JP4067359B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトパブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型レジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは、高エネルギー線(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線、X線、イオンビーム等)を使用して高精細化したパターン形成しうるポジ型レジストに関するものであり、特にKrFエキシマレーザー、電子線を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることができるポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、さらにKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。さらには、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線を用いたリソグラフィも開発が進んでいる。
【0003】
電子線リソグラフィーは、次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のポジ型レジストが望まれている。特にウェハー処理時間の短縮化のために高感度化は非常に重要な課題であるが、電子線用レジストにおいては、高感度化を追求しようとすると、解像力の低下のみならず、ラインエッジラフネスの悪化が起こり、これらの特性を同時に満足するレジストの開発が強く望まれている。ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストのパターンと基板界面のエッジがレジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることを言う。この凹凸がレジストをマスクとするエッチング工程により転写され、電気特性を劣化させるため、歩留りを低下させる。特に0.25μm以下の超微細領域ではラインエッジラフネスは極めて重要な改良課題となっている。高感度と、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスはトレードオフの関係にあり、これを如何にして同時に満足させるかが非常に重要である。
【0004】
また、KrFのような短波長のエキシマレーザー光を露光光源とするリソグラフィーにおいても、0.20μm以下の微細なパターン形成をターゲットとしているが、上記と同様に感度、解像力、パターン形状、及びラインエッジラフネスの各特性はトレードオフの関係にあり、これらを同時に満足するレジスト組成物が強く望まれている。
かかる電子線やKrFを用いたリソグラフィープロセスに適したレジストとしては高感度化の観点から主に酸触媒反応を利用した化学増幅型レジストが用いられており、ポジ型レジストにおいては主成分として、アルカリ水溶液には不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる性質を有するフェノール性ポリマー(以下、フェノール性酸分解性樹脂と略す)、及び酸発生剤からなる化学増幅型レジスト組成物が有効に使用されている。
【0005】
これらのポジ型レジストに関しては、ポリマーや酸発生剤に着目した性能改良が行われてきている。たとえば、特開平2−19847号にはポリ(p-ヒドロキシスチレン)のフェノール性ヒドロキシ基を全部あるいは部分的にテトラヒドロピラニル基で保護したポリマーを有するレジスト組成物が、また特開平4−219757号には、同様にポリ(p-ヒドロキシスチレン)のフェノール性ヒドロキシ基の20〜70%がアセタール基で置換されたポリマーを含有するレジスト組成物がそれぞれ開示されている。
【0006】
酸発生剤の観点からは、特開2000−292917号にはカルボキシル基が酸分解性基で保護された酸分解性ポリマーと特定のフェナシル構造を含む酸発生剤及びトリフェニルスルホニウム塩との組合せが、特開2001−294570号には特定構造のフェナシルスルホニウム塩のポジ型レジストへの適用が、また特開平4−211258号には特定のフェノール性酸分解性樹脂と、特定のフェナシルスルホニウム塩との組合せがそれぞれ開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの化合物のいかなる組合せにおいても、上記技術でも超微細領域での、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスは同時に満足できていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高エネルギー線を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、特にKrFエキシマレーザー、X線、電子線又はイオンビームの使用に対して高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスを同時に満足するポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、驚くべきことに本発明の課題は、酸分解性基を有するポリマー、及び特定のフェナシル基を有するスルホン酸発生剤をともに含むポジ型レジスト組成物によって達成される。
即ち、本発明は下記構成によって達成される。
【0010】
(1)(A)フェノール性ヒドロキシ基をアセタール基又はケタール基で保護した基及びカルボキシル基を3級エステル基又はテトラヒドロピラニル基で保護した基から選ばれる少なくともひとつの基を有する繰り返し単位を含有する、アルカリ水溶液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる性質を有するフェノール性ポリマー、及び、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、下記一般式(I)で表される化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【0011】
【化2】
【0012】
一般式(I)中、
R1〜R5は、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアシルアミノ基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R6及びR7は各々水素原子である。
Y1及びY2は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基である。Y1及びY2は結合してS+とともに環を形成してもよい。
R1〜R5の少なくともひとつとY1及びY2の少なくともひとつが結合して環を形成してもよい。
また、R1〜R 5 のいずれか、又はY1及びY2のいずれかの位置で、連結基を介して結合し、一般式(I)の構造を2つ以上有していてもよい。
X-は、炭素数3以上のアルカンスルホン酸アニオン、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基及び炭素数2以上のアルキル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、アントラセンスルホン酸アニオン、又はカンファースルホン酸アニオンを表す。
【0013】
以下、更に、本発明の好ましい態様を挙げる。
【0014】
