JP3993769B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物が載置される載置部の下面に、複数の脚部が形成されている片面使用の合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、載置部の下面の4つの角部に形成された、複数の上方が開放され、且つ、有底なコップ状の脚部からなる隅部脚部群と、隅部脚部群の中間に形成された、同じく複数のコップ状の脚部からなる中間部脚部群と、載置部の下面の中央部に形成された、同じく複数のコップ状の脚部からなる中央部脚部群とを有し、隅部脚部群と中間部脚部群との間及び中間部脚部群と中央部脚部群との間に、フォーク挿入空間が形成されている合成樹脂製パレットが知られている。
【0003】
上述した合成樹脂製パレットは、上に位置する合成樹脂製パレットと、下に位置する合成樹脂製パレットとを、同じ向きに配置した場合には、下に位置する合成樹脂製パレットの上方が開放され、且つ、有底なコップ状の脚部に、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の略全部が挿入され、複数の合成樹脂製パレットを、高さの低いコンパクトな状態に積み重ねることができ、また、上に位置する合成樹脂製パレットを、平面的に、180度回転させると、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の一部が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部に挿入されて、上に位置する合成樹脂製パレットと下に位置する合成樹脂製パレットとの間に、フォークが挿入可能な間隙が形成されるように構成されている。
【0004】
なお、以下においては、上述したような、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の略全部が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部に挿入されるような積み重ねを、フルネスティングと称し、また、上に位置する合成樹脂製パレットの脚部の一部が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部に挿入されて、上に位置する合成樹脂製パレットと下に位置する合成樹脂製パレットとの間に、フォークが挿入可能な間隙が形成されるような積み重ねを、ハーフネスティングと称する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフルネスティング及びハーフネスティングが可能な合成樹脂製パレットの荷物が載置される載置部の裏面には、互いに交差する補強リブが形成されているが、この補強リブの配置やピッチ等の考慮が十分でないために、合成樹脂製パレットの強度や剛性が低くいという問題があった。例えば、フォーク挿入空間にフォークを挿入して、荷物が載置されている合成樹脂製パレットを運搬する際に、合成樹脂製パレットが、上方に弓なり状に湾曲し、荷物がずれ落ちたりする等のトラブルが発生していた。上述したフルネスティング及びハーフネスティングが可能な合成樹脂製パレットは、軽量化のために薄肉構造に成形されているので、特に、強度や剛性の低下が大きな問題となっていた。
【0006】
また、上述した合成樹脂製パレットにおいては、隅部脚部群や中間部脚部群や中央部脚部群が、フルネスティング及びハーフネスティングが可能なように、上方が開口した有底なコップ状の脚部により構成されているので、強度や剛性が充分でないという問題があった。更には、フルネスティング及びハーフネスティングを可能とするために、通常のパレットのように、下面デッキを設置することができないので、下面デッキを設けて、強度や剛性を高めることもできない。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、載置部の4つの角部に形成されたコップ状の脚部からなる隅部脚部群と、隅部脚部群の中間に形成された同じくコップ状の脚部からなる中間部脚部群と、載置部の中央部に形成された同じくコップ状の脚部からなる中央部脚部群とを有し、フルネスティング及びハーフネスティングが可能な合成樹脂製パレットにおいて、第1には、隅部脚部群を構成する脚部の長側壁と中間部脚部群を構成する脚部の長側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、また、中間部脚部群を構成する脚部の長側壁と中央部脚部群を構成