JP4069553B2 - フェニレン基含有共重合体の製造方法、膜形成材料、絶縁材料、光学材料、処理方法及びフェニレン基含有共重合体膜 - Google Patents

フェニレン基含有共重合体の製造方法、膜形成材料、絶縁材料、光学材料、処理方法及びフェニレン基含有共重合体膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェニレン基含有共重合体の製造方法、膜形成材料、絶縁材料、光学材料、処理方法及びフェニレン基含有共重合体膜に関する。さらに詳しくは、各種の絶縁材料、光学材料、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用低誘電性層間絶縁膜;半導体素子の表面コート膜等の保護膜;多層配線基板の低誘電性層間絶縁膜;液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜等の原材料として好適なフェニレン基含有共重合体を製造する方法であって、安価な材料で重合体主鎖のエーテル基含量を調節すること及びランダム共重合体を製造することが可能で、その結果、優れた耐熱性及びガラス転移温度を有するとともに有機溶媒可溶性で、かつ成膜後の低誘電性及び密着性等の諸特性のバランスに優れたフェニレン基含有共重合体を得ることが可能な製造方法、この製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を含有する膜形成材料、この膜形成材料からなる絶縁材料及び光学材料、電子線照射によるフェニレン基含有共重合体の処理方法、並びにこの処理方法で処理した耐溶剤性、機械的強度に優れたフェニレン基含有共重合体膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
大規模集積回路(LSI)は、微細加工技術の進歩を反映して、高集積化、多機能化、高性能化をたどっている。その結果、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量(以下、それぞれ、「寄生抵抗」、「寄生容量」ということがある)の増大を招来し、消費電力を増加させるだけでなく、遅延時間も増大させるため、デバイスの信号スピードが低下する大きな要因となっている。
そのため、寄生抵抗や寄生容量を下げることが求められており、その解決策の一つとして、配線の周辺を層間絶縁膜で被うことにより、寄生容量を下げてデバイスの高速化に対応しようとしている。
【0003】
しかしながら、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐えられる優れた耐熱性を有することが必要である。
この高耐熱性の有機材料として、ポリイミドが広く知られているが、極性の高いイミド基を含むため、低誘電性、低吸水性の面では、満足なものは得られていない。
【0004】
一方、極性基を含まない高耐熱性の有機材料としては、ポリフェニレンが知られている。ポリフェニレンは耐熱性に優れるが、有機溶媒可溶性に劣るため、一般に側鎖を導入することが行われているが、側鎖を導入することにより、耐熱性が低下したり、原料の製造が煩雑になる等の問題があった。
【0005】
従来のポリフェニレンとしては、例えば米国特許第5214044号公報、国際出願WO96/28491号、ヨーロッパ特許公開第629217号等に記載されるポリマーを挙げることができる。
これらのポリマーは、基本的にポリパラフェニレン構造を主としてなり、一部屈曲性モノマーを共重合する等している。
【0006】
しかし、これらのポリマーは特定の有機溶媒にしか溶けず、加工性の悪いものであった。また、その多くの側鎖は極性基やアルキル基であるため耐熱性、低誘電性を十分満たしていなかったり(米国特許第5214044号公報、ヨーロッパ特許公開第629217号公報)、原料合成に多くの工程を要していた(国際出願WO96/28491号は、耐熱、低誘電性の構造であるがモノマーの合成が煩雑であった)。
【0007】
また、これらのポリマーはパラジクロロベンゼン等の芳香族ジクロロ化合物を原料として製造するものが主であるが、このような芳香族ジクロロ化合物は合成が煩雑で、モノマーを安定的に確保できないという点において好ましくなかった。
【0008】
さらに、従来のポリパラフェニレンは透明性も十分ではなく、光学的用途には使用できなかった。
【0009】
本発明者等は、このような従来のポリフェニレンの有する問題に対し、種々検討をした結果、耐熱性、低誘電性、加工性を十分に満たし、さらに、安価なプロセスで製造できるポリフェニレンの製造方法を提案している(例えば、特願平10−29068号、特願平10−29070号、特願平10−273522号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑み、上述の提案に加えてなされたもので、各種の絶縁材料、光学材料、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用低誘電性層間絶縁膜;半導体素子の表面コート膜等の保護膜;多層配線基板の低誘電性層間絶縁膜;液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜等の原材料として好適なフェニレン基含有共重合体を製造する方法であって、優れた耐熱性及びガラス転移温度を有するとともに有機溶媒可溶性で、かつ成膜後の低誘電性及び密着性等の諸特性のバランスに優れたフェニレン基含有共重合体を得ることが可能な製造方法、この製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を含有する膜形成材料、この膜形成材料からなる絶縁材料及び光学材料、電子線照射によるフェニレン基含有共重合体の処理方法、並びにこの処理方法で処理した耐溶剤性、機械的強度に優れたフェニレン基含有共重合体膜を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定のフェニレン基含有化合物を組合せた複数のモノマーを特定の条件で共重合することにより、安価な材料で重合体主鎖のエーテル基含量を調節すること及びランダム共重合体を製造することが可能で、その結果、上記目的を達成することができることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のフェニレン基含有共重合体の製造方法、膜形成材料、絶縁材料、光学材料、処理方法及びフェニレン基含有共重合体膜を提供するものである。
