JP4070538B2 - ネガ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトパブリケーションプロセスに好適に用いられるネガ型レジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは、高エネルギー線(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線、X線、イオンビーム等)を使用して高精細化したパターン形成しうるネガ型フォトレジストに関するものであり、特にKrFエキシマレーザー、電子線を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることができるネガ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、さらにKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。さらには、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線を用いたリソグラフィも開発が進んでいる。
【0003】
電子線リソグラフィーは、次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のネガ型レジストが望まれている。特にウェハー処理時間の短縮化のために高感度化は非常に重要な課題であるが、電子線用ネガ型レジストにおいては、高感度化を追求しようとすると、解像力の低下のみならず、ラインエッジラフネスの悪化が起こり、これらの特性を同時に満足するレジストの開発が強く望まれている。ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストのパターンと基板界面のエッジがレジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることを言う。この凹凸がレジストをマスクとするエッチング工程により転写され、電気特性を劣化させるため、歩留りを低下させる。特に0.25μm以下の超微細領域ではラインエッジラフネスは極めて重要な改良課題となっている。高感度と、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスはトレードオフの関係にあり、これを如何にして同時に満足させるかが非常に重要である。
【0004】
また、KrFのような短波長のエキシマレーザー光を露光光源とするリソグラフィーにおいても、0.20μm以下の微細なパターン形成をターゲットとしているが、上記と同様に感度、解像力、パターン形状、及びラインエッジラフネスの各特性はトレードオフの関係にあり、これらを同時に満足するレジスト組成物が強く望まれている。
【0005】
かかる電子線やKrFを用いたリソグラフィープロセスに適したレジストとしては高感度化の観点から主に酸触媒反応を利用した化学増幅型レジストが用いられており、ネガ型レジストにおいては主成分として、アルカリ可溶性ポリマー、架橋剤、および酸発生剤からなる化学増幅型組成物が有効に使用されている。
これらの化学増幅型のネガレジストの性能向上に対しては、これまで種々の検討がなされてきたが、特に酸発生剤の観点からは下記に示すような検討がなされてきた。例えば、特開平3−87746号にはハロアルカンスルホネート化合物、特開平6−199770号にはヨードニウム、スルホニウム化合物、日本特許2968055号にはフェノール性ヒドロキシ基を有するトリフルオロメタンスルホネート化合物、特開2001−142200号にはフェノール性ヒドロキシ基を有する特定のベンゼンスルホネート化合物等がそれぞれ開示されている。さらに、特開平9−311451号、特開2001−294570号には特定構造のフェナシルスルホニウム塩のネガ型レジストへの適用が示されている。
【0006】
しかしながら、これらの化合物のいかなる組合せにおいても、上記技術でも超微細領域での、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスは同時に満足できていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高エネルギー線を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、特にKrFエキシマレーザー、X線、電子線又はイオンビームの使用に対して高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスを同時に満足するネガ型レジスト組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、驚くべきことに本発明の課題は、特定のフェナシル基を有するスルホン酸発生剤を含むネガ型レジスト組成物によって達成される。
即ち、本発明は下記構成より成る。
【0009】
(1)(A)アルカリ可溶性ポリマー、
(B)酸の作用によりアルカリ可溶性ポリマー(A)と架橋する架橋剤及び
(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、下記一般式(1)で表される化合物
を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
【0010】
【化2】
【0011】
一般式(1)中、
R1〜R5は、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアシルアミノ基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R6及びR7は、各々、水素原子を表す。
Y1及びY2は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基である。Y1及びY2は結合してS+とともに環を形成してもよい。
R1〜R5の少なくともひとつとY1及びY2の少なくともひとつが結合して環を形成してもよい。
X - は、非求核性アニオンを表す。
【0012】
以下、更に、本発明の好ましい態様を挙げる。
【0013】
(2) 更に、一般式(1)で表される化合物以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする上記(1)に記載のネガ型レジスト組成物。
【0014】
(3) 更に、含窒素塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のネガ型レジスト組成物。
【0015】
(4) (A)成分のアルカリ可溶性ポリマーが、下記一般式(b)で表される繰り返し単位を含有するポリマーであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
【0016】
【化3】
【0017】
一般式(b)中、 R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していても良いアルキル基を表す。R12は、水素原子又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアシル基を表す。R13、R14は、同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