する脚部の長側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、更に、隅部脚部群を構成する脚部の短側壁と中間部脚部群を構成する脚部の短側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、更にまた、中間部脚部群を構成する脚部の短側壁と中央部脚部群を構成する脚部の短側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、なお更に、載置部の相対する縁部に平行な相対する周縁近傍リブが、複数の脚部群間外リブにより連結されており、且つ、前記脚部群連結リブのリブピッチと前記脚部群間外リブのリブピッチとが、略同じリブピッチに形成されているとともに、所定の前記脚部群間外リブ間に、前記脚部群間外リブに沿って、前記周縁近傍リブを連結する補強リブを形成したものであり、第2には、脚部間外リブに沿って形成された補強リブを、曲げ剛性の小さい縁部に沿って形成したものであり、第3には、載置部の縁部に形成された略垂直な周縁リブのうち、隅部脚部群と中間部脚部群との間に位置する脚部間周縁リブ部の下端と周縁近傍リブの下端とを、前記周縁近傍リブから前記脚部間周縁リブ部に向かって上方に傾斜するように構成された帯状連結板により連結したものである。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0010】
1は、荷物載置面を形成する平面形状が方形状の載置部であり、2は、板状の載置部1の4つの角部に形成された一例としての脚部A1、A2からなる隅部脚部群である。隅部脚部群2の中間には、同じく一例としての脚部A1、A2からなる中間部脚部群3が形成されており、また、載置部1の中央部には、同じく一例としての脚部A1、A2からなる中央部脚部群4が形成されている。そして、隅部脚部群2と中間部脚部群3との間及び中間部脚部群3と中央部脚部群4との間には、フォークリフトやハンドフォークリフトのフォークが挿入可能なフォークが挿入空間5が形成されている。
【0011】
上述した脚部A1、A2の一例が図3及び図4に示されている。
【0012】
図3に示されているように、隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する一方の脚部A1は、平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有している。また、一方の長側壁s1の中央部には、上部開口から底部s3付近まで延在する、下方に行くに従って先細りに形成された楔状凹部s4が形成されており、楔状凹部s4は、長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させることにより形成されており、従って、長側壁s1の外側には、楔状凹部s4に対応して、楔状突部s5が突設されている。このように、一方の長側壁s1の中央部を、内側から外側に膨出させて、楔状凹部s4及び楔状突部s5を形成し、長側壁s1を面変化させることにより、長側壁s1の強度、ひいては、脚部A1の強度を上げることができる。なお、s51は、楔状突部s5の底部裏面に形成された、底部s3付近まで延在する楔状リブである。脚部A1の強度が十分である場合には、楔状凹部s4及び楔状突部s5を形成しないように構成することもできる。
【0013】
図4に示されているように、隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成するもう一方の脚部A2も、上述した脚部A1と同じ形状の平面形状が長方形の上部開口を有する有底で先細り状のコップ状に形成されており、同様に、相対する長側壁s1と相対する短側壁s2と底部s3とを有している。また、一方の長側壁s1の中央部を、外側から内側に膨出させることにより、内部が縦長の略円錐台形状の空洞で、天板s6aを有する台座部s6が形成されており、この脚部A2内に位置する台座部s6は、もう一方の長側壁s1に当接することなく、該長側壁s1と台座部s6との間には、所定の間隙が形成されているとともに、天板s6aは、載置部1より、所定の高さ下がった位置に配置されている。
【0014】
