JP4064462B2 - セフェム化合物及び該化合物を含有する医薬 - Google Patents
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Description
本発明は、新規なセフェム系化合物、その製造方法及び中間体、並びに該化合物を含有する医薬に関する。
背景技術
従来、セフェム環の3位に置換されていてもよいピリジニオメチル基を有する化合物として、特開昭60−237090(WO 8505106,EP 160969A2)、特公平1−44190及び特公平6−70068(EP 64740B1,USP 5071979)、特公平2−44476(EP 159011B1,USP 4833242)、等の特許出願があるが、ピリジニウム環に−CONHCN又は類似の置換基を有する複素環基が置換している化合物は未だ報告されていない。
多数のセフェム化合物が市販されているが、多剤耐性菌の出現や、治療形態の多様化に対応するために、より優れた抗菌活性を有する化合物を開発し、特性化する必要がある。特に、血中半減期が長く、組織への移行性等の体内動態特性の優れた、広域スペクトルのセフェム化合物の開発が求められていた。
発明の開示
本発明者らは、優れた特性を有する新規なセフェム化合物を開発することを目的として研究を重ねた結果、セフェム環の3位にピリジニオメチル基を有し、かつそのピリジニウム環に−CONHCN又は類似の置換基を有する複素環が置換しているセフェム化合物が、優れた体内動態特性を有することを見出した。
即ち、本発明は、セフェム環の3位に、式II:
(式中、HetはN、O及びSから選択される同一又は異なる原子を一個以上含有する、単環式又は多環式複素環;R1は水素、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよい低級アルケニルを表し、Aは置換されていてもよい低級アルキレン、置換されていてもよい低級アルケニレン又は単結合;Bは置換されていてもよいイミノ又は単結合を表し、Dは単結合又は
を表す)
で示される基を有するセフェム化合物又はその塩若しくは水和物(以下、本発明化合物ともいう)を提供するものである。
本発明化合物は、好ましくは式I:
(式中、Acylはアシル、Het、R1、A、B及びDはそれぞれ前記定義と同意義である)
で示される化合物又はそのエステル若しくはその塩若しくは水和物である。
式Iにおいて、Acylは式III:
(式中、XはCH又はN;Yは保護されていてもよいアミノ;Zは置換されていてもよい炭化水素基を表す)
で示される基であることが好ましい。
また、上記の式I又はIIにおけるHetとしては、N、O及びSから選択される同一又は異なる原子を1〜4個含有する5又は6員の3価の複素環基が好ましく、式IV:
で示されるピロリル基がより好ましい。
さらに、上記の式I又はIIにおいて、Aは単結合又はビニル基、Bは単結合、Dは単結合であることが好ましい。
好ましい化合物として、式Iにおいて、Acylが式III:
(式中、XはCH又はN;Yは保護されていてもよいアミノ;Zは水素又は置換されていてもよい炭化水素基を表す)
で示される基;HetがN、O及びSから選択される同一又は異なる原子を1〜4個含有する5又は6員の複素環;Aが単結合又はビニル基;Bが単結合;Dが単結合である化合物又はそのエステル若しくはその塩若しくは水和物を挙げることができる。
本明細書に用いる用語を以下のように定義する。
まず、本明細書中、セフェム化合物とは、The Journal of the American Chemical Society,84,3400(1962)に記載の「セファム」に基づいて命名された化合物群であり、セファム環の3,4位に2重結合を有する化合物を意味する。本発明化合物は、一般式Iの化合物又は製剤的に許容されるエステル若しくはその塩若しくは水和物(化合物Iのエステル、化合物Iの塩及び化合物Iのエステルの塩あるいはそれらの水和物)をも含む。式Iの化合物において、4位の−COO-における(-)は、カルボキシレートアニオンであって、3位置換基上のピリジニウムカチオンと一対になって分子内塩を形成している。又、該カルボキシル基がイオン化されていない場合は、ピリジニウムカチオンは、側鎖上に存在するアニオン又はカウンターイオンと塩を形成しているが、いずれの形態も本発明の範囲内である。又、セフェム化合物の1位Sは酸化されていてもよい。
Hetの定義における「単環式又は多環式複素環」とは、芳香族系及び非芳香族系の単環式又は多環式複素環の両方を意味し、隣接する3個の基と結合している。単環式複素環の場合、芳香族系複素環の例として、好ましくは5〜6員環の基であって、フラン、チオフェン、テトラゾール、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、オキサジン又はトリアジンが例示される。また非芳香族系複素環として、好ましくは5〜7員環の基であってピロリジン、チアゾリジン、オキサゾリジン、イミダゾリジン、チアゾリン、オキサゾリン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサジアゾリンびジオキサンが例示される。中でもNまたはS原子を1〜2個含有する単環が好ましく、ピロールが最も好ましい。
多環式複素環の場合、好ましくは、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾールなどのように上記単環式芳香族複素環にベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環などが縮合した環が例示される。好ましくはHetはピリジニウム環の4位に結合する。
R1の定義における「低級アルキル」とは、直鎖状又は分枝状のC1-6アルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が例示される。C1-4アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等が好ましい。かかる低級アルキル基は、例えば、低級アルケニル基(例、ビニル、ブテニル、プロペニル等のC2-6アルケニル基等)、シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7シクロアルキル基等)、アリール基(例、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール基等、該アリール基はさらに水酸基、メチル、エチル等のC1-4アルキル基、メトキシ、エトキシ等のC1-4アルコキシ基等で置換されていてもよい)、芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員芳香族複素環基等又はベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員芳香族複素環又はベンゼン環が1又は2個縮合した窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を1〜5個含む2環性又は3環性芳香族縮合複素環基等)、非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル・オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を1〜3個含む4〜6員非芳香族複素環基等)、アミノ基、モノ又はジ低級アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ等のモノ又はジC1-6アルキルアミノ基等)、トリ低級アルキルアンモニウム基(例、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム等のトリC1-6アルキルアンモニウム基等)、アミジノ基、アシル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル等のC1-6アルカノイル基等)、カルバモイル基、モノ又はジ低級アルキルカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル等のモノ又はジC1-6アルキルカルバモイル基等)、スルファモイル基、モノ又はジ低級アルキルスルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル等のモノ又はジC1-6アルキルスルファモイル基等)、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1-6アルコキシカルボニル基等)、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ基等)、低級アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2−ブテニルオキシ等のC2-6アルケニルオキシ基等)、シクロアルキルオキシ基(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等のC3-7シクロアルキルオキシ基等)、アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等のC7-10アラルキルオキシ基等)、アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、メルカプト基、低級アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ等のC7-10アラルキルチオ基等)、アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基等)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素等)等で置換されていてもよい。かかる置換基の数は好ましくは1ないし3であって、複数の置換基の場合はそれらは同一であっても異なっていてもよい。
「低級アルケニル」とは、直鎖状又は分枝状のC2-6アルケニル基を意味し、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンチニル等が例示され、アリルが好ましい。これらは上記の低級アルキルにおける置換基と同様の置換基で置換されていてもよい。
Aの定義における「低級アルキレン」とは、上記の低級アルキルから導かれる基を意味し、メチレン、エチレン、プチレン、プロピレン、ペンチレン等が例示され、メチレン、エチレンが好ましい。これらは上記の低級アルキルにおける置換基と同様の置換基で置換されていてもよい。
「低級アルケニレン」とは、上記の低級アルケニルから導かれる基を意味し、ビニレン、ブテニレン、プロペニレン等が例示され、ビニレンが好ましい。これらは上記の低級アルキルにおける置換基と同様の置換基で置換されていてもよい。
Acylで示される「アシル基」としては、従来から知られているペニシリン誘導体の6位のアミノ基に置換しているアシル基や、セフェム化合物の7位アミノ基に置換しているアシル基等を意味する。そのようなアシル基の例として、有機カルボン酸から誘導されるアシル基、例えばホルミル基、アルキルカルボニル基(アルカノイル基)、好ましくは(C1〜C6)アルキル−カルボニル基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル等)、C3-5アルケノイル基(例、アクリロイル、クロトノイル、マレオイル等)、C3-10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル、アダマンチルカルボニル等)、C5-6シクロアルケニル−カルボニル基(例、シクロペンテニルカルボニル、シクロペンタジエニルカルボニル、シクロヘキセニルカルボニル、シクロヘキサジエニルカルボニル等)、アリールカルボニル基(アロイル基)、好ましくは(C6〜C14)アリール−カルボニル基(例、ベンゾイル、1−又は2−ナフトイル等)、アラルキルカルボニル基、好ましくは(C7〜C19)アラルキル−カルボニル基(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、α,α,α−トリフェニルアセチル、2−フェネチルカルボニル、1−又は2−ナフチルメチルカルボニル、ベンズヒドリルカルボニル等)、5〜6員芳香族複素環カルボニル基(例、2−又は3−テノイル、2−又は3−フロイル、ニコチノイル、イソニコチノイル、4−又は5−チアゾリルカルボニル、1,2,4−チアジアゾール−3−又は−5−イルカルボニル等)、5〜6員芳香族複素環アセチル基(例、2−又は3−チエニルアセチル、2−又は3−フリルアセチル、4−チアゾリルアセチル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルアセチル、1−テトラゾリルアセチル等)、アルコキシカルボニル基、好ましくは(C1〜C6)アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、第三級ブトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基、好ましくは(C6〜C14)アリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル、1−又は2−ナフトキシカルボニル等)、アラルキルオキシカルボニル基、好ましくは(C7〜C19)アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル等)、アミノアルキルカルボニル基(例、グリシル、アラニル、バリル、ロイシル、イソロイシル、セリル、スレオニル、システィニル、シスチニル、メチオニル、アスパラギル、グルタミル、リジル、アルギニル、フェニルグリシル、フェニルアラニル、チロシル、ヒスチジル、トリプトファニル、プロリル、2−アミノエチルカルボニル、3−アミノプロピルカルボニル等のアミノC1-6アルキル−カルボニル基等)、モノアルキルアミノアルキルカルボニル基(例、メチルアミノメチルカルボニル、2−エチルアミノエチルカルボニル等のモノC1-6アルキルアミノC1-6アルキル−カルボニル基等)、ジアルキルアミノアルキルカルボニル基(例、ジメチルアミノメチルカルボニル、ジエチルアミノメチルカルボニル等のジC1-6アルキルアミノC1-6アルキル−カルボニル基等)を挙げることができる。
これらアシル基はアミノ、ニトロ、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素等)、ヒドロキシル、オキソ、カルバモイル、(C1〜C4)アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等)、(C1〜C4)アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、エステル化されていてもよいカルボキシル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1-6アルコキシカルボニル等)、カルボキシル又はハロゲン等で置換されていてもよい(C1〜C4)アルコキシイミノ(例、メトキシイミノ、エトキシイミノ、カルボキシメトキシイミノ、1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ、フルオロメトキシイミノ、フルオロエトキシイミノ等)、ヒドロキシイミノ、4−エチル−2,3−ジオキソピペラジノカルボニルアミノ等で1ないし3個置換されていてもよい。また上記の5〜6員芳香族複素環カルボニル基及び5〜6員芳香族複素環アセチル基における複素環は窒素原子(オキシド化されていてもよい)、酸素原子、硫黄原子(モノ又はジオキシド化されていてもよい)等のヘテロ原子を1ないし4個含む芳香族複素環を意味し、上記の例以外にも例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール等が例示される。
上記Acylとしては、上記の式III(XはCH又はN;Yは保護されていてもよいアミノ;Zは水素又は置換されていてもよい炭化水素基を表す)
で示される基が好ましい。
Yの定義におけるアミノ基の保護基としては、例えばβ−ラクタム及びペプチドの分野で使用されるものが適宜に採用されうるが、なかでもホルミル、クロロアセチル、第三級ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、トリチル等が好ましい。
Zの定義における炭化水素基としては、例えば低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ジ又はトリアリール−メチル基、アリール基等が用いられる。この様な低級アルキル基は、直鎖状又は分枝状の好ましくは炭素数1から6のアルキル基等であり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。低級アルケニル基は、直鎖状又は分枝状の好ましくは炭素数2から6のアルケニル基等であり、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル等が例示される。低級アルキニル基は、直鎖状又は分枝状の好ましくは炭素数2から6のアルキニル基であり、プロピニル、ブチニル、ペンチニル等が例示される。シクロアルキル基は好ましくは炭素数3から6のシクロアルキル基等であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が例示される。アラルキル基は好ましくは炭素数7から10のアラルキル基等であり、ベンジル基等が例示される。ジ又はトリアリール−メチル基は好ましくはジ又はトリ(C6-10アリール)−メチル基等であり、ベンズヒドリル、ジ(p−トリル)メチル、トリチル、トリ(p−トリル)メチル等が例示される。アリール基は炭素数6から10のアリール基等であり、フェニル基等が例示される。
Zで示される炭化水素基は、例えばカルボキシル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等の炭素数1から6のアルコキシ−カルボニル基;カルバモイル基;メチルチオ、エチルチオ等の炭素数1から6のアルキルチオ基;スルファモイル基;アミノ基;水酸基;シアノ基;カルバモイルオキシ基;フッ素、塩素等のハロゲン等の置換基で1ないし3個置換されていてもよい。これらのうちZとしては、水素原子、C1〜C3低級アルキル基又はハロゲンあるいはカルボキシル基で1又は2個置換された低級アルキル基(例、フルオロメチル、フルオロエチル、カルボキシプロピル等)が好ましい。
本発明化合物又は中間体のエステル誘導体は分子中に含まれるカルボキシル基をエステル化することにより生成されうるエステルを意味し、合成中間体として利用できるエステル及び生体内で加水分解され得る無毒の代謝性エステルである。
合成中間体として利用できるエステルとしては置換されていてもよいC1-6アルキルエステル、C2-6アルケニルエステル、C3-10シクロアルキルエステル、C3-10シクロアルキルC1-6アルキルエステル、置換されていてもよいC6-10アリールエステル、置換されていてもよいC7-12アラルキルエステル、ジC6-10アリールメチルエステル、トリC6-10アリール−メチルエステル、置換シリルエステル等が用いられる。
代謝性エステル残基としては、例えばアセトキシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−アセトキシプロピル基、ピバロイルオキシメチル基、1−イソプロピルオキシカルボニルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル基、フタリジル基、(2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基等を挙げることができる。
化合物Iの4位−COO-がエステル化されている場合、エステル残基としては、例えば式VIII:
[式中、R7は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基を、R8は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルアルキル基、アルケニルオキシ基又はフェニル基を表す]
で示される基、フタリジル基、(2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基、アルコキシアルキル基、アルキルチオアルキル基、第三級ブチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、トリメチルシリル基、アリル基等が例示される。
ここにおいて、アルキル基、並びにシクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル基及びアルキルチオアルキル基におけるアルキル基としては、炭素数1から6の直鎖若しくは分枝状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2,2−ジメチルプロピル等)等、シクロアルキル基及びシクロアルキルオキシ基あるいはシクロアルキルアルキル基のシクロアルキル基としては例えば炭素数3から7のシクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等)等が例示される。アルコキシ基、並びにアルコキシアルキル基におけるアルコキシ基としては、炭素数1から10の直鎖若しくは分枝状のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、デシルオキシ等)等が例示される。またアルケニルオキシ基としては、炭素数2から7の直鎖又は分枝状のアルケニルオキシ基(例、アリルオキシ等)等が例示される。