Aは、単結合、置換基を有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基若しくはアリーレン基又は−O−、−SO2−、−O−CO−R15−、−CO−O−R16−若しくは−CO−N(R17)−R18−を表す。
R15、R16、R18は、単結合、置換基を有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基若しくはアリーレン基の単独又はこれらの基の少なくとも1つとエーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造及びウレイド構造の群より選択される少なくとも1種が一緒になって形成した2価の基を表す。
R17は、水素原子又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
nは、1〜3の整数を表す。また、複数のR12又はR12とR13若しくはR14が結合して環を形成しても良い。
【0018】
(5) (A)成分のアルカリ可溶性ポリマーが、下記一般式(b-2)又は(b-3)で表される繰返し単位から選ばれる少なくとも1種を含有するポリマーであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
【0019】
【化4】
【0020】
一般式(b−2)及び(b−3)中、R11及びAは、一般式(b)のR11及びAとそれぞれ同義である。R101〜R106は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、N−アルキルアミノ基若しくはN−ジアルキルアミノ基を表す。a〜fは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
Yは、下記縮合多環式芳香族構造から選ばれるいずれかを表す。
【0021】
【化5】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
〔1〕アルカリ可溶性ポリマー(A成分)
本発明においてアルカリ可溶性ポリマーは、これまでネガ化学増幅型レジストで開示されたフェノールノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ビニルフェノール由来の構造単位を有する共重合体、及びポリビニルフェノール樹脂を一部保護又は修飾することで得られる樹脂等、フェノール骨格を有するポリマーを広く使用することができる。
【0023】
アルカリ可溶性ポリマーのアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上のものである。
アルカリ可溶性ポリマーの好ましい分子量は重量平均で1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜50,000の範囲で使用される。分子量分布(Mw/Mn)は1〜10であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜1.5の範囲のものが使用される。分子量分布が小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
アルカリ可溶性ポリマーの添加量は組成物の全固形分に対し、通常30〜95質量%、好ましくは40〜90質量%、更に好ましくは50〜80質量%の範囲で使用される。
【0024】
本発明において、好ましいアルカリ可溶性ポリマーとして、上記一般式(b)で表される繰り返し構造単位を含有するフェノール樹脂を挙げることができる。
【0025】
一般式(b)中、 R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していても良いアルキル基を表す。
R12は、水素原子又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基若しくはアシル基を表す。
R13、R14は、同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。尚、R13及びR14が水素原子であるときは、R13及びR14が式(b)のベンゼン環上に置換基を構成しないことを意味する。
Aは、単結合、置換基を有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基若しくはアリーレン基又は−O−、−SO2−、−O−CO−R15−、−CO−O−R16−若しくは−CO−N(R17)−R18−を表す。
【0026】
R15、R16、R18は、単結合、置換基を有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基若しくはアリーレン基の単独又はこれらの基の少なくとも1つとエーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造及びウレイド構造の群より選択される少なくとも1種が一緒になって形成した2価の基を表す。
R17は、水素原子又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
nは、1〜3の整数を表す。また、複数のR12又はR12とR13若しくはR14が結合して環を形成しても良い。
【0027】
R11〜R14、R17のアルキル基としては、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
R12〜R14、R17のシクロアルキル基は、単環型でも良く、多環型でも良い。単環型としては炭素数3〜8個の例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型としては例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。
R13、R14のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜8個のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
【0028】
R12〜R14、R17のアリール基としては、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
R12〜R14、R17のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜12個のアラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
【0029】
R12のアシル基としては、例えば炭素数1〜8個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
【0030】
A、R15、R16、R18のアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良い、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
A、R15、R16、R18のアルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良い、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
【0031】
A、R15、R16、R18のシクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良い、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