上述したように、隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4は、それぞれ、一例として、1個の脚部A1と1個の脚部A2とから構成されており、隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1と脚部A2とは、それぞれの一方の長側壁s1が対向するように配置され、且つ、それぞれの短側壁s2が、同一仮想平面を形成するように、面一に配置されているとともに、載置部1の相対する縁部1aに沿って、脚部A1、A2の長側壁s1が配置され、また、載置部1のもう一方の相対する縁部1bに沿って、脚部A1、A2の短側壁s2が配置されている。更に、隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2のうち、相対する縁部1aの一方の縁部1a側に、同じ脚部A1或いは脚部A2が位置するように構成されている。本実施例においは、一例として、図5において、左側に位置する縁部1a側に、脚部A1が位置し、右側に位置する縁部1a側に、脚部A2が位置している例が示されている。
【0015】
上述した合成樹脂製パレットを、上に位置する合成樹脂製パレットと下に位置する合成樹脂製パレットとが、同じ向きになるように配置した場合、即ち、上に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2が、平面的に見て、それぞれ、重なるように配置した場合には、このような状態で、下に位置する合成樹脂製パレットの上に、上に位置する合成樹脂製パレットを重ねると、上に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1の楔状突部s5が、下に位置する合成樹脂製パレットの脚部A1の楔状凹部s4に挿入されるとともに、下に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A2の台座部s6が、上に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A2の台座部s6の空洞に、それぞれ、嵌合されて、図7に示されているように、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上に、上に位置する合成樹脂製パレットPaが、フルネスティング状態に積み重ねられることになる。
【0016】
また、上述したフルネスティング状態から、一方の合成樹脂製パレットを、平面的に、180度回転させて、上に位置する合成樹脂製パレットを下降させると、上に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1の下部が、下に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A2の上部開口に一部挿入されるとともに、上に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A2の下部が、下に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1の上部開口に一部挿入される。そして、上に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A1の底部s3が、下に位置する合成樹脂製パレットの隅部脚部群2、中間部脚部群3及び中央部脚部群4を構成する脚部A2の台座部s6の天板s6aに載置されて、上に位置する合成樹脂製パレットPaと下に位置する合成樹脂製パレットPbとの間に、図8に示されているように、フォークが挿入可能な空間部D1が形成されるハーフネスティング状態となる。
【0017】
載置部1の縁部1a、1bには、略垂直な周縁リブ1cが形成されており、隅部脚部群2と中間部脚部群3との間に位置する周縁リブ部1c’の高さ(載置部1の上面から周縁リブ部1c’の下端1c1’までの高さ)H1は、それ以外に位置する周縁リブ部1c”、即ち、隅部脚部群2と相対する位置にある載置部1の角部付近の周縁リブ部1c”及び中間部脚部群3と略相対する位置にある周縁リブ部1c”の高さ(載置部1の上面から周縁リブ部1c”の下端1c1”までの高さ)H2より、低く構成されている。以下、上記の隅部脚部群2と中間部脚部群3との間に位置する高さの低い周縁リブ部1c’を、脚部間周縁リブ部と称する。
【0018】
隅部脚部群2と中間部脚部群3間には、脚部間周縁リブ部1c’の近傍で、脚部間周縁リブ部1c’に平行で、且つ、脚部間周縁リブ部1c’の下端1c1’より、その下端1d1が下方に位置する周縁近傍リブ1dが形成されている。脚部間周縁リブ部1c’の下端1c1’と、周縁近傍リブ1dの下端1d1とは、帯状連結板6により連結されており、また、帯状連結板6は、相対する隅部脚部群2の脚部A1と中間部脚部群3の脚部A1、相対する隅部脚部群2の脚部A2と中間部脚部群3の脚部A1及び相対する隅部脚部群2の脚部A1と中間部脚部群3の脚部A2とを連結するように構成されている。そして、脚部間周縁リブ部1c’と、周縁近傍リブ1dと、帯状連結板6と、隅部脚部群2を構成する脚部A1、A2の長側壁s1及び短側壁s2と、中間部脚部群3を構成する脚部A1、A2の長側壁s1及び短側壁s2とにより、上方が開口された箱状の空間部D2が形成されている。
