JP4064651B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物が載置される載置部の下面に、複数の脚部が形成されている片面使用の合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、載置部の下面の4つの角部に形成された、複数の上方が開放され、且つ、有底なコップ状の脚部からなる隅部脚部群と、隅部脚部群の中間に形成された、同じく複数のコップ状の脚部からなる中間部脚部群と、載置部の下面の中央部に形成された、同じく複数のコップ状の脚部からなる中央部脚部群とを有し、隅部脚部群と中間部脚部群との間及び中間部脚部群と中央部脚部群との間に、フォーク挿入空間が形成されている合成樹脂製パレットが知られている(例えば、特許第2886822号公報、特開平6−329156号公報等)。
【0003】
上述した合成樹脂製パレットは、上に位置する合成樹脂製パレットと、下に位置する合成樹脂製パレットとを、同じ向きに配置した場合には、下に位置する合成樹脂製パレットの上方が開放され、且つ、有底なコップ状の脚部に、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の略全部が挿入され、複数の合成樹脂製パレットを、高さの低いコンパクトな状態に積み重ねることができ、また、上に位置する合成樹脂製パレットを、平面的に、180度回転させると、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の一部が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部に挿入されて、上に位置する合成樹脂製パレットと下に位置する合成樹脂製パレットとの間に、フォークが挿入可能な間隙が形成されるように構成されている。
【0004】
なお、以下においては、上述したような、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の略全部が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部に挿入されるような積み重ねを、フルネスティングと称し、また、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の一部が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部に挿入されて、上に位置する合成樹脂製パレットと下に位置する合成樹脂製パレットとの間に、フォークが挿入可能な間隙が形成されるような積み重ねを、ハーフネスティングと称する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフルネスティング及びハーフネスティングが可能な従来の合成樹脂製パレットにおいては、合成樹脂製パレットを、多数、ハーフネスティングした際に、脚部の強度が十分でないために、脚部が座屈等を起こし損傷するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決するとともに、取り扱い性の優れた合成樹脂製パレットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、載置部の4つの角部に形成された隅部脚部群と、隅部脚部群の中間に形成された中間部脚部群と、載置部の中央部に形成された中央部脚部群とを有し、フルネスティング及びハーフネスティングが可能な合成樹脂製パレットにおいて、前記脚部群は、相対する長側壁と相対する短側壁と底部とからなるコップ状の脚部を、2個、それぞれの一方の長側壁が対向するように配置することにより構成されており、また、前記脚部群を構成する2個の脚部のうち、一方の脚部の長側壁を、内側から外側に膨出させることにより、脚部の上部開口から底部付近まで延在するとともに、下方に行くに従って先細りに形成された補強用楔状突部が形成されており、更に、前記脚部群を構成する2個の脚部のうち、もう一方の脚部の長側壁を、外側から内側に膨出させることにより、天板が、載置部より、所定の高さ下がった位置にある台座部が形成されているとともに、前記台座部と、前記台座部が形成された長側壁と相対する長側壁とを架橋するストッパー兼補強リブを、底部に形成したものである。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0009】
1は、荷物載置面を形成する平面形状が方形状の板状の載置部であり、2は、板状の載置部1の4つの角部に形成された隅部脚部群である。隅部脚部群2の中間には、それぞれ、中間部脚部群3’、3”が形成されており、また、載置部1の中央部には、中央部脚部群4が形成されている。そして、隅部脚部群2及び中央部脚部群4は、それぞれ、後述する2個の脚部A1、A2から構成されている。また、中央部脚部群4を挟んで、一方の相対する中間部脚部群3’は、それぞれ、後述する2個の脚部B1、B2及び2個の脚部B3、B4から構成されており、そして、中央部脚部群4を挟んで、もう一方の相対する中間部脚部群3”は、それぞれ、後述する2個の脚部B5、B6及び2個の脚部B7、B8から構成されている。また、隅部脚部群2と中間部脚部群3’、3”との間及び中間部脚部群3’、3”と中央部脚部群4との間には、フォークリフトやハンドフォークリフトのフォークが挿入可能な空間部5が形成されてる。
【0010】
次に、隅部脚部群2及び中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部B1〜B8について説明する。
【0011】