(2)更に(D)含窒素塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0015】
(3)更に一般式(I)で表される化合物以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
〔1〕アルカリ水溶液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる性質を有するフェノール性ポリマー。
ここで、フェノール性ポリマーとは、ポリマー主鎖又はポリマー側鎖にフェノール構造を有するポリマーを意味し、具体的には、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、分子内にヒドロキシスチレン単位を有するポリマーが好ましく、特に好ましくは分子内にヒドロキシスチレン単位を有するポリマーである。
【0017】
本発明に用いられる好ましいフェノール性ポリマーは、アルカリ水溶液には不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液には可溶となるポリマーであり、酸の作用により分解しアルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)として、フェノール性ヒドロキシ基をアセタール基又はケタール基で保護した基及びカルボキシル基を3級エステル基又はテトラヒドロピラニル基で保護した基から選ばれる少なくともひとつの基を有する。
【0018】
フェノール性ヒドロキシ基をアセタール又はケタール基で保護した基を有する基として、−Ar−O−B0で表される基が好ましい。
Arは、単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。
B0は−C(R04)(R05)−O−R06で表される。R04は水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜6)であり、好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基である。R05はアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。R06は直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数4〜10の環状アルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24)、置換基を有していてもよいチオフェニル基、またはこれらの基を組合せた基を表す。置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)などが挙げられる。さらに基の途中にエーテル、チオエーテル、エステル、ケトンから選ばれる少なくともひとつの基を有していてもよい。R05とR06は協同して環を形成していてもよい。
【0019】
R06として好ましくは、直鎖、分岐又は環状アルキル基(好ましくは直鎖又は分岐状の炭素数1〜16のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)、またはこれらの基を組合せた基(基の途中にエーテル、チオエーテル、エステル、ケトンから選ばれる少なくともひとつの基を有していてもよい)であり、特に好ましくは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、シクロヘキシル基、炭素数6〜16のアリール基、またはこれらの基を組合せた基(基の途中にエーテル、チオエーテル、エステルから選ばれる少なくともひとつの基を有していてもよい)である。
【0020】
カルボキシル基を3級エステル基又はテトラヒドロピラニル基で保護した基を有する基としては、−R0−COO−A0で表される基が好ましい。
R0は単結合又は2価の連結基を表し、好ましくは、単結合、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜12)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜12)、アリーレンオキシアルキレン基(好ましくは炭素数7〜16)であり、特に好ましくは、単結合、フェニレン基、炭素数7〜10のフェニレンオキシアルキレン基である。
【0021】
A0は−C(R01)(R02)(R03)、又はテトラヒドロピラニル基を表す。R01〜R03はそれぞれ独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜16)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜16)を表し、R01〜R03の少なくとも2つが協同して環または有橋式構造を形成していてもよい。
R01〜R03は、各々、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基であり、特に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基である。
【0022】
尚、上記酸分解性基を有する繰り返し単位は、未保護のフェノール性水酸基又はカルボキシル基などのアルカリ可溶性基を有していてもよい。
【0023】
本発明で使用されるポリマーは、好ましくは上記の酸分解性基を側鎖に有する。即ち、この場合の母体樹脂としては、側鎖に−OHもしくは−COOH、好ましくは−R0−COOHもしくは−Ar−OH基を有するアルカリ可溶性樹脂である。例えば、後述するアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
【0024】
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して170A/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは330A/秒以上のものである(Aはオングストローム)。
このような観点から、特に好ましいアルカリ可溶性樹脂は、o−,m−,p−ポリ(ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリ (ヒドロキシスチレン)の一部、O−アルキル化もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体及び水素化ノボラック樹脂である。
【0025】
本発明に用いられる成分(A)は、欧州特許254853号、特開平2−25850号、同3−223860号、同4−251259号等の公報に開示されているように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
【0026】
本発明に使用される成分(A)の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
酸分解性基の含有率は、樹脂中の酸分解性基の数(A)と酸分解性基で保護されていないアルカリ可溶性基の数(S)をもって、A/(A+S)で表される。含有率は好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.05〜0.50、更に好ましくは0.05〜0.40である。A/(A+S)>0.7ではPEB後の膜収縮、基板への密着不良やスカムの原因となり好ましくない。一方、A/(A+S)<0.01では、パターン側壁に顕著に定在波が残ることがあるので好ましくない。
【0037】