【0019】
脚部間周縁リブ部1c’の近傍に配設された周縁近傍リブ1dの下端1d1は、脚部間周縁リブ部1c’の下端1c1’より、下方に位置しているので、周縁近傍リブ1dの下端1d1と脚部間周縁リブ部1c’の下端1c1’とを連結する帯状連結板6は、周縁近傍リブ1dから脚部間周縁リブ部1c’に向かって、上方に傾斜するように構成されている。従って、図7に示されているように、2つの合成樹脂製パレットがフルネスティング状態においては、下に位置する合成樹脂製パレットPbの載置部1と上に位置する合成樹脂製パレットPaの帯状連結板6との間には、フォークFの先端部f1が挿入可能な楔状の空間部D3が形成されることになる。
【0020】
上述した上方が開口された箱状の空間部D2内には、脚部間周縁リブ部1c’と周縁近傍リブ1dと帯状連結板6とを連結するとともに、脚部間周縁リブ部1c’及び周縁近傍リブ1dに直角な板状の区画リブ7が配設されている。なお、帯状連結板6の区画リブ7で区画された区画室内に位置する部分には、透孔6aが穿設されており、空間部D3に入った雨水や洗浄水等を排出することができるように構成されている。
【0021】
そして、フルネスティング状態に段積みされた合成樹脂製パレットから、所望の合成樹脂製パレットを分離する際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの載置部1と上に位置する合成樹脂製パレットPaの帯状連結板6との間に形成された楔状の空間部D3に、フォークFのフォーク先端部f1を挿入することになるが、本実施例においては、フォーク先端部f1が当接する部分が、従来の合成樹脂製パレットのように、連結傾斜リブではなく、強度的に強い帯状連結板6により形成されているので、帯状連結板6が損傷するようなことを防止することができる。
【0022】
また、上方が開口された箱状の空間部D2内には、脚部間周縁リブ部1c’と周縁近傍リブ1dと帯状連結板6とを連結するとともに、脚部間周縁リブ部1c’及び周縁近傍リブ1dに直角な板状の区画リブ7が配設されているので、帯状連結板6や脚部間周縁リブ部1c’の強度が向上し、従って、フォークFのフォーク先端部f1が、帯状連結板6や脚部間周縁リブ部1c’に当接しても、帯状連結板6や脚部間周縁リブ部1c’が損傷するようなことはない。
【0023】
更に、上述したように、脚部間周縁リブ部1c’と、周縁近傍リブ1dと、帯状連結板6と、隅部脚部群2を構成する脚部A1、A2の長側壁s1及び短側壁s2と、中間部脚部群3を構成する脚部A1、A2の長側壁s1及び短側壁s2とにより、上方が開口された箱状の空間部D2を形成することにより、合成樹脂製パレットの周辺部の強度や合成樹脂製パレットの剛性が大きくなり、また、空間部D2に区画リブ7を設けることにより、合成樹脂製パレットの周辺部の強度や合成樹脂製パレットの剛性が更に大きくなる。
【0024】
隅部脚部群2を構成する脚部A2の長側壁s1と中間部脚部群3を構成する脚部A1の長側壁s1、隅部脚部群2を構成する脚部A1の長側壁s1と中間部脚部群3を構成する脚部A2の長側壁s1、中間部脚部群3を構成する脚部A2の長.壁s1と中央部脚部群4を構成する脚部A1の長側壁s1、及び、中間部脚部群3を構成する脚部A1の長側壁s1と中央部脚部群4を構成する脚部A2の長側壁s1とは、それぞれ、適当数の長側壁側の脚部群連結リブ8により連結されている。また、隅部脚部群2を構成する脚部A1、A2の短側壁s2と中間部脚部群3を構成する脚部A1、A2の短側壁s2、及び、中間部脚部群3を構成する脚部A1、A2の短側壁s2と中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2とは、それぞれ、適当数の短側壁側の脚部群連結リブ9により連結されている。更に、隅部脚部群2を構成する脚部A1、A2の長側壁s1同士、中間部脚部群3を構成する脚部A1、A2の長側壁s1同士、及び、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の長側壁s1同士は、適当数の脚部間連結リブ10により連結されている。更にまた、隅部脚部群2を構成する脚部A1、A2と周縁リブ1cのうち、載置部1の角部付近に位置する脚部間周縁リブ部1c’より高さの高い周縁リブ部1c”、及び、中間部脚部群3を構成する脚部A1、A2と周縁リブ1cのうち、載置部1の各縁部1a、1bの中央部付近に位置する脚部間周縁リブ部1c’より高さの高い周縁リブ部1c”は、適当数の周縁リブ・脚部連結リブ11により連結されている。
