JP3769929B2 - フェニレン基含有重合体組成物、薄膜および電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、低誘電率性、耐溶剤性に優れた樹脂組成物、およびこの組成物を薄膜化することによって得られる電子部品用絶縁膜に関する。
【従来の技術】
大規模集積回路(LSI)は、微細加工技術の進歩を反映して、高集積化、多機能化、高性能化をたどっている。その結果、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量(以下、それぞれ、「寄生抵抗」、「寄生容量」ともいう)が増大して、消費電力が増加するだけでなく、遅延時間も増大して、デバイスの信号スピードが低下する大きな要因となっている。
そのため、寄生抵抗や寄生容量を下げることが求められており、その解決策の一つとして、配線の周辺を層間絶縁膜で被う事により、寄生容量を下げてデバイスの高速化に対応しようとしている。しかしながら、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付けなどの後工程に耐えられる優れた耐熱性を有することが必要である。
この高耐熱性の有機材料として、ポリイミドが広く知られているが、極性の高いイミド基を含むため、低誘電性、低吸水性の面では、満足なものは得られていない。
一方、極性基を含まない高耐熱の有機材料としては、ポリフェニレンが知られている。このポリフェニレンに、可溶性を付与するために、一般に側鎖を導入することが行われているが、側鎖を導入することにより、耐熱性が低下したり、原料の製造が煩雑なるなどの問題がある。
また、主鎖に屈曲基を導入することによって、可溶性を付与し高耐熱性、低誘電率性、加工性、及び透明性に優れたポリマーが開示されているが、その優れた溶剤可溶性のため、溶剤の攻撃を受けやすい。
ポリイミドにおいては、アセチレン、マレイミド、またはビニル末端を有する硬化剤で硬化させることによって、耐溶剤性を改善することが提案されているが、そのように硬化させられたポリイミドは誘電率が上昇するという問題がある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これら従来技術を問題点になされたもので、ビストリアゼン化合物を架橋剤として用いることによって、耐熱性、低誘電率性、耐溶剤性に優れた樹脂組成物、およびこの組成物を薄膜化することによって得られる電子部品用絶縁膜を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位からなるフェニレン基含有重合体(以下、「特定重合体」という)およびビストリアゼン化合物を含有してなる組成物、該組成物の薄膜ならびに該薄膜を絶縁膜として有する電子部品を提供するものである。
一般式(1)
〔式中、Xは−(CYY’)p−で表される基(ここで、YおよびY’は同一または異なり、水素原子、アリール基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す)、フルオレニレン基であり、R1〜R8は、同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基を示し、pは0または1の数を示す。〕
【0004】
本発明において前記一般式(1)におけるYおよびY′のうち、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが、ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、トリル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
また、R1〜R8のうちハロゲン原子としては、フッ素原子などが、アルキル基としては、メチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが、アリル基としては、プロペニル基などが、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
また、一般式(1)で表される繰り返し構造単位の割合は特定重合体の5〜100モル%、好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。
【0005】
本発明明において、特定重合体はさらに一般式(2)で表される繰り返し構造単位を有していてもよい。
一般式(2)
〔式中、R9〜R12は、同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す。〕
また、上記一般式(2)におけるR9 〜R12のうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子などが、アルキル基としては、メチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが、アリル基としては、プロペニル基などが、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0006】
本発明において特定重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位および一般式(2)で表される繰り返し構造単位をそれぞれ2種以上有していてもよい。
本発明において、特定重合体における一般式(2)で表される繰り返し構造単位の割合は、0〜95モル%、好ましくは0〜80モル5%、特に好ましくは0〜50モル%である。
特定重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜200,000である。重量平均分子量が1,000未満では、塗膜性が不充分であり、一方、1,000,000を超えると、溶解性が不充分となる。
【0007】
本発明に用いられるフェニレン基含有重合体は、下記一般式(3)で表されるフェニレン基含有化合物、さらに必要に応じて、下記一般式(4)で表される共重合可能な他の化合物の少なくとも1種とを、遷移金属化合物触媒を含む触媒系の存在下に、重合溶媒中で重合することにより製造される。