本発明化合物の塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩、分子内塩等が例示される。無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩等が例示される。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、プロカイン、2−フェニルエチルベンジルアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ポリヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルコサミン等との塩が例示される。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が例示される。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が例示される。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン等との塩が例示され、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が例示される。
これらの塩のうち塩基との塩(すなわち無機塩基との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩)は本発明化合物のセフェム環4位のカルボキシル基と、又は側鎖上にカルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基等の酸性基が存在する場合に形成しうる塩を意味する。酸との塩(すなわち無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩)は本発明化合物上にアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、含窒素複素環基等の塩基性基が存在する場合に形成しうる塩を意味する。また酸付加塩としては本発明化合物の分子内塩を形成している部分、すなわち4位のカルボキシレート部分(CO〇-)と3位側鎖上のピリジニウムカチオン部分に有機又は無機酸が1モル付加して、例えば、クロライドイオン、ブロマイドイオン、スルフェートイオン、p−トルエンスルホネートイオン、メタンスルホネートイオン、トリフルオロアセテートイオン等のカウンターイオンを有している塩も含まれる。
本発明における水和物とは、例えば、1水和物、2水和物を意味する。これらは、適宜、乾燥方法を調節することにより、得られる。
本発明化合物は適宜、β−ラクタムの分野における公知の方法を用いて製造することができる。以下に、代表的製法を示す。
(製法1)
化合物I、そのエステル又はその塩は、式V:
(式中、R4はカルボキシ保護基、R5は水酸基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、置換カルバモイルオキシ基又はハロゲン原子を表す)
で示されるセフェム化合物又はその塩と、式VI:
(式中、R1、A、B、D及びHetは上記と同意義である)
で示されるピリジン誘導体又はその塩とを反応させ、所望により脱保護することによって製造することができる。
この反応は化合物V又はその塩(以下化合物Vと略称することもある)に対してピリジン誘導体VI又はその塩(以下、化合物VIと略称することもある)を反応させ、求核置換反応により化合物Iを合成する方法である。化合物Vは公知の方法(例えば、特開昭60−231684号、特開昭62−149682号等に記載の方法)又はそれに準ずる方法によって容易に製造できる。一方化合物VIは、例えば後述する実施例に記載の方法で製造される。
化合物VIによる化合物Vへの求核置換反応は、通常溶媒中で行なわれる。この反応に用いられる溶媒としてはエーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)、エステル類(ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等)、炭化水素類(n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル等)等の外、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミド、水等が単独又は混合溶媒として用いられる。更に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール等のアルコール類等も用いられる。
化合物VIが液体の場合、この化合物VIを化合物Vに対して大過剰(例えば10〜200倍モル)使用して溶媒をも兼ねさせる場合がある。この場合、上記の溶媒を使用しなくてもよいし、又は上記の溶媒と化合物VIとを混合溶媒としてもよい。
化合物VにおいてR5がアシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、置換カルバモイルオキシ基の場合、より好ましい溶媒は水若しくは水と混合しうる有機溶媒と水との混合溶媒で、該有機溶媒として好ましいものはアセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等である。化合物VIの使用量は化合物V1モルに対して通常約1〜5モル、好ましくは約1〜3モルである。反応は約10〜100℃、好ましくは約30〜80℃の温度範囲で行なわれる。反応時間は化合物V及び化合物VIの種類、溶媒の種類、反応温度等に依存し、通常数十分〜数時間、好ましくは約1〜5時間である。反応はpH2〜8、好ましくは中性付近すなわちpH5〜8で行なうのが有利である。また本反応は通常2〜30当量のヨウ化物又はチオシアン酸塩の存在下でより容易に進行する。このような塩としてはヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等があげられる。上記の塩のほか、例えばトリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイドのような界面活性作用を有する第4級アンモニウム塩を添加することによって反応を円滑に進行させうる場合もある。
化合物VにおいてR5が水酸基の場合、例えば特開昭58−43979(USP 4642365、USP 4801703)等に記載された方法に従って有機リン化合物の存在下に行う。
反応に用いる溶媒は好ましくは前記したエーテル類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、アミド類、ケトン類、ニトリル類、スルホキシド類等が単独又は混合溶媒として用いられる。とりわけ、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドとアセトニトリルの混合溶媒、ジクロロメタンとアセトニトリルの混合溶媒等を使用すると好効果が得られる。化合物VI又はその塩及び有機リン化合物の使用量は化合物V1モルに対してそれぞれ約1〜5モル、約1〜10モル、より好ましくはそれぞれ約1〜3モル、約1〜6モルである。反応は約−80〜50℃、好ましくは約−40〜40℃の温度範囲で行なわれる。反応時間は通常約30分〜48時間、好ましくは約1〜24時間である。反応系に有機塩基を添加してもよい。このような有機塩基としては例えばトリエチルアミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジ(n−ブチル)アミン、シイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のアミン類があげられる。塩基の添加量は化合物V1モルに対して約1〜5モルがよい。
化合物VにおいてR5がハロゲン原子(好ましくはヨウ素)の場合、好ましい溶媒は前記のエーテル類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、アミド類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類、水、スルホキシド類等である。化合物VIの使用量は化合物V1モルに対して通常約1〜5モル、好ましくは約1〜3モルである。反応は約0〜80℃、好ましくは約20〜60℃の温度範囲で行なわれる。反応時間は通常約30分〜15時間、好ましくは約1〜5時間である。反応を促進するため脱ハロゲン化水素剤の存在下に反応を行うこともできる。このような脱ハロゲン化水素剤としては無機塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等)、第3級アミン(トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン等)、アルキレンオキシド類(プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等)等の脱酸剤を用いることができるが、化合物VI自身を脱ハロゲン化水素剤として働かせてもよい。この場合には化合物VIを化合物V1モルに対して2モル以上使用する。
(製法2)
式IにおけるAcylが式IIIで示される化合物は、式VII:
(式中、各記号は前記定義に従う)
で示されるヒドロキシイミノ誘導体若しくはそのエステル又は塩と、一般式ZOH(Zは前記定義に従う)で示される化合物又はその反応性誘導体を反応させてエーテル化反応により製造することもできる。ZOHの反応性誘導体はヒドロキシイミノ化合物VIIの水素原子をZで置換することが出来るものであればよく、例えば一般式ZR6(R6は例えばハロゲン原子、モノ置換スルホニルオキシ基等の脱離基を示す)で表される化合物等が用いられる。モノ置換スルホニルオキシ基としては例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等のC1-6アルキルスルホニルオキシ基、C6-10アリールスルホニルオキシ基等があげられる。
ヒドロキシイミノ化合物VIIは、本明細書記載の方法又は当該技術分野で既知の方法により合成することができる。
化合物ZOH及びその反応性誘導体は公知の方法(例えば、特開昭60−231684号、特開昭62−149682号等に記載の方法)又はそれに準ずる方法により容易に合成することができる。
ZOHを使用する場合、適当な脱水剤を用いてヒドロキシイミノ化合物VIIと化合物ZOHとを反応させ、化合物Iを合成する。このような目的に使用される脱水剤としては例えばオキシ塩化リン、塩化チオニル、アゾジカルボン酸ジアルキル(通常、ホスフィンとの共存で使用される)、N,N’ジシクロロヘキシルカルボジイミド等があげられ、好ましくはトリフェニルホスフィン共存下のアゾジカルボン酸ジエチルである。トリフェニルホスフィン共存下でアゾジカルボン酸ジエチルを用いる反応は通常、無水の溶媒中で行われ、前記で例示したようなエーテル類、炭化水素類等が使用される。ヒドロキシイミノ化合物VII 1モルに対して化合物ZOH、アゾジカルボン酸エチル、トリフェニルホスフィンはいずれも約1〜1.5モル用いられる。約0〜50℃の温度範囲で約数十分〜数時間を要する。
ZR6を使用する場合、ZR6とヒドロキシイミノ化合物VIIとの反応は通常のエーテル化反応であって、溶媒中で行われる。溶媒としては前記であげたエーテル類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、アミド類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類、水等の溶媒若しくは混合溶媒を用いることができる好ましくは水と混合しうる溶媒と水との混合溶媒(例えば含水メタノール、含水エタノール、含水アセトン、含水ジメチルスルホキシド等)である。本反応は適当な塩基の存在下に円滑に進行させることもできる。このような塩基としては例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基があげられる。また本反応をpH7.5〜8.5の緩衝液(リン酸緩衝液等)中で行ってもよい。原料化合物VII 1モルに対して化合物ZR6及び塩基のモル数はそれぞれ約1〜5、約1〜10、好ましくはそれぞれ約1〜3、約1〜5である。反応温度は約−30〜100℃、好ましくは約0〜80℃の範囲である。反応時間は約10分〜15時間、好ましくは約30分〜5時間である。
上記の各反応を行う際に必要であれば、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、その他の官能基を適宜、保護基で保護しておけばよい。
本発明化合物を製造する際の保護基の除去法及び精製法について以下に説明する。
保護基除去法:例えばモノハロゲノアセチル基(クロロアセチル、ブロモアセチル等)はチオ尿素により、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)は酸(例えば塩酸等)により、アラルキルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボニル、p−メチルベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等)は接触還元により、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルは亜鉛と酸(例えば酢酸等)により、2−メチルスルホニルエチルエステルはアルカリにより、アラルキルエステル(ベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル等)は酸(例えばギ酸、トリフルオロ酢酸、AlCl3、TiCl4等)又は接触還元により、2,2,2−トリクロロエチルエステルは亜鉛と酸(例えば酢酸等)により、シリルエステル(トリメチルシリルエステル、tert−ブチルジメチルシリルエステル等)は水のみにより除去することができる。
精製法:上記の又は他の製造法によって得られる本発明化合物又はその合成中間体は、抽出法、カラムクロマトグラフィー、沈澱法、再結晶法等の公知の処理手段によって単離精製することができる。一方、単離された化合物を公知の方法により所望の生理学的に受容される塩へと変換することもできる。
本発明化合物は、医薬、特にスペクトルの広い抗菌活性を有し、しかも血中半減期が長く、体内動態特性が優れていることから価値ある抗生物質として有用であり、人及び哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、犬、ネコ、牛、豚等)における病原性細菌により生ずる種々の疾病、例えば気道感染、尿路感染の予防ならびに治療の目的で直接又は間接的に使用されうる。抗菌スペクトルの特徴として以下の点があげられる。
(1)多種のグラム陰性菌に対して高い活性を示す。
(2)グラム陽性菌に対して高い活性を有している。
(3)メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に対して高い活性を有している。
(4)通常のセファロスポリン系抗生物質による治療に感受性でない緑膿菌に対して顕著な効果を示す。
(5)多くのβ−ラクタマーゼ生産性グラム陰性菌(例えばエシェリヒア属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属等)に対しても高い活性を有している。特にシュードモナス属微生物に対しては従来からアミカシン、ゲンタマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質が用いられてきたが、本発明化合物はこれらのアミノグリコシド類に匹敵する抗菌力を示すばかりでなく、人及び動物に対する毒性がアミノグリコシド類よりも格段に低いので、大きな利点を持っている。
本発明化合物は、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤;又はシロップ剤、注射剤等の液状製剤として経口又は非経口的に投与することができる。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤において賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤において溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が適宜配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を常法に従って用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。結合剤の好適な例としては、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。溶剤の好適な例としては、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸等が挙げられる。さらに、製剤に他の活性成分(例えばβ−ラクタム系抗生物質)を混合してより広いスペクトルの抗菌活性を示す製剤とすることもできる。
本発明化合物は、細菌感染症治療剤として、例えば人や他の哺乳動物の呼吸器感染症、尿路感染症、化膿性疾患、胆道感染症、腸内感染症、産婦人科感染症、耳鼻科感染症、外科感染症等の治療及び予防に用いることができる。投与量は、患者の状態や体重、投与の方法等により異なるが、非経口投与では、成人体重1kg当り活性成分として約0.5から80mg、好ましくは約2から40mgであり、毎日1から3回に分けて静脈又は筋肉内注射により投与するのが適当である。又経口での投与量は、1日当り1から3回にわけて成人の体重1kg当り活性成分として約1から100mg好ましくは約2.5から50mgが適当である。
発明を実施するための最良の形態
以下の製造例及び実施例において用いる略語は以下の意味を有する。
THF:テトラヒドロフラン;DBU:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;DIBAH:ジイソブチルアルミニウムヒドリド;TMS:トリメチルシリル;Me:メチル;Et:エチル;iPr:イソプロピル;tBu:tert−ブチル;Ph:フェニル;MsCl:メタンスルホニルクロリド
(保護基)
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Im:イミダゾリル
BH:ジフェニルメチル
PMB:p−メトキシベンジル
POM:tert−ブチルカルボニルオキシメチル
なお、化合物の表記に関し、例えば“1”は化合物
を意味し、他も同様である。
(1)1 7.74ml(70mmol)とギ酸エチル11.3ml(0.14mol)をベンゼン150mlに溶かし、MeONa(粉末)7.6g(0.14mol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。更に30分間還流した。次いで、反応液中のベンゼンを減圧下留去した。得られた残渣をTHF150mlに溶かし、酢酸8.6ml(0.15mol)を加えた後、アミノマロン酸ジエチルエステル14.8g(70mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をNaHCO3−氷水中に注加し、酢酸エチルにて抽出、水洗、乾燥、減圧濃縮し、残渣として粗製の3を得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマト(CH2Cl2/酢酸エチル,3/1)にて精製して、3 14.0g(収率:65.3%)を得た。
3:NMR(CDCl3)δ:1.33(6H,t,J=7.0Hz)、4.32(4H,q,J=7.0Hz)、4.65(1H,d,J=8.4Hz)、5.86(1H,d,J=7.8Hz)、6.99〜7.10(1H,m)、7.10(2H,d,J=5.6Hz)、8.73(2H,d,J=5.6Hz)。
(2)3 21.56g(70.4mmol)にポリリン酸80gを加え、90℃油浴上で1時間加温した。反応液を冷却後、氷水中を加え、Na2CO3で中和した。不溶物を濾取し、酢酸エチルに溶かし、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた結晶性残渣を酢酸エチルで洗浄し、結晶性粉末として4 6.02g(収率:39.5%)を得た。
4:NMR(CDCl3)δ:1.29(3H,t,J=7.0Hz)、4.230(2H,q,J=7.0Hz)、6.44(1H,bs)、7.01(1H,bs)、7.59(2H,d,J=5.6Hz)、8.60(2H,d,J=5.6Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:1702、1599。
(3)ナトリウム金属2.58g(0.11mol)を無水エタノール250mlに溶かし、次いで氷冷下、3 15.58g(51mmol)をエタノール70mlに懸濁した溶液を加えた。反応液を9時間加温還流した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を1N−塩酸で中和した。析出する不溶物を濾取、水洗、乾燥後、イソプロパノールにて再結晶して4 3.0g(収率:27.3%)を得た。
(1)4 6.02g(27.8mmol)にエタノール60mlとNaOH6.8g(0.17mol)を含む水溶液60mlを加え、1時間加温還流した。反応液中のエタノールを減圧留去し、酢酸を加え中和した。不溶物を濾取し、水洗、乾燥して、5 4.53g(収率:86.6%)を得た。
5 :NMR(d6−DMSO)δ:6.42(1H,bs)、7.04(1H,bs)、7.56(2H,d,J=5.6Hz)、8.52(2H,d,J=5.6Hz)。
