI形鋼からなる水平の梁材12が取り付けられることになる。それぞれの梁材12は建築物のスラブ床に対応した位置となっており、建築物の階層に対応して支柱11には上下方向に所定の間隔を隔てて複数個所に梁材12が取り付けられることになるが、図1にあっては、上下2段分の梁材12が示されている。
【0022】
図示する支柱11は建築物の内側に位置しており、この支柱11にはその4面に梁材12が十字形となって取り付けられるが、建築物の外側部や角部に位置する支柱には、3面のみにT字形状となって梁材が取り付られ、直角をなす2面にL字形状となって取り付けられることになる。
【0023】
支柱11には梁材12が取り付けられる位置に対応させて予めガセットプレート10が溶接により固定されており、それぞれのガセットプレート10に対してリベットやボルトなどの締結部材を用いて梁材12を取り付ける作業を行うために、上下に隣接するそれぞれの梁材12に対応させて足場装置13が取り付けられるようになっている。
【0024】
図1において実線で示すように、ガセットプレート10に対して梁材基部12aを予め工場において固定した状態とし、梁材基部12aの先端に梁材本体12bを連結するようにしても良く、その場合にも同様の足場装置13を使用することができる。ただし、図1にあっては、説明の便宜のため、梁材基部12aを予め固定しておくブラケット工法と、その上段側の梁材12のように、梁材基部12aを用いることなく、直接梁材12を支柱11に固定するノンブラケット工法とを混在して示しているが、本発明の足場装置13を使用した場合には、ノンブラケット工法を用いる場合に有用となる。
【0025】
足場装置13は、図2に示すように、相互に同一の構造の2つの足場ユニット14と、相互に同一の構造の2つの連結足場板15とを有しており、1つの足場ユニット14を拡大して示すと、図3および図4の通りである。
【0026】
足場ユニット14は角パイプ製の正面側と背面側の2本の長辺部16,16bとこれらの両端に固定される角パイプ製の2本の短辺部17a,17bとにより形成された長方形の枠体18を有しており、長辺部16a,16b相互間には図4において破線で示すように、角パイプ製あるいは断面L字形状の補強棒材19が複数本取り付けられている。短辺部17a,17bの中央部分の内側にはハッチ支持板20が固定されており、それぞれのハッチ支持板20の両側、つまり枠体18の両端部の内側には梯子取付スペース21が設けられている。
【0027】
枠体18の長手方向中央部には、踏み板22が固定されており、この踏み板22の枠体長手方向の両端と梯子取付スペース21との間には、それぞれ開閉蓋つまりハッチ23が枠体18の長辺部16aに固定されたヒンジ部24を中心に開閉自在に取り付けられている。それぞれのハッチ23の中央部分には、作業者がハッチ23を開閉する際に手を差し込むための操作孔25が形成されている。
【0028】
枠体18の両端部の一方側には、側方に突出して足場板支持部26が取り付けられており、枠体18には、一方の足場板支持部26の端部から短辺部17a、外側の長辺部16aおよび短辺部17bを介して他方の短辺部17に至る平面コの字形状の金属製の幅木27が固定されており、幅木27は上下方向に所定の幅を有し作業者の安全が図られている。
【0029】
それぞれの足場板支持部26の外側と枠体18の外側の長辺部16aとには、それぞれ角パイプにより形成された合計4つの手摺受け28が固定され、図1に示すように、手摺受け28には2対の手摺31が取外し自在に装着されるようになっている。それぞれの手摺31は、平面から見てL字形状となっており、足場ユニット14の両端の角部を上方に伸び、作業者の安全が図られるようになっている。
【0030】
図5に示すように、枠体18の底面には、その幅方向に延びる本体部32aと、これの一端から下方に突出する当接部32bとを有する連結部材32が、相互に所定の間隔を隔てて2つ固定されており、それぞれの連結部材32には、水平方向に突出して連結ピン33が設けられている。
【0031】
図4において二点鎖線で示すように、支柱11の外面には外方に突出してブラケット34が、2つの連結部材32の間隔に対応した間隔で予め固定されており、ブラケット34は、図2に示すように、断面四辺形の支柱11の第1の外面11a、これと平行となった第2の外面11b、およびこれらに対して直角方向の第3と第4の外面11c,11dのうち、相互に平行となった第1と第2の外面11a,11bに2つずつ固定されている。