【0012】
[1]下記式(1)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(A))5〜95モル%と、下記式(2)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(B))5〜95モル%と、下記式(3)〜(5)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(C))0〜50モル%とを、遷移金属を含む触媒系の存在下に共重合させることを特徴とするフェニレン基含有共重合体の製造方法。
【0013】
【化1】
Figure 0004069553
【0014】
[式(1)中、Xは、−CQQ′−(ここで、Q、Q’は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子又はアリール基を示す)に示す基、及びフルオレニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R17〜R18は同一でも異なっていてもよく、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
【0015】
【化2】
Figure 0004069553
【0016】
[式(2)中、R〜R16は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R18は、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
【0017】
【化3】
Figure 0004069553
【0018】
【化4】
Figure 0004069553
【0019】
【化5】
Figure 0004069553
【0020】
[式(3)〜(5)中、R19〜R22は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R23は、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
【0021】
[2]前記化合物(A)50〜95モル%、前記化合物(B)5〜50モル%、前記化合物(C)0〜30モル%を共重合させる前記[1]に記載のフェニレン基含有共重合体の製造方法。
【0022】
[3]前記[1]又は[2]に記載の製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を含有することを特徴とする膜形成材料。
【0023】
[4]前記[3]に記載の膜形成材料からなる絶縁材料。
【0024】
[5]前記[3]に記載の膜形成材料からなる光学材料。
【0025】
[6]前記[1]又は[2]に記載の製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を基板上に成膜し、得られたフェニレン基含有共重合体膜に電子線を照射することを特徴とするフェニレン基含有共重合体の処理方法。
【0026】
[7]前記フェニレン基含有共重合体膜の厚さが、0.1〜10μmである前記[6]に記載の処理方法。
【0027】
[8]前記電子線の照射条件が、窒素、アルゴン又は真空の雰囲気下、20〜450℃の温度、1〜30keVのエネルギー、及び0.01〜20mC/cmの電子線量である前記[6]又は[7]に記載の処理方法。
【0028】
[9]前記[6]〜[8]のいずれかに記載の処理方法で処理したことを特徴とするフェニレン基含有共重合体膜。
【0029】
上述のように、本発明のフェニレン基含有共重合体の製造方法は、特定のフェニレン基含有化合物(化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C))を組合せた複数のモノマーを特定の条件で共重合することにより、安価な材料で重合体主鎖のエーテル基含量を調節することが可能であり、この結果、優れた耐熱性及びガラス転移温度を有するとともに成膜後の低誘電性及び密着性等の諸特性のバランスに優れたフェニレン基含有共重合体を得ることができる。従って、この製造方法から得られるフェニレン基含有共重合体を原材料とする膜形成材料、絶縁材料、光学材料は、各種用途に好適に用いることができる。
【0030】
また、本発明のフェニレン基含有共重合体の製造方法は、ランダム共重合体を製造することが可能であるため、得られた共重合体を有機溶媒可溶性とすることができる。
【0031】
さらに、本発明のフェニレン基含有共重合体の処理方法は、この処理方法で処理した共重合体膜の耐溶剤性及び機械的強度等を格段に向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
I.フェニレン基含有共重合体の製造方法
本発明のフェニレン基含有共重合体の製造方法は、上述のように、前記式(1)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(A))5〜95モル%と、前記式(2)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(B))5〜95モル%と、前記式(3)〜(5)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(C))0〜50モル%とを、遷移金属を含む触媒系の存在下に共重合させることを特徴とする。
【0033】
以下、本発明をその構成要素ごとにさらに具体的に説明する。
1.化合物(A)
本発明に用いられる化合物(A)は、前記式(1)に示すものであるが、説明の便宜上、式(1)を再び下記に示す。
【0034】
【化6】
Figure 0004069553
【0035】