(2)5 3.28g(17.4mmol)をDMF30mlに溶かし、H2O(0.6ml)を加え、一夜加温還流した。反応液を減圧下濃縮し、その残渣をメタノールから再結晶することにより、6 1.28g(収率:51.0%)を得た。
6:NMR(d6−DMSO)δ:6.58(1H,bs)、6.86(1H,bs)、7.49(1H,bs)、7.00(2H,d,J=6.2Hz)、8.41(2H,d,J=6.2Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3144、3104、3024、1704、1605。
(1)7 10.7g(0.1molと8 22.4g(0.1mol)をTHF220mlに溶かし、H2O 30mlを加え、次いでK2CO3(16.6g,0.12mol)を加え、室温で一夜撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶かし、水洗、乾燥、減圧濃縮した。その残渣をエチルエーテル−n−ヘキサンより結晶化して、9 15.61g(収率:88.1%)を得た。
9:NMR(CDCl3)δ:1.35(3H,t,J=7Hz)、4.28(2H,q,J=7Hz)、6.60(1H,d,J=16Hz)、7.38(2H,d,J=6Hz)、7.60(1H,d,J=16Hz)、8.65(2H,d,J=6Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:1711、1645、1597、1551。
(2)
t−BuOK12.5g(0.106mol)をTHF150mlに懸濁し、水冷下、9 15.61g(88mmol)と10 18.92g(97mmol)のTHF150ml溶液を、反応温度が30℃を越えないように40分間を要して滴加した。反応液は更に室温で1時間撹拌した後、10%HClで中和した。反応液中のTHFを留去した後、酢酸エチルに溶かし、水洗、乾燥後、減圧下濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマト(酢酸エチル)で精製した。溶出液の残渣を酢酸エチルで洗浄して、11 13.9g(収率:73.0%)を得た。生成物を製造例2と同様に処理すれば対応するカルボン酸11’が得られる。
LiAlH412.14g(0.32mol)をTHF500mlに懸濁し、氷冷下で11 34.55g(0.16mol)のTHF500ml溶液をゆっくりと加えた。1時間30分還流した後、水冷しNa2SO4飽和溶液と4N−NaOHを加えるとオイル状の不溶物が析出した。母液をデカントし、不溶物をTHF洗浄した。母液を合わせ減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマト(メタノール/酢酸エチル,1/9)処理溶出液を減圧留去した。残渣をエチルエーテルとヘキサンで洗浄し淡黄色結晶として、12 21.01g(収率:83%)を得た。mp152〜155℃。
12:NMR(d6−DMSO)δ:2.22(3H,s)、6.66(1H,bs)、7.25(1H,bs)、7.43(2H,d,J=6.0Hz)、8.43(2H,d,J=6.0Hz)。
IR(KBr)νcm-1:3468,1600。
(1) 7(18.53g)(173mmol)のTHF250ml溶液に室温でPh3P=COCH3(55g)(173mmol)を加え、1時間撹拌した。減圧濃縮し、残渣にトルエン(50ml)、ヘキサン(20ml)を加え、析出するPh3P=0をろ去し、濾液を濃縮し、粗13(34.2g、Ph3P=0を含む。油状)を得る。
13:NMR(CDCl3)δ:2.44(3H,s)、6.86(1H,d,J=16.4Hz)、7.45(1H,d,J=16.4Hz)、7.35(2H,dd,J=1.4,4Hz)、8.69(2H,dd,J=1.4,4Hz)
(2)90%t−BuOK(21.5g,173,17mmol)/THFに、20℃にて前反応の粗13とトシルメチルイソシアニド(33.81g,173.17mmol)/THF(300ml)の混合溶液を氷冷下20〜25℃にて加える。25℃で1時間撹拌後、酢酸(0.5ml)を加え、H2O(300ml)、酢酸エチル(700ml)を加え、有機層を分離する。水洗後減圧濃縮し、残渣をトルエンから結晶化し、粗生成物14 21.38gを得る。7からの収率66.4%。m.p.177−194℃。
14:NMR(d6−DMSO)δ:2.39(3H,s)、7.19(1H,bs)、7.45(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)、7.80(1H,bs)、8.43(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)。
(3)14(20.9g,112.3mmol)のエタノール(200ml)溶液にNaBH4(4.25g)/H2O(15ml)を加え室温にて一夜撹拌する。過剰のNaBH4を酢酸で分解したのち減圧濃縮する。残渣にH2O/酢酸エチルを加える。水層をK2CO3でアルカリ性としたのち有機層を分離、飽和食塩水で洗浄後、濃縮する。残渣をトルエン/酢酸エチル(1/1)より結晶化し15(14.76g)を得る。m.p.153−6℃。
15:NMR(d6−DMSO)δ:1.38(3H,d,J=6.2Hz)、4.78−4.95(1H,m)、6.84(1H,bs)、7.20(1H,bs)、7.60(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)、8.43(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3308,1596,1530,1418,1213,1058,979。
(4)15(9.03g,48.03mmol)に無水酢酸(40ml)を加え90℃にて1時間撹拌する。過剰の無水酢酸を減圧留去し、残渣(油状)にH2O(30ml)/酢酸エチル(150ml)を加えアルカリ性になるまでK2CO3を加えたのち、有機層を分離、水洗、減圧濃縮し15−1(油状)(9.14g)を得る。これをTHF(50ml)に溶かし、DBU(12ml)を加え70℃にて8時間反応する。減圧濃縮し酢酸エチルに溶かし水洗する。濃縮残渣をメタノール(30ml)に溶かし、2N−NaOH(20ml)を加えて室温で1時間撹拌する。反応後約25mlまで減圧濃縮し、酢酸エチルで抽出する。残渣をトルエンから結晶とし16(3.73g、収率:15から45.7%)を得る。m.p.159−60℃。
16:NMR(d6−DMSO)δ:5.00(1H,dd,J=4.0,10.8Hz)、5.42(1H,dd,J=4,17.4Hz)、6.70(1H,dd,J=10.8,17.4Hz)、7.09(1H,bs)、7.17(1H,bs)、7.36(1H,d,J=5.8Hz)、8.47(1H,d,J=5.8)。
IR(Nujol)νcm-1:2716,1932,1599,1520,1412,1211,1076,986。
(1)6 1.44g(10mmol)をDMF20mlに溶かし、氷冷下NaH0.42g(10.5mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を−30℃に冷却し、クロロメチルベンジルエーテル(ClCH2OCH2Ph)1.46ml(10.5mmol)を加え、同温にて30分間撹拌した。反応液を氷水中に注加し、酢酸エチルにて抽出、水洗、乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(CH2Cl2/酢酸エチル,9/1〜1/1)で精製して、18 2.31g(収率:87.4%)を得た。
18:NMR(CDCl3)δ:4.46(2H,s)、5.29(2H,s)、6.59(1H,bs)、6.67(1H,bs)、7.26(1H,bs)、7.3〜7.4(5H,m)、7.41(2H,d,J=6Hz)、8,51(2H,d,J=6Hz)。
(2)18 26.9g(0.1mol)をDMF150mlに溶かし、氷冷下、オキシ塩化リン27.7ml(0.3mol)を反応温度25℃以下で滴加した後、40〜45℃にて3時間加温撹拌した。反応液をK2CO3127gを含む水500ml中に、氷冷下、注加した。次いで、酢酸エチルにて抽出、水洗、乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をエーテルから結晶化して19 17.15g(収率:60.0%)を得た。
19:NMR(CDCl3)δ:4,60(2H,s)、5.85(2H,s)、7.33(6H,m)、7.41(2H,d,J=5.6Hz)、7.54(1H,bs)、8.60(2H,d,J=5.6Hz)。
(3)19 7.8g(27.7mmol)をジクロロメタン150ml、アニソール15mlに溶かし、室温にて塩化アルミニウム11g(83.1mmol)を加え、4時間撹拌した後、更に塩化アルミニウム7.4g(55.4mmol)を加え、1時間撹拌した。反応液を氷水中に加えた後、更に希塩酸を加え、クリアーな溶液とした。この水溶液をエチルエーテルで洗浄した後、4N NaOHでpH8に調製し、メチルエチルケトンにて抽出した。有機層を乾燥後、減圧濃縮し、その結晶性残渣をエチルエーテル−n−ヘキサンで洗浄して20 3.56g(収率:74.3%)を得た。
20:NMR(CD3OD)δ:7.51(1H,bs)、7.65(2H,d,J=6.0Hz)、7.79(1H,bs)、8.44(2H,d,J=6.0Hz)、9.55(1H,bs)。
20:NMR(DMSO)δ:7.57(1H,bs)、7.64(2H,d,J=6.2Hz)、7.97(1H,bs)、8.49(2H,d,J=6.2Hz)、9.55(1H,bs)。
IR(Nujol)νcm-1:1671、1655、1603。
6 5.77g(40mmol)をDMF70mlに溶かじ、氷冷下、オキシ塩化リン14.5ml(0.16mol)を滴加した。次いで、130℃にて5時間撹拌した後、氷水中に注加し、炭酸水素ナトリウムで中和した後、酢酸エチルを加えた。不溶物を濾去した後、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をメタノールより再結晶して、20 0.97g(収率:14.0%)を得た。
(1)12 21.0g(0.13mol)をDMF250mlに溶解し氷冷下、60%NaH5.72g(0.143mol)を加え同温で20分撹拌した。DMF100mlを追加し反応液を−45℃まで冷却しPOM−Cl(ClCH2OCOBu t)20.6ml(0.143mol)加え同温にて30分撹拌した。得られた反応液をH2O(700ml)に注加し酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル層を水洗、飽和食塩水で洗浄、MgSO4乾燥後減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマト(トルエン/酢酸エチル,1/2)処理し白色結晶22 33.73g(収率:95%)を得た。mp42〜44℃。
22:NMR(CDCl3)δ:1.19(9H,s)、2.24(3H,s)、5.75(2H,s)、6.68(1H,d,J=2.4Hz)、7.07(1H,d,J=2.4Hz)、7.34(2H,d,J=6.2Hz)、8.53(2H,d,J=6.2Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:1732,1602。
(2)DMF150mlを−20℃に冷却し、POCl345.9ml(0.49mol)を加えた後22 33.4g(0.12mol)のDMF40ml溶液を滴加した。室温で15分撹拌後、60℃で80分撹拌した。得られた反応液を氷水1000ml中に注ぎK2CO3102g(0.74mol)を加えた後、酢酸エチル700mlを加えNaHCO3により中和した。酢酸エチル層を水洗、飽和食塩水で洗浄、MgSO4乾燥後、減圧留去し、得られた残渣にエチルエーテル、ヘキサンを加え、析出した結晶を濾取し、淡黄色結晶23 27.6g(収率:75%)を得た。mp76〜78℃。
23:NMR(CDCl3:1.18(9H,s)、2.51(3H,s)、6.24(2H,s)、7.29(2H,d,J=6.4Hz)、7.33(1H,s)、8.62(2H,d,J=6.4Hz)、9.90(1H,s)。
IR(CHCl3νcm-1:1731,1657,1603。
23 20.0g(66.6mmol)をメタノール500mlに溶解し、NaOH13.3g(0.33mol)のH2O200ml溶液を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し析出した不溶物を濾取して、白色結晶24 11.0g(収率:89%)を得た。mp214〜216℃。
24:NMR(d6−DMSO)δ:2.50(3H,s)、7.50(2H,d,J=6.0Hz)、7.65(1H,bs)、8.53(2H,d,J=6.0Hz)、9.73(1H,s)、12.24(H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:1655,1604。
(1)20 3.46g(20mmol)をDMF20mlに溶かし、(Boc)2O(5.1ml,22mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を氷水中に注加し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水洗、乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をトルエンにて再結晶して25 5.24g(収率:96.2%)を得た。
25:NMR(CDCl3)δ:1.68(9H,s)、7.43(2H,d,J=6.0Hz)、7.51(1H,d,J=2.0Hz)、7.82(1H,d,J=2.0Hz)、8.62(2H,d,J=6.0Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:1755、1666、1604。
(2)25 2.72g(10mmol)をメタノール50mlに溶かし、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.92g(11mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を水に溶かし、NaHCO3で中和した後、酢酸エチルで抽出、水洗、乾燥後、減圧下で濃縮し、結晶性残渣として26 2.99g(収率:99.2%)を得た。
26:NMR(CDCl3(syn/antiの混合物))δ:1.64、1.65(9H,s+s)、3.96/4.08=5/1(3H,s+s)、7.09/7.45=5/1(1H,bs+bs)、7.43(2H,d,J=6.2Hz)、7.68/7.72=1/5(1H,bs+bs)、8.58(2H,d,J=6.2Hz)、8.28/8.64=1/5(1H,s)。
IR(CHCl3)νcm-1:1747、1605。
(3)亜鉛末6.0gを酢酸20mlに懸濁させ、氷冷下、強く撹拌しながら、26 3.01g(10mmol)を酢酸20mlに溶かした溶液を反応温度30℃以下を保ちながら滴加した。30分間撹拌後、亜鉛末を濾去し、その母液を減圧下濃縮した。残渣を水に溶かし、NaHCO3で中和後、アンモニア水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥後、減圧下濃縮して粗生成物27 2.63gを得た。この粗生成物27をTHF50mlに溶かし、カルボニルジイミダゾール2.43g(15mmol)を加え、室温で、1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、その結晶性残渣を水およびエチルエーテルで洗浄、乾燥して28 3.02g(収率:82.2%)を得た。
28:NMR(d6−DMSO)δ:1.58(9H,s)、4.66(2H,d,J=5Hz)、6.85(1H,s)、7.05(1H,s)、7.68(2H,d,J=6Hz)、7.75(1H,s)、8.01(1H,s)、8.33(1H,s)、8.50(2H,d,J=6Hz)、9.93(1H,t,J=5Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3183、1746、1704、1601。
(4)28 3.02g(8.22mmol)とシアナミド0.69g(16.4mmol)をDMF50mlに溶かし、水素化ナトリウム0.33g(8.22mmol)を加えた。反応液を60℃で30分間加温撹拌した後、酢酸0.5mlを加え、減圧下濃縮した。残渣に氷水とエチルエーテルを加え、撹拌下、希塩酸にてpHを6に調製した。析出してくる不溶晶を濾取し、エチルエーテルと水で洗浄、乾燥して、29 1.37g(収率:48.8%)を得た。
29:NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.65(9H,s)、4.57(2H,s)、6.62(1H,d,J=2Hz)、7.43(2H,d,J=6Hz)、7.60(1H,d,J=2Hz)、8.50(2H,d,J=6Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:2260、2155、1740、1610。
元素分析(C17H19N5O3・1.5H2O)
計算値:C,55.43;H,6.02;N,19.01
実測値:C,55.35;H,5.73;N,18.63
(1)20 864mg(5mmol)をギ酸10mlに溶かし、ヒドロキシルアミン塩酸塩417mg(6mmol)を加えた後、110℃で6時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した。その残渣を水に溶解した後、NaHCO3にて中和し、析出晶を濾取した。メタノールから再結晶することにより30 394mg(収率:46.6%)を得た。
30:NMR(d6−DMSO)δ:7.56(1H,bs)、7.61(2H,d,J=6.2Hz)、7.91(1H,bs)、8.49(2H,d,J=6.2Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3112、2210、1602、1535。
(2)30 6.85g(40.5mmol)をメタノール500mlに溶かし、氷水冷却下、塩酸ガスを飽和されるまで導入した。同温にて1時間撹拌後、更に室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して粗生成物31を結晶性残渣として得た。この残渣にメタノール100mlとアンモニアのメタノール(5.3mol)溶液160ml加え、室温で、24時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、その残渣を水150mlに溶かし、2N NaOHで中和し、析出する不溶晶を濾取、水洗、乾燥して、32 6.78g(収率:89.9%)を得た。
32:NMR(d6−DMSO)δ:7.34(1H,s)、7.34(2H,d,J=6Hz)、7.49(1H,s)、8.32(2H,d,J=6Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:1667、1602、1550。
(3)32 931mg(5mmol)をDMF10mlに懸濁し、撹拌下、カルボニルジイミダゾール891mg(5.5mmol)を加え、室温で2時間撹拌する。次いで、先ずシアナミド0.42g(10mmol)をDMF6mlに溶解し、NaH 0.4g(10mmol)を加えて、室温で30分間撹拌し、調製したシアナミドのモノナトリウム塩を加える。室温で3時間撹拌後、更に50℃で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して、得られた残渣を水に溶かした後、1N−塩酸10mlを加え中和して析出晶を濾取した。この析出晶を1N NaOHで溶解し、一部の不溶物を濾去し、その母液を再び希塩酸で中和して、析出晶を濾取乾燥して、34 518mg(収率:40.8%)を得た。
34:NMR(d6−DMSO)δ:7.58(2H,d,J=6Hz)、8.06(1H,s)、8.11(1H,s)、8.56(2H,bs)。
IR(Nujol)νcm-1:2180、1626、1597。
(1)35 14.32g(50mmol)をTHF240mlに加温溶解した後、−70℃に冷却した。MeMgBrのTHF(0.91mol)溶液100mlを−60℃以下で滴加した。同温で1時間後、更に同溶液20mlを追加した。1時間後、反応液に塩化アンモニウム18gを含む水溶液100mlを加えた後、減圧下濃縮した。その残渣を酢酸エチルで抽出、水洗、乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をエチルエーテル−n−ヘキサンより結晶化させ、36 14.0g(収率:86.5%)を得た。
36:NMR(CDCl3)δ:1.49(9H,s)、1.68(3H,d,J=7Hz)、5.02(1H,q,J=7Hz)、5.97、6.03(2H,ABq,J=8.0Hz)、6.51(1H,d,J=2Hz)、7.28(1H,d,J=2Hz)、7.35(2H,d,J=6Hz)、8.48(2H,d,J=6Hz)。
(2)36 14.0g(46.3mmol)をジクロロメタン250mlに溶かし、二酸化マンガン14gを加え、1.5時間、撹拌下、加温還流させた。更に1時間毎に二酸化マンガン7gを5回追加した。更に二酸化マンガン14gを加え、一夜撹拌下、加温還流した。更に二酸化マンガン14gを加え、7時間撹拌下、加温還流した。反応液中の二酸化マンガンを濾去し、ジクロロメタンおよびメタノールで洗浄した。その母液を減圧下濃縮して、その残渣をイソプロパノールで再結晶することにより37 11.6g(収率:83.4%)を得た。