【0032】
図2に示すように、2つの足場ユニット14をそれぞれ支柱11に予め固定されたブラケット34に対して連結ピン33を差し込んで支柱11に取り付けることができ、2つの足場ユニット14は相互に向き合った状態となる。
【0033】
相互に向き合った状態の2つの足場ユニット14を連結するために、図2に破線で示すように、2本の連結ロッド35が2つの足場ユニット14に取り付けられるようになっている。連結ロッド35の両端部にはナットがねじ結合されるねじ部が形成されており、2つの足場ユニット14は相互に接近するように締結されることになる。
【0034】
図6に示すように、枠体18の外側の長辺部16aの長手方向中央部には脚部36aが下方に突出して設けられ、両方の短辺部17a,17bにはそれぞれ脚部36b,36cが下方に突出して設けられており、脚部36c,36dの相互間の寸法L0 が枠体18の両端部における幅木27の間隔の寸法Lよりも小さくなるように、脚部36b,36cは、枠体18の外側面によりも内側に寄せられている。同様に、脚部36aも枠体の外側面よりも内側に寄せられている。さらに、それぞれの脚部36a〜36cの下面は、連結部材32の下面よりも僅かに下方にせり出している。これにより、1つの足場ユニット14を他の足場ユニット14の上に乗せると、脚部36a〜36cが下段側の足場ユニット14の上面に接触するとともに、幅木27の内側に位置することになるので、複数の足場ユニット14を積み重ねた状態として、所定の工事現場にトラックなどで運搬したり、保管場所で保管しておくときには、全ての足場ユニット14を水平状態として積み重ね状態がくずれるのを確実に防止することができる。
【0035】
図7(A)および図7(B)はそれぞれ脚部が相違した他のタイプの足場ユニット14を示す図であり、図7(A)に示す足場ユニット14の脚部36dは、枠体18の一方の長辺部16と両方の短辺部17に沿って延びる水平棒材37と、これと枠体18とを連結する複数の垂直棒材38とにより形成されており、この場合にも脚部36dは、複数の足場ユニット14を積み重ねると、下側の足場ユニット14の幅木27の内側に位置することになる。
【0036】
図7(B)に示す足場ユニット14の脚部36eは、図7(A)の場合と同様の水平棒材37と垂直棒材38とに加えて、傾斜した筋交い棒材39を有している。
【0037】
支柱11に梁材12を取り付ける作業を行うには、支柱11の外面のうち相互に平行となった2つの外面11a,11bに2つの足場ユニット14を対として装着することになる。その際には、に予め溶接などによって固定されたブラケット34に連結ピン33を押し込むことになる。対となった2つの足場ユニット14は、連結ロッド35によりそれぞれの両端部で連結されて相互に締結される。この状態のもとで、対となった2つの足場ユニット14の両端部の間に連結足場板15が装着される。それぞれの連結足場板15は、足場板支持部26に設けられた図示しないピンに嵌合されて固定されるようになっている。
【0038】
これにより、図2に示すように、2つの足場ユニット14と2つの連結足場板15によって1個所の作業場所に対応した足場装置13が全体的に四辺形となって組み立てられることになり、足場装置13の四隅に対応する手摺受け28に、図1に示されるように、手摺31が装着される。
【0039】
建築物を構成する1つの支柱11に対しては、建築物の階層に応じて梁材12も複数段に取り付けられることになり、足場装置13が梁材12の段数に応じて複数段となって支柱11に装着されることになる。図1は複数段となって支柱11に装着された足場装置13のうち二段分が示されている。
【0040】
上下に隣接する足場装置13の足場ユニット14には、作業者が上下の足場装置13に昇り降りするために、梯子41が装着されるようになっている。梯子41は上下に隣り合う2つの足場装置13の間の寸法に対応した長さを有しており、1つの梯子41は上下に隣り合う2つの足場装置13を連結するように装着される。したがって、梯子41は上下の足場ユニット14の連結強度を高める機能を有している。
【0041】