A、R15、R16、R18のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜12個のものが挙げられる。
【0032】
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルケニル基、アルキレン基、アルケニレン基、シキロアルキレン基、アリーレン基等は、置換基を有していてもよい。
これらの基に置換される置換基としては、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。特にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものが好ましい。
【0033】
また、複数のR12、又はR12とR13もしくはR14が結合して形成した環としては、ベンゾフラン環、ベンゾジオキソノール環、ベンゾピラン環等の酸素原子を含有する4〜7員環が挙げられる。
【0034】
一般式(b)で表される繰り返し構造単位を有するアルカリ可溶性ポリマーは、一般式(b)で表される繰り返し構造単位のみからなる樹脂であっても良いが、更に本発明のネガ型レジストの性能を向上させる目的で、他の重合性モノマーを共重合させても良い。
【0035】
使用することができる共重合モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、上記以外のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0036】
具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、など)アリールアクリレート(例えばフェニルアクリレートなど);
【0037】
メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど);
【0038】
アクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;
【0039】
メタクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0040】
ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど);
【0041】
ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなど;
【0042】
スチレン類、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、カルボキシスチレン;
【0043】
クロトン酸エステル類、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等がある。その他、一般的には共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0044】
この中で、カルボキシスチレン、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド等のようなカルボキシル基を有するモノマー、マレイミド等、アルカリ溶解性を向上させるモノマーが共重合成分として好ましい。
【0045】
以下に一般式(b)で表される繰り返し構造単位を有するアルカリ可溶性ポリマーの具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】
上記具体例中のnは正の整数を表す。x、y、zは樹脂組成のモル比を表し、2成分からなる樹脂では、x=10〜95、y=5〜90、好ましくはx=40〜90、y=10〜60の範囲で使用される。3成分からなる樹脂では、 x=10〜90、y=5〜85、z=5〜85、好ましくはx=40〜80、y=10〜50、z=10〜50の範囲で使用される。
【0057】
一般式(b)で表される繰り返し構造単位の含有量は、アルカリ可溶性ポリマー中の全繰り返し単位に対して、通常5〜100モル%、好ましくは10〜90モル%である。
【0058】
本発明に用いられる一般式(b)で表わされる構造単位を含有するアルカリ可溶性ポリマーは、Macromolecules (1995), 28(11), 3787〜3789, Polym. Bull. (Berlin)(1990), 24(4), 385〜389,特開平8−286375に記載されている方法により合成することができる。即ち、ラジカル重合もしくはリビングアニオン重合法により目的のアルカリ可溶性ポリマーを得ることができる。
これらの樹脂は1種で使用しても良いし、複数を混合して用いても良い。
【0059】
一般式(b)で表わされる構造単位を含有するアルカリ可溶性ポリマーは、単独で用いても良いが、他のアルカリ可溶性ポリマーを併用することもできる。一般式(b)で表わされる構造単位を含有するアルカリ可溶性ポリマー100質量部に対して他のアルカリ可溶性ポリマーを通常100質量部まで併用することができる。以下に併用できるアルカリ可溶性ポリマーを例示する。
【0060】
例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
また、本発明で使用される(A)成分のアルカリ可溶性ポリマーとして、前記一般式(b-2)又は(b-3)で表される繰返し単位のいずれかを有するものも好ましい。
一般式(b-2)及び(b-3)において、R11は、一般式(b)のR11と同義である。
Aは、一般式(b)のAと同義である。
R101〜R106は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、N−アルキルアミノ基若しくはN−ジアルキルアミノ基を表すが、好ましくはヒドロキシ基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、フェニル基であり、より好ましくはヒドロキシ基、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等)、炭素数1〜3のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、フェニル基である。a〜fは、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2の整数である。
【0062】
アルキル基及びアルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、N−アルキルアミノ基、N−ジアルキルアミノ基におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状アルキル基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。シクロアルキル基は、単環型でも良く、多環型でも良い。単環型としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
アラルキル基としては、例えば、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
【0063】
Yは、前記縮合多環式芳香族構造から選ばれるいずれかを表す。
Yで表される縮合多環式芳香族構造において、主鎖に結合する結合手の位置、あるいは置換基に結合する結合手の位置は、縮合多環式芳香族構造上の結合手のいずれの位置でもよい。