37:NMR(CDCl3)δ:1.18(9H,s)、2.53(3H,s)、6.29(2H,s)、7.30(1H,d,J=2Hz)、7.40(2H,d,J=6.0Hz)、7.51(1H,d,J=2Hz)、8.58(2H,d,J=6.0Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:1718、1646、1602。
(3)37 11.6g(39mmol)をピリジン120mlに溶かし、二酸化セレン9.6g(86mmol)を加え、7時間加温還流した後、反応液を減圧下濃縮した。その残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌し、不溶物を濾去すると共に活性炭処理した。その母液を希塩酸でpH5に調製し、析出晶を濾取、水洗、乾燥して、38 8.05g(収率:62.5%)を得た。
38:NMR(d6−DMSO)δ:1.11(9H,s)、6.21(2H,s)、7.71(2H,d,J=6.0Hz)、7.78(1H,d,J=1.6Hz)、8.29(1H,d,J=1.6Hz)、8.56(2H,d,J=6.0Hz)。
(4)38 5.98g(18.1mmol)をメタノール100mlに溶かし、2N NaOH45mlを加え、室温で2時間撹拌した。反応液中のメタノールを減圧下留去して、その水溶液を5N HCl 18mlを加え、中和した。析出晶を濾取し、乾燥して、39 4.8gを得た。
2:NMR(d6−DMSO)δ:7.71(1H,bs)、7.79(2H,d,J=6.0Hz)、8.11(1H,bs)、8.55(2H,d,J=6.0Hz)。
(5)39 4.8g(22.2mmol)をメタノール150mlとジクロロメタン150mlに懸濁し、ジフェニルジアゾメタン5.5g(28.3mmol)を加え、室温で一夜撹拌した。反応液を減圧下濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(ジクロロメタン/酢酸エチル,2/1)で精製して40 3.92g(収率:56.6%)を得た。
40:NMR(CDCl3)δ:7.12(1H,bs)、7.3〜7.5(12H,m)、7.56(1H,bs)、7.63(1H,bs)、8.58(2H,d,J=6.0Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3386、1725、1645、1603。
(6)40 2.72g(7.1mmol)をジクロロメタン50mlに溶かし、O−メチルヒドロキシルアミン・塩酸塩1.78g(21.3mmol)のメタノール15ml溶液を加え、室温で3日間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、その残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液で中和して、不溶晶を濾取、水洗、乾燥して、41 2.93gを得た。
41:NMR(d6−DMSO(syn/antiの混合物))δ:3.95/4.13:6.4/1(3H,2×s)6.81(1H,bs)、7.12(1H,s)、7.3〜7.5(10H,m)、8.06(2H,d J=6Hz)、8.19(1H,hs)、8.71(2H,d,J=6Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3104,2606,1742,1630,1600
(7)41 0.82g(2mmol)をジクロロメタン5mlに溶かし、アニソール1mlを加え、氷冷下、トリフロロ酢酸6mlを加え、1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮してその残渣をカラムクロマト(水−メタノール)にて精製して42 0.65gを得た。
42:NMR(d6−DMSO)δ:3.91(3H,s)、6.94(1H,bs)、7.42(1H,bs)、7.9(3H,m)、8.55(2H,bs)。
(8)42 0.65g(2.65mmol)をDMF10mlに溶かし、氷冷下、カルボニルジイミダゾール0.65g(4mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して、その残渣を酢酸エチルに溶かし、水洗、乾燥後、減圧下濃縮して、粗生成物43 586mg(収率:78.1%)を得た。
43:NMR(d6−DMSO(syn/antiの混合物))δ:3.94/4.25=2.5/1(3H,s×2)、lsomerA,3.94(3H,s)、6.65(1H,bs)、7.13(1H s)、7.17(1H,bs)、7.35(2H,d,J=6Mz)、:7.53(1H,s)、8.02(1H,s)、8.52(2H d J=6Hz)、lsomerB,4.25(3H,s)、7.30(1H,bs)、7.41(1H,s)、7.42(2H,d,J=6Hz)、7.71(1H,bs)、7.73(1H s)8.35(1Hs)8.57(2H d J=6Hz)
(9)43 586mg(2.1mmol)をDMF4mlに溶かし、先ずシアナミド174mg(4.1mmol)をDMF2mlに溶かし、水素化ナトリウム(60%)164mg(4.1mmol)を30分間撹拌した溶液を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸0.5mlを加えた後、減圧下濃縮した。その残渣をカラムクロマト(20%メタノール−H2O)で溶出させ、その溶出液の残渣をイソプロパノールで洗浄して結晶性粉末44 275mg(収率:48.6%)を得た。
44:NMR(d6−DMSO(シングルアイソマー))δ:3.82(3H,s)、6.88(1H,bs)、7.98(1H,bs)、8.12(2H,d,J=6Hz)、8.60(2H,d,J=6Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3400,2180,1675,1640,1620
(1)5’ 3.07g(10mmol)をDMF30mlに懸濁し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール2.03g(15mmol)を加え、次いで水溶性カルボジイミド2.88g(15mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その反応液に45 2.2g(15mmol)とジイソプロピルエチルアミン2.6ml(15mmol)のDMF10ml溶液を加え1時間室温で撹拌した。反応液を氷水中に注加し、酢酸エチルにて抽出、水洗、乾燥後、減圧下濃縮した。その残渣をエチルエーテルで結晶化、濾取して46 3.23g(収率:81.9%)を得た。
46 :NMR(CDCl3)δ:1.48(9H,s)、6.44(2H,s)、6.51(1H,bs)、7.43(2H,d,J=6.2Hz)、7.50(1H,d,J=2Hz)、7.58(1H,d,J=2Hz)、7.76(1H,bs)、8.56(2H,d,J=6.2H)、8.60(1H,bs)。
IR(Nujol)νcm-1:3574,3398,1735,1631,1595。
(2)シアナミド210mg(5mmol)をDMF5mlに溶かし、水素化ナトリウム(60%)120mg(3mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。次いで46 394mg(1mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。反応液に酢酸0.5mlを加え、減圧下濃縮し、その残渣に氷水を加え、不溶物を濾取し、水洗、エタノール洗、乾燥して47 218mg(収率:85.7%)を得た。
47:NMR(d6−DMSO)δ:7.55(2H,d,J=6Hz)、7.81(1H,s)、7.93(1H,s)、8.50(2H,d,J=6Hz)、8.64(1H,bs)、9.12(1H,bs)。
IR(Nujol)νcm-1:3420,3360,2240,1690,1650,1610。
元素分析(C12H10N6O・0.4H2O)
計算値:C,55.13;H,4.16;N,32.14
実測値:C,55.22;H,4.24、N,31.82
(1)24 5.61g(30.1mmol)を、THF140mlに溶解し(Boc)2O(8.3ml,36.1mmol)とDMAP500mgを加え室温で30分間撹拌した。反応液を減圧留去し、残渣にエチルエーテル、ヘキサンを加え析出した結晶を濾取し白色結晶48 8.07g(収率:95%)を得た。mp.105〜107℃。
48:NMR(CDCl3)δ:1.66(9H,s)、2.48(3H,s)、7.30(2H,d,J=6.2Hz)、7.52(1H,s)、8.65(2H,d,J=6.2Hz)、.10.47(1H,s)。
IR(CHCl3)νcm-1:1745,1660,1604。
(2)48 8.06g(28.2mmol)をメタノール120mlに溶解し、ピリジン2.73ml(33.8mmol)次いでMeONH2・HCl 2.47g(29.6mmol)を加え、室温で80分間撹拌した。反応液を減圧留去し酢酸エチル100mlとH2O100mlを加え、酢酸エチル層を分離した。酢酸エチル層を、水洗、飽和食塩水で洗浄、MgSO4乾燥後、減圧留去して白色結晶49 8.08g(収率:91%)を得た。mp.104〜106℃。
49:NMR(CDCl3)δ:1.61(9H,s)、2.34(3H,s)、3.97(3H,s)、7.32(2H,d,J=6.2Hz)、7.44(1H,s)、8.61(1H,s)、8.61(2H,d,J=6.2Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:1740,1604。
(3)亜鉛末6.0gを酢酸20mlとエタノール10mlに懸濁し、49 3.0g(9.51mmol)の酢酸15ml溶液を加え、室温で30分更に35℃で30分間撹拌した。亜鉛末を濾去し母液を減圧留去した後、残渣にCHCl3とH2Oを注ぎアンモニア水と重曹にてpHを9とした。CHCl3層を取り出し、飽和食塩水で洗浄、MgSO4乾燥した後、減圧留去して粗生成物50を得た。50をTHF90mlに溶解しカルボニルジイミダゾール1.54g(9.50mmol)を加え室温で30分撹拌した。得られた反応液を水に注加し酢酸エチルで2回抽出して酢酸エチル層を水洗、飽和食塩水洗浄、MgSO4乾燥した後、減圧留去した。残渣をエチルエーテル洗浄して、白色粉末51 2.65g(収率:73%)を得た。
51:NMR(d6−DMSO)δ:1.53(9H,s)、2.20(3H,s)、4.65(2H,bs)、7.01(1H,s)、7.49(2H,d,J=6.4Hz)、7.70(1H,s)、7.73(1H,s)、8.27(1H,s)、8.57(2H,d,J=6.4Hz)。
(4)51 2.65g(6.95mmol)をDMF30mlに溶解した。別にシアナミド(H2NCN)(321mg,7.63mmol)をDMF20mlに溶解し、NaH306mg(7.63mmol)を加え、室温で10分撹拌し、51の溶液に氷冷下で加えた。室温で30分間撹拌した後、酢酸0.88ml(15.4mmol)を加え減圧留去した。残渣にH2Oを注ぎ2N−HCl3.48mlを加え氷冷下で撹拌した。析出した不溶物を濾取し、イソプロパノール洗浄を2回、エチルエーテル洗浄を2回して黄色粉末52 965mg(収率:54%)を得た。
52:NMR(d6−DMSO)δ:2.17(3H,s)、4.20(2H,bs)、7.20(1H,bs)、7.37(1H,bs)、7.44(2H,d,J=6.4Hz)、8.45(2H,d,J=6.4Hz)、10.95(1H,bs)。
(1)35 4.30g(15.0mmol)をTHF120mlに溶解し、35’6.02g(180.0mmol)を加え、2時間20分還流した。反応液を減圧留去し、残渣をメタノール80mlに溶解し2N−NaOH37.5mlを加えた後、50℃にて1時間撹拌した。得られた溶液に2N−HCl37.5mlを加えpHを約3としメタノールが無くなるまで減圧濃縮した。濃縮された懸濁液に酢酸エチル200mlとH2O(50ml)を加え、不溶物を濾取して淡黄色結晶53 2.82g(収率:88%)を得た。mp.272〜274℃。
53:NMR(d6−DMSO)δ:6.22(1H,d,J=16.0Hz)、7.11(1H,bs)、7.41(1H,d,J=16.0Hz)、7.58(2H,d,J=5.6Hz)、7.79(1H,bs)、8.47(2H,bs)、11.91(1H,bs)、12.11(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:3431,1670,1609。
(2)53 2.82g(13.2mmol)をDMF50mlに懸濁しカルボニルジイミダゾール(3.03g,15.8mmol)を加え、室温で45分撹拌した。
反応液を減圧留去し、残渣をH2Oにて洗浄し、黄色結晶54 3.19g(収率:92%)を得た。m.p.213〜215℃。
54:NMR(d6−DMSO)δ:7.17(1H,bs)、7.33(1H,d,J=15.6Hz)、7.43(1H,bs)、7.59(2H,d,J=4.8Hz)、7.81(1H,bs)、7.84(1H,d,J=15.6Hz)、8.00(1H,bs)、8.51(1H,bs)、8.52(2H,d,J=4.8Hz)、12,13,1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:1708,1692,1618,1602。
(3)54 1.90g(7.19mmol)をDMF50mlに溶解した。別にH2NCN332mg(7.90mmol)をDMF30mlに溶解し、NaH316mg(7.90mmol)を加え室温で10分撹拌した。二の溶液54の溶液に氷冷下で加え、室温にて20分撹拌した。得られた反応液に酢酸0.91ml(15.8mmol)を加え、減圧留去した。その残渣にH2Oを注ぎ、2N−HCl3.60mlを加え、析出した不溶物を濾取して黄色結晶55 1.74g(収率:100%)を得た。m.p.>300℃。
55:NMR(d6−DMSO)δ:6.30(1H,d,J=15.6Hz)、7.18(1H,bs)、7.46(1H,d,J=15.6Hz)、7.69(2H,d,J=6.4Hz)、7.89(1H,bs)、8.51(2H,d,J=6.4Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:2164,1626。
(4)54 3.19g(12.1mmol)をDMF50mlに懸濁し、Boc2O(3.33ml,14.5mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン147mg(1.20mmol)を加え室温で30分撹拌した。得られた溶液を減圧留去し、残渣をエチルエーテル洗浄して淡黄色結晶56 3.98g(収率:90%)を得た。m.p.172〜175℃。
56:NMR(d6−DMSO)δ:1.65(9H,s)、7.17(1H,bs)、7.54(1H,d,J=15.2Hz)、7.72(2H,d,J=6,2Hz)、7.91(1H,bs)、7.97(1H,bs)、8.28(1H,bs)、8.57(1H,d,J=15.2Hz)、8.61(2H,d,J=6.2Hz)、8.68(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:1748,1696,1602。
(5)56 3.98g(10.9mmol)をDMF80mlに溶解し、−20℃に冷却した。
別にH2NCN551mg(13.1mmol)をDMF30mlに溶解し、NaH439mg(10.9mmol)を加え室温で10分撹拌した。この溶液を氷冷し、56の溶液に加え、−20℃にて1時間30分撹拌した。得られた溶液に2N−HCl10.9mlを加え、減圧留去した。その残渣にH2Oを注ぎ、NaHCO3917mg(10.9mmol)を加え、不溶物を濾取し、エチルエーテルで洗浄する事により黄色結晶57 3.31g(収率:93%)を得た。m.p.230〜235℃。
57:NMR(d6−DMSO)δ:1.62(9H,s)、6.46(1H,d,J=16.2Hz)、7.59(1H,bs)、7.85(2H,bs)、8.21(1H,d,J=16.2Hz)、8.24(1H,bs)、8.60(2H,bs)。
IR(Nujol)νcm-1:2148,1746,1631。
(1)25 20.90g(76.8mmol)をエタノール360mlに溶解し、−25℃にてNaBH42.91g(76.8mmol)を加えた。同温にて1時間撹拌後1N−HClによりpHを約7とした。反応液をH2O500mlに注加し、酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル層を水洗、飽和食塩水洗浄、MgSO4乾燥後、減圧留去した。得られた残渣をエチルエーテル洗浄し、白色結晶として58 18.3g(収率:87%)を得た。m.p.125〜128℃。
58:NMR(d6−DMSO)δ:1.59(9H,s)、4.65(2H,d,J=5.6Hz)、5.15(1H,t,J=5.6Hz)、6.75(1H,d,J=2.0Hz)、7.63(2H,d,J=6.0Hz)、7,91(1H,d,J=2.0Hz)、8.50(2H,d,J=6.0Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:3532,1731,1605。
(2)58 18.30g(66.7mmol)をDMF90mlに懸濁し水冷下SOCl27.26ml(100mmol)を加え室温で1時間30分撹拌した。得られた懸濁液をエチルエーテルで希釈し不溶物を濾取した。不溶物をDMF180mlに溶解し、氷冷下K2CO336.9g(267mmol)、H2O(30ml)、KCN8.7g(133mmol)のH2O(15ml)溶液、テトラブチルアンモニウムブロミド2.15g(6.7mmol)を加え、同温にて24時間撹拌した。反応液をH2O(600ml)に注加し、酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル層を水洗、飽和食塩水で洗浄、MgSO4乾燥後、減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマト(トルエン/酢酸エチル(2/1〜1/3))処理し、白色結晶59 6.83g(収率:36%)及び白色結晶60 3.36g(収率:27%)を得た。前記生成物59 6.82g(24.07mmol)と60 2.59g(14.13mmol)を合わせ、2.96N−HCl/メタノール170mlに溶解し、24時間還流した。得られた溶液を減圧留去後H2O(200ml)とNaHCO3を加えpHを約8とした。酢酸エチルで2回抽出した。EtOAc層を水洗、飽和食塩水で洗浄、MgSO4乾燥後、減圧留去した。得られた残渣をエチルエーテル洗浄し、白色粉末61 6.33g(収率:77%)を得た。
59 m.p.126〜1290℃。
NMR(d6−DMSO)δ:1.62(9H,s)、4.21(2H,s)、6.87(1H,d,J=2.0Hz)、7.65(2H,d,J=6.2Hz)、8.03(1H,d,J=2.0Hz)、8.52(2H,d,J=6.2Hz)。
IR(KBr)νcm-1:2255,2203,1739,1603。
60 m.p.168〜172℃。
NMR(d6−DMSO)δ:3.98(2H,s)、6.52(1H,bs)、7.47(1H,s)、7.48(2H,d,J=6.2Hz)、8.41(2H,d,J=6.2Hz)。
IR(KBr)νcm-1:2258,1604。
61 m.p.147〜1500℃。
NMR(d6−DMSO)δ:3.64(3H,s)、3.66(2H,s)、6.41(1H,bs)、7.40(1H,bs)、7.46(2H,d,J=6.0Hz)、8.39(2H,d,J=6.0Hz)、11.13(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:3446,1731,1602。
(3)61 6.33g(29.27mmol)をメタノール60mlに懸濁し、2N−NaOH17.6mlを加えた。室温で30分撹拌し、析出した不溶物を濾取し白色粉末62 5.59g(収率:85%)を得た。m.p.>300℃。
62:NMR(D2O)δ:3.54(2H,s)、6.46(1H,bs)、7.38(1H,bs)、7.55(2H,d,J=4.6Hz)、8.36(2H,d,J=4.6Hz)。
IR(KBr)νcm-1:1638,1609,1571。
(4)62 1.0g(4.46mmol)をH2O(20ml)に懸濁し、1N−HCl(4.46ml)にて中和し、減圧留去した。得られた残渣をDMF20mlに懸濁し、氷冷下カルボニルジイミダゾール868mg(5.35mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。又、別にH2NCN206mg(4.91mmol)をDMF15mlに溶かし、NaH196mg(4.91mmol)を加え室温で10分撹拌しておき、前述の溶液に氷冷下で加えた後、室温で1時間撹拌した。得られた反応液に1N−HCl 4.91mlを加え、酢酸にてpH約7とし、減圧留去した。残渣にH2Oを加え析出した不溶物を濾取し、濃緑色結晶として63 663mg(収率:66%)を得た。m.p.228〜230℃。
63:NMR(d6−DMSO)δ:3.49(2H,s)、7.46(1H,bs)、7.60(1H,bs)、7.71(2H,d,J=6.0Hz)、8.47(2H,d,J=6.0Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:2138,1631.