[式(1)中、Xは、−CQQ′−(ここで、Q、Q’は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子又はアリール基を示す)に示す基、及びフルオレニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R17〜R18は同一でも異なっていてもよく、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
【0036】
前記式(1)中のXを構成するQ、Q′のうち、ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等、アルキル基としては、メチル基、エチル基等、ハロゲン原子としては、フッ素原子等、またアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、トリル基、ペンタフルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0037】
また、前記式(1)中のR〜Rのうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子等、1価の有機基としては、アルキル基として、メチル基、エチル基等、ハロゲン化アルキル基として、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等、アリル基として、プロペニル基等、アリール基として、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0038】
また、前記式(1)中のR17〜R18 を構成する−OSOZ中のZとしては、アルキル基として、メチル基、エチル基等、ハロゲン化アルキル基として、トリフルオロメチル基等、アリール基としてフェニル基、p−トリル基、p−フルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0039】
前記式(1)のXとしては、下記に示す2価の基が好ましい。
【0040】
【化7】
Figure 0004069553
【0041】
【化8】
Figure 0004069553
【0042】
【化9】
Figure 0004069553
【0043】
【化10】
Figure 0004069553
【0044】
これらのうちでは、フルオレニレン基がさらに好ましい。
【0045】
化合物(A)の具体例としては、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)プロパン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパン
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン
等を挙げることができる。
【0046】
化合物(A)は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0047】
化合物(A)は、例えば、下記の製法によって合成することができる。
すなわち、ビスフェノール化合物(例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)及びビスフェノール化合物の2当量以上の塩基を溶媒に溶かす。このとき、ピリジン等を溶媒として用いて、溶媒と塩基との両方の役割を兼用させてもよい。また、必要に応じて4−ジメチルアミノピリジン等の触媒を加えてもよい。
【0048】
そして、スルフォン酸クロライド(無水物)(例えば、メタンスルフォン酸クロライド)を15℃以下に保持しながら5〜60分かけて乾燥窒素気流下に滴下する。それから、その温度で0〜60分攪拌した後、室温に戻し、0〜24時間攪拌し、懸濁液を調製する。得られた懸濁液を3〜20倍量の氷水に再沈殿させ、その沈殿を回収し、再結晶等の操作を繰り返して結晶としてビススルフォネート化合物を得ることができる。
【0049】
あるいは、まず、ビスフェノール化合物(例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)を水酸化ナトリウム水溶液等の2当量のアルカリ水溶液に溶かす。その一方、スルフォン酸クロライド(無水物)(例えば、メタンスルフォン酸クロライド)をトルエン、クロロホルム等の有機溶媒に溶かす。そして、これらに必要に応じてアセチルトリメチルアンモニウムクロライド等の相間移動触媒を加えた後、激しく攪拌する。そして、反応して得られた有機層を精製することによっても目的のビススルフォネート化合物を得ることができる。
【0050】
2.化合物(B)
本発明に用いられる化合物(B)は、前記式(2)に示すものであるが、説明の便宜上、式(2)を再び下記に示す。
【0051】
【化11】
Figure 0004069553
【0052】
[式(2)中、R〜R16は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R18は、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
【0053】
前記式(2)中のR〜R16 を構成する、ハロゲン原子としては、フッ素原子等、1価の有機基としては、アルキル基として、メチル基、エチル基等、ハロゲン化アルキル基として、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等、アリル基として、プロペニル基等、アリール基として、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0054】
また、前記式(2)中のR18 を構成する−OSOZ中のZとしては、アルキル基として、メチル基、エチル基等、ハロゲン化アルキル基として、トリフルオロメチル基等、アリール基としてフェニル基、p−トリル基、p−フルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0055】