【0064】
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アラルキル基、アルケニル基、N−アルキルアミノ基、N−ジアルキルアミノ基等は、置換基を有していてもよい。
これらの基に置換される置換基としては、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0065】
一般式(b-2)及び/又は(b-3)で表される繰返し単位の含有量は、全繰返し単位に対して、3〜50モル%とすることが好ましく、5〜40モル%とすることがより好ましい。
【0066】
一般式(b-2)及び/又は(b-3)で表される繰返し単位とともに、含有していてもよい繰り返し単位としては、前述の一般式(b)で表される繰り返し単位、及び一般式(b)で表される繰り返し単位が共重合してもよいモノマーに由来する繰り返し単位を挙げることができる。
一般式(b-2)又は(b-3)で表される繰返し単位のいずれかを有するアルカリ可溶性ポリマーも、前述の一般式(b)で表される繰返し単位を有するアルカリ可溶性ポリマーと同様にして合成することができる。
一般式(b-2)及び/又は(b-3)で表される繰返し単位を有するアルカリ可溶性ポリマーも、他のアルカリ可溶性ポリマーを併用することができ、例えば、一般式(b-2)及び/又は(b-3)で表される繰返し単位を含有するアルカリ可溶性ポリマー100質量部に対して、一般式(b)で表される繰返し単位を有するアルカリ可溶性ポリマー、上述したように他のアルカリ可溶性ポリマーを通常100質量部まで併用することができる。
【0067】
以下に、本発明で使用される一般式(b-2)及び/又は(b-3)で表される縮合多環式芳香族構造を有するアルカリ可溶性ポリマーの例を示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0068】
【化16】
【0069】
【化17】
【0070】
本発明に於ける(A)アルカリ可溶性ポリマーとしては、単環式芳香族構造を有する繰り返し単位と、多環式芳香族構造を有する繰り返し単位とを有する共重合体がより好ましい。
【0071】
〔2〕酸架橋剤(B成分)
本発明においては、アルカリ可溶性ポリマーとともに、酸により架橋する化合物(以下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を使用する。ここでは公知の酸架橋剤を有効に使用することができる。
好ましくは、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、アシルオキシメチル基、又はアルコキシメチルエーテル基を2個以上有する化合物あるいは樹脂、又はエポキシ化合物である。
【0072】
更に好ましくは、アルコキシメチル化、アシルオキシメチル化メラミン化合物あるいは樹脂、アルコキシメチル化、アシルオキシメチル化ウレア化合物あるいは樹脂、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化フェノール化合物あるいは樹脂、及びアルコキシメチルエーテル化フェノール化合物あるいは樹脂等が挙げられる。
【0073】
特に好ましい(B)成分としては、分子量が1200以下、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、さらにヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、そのヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基を少なくともいずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるフェノール誘導体を挙げることができる。このようなフェノール誘導体を用いることにより、本発明の効果をより顕著にすることができる。
ベンゼン環に結合するアルコキシメチル基としては、炭素数6個以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基が好ましい。さらに、2−メトキシエトキシ基及び、2−メトキシ−1−プロピル基の様に、アルコキシ置換されたアルコキシ基も好ましい。
フェノール誘導体の分子量は、より好ましくは150〜1200であり、特に好ましくは200〜1000である。
これらのフェノール誘導体の内、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】
(式中、L1〜L8は、同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。)
ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号、特開平7−64285号等に記載されている方法にて合成することができる。
【0080】
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。
このようにして合成されたヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。
ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるこのようなフェノール誘導体は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0081】
好ましい架橋剤の例として、更に以下の(i)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物、及び
(ii)エポキシ化合物を挙げることができる。
【0082】
(i)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物としては、EP0,133,216A、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号に開示された単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP0,212,482A号に開示されたアルコキシ置換化合物等に開示されたベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。
更に好ましい例としては、例えば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げられ、中でもN−アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
【0083】
(ii)エポキシ化合物としては、一つ以上のエポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができる。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられる。その他、米国特許第4,026,705号公報、英国特許第1,539,192号公報に記載され、使用されているエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0084】