図5に示されているように、隅部脚部群2及び中央部脚部群4を構成する一方の脚部A1は、平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有している。また、一方の長側壁s1の中央部には、上部開口から底部s3付近まで延在する、下方に行くに従って先細りに形成された楔状凹部6aが形成されており、楔状凹部6aは、長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させることにより形成されており、従って、長側壁s1の外側には、楔状凹部6aに対応して、楔状突部6bが突設されている。更に、楔状突部6bの底からは、底部s3まで達する、下方に行くに従って先細りに形成された楔状リブ6b1が形成されている。上記のように、一方の長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させて、楔状凹部6a及び楔状突部6bを形成し、一方の長側壁s1を面変化させることにより、長側壁s1の強度、ひいては、脚部A1の強度を上げることができ、従って、多数の合成樹脂製パレットをハーフネスティングすることができる。以下、上記の長側壁s1の中央部に形成された楔状突部6bを、補強用楔状突部と称する。
【0012】
図6に示されているように、隅部脚部群2及び中央部脚部群4を構成するもう一方の脚部A2も、上述した脚部A1と同じ形状の平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、同様に、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有している。また、一方の長側壁s1の中央部を、全高に亘たって、外側から内側に膨出させることにより、内部が縦長の略円錐台形状の空洞で、天板7aを有する台座部7が形成されており、この脚部A2内に位置する台座部7は、もう一方の長側壁s1に当接することなく、該長側壁s1と台座部7との間には、所定の間隙が形成されているとともに、天板7aは、載置部1より、所定の高さ下がった位置に配置されている。
【0013】
上述した隅部脚部群2及び中央部脚部群4を構成する脚部A1と脚部A2とは、それぞれの一方の長側壁s1が対向するように配置され、且つ、それぞれの短側壁s2が、同一仮想平面を形成するように、面一に配置されているとともに、載置部1の一つの辺1aに沿って、脚部A1、A2の長側壁s1が配置されている。また、隅部脚部群2及び中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2のうち、辺1a側には、同じ脚部A1或いは脚部A2が位置するように構成されている。本実施例においは、一例として、載置部1の一つの辺1a側には、補強用楔状突部6bが形成されている脚部A1が位置し、辺1aに相対する辺1b側には、台座部7が形成された脚部A2が位置している。
【0014】
次に、中間部脚部群3’、3”のうち、中央部脚部群4を挟んで、中央部脚部群4の脚部A1、A2の短側壁s2側に位置する中間部脚部群3’の脚部B1〜B4について、図7及び図8を用いて説明する。
【0015】
載置部1の一方の辺1c側に配設された中間部脚部群3’を構成する脚部B1及び脚部B2も、上述した脚部A1、A2と同じ形状の平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、同様に、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有している。そして、脚部B1と脚部B2とは、それぞれ、一方の長側壁s1が対向するように配置されているとともに、それぞれの短側壁s2が、同一仮想平面を形成するように、面一に配置されている。また、脚部B1の脚部B2側の長側壁s1の中央部には、長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させて形成された、上述した補強用楔状突部6bが形成されている。また、補強用楔状突部6bより、載置部1の辺1c側に位置する長側壁s1には、長側壁s1を、内側から外側に膨出させることにより形成された、補強用楔状突部6bと同じ構成の楔状突部8が形成されている。以下、この楔状突部8を、ガタ止め用楔状突部と称する。更に、脚部B2の脚部B1側の長側壁s1の中央部には、上述した脚部A2に形成された台座部7が形成されているとともに、台座部7より、中央部脚部群4側に位置する長側壁s1には、脚部B1に形成されたガタ止め用楔状突部8が形成されている。
【0016】
載置部1の辺1d側に配設されたもう一方の中間部脚部群3’を構成する脚部B3及び脚部B4も、上述した脚部A1、A2と同じ形状の平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、同様に、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有している。そして、脚部B3と脚部B4とは、それぞれ、一方の長側壁s1が対向するように配置されているとともに、それぞれの短側壁s2が、同一仮想平面を形成するように、面一に配置されている。また、脚部B3の脚部B4側の長側壁s1の中央部には、長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させて形成された、上述した補強用楔状突部6bが形成されている。また、補強用楔状突部6bより、載置部1の辺1d側に位置する長側壁s1には、長側壁s1を、内側から外側に膨出させることにより形成された、補強用楔状突部6bと同じ構成のガタ止め用楔状突部8が形成されている。更に、脚部B4の脚部B3側の長側壁s1の中央部には、上述した脚部A2に形成された台座部7が形成されているとともに、台座部7より、中央部脚部群4側に位置する長側壁s1には、ガタ止め用楔状突部8が形成されている。
【0017】
次に、中間部脚部群3’、3”のうち、中央部脚部群4を挟んで、中央部脚部群4の脚部A1、A2の長側壁s1側に位置する中間部脚部群3”の脚部B5〜B8について、図9及び図10を用いて説明する。
【0018】