化合物(B)の具体例としては、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジブロモジフェニルエーテル、4,4’−ジヨードジフェニルエーテル、ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)エーテル、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)エーテル、ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)エーテル、ビス(4−(P−トリル)スルフォニロキシフェニル)エーテル、ビス(4−(P−フルオロフェニル)スルフォニロキシフェニル)エーテル等を挙げることができる。
【0056】
化合物(B)は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0057】
化合物(B)は、例えば、下記の製法によって合成することができる。
すなわち、ビスフェノール化合物(例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)及びビスフェノール化合物の2当量以上の塩基を溶媒に溶かす。このとき、ピリジン等を溶媒として用いて、溶媒と塩基との両方の役割を兼用させてもよい。また、必要に応じて4−ジメチルアミノピリジン等の触媒を加えてもよい。
【0058】
そして、スルフォン酸クロライド(無水物)(例えば、メタンスルフォン酸クロライド)を15℃以下に保持しながら5〜60分かけて乾燥窒素気流下に滴下する。それから、その温度で0〜60分攪拌した後、室温に戻し、0〜24時間攪拌し、懸濁液を調製する。得られた懸濁液を3〜20倍量の氷水に再沈殿させ、その沈殿を回収し、再結晶等の操作を繰り返して結晶としてビススルフォネート化合物を得ることができる。
【0059】
あるいは、まず、ビスフェノール化合物(例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)を水酸化ナトリウム水溶液等の2当量のアルカリ水溶液に溶かす。その一方、スルフォン酸クロライド(無水物)(例えば、メタンスルフォン酸クロライド)をトルエン、クロロホルム等の有機溶媒に溶かす。そして、これらに必要に応じてアセチルトリメチルアンモニウムクロライド等の相間移動触媒を加えた後、激しく攪拌する。そして、反応して得られた有機層を精製することによっても目的のビススルフォネート化合物を得ることができる。
【0060】
3.化合物(C)
本発明に用いられる化合物(C)は、前記式(3)〜(5)に示すものであるが、説明の便宜上、式(3)〜(5)を再び下記に示す。
【0061】
【化12】
Figure 0004069553
【0062】
【化13】
Figure 0004069553
【0063】
【化14】
Figure 0004069553
【0064】
[式(3)〜(5)中、R19〜R22は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R23は、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
【0065】
前記式(3)〜(5)中のR19〜R22を構成する、ハロゲン原子としては、フッ素原子等、1価の有機基(反応性基又はその前駆体)としては、カルボキシル基、アリル基、アルコキシカルボニロキシ基等を挙げることができる。
【0066】
また、前記式(3)〜(5)中のR23 を構成する−OSOZ中のZとしては、アルキル基として、メチル基、エチル基等、ハロゲン化アルキル基として、トリフルオロメチル基等、アリール基としてフェニル基、p−トリル基、p−フルオロフェニル基等を挙げることができる。
【0067】
前記式(3)〜(5)中におけるR19〜R22のうちの少なくとも1つの基は、反応性基又はその前駆体であることが、得られるポリマーの密着性をさらに向上させることから好ましい。
【0068】
また、R19〜R22のうち隣接する2つがカルボキシル基である場合、2つのカルボキシル基同士が反応して酸無水物を形成していてもよい。
【0069】
なお、本発明において、反応性基の前駆体とは、反応性基を保護基で保護したもので、後に保護基を解離し反応性基に戻すことことが可能な基を意味する。
【0070】
反応性基の保護の方法としては、水酸基の場合、二炭酸−t−ブチルをトリエチルアミンのような塩基存在下で反応させて保護する方法や、酢酸や塩化アセチル等によりアセチル化して保護基とする方法がある。
また、カルボキシル基の場合、アルコール中で酸を反応させることによりエステル化して保護する方法等がある。
【0071】
化合物(C)のうち、前記式(3)に示す化合物の具体例としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジブロモトルエン、2,5−ジヨードトルエン、2,5−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、2,5−ジブロモ−p−キシレン、2,5−ジヨード−p−キシレン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,5−ジブロモベンゾトリフルオライド、2,5−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,4−ジクロロ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジヨード−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、2,5−ジクロロ安息香酸、2,5−ジブロモ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸メチル、2,5−ジブロモ安息香酸メチル、2,5−ジクロロ安息香酸−t−ブチル、2,5−ジブロモ安息香酸−t−ブチル、3,6−ジクロロフタル酸無水物等を挙げることができ、好ましくは、p−ジクロロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,5−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジクロロフェノキシベンゼン等である。
【0072】