【0008】
一般式(3)
〔式中、XおよびR1 〜R8は前記一般式(I)と同様であり、R30は、ハロゲン原子、または−OSO2 Z(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基もしくはアリール基を示す)で表される基である。〕
【0009】
一般式(4)
〔式中、R9 〜R12は前記一般式(2)と同様であり、R31は、ハロゲン原子、または−OSO2 Z(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基もしくはアリール基を示す)で表される基である。〕
一般式(3)におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、一般式(3)におけるZのうち、アルキル基としてはメチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
一般式(3)におけるR20としては−OSO2 Zで表される基がより好ましい。
一般式(4)におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、一般式(4)におけるZのうち、アルキル基としてはメチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
一般式(4)におけるR21としてはハロゲン原子がより好ましい。
【0010】
前記一般式(3)で表されるフェニレン基含有化合物の具体例としては、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン
などが挙げられる。
【0011】
また、一般式(3)で表されるフェニレン基含有化合物の具体例としては、 2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)
などが挙げられる。
【0012】
さらに、上記一般式(3)で表されるフェニレン基含有化合物の具体例としては、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン
などが挙げられる。
【0013】
さらにまた、上記一般式(3)で表されるフェニレン基含有化合物の具体例としては、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、
ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン
などが挙げられる。
【0014】
本発明において、上記一般式(3)で表されるフェニレン基含有化合物の少なくとも2種を共重合する場合、その好ましい組み合わせとしては、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン/9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン/ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルプロパン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン/ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン/2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン/2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン/2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)プロパン
などが挙げられる。
【0015】
上記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジブロモトルエン、2,5−ジヨードトルエン、2,5−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、2,5−ジブロモ−p−キシレン、2,5−ジヨード−p−キシレン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,5−ジブロモベンゾトリフルオライド、2,5−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,4−ジクロロ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジヨード−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、3,5−ジクロロトルエン、3,5−ジブロモトルエン、3,5−ジヨードトルエン、2,6−ジクロロトルエン、2,6−ジブロモトルエン、2,6−ジヨードトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,4−ジブロモベンゾトリフルオライド、2,4−ジヨードベンゾトリフルオライド、3,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジブロモトリフルオライド、3,5−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、o−ジヨードベンゼン、o−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,3−ジクロロトルエン、2,3−ジブロモトルエン、2,3−ジヨードトルエン、3,4−ジクロロトルエン、3,4−ジブロモトルエン、3,4−ジヨードトルエン、2,3−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、3,4−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、3,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,4−ジブロモベンゾトリフルオライド、3,4−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,2−ジブロモ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼンなどが挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、m−ジクロロベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド−ジクロロベンゼン、3,4−ジクロロベンゾトリフルオライドである。