図9に示されているように、載置部1の一方の辺1a側に配設された中間部脚部群3”を構成する脚部B5及び脚部B6も、上述した脚部A1、A2と同じ形状の平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、同様に、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有しているとともに、脚部B5と脚部B6とは、一方の長側壁s1同士が、対向するように配置されている。また、中間部脚部群3”を構成する脚部B5及び脚部B6のうち、載置部1の辺1a側に位置する脚部B5には、脚部B5の脚部B6側の長側壁s1の中央部に、長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させて形成された、上述した補強用楔状突部6bが形成されているとともに、脚部B5の載置部1の辺1c側に位置する短側壁s1の上端部には、傾斜面9が形成されている。
【0019】
中間部脚部群3”を構成する脚部B5及び脚部B6のうち、中央部脚部群4側に位置する脚部B6には、脚部B6の脚部B5側の長側壁s1の中央部に、上述した脚部A2に形成された台座部7が形成されているとともに、上述した傾斜面9が形成されている脚部5の短側壁s2に対して反対側に位置する脚部B6の短側壁s1、即ち、載置部1の辺1d側に位置する短側壁s2には、脚部B5の短側壁s1の上端部に形成された傾斜面9と同様の傾斜面9が形成されている。
【0020】
図11に示されているように、載置部1のもう一方の辺1b側に配設された中間部脚部群3”を構成する脚部B7及び脚部B8も、上述した脚部A1、A2と同じ形状の平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、同様に、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有しているとともに、脚部B7と脚部B8とは、一方の長側壁s1同士が、対向するように配置されている。中間部脚部群3”を構成する脚部B7及び脚部B8のうち、載置部1の辺1a側に位置する脚部B7には、脚部B7の脚部B8側の長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させて形成された、上述した補強用楔状突部6bが形成されているとともに、脚部B7の載置部1の辺1d側に位置する短側壁s1の上端部には、上述したと同様の傾斜面9が形成されている。
【0021】
中間部脚部群3”を構成する脚部B7及び脚部B8のうち、載置部1の辺1b側に位置する脚部B8には、脚部B8の脚部B7側の長側壁s1の中央部に、上述した脚部A2に形成された台座部7が形成されているとともに、上述した傾斜面9が形成されている脚部B7の短側壁s2に対して反対側に位置する脚部B6の短側壁s2、即ち、載置部1の辺1c側に位置する短側壁s2には、脚部B7の短側壁s2の上端部に形成された傾斜面9と同様の傾斜面9が形成されている。
【0022】
中央部脚部群4を挟んで、中央部脚部群4の脚部A1、A2の長側壁s1側に位置する一方の中間部脚部群3”を構成する脚部B5、B6は、脚部A1、A2、B1〜B8の短側壁s2に沿った載置部1の中心線L1に対して、互いに、反対方向にずれて配置されており、同様に、中央部脚部群4を挟んで、中央部脚部群4の脚部A1、A2の長側壁s1側に位置するもう一方の中間部脚部群3”を構成する脚部B7、B8も、上記の中心線L1に対して、互いに、反対方向にずれて配置されている。より具体的には、図2や図4等に示されているように、中央部脚部群4を挟んで相対する中間部脚部群3”を構成する脚部B5〜B8は、傾斜面9が形成されている短側壁s2側に位置する底部s3の短辺s3aが、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の底部s3の短辺s3aより、所定量、上記の中心線L1側に位置するように構成されており、また、傾斜面9が形成されていない短側壁s2側に位置する底部s3の短辺s3aは、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の底部s3の短辺s3aと同一直線状に位置するように構成されている。換言すれば、上記の中心線L1と傾斜面9が形成されている短側壁s2側に位置する底部s3の短辺s3aとの距離D1が、上記の中心線L1と傾斜面9が形成されていない短側壁s2側に位置する底部s3の短辺s3aとの距離D2より、短くなるように構成されている。
【0023】
以下に、上述した構成を有する合成樹脂製パレットを、フルネスティング及びハーフネスティングする場合について説明する。
【0024】
図11に示されているように、上に位置する合成樹脂製パレットPaと下に位置する合成樹脂製パレットPbとが、同じ向きになるように配置した場合、即ち、上に位置する合成樹脂製パレットPaの隅部脚部群2及び中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2や、中間部脚部群3’、3”を構成する脚部B1〜B8が、平面的に見て、それぞれ、重なるように配置した場合には、このような状態で、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上に、上に位置する合成樹脂製パレットPaを重ねると、上に位置する合成樹脂製パレットPaの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A1、脚部B1、B3、B5、B7の補強用楔状突部6bが、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部A1、脚部B1、B3、B5、B7の楔状凹部6aに挿入されるとともに、上に位置する合成樹脂製パレットPaの中間部脚部群3’を構成する脚部B1、B2、B3、B4のガタ止め用楔状突部8が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの中間部脚部群3’を構成する脚部B1、B2、B3、B4のガタ止め用楔状突部8を形成している楔状凹部6aに挿入される。更に、下に位置する合成樹脂製パレットPbの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A2、脚部B2、B6、B8の台座部7が、上に位置する合成樹脂製パレットPaの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A2、脚部B2、B6、B8の台座部7の空洞に、それぞれ、嵌合されて、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上に、上に位置する合成樹脂製パレットPaが、フルネスティング状態に積み重ねられることになる。