化合物(C)のうち、前記式(4)に示す化合物の具体例としては、例えば、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、3,5−ジクロロトルエン、3,5−ジブロモトルエン、3,5−ジヨードトルエン、2,6−ジクロロトルエン、2,6−ジブロモトルエン、2,6−ジヨードトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,4−ジブロモベンゾトリフルオライド、2,4−ジヨードベンゾトリフルオライド、3,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジブロモトリフルオライド、3,5−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、2,4−ジクロロベンジルアルコール、3,5−ジクロロベンジルアルコール、2,4−ジブロモベンジルアルコール、3,5−ジブロモベンジルアルコール、3,5−ジクロロフェノール、3,5−ジブロモフェノール、3,5−ジクロロ−t−ブトキシカルボニロキシフェニル、3,5−ジブロモ−t−ブトキシカルボニロキシフェニル、2,4−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸、2,4−ジブロモ安息香酸、3,5−ジブロモ安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸メチル、3,5−ジクロロ安息香酸メチル、3,5−ジブロモ安息香酸メチル、2,4−ジブロモ安息香酸メチル、2,4−ジクロロ安息香酸−t−ブチル、3,5−ジクロロ安息香酸−t−ブチル、2,4−ジブロモ安息香酸−t−ブチル、3,5−ジブロモ安息香酸−t−ブチル等を挙げることができ、好ましくは、m−ジクロロベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジクロロフェノキシベンゼン等である。
【0073】
化合物(C)のうち、前記式(5)に示す化合物の具体例としては、例えば、o−ジクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、o−ジヨードベンゼン、o−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,3−ジクロロトルエン、2,3−ジブロモトルエン、2,3−ジヨードトルエン、3,4−ジクロロトルエン、3,4−ジブロモトルエン、3,4−ジヨードトルエン、2,3−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、3,4−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、3,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,4−ジブロモベンゾトリフルオライド、3,4−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,2−ジブロモ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、4,5−ジクロロフタル酸無水物等を挙げることができる。
【0074】
化合物(C)は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0075】
4.配合量
本発明のフェニレン基含有共重合体の製造方法において、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)を共重合させるに場合のそれぞれの配合量は、化合物(A)が、5〜95モル%、好ましくは、50〜95モル%、化合物(B)が、5〜95モル%、好ましくは、5〜50モル%、化合物(C)が、0〜50モル%、好ましくは、0〜30モル%である。
化合物(A)の配合量が、5モル%未満であると、溶解性が不十分であり、95モル%を超えると、密着性が不十分である。また、化合物(B)の配合量が、5モル%未満であると、密着性が不十分であり、95モル%を超えると、溶解性、低誘電性が不十分である。
また、化合物(C)の配合量が、50モル%を超えると、溶解性が不十分である。
【0076】
5.共重合
(1)遷移金属を含む触媒
本発明のフェニレン基含有共重合体の製造方法において、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)を共重合させる場合、触媒として、遷移金属化合物を含む触媒系が用いられる。この触媒系としては、例えば、下記の触媒系を挙げることができる。
1)遷移金属塩及び配位子からなる触媒系、
2)配位子が配位された遷移金属(塩)からなる触媒系、
3)1)又は2)の触媒系に還元剤を添加し、さらに必要に応じて、重合速度を上げるために、「塩」を添加した触媒系。
【0077】
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート等のニッケル化合物、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム等のパラジウム化合物、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄等の鉄化合物、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト等のコバルト化合物等を挙げることができ、中でも、塩化ニッケル、臭化ニッケル等が好ましい。
【0078】
また、配位子としては、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン等を挙げることができるが、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジンが好ましい。
配位子は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0079】
さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属(塩)としては、例えば、塩化ニッケル2トリフェニルホスフィン、臭化ニッケル2トリフェニルホスフィン、ヨウ化ニッケル2トリフェニルホスフィン、硝酸ニッケル2−トリフェニルホスフィン、塩化ニッケル2,2′ビピリジン、臭化ニッケル2,2′ビピリジン、ヨウ化ニッケル2,2′ビピリジン、硝酸ニッケル2,2′ビピリジン、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等を挙げることができ、中でも、塩化ニッケル2トリフェニルホスフィン、塩化ニッケル2,2′ビピリジンが好ましい。
【0080】
このような触媒系において添加することができる還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム等を挙げることでき、中でも、亜鉛、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、酸や有機酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
【0081】
また、このような触媒系において必要に応じて添加することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム等のナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム等のカリウム化合物、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム化合物等を挙げることができ、中でも、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0082】
このような触媒系における各成分の使用割合は、下記の通りである。
前記1)及び前記2)に示す触媒系の場合、遷移金属塩又は配位子が配位された遷移金属(塩)の使用割合は、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)の総量1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満であると、重合反応が十分に進行せず、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
【0083】
前記1)及び前記2)に示す触媒系の場合、配位子の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となり、一方、100モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
【0084】
また、前記3)に示す触媒系の場合、還元剤の使用割合は、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)の総量1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満であると、重合が十分進行せず、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
【0085】
さらに、前記3)に示す触媒系の場合であって、この触媒系にさらに「塩」を添加する場合、その使用割合は、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)の総量1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満であると、重合速度を上げる効果が不十分であり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
【0086】
(2)重合溶媒
本発明で用いることのできる重合溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム等を挙げることができ、中でも、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
【0087】
重合溶媒中における化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)の総量の濃度は、通常、1〜100重量%、好ましくは5〜40重量%である。
【0088】
(3)重合温度及び重合時間
本発明において共重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜100℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0089】
II.フェニレン基含有共重合体の成膜
本発明の製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体は、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子用低誘電性層間絶縁膜;半導体素子の表面コート膜等の保護膜;多層配線基板の低誘電性層間絶縁膜;液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜等の原材料として好適に用いられる。この場合において、上記フェニレン基含有共重合体を成膜する方法としては特に制限はないが、例えば、フェニレン基含有共重合体を溶媒に溶解させる等して組成物(膜形成材料)とし、基板に流延、又はスピンコートにより塗布したのち、焼成により溶媒を除去する方法等を挙げることができる。
【0090】
ここで、フェニレン基含有共重合体組成物膜の厚さは、好ましくは、0.1〜10μmである。
【0091】
また、上記フェニレン基含有共重合体を溶解させる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン等を挙げることができ、中でも、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルアミルケトンが好ましい。
【0092】
上記フェニレン基含有共重合体を上記溶媒に溶解させる濃度としては、1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%である。1重量%未満であると、十分な厚さの塗膜が得られず、60重量%を超えると、十分に流延せず、均一な塗膜が得られないことがある。