(1)16(3.32g,19.5mmol)/DMF(33ml)に60%NaH(0.86g,1.1eq)を加え室温で20分間撹拌する。−30℃に冷却し、Cl−CH2OCOBut(3.0ml,1.06eq)を加え、−10〜0℃にて1時間撹拌。氷水中に注ぎ酢酸エチル抽出、H2O、飽和食塩水で洗浄し、残渣をシリカゲルクロマトにより精製し17(油状、5.96g、21.9mmol、収率:112%)を得る。
17:NMR(CDCl3)δ:1.196(9H,s)、5.10(1H,dd,J=1.8,10.8Hz)、5.45(1H,dd,J=1.8,17.6Hz)、5.78(2H,s)、6.64(1H,dd,J=10.8,17.6Hz)、5.78(2H,s)、6.64(1H,dd,J=10.8,17.6Hz)、7.00(2H,bs)、7.31(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)、8.55(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)。
IR(CHCl3)νcm-1:1733,1602。
(2)DMF(20ml)に−20℃にてPOCl3(7.5ml)を加え、0℃で20分間撹拌し、これに17(5.90g)/DMF30mlを加え、55℃で1.5時間加熱する。氷水中に注ぎ、K2CO3で中和、酢酸エチルにて抽出する。濃縮残渣をトルエンから結晶させ、64 4.57g(収率:16から78%)を得る。m.p.148−52℃。
64:NMR(d6−DMSO)δ:1.15(9H,s)、5.94(2H,s)、6.45(1H,dd,J=7.8,15.6Hz)、7.40(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)、7.43(1H,d,J=2.2Hz)、7.65(1H,d,J=15.6)、7.81(1H,d,J=2.2Hz)、8.58(2H,dd,J=1.6,4.6Hz)、9.54(1H,d,J=7.8Hz)。
IR(Nujol)νcm-1;3020,1717,1649,1598,1519,1413,1283,1208,1131,960。
(3)NaClO2(1.49g)/NH2SO3H(1.60g)/H2O(35ml)溶液に5℃にて64(2.24g)/メタノール(22ml)を加える。5〜10℃にて40分間撹拌する。Na2SO3(4.14g)/H2O(25ml)を加え、更に10℃で20分間撹拌したのち、メタノールを減圧留去する。酢酸エチルで抽出、水洗し、濃縮し、残渣をCH2Cl2/トルエンから結晶化させ、65(1.17g、収率:49.6%)を得る。m.p.205−7℃。
65:NMR(d6−DMSO)δ:1.15(9H,s)、5.91(2H,s)、6.14(1H,d,J=15.6Hz)、7.27−7.40(3H,m)、7.51(1H,d,J=15.6Hz)、7.67(1H,d,J=2Hz)、8.57(2H,s,J=5.8Hz)。
IR(Nujol)νcm-1;3100,2446,1746,1686,1604,1399,1279,1267,1109,972。
(4)65(1.00g)/DMFに室温にてカルボニルジイミダゾール(0.67g)を加え、室温にて1時間撹拌する。これにH2NCN(212mg)/60%NaH(177mg)/DMF(15ml)の溶液を加え、室温で2時間、40℃で1時間撹拌する。酢酸(0.29ml)を加えた後、約5mlまで減圧濃縮する。H2O(50ml)に溶かし、酢酸エチル(10ml)、ヘキサン(10ml)を加え、次いで酢酸を加え、水層を中和すると結晶が析出する。結晶を濾取し、H2O、酢酸エチルで洗浄し、粗結晶の66(0.91g,84.7%)を得る。m.p.192−3℃。
66:NMR(d6−DMSO)δ:1.14(9H,s)、5.94(2H,s)、6.23(1H,d,J=15.6Hz)、7.32−7.45(3H,m)、7.61(1H,d,J=15.6Hz)、7.68(1H,d,J=1.8Hz)、8.61(1H,bs)。
IR(Nujol)νcm-1;3108,2224,1742,1687,1373,1174,1120,978。
(5)66 830mg(2.35mmol)をメタノール20ml中に懸濁させ、その中に2N NaOHaq6ml(12mmol)を室温にて加えた後、室温で3時間撹拌する。その後、氷冷下で2N HCl6mlを加え、メタノールを減圧留去し、析出した固形物を濾取し、H2O、エチルエーテルで順次洗浄する。濾取した固形物を乾燥させ、黄色粉末67 530mg(95%)を得た。
67:NMR(d6−DMSO)δ:11.79(1H,m)、8.58(2H,m)、7.69(1H,d,J=15,6Hz)、7.54(1H,s)、7.40(2H,d,J=5.7Hz)、7.27(1H,s)、6.21(2H,d,J=15.6Hz)。
IR(Nujol)νcm-1:3350,3192,2170,1626,1528,1349,1066。
(1)6 50g(346.8mmol)を無水DMF500ml中に加えそ懸濁させ、N2ガス気流下、60%NaH15.2g(381.5mmol)を氷冷下で加え、室温で20分間撹拌した。その後、−30℃まで冷却し、ButCO2CH2Cl 53ml(367.6mmol)を35分間かけてゆっくりと滴下し、−10℃で2時間撹拌した。その後、反応溶液を氷水2.4L中に注ぎ、酢酸エチル2Lで抽出した。有機層は水、食塩水で順次洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧濃縮に付し析出してきた結晶を濾取した。結晶は、シクロヘキサンで洗浄し、乾燥させ、白色結晶6’83.24g(93%)を得た。m.p.96〜99℃
6’:NMR(CDCl3)δ:8.51(2H,dd,J=4.6,1.6Hz)、7.37(2H,dd,J=4.6,1.6Hz)、7.28(1H,m)、6.89(1H,dd,J=2.8,2.2Hz)、6.55(1H,dd,J=2.8,1.8Hz)、5.82(2H,s)、1.18(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:1723,1597,1132
(2)無水DMF372ml(4.8モル)をN2ガス気流下、−20℃まで冷却し、POCl3120ml(1.282モル)を40分間かけて滴下して加えた後、原料6’ 82.8g(320.5モル)を加え、60℃に加温して3時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、氷水2L中に注いだ。その後、撹拌しながらK2CO3266g(1.923モル)を加えてpH8とし、析出した固形物を濾取した。それをメチルエチルケトン2.2Lに溶解させ、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮し、残渣をトルエンにて再結晶させて、肌色結晶75 65.69g(72%)を得た。m.p.183〜186℃。
75:NMR(CDCl3)δ:9.69(1H,d,J=1.0Hz)、8.59(2H,dd,J=4.5,1.7Hz)、7.60(1H,m)、7.40(2H,dd,J=4.6Hz,1.6Hz)、7.32(1H,d,J=2.0Hz)、6.28(2H,s)、1.17(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:1718,1655,1600,1426,1141
(3)NaClO218.16g(200.8mmol)とH2NSO3H19.50g(200.8mmol)をH2Ol 636mlに溶解させ、それに、75 23g(80.334モル)のメタノール400ml溶液を氷冷下で滴下して加えた後、氷冷下で3時間撹拌した。その後、Na2SO350.62g(401.6mmol)水溶液250mlを氷冷下で滴下して加え、更に30分間撹拌した。その後、メタノールを減圧留去させ、析出した固形物を濾取し、乾燥させ、緑色粉末76’ 21.14g(87%)を得た。m.p.241.5〜243℃。
76’:NMR(d6−DMSO)δ:12.79(1H,bs)、8.50(2H,dd,J=4.6,1.5Hz)、7.99(1H,d,J=2Hz)、7.61(2H,dd,J=4.6,1.6Hz)、7.47(1H,d,J=2.0Hz)、6.21(2H,s)、1.11(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:1734,1686,1610,1195,1129
(4)NH2CN 12.965g(308mmol)をDMF130ml中に溶解させ、窒素気流下、NaH 11.719g(292.98mmol)を水冷下で加えた。加え終わったら、室温に戻し、水素ガスの発生がほぼおさまるまで撹拌した。
また、76’ 46.62g(154.2mmol)をDMF470ml中に溶解させ、室温にて、カルボニルジイミダゾール32.51g(200mmol)を加え、1時間撹拌した後、氷冷し、先に生成させたNa+[-NH−CN]/DMF溶液を滴下して加えた。室温に戻して1時間撹拌した後、氷冷下で5N HClを加えてpH約7とし、DMFを減圧濃縮した。得られる残渣に氷水900mlを加え、析出する固形物を濾取し、H2O、エチルエーテルで順次洗浄した。濾取した固形物を乾燥し、黄緑色粉末78 50g(99%)を得た。m.p.253〜256℃。
78:NMR(d6−DMSO)δ:8.64(2H,d,J=6.6Hz)、8.09(1H,d,J=1.8Hz)、7.96(2H,d,J=6.6Hz)、7.43(1H,d,J=1.8Hz)、6.32(2H,s)、1.11(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2184,2142,1711,1634,1565,1226,1155
(5)78 50.2g(154mmol)をメタノール1L中に加え、そこへ2N NaOH385ml(770mmol)を室温にて滴下して加えた。室温にて1時間撹拌したのち、氷冷下で2N HCl385mlを加えてpH7として、メタノールを減圧留去させた。その後、析出した固形物を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄して乾燥させ、白色粉末71 32g(100%)を得た。m.p.268〜270℃(分解)。
71:NMR(d6−DMSO)δ:12.2(1H,m)、8.58(2H,d,J=6.2Hz)、7.96(2H,d,J=6.8Hz)、7.88(1H,m)、7.29(1H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3320,3186,3066,2624,2144,1633,1570,1527,1407,1336,1215,1200
(6)71 32g(150mmol)を無水メタノール60ml中に懸濁させ、窒素ガス気流下、1.14M CH3ONa/メタノール溶液135ml(150mmol)を氷冷下で滴下して加え、そのまま氷冷下で10分間撹拌した。その後、イソプロパノール350mlを加え、メタノールを減圧留去させた後、析出した固形物を濾取した。濾取した固形物をイソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、淡黄色粉末68 35.6g(99%)を得た。
68:NMR(d6−DMSO)δ:11.44(1H,m)、8.39(2H,d,J=5.8Hz)、7.53(2H,d,J=6.0Hz)、7.39(1H,m)、6.91(1H,m)
IR(Nujol)νcm-1:3324,2714,2154,1609,1576,1507,1219,1146,1131
(1)76’ 5.5g(18.19mmol)をメタノール110ml中に加え、そこに2N NaOHaq45ml(90mmol)を室温にて滴下して加えた。室温で90分撹拌後、氷冷下で2N HCl45ml(90mmol)を加え、メタノールを減圧留去させ、析出する固形物を濾取した。それをH2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、淡緑色粉末76 3.26g(95%)を得た。m.p.300℃以上。
76:NMR(d6−DMSO)δ:12.15(1H,bs)、8.45(2H,m)、7.72(1H,m)、7.62(2H,d,J=5.70Hz)、7.29(1H,m)、
IR(Nujol)νcm-1:1629,1561,1529,1210
(2)76 3.25g(17.28mmol)を無水DMF40ml中に加え、N2ガス気流下、カルボニルジイミダゾール5.60g(34.56mmol)を室温にて加え、2.5時間撹拌した。その後、DMFを減圧留去させ、得られる残渣に氷水100mlを加えたら、固形物が析出した。それを濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、淡黄色粉末77 3.7g(90%)を得た。m.p.300℃以上。
77:NMR(d6−DMSO)δ:12.81Hz(1H,bs)、8.49〜8.54(3H,m)、8.08(1H,s)、7.89(1H,s)、7.75〜7.78(3H,m)、7.18(1H,s)
IR(Nujol)νcm-1:1662,1599,1219
(3)77 3.65g(15.32mmol)を無水DMF70ml中に加え、N2ガス気流下、(Boc)2O 7ml(30.64mmol)を室温にて滴下して加え、更に4−ジメチルアミノピリジンを極少量加えて、室温で70分間撹拌した。その後、反応溶液を減圧濃縮し、得られた残渣にエチルエーテル200mlを加え、析出する沈殿を濾取した。エチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、淡黄色粉末79 4.48g(86%)を得た。m.p.300℃以上。
79:NMR(d6−DMSO)δ:8.57(2H,d,J=5.8Hz)、8.37(2H,m)、7.78(3H,m)、7.67(1H,s)、7.19(1H,s)、1.43(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:1749,1726,1603,1239
(4)NH2CN 1.557g(37.04mmol)を無水DMF30ml中に加え、N2ガス気流下、60%NaH 1.235g(30.87mmol)を氷冷下にて加え、室温で15分間撹拌した。
また、79 10.445g(30.87mmol)を無水DMF140ml中に加え、−45℃まで冷却した後、N2ガス気流下、先に調製したNa+[NH−CN]-/DMF溶液を15分間かけて滴下して加えた。その後、−30℃にて90分間撹拌した後、氷冷下にて1N HCl62ml(62mmol)を加え、減圧濃縮させた。得られた残渣に氷水400mlを加え、更にNaHCO32.59g(30.87mmol)を加え、pH約7とした。その後、析出した固形物を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させ、淡黄色粉末69 8.97g(93%)を得た。m.p.257〜260℃(分解)。
69:NMR(d6−DMSO)δ:8.67(2H,d,J=6.0Hz)、8.28(1H,d,J=1.6Hz)、8.02(2H,d,J=6.2Hz)、7.33(1H,d,J=1.6Hz)、1.56(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2150,1741,1675,1523
(1)NaClO2 9.95g(110mmol)とNH2SO3H 10.68g(110mmol)のH2O 250ml溶液中に氷冷下、80 15.0g(50mmol)のメタノール150ml溶液を滴下して加えた。氷冷下で40分間撹拌した後、Na2SO3 27.7g(220mmol)のH2O 150ml溶液を滴下して加え、更に氷冷下で20分間撹拌した。析出した固形物を水洗し、メタノール400ml/酢酸エチル300mlに溶解させた後、トルエン200mlを加えて減圧濃縮に付し析出した固形物を濾取し、白色粉末81 10.57g(66.8%)を得た。m.p.211〜214℃。
81:NMR(d6−DMSO)δ:12.83(1H,bs)、8.56(2H,dd,J=4.5Hz,1.5Hz)、7.62(1H,s)、7.42(2H,m)、6.18(2H,s)、2.42(3H,s)、1.11(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3136,2372,1725,1677,1606,1420,1260,1242,1130,1112,1020,963
(2)NH2CN723mg(17.2mmol)の無水DMF40ml中に、60%NaH670mg(16.63mmol)を加え、H2ガスの発生がおさまるまで室温で1時間撹拌した。
また、原料81 3.63g(11.47mmol)の無水DMF50ml中に、窒素ガス気流下カルボニルジイミダゾール2.23g(13.76mmol)を加え、室温で1時間撹拌した後、氷冷し、先に生成したNa+[NH−CN]-/DMF溶液を滴下して加え、室温で5時間撹拌した。その後、水冷下で2N HClを加えてpH約7とし、DMFを減圧留去させた。得られた残渣に氷水300mlを加え、析出した固形物を濾取し、H2O、エチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、白色粉末82 3.9g(99%)を得た。m.p.209〜211℃。