【0025】
上述したフルネスティング状態から、一方の合成樹脂製パレットを、図12に示されているように、平面的に、180度回転させて、上に位置する合成樹脂製パレットPaを下降させると、上に位置する合成樹脂製パレットPaの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A1、A2、B1〜B8の下部が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A1、A2、B1〜B8の上部開口に一部挿入されるとともに、上に位置する合成樹脂製パレットPaの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A1、B1、B3、B5、B7の底部s3が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を構成する脚部A2、B2、B4、B6、B8の台座部7に載置されて、上に位置する合成樹脂製パレットPaと下に位置する合成樹脂製パレットPbとの間に、フォークが挿入可能な間隙が形成されるハーフネスティング状態となる。
【0026】
次に、主として、図12、図13及び図14を用いて、中間部脚部群3’、3”のうち、中央部脚部群4を挟んで、中央部脚部群4の脚部A1、A2の短側壁s2側に位置する中間部脚部群3’の脚部B1〜B4に形成されたガタ止め用楔状突部8による、ハーフネスティング状態におけるガタ止め機能について説明する。
【0027】
上述したように、上に位置する合成樹脂製パレットPaのガタ止め用楔状突部8が形成されている脚部B3が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B2に挿入され、脚部B2に形成されている台座部7に載置されるとともに、上に位置する合成樹脂製パレットPaのガタ止め用楔状突部8が形成されている脚部B4が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B1に挿入されることにより、上述したように、上に位置する合成樹脂製パレットPaが、下に位置する合成樹脂製パレットPbに対してハーフネスティングされることになる。このハーフネスティング状態においては、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B3に形成されているガタ止め用楔状突部8が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B2の台座部7が形成されている長側壁s1の内壁面s1aに当接或いは接近するとともに、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B4に形成されているガタ止め用楔状突部8が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B1の長側壁s1の内壁面s1aに当接或いは接近することになる。このように、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B3に形成されているガタ止め用楔状突部8と上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B4に形成されているガタ止め用楔状突部8とにより、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B1、B2の相対する長側壁s1を挟持するように構成されているので、ハーフネスティング状態の合成樹脂製パレットの脚部A1、A2、B1〜B8の長側壁s1に対して直角方向のガタを抑制することができる。
【0028】
次に、主として、図9、図10、図12、図15及び図16を用いて、中間部脚部群3’、3”のうち、中央部脚部群4を挟んで、中央部脚部群4の脚部A1、A2の長側壁s1側に位置する中間部脚部群3”の脚部B5〜B8によるハーフネスティング状態におけるガタ止め機能について説明する。
【0029】
上述したように、中間部脚部群3”を構成する脚部B5〜B8は、上述した載置部1の中心線L1と傾斜面9が形成されている短側壁s2側に位置する底部s3の短辺s3aとの距離D1が、上記の中心線L1と傾斜面9が形成されていない短側壁s2側に位置する底部s3の短辺s3aとの距離D2より、短くなるように構成されているので、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B5が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B8に挿入され、脚部B8に形成されている台座部7に載置されるとともに、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B6が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B7に挿入されて、上述したように、上に位置する合成樹脂製パレットPaが、下に位置する合成樹脂製パレットPbに対してハーフネスティングされた際には、図15に示されているように、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B5の傾斜面9が形成されていない短側壁s2が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B8の傾斜面9が形成されている短側壁s2に、当接或いは接近して位置するとともに、同様に、図16に示されているように、上に位置する合成樹脂製パレットPaの傾斜面9が形成されていない短側壁s2が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B7の傾斜面9が形成されている短側壁s2に、当接或いは接近して位置するように構成されているので、ハーフネスティング状態の合成樹脂製パレットPの脚部A1、A2、B1〜B8の長側壁s1に沿った方向のガタを抑制することができる。