架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、3〜65質量%、好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量が3質量%未満であると残膜率が低下し、また、65質量%を越えると解像力が低下し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好ましくない。
【0085】
本発明において、架橋剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
例えば、上記のフェノール誘導体に加え、他の架橋剤、例えば上述の(i)、(ii)等を併用する場合、上記のフェノール誘導体と他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましくは80/20〜50/50である。
【0086】
〔3〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、前記一般式(1)で表さ
れる化合物(C成分)
一般式(1)中、
R1〜R5は、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアシルアミノ基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R6及びR7は、各々、水素原子を表す。
Y1及びY2は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基である。Y1又はY2は結合してS+とともに環を形成してもよい。
R1〜R5の少なくともひとつとY1及びY2の少なくともひとつが結合して環を形成してもよい。
X - は、非求核性アニオンを表す。
【0087】
R1〜R7のアルキル基及びアシルアミノ基におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状、分岐状及び環状のアルキル基を挙げることができる。
R1〜R5のアルコキシ基及びアルキルオキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等を挙げることができる。
R1〜R7のアリール基は、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
R1〜R5のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0088】
Y1及びY2のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられ、更に好ましくは炭素数3〜20のアルキル基、例えば、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数4〜12のアルキル基、例えば、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられる。
【0089】
Y1及びY2のアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等を挙げることができる。
Y1及びY2のアリール基は、好ましくは炭素数6〜18のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができ、特に好ましくは、フェニル基、ナフチル基である。
Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基であり、片方がアリール基であっても、両方がアリール基であってもよい。また、Y1、Y2、及びS+は協同して環を形成していてもよい。即ち、Y1(又はY2)のアリール基、Y2(又はY1)及びS+は協同して環を形成してもよい。
【0090】
R1〜R5について、置換基を有する基である場合は、置換基を有するアルキル基が好ましい。
R1〜R5の合計炭素数は、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。R1〜R5の全てが水素原子の場合も特に好ましい。
【0091】
X-の非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
【0092】
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0093】
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
【0094】
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、弗素原子、沃素原子等を挙げることができる。
アルキル基としては、例えば、好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、例えば、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
アルキルチオ基としては、例えば、好ましくは炭素数1〜15のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基、ドデシルチオ基、トリデシルチオ基、テトラデシルチオ基、ペンタデシルチオ基、ヘキサデシルチオ基、ヘプタデシルチオ基、オクタデシルチオ基、ノナデシルチオ基、エイコシルチオ基等を挙げることができる。尚、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、更にハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい。
【0095】
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基としては、アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基と同様のものを挙げることができる。
アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基と同様のものを挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0096】
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
【0097】
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
【0098】
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
【0099】
X-の非求核性アニオンとしては、1位がフッ素置換されたスルホン酸が好ましく、更に好ましくはパーフロロアルカンスルホン酸である。
また、X-の非求核性アニオンとしては、フッ素原子又はフッ素原子を有する置換基で置換されたベンゼンスルホン酸も好ましい。
【0100】
一般式(1)において、R1〜R5の少なくとも1つとY1又はY2の少なくとも一つが結合して環を形成してもよい。
この場合に、R1〜R5の少なくとも1つとY1又はY2の少なくとも1つが結合して形成する基としては、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等を挙げることができる。
【0101】
一般式(1)で表される化合物は、Y1及びY2のうちの少なくとも1つ又は両方がアリール基であり、R1〜R5が水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