【0025】
載置部1の一方の相対する縁部1aに略平行な相対する周縁近傍リブ1dは、載置部1のもう一方の縁部1b及び隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2に略平行で、所定の間隔を有する脚部間外リブ12により連結されている。また、載置部1の一方の相対する縁部1bに略平行な相対する周縁近傍リブ1dは、載置部1のもう一方の縁部1a及び隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の長側壁s1に略平行で、所定の間隔を有する脚部間外リブ13により連結されている。
【0026】
上述した長側壁側の脚部群連結リブ8のリブピッチ、短側壁側の脚部群連結リブ9のリブピッチ、及び、脚部群間外リブ12、13のリブピッチは、脚部間外リブ12、13に沿って形成される、後述する補強リブと脚部間外リブ12のリブピッチを除いて、それぞれ、略同じリブピッチに形成されている。また、載置部1の角部付近及び載置部1の各縁部1a、1bの中央部付近に位置する脚部間周縁リブ部1c’より高さの高い周縁リブ部1c”、長側壁側の脚部群連結リブ8、短側壁側の脚部群連結リブ9、脚部間連結リブ10、周縁リブ・脚部連結リブ11、及び、脚部群間外リブ12、13の載置部1の上面からの高さは、全て、同じ高さに形成されている。
【0027】
上述した隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な脚部間外リブ12或いは隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の長側壁s1に略平行な脚部間外リブ13に沿って、相対する周縁近傍リブ1dを連結する補強リブ14が、適当数、形成されている。本実施例には、隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な補強リブ14が、互いに略平行な一対のフォーク挿入空間部5の上方に位置する脚部間外リブ12に沿って、それぞれ、2本ずつ、形成されている例が示されているが、このような補強リブ14は、1本或いは3本以上形成することもできる。なお、この補強リブ14の載置部1の上面からの高さも、載置部1の角部付近及び載置部1の各縁部1a、1bの中央部付近に位置する脚部間周縁リブ部1c’より高さの高い周縁リブ部1c”、長側壁側の脚部群連結リブ8、短側壁側の脚部群連結リブ9、脚部間連結リブ10、周縁リブ・脚部連結リブ11、及び、脚部群間外リブ12、13の高さと、同じ高さに形成されている。
【0028】
また、隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の長側壁s1に略平行な脚部間外リブ13に沿って、上述したような周縁近傍リブ1dを連結する補強リブ14を形成することもできる。
【0029】
隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な脚部間外リブ12に沿って補強リブ14を形成するとともに、隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の長側壁s1に略平行な脚部間外リブ13に沿って補強リブ14を形成することもできるが、合成樹脂製パレットの軽量化のためには、脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な脚部間外リブ12に沿って補強リブ14を形成するか、或いは、脚部A1、A2の長側壁s1に略平行な脚部間外リブ13に沿って補強リブ14を形成するか、何方か一方に補強リブ14を形成することが好ましい。
【0030】
隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な脚部間外リブ12に沿って補強リブ14を形成するか、或いは、隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の長側壁s1に略平行な脚部間外リブ13に沿って補強リブ14を形成するかは、合成樹脂製パレットの平面形状、即ち、平面形状が略正方形状か、長方形状か、或いは、脚部A1、A2の長側壁s1や短側壁s2等の向き等を考慮して、適宜、決めることになる。
