JP4071307B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0010】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶配向膜用組成物、これを用いた液晶配向膜、液晶挟持基板および液晶表示素子に関する。
【0011】
【従来の技術】
ノートパソコン、ワープロ等に用いられる大型ディスプレイ用液晶表示素子にはSTN(スーパーツイストネマチック)方式、TFT方式が用いられている。これらに用いる配向膜として、様々な構造をもつポリイミド系材料が提案されている(特開昭61−205924号公報、特開昭62−297819号公報)。
しかし、近年の液晶ディスプレイの特性向上にともない、液晶配向膜に対しても従来にもまして優れた特性が要求されるようになってきた。
従来から液晶配向膜には良好な配向特性、高い電圧保持率等の優れた電気光学特性を有していることが要求されていたが、近年になり、液晶駆動電圧の低電圧化に伴う誘電率異方性が大きい液晶が用いられるようになるにつれて、焼き付きが激しく発生するようになり、従来の液晶配向膜ではこれらの現象を低減するのに十分であるとはいえなくなっている。
高品質の液晶素子が得られる配向膜の例として4,4’−ジアミノジフェニルメタンとシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から得られたポリイミド配向膜が、特公平4−33010号公報に提案されている。これはポリイミド樹脂を構成する繰り返し単位の少なくとも90モルモル%が、式[1]
【0012】
【化1】
Figure 0004071307
(ただし、Rは2価の芳香族炭化水素基を示す)
【0013】
で表される構成単位からなるポリイミド樹脂を主剤とするものであり、透明性、耐熱性に優れるものである。ここではジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタンが有効であると述べられている。
更に特開平4−57027号公報においては、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物成分と4,4’−ジアミノジフェニルメタン成分の縮合構造を有するポリイミドを配向膜として用いると電圧保持率が高くアクティブマトリックス型液晶表示装置に適していることが開示されている。
【0014】
しかし、これらのポリイミドを実際に液晶素子に用いた場合、駆動回路の波形ひずみや構造上の問題から発生する直流成分がかかりっぱなしになった場合、または静電点灯したまま放置されていた場合に、点灯していた画素の周辺に滲んだ状態で点灯してしまうという問題が発生する。
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルメタン成分の縮合構造を有するポリイミドを配向膜として用いた場合は、誘電率が大きい低電圧タイプの液晶を用いてアクティブ駆動した際に、同一パターンで長時間点灯した後他のパターンの画面に移ったとき、前のパターンが消えずにうっすらと残る焼き付き現象が発生する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来から配向膜に要求されている良好な配向特性、高い電圧保持特性を持ち、更に誘電率異方性が大きい液晶を使用したときに問題になる焼き付き、にじみを起こさない液晶配向膜用組成物、これから形成される液晶配向膜、そしてこれを用いた液晶挟持基板および液晶表示素子を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前期従来技術の問題に鑑み、鋭意研究した結果、特定のポリイミドを液晶配向膜として用いると、課題を解決するために非常に有効であることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明はポリイミド系液晶配向膜用組成物において、ポリイミドを構成するジアミノ化合物が4,4’−ジアミノジフェニルメタンであり、酸無水物がピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から構成される液晶配向膜用組成物を用いて形成した液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。好ましくは、ポリイミドを構成する酸無水物がピロメリット酸二無水物35〜65モル%、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が65〜35モル%である液晶配向膜用組成物を用いて形成した液晶配向膜を有し、誘電率異方性が6以上である液晶を含有する液晶表示素子に関する。
【0017】
そこで、本発明者らは、ポリイミドを構成するジアミノ化合物が4,4’−ジアミノジフェニルメタンであり、酸無水物がピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から構成されることを特徴とする液晶配向膜用組成物、好ましくはポリイミドを構成する酸無水物がピロメリット酸二無水物35〜65モル%、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が65〜35モル%の範囲内で構成されることを特徴とする液晶配向膜用組成物を、液晶配向膜、この液晶配向膜を有する液晶挟持基板及び液晶表示素子に用いたところ、上記の課題を解決できることが明らかになった。
これらの焼き付き、にじみの発生原因は定かではないが、液晶素子中や配向膜にわずかに含まれるイオン性物質、極性の高い溶解性不純物が電極間で発生した直流成分の影響で偏りが生じたためであると考えられ、2種類の酸無水物を特定の割合で使用することにより、液晶配向膜自身の電気伝導度、不純物の吸着能が変化したためであると思われる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが用いられるが、特性を損なわない限り、全ジアミンに対して10モル%以下の割合で以下のジアミノ化合物を併用することができる。
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−プロピルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−ペンチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−nプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−nブチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−nペンチルシクロヘキサン、