具体的には、好ましい態様として以下のものを挙げることができる。
(a)R1〜R5が各々水素原子であって、Y1及びY2の片方又は両方がアリール基であるもの。
(b)R1、R2、R4及びR5が各々水素原子であって、R3がアルキル基、Y1及びY2の片方又は両方がアリール基であるもの。
(c)R1〜R5のいずれかひとつがアルキル基、他が水素原子であって、Y1及びY2の片方又は両方がアリール基であるもの。
【0102】
以下に、C成分の化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0103】
【化23】
【0104】
【化24】
【0105】
C成分の化合物の、本発明のネガ型レジスト組成物中の含有量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1.0〜12質量%である。
また、C成分の化合物は1種類を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0106】
本発明においては、上記C成分以外の酸発生剤を併用してもよい。
【0107】
そのような併用可能な酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0108】
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
【0109】
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0110】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0111】
解像力、パターン形状等の画像性能向上の観点から併用に好ましい酸発生剤としては、スルホン酸発生剤であり、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩を挙げることができる。
これらの化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0112】
【化25】
【0113】
【化26】
【0114】
【化27】
【0115】
【化28】
【0116】
これらの併用してもよい酸発生剤の使用量は、モル比(C成分/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜5/95、好ましくは30/70〜5/95、更に好ましくは50/50〜10/90である。
【0117】
〔4〕その他の添加剤
本発明のネガ型レジスト組成物には、必要に応じて、さらに、含窒素塩基性化合物、染料、界面活性剤、可塑剤、光分解性塩基化合物、光塩基発生剤等を含有させることができる。
【0118】
1.含窒素塩基性化合物
本発明で用いることのできる好ましい含窒素塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。式(B)〜(E)は、環構造の一部であってもよい。
【0119】
【化29】
【0120】
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。R253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0121】
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0122】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、
【0123】
3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
【0124】
酸発生剤と含窒素塩基性化合物の組成物中の使用割合は、(酸発生剤)/(含窒素塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、300を越えると露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(酸発生剤)/(含窒素塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
【0125】
2.染料
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0126】
3.溶剤類
本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0127】
4.界面活性剤類
上記溶媒に界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、
【0128】
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100質量部当たり、通常、2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0129】
尚、界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0130】
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0131】
界面活性剤の使用量は、ネガ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0132】
5.可塑剤
本発明のネガ型レジスト組成物に使用できる可塑剤としては、特開平4−212960号、特開平8−262720号、欧州特許735422号、欧州特許416873号、欧州特許439371号、米国特許5846690号記載の化合物、具体的にはアジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、安息香酸n−ヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ベンジル−n−ブチル、ジヒドロアビエチルフタレート等が挙げられる。
【0133】
6.光分解性塩基化合物
さらに、本発明の組成物には、特開平7−28247号、欧州特許616258号、米国特許5525443号、特開平9−127700号、欧州特許762207号、米国特許5783354号記載のアンモニウム塩、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、ベタイン等も添加できるし、特開平5−232706号、同6−11835号、同6−242606号、同6−266100号、同7−333851号、同7−333844号、米国特許5663035号、欧州特許677788号に記載の露光により塩基性が低下する化合物(フォトべース)を添加することもできる。
【0134】
7.光塩基発生剤
本発明の組成物に添加できる光塩基発生剤としては、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメート等が好適に用いることができる。これらの光塩基発生剤は、レジスト形状などの改善を目的とし添加される。
【0135】
本発明のネガ型レジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は、0.1〜4.0μmが好ましい。
【0136】
本発明においては、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。更にレジスト上層に反射防止膜を塗布して用いることもできる。
【0137】