成分(A)の質量平均分子量(Mw)は、2,000〜200,000の範囲であることが好ましい。2,000未満では未露光部の現像により膜減りが大きくなる傾向があり、200,000を越えると樹脂自体のアルカリに対する溶解速度が遅くなり感度が低下してしまう傾向がある。より好ましくは、5,000〜100,000の範囲であり、更に好ましくは8,000〜50,000の範囲である。
また、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.6である。
ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
また、成分(A)のポリマーは、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
成分(A)のポリマーの添加量は、ポジ型レジスト組成物の固形分に対し、 80〜98質量%が適当であり、好ましくは85〜96質量%である。
【0038】
〔2〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する一般式(I)で表される化合物(B成分)
本発明のレジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)として、上記一般式(I)で表される化合物を含有する。
R1〜R5は、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアシルアミノ基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R6及びR7は、各々、水素原子を表す。
Y1及びY2は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基である。Y1又はY2は結合してS+とともに環を形成してもよい。
R1〜R5の少なくともひとつとY1及びY2の少なくともひとつが結合して環を形成してもよい。
また、R1〜R 5 のいずれか、又はY1及びY2のいずれかの位置で、連結基を介して結合し、一般式(I)の構造を2つ以上有していてもよい。
X-は、炭素数3以上のアルカンスルホン酸アニオン、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基及び炭素数2以上のアルキル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、アントラセンスルホン酸アニオン、又はカンファースルホン酸アニオンを表す。
【0039】
R1〜R7のアルキル基及びアシルアミノ基におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状、分岐状及び環状のアルキル基を挙げることができる。
R1〜R5のアルコキシ基及びアルキルオキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等を挙げることができる。
R1〜R7のアリール基は、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
R1〜R5のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0040】
Y1及びY2のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられ、更に好ましくは炭素数3〜20のアルキル基、例えば、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数4〜12のアルキル基、例えば、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられる。
【0041】
Y1及びY2のアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等を挙げることができる。
Y1及びY2のアリール基は、好ましくは炭素数6〜18のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができ、特に好ましくは、フェニル基、ナフチル基である。
Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基であり、片方がアリール基であっても、両方がアリール基であってもよい。また、Y1、Y2、及びS+は協同して環を形成していてもよい。即ち、Y1(又はY2)のアリール基、Y2(又はY1)及びS+は協同して環を形成してもよい。
【0042】
R1〜R5について、置換基を有する基である場合は、置換基を有するアルキル基が好ましい。
R1〜R5の合計炭素数は、1〜6が好ましく、1又は2がより好ましい。R1〜R5の全てが水素原子の場合も特に好ましい。
【0043】
X-は、炭素数3以上のアルカンスルホン酸アニオン、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基及び炭素数2以上のアルキル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、アントラセンスルホン酸アニオン、又はカンファースルホン酸アニオンを表す。
【0044】
X-としての炭素数3以上のアルカンスルホン酸アニオンにおけるアルカンに対応するアルキル基としては、好ましくは、炭素数3〜25のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素数4〜20のアルキル基である。このアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜5)等を挙げることができる。
X-としてのベンゼンスルホン酸アニオンは、フェニル基上の置換基としてハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、及び炭素数2以上のアルキル基から選ばれる少なくとも1つを有する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子が好ましく、特に好ましくはフッ素原子である。ハロゲン原子で置換基されたアルキル基としては、フッ素原子又は臭素原子で置換された、炭素数1〜20の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、特に好ましくは、フッ素原子で置換された、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状のアルキル基である。炭素数2以上のアルキル基としては、炭素数2〜12の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、特に好ましくは、炭素数2〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基である。
上記ベンゼンスルホン酸アニオンにおけるフェニル基は、上記の特定の置換基とともに、他の置換基を有していてもよく、他の置換基の例としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、アルキルオキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜6)、アルキルカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜6)、シアノ基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、ニトロ基等を挙げることができる。