【0019】
1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−エチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−プロピルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−ペンチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−ヘキシルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−へプチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−オクチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン。
【0020】
これらは一種単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。また、本目的を達成するものであれば、これらの構造に限定されない。
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物とシクロブタンテトラカルボン酸二無水物を所定の割合で使用するのが好ましいが、特性が損なわない範囲内(全テトラカルボン酸二無水物に対して10モル%以下であることが好ましい)で他のテトラカルボン酸二無水物を併用することができる。
【0021】
具体的には、エチレンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)−オクト(7)−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3,3’−ビシクロヘキシル−1,1’,2,2’−テトラカルボン酸二無水物、
【0022】
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2,−c]−フラン−1,3−ジオン、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、などの脂肪族及び脂環族テトラカルボン酸二無水物、
【0023】
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルスルフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、等の芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0024】
これらは一種単独でまたは二種以上組み合わせて使用される。
また、本発明の液晶配向膜材料において、、基板への密着性を良くするために、アミノシリコン化合物またはジアミノシリコン化合物を導入することができる。
アミノシリコン化合物としては、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ジアミノシリコン化合物としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1−テトラフェニルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,1−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
【0025】
本発明の液晶配向膜用材料の樹脂成分とされる重合体を得るための反応を行う際に用いる極性有機溶剤として好ましいものは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、γ−ブチロラクトン等であり、2種類以上を併用しても良い。
また、これらの極性有機溶剤と共に、2ーアルコキシエタノール系、カルビトール系、トルエン、キシレン等の汎用溶剤を、ポリイミド樹脂またはその前駆体の溶解性を低下させない範囲で併用することもできる。
【0026】
更に、本ポリマーの特性を損なわない範囲(好ましくは15モル%以内)で、他の組成を有するポリアミド酸、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、アクリルなどのポリマーを混合して使用することも可能である。
本発明の液晶配向膜材料は100〜400℃に加熱すること及び/または無水酢酸などの脱水剤で化学処理することによりポリイミドとされる。液晶挟持基板上の液晶の面する側に電極を設け、該基板および電極上に液晶配向膜組成物より得られる液晶配向膜を形成して液晶表示素子とされる。
本発明のポリイミド層の液晶基板上への形成は上記の液晶配向膜用組成物を、あらかじめ例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極が形成されたガラス基板上に塗布した後、乾燥または脱水閉環させてポリイミド層とすることにより行われる。塗布方法としては、印刷法、浸漬法、吹き付け法等が用いられる。脱水閉環温度は100〜400℃、好ましくは150〜330℃の範囲で任意に選択することができる。また加熱時間は1分〜6時間、好ましくは1分〜3時間である。
【0027】
本配向膜のポリイミド層にはガラス基板との密着性を良くするためにこの間にシランカップリング剤、チタンカップリング材などのカップリング材を併用しても良い。
このように形成されたポリイミド層は、表面をラビングすることによって液晶配向膜として用いられる。液晶配向膜を有する液晶表示基板を用いて公知の方法により液晶表示素子を得ることができる。
液晶表示素子に使用する液晶としては、フッ素系の液晶であって、誘電率異方性が6以上のものが好ましい。
一般に、同じフッ素系の液晶であっても、駆動電圧が比較的高い(誘電率異方性(Δε)が小さい)液晶を用いると、同一の配向膜を用いても比較的焼き付き、にじみは発生しにくいが、駆動電圧が低い(誘電率異方性が6以上)液晶を用いると焼き付き、にじみが目立ちやすくなる。
【0028】
本発明の液晶配向膜用組成物を液晶素子とした場合、誘電率異方性が小さいフッ素系液晶を用いた場合も当然ながら課題の改善には有効であるが、顕著な差としては表れにくい。しかし、誘電率異方性が6以上の液晶を用いたときにはより明確な差として表れるため、このような液晶と組み合わせることは本発明の液晶配向膜用組成物の特長を生かすためになお有効である。
【0029】
【作用】