このようなガタ止めは、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B7、B8と下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B5、B6との間でも行われることになるが、ガタ止め機能は同じであるので、説明は省略する。
【0030】
また、ハーフネスティングを行うために、上に位置する合成樹脂製パレットPaを、下に位置する合成樹脂製パレットPb方向に下降させて、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B5を、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B8に挿入する際に、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B5の傾斜面9が形成されていない短側壁s2が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B8の上部開口付近に位置する載置部1に当接しても、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B8の短側壁s2には傾斜面9が形成されているので、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B5の傾斜面9が形成されていない短側壁s2が、下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B8の短側壁s2に形成されている傾斜面9に当接し、脚部B8に挿入されるように案内されることになり、従って、確実に、ハーフネスティングを行うことができる。このことは、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B6と下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B7、上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B7と下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B6及び上に位置する合成樹脂製パレットPaの脚部B8と下に位置する合成樹脂製パレットPbの脚部B5との間でも行われるように構成されており、機能としては同じであるので、その説明は省略する。
【0031】
上述した実施例においては、ハーフネスティング状態の合成樹脂製パレットの脚部A1、A2、B1〜B8の長側壁s1に対して直角方向のガタを抑制するガタ止め用楔状突部8が、中央部脚部群4の脚部A1、A2の短側壁s2側に位置する中間部脚部群3’に形成されているが、ハーフネスティング状態の合成樹脂製パレットの脚部A1、A2、B1〜B8の長側壁s1に対して直角方向、換言すれば、載置部1の辺1c、1dに対して直角方向のガタを抑制する機能を有するものであれば、隅部脚部群2や中間部脚部群3”や中央部脚部群4に形成することもできる。しかしながら、このようなガタ止め用楔状突部8は、合成樹脂製パレット同士間の寸法差による影響の少ない中央部脚部群4の脚部A1、A2の短側壁s2側に位置する中間部脚部群3’に形成することが好ましい。例えば、ガタ止め用楔状突部8を、隅部脚部群2に形成すると、隅部脚部群2の位置は、合成樹脂製パレット同士間の寸法差が、中間部脚部群3’に比べて大きいので、フルネスティングに支障をきたす恐れがある。
【0032】
上述した実施例には、補強用楔状突部6bを、下方に行くに従って先細りに形成された楔状とした例が示されているが、フルネスティングが可能であるならば、略縦長の長方形状に形成することも、また、逆台形状に形成することもできる。
【0033】
なお、図6に示されているように、脚部A2の台座部7の天板7aの下面にストッパー7bを形成したり、或いは、台座部7と長側壁s1を架橋するようなストッパー7cを、底部s3に形成することもできる。このようなストッパー7b、7cを形成することにより、上に位置する合成樹脂製パレットPと下に位置する合成樹脂製パレットPとをフルネスティングさせた際に、下に位置する合成樹脂製パレットPの台座部7の天板7aが、上に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2の台座部7の天板7aの下面に形成されたストッパー7bに当接し、それ以上の挿入が阻止されるので、上に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2の台座部7内に挿入される、下に位置する合成樹脂製パレットPの台座部7が、上に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2の台座部7内に密着状に挿入されるようなことを防止することができる。従って、フルネスティング状態の上に位置する合成樹脂製パレットPを、下に位置する合成樹脂製パレットPから容易に上方に持ち上げ、抜き取ることができる。