【0093】
本発明においては、必要に応じて添加剤を添加することができる
この添加剤としては、シランカップリング剤、メチロール化メラミン、トリアゼン化合物等の架橋剤等を挙げることができる。
【0094】
本発明で得られるフェニレン基含有共重合体を含有する組成物(膜形成材料)を成膜して得られる膜の用途としては、例えば、低誘電性層間絶縁材料、保護膜、低屈折材料、高屈折材料、光導波路材料、反射防止膜、封止材料、液晶配向膜、プリント基板材料、気体透過膜等を挙げることができるが、特に、絶縁材料、光学材料に好適である。
【0095】
III.電子線の照射処理
本発明においては、上述のようにして得られたフェニレン基含有共重合体膜に電子線を照射する処理を施すことが、耐溶剤性及び機械的強度等を向上させることから好ましい。
その処理方法としては特に制限はないが、例えば、下記の条件で行うことが好ましい。
▲1▼雰囲気:窒素、アルゴン又は真空(中でも、真空がさらに好ましい。)
▲2▼温度:20〜450℃(100〜425℃がさらに好ましい。)
▲3▼エネルギー:1〜30keV(1〜20keVがさらに好ましい。)
▲4▼電子線量:0.01〜20mC/cm(1〜15mC/cmがさらに好ましい。)
【0096】
窒素、アルゴン又は真空の雰囲気下で行うと、膜が酸化されず十分な耐熱性、低誘電特性を得ることができる。
温度が20〜450℃であると、架橋が十分に進行し、かつ分解が起こりにくい。
エネルギーが1〜30keVの範囲の範囲であると、架橋が進行しやすい。
電子線量が0.01〜20mC/cmの範囲であると、架橋が十分に進行し、かつ重合体の分解が起こりにくい。
【0097】
本発明で得られる電子線照射処理後のフェニレン基含有共重合体膜は、電子線照射処理前に比べ、耐溶剤性及び機械的強度等が格段に向上するので、上述の、低誘電性層間絶縁材料、保護膜、低屈折材料、高屈折材料、光導波路材料、反射防止膜、封止材料、液晶配向膜、プリント基板材料、気体透過膜等、特に絶縁材料、光学材料にさらに好適に用いることができる。
【0098】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何等制限を受けるものではない。
【0099】
なお、得られた共重合体の分子量、ガラス転移温度、有機溶媒可溶性及び熱分解温度、並びに共重合体膜の誘電率、耐溶剤性、弾性率及び密着性は、以下の測定方法により測定した。
(1)重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
走査型熱量計(DSC)により、窒素下、10℃/分の昇温速度から、共重合体の温度変化の変曲点から、Tgを測定した。
(3)有機溶媒可溶性
得られた共重合体に20重量%になるようにシクロヘキサノンを加え、室温で30分攪拌した。可溶性のものは○、不溶性のものは×で示した。
(4)5%重量減少温度(Td5)
熱重量計(TGA)により、窒素雰囲気中、昇温遠度10℃/分の条件で、共重合体の5%熱分解時の温度を測定した。
(5)誘電率
得られた共重合体膜に対して蒸着法によりアルミニウム電極パターンを形成させ誘電率測定用サンプルを調製した。このサンプルを周波数100kHzの周波数、室温の条件下で、横河・ヒューレットパッカード(株)製、HP16451B電極及びHP4284AプレシジョンLCRメータを用いてCV法により調製した塗膜の誘電率を測定した。
(6)弾性率
得られた共重合体膜を、ナノインデンターXP(ナノインスツルメント社製)を用いて、連続剛性測定法により測定した。
(7)耐溶剤性
塗膜が形成された基板をシクロヘキサノンに90℃で10分浸積し、下記式にて残膜率を評価した。
(残膜率)=(浸積後の膜厚)/(浸積前の膜厚)×100(%)
(8)密着性
JIS K 5400の碁盤目テープ法に準じて、下記式にて評価した。
(セロファンテープ剥離後残ったマス目数)/(マス目数)
【0100】
フェニレン基含有共重合体の製造
(実施例1)
アルゴンガス導入管及び温度計を備えた内容積500mlの三つ口フラスコに、ヨウ化ナトリウム7.5g、無水塩化ニッケル1.3g、トリフェニルホスフィン15.7g、酢酸により活性化させた亜鉛粉末45.8g、9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン30.4g、ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)エーテル13.7gを加え、24時間、真空下で乾燥した後、三つ口フラスコ内をアルゴンガスで充填した。引き続き、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド150mlを添加し、70℃でアルゴン気流下に攪拌したところ、反応液が褐色となった。そのまま、70℃で20時間反応させた後、反応液を36%塩酸500ml及びメタノール200ml混合液中に注ぎ、沈殿物を回収した。得られた沈殿物をクロロホルム中に加えて懸濁させ、2規定塩酸水溶液で抽出を行った後、クロロホルム層をメタノールに注ぎ、沈殿を回収、乾燥し白色粉末共重合体(P1)を得た。得られた共重合体(P1)の分子量、ガラス転移温度、有機溶媒可溶性及び熱分解温度を表1に、また、得られた共重合体(P1)の赤外線吸収スペクトルを図1にそれぞれ示す。
【0101】
(実施例2)
実施例1において、9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン及びビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)エーテルの仕込み量を、表1に示すように、それぞれ35.5g及び10.3gに変えたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体(P2)を得た。得られた共重合体(P2)の分子量、ガラス転移温度、有機溶媒可溶性及び熱分解温度を表1に、また、得られた共重合体(P2)の赤外線吸収スペクトルを図2にそれぞれ示す。
【0102】
(実施例3)