82:NMR(d6−DMSO)δ:8.69(2H,d,J=6.2Hz)、7.88(2H,d,J=6.8Hz)、7.78(1H,s)、6.26(2H,s)、2.50(3H,s)、1.11(9H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2712,2144,1710,1579,1526,1459,1336,1281,1255,1151
(3)82 3.9g(11.46mmol)をメタノール240ml中に懸濁させ、そこに2N NaOHaq30ml(15mmol)を室温にて滴下して完全に溶解させた。室温にて1時間撹拌したのち、氷冷下で2N HCl30mlを加え、pH約7とした。メタノールを減圧留去させ、析出した固形物を濾取し、H2O,エチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させた。黄白色粉末722.19g(84%)を得た。m.p.226〜230℃。
72:NMR(d6−DMSO)δ:11.76(1H,m)、8.62(2H,d,J=5.7Hz)、7.93(2H,d,J=6.0Hz)、7.60(1H,d,J=2.4Hz)、2.59(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3162,2606,2144,1631,1558,1515,1454,1333,1213,1153
(4)72 12.63g(55.8mmol)を無水メタノール335ml中に加えて懸濁させ、N2ガス気流下、1M CH3ONa/メタノール溶液51.3ml(53.0mmol)を氷冷下で滴下して加え、室温にて10分間撹拌した。その後、イソプロパノール335mlを加え、更にイソプロパノール100mlとエチルエーテル100mlの混液を加え、室温にてしばらくの間撹拌した。析出した固形物を濾取し、エチルエーテルで洗浄した後乾燥させ、淡黄色粉末70 13.61g(99%)を得た。
70:NMR(d6−DMSO)δ:11.08(1H,bs)、8.44(2H,dd,J=4.5Hz,1.5Hz)、7.39(2H,dd,J=4.35Hz,1.65Hz)、7.03(1H,d,J=3.3Hz)、2.48(3H,s)
IR(KBr)νcm-1:3434,3375,2153,1606,1563,1473,1426,1413,1339,1229,1145,835,811
72 8.0g(35.4mmol)を無水DMF190ml中に加えて、(Boc)2O 34.8g(159.3mmol)を室温にて滴下して加え、更に4−ジメチルアミノピリジン0.86g(7.08mmol)を加えて室温で45分間撹拌した。その後、反応液を氷冷下で撹拌した酢酸エチル400ml及びH2O 100mlの混液中に注ぎ、水層を分取して減圧濃縮し、得られる残渣を希塩酸で中和して析出する不溶物を濾取して、83 4.08g(35%)を得た。
83:NMR(d6−DMSO)δ:8.65(2H,m)、7.86(1H,s)、7.70(2H,d,J=5.2Hz)、2.23(3H,s)、1.54(9H,s)
IR(KBr)νcm-1:3104,2174,1754,1639
(1)75 2.86g(10mmol)を無水トルエン50ml中に溶解させ、そこに84 4.97g(13mmol)を加え、120℃の油浴中にて3.5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却すると、結晶が析出してきたのでそれを濾取し、ヘキサンで洗浄することにより、85 3.9gを得た。
次に、85をメタノール80ml中に加えて懸濁させ、そこに2N NaOH24ml(48mmol)を室温にて加え、90分間撹拌した。その後、メタノールを減圧留去させ、残渣をトルエン100ml×2回で洗浄した。水層を分取し、永冷下1N HCl48mlを加えてpH7とし、析出する固形物を濾取した。濾取した固形物はH2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、黄色粉末86 1.20g(収率50%)を得た。m.p.300℃以上。
86:NMR(d6−DMSO)δ:11.93(1H,bs)、8.48(2H,d,J=5.4Hz)、7.88(1H,m)、7.85(1H,s)、7.63(2H,d,J=5.8Hz)、7.53(1H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2714,1619,1530,1374,1203,927
(2)NH2CN 302mg(7.17mmol)を無水DMF6ml中に溶解させ、窒素ガス気流下60%NaH268mg(6.69mmol)を氷冷下で加えた後、室温にて2.5時間撹拌してNa+[NH−CN]-/DMF溶液を調整した。次に、86 1.19g(4.78mmol)を無水DMF 15ml中に加えて懸濁させ、そこにカルボニルジイミダゾール1.0g(6.21mmol)を室温にて加え、3時間撹拌した。その後、反応液中に、先に生成させたNa+[NH−CN]-/DMF溶液を氷冷下で滴下し、室温にて90分間撹拌した。その後、氷冷下で酢酸を加えてpH7として減圧濃縮し、得られた残渣に氷水200mlを加え、析出した固形物を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、黄緑色粉末73 928mg(73%)を得た。m.p.300℃以上。
73:NMR(d6−DMSO)δ:12.10(1H,bs)、8.64(2H,d,J=6.4Hz)、8.11(2H,d,J=7Hz)、8.09(1H,s)、7.75(1H,s)、7.52(1H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2718,2152,1627,1572,1526,1374,1206
(1)75 2.86g(10mmol)をトルエン120mlとTHF30mlの混液中に懸濁させ、窒素ガス気流下、87 25mmolを室温にて加え、100℃で8時間加熱還流させた。その後、室温まで冷却して減圧濃縮し、88 3.7gを得た。次に、88をメタノール80ml中に加えて、そこに2N NaOH25ml(50mmol)を室温にて加えて3時間撹拌した。その後、メタノールを減圧留去させ、残渣をトルエン100ml×3回で洗浄し、水層を氷冷下2N HClで中和してpH7とし、析出した固形物を濾取した。それをH2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、黄色粉末89 11.8g(52%)を得た。m.p.300℃以上。
89:NMR(d6−DMSO)δ:8.68(2H,d,J=6.4Hz)、8.26(2H,d,J=6.8Hz)、8.17(1H,s)、7.51(1H,s)、7.29(1H,s)、2.13(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:1681,1620,1571,1375,1313,1198,1162,1013
(2)NH2CN 266mg(6.33mmol)を無水DMF10ml中に溶解させ、そこに60%NaH236mg(5.91mmol)を氷冷下にて加え、室温で50分撹拌し、Na+[NH−CN]-/DMF溶液を調製した。次に、89 963mg(4.22mmol)を無水DMF 15ml中に加え、N2ガス気流下、カルボニルジイミダゾール889mg(5.49mmol)を室温にて1時間撹拌した。その後、氷冷下にて、先に調製したNa+[NH−CN]-/DMF溶液を滴下して加え、室温で2.5時間撹拌した。その後、氷冷下にて酢酸0.72ml(12.66mmol)を加えて、減圧濃縮し、得られた残渣に氷水200mlを加えて沈殿を析出させた。析出した固形物を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、黄色粉末74 1.05g(99%)を得た。
74:NMR(d6−DMSO)δ:12.44(1H,bs)、8.73(2H,d,J=6.2Hz)、8.2g(2H,d,J=6.8Hz)、8.25(1H,m)、7.40(2H,s)、2.17(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3272,2718,2240,2148,1670,1596,1523,1374,1323,1206,1193,1015
(1)91 2.2g(7.32mmol)をメタノール40ml中に懸濁させ、2N NaOHaq18ml(36mmol)を室温にて加え、そのまま1時間撹拌させた。その後、氷冷下にて2N HCl18ml(36mmol)を滴下して加え、メタノールを減圧留去させ、残渣を酢酸エチル50ml×3回で抽出し、有機層を合わせてMgSO4で乾燥させた。MgSO4を濾去し、濾液を減圧濃縮し、析出する結晶を濾取し、エチルエーテルで洗浄後、乾燥させ、白色結晶92 1.08g(79%)を得た。m.p.179−181℃。
92:NMR(CDCl3)δ:9.60(1H,bs)、8.58(2H,d,J=5.4Hz)、7.45(1H,dd,J=3.15,1.65Hz)、7.41(2H,dd,J=6.3,3.0Hz)、7.23(1H,dd,J=2.55,1.65Hz)、2.51(3H,s)
IR(CHCl3)νcm-1:3438,3002,1650,1602,1391,1313,1273,943
(2)92 1.08g(5.80mmol)を無水THF20ml中に懸濁させ、N2ガス気流下、(Boc)2O 3.3ml(14.5mmol)を滴下して加え、更に4−ジメチルアミノピリジン71mg(0.58mmol)を加えて、室温にて80分間撹拌させた。その後、減圧濃縮させ、残渣にn−ヘキサン60mlを加え、室温にてゆっくりと撹拌し、析出する結晶を濾取し、乾燥させ、白桃色結晶93 1.39g(84%)を得た。m.p.113−115℃。
93:NMR(CDCl3)δ:8.60(2H,d,J=6.0Hz)、7.71(1H,d,J=1.8Hz)、7.39(2H,dd,J=4.6,1.6Hz)、7.15(1H,d,J=1.8Hz)、2.52(3H,s)、1.61(9H,s)
IR(CHCl3)νcm-1:2982,1752,1677,1604,1392,1281,1237,1148
(3)NaH 1.128g(28.20mmol)を無水THF30ml中に加え、そこに(EtO)2P(O)CH2CO2Et5.73ml(28.92mmol)を25℃にて滴下して加え、室温で20分間撹拌したのち、氷冷下にて93 1.38g(4.82mmol)の無水THF13ml溶液を10分間かけて滴下して加え、室温で100分間撹拌した。その後、氷冷下にて1N HCl28mlを加え、酢酸エチル50ml×3回で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で2回洗浄し、乾燥させ、濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトにて精製し、白色結晶94(E体)433mgと橙色油状物質94(Z体)1.01g、計1.444g(合計収率84%)を得た。
E体:m.p.91−93℃。
NMR(CDCl3)δ:8.57(2H,d,J=5.4Hz)、7.68(1H,dd,J=1.7,1.1Hz)、7.38(2H,dd,J=4.8Hz,1.2Hz)、6.51(1H,dd,J=1.9,0.9Hz)、5.99(1H,s)、4.22(2H,q,J=7.1Hz)、2.42(3H,s)、1.60(9H,s)、1.32(3H,t,J=7.2Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2980,1747,1705,1604,1355,1287,1155,1140
Z体:NMR(CDCl3)δ:8.54(2H,d,J=6.2Hz)、7.71(1H,dd,J=2.0,0.8Hz)、7.38(2H,dd,J=4.5,1.7Hz)、6.38(1H,dd,J=1.9,0.7Hz)、5.98(1H,dd,J=1.4,0.8Hz)、4.01(2H,q,J=6.4Hz)、2.21(3H,s)、1.57(9H,s)、1.12(3H,t,J=7Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2976,1743,1710,1604,1370,1277,1220
(4)94(E)334mg(0.94mmol)をメタノール7ml中に溶解させ、1N NaOHaq4.7ml(4.7mmol)を室温にて滴下して加え、60℃にて2時間撹拌した。その後、氷冷下で1N HCl4.7mlを加え、メタノールを減圧留去させた後、析出した固形物を濾取し、H2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、淡黄色粉末95(E)180mg(84%)を得た。m.p.243−245℃。
95(E):NMR(d6−DMSO+D2O+DCl)δ:12.35(1H,bs)、8.66(2H,d,J=6.9Hz)、8.20(2H,d,J=7.2Hz)、8.12(1H,d,J=0.9Hz)、7.40(1H,s)、6.26(1H,s)、2.48(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3242,1670,1610,1570,1312,1216,1160,1010,799
(5)NH2CN249mg(5.92mmol)を無水DMF8ml中に溶解させ、そこに氷冷下にて60%NaH 304mg(7.6mmol)を加え、室温で40分間撹拌し、Na+[NH−CN]-/DMF溶液を調製した。
次に、95(E)169mg(0.74mmol)を無水DMF7ml中に加えて懸濁させ、N2ガス気流下、カルボニルジイミダゾール156mg(0.96mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、氷冷下にて上記Na+[NH−CN]-/DMF溶液を滴下して加え、室温で6時間撹拌させた。その後氷冷下にて酢酸0.97ml(22.8mmol)を滴下して加え、減圧濃縮し、残渣に氷水80mlを加えて撹拌した後、固形物を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、黄色粉末96(E)128mg(66%)を得た。m.p.217−220℃。
96(E):NMR(d6−DMSO+DCl,D2O)δ:12.57(1H,bs)、8.70(2H,d,J=6.8Hz)、8.23(2H,d,J=6.8Hz)、8.20(1H,s)、7.49(1H,d,J=0.4Hz)、6.28(1H,s)、2.52(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2142,1629,1537,1300,1255,1202,930
(6)94(Z)517mg(1.45mmol)をエタノール11ml中に加えて溶解させ、そこに1N NaOHaq7.25ml(7.25mmol)を室温にて滴下して加え、60℃に加温して45分間撹拌した。その後水冷下にて1N HCl7.25mlを加え、エタノールを減圧留去させ、析出した固形物を濾取した。それをH2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、淡黄色粉末95(Z)250mg(76%)を得た。m.p.153−156℃。
95(Z):NMR(d6−DMSO)δ:13.23(1H,s)、8.52(2H,d,J=4.6Hz)、7.91(1H,d,J=1.6Hz)、7.73(2H,d,J=5.8Hz)、7.27(1H,s)、5.69(1H,d,J=0.8Hz)、2.29(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3368,2156,1630,1558,1507,1208,1154,929
(7)60%NaH76mg(1.887mmol)を無水DMF2ml中に加え、N2ガス気流下、NH2CN86mg(2.04mmol)を氷冷下にて加え、室温で90分間撹拌し、Na+[NH−CN]-/DMF溶液を調製した。
次に、95(Z)233mg(1.02mmol)を無水DMF5ml中に加えて懸濁させ、室温でカルボニルジイミダゾール255mg(1.632mmol)を加え、室温で105分間撹拌した後、氷冷下にて先程生成したNa+[NH−CN]-/DMF溶液を滴下して加え、室温で2時間撹拌した。その後、氷冷下にて1N HCl3.6ml(3.6mmol)を滴下して加え、DMFを減圧留去させ、残渣に氷水100mlを加えて撹拌し、析出した固形物を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、茶色粉末96(Z)174mg(68%)を得た。m.p.219−221℃。
96(Z):NMR(d6−DMSO)δ:12,29(1H,bs)、8.58(2H,d,J=6.2Hz)、7.99(1H,s)、7.96(2H,d,J=6.2Hz)、7.19(1H,s)、5.67(1H,d,J=0.4Hz)、2.21(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:2718,2150,1607,1562,1503,1283,1199,1153
(1)1 23.72ml(214.4mmol)を無水THF215ml中に加え、−72℃に冷却し、N2ガス気流下、(CO2Et)229.12ml(214.4mmol)を加え、次にLiN(TMS)2/THF溶液(1mol)214mlを加え、ゆっくりと室温まで温度を上昇させながら1時間撹拌させた。次に、再び−65℃まで冷却し、5N HCl64mlを滴下して加えた後室温にて30分間撹拌させた。その後反応液を減圧濃縮し、残渣に1N NaOH128.7mlを加え、析出する結晶を濾取し、H2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、黄色結晶99 64gを得た。次に、−30℃まで冷却した後濃HCl26mlとH2O 51.5mlに溶解させ、更にH2NNH2・H2O9.0ml(185mmol)を加えて、85℃にて40分間撹拌した。その後、1N NaOH130mlを氷冷下で加え、析出する結晶を濾取し、H2O、イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄後、乾燥させ、黄色粉末100 27.9g(70%)を得た。m.p.215−217℃。