【0016】
本発明に用いられるフェニレン基含有重合体を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、▲1▼遷移金属塩および配位子、または配位子が配位された遷移金属(塩)、ならびに▲2▼還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
また、配位子としては、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられるが、トリフェニルホスフィン、2,2′−ビピリジンが好ましい。上記配位子は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属(塩)としては、例えば、塩化ニッケル2トリフェニルホスフィン、臭化ニッケル2トリフェニルホスフィン、ヨウ化ニッケル2トリフェニルホスフィン、硝酸ニッケル2−トリフェニルホスフィン、塩化ニッケル2,2′ビピリジン、臭化ニッケル2,2′ビピリジン、ヨウ化ニッケル2,2′ビピリジン、硝酸ニッケル2,2′ビピリジン、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられるが、塩化ニッケル2トリフェニルホスフィン、塩化ニッケル2,2′ビピリジンが好ましい。
本発明の触媒系において使用することができる上記還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、酸や有機酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
【0017】
また、本発明の触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられるが、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩または配位子が配位された遷移金属(塩)が、上記一般式(3)で表される化合物および必要に応じて一般式(4) で表される化合物との合計量1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が充分に進行せず、一方、10モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
【0018】
触媒系において、遷移金属塩および配位子を用いる場合、この配位子の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不充分となり、一方、100モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
また、触媒系における還元剤の使用割合は、上記一般式(3)で表される化合物および一般式(4)で表される共重合可能な他の化合物の少なくとも1種の合計量1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が充分進行せず、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になるという問題がある。
【0019】
さらに、触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記一般式(3)で表される化合物および一般式(4) で表される共重合可能な他の化合物の少なくとも1種の合計量1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不充分であり、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となるという問題がある。
本発明で使用することのできる重合溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどが挙げられ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、充分に乾燥してから用いることが好ましい。
【0020】
重合溶媒中における上記一般式(3)で表される化合物および必要に応じて一般式(4)で表される化合物との合計量の濃度は、通常、1〜100重量%、好ましくは5〜40重量%である。
また、本発明において特定重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜80℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
なお、本発明の特定共重合体が、前記一般式(3)で表される化合物2種以上または前記一般式(3)で表される化合物と前記一般式(4)で表される化合物2種以上(以下、「2種以上の化合物」という)の共重合体である場合、ランダム共重合体であっても、またブロック共重合体であってもよい。
ここで、ランダム共重合体を得るには、2種以上の化合物を、重合開始時、直前または直後から重合系に存在させる方法が挙げられる。