【0031】
例えば、本実施例のように、合成樹脂製パレットの平面形状が、略正方形のような場合には、脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な載置部1の縁部1bが屈曲する場合の曲げ剛性は、脚部A1、A2の長側壁s1に略平行な載置部1の縁部1aが屈曲する場合の曲げ剛性に比べて、剛性が小さいので、隅部脚部群2、中間部脚部群3、中央部脚部群4を構成する脚部A1、A2の短側壁s2に略平行な脚部間外リブ12に沿って、補強リブ14を形成することになる。また、合成樹脂製パレットの平面形状が、より横長の長方形状に形成されている場合には、より長い縁部に沿って、補強リブ14を形成することになる。
【0032】
周縁近傍リブ1dや長側壁側の脚部群連結リブ8や短側壁側の脚部群連結リブ9や脚部間外リブ12、13や補強リブ14により囲まれた部分を、透孔1eとし、載置部1の大部分を、周縁近傍リブ1dや長側壁側の脚部群連結リブ8や短側壁側の脚部群連結リブ9や脚部間外リブ12、13や補強リブ14により形成されたリブ構造とし、合成樹脂製パレットの重量を低減することもできる。また、本実施例のように、補強リブ14と隣り合う一対の脚部間外リブ12の上端を連結する連結帯状板1fを配設することにより、合成樹脂製パレットの強度や剛性を高めることができる。
【0033】
図10及び図11には、本発明の別の実施例が示されている。
【0034】
上述したように、隅部脚部群2と中間部脚部群3との間に位置する脚部間周縁リブ部1c’の高さH1は、それ以外に位置する周縁リブ部1c”の高さH2より、低く構成されており、隅部脚部群2と中間部脚部群3との間には、高さの低い脚部間周縁リブ部1c’の下端1c1’と、高さの低い脚部間周縁リブ部1c’の両端から、高さの高い周縁リブ部1c”方向に延在する相対する縁部1c2とにより、凹部15が形成されている。この凹部15の上方に位置する脚部間周縁リブ部1c’の上端には、載置部1に載置された荷物の落下を防止するための荷物落下防止用突起部16が突設されている。本実施例には、荷物落下防止用突起部16は、複数の突起16aが、適当な間隔で突設されたものとして構成されているが、荷物落下防止用突起部16を、連続した突条として構成することもできる。
【0035】
上述したような荷物落下防止用突起部16を形成したことにより、載置部1に載置された荷物が移動したとしても、荷物が、荷物落下防止用突起部16に当接し、載置部1から落下するようなことが防止できる。
【0036】
荷物落下防止用突起部16を、上述した従来の合成樹脂製パレットのように、載置面1の角部付近の縁部1a、1bに形成することも考えられるが、図7に示されているように、2つの合成樹脂製パレットがフルネスティング状態に段積みされた場合には、上に位置する合成樹脂製パレットPaの載置部1の縁部1a、1bに垂設された高さの高い周縁リブ部1c”は、下に位置する合成樹脂製パレットPbの載置部1に、実質的に当接することになるので、載置部1の角部付近の縁部1a、1bに、荷物落下防止用突起部16を形成する場合には、荷物落下防止用突起部16の高さ分だけ、載置部1の角部付近に位置する周縁リブ部1c”の高さを低くしなければならない。このように、載置部1の角部付近に位置する周縁リブ部1c”の高さを低くすると、合成樹脂製パレットの強度や剛性が低下することになる。
【0037】
本発明においては、荷物落下防止用突起部16を、載置部1の角部付近の縁部1a、1bではなく、フォークFの先端部f1が挿入可能な楔状の空間部D1を形成するための凹部15を構成する高さの低い脚部間周縁リブ部1c’の上端に形成したので、図11に示されているように、2つの合成樹脂製パレットをフルネスティング状態に段積みした際にも、下に位置する合成樹脂製パレットPbに形成された荷物落下防止用突起部16は、上に位置する合成樹脂製パレットPaの凹部15に位置することになり、従って、下に位置する合成樹脂製パレットPbに形成された荷物落下防止用突起部16が、上に位置する合成樹脂製パレットPaの載置部1に当接するようなことがなく、しかも、、載置部1の角部付近に位置する周縁リブ部1c”の高さを低くする必要がないので、合成樹脂製パレットの強度や剛性が低下するようなことを防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0039】
長側壁側の脚部群連結リブ、短側壁側の脚部群連結リブ及び脚部群間外リブを、略同じリブピッチで形成するとともに、前記脚部間外リブに沿って、補強リブを形成したので、合成樹脂製パレットの強度及び剛性を大きくすることができる。