100:NMR(d6−DMSO)δ:14.4(bs.1H)、8.67(2H,d,J=6Hz)、7.95(2H,d,J=6Hz)、7.56(1H,m)、4.35(2H,q,J=7Hz)、1.33(3H,t,J=7.1Hz)
IR(Nujol)νcm-1:1726,1609,1572,1248,1204
(2)100 2.17g(10mmol)をエタノール40ml中に加えて懸濁させ、1N NaOH50mlを室温にて滴下して加え、60℃にて2時間撹拌させた。その後、氷冷下で1N HCl50mlを加え、メタノールを減圧留去させ、析出した固形物を濾取し、H2O、THF、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、白色粉末101 1.47g(78%)を得た。m.p.300℃以上。
101:NMR(d6−DMSO+DCl)δ:8.91(2H,m)、8.50(2H,d,J=5.8Hz)、7.80(1H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3144,2454,2068,1637,1598,1552,1403,1375,1202,831,807
(3)NH2CN 625mg(14.86mmol)を無水DMF17ml中に溶解させ、N2ガス気流下、60%NaH565mg(14.12mmol)を氷冷下にて加え、室温で1時間撹拌させてNa+[NH−CN〕-/DMF溶液を調製した。次に、101 1.406g(7.432mmol)を無水DMF50ml中に懸濁させ、N2ガス気流下、カルボニルジイミダゾール2.049g(12.63mmol)を室温にて加え、2時間撹拌させた後、水冷下にて上記Na+[NH−CN]-/DMF溶液を滴下して加えた後、室温で1時間撹拌させた。その後、氷冷下にて1N HCl20mlを加えた後、DMFを減圧留去させ、残渣に氷水200mlを加え、析出する固形物を濾取した。それをH2O,イソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、白色粉末102 1.225g(77%)を得た。m.p.300℃以上。
102:NMR(d6−DMSO,DCl)δ:8.98(2H,d.,J=6Hz)、8.52(2H,d.,J=6.2Hz)、7.95(1H,s)、
IR(Nujol)νcm-1:2170,1635,1573,1541,1345,957
(4)102 479mg(2mmol)を無水メタノール5ml中に加えて懸濁させ、N2ガス気流下、MeONa/メタノール溶液(1.1M,1.75ml)を氷冷下にて滴下して加え、そのまま0℃で20分間撹拌させた。その後、イソプロパノール50ml中に反応溶液を注ぎ、メタノールがなくなるまで減圧濃縮し、固形物を濾取した。それをイソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、白色粉末103 420mg(89%)を得た。
103:NMR(D2O)δ:8.52(2H,m)、7.67(2H,m)、7.06(1H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3090,2150,1611,1581,1562,1413,1375,1340,988
(1)104 48g(276.5mmol)を無水エタノール500ml中に懸濁させ、N2ガス気流下、SOCl240.34ml(553mmol)を氷冷下にて20分間かけて滴下して加えた。50℃に加温しながら70分間撹拌させた後、減圧濃縮し、得られる残渣に酢酸エチル500mlとH2O 100mlを加え、Na2CO3で中和し、pH約7とした。酢酸エチル層を分取し、減圧濃縮した後、減圧蒸留にて精製し、105を44.96g(98%)得た。
105:NMR(CDCl3)δ:8.57(2H,dd,J=6.0,1.5Hz)、7.25(2H,d,J=6.0Hz)、4.18(2H,q,J=7.2Hz)、3.62(2H,s)、1.27(3H,t,J=7.2Hz)
(2)105 44.83g(271.4mmol)を無水THF450ml中に加え、N2ガス気流下、HCO2Et65.77ml(814mmol)を加え、更に60%NaH 13.03g(325.68mmol)を加え、室温で3時間撹拌した後、エチルエーテル720mlを加え、析出する沈殿を濾取して乾燥し、粉末106を59.39g得た。
106:NMR(D2O)δ:8.94(1H,s)、8.36(2H,d,J=6.2Hz)、7.43(2H,d,J=6.2Hz)、4.16(2H,q,J=7.0Hz)、1.25(3H,t,J=7.3Hz)
(3)106 59.39g(276mmol)を無水THF480ml中に加え、N2ガス気流下、MsCl 21.36ml(276mmol)を氷冷下で滴下して加え、35分間撹拌した。その後、HSCH2CO2Et 30.26ml(276mmol)とEt3N 42.32ml(303.6mmol)を順次滴下して加え、氷冷下で20分間撹拌した。その後、反応液中に酢酸エチル600mlとH2O 600mlを加え、酢酸エチル層を分取し、H2O,飽和食塩水で順次洗浄し、MgSO4で乾燥させた。MgSO4を濾去後、濾液を減圧濃縮し、得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトに付し、トルエン/酢酸エチル=2/1溶出分を減圧濃縮することにより、油状物質107 71.11g(87%)を得た。
107:NMR(CDCl3)δ:8.64(2H,dd,J=6.0,1.6Hz)、7.98(1H,s)、7.25(2H,dd,J=6.0,1.8Hz)、4.24(4H,q,J=7.0Hz)、3.53(2H,s)、1.31(3H,t,J=7,0Hz)、1.29(3H,t,J=7.1Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2980,1737,1700,1600,1575,1365,1295,1240,1180
(4)107 71.11g(240.8mmol)を無水THF700ml中に加え、−50℃まで冷却し、N2ガス気流下、LiN(TMS)2/THF 1mol溶液265ml(265mmol)を滴下して加え、室温で1時間撹拌した。その後、酢酸30.33ml(529mmol)を加えて減圧濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル1LとH2O 500mlを加え、酢酸エチル層を分取し、H2O,飽和食塩水で順次洗浄した後、MgSO4で乾燥した。MgSO4を濾去後減圧濃縮し、残渣にCH2Cl2300mlを加え、不溶物を濾去後、濾液を減圧濃縮して、108 56.82g(95%)を得た。m.p.123−125℃。
108:NMR(CDCl3)δ:10.28(1H,bs)、8.65(2H,dd,J=6.2,1.8Hz)、7.68(1H,s)、7.67(2H,dd,J=6.4,1.6Hz)、4.42(2H,q,J=7.0Hz)、1.41(3H,t,J=7.2Hz
IR(CHCl3)νcm-1:2980,1658,1605,1570,1440,1377,1328,1190
(5)108 56.82g(228mmol)を無水CH2Cl21000ml中に溶解させ、−30℃に冷却し、N2ガス気流下、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン)51.50g(251mmol)を滴下して加え、更に(CF3SO2)2O 47.95ml(285mmol)を滴下して加え、氷冷下で50分間撹拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル1000mlと飽和NaHCO3550mlを加えて酢酸エチル層を分取し、H2O,飽和食塩水で順次洗浄し、MgSO4で乾燥させた。MgSO4を濾去し、濾液を減圧濃縮してシリカゲルカラムクロマトに付し、トルエン/酢酸エチル=4/1溶出分を減圧濃縮することにより、109 67.32g(77%)を得た。m.p.100−101℃。
109:NMR(CDCl3)δ:8.72(2H,dd,J=6.0,1.4Hz)、7.64(1H,s)、7.39(2H,dd,J=6.2,1.6Hz)、4.46(2H,q,J=6.8Hz)、1.43(3H,t,J=7.0Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2970,1715,1600,1430,1375,1290,1265,1240,1220
(6)Pd(PPh3)44.09g(3.54mmol)とLiCl22,51g(531mmol)を無水THF700ml中に加え、更に109 67.32g(177mmol)と(n−Bu)3SnH 114.3ml(425mmol)を加え、85℃で2時間加熱還流した。その後、減圧濃縮し、エチルエーテルを加えて、析出した不溶物を濾去し、母液に1N HClを加えてpH1とし、水層を分取した。それに飽和NaHCO3を加えてpH約9とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。MgSO4を濾去し、濾液を減圧濃縮し、得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトにて精製し、トルエン/酢酸エチル=1/1溶出部より、110 39.26g(95%)を得た。m.p.79−80℃。
110:NMR(CDCl3)δ:8.66(2H,d,J=6.2Hz)、8.12(1H,s)、7.85(1H,s)、7.50(2H,dd,J=6.4,1.8Hz)、4.41(2H,q,J=7.4Hz)、1.42(3H,t,J=7.2Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2970,1700,1600,1430,1418,1280,1250,1080
(7)110 2.33g(10mmol)をメタノール50ml中に加えて懸濁させ、更に1N NaOH20ml(20mmol)を室温にて加えて、50℃にて25分間撹拌した。その後、氷冷下にて1N HCl20mlを加えた後、メタノールを減圧留去させ、析出した固形物を濾取した。それをイソプロパノール、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、111 2.02g(98%)を得た。m.p.300℃以上。
111:NMR(d6−DMSO)δ:8.61(2H,d,J=6Hz)、8.51(1H,s)、8.27(1H,s)、7.77(2H,d,J=6Hz)
IR(Nujol)νcm-1:3336,3080,1699,1611,1296,1211,1065,1026
(8)H2NCN246mg(5.84mmol)を無水DMF15ml中に溶解させ、それに60%NaH214mg(5.36mmol)を加えて、室温にて20分間撹拌し、Na+[NH−CN]-/DMF溶液を調製した。次に、111 1.0g(4.87mmol)を無水DMF20ml中に加え、更にカルボニルジイミダゾール1.03g(5.36mmol)を加えて、室温で95分間撹拌した後、上記Na+[NH−CN]-/DMF溶液を氷冷下にて滴下して加えた。その後氷冷下で1時間撹拌し、1N HCl14.6mlを加えた。DMFを減圧留去させ、得られた残渣にH2O 30mlを加え、析出した固形物を濾取した。それをイソプロパノール,エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、白色粉末112 921mg(82%)を得た。m.p.249−251℃。
112:NMR(d6−DMSO)δ:8.82(2H,d,J=6.0Hz)、8.63(1H,s)、8.28(2H,d,J=6.0Hz)、8.21(1H,s)
IR(KBr)νcm-1:3044,2152,1638,1594,1539,1436,1332,1241,1210,816
(1)110 19.26g(82.56mmol)を無水トルエン500ml中に加え、−70℃まで冷却後、N2ガス気流下、DIBAH/トルエン溶液165.12ml(248mmol、1.5M)を加え、−70℃にて35分間撹拌した。その後、氷冷下にてメタノ−ル30.1ml(744mmol)とH2O 13.4ml(744mmol)を加え、50℃に加温した後、不溶物を濾去した。母液を減圧濃縮し、目的物の113 14.11g(89%)を得た。m.p.138−139℃。
113:NMR(d6−DMSO)δ:8.56(2H,dd,J=6.2,1.8Hz)、8.09(1H,d,J=1.6Hz)、7.68(2H,dd,J=6.2,1.6Hz)、7.51(1H,s)、5.59(1H,t,J=5.7Hz)、4.67(2H,d,J=6.0Hz)
IR(Nujol)νcm-1:1600,1415,1320,1144,1020,1001,801
(2)113 1.913g(10mmol)を無水CH2Cl2250mlに溶解させ、N2ガス気流下、MnO2(活性化)6.955g(80mmol)を室温にて加え、20時間撹拌した。その後、MnO2を濾去し、CH2Cl2を減圧留去させた後得られた残渣より、CH2Cl2/n−ヘキサンで再結晶化を行ない、白色粉末114 1.42g(75%)を得た。m.p.95−96℃。
114:NMR(CDCl3)δ:10.00(1H,s)、8.69(2H,d,J=6Hz)、8.09(1H,s)、8.05(1H,s)、7.49(2H,d,J=6.3Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2962,2820,1676,1601,1418,1174,820
(3)114 669mg(3.535mmol)を無水THF7mlに溶解させ、N2ガス気流下、Ph3P=CHCO2Me 1.30g(3.89mmol)を室温にて加え、77℃で1時間加熱還流させた。その後THFを減圧留去させ115を得た。
次に、115をメタノール18mlに溶解させ、1N NaOHaq18mlを加えてから60℃で1時間撹拌した。その後、メタノールを減圧留去させ、得られた水層をトルエン100ml×3回で洗浄した後、水層を分取し、氷冷下、1N HCl18mlを加えてpH約7とし、析出する固形物を濾取した。それをH2O、エチルエーテルで順次洗浄し、乾燥させ、白色粉末116 517mg(63%)を得た。m.p.297−300℃(分解)。
116:NMR(d6−DMSO)δ:12.51(1H,bs)、8.62(2H,d,J=5Hz)、8.37(1H,s)、8.12(1H,s)、7.75(1H,d,J=15.0Hz)、.7.73(2H,d,J=6Hz)、6.31(1H,d,J=15.8Hz)
IR(Nujol)νcm-1:3060,1698,1631,1610,1316,1187
(4)NH2CN 182mg(4.32mmol)を無水DMF5ml中に溶解させ、N2ガス気流下、60%NaH 156mg(3.89mmol)を氷冷下にて加え、室温で1時間撹拌させ、Na+[NH−CN]-/DMF溶液を調製した。次に、116 500mg(2.16mmol)を無水DMF15ml中に懸濁させ、N2ガス気流下カルボニルジイミダゾール456mg(2.81mmol)を室温にて加え、2時間撹拌した。その後、氷冷下まで冷却し、上記Na+[NH−CN]-/DMF溶液を滴下して加え、室温で70分間撹拌した。その後、氷冷下にて1N HCl7mlを加えてpH約7とし、DMFを減圧留去させ、残渣に氷水100mlを加え、析出した白色固形物を濾取した。それをH2O、イソプロパノール、エチルエ-テルで順次洗浄し、乾燥させ、白色粉末117 471mg(86%)を得た。m.p.248−250℃。
117:NMR(d6−DMSO)δ:8.66(2H,d,J=6.75Hz)、8.43(1H,s)、8.15(1H,s)、7.87(2H,d,J=15.3Hz)、7.78(2H,d,J=6.0Hz)、6.39(1H,d,J=15.6Hz)、
IR(Nujol)νcm-1:2154,1612,1503,1326,1183,959,820
(1)29 1.37g(4mmol)をDMSO(15ml)に溶解し、V−1 3.66g(4.8mmol)のアセトニトリル15ml溶液を加え、2時間、室温で撹拌後、更にV−1 0.92g(1.2mmol)を追加して2時間撹拌した。反応液をエチルエーテル−水の混合液中に注加し、不溶物を濾取し、水洗、エチルエーテル洗後、乾燥してI−1 6.03g(収率:定量的)を得た。
I−1:NMR(CDCl3−CD3OD)δ:1.56(9H,s)、1.67(9H,s)、3.81(3H,s)、4.59(2H,bs)、5.1〜5.6(5H,m)、5.77(2H,d,J=55Hz)、5.98(1H,d,J=5Hz)、6.77(1H,bs)、6.91(2H,d,J=8Hz)、7.33(2H,d,J=8Hz)、8.03(2H,d,J=6Hz)、8.87(2H,d,J=6Hz)。