しかも、支柱11に直接梯子41を取り付けることなく、上下の足場ユニット14の間に梯子41を取り付けるようにすると、支柱11には梯子41を取り付けるためのフックなどの部材を予め溶接しておくことが不要となる。また、上下の足場ユニット14の間に梯子41を取り付けるようにすると、図1に示すように、支柱11に予め梁材基部12aを固定しておくことが不要となり、足場装置13を使用して支柱41に対して、梁材基部12aを用いることなく、直接、梁材12を固定することができる。つまり、ブラケット工法に代えてノンブラケット工法を採用する場合に有効となるが、ブラケット工法の場合にも適用することができる。
【0042】
それぞれのハッチ23の開閉端部の角部には、図2に示されるように、切り欠き部42が形成されており、この切り欠き部42を貫通させることによって、梯子41に沿って安全ブロックの引き寄せロープつまり親綱43を設けることができるようになっている。したがって、作業者は腰に取り付けられた命綱の先端を親綱43に引っ掛けることにより、梯子41を安全に昇り降りすることができる。ただし、梯子取付スペース21の部分を利用して親綱42を通すようにしても良い。
【0043】
梯子41は上下に隣り合う2つの足場装置13における2つの足場ユニット14のうちの一方の足場ユニット14に装着されることになり、一方の足場ユニット14の両端部に設けられた梯子取付スペース21のうち一方側に梯子41の端部が図示しないクランプ部材によって止め付けられるようになっている。したがって、梯子41の端部は枠体18の短辺部17a,17bの内側に位置することになり、手摺31の内側に位置することになり、しかも、ハッチ23に隣接することになる。
【0044】
したがって、作業者が梯子41を使用して上下の足場装置13に移動する際には、作業者は足場ユニット14の内側、つまり足場装置13の内側を移動することになるので、足場装置13の位置が地上から高い位置であっても、不安感を持つことなく、昇り降りを行うことができる。
【0045】
作業者が梯子41を使用して昇り降りする際には、常閉式のハッチ23を開くことなり、昇り降りが終了した後にはハッチ23は自重で閉じた状態となる。したがって、不用意にハッチ23が開かれて作業者がそこから落下することはなく、足場装置13の上で作業者が作業を行う場合には、ハッチ23の上に乗って作業を行うことができる。
【0046】
それぞれの足場ユニット14の両端部にハッチ23が設けられており、1組の足場装置13は合計4つのハッチ23を有することになるので、梯子41の装着位置は、梁材12の支柱11に対する取付作業に応じて任意に選定することができる。
【0047】
図8(A)は、図1に示すように、上段側の梯子41と下段側の梯子41とを相互にずらして配置した状態を示し、図8(B)は上段側の梯子41から下段側の梯子41までを一直線状に配置して装着した状態を示す。図8(B)に示すように一直線状に配置した場合には親綱43も一直線状に延びることになり、図8(A)に示すようにずらして配置した場合には、親綱43もずれて蛇行した状態となる。
【0048】
いずれの配置としても、作業者が梯子41を昇り降りする際には、作業者は足場装置13の足場ユニット14の外側面からせり出すことはなく、足場ユニット14の内側で上下移動を行うことになる。
【0049】
図1に示す支柱11には各階層に対応させて4つの梁材12が取り付けられるようになっているが、3つの梁材や2つの梁材が取り付けられる場合には、手摺31の間に梁材12が通らない部分があり、その部分にはチェーンなどを手摺として掛け渡すことによって、作業者の安全が図られる。
【0050】
足場装置13を使用した作業が終了した後には、足場装置13を構成する各部材は容易に分解することができ、トラックなどにより他の工事現場や保管場所に運搬される。
【0051】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0052】