レジストの下層として用いられる反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
【0138】
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
【0139】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例えばシリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、金属基板、窒化シリコン基板、窒化チタン基板、酸化クロム基板等)上に、直接あるいは予めこれらの基板上に塗設した上記反射防止膜上に本発明のネガ型フォトレジスト組成物を塗布し、次にKrFエキシマレーザー、電子線、X線、又はイオンビーム等の高エネルギー線を用いて照射を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
【0140】
本発明のネガ型レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液(通常0.1〜10質量%)にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0141】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0142】
1.構成素材の合成例
(1)アルカリ可溶性ポリマー
樹脂例(29)の合成
4−アセトキシスチレン3.9g(0.024モル)、4−メトキシスチレン0.8g(0.006モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び撹拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)50mg、4−アセトキシスチレン9.1g(0.056モル)、4−メトキシスチレン1.9g(0.014モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後開始剤50mgを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温し撹拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水1Lに激しく撹拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を乾燥後、メタノール100mLに溶解し、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを加え、樹脂中のアセトキシ基を加水分解した後、塩酸水溶液にて中和して白色樹脂を析出させた。イオン交換水にて水洗、減圧下で乾燥後、本発明の樹脂(29)11.6gを得た。GPCにて分子量を測定したところ、重量平均(Mw:ポリスチレン換算)で9,200、分散度(Mw/Mn)で2.2であった。
以下、同様にして本発明(A)の樹脂を合成した。
【0143】
(2)酸発生剤
酸発生剤(B−1)の合成
AgBF4、16.4gをアセトニトリル150mlと混合し、これにフェナシルブロミド16.0gとメチルフェニルスルフィド14gをアセトニトリル50mlに溶解させたものを30分間かけて加えた。室温で一晩攪拌し、反応液を濃縮すると粉体が得られた。これをジイソプロピルエーテルで洗浄すると、フェナシルメチルフェニルスルホニウムテトラフルオロボレートが26g得られた。
フェナシルメチルフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート10gをメタノール200mlに溶解させ、これにトリフルオロメタンスルホン酸カリウム5gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液にクロロホルム500mlを加えた後、蒸留水300mlで2回洗浄した。有機層を濃縮して、酸発生剤(B−1)が8g得られた。
他の化合物も同様の方法を用いて合成した。
【0144】
(3)架橋剤
〔HM−1〕の合成
1−〔α−メチル−α-(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製Trisp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、37%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した後、メタノール30mlより再結晶することにより、下記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0145】
【化30】
【0146】
〔MM−1〕の合成
上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1〕20gを1リットルのメタノールに加え、加熱撹拌し、溶解した。次に、この溶液に濃硫酸1mlを加え、12時間加熱還流した。反応終了後、反応液を冷却し、炭酸カリウム2gをを加えた。この混合物を十分濃縮した後、酢酸エチル300mlを加えた。この溶液を水洗した後、濃縮乾固させることにより、下記構造のメトキシメチル基を有するフェノール誘導体〔MM−1〕の白色固体22gを得た。純度は90%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0147】
【化31】
【0148】
さらに、同様にして以下に示すフェノール誘導体を合成した。
【0149】
【化32】
【0150】
【化33】
【0151】
【化34】
【0152】
2.実施例
〔実施例1〕
(1)ネガ型レジストの調製および塗設
樹脂(29) 0.697g
架橋剤MM−1 0.23g
酸発生剤B−1 0.07g
含窒素塩基性化合物D−1 0.003g
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8.5gに溶解させ、さらに界面活性剤としてメガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、以下W−1と略す)0.001gを添加、溶解させ、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、ネガ型レジスト溶液を得た。
このレジスト溶液を6インチウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚0.3μmのレジスト膜を得た。
【0153】
(2)ネガ型レジストパターンの作製
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、照射を行った。照射後に、110℃、90秒間ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネスについて評価した。
【0154】
(2−1)感度
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。0.15μm(ライン:スペース=1:1)を解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。
【0155】
(2−2)解像力
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
【0156】
(2−3)パタ−ン形状