(2)I−1 6.03g(5.5mmol)をジクロロメタン40mlに溶解し、−30℃に冷却して、塩化アルミニウム6.6g(49mmol)のアニソール30ml溶液を加えた後、同温にて40分間撹拌した。反応液を希塩酸−エタノール(1:1)の混合液中に注加した。この水溶液をエチルエーテルで洗浄し、水層中の有機溶媒を減圧下留去した後、カラムクロマトに付し、5%アセトニトリル−0.05N炭酸水素ナトリウム水溶液で溶出させた。溶出液を減圧下濃縮して、希塩酸で中和し、不溶物を濾取、乾燥してI−1’ 0.46g(収率:12.8%)を得た。
I−1’:NMR(d6−DMSO+D2O)δ:2.97,3.54(2H,ABq,J=21.0Hz)、4.13,4.40(2H,ABq,J=16.5Hz)、4.67,5.22(2H,ABq,J=15.0Hz)、5.10(1H,d,J=5Hz)、5.70(2H,d,J=56Hz)、5.74(1H,d,J=5Hz)、6.61(1H,s)、7.74(2H,d,J=7Hz)、7.79(1H,s)、8.67(2H,d,J=7Hz)。
IR(KBr)νcm-1:2252,2151,1773,1671,1636。
なお、中間体I−1は、単離・精製の条件次第では、ピリジニウムカチオンがI-などの無機アニオンで中和された塩として得られることもあるが、この場合も、上記と同様に脱保護反応に付すことによって、化合物I−1’に変換できる。
(1)V−2 0.91g(1.2mmol)と34 254mg(1mmol)をDMSO(5ml)に溶かし、室温で2時間撹拌する。反応液をエチルエーテル中に注加して不溶物を析出させ、エーテル層をデカントで除き、再び不溶物を水洗、エーテル洗後、乾燥して、I−2 0.91g(収率:89.8%)を得た。
I−2:NMR(d6−DMSO)δ:1.24(3H,t,J=7Hz)、1.51(9H,s)、3.55,3.70(2H,ABq,J=10Hz)、3.71(3H,s)、4.17(2H,q,J=7Hz)、5.18〜5.31(3H,m)、5.44(2H,bs)、5.97(1H,d,J=5Hz)、6.91(2H,d,J=8Hz)、7.36(2H,d,J=8Hz)、8.06(1H,s)、8.15(2H,d,J=6Hz)、8.40(1H,s)、8.76(2H,d,J=6Hz)。
(2)I−2 0.91g(0.9mmol)をジクロロメタン10ml−ニトロメタン6ml混液に溶解し、−20℃にて塩化アルミニウム0.72g(5.4mmol)のアニソール6ml溶液を加え、同温で1時間撹拌した。反応液を希塩酸−エタノール混液中に注加し、エチルエーテル洗浄後、水層中の有機溶媒を減圧留去し、水層をカラムクロマトに付し、12%アセトニトリル−0.05N炭酸水素ナトリウム水溶液にて溶出させた。溶出液を減圧下濃縮し、希塩酸で中和して、I−2’ 223mg(収率:38.7%)を得た。
I−2’:NMR(d6−DMSO−D2O)δ:1.21(3H,t,J=7Hz)、3.17,3.57(2H,ABq,J=18.0Hz)、5.08,5.52(2H,ABq,J=18.0Hz)、5.10(1H,d,J=5Hz)、5.74(1H,d,J=5Hz)、8.17(1H,s)、8.21(2H,d,J=7Hz)、8.36(1H,s)、9.13(2H,d,J=7Hz)。
IR(KBr)νcm-1:2177,1772,1636。
(1)V−2 910mg(1.2mmol)と44 240mg(0.9mmol)を原料に用いて、実施例1に準じて反応を行うことにより、I−3 0.79g(収率:85.4%)を得た。
(2)I−3 783mg(0.76mmol)にCH2Cl2−CH3NO2中、AlCl3を作用させて、I−3’ 30mg(収率:5.8%)を得た。
I−3’:NMR(d6−DMSO)δ:1.21(3H,t,J=7Hz)、3.37,3.52(2H,ABq,J=18.0Hz)、3.82(3H,s)、4.14(2H,q J=7Hz)、5.19(1H,d,J=5Hz)、5.17,5.38(2H,ABq,J=15.0Hz)、5.88(1H,dd,J=5Hz,8Hz)、6.92(1H,s)、8.05(1H,s)、8.15(2H,bs)8.28(2H,d,J=7Hz)、8.73(2H,d,J=7Hz)、9.60(2H,d,J=8Hz)、12.12(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2257,2164,1780,1671,1636。
(1)47 203mg(0.8mmol)をDMSO(10ml)に溶解し、V−2 789mg(1.03mmol)を加え45分間撹拌した。得られた溶液をエチルエーテル(500ml)に撹拌しながら滴加し、母液をデカントして油状不溶物を得た。その不溶物をH2O洗浄し、濾取した。濾取した不溶物をCHCl3とアセトニトリルの混液に溶解しMgSO4乾燥してI−4 830mgを得た。
I−4:NMR(d6−DMSO)δ:1.24(3H,t,J=7.0Hz)、1.51(9H,s)、3.53(2H,bs)、3.73(3H,s)、4.21(2H,q,J=7.0Hz)、5.22(2H,bs)、5.22(1H,d,J=5.2Hz)、5.43(2H,bs)、6.00(1H,dd,J=5.2,8.6Hz)、6.93(2H,d,J=8.6Hz)、7.37(2H,d,J=8.6Hz)、8.08(1H,bs)、8.15(2H,d,J=6.6Hz)、8.33(1H,bs)、8.77(2H,d,J=6.6Hz)、9.04(1H,bs)、9.69(1H,d,J=8.6Hz)、11.18(1H,bs)、12.61(1H,bs)、12.96(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2182,1784,1713,1679,1634。
(2)I−4 820mg(0.81mmol)をCH2Cl230mlとCH3NO230mlに溶解し、アニソール1.06ml(9.75mmol)を加えた。その溶液に−20℃でAlCl3のCH3NO2溶液(1M)7.29mlを加え、同温で30分撹拌した。H2O(100ml)とエタノール(100ml)及び酒石酸ナトリウム3.4g(14.8mmol)を氷冷下で撹拌しておき前述の反応液を注加した。得られた懸濁液をエチルエーテルで洗浄し、水層を減圧濃縮後カラムクロマト(40%アセトニトリル/H2O)で処理した。溶出液を減圧濃縮して析出した不溶物を濾取し、I−4’ 111mg(収率:21%)を得た。
I−4’:NMR(d6−DMSO(+D2O))δ:1.20(3H,t,J=7.0Hz)、3.09,3.52(2H,ABq,J=19.0Hz)、4.12(2H,q,J=7.0Hz)、4.96,5.54(2H,ABq,J=13.8Hz)、5.06(1H,d,J=5.0Hz)、5.70(1H,d,J=5.0Hz)、8.10(1H,bs)、7.20(2H,d,J=7.0Hz)、8.26(1H,bs)、9.20(2H,d,J=7.0Hz)。
IR(KBr)νcm-1:2182,1768,1635。
(1)52 951mg(3.73mmol)をDMSO40mlに溶解し、V−2 4.24g(5.59mmol)を加え室温で30分撹拌した。得られた反応液をエチルエーテル200ml撹拌中に滴加して、母液をデカントし油状不溶物を得た。不溶物にH2O400mlを加え、洗浄し析出した不溶物を濾取した。得られた不溶物を少量のCHCl3とアセトニトリルの混液に溶解し、酢酸エチル100mlとエチルエーテル400mlを加え析出した不溶物を濾取してI−5 3.14g(収率:83%)を得た。
I−5:NMR(d6−DMSO)δ:1.23(3H,t,J=7.0Hz)、1.50(9H,s)、2.26(3H,s)、3,44〜3.64(2H,m)、3.72(3H,s)、4.20(2H,q,J=7.0Hz)、4.20(2H,bs)、5.22(2H,bs)、5.23(1H,d,J=5.4Hz)、5.25〜5.43(2H,m)、5.99(1H,dd,J=5.4,8.2Hz)、6.92(2H,d,J=8.6Hz)、7.21(1H,bs)、7.36(2H,d,J=8.6Hz)、7,78(1H,bs)、8.05(2H,d,J=7.2Hz)、8.58(2H,d,J=7.2Hz)、9.69(1H,d,J=8.2Hz)、11.56(1H,s)、12.60(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2244,2146,1786,1714,1634。
(2)I−5 3.13g(3.09mmol)をCH2Cl230mlとCH3NO220mlに溶解しアニソール4.03ml(37.08mmol)を加えた。−20℃に冷却し、AlCl3のCH3NO2溶液(1M)4.03mlを加えた後、同温にて40分撹拌した。エタノール100mlと0.1N−HCl100mlを氷冷下撹拌しておき、反応液を注加した。得られた懸濁液をエチルエーテルで洗浄し、水層を減圧濃縮した後、カラムクロマト(アセトニトリル/0.05N−NaHCO3 10%)で処理した。溶出液を1N−HClによりpHを約7とし減圧濃縮した後、更に1N−HClを加え析出した不溶物を濾取してI−5’ 515mg(収率:27%)を得た。
I−5’:NMR(d6−DMSO)δ:1.16(3H,t,J=7.2Hz)、2.21(3H,s)、3.00,3.56(2H,ABq,J=18.6Hz)、3.09(2H,q,J=7.2Hz)、4.09〜4.33(2H,m)、4.70,5.24(2H,ABq,J=13.8Hz)、5.08(1H,d,J=4.6Hz)、5.75(1H,dd,J=4.6,7.8Hz)、7.74(2H,d,J=7.0)、7.75(1H,bs)、7.66(2H,d,J=7.0)、7.46(1H,d,J=7.8Hz)、11.80(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2244,2160,1769,1676,1633。
(1)55 477mg(2mmol)をDMSO25mlに懸濁し、V−2 2.73g(3.60mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。得られた反応液をエチルエーテル 500ml撹拌中に滴加し、母液をデカントして油状不溶物を得た。その不溶物をH2Oにより洗浄し、析出した不溶物を濾取した。得られた不溶物をCHCl3とアセトニトリルの混液に溶解しMgSO4乾燥後、酢酸エチル100ml撹拌中に滴加した。更にエチルエーテル500mlを加え、析出した不溶物を濾取してI−6 1.31g(収率:66%)を得た。
I−6:NMR(d6−DMSO)δ:1.23(3H,t,J=7.0Hz)、1.50(9H,s)、3.52(2H,bs)、3.73(3H,s)、4.20(2H,q,J=7.0Hz)、5.23(1H,d,J=5.0Hz)、5.24(2H,bs)、5.39(2H,bs)、5.99(1H,q,J=5.0,8.2Hz)、6.38(1H,d,J=15.2Hz)、6.93(2H,d,J=8.2Hz)、7.35(2H,d,J=8.2Hz)、7.36(1H,bs)、7.47(1H,d,J=15.2Hz)、8.21(2H,d,J=7.0Hz)、8.25(1H,bs)、8.68(2H,d,J=7.0Hz)、9.69(1H,d,J=8.2Hz)、12.61(1H,s)。
IR(KBr)νcm-1:2230,2150,1785,1712,1690,1616。
(2)I−6 1.30g(1.30mmol)をCH2Cl220mlとCH3NO220mlに溶解し、アニソール1.70ml(14.9mmol)を加えた。−20℃に冷却しAlCl3のCH3NO2溶液(1M)11.7mlを加えた後同温にて30分撹拌した。エタノール100mlと0.1N−HCl100mlを氷冷下撹拌しておき反応液を注加した。得られた懸濁液をエチルエーテルで洗浄し、水層を減圧濃縮した後、カラムクロマト(10%アセトニトリル/0.05N−NaHCO3)で処理した。溶出液を減圧濃縮した後、1N−HClによりpHを約2とし、析出した不溶物を濾取、イソプロパノール及びエチルエーテルで洗浄し、I−6’ 131mg(収率:16%)を得た。
I−6’:NMR(d6−DMSO)δ:1.21(3H,t,J=7.0Hz)、3.33,3.54(2H,ABq,J=18.4Hz)、4.14(2H,q,J=7.0Hz)、5.17(1H,d,J=5.0Hz)、5.21,5.41(2H,ABq,J=14.6Hz)、5.86(1H,dd,J=5.0,8.2Hz)、6.33(1H,d,J=16.0Hz)、7.18(1H,bs)、7.24(1H,d,J=16.0Hz)、8.14(2H,bs)、8.16(1H,bs)、8.19(2H,d,J=6.2Hz)、8.81(2H,d,J=6.2Hz)、9.57(1H,d,J=8.2Hz)、12.33(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2232,2148,1772,1673,1619。
(1)57 508mg(150mmol)をDMSO10mlに懸濁し、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド403μl(1.63mmol)を加え撹拌後、V−1 1.24g(1.63mmol)を加え室温で95分撹拌した。得られた反応液を5%NaCl水溶液に滴加し、析出した不溶物を濾取した。不溶物をアセトニトリル50mlに溶解し、酢酸エチル50mlを加え減圧濃縮した後、更に酢酸エチル50mlを加え減圧濃縮した。その濃縮液にエチルエーテル100mlを加え、析出した不溶物を濾取しI−7 1.45g(収率:98%)を得た。
I−7:NMR(d6−DMSO)δ:1.51(9H,s)、1.64(9H,s)、3.54(2H,bs)、3.73(3H,s)、5.17〜5,31(2H,m)、5.25(1H,d,J=4.6Hz)、5.47(2H,bs)、5.81(2H,d,J=55.4Hz)、6.00(1H,dd,J=4.6Hz,8.2Hz)、6.45(1H,d,J=15.4Hz)、6.91(2H,d,J=8.4Hz)、7.35(2H,d,J=8.4Hz)、7.65(1H,bs)、8.01(1H,d,J=15.4Hz)、8.44(2H,d,J=6.4Hz)、8.56(1H,bs)、8.82(2H,d,J=6.4Hz)、9.89(1H,d)、12.67(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2234,2150,1770,1715,1615。
(2)I−7 473mg(0.49mmol)をCH2Cl28mlとCH3NO23mlに溶解しアニソール640μl(5.89mmol)を加えた。その溶液を4℃に冷却し、TiCl4のCH2Cl2 1M溶液4.41mlを加え、氷冷下30分撹拌した。1N−NCl 50mlとエチルエーテル(50ml)を氷冷下で撹拌しておき前述の反応液を注加した。得られた懸濁液から不溶物を濾取した。その不溶物をNaHCO3水溶液に溶かし、少量の不溶物を濾過した後、HP−20SSカラムクロマト(2〜4%アセトニトリル/H2O)により分離精製した。溶出液を1N−HClにて、pH3.05とした後、減圧濃縮し析出した不溶物を濾取、イソプロパノール及びエチルエーテル洗浄し、I−7’ 137mg(収率:36%)を得た。
I−7’:NMR(d6−DMSO)δ:3.29,3.56(2H,ABq,J=18.0Hz)、5.18,5.43(2H,ABq,J=14.6Hz)、5.19(1H,d,J=5.0Hz)、5.75(2H,d,J=54.0Hz)、5.85(1H,dd,J=5.0,8.2Hz)、6.34(1H,d,J=15.6Hz)、7.20(1H,bs)、7.28(1H,d,J=15.6Hz)、8.12(1H,bs)、8.19(2H,d,J=6.6Hz)、8.81(2H,d,J=6.6Hz)、8.81(1H,d,J=8.2Hz)。
IR(KBr)νcm-1:2228,2146,1772,1680,1620。
(1)63 100mg(0.44mmol)をDMSO10mlに溶解しV−2 402mg(0.53mmol)を加え室温で30分間撹拌した。反応液をエチルエーテル200ml中に撹拌下に滴加し、母液をデカントし、油状不溶物を得た。不溶物をCH2Cl210mlに溶かし更にエチルエーテル200ml中に撹拌下に滴加し、析出した不溶物を濾取しI−8 374mg(収率:86%)を得た。
I−8:NMR(d6−DMSO)δ:1.24(3H,t,J=7.0Hz)、1.51(9H,s)、3.44〜3.62(2H,m)、3.70(2H,s)、3.74(3H,s)、4.20(2H,q,J=7.0Hz)、5.24(1H,d,J=5.2Hz)、5.25(2H,bs)、5.36(2H,bs)、5.99(1H,dd,J=5.2,8.8Hz)、6.68(1H,bs)、6.93(2H,d,J=8.6Hz)、7.37(2H,d,J=8.6Hz)、7.97(1H,bs)、8.10(2H,d,J=7.0Hz)、8.58(2H,d,J=7.0Hz)、9.71.(1H,d,J=8.8Hz)、11.62(1H,bs)、11.78(1H,bs)、12.61(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2250,2156,1784,1715。
(2)I−8 370mg(0.38mmol)をCH2Cl26mlとCH3NO26mlに溶解し、アニソール490ml(4.51mmol)を加え、−20℃にてAlCl3のCH3NO2溶液(1M)3.38mlを加えた。同温にて30分間撹拌した。CH3COONa863mg(10.5mmol)のH2O(100ml)溶液にエタノール100ml及びエチルエーテル(200ml)を氷冷下撹拌しておき、反応液を注加した。水層の不溶物を濾取した。得られた不溶物をNaHCO3溶液に溶解し、少量の不溶物を濾過し、その母液をカラムクロマト(10%メタノール/0.05N−NaHCO3)により分離精製した。溶液を減圧濃縮し、1N−HClにてpHを6.9とし、