X-としてのナフタレンスルホン酸アニオン又はアントラセンスルホン酸アニオンにおけるナフチル基又はアントリル基は、置換基を有していてもよく、置換基の例としては、上記ベンゼンスルホン酸におけるフェニル基が有する特定の置換基、及び任意に有していてもよい他の置換基として挙げた基等を挙げることができる。
X-は、好ましくは、1位がフッ素置換された炭素数3〜16のアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子を置換基として有するベンゼンスルホン酸アニオン、フッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を置換基として有するベンゼンスルホン酸アニオン、炭素数2〜10のアルキル基を置換基として有するベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンであり、特に好ましくは、炭素数3〜12のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を置換基として有するベンゼンスルホン酸アニオン、炭素数2〜10のアルキル基を置換基として有するベンゼンスルホン酸アニオンである。
【0045】
一般式(I)において、R1〜R5の少なくとも1つとY1又はY2の少なくとも一つが結合して環を形成してもよい。
この場合に、R1〜R5の少なくとも1つとY1又はY2の少なくとも1つが結合して形成する基としては、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等を挙げることができる。
また、R1 〜R 5 のいずれか、若しくは、Y1又はY2のいずれかの位置で、連結基を介して結合し、一般式(I)の構造を2つ以上有していてもよい。
【0046】
一般式(I)で表される化合物は、Y1及びY2のうちの少なくとも1つ又は両方がアリール基であり、R1〜R5が水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
具体的には、好ましい態様として以下のものを挙げることができる。
(a)R1〜R5が各々水素原子であって、Y1及びY2の片方又は両方がアリール基であるもの。
(b)R1、R2、R4及びR5が各々水素原子であって、R3がアルキル基、Y1及びY2の片方又は両方がアリール基であるもの。
(c)R1〜R5のいずれかひとつがアルキル基、他が水素原子であって、Y1及びY2の片方又は両方がアリール基であるもの。
【0047】
以下に、(B)成分の化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
(B)成分の化合物の、本発明のポジ型レジスト組成物中の含有量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1.0〜12質量%である。
また、(B)成分の化合物は1種類を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0051】
〔3〕その他の酸発生剤(C)
本発明においては、上記(B)成分以外の酸発生剤を併用してもよい。
【0052】
そのような併用可能な光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0053】
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
【0054】
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0055】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0056】
解像力、パターン形状等の画像性能向上の観点から併用に好ましい酸発生剤としては、スルホン酸発生剤であり、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩を挙げることができる。
これらの化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0057】
【化14】
【0058】
【化15】
【0059】
【化16】
【0060】
【化17】
【0061】
これらの併用してもよい酸発生剤の使用量は、モル比(成分(B)/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜5/95、好ましくは30/70〜5/95、更に好ましくは50/50〜10/90である。
【0062】
〔4〕その他の成分
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じて、さらに、含窒素塩基性化合物、染料、ラジカル発生剤、界面活性剤等を含有させることができる。
【0063】
1.含窒素塩基性化合物
本発明においては、含窒素塩基性化合物を用いることが、解像力などの性能向上、保存安定性の向上などの観点から好ましい。
本発明で用いることができる好ましい含窒素塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。式(B)〜(E)は、環構造の一部であってもよい。
【0064】
【化18】
【0065】
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。R253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0066】
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0067】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、
【0068】
3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
【0069】
酸発生剤と含窒素塩基性化合物の組成物中の使用割合は、(酸発生剤)/(含窒素塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、300を越えると露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(酸発生剤)/(含窒素塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
【0070】
2.染料
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0071】
3.溶剤
本発明のレジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。全レジスト成分の固形分濃度として、通常2〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0072】
4.界面活性剤類
上記溶媒に界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、
【0073】
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100質量部当たり、通常、2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0074】
尚、界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0075】
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0076】