同様に、フルネスティングの際には、上に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2の底部s3が、下に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2の底部s3に形成されたストッパー7cに当接し、上に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2が、下に位置する合成樹脂製パレットPの脚部A2内に密着状に挿入されるようなことを防止することができるので、上記と同様に、フルネスティング状態の上に位置する合成樹脂製パレットPを、下に位置する合成樹脂製パレットPから容易に上方に持ち上げ、抜き取ることができることになる。また、ストッパー7cは、脚部A2の補強リブとしての機能を有するものである。このような、脚部補強としての機能を有するストッパーストッパー7cを、図5に示されている脚部A1の相対する長側壁s1を架橋するように底部s3に形成することもできる。
【0034】
なお、上述した実施例には、隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”が、それぞれ、2個の脚部A1、A、B1〜B8により構成されている例が示されているが、隅部脚部群2、中央部脚部群4及び中間部脚部群3’、3”を、3個以上の脚部により構成することもでき、また、脚部の大きさを、適宜、変えることもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0036】
所定の脚部の側壁を、内側から外側に膨出させることにより、補強用突部を形成したので、脚部の強度、ひいては、合成樹脂製パレットの強度を向上することができるので、従って、多数の合成樹脂製パレットをハーフネスティングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の合成樹脂製パレットの平面図である。
【図3】図3は本発明の合成樹脂製パレットの裏面斜視図である。
【図4】図4は本発明の合成樹脂製パレットの裏面図である。
【図5】図5は本発明の合成樹脂製パレットを構成する脚部の斜視図である。
【図6】図6は本発明の合成樹脂製パレットを構成する他の脚部の斜視図である。
【図7】図7は本発明の合成樹脂製パレットを構成する更に他の脚部の斜視図である。
【図8】図8は本発明の合成樹脂製パレットを構成する更なる脚部の斜視図である。
【図9】図9は本発明の合成樹脂製パレットを構成するなお更なる脚部の斜視図である。
【図10】図10は本発明の合成樹脂製パレットを構成する更に別の脚部の斜視図である。
【図11】図11は本発明の合成樹脂製パレットがフルネスティングされる状態の斜視図である。
【図12】図12は本発明の合成樹脂製パレットがハーフネスティングされる状態の斜視図である。
【図13】図13はハーフネスティングされた状態の本発明の合成樹脂製パレットのガタ止め機能を説明するための上に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部と下に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部の斜視図である。
【図14】図14はハーフネスティングされた状態の本発明の合成樹脂製パレットのガタ止め機能を説明するための上に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部と下に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部の垂直断面図である。
【図15】図15はハーフネスティングされた状態の本発明の合成樹脂製パレットのガタ止め機能を説明するための上に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部と下に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部の垂直断面図である。
【図16】図16は同じくハーフネスティングされた状態の本発明の合成樹脂製パレットのガタ止め機能を説明するための上に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部と下に位置する合成樹脂製パレットの所定の脚部の垂直断面図である。
【符号の説明】
A1、A2・・・・・・・脚部
B1〜B8・・・・・・・脚部
1・・・・・・・・・・・載置部
2・・・・・・・・・・・隅部脚部群
3’、3”・・・・・・・中間部脚部群
4・・・・・・・・・・・中央部脚部群
6b・・・・・・・・・・補強用楔状突部
7・・・・・・・・・・・台座部
8・・・・・・・・・・・ガタ止め用楔状突部
9・・・・・・・・・・・傾斜面
Claims (1)
- 載置部の4つの角部に形成された隅部脚部群と、隅部脚部群の中間に形成された中間部脚部群と、載置部の中央部に形成された中央部脚部群とを有し、フルネスティング及びハーフネスティングが可能な合成樹脂製パレットにおいて、前記脚部群は、相対する長側壁と相対する短側壁と底部とからなるコップ状の脚部を、2個、それぞれの一方の長側壁が対向するように配置することにより構成されており、また、前記脚部群を構成する2個の脚部のうち、一方の脚部の長側壁を、内側から外側に膨出させることにより、脚部の上部開口から底部付近まで延在するとともに、下方に行くに従って先細りに形成された補強用楔状突部が形成されており、更に、前記脚部群を構成する2個の脚部のうち、もう一方の脚部の長側壁を、外側から内側に膨出させることにより、天板が、載置部より、所定の高さ下がった位置にある台座部が形成されているとともに、前記台座部と、前記台座部が形成された長側壁と相対する長側壁とを架橋するストッパー兼補強リブが、底部に形成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
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