また、ブロック共重合体を得るには、2種以上の化合物を、それぞれ、あらかじめ遷移金属化合物を含む触媒系の存在下で重合させたのち、反応液を混合し、重合させる方法、あるいは、1回、反応液を精製し、再び、遷移金属化合物を含む触媒系の存在下に重合する方法、また、2種以上の化合物のうちの1種を、遷移金属化合物含む触媒系の存在下で、あらかじめ重合し、途中から他の化合物を重合する方法などが挙げられる。
【0021】
本発明に用いられるビストリアゼン化合物は下記一般式(8)で表されるジアミンのテトラヒドロフラン溶液に塩酸および亜硝酸ナトリウムを作用させ得られるジアゾニウム塩に、ジメチルアミンなどの2級アミンを作用させることにより調製できる。
【0022】
一般式(8)
【0023】
[式中、Qは−(CYY’)p−で表される基(ここで、YおよびY’は同一または異なり、水素原子、アリール基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す)またはフルオレニレン基であり、R17〜R24は、同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基であり、pは0または1の数である。]
一般式(8)中のR17〜R24のうちハロゲン原子としては、フッ素原子などが、アルキル基としては、メチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが、アリル基としては、プロペニル基などが、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。また、トリアゼン基は、−Q−に対してパラ位が好ましい。
【0024】
本発明において、ビストリアゼン化合物は特定重合体100重量部に対して、通常10〜50重量部、好ましくは15〜40重量部用いる。
本発明のフェニレン基含有重合体組成物は、特定化合物およびビストリアゼン化合物を溶媒に溶解して使用される。
好ましい溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられるが、好ましくはシクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルアミルケトンである。
【0025】
特定重合体を溶媒に溶解させる濃度としては、通常1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%である。特定重合体の濃度が1重量%未満では、充分な厚さの塗膜が得られず、一方、60重量%を超えると、充分に流延せず、均一な塗膜が得られない場合がある。
本発明の組成物には、フィルムの基板への密着性を増すために、密着助剤などを混合しても良い。
本発明の組成物は、加熱することにより架橋成形物とすることができる。
この架橋成型物は、本発明の組成物をスプレー法、スピンコーティング法、またはキャスティング法、好ましくはスピンコーティング法などによって基材に塗布し、通常250〜400℃、好ましくは300〜400℃に加熱し架橋を行うことにより膜として形成することができる。
ここで、加熱温度が300℃以下ではビストリアゼンが分解しないために架橋が不十分であり、400℃以上では着色などの問題が生じる。
本発明のフェニレン基含有重合体組成物は、低誘電、性高耐熱性、耐溶剤性を有しており電子部品用絶縁膜、例えば、層間絶縁膜、保護膜、プリント基板材料、封止材料として、また、光学用途として好適に用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中、%および部は、特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン換算で求めた。
5%重量減少温度(Td5)
TG法により、チッ素雰囲気中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
比誘電率(ε)
SUS基板に、上記と同様の方法で、重合体の塗膜を形成させたのち、マスク蒸着により金電極を形成させ、比誘電率測定用サンプルとした。このサンプルの静電容量をLCRメーターにより測定し、下記の式から、比誘電率を求めた。
ε=C・d/ε0 ・S
ここで、εは比誘電率、Cは静電容量、ε0 は真空中の誘電率、Sは上部電極面積である。
体積固有抵抗(ρ v )
試験片として、得られた重合体を、SUS基板に塗膜したものを用いた以外は、JIS K6911に準じて測定した。
塗膜外観
目視により観察した。○ 変化無し、△ 失透又はヒビ、× 溶解を示す。
融点、分解点
DTAにより測定した。
【0027】
ポリフェニレン基含有重合体の製造
試験例1
アルゴンガス導入管および温度計を備えた内容積500mlの三つ口フラスコに、ヨウ化ナトリウム7.5g、無水塩化ニッケル1.3g、トリフェニルホスフィン15.7g、酢酸に接触させた亜鉛末45.8g、および2,2′−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下「BMs6F」ともいう)49.2gを加え、24時間、真空下で乾燥したのち、三つ口フラスコ内をアルゴンガスで充填した。引き続き、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド150mlを添加し、70℃でアルゴン気流下に攪拌したところ、反応液が褐色となった。そのまま、70℃で20時間反応させたのち、反応液を36%塩酸500mlおよびメタノール2,000ml混合液中に注ぎ、沈殿物を回収した。
得られた沈殿物を、クロロホルム中に加えて懸濁させ、2規定塩酸水溶液で抽出を行ったのち、クロロホルム層をアセトンに注ぎ、沈殿を回収、乾燥し、白色粉末状重合体17gを得た。
Mw=31,200、Mn=15,800、Td5=508℃
【0028】
参考例2
この実施例では(Ib)の繰り返し単位を有するポリマーの調製について記載する。
BMs6Fの代わりに9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン(以下「BMsFL」ともいう)50.7g、また、N,N−ジメチルアセトアミドの代わりに1−メチル−2−ピロリドンを用いた以外は、実施例1と同様にして、白色粉末状重合体19gを得た。