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0077】
5. 光塩基発生剤
本発明の組成物に添加できる光塩基発生剤としては、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメート等が好適に用いることができる。これらの光塩基発生剤は、レジスト形状などの改善を目的とし添加される。
【0078】
本発明のポジ型レジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は、0.05〜4.0μmが好ましい。
【0079】
本発明においては、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。更にレジスト上層に反射防止膜を塗布して用いることもできる。
【0080】
レジストの下層として用いられる反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
【0081】
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
【0082】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例えばシリコン/二酸化シリコン皮覆基板、ガラス基板、ITO基板、石英/酸化クロム被覆基板等)上に、直接あるいは予めこれらの基板上に塗設した上記反射防止膜上に本発明のポジ型レジスト組成物を塗布し、次にKrFエキシマレーザー、電子線、X線、又はイオンビーム等の高エネルギー線を用いて照射を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
【0083】
本発明のポジ型レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液(通常0.1〜10質量%)を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0084】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0085】
1.構成素材の合成例
(1)樹脂
合成例1:ポリマー(B−21)の合成
p−アセトキシスチレン32.4g(0.2モル)及びメタクリル酸t−ブチル7.01g(0.07モル)を酢酸ブチル120mlに溶解し、窒素気流及び攪拌下、80℃にてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.033gを2.5時間置きに3回添加し、最後に更に5時間攪拌を続けることにより、重合反応を行った。反応液をヘキサン1200mlに投入し、白色の樹脂を析出させた。得られた樹脂を乾燥後、メタノール200mlに溶解した。
これに水酸化ナトリウム7.7g(0.19モル)/水50mlの水溶液を添加し、1時間加熱還流することにより加水分解させた。その後、水200mlを加えて希釈し、塩酸にて中和し白色の樹脂を析出させた。この樹脂を濾別し、水洗・乾燥させた。更にテトラヒドロフラン200mlに溶解し、5Lの超純水中に激しく攪拌しながら滴下、再沈を行った。この再沈操作を3回繰り返した。得られた樹脂を真空乾燥器中で120℃、12時間乾燥し、ポリ(p−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸t−ブチル)共重合体を得た。
【0086】
合成例2:ポリマー(B−32)の合成
p−シクロヘキシルフェノール83.1g(0.5モル)を300mlのトルエンに溶解し、次いで2−クロロエチルビニルエーテル150g、水酸化ナトリウム25g、テトラブチルアンモニウムブロミド5g、トリエチルアミン60gを加えて120℃で5時間反応させた。反応液を水洗し、過剰のクロエチルビニルエーテルとトルエンを留去し、得られたオイルを減圧蒸留にて精製すると4−シクロヘキシルフェノキシエチルビニルエーテルが得られた。
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(日本曹達社製VP−8000)20g,4−シクロヘキシルフェノキシエチルビニルエ−テル6.5gをTHF80mlに溶解し、これにp−トルエンスルホン酸0.01gを添加して室温で18時間反応させた。反応液を蒸留水5Lに激しく撹拌しながら滴下し、析出する粉体をろ過、乾燥するとポリマー(B−32)が得られた。
【0087】
以下、同様にして本発明(A)の樹脂を合成した。
【0088】
(2)酸発生剤
酸発生剤(b−1)の合成
AgBF4、16.4gをアセトニトリル150mlと混合し、これにフェナシルブロミド16.0gとメチルフェニルスルフィド14gをアセトニトリル50mlに溶解させたものを30分間かけて加えた。室温で一晩攪拌し、反応液を濃縮すると粉体が得られた。これをジイソプロピルエーテルで洗浄すると、フェナシルメチルフェニルスルホニウムテトラフルオロボレートが26g得られた。
フェナシルメチルフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート10gをメタノール200mlに溶解させ、これにトリフルオロメタンスルホン酸カリウム5gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液にクロロホルム500mlを加えた後、蒸留水300mlで2回洗浄した。有機層を濃縮して、酸発生剤(b−1)が8g得られた。
他の化合物も同様の方法を用いて合成した。
【0089】
2.実施例
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8.5gに溶解させ、さらに界面活性剤としてメガファックF176(大日本インキ(株)製、以下W−1と略す)0.001gを添加、溶解させ、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト溶液を得た。
このレジスト溶液を6インチウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚0.30μmのレジスト膜を得た。
【0090】
(2)ポジ型レジストパターンの作製
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、照射を行った。照射後に、110℃、90秒間ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネスについて評価した。
【0091】
(2−1)感度
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。0.15μm(ライン:スペース=1:1)を解像するときの最小照射エネルギーを感度とした。
【0092】
(2−2)解像力
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
【0093】
(2−3)パタ−ン形状
上記の感度を示す露光量における0.15μmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。矩形、ややテーパー、テーパーの3段階評価とした。
【0094】
(2−4)ラインエッジラフネス
上記の感度を示す照射量における0.15μmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について線幅を測定し、そのバラツキを3σで評価した。
実施例1の結果は、感度:5.0μC/cm2、解像力:0.10μm、パターン形状:矩形、ラインエッジラフネス5.8nmであり、良好であった。