【0040】
脚部間外リブに沿って形成された補強リブを、曲げ剛性の小さい縁部に沿って形成したので、合成樹脂製パレットの重量を、極力、抑えて、効果的に合成樹脂製パレットの強度及び剛性を大きくすることができる。
【0041】
補強リブと隣り合う一対の脚部間外リブの上端を連結する連結帯状板を配設したので、合成樹脂製パレットの強度及び剛性をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の合成樹脂製パレットの裏面斜視図である。
【図3】図3は本発明の合成樹脂製パレットを構成する脚部の斜視図である。
【図4】図4は本発明の合成樹脂製パレットを構成する他の脚部の斜視図である。
【図5】図5は本発明の合成樹脂製パレットの平面図である。
【図6】図6は本発明の合成樹脂製パレットの裏面図である。
【図7】図7は本発明の合成樹脂製パレットがフルネスティングされた状態の正面図である。
【図8】図8は本発明の合成樹脂製パレットがハーフネスティングされた状態の正面図である。
【図9】図9は本発明の合成樹脂製パレット等の部分拡大斜視図である。
【図10】図7は本発明の合成樹脂製パレットの別の実施例の斜視図である。
【図11】図11は図10に示されている本発明の合成樹脂製パレットがフルネスティングされた状態の正面図である。
【符号の説明】
A1、A2・・・・・・・・・・・・・脚部
1・・・・・・・・・・・・・・・・・載置部
1c・・・・・・・・・・・・・・・・周縁リブ
1d・・・・・・・・・・・・・・・・周縁近傍リブ
2・・・・・・・・・・・・・・・・・隅部脚部群
3・・・・・・・・・・・・・・・・・中間部脚部群
4・・・・・・・・・・・・・・・・・中央部脚部群
5・・・・・・・・・・・・・・・・・フォーク挿入空間
6・・・・・・・・・・・・・・・・・帯状連結板
8、9・・・・・・・・・・・・・・・脚部群連結リブ
10・・・・・・・・・・・・・・・・脚部間連結リブ
11・・・・・・・・・・・・・・・・周縁リブ・脚部連結リブ
12、13・・・・・・・・・・・・・脚部間外リブ
14・・・・・・・・・・・・・・・・補強リブ

Claims (3)

  1. 載置部の4つの角部に形成されたコップ状の脚部からなる隅部脚部群と、隅部脚部群の中間に形成された同じくコップ状の脚部からなる中間部脚部群と、載置部の中央部に形成された同じくコップ状の脚部からなる中央部脚部群とを有し、フルネスティング及びハーフネスティングが可能な合成樹脂製パレットにおいて、隅部脚部群を構成する脚部の長側壁と中間部脚部群を構成する脚部の長側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、また、中間部脚部群を構成する脚部の長側壁と中央部脚部群を構成する脚部の長側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、更に、隅部脚部群を構成する脚部の短側壁と中間部脚部群を構成する脚部の短側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、更にまた、中間部脚部群を構成する脚部の短側壁と中央部脚部群を構成する脚部の短側壁とが、複数の脚部群連結リブにより連結されており、なお更に、載置部の相対する縁部に平行な相対する周縁近傍リブが、複数の脚部群間外リブにより連結されており、且つ、前記脚部群連結リブのリブピッチと前記脚部群間外リブのリブピッチとが、略同じリブピッチに形成されているとともに、所定の前記脚部群間外リブ間には、前記脚部群間外リブに沿って、前記周縁近傍リブを連結する補強リブが形成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
  2. 脚部間外リブに沿って形成された補強リブが、曲げ剛性の小さい縁部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製パレット。
  3. 載置部の縁部に形成された略垂直な周縁リブのうち、隅部脚部群と中間部脚部群との間に位置する脚部間周縁リブ部の下端と周縁近傍リブの下端とが、前記周縁近傍リブから前記脚部間周縁リブ部に向かって上方に傾斜するように構成された帯状連結板により連結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製パレット。
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