本発明の液晶表示素子においては、特に液晶の誘電率異方性が6以上のフッ素系液晶を用いた場合に顕著に表れるにじみ、焼き付き低減される
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものではない。
電極周辺に発生するにじみの評価は次のように行った。
まず、ノーマリーブラックのTN型液晶パネル(チッソ製フッ素系液晶を用いる)の上下電極間に、60℃で3V、1時間電圧印加後5秒間ショートする。30分室温で放置した後、電圧印加しない状態での電極周辺の点灯状態を観察する。にじみが激しく発生する場合は、30分放置後も電極周辺ににじんだように点灯したままになっている。にじみの程度は目視で判断した。更に、空気中で放置した時の焼き付きが消失するまでの時間も測定した。
【0031】
焼き付けの大きさは、ノーマリーブラックのTN型液晶パネル(チッソ製フッ素系液晶を用いる)の画素の一部分を3V、30Hzで24時間駆動した後、全面点灯した時に生じるコントラストむらの有無を観察する。焼き付けが発生したパネルでは、焼き付いた部分の駆動電圧が変化して跡が残った状態になる。焼き付きの程度は目視で評価を行った。
焼き付きの程度の度合いを数値的に比較するために、C−Vヒステリシス法による残留DCの測定も行った。本測定はAMADAらの文献(JAPANESE JOURNALOF APPLIED PHYSICS Vol. 26, No.7, July, 1987, pp. L1092-L1094)に記載されている方法で行った。
この測定で用いた電圧のスウィープ速度は144mV/sで行った。
【0032】
合成例1
温度計、撹拌機、原料投入仕込み口及び窒素ガス導入口を備えた100ml四つ口フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.935g(14.80mmol)、脱水NMP94gを入れ、乾燥窒素気流下撹拌溶解した。反応系の温度を20℃以下に保ちながらピロメリット酸二無水物1.614g(7.40mmol)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 1.451g(7.40mmol)を添加し15時間反応し、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ピロメリット酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物のモル比が2:1:1で、固形分濃度6wt%の溶液を得た。このときの粘度は300mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)であり、重量平均分子量は22万(ゲルパーミエションクロマトグラフィ法により測定、以下同様)であった。
【0033】
合成例2
合成例1においてテトラカルボン酸二無水物がピロメリット酸二無水物を用いる以外は全く同様の方法で合成し、4,4’−ジアミノジフェニルメタンとピロメリット酸二無水物のモル比が1:1で固形分納度6wt%の溶液を得た。このときの粘度は75mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)であり、重量平均分子量は7.5万であった。
【0034】
合成例3
合成例1においてテトラカルボン酸二無水物がシクロブタンテトラカルボン酸二無水物を用いる以外は全く同様の方法で合成し、4,4’−ジアミノジフェニルメタンとシクロブタンテトラカルボン酸二無水物の比が1:1で固形分納度6wt%の溶液を得た。このときの粘度は102mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)であり、重量平均分子量は16万であった。
【0035】
実験例
合成例1〜3で得られた溶液を2ーブトキシエタノールで3wt%に希釈して、透明電極を形成したガラス基板上にスピンコート法で塗布し、200℃1時間加熱処理によりポリイミドとし、膜厚約60nmの薄膜を形成した(ここで得られたポリイミドを各々ポリマーA、ポリマーB、ポリマーCとする)。本ポリイミド薄膜をラビング処理し、配向膜とした。この配向膜を形成した基板を用い、ネマチック層のツイスト角を90度に設定し、液晶層の厚さが6μmである液晶セルを作成した。本液晶セルに所定の液晶を注入し、110℃で30分加熱処理を行った後、実験に用いた。
本実験には誘電率異方性の大きさが異なる2種類の液晶を用いた。以下に液晶1および2の組成と物性値を示す。
【0036】
液晶1
【化2】
Figure 0004071307
物性値
NI点 80.2℃
20℃における粘度 23.3mPa・s
△n 0.0965
△ε 5.7
【0037】
液晶2
【化3】
Figure 0004071307
【化4】
Figure 0004071307
物性値
NI点 79.9℃
20℃における粘度 26.28mPa・s
△n 0.0841
△ε 9.9
表1に結果を記載した。
【0038】
【表1】
Figure 0004071307
【0039】
本実験から、合成例1の液晶配向膜用組成物を配向膜として用い、誘電率異方性6以上のフッ素系液晶組成物を液晶として用いることにより、焼き付きが無く、にじみが発生しない液晶表示素子を得ることが可能であることが明らかである。
【0040】
【発明の効果】
本発明の化合物を用いた液晶表示装置は、高い電圧保持率を持ち、更に誘電率異方性が大きい液晶を使用したときに問題になりやすい焼き付き、にじみが起きにくくなる。
本発明の液晶表示装置は、特に、高画質、大容量表示のアクティブ駆動型液晶表示装置として優れており、OA機器の端末の液晶表示装置、自動車搭載用の表示装置等に使用できる。

Claims (2)

  1. ポリイミドを構成するジアミノ化合物が4,4’−ジアミノジフェニルメタンであり、酸無水物がピロメリット酸二無水物およびシクロブタンテトラカルボン酸二無水物から構成されることを特徴とするポリイミド系液晶配向膜用組成物から形成された液晶配向膜を、液晶に面して電極が設けられた液晶挟持基板上に有する液晶表示素子であって、誘電率異方性が6以上のフッ素系液晶組成物が封入されていることを特徴とする液晶表示素子
  2. ポリイミドを構成する酸無水物がピロメリット酸二無水物35〜65モル%、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が65〜35モル%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子
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