【0095】
〔実施例2〜15〕
表1に示した各成分を用い、その他は実施例1と同様にしてレジスト調製・塗設、電子線露光評価を行った。
【0096】
〔比較例1〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、一般式(I)のY1及びY2にアリール基を持たない酸発生剤(B'−1)を用い、これ以外は実施例1と全く同様にしてレジスト調製・塗設、電子線露光評価を行った。
【0097】
〔比較例2〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、フェナシル構造を持たない酸発生剤(z1)を用いて実施例1と全く同様にしてレジスト調製・塗設、電子線露光評価を行った。
【0098】
実施例1〜15及び比較例1及び2についてレジスト組成物及び評価結果を表1及び表2にそれぞれ示した。
【0099】
【表1】
【0100】
表1における含窒素塩基性化合物についての記号は以下を表す。
D−1: トリ−n−ヘキシルアミン
D−2: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール
【0101】
表1の比較例1で使用した酸発生剤(B'−1)の構造を下記に示す。
【0102】
【化19】
【0103】
評価結果を表2に示した。
【0104】
【表2】
【0105】
〔実施例16〕
表3に示す化合物を用い、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物の調製、塗布を行った。
【0106】
〔ポジ型レジストパターンの作製〕
このレジスト膜に、KrFエキシマレーザーステッパー(キャノン(株)製FPA3000EX-5、波長248nm)を用いて、パターン露光した。露光後の処理は実施例1と同様に行った。パターンの評価は以下のように行った。
【0107】
(2−5)感度
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。0.18μm(ライン:スペース=1:1)を解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。
【0108】
(2−6)解像力
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
【0109】
(2−7)パタ−ン形状
上記の感度を示す露光量における0.18μmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。矩形、ややテーパー、テーパーの3段階評価とした。
【0110】
(2−8)ラインエッジラフネス
上記の感度を示す照射量における0.18μmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について線幅を測定し、そのバラツキを3σで評価した。
【0111】
実施例16の結果は、感度:25mJ/cm2、解像力:0.14μm、パターン形状:矩形、ラインエッジラフネス5.5nmであり、良好であった。
【0112】
〔実施例17〜25〕
表3に示した化合物を用いて、実施例16と同様にしてレジスト塗設、KrFエキシマレーザーステッパーによる露光評価を行った。評価結果を表4に示した。
【0113】
〔比較例3〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、一般式(1)のY1及びY2にアリール基を持たない酸発生剤(B'−1)を用い、これ以外は実施例16と全く同様にしてレジスト調製・塗設、KrF露光評価を行った。レジスト組成物及び評価結果を表3及び表4にそれぞれ示した。
【0114】
〔比較例4〕
本発明の(B)成分の酸発生剤に代えて、フェナシル構造を持たない酸発生剤(z4)を用いて実施例16と全く同様にしてレジスト調製・塗設、KrF露光評価を行った。レジスト組成物及び評価結果を表3及び表4にそれぞれ示した。
【0115】
【表3】
【0116】
【表4】
【0117】
<等倍X線露光によるパターンニング>
〔実施例26及び比較例5及び6〕
上記実施例1、比較例1及び比較例2の各レジスト組成物を用い、上記実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。次いで、等倍X線露光装置(ギャップ値:20nm)を用いた以外は上記実施例1と同様にしてパターニングを行い、上記実施例1と同様の方法でレジスト性能(感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス)を評価した。
評価結果を表3に示す。
【0118】
【表5】
【0119】
表2、表4及び表5に示される結果から、本発明のポジ型レジスト組成物は、電子線、及びKrFエキシマレーザーの照射下において、比較例の組成物に比べ感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネスに優れ、良好な性能を有していることがわかる。
【0120】
【発明の効果】
本発明により、KrFエキシマレーザー、電子線、X線又はイオンビームのような高エネルギー線の照射によるパターン形成に関して、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネスに優れたポジ型レジスト組成物を提供できる。
Claims (4)
- (A)フェノール性ヒドロキシ基をアセタール基又はケタール基で保護した基及びカルボキシル基を3級エステル基又はテトラヒドロピラニル基で保護した基から選ばれる少なくともひとつの基を有する繰り返し単位を含有する、アルカリ水溶液には不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる性質を有するフェノール性ポリマー、及び、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
一般式(I)中、
R1〜R5は、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、又はアシルアミノ基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
R6及びR7は各々水素原子である。
Y1及びY2は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Y1及びY2の少なくともひとつはアリール基である。Y1及びY2は結合してS+とともに環を形成してもよい。
R1〜R5の少なくともひとつとY1及びY2の少なくともひとつが結合して環を形成してもよい。
また、R1〜R 5 のいずれか、又はY1及びY2のいずれかの位置で、連結基を介して結合し、一般式(I)の構造を2つ以上有していてもよい。
X-は、炭素数3以上のアルカンスルホン酸アニオン、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基及び炭素数2以上のアルキル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、アントラセンスルホン酸アニオン、又はカンファースルホン酸アニオンを表す。 - 更に(D)含窒素塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 更に一般式(I)で表される化合物以外の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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