上記の感度を示す露光量における0.15μmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。矩形、ややテーパー、テーパーの3段階評価とした。
【0157】
(2−4)ラインエッジラフネス
上記の感度を示す照射量における0.14μmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について線幅を測定し、そのバラツキを3σで評価した。
【0158】
実施例1の結果は、感度:5.7μC/cm2、解像力:0.10μm、パターン形状:矩形、ラインエッジラフネス6.3nmであり、良好であった。
【0159】
〔実施例2〜14〕
表1に示した各成分を用い、その他は実施例1と同様にしてネガ型レジスト溶液の調製、ネガ型パターン形成を行った。評価結果を表2に示した。
【0160】
〔比較例1〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、一般式(1)のY1及びY2にアリール基を持たない酸発生剤(B'−1)を用い、これ以外は実施例1と全く同様にしてレジスト調製・塗設、電子線露光評価を行った。レジスト組成物及び評価結果を表1及び表2にそれぞれ示した。
【0161】
〔比較例2〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、フェナシル構造を持たない酸発生剤(z1)を用いて実施例1と全く同様にしてレジスト調製・塗設、電子線露光評価を行った。レジスト組成物及び評価結果を表1及び表2にそれぞれ示した。
【0162】
【表1】
【0163】
表中略号の説明
架橋剤CL−1〜CL−4の構造を以下に示す。
【0164】
【化35】
【0165】
【化36】
【0166】
表1における含窒素塩基性化合物についての記号は以下を表す。
D−1: 4−ジメチルアミノピリジン
D−2: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール
D−3: トリ−n−ブチルアミン
【0167】
表1の比較例1で使用した酸発生剤B’−1の構造を下記に示す。
【0168】
【化37】
【0169】
評価結果を表2に示した。
【0170】
【表2】
【0171】
〔実施例15〕
表3に示す化合物を用い、実施例1と同様にしてネガ型レジスト組成物の調整、塗布を行った。
【0172】
〔ネガ型レジストパターンの作製〕
このレジスト膜に、KrFエキシマレーザーステッパー(キャノン(株)製FPA3000EX-5、波長248nm)を用いて、パターン露光した。露光後の処理は実施例1と同様に行った。パターンの評価は以下のように行った。
【0173】
(2−5)感度
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。0.18μm(ライン:スペース=1:1)を解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。
【0174】
(2−6)解像力
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
【0175】
(2−7)パタ−ン形状
上記の感度を示す露光量における0.18μmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。矩形、ややテーパー、テーパーの3段階評価とした。
【0176】
(2−8)ラインエッジラフネス
上記の感度を示す照射量における0.18μmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について線幅を測定し、そのバラツキを3σで評価した。
【0177】
実施例15の結果は、感度:30mJ/cm2、解像力:0.15μm、パターン形状:矩形、ラインエッジラフネス5.5nmであり、良好であった。
【0178】
〔実施例16〜24〕
表3に示した化合物を用いて、実施例16と同様にしてレジスト塗設、KrFエキシマレーザーステッパーによる露光評価を行った。評価結果を表4に示した。
【0179】
〔比較例3〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、一般式(1)のY1及びY2にアリール基を持たない酸発生剤(B'−1)を用い、これ以外は実施例16と全く同様にしてレジスト調製・塗設、KrF露光評価を行った。レジスト組成物及び評価結果を表3及び表4にそれぞれ示した。
【0180】
〔比較例4〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、フェナシル構造を持たない酸発生剤(z4)を用いて実施例16と全く同様にしてレジスト調製・塗設、KrF露光評価を行った。レジスト組成物及び評価結果を表3及び表4にそれぞれ示した。
【0181】
【表3】
【0182】
【表4】
【0183】
<等倍X線露光によるパターンニング>
〔実施例25及び比較例5及び6〕
上記実施例1、比較例1及び比較例2の各レジスト組成物を用い、上記実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。次いで、等倍X線露光装置(ギャップ値:20nm)を用いた以外は上記実施例1と同様にしてパターニングを行い、上記実施例1と同様の方法でレジスト性能(感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス)を評価した。
評価結果を表5に示す。
【0184】
【表5】
【0185】
表2、4及び5に示される結果から、本発明のネガ型レジスト組成物は、電子線、及びKrFエキシマレーザーの照射下において、比較例の組成物に比べ感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネスに優れ、良好な性能を有していることがわかる。
【0186】
【発明の効果】
本発明により、KrFエキシマレーザー、電子線、X線又はイオンビームのような高エネルギー線の照射によるパターン形成に関して、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネスに優れたネガ型レジスト組成物を提供できる。
Claims (2)
- (A)アルカリ可溶性ポリマー、
(B)酸の作用によりアルカリ可溶性ポリマー(A)と架橋する架橋剤、及び、
(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
R1〜R5は、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアシルアミノ基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R6及びR7は、各々、水素原子を表す。
Y1及びY2は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Y1
及びY2の少なくともひとつはアリール基である。Y1及びY2は結合してS+とともに環を形成してもよい。
R1〜R5の少なくともひとつとY1及びY2の少なくともひとつが結合して環を形成してもよい。
X - は、非求核性アニオンを表す。 - 請求項1に記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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