Mw=21,800、Mn=10,100、Td=576℃
【0029】
参考例3
この実施例では(Ic)の繰り返し単位を有するポリマーの調製について記載する。
BMs6Fの代わりに2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)プロパン(以下「BMsPr」ともいう)38.4g、また、N,N−ジメチルアセトアミド150mlを75mlに代えた以外は、実施例1と同様にして白色粉末状重合体16gを得た。
Mw=16,600、Mn=8,900、Td=452℃
【0030】
参考例4
この実施例では(Id)の繰り返し単位を有するポリマーの調製について記載する。
アルゴンガス導入管および温度計を備えた内容積500mlの三つ口フラスコに、ヨウ化ナトリウム7.5g、無水塩化ニッケル1.3g、トリフェニルホスフィン15.7g、酢酸に接触させた亜鉛末45.8g、9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン42.6g(84mmol)を加え、24時間、真空下で乾燥したのち、三つ口フラスコ内をアルゴンガスで充填した。引き続き、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド150mlを添加し、70℃でアルゴン気流下に攪拌したところ、反応液が褐色となった。ここで、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド(以下「mDCBTf」ともいう)3.44g(16mmol)を、シリンジを用いて上記三つ口フラスコに注入して、70℃で20時間反応させたのち、反応液を36%塩酸500mlおよびメタノール2,000ml混合液中に注ぎ、沈殿物を回収した。
得られた沈殿物を、クロロホルム中に加えて懸濁させ、2規定塩酸水溶液で抽出を行ったのち、クロロホルム層をアセトンに注ぎ、沈殿を回収、乾燥し、白色粉末状重合体15gを得た。
Mw=23,400、Mn=13,600、Td=567℃
【0031】
参考例5
この実施例では(Ie)の繰り返し単位を有するポリマーの調製について記載する。
BMs6Fの代わりに1,1−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン(以下「BMsPTf」ともいう)50g、また、N,N−ジメチルアセトアミドの代わりに1−メチル−2−ピロリドンを用いた以外は、実施例1と同様にして、白色粉末状重合体23gを得た。
Mw=16,000、Mn=12,000、Td=506℃
参考例6
この実施例では(If)の繰り返し単位を有するポリマーの調製について記載する。
BMsPTfの1成分系の代わりにBMs6F25gとBMsPTf25gの2成分系、また、N,N−ジメチルアセトアミドの代わりに1−メチル−2−ピロリドンを用いた以外は、実施例1と同様にして、白色粉末状重合体25gを得た。
Mw=25,000、Mn=16,000、Td=510℃
【0032】
ビストリアゼン化合物の製造
参考例7
攪拌機、温度計、および滴下漏斗を付した3つ口フラスコに2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン9.3gおよびテトラヒドロフラン(THF)180mlを入れた。そこへ、1N−塩酸250mlをゆっくり加えた。約10分間攪拌した後、亜硝酸ナトリウム5.1gの水60ml水溶液を−3〜0℃で滴下した。その後、0℃に保ったまま1時間攪拌した後、THFを減圧下で留去した。残った水溶液を0℃に冷却し、飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH6〜7に中和した。中和した水溶液を、ただちにジメチルアミン塩酸塩7.2g、および炭酸ナトリウム15.3gの水180ml溶液に注いだ後、10分間激しく攪拌した。ジクロロメタンで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧下で留去した後、アセトンで再結晶し、目的物(化合物a)を10.8g得た。
融点125℃、分解点280〜285℃、1H−NMR(90MHz,CDCl3)δ3.34(s,12H),6.89−7.49(br,8H)
参考例8
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの代わりに、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンを用いた以外は、参考例7と同様にして目的物(化合物b)を5.4g得た。
融点125℃、分解点280〜285℃、1H−NMR(90MHz,CDCl3)δ3.35(s,12H),7.34(br,8H)
【0033】
実施例1〜8および比較例1〜4
表1に示すフェニレン基含有重合体2.5g、表1に示す種類と量のビストリアゼン化合物および密着助剤としてグリシジルプロピルトリメトキシシラン(GPTS)125mgをシクロヘキサノン7.5gに均一になるまで攪拌して溶解させた。
この溶液を0.2μmのフィルタ−でろ過した後、ガラス基板上に、300rpm(3秒)、1000rpm(10秒)でスピンコ−トして薄膜を形成した。このサンプルをホットプレ−ト上で100℃で30分、200℃で30分、320℃で30分加熱した。この硬化サンプルを(PGMEA)中に10分間浸け、その薄膜の状態を目視によってを観察した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明のフェニレン基含有重合体組成物は、耐熱性、低誘電率性、耐溶剤性に優れた薄膜を提供することができ、この薄膜を絶縁膜として有する電子部品用も優れたものである。
Claims (4)
- 請求項1または請求項2記載の組成物を加熱してなる薄膜。
- 請求項3の膜を絶縁膜として有する電子部品。
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