たとえば、図示する足場ユニット14には両端部にハッチ23を設けて梯子41の配置パターンを多くしているが、一端部のみにハッチ23を取り付けるようにしても、梯子41の配置パターンは少なくなるが、作業者の昇り降りの安全を確保することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明にあっては、支柱には複数組の足場装置が上下方向に所定の間隔で装着され、1組の足場装置は2つの足場ユニットを有しており、足場ユニットの端部には開閉自在のハッチが設けられ、このハッチに対応させて足場ユニットの端部に梯子取付スペースが設けられているので、上下に隣り合う足場ユニットの間に梯子を装着することができ、梯子は足場ユニットを連結する部材としても機能することになり、足場装置の取付強度を向上させることができる。
【0054】
梯子を支柱に取り付けるようにした場合には、梁材が取り付けられる部分には梯子を取り付けることができず、支柱に予め梁材基部を固定しておき、その部分を利用して作業者が昇り降りする必要があるが、梯子を上下の足場ユニットの間に取り付けるようにしたので、作業者の昇り降りは全て梯子を利用して安全に行うことができる。その昇り降りに際して、作業者は足場装置の外方にせり出すことなく、内側を上下に移動することになるので、作業者の安全が確保される。
【0055】
上下の足場ユニットの間に梯子を取り付けることにより、支柱に予め梁材基部を固定しておくことが不要となり、支柱に対して梁材を直接固定することができ、ノンブラケット工法を採用する場合に有用となる。
【0056】
足場ユニットの両端部にハッチを設けることによって、足場ユニットの間に複数段となった装着される梯子の配置を種々のパターンとすることができ、作業現場に対応させて任意の配置を選択することができる。
【0057】
足場ユニットの下面には脚部が枠体の内側にずらして設けられているので、姿勢を崩すことなく、複数の足場ユニットを積み重ねて運搬や保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である足場装置を支柱に上下に複数装着した状態を示す斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】1組の足場装置を構成する2つの足場ユニットのうちの1つを示す斜視図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図3の正面図である。
【図7】(A)および(B)はそれぞれ脚部が相違した他のタイプの足場ユニットを示す斜視図である。
【図8】(A)および(B)はそれぞれ梯子の配置状態を示す足場装置の概略正面図である。
【符号の説明】
11 支柱
12 梁材
13 足場装置
14 足場ユニット
15 連結足場板
16 長辺部
17 短辺部
18 枠体
21 梯子取付スペース
22 踏み板
23 ハッチ
24 ヒンジ
25 操作孔
26 足場板支持部
27 幅板
28 手摺受け
31 手摺
32 連結部材
33 連結ピン
34 ブラケット
35 連結ロッド
36a〜36e 脚部
41 梯子
42 切り欠き部
43 親綱

Claims (3)

  1. 長方形の枠体を有し、断面四辺形の支柱の第1の外面に取り外し自在に装着される第1の足場ユニットと、
    長方形の枠体を有し、前記支柱の前記第1の外面に平行な第2の外面に取り外し自在に装着される第2の足場ユニットと、
    前記第1の足場ユニットの両端部と前記第2の足場ユニットの両端部との間に配置される連結足場板と、
    前記第1と第2の足場ユニットの両端部における枠体の内側に形成された2つの梯子取付スペースに隣接させて前記第1と第2の足場ユニットにそれぞれ2つずつ開閉自在に設けられたハッチと、
    上下に隣接し合う前記足場ユニットに前記梯子取付スペースの部分で装着される梯子とを有し、
    上下に隣り合う前記足場ユニットの全てに取り付けられる前記梯子を一直線状に取り付ける状態と、ずらして取り付ける状態とに設定し得るようにしたことを特徴とする足場装置。
  2. 請求項記載の足場装置において、前記ハッチは常閉式であり、作業者が昇り降りする際に開かれるようにしたことを特徴とする足場装置。
  3. 請求項1または2記載の足場装置において、前記枠体の下面に前記枠体の外面よりも内方に位置させて脚部を設け、複数の前記足場ユニットを積み重ねるときに、上段側の足場ユニットの前記脚部が下段側の足場ユニットの上面に乗るようにしたことを特徴とする足場装置
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