実施例1において、9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン及びビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)エーテルの仕込み量を、表1に示すように、それぞれ40.5g及び6.80gに変えたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体(P3)を得た。得られた共重合体(P3)の分子量、ガラス転移温度、有機溶媒可溶性及び熱分解温度を表1に、また、得られた共重合体(P3)の赤外線吸収スペクトルを図3にそれぞれ示す。
【0103】
【表1】
Figure 0004069553
【0104】
フェニレン基含有共重合体の成膜
(実施例4〜6)
実施例1〜3で得られた共重合体(P1)〜(P3)をシクロヘキサノンに溶解させ固形分濃度12%のワニスとし、8インチのシリコンウェハーにスピンコート法にて塗布し、80℃で2分、200℃で2分焼成し、厚さ1.0μmの塗膜を得た。得られた共重合体膜の誘電率、耐溶剤性、弾性率及び密着性を表2に示す。
【0105】
【表2】
Figure 0004069553
【0106】
フェニレン基含有共重合体膜の電子線処理
(実施例7〜9)
実施例4〜6で得られた塗膜(共重合体膜)に電子線照射装置を用いて真空下、200℃、8eVで5mC/cmの電子線を照射した。得られた共重合体膜の誘電率、耐溶剤性、弾性率及び密着性を表3に示す。
【0107】
【表3】
Figure 0004069553
【0108】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によって、優れた耐熱性及びガラス転移温度を有するとともに有機溶媒可溶性で、かつ成膜後の低誘電性及び密着性等の諸特性のバランスに優れたフェニレン基含有共重合体を得ることが可能な製造方法、この製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を含有する膜形成材料、この膜形成材料からなる絶縁材料及び光学材料、電子線照射によるフェニレン基含有共重合体の処理方法、並びにこの処理方法で処理した耐溶剤性、機械的強度に優れたフェニレン基含有共重合体膜を提供することができる。
【0109】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で得られた共重合体(P1)の赤外線吸収スペクトルを示すチャート図である。
【図2】本発明の実施例で得られた共重合体(P2)の赤外線吸収スペクトルを示すチャート図である。
【図3】本発明の実施例で得られた共重合体(P3)の赤外線吸収スペクトルを示すチャート図である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(A))5〜95モル%と、下記式(2)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(B))5〜95モル%と、下記式(3)〜(5)に示すフェニレン基含有化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(化合物(C))0〜50モル%とを、遷移金属を含む触媒系の存在下に共重合させることを特徴とするフェニレン基含有共重合体の製造方法。
    Figure 0004069553
    [式(1)中、Xは、−CQQ′−(ここで、Q、Q’は同一でも異なっていてもよく、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子又はアリール基を示す)に示す基、及びフルオレニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R17〜R18は同一でも異なっていてもよく、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
    Figure 0004069553
    [式(2)中、R〜R16は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R18は、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
    Figure 0004069553
    Figure 0004069553
    Figure 0004069553
    [式(3)〜(5)中、R19〜R22は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示し、R23は、−OSOZ(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す)、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。]
  2. 前記化合物(A)50〜95モル%、前記化合物(B)5〜50モル%、前記化合物(C)0〜30モル%を共重合させる請求項1に記載のフェニレン基含有共重合体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を含有することを特徴とする膜形成材料。
  4. 請求項3に記載の膜形成材料からなる絶縁材料。
  5. 請求項3に記載の膜形成材料からなる光学材料。
  6. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られたフェニレン基含有共重合体を基板上に成膜し、得られたフェニレン基含有共重合体膜に電子線を照射することを特徴とするフェニレン基含有共重合体の処理方法。
  7. 前記フェニレン基含有共重合体膜の厚さが、0.1〜10μmである請求項6に記載の処理方法。
  8. 前記電子線の照射条件が、窒素、アルゴン又は真空の雰囲気下、20〜450℃の温度、1〜30keVのエネルギー、及び0.01〜20mC/cmの電子線量である請求項6又は7に記載の処理方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の処理方法で処理したことを特徴とするフェニレン基含有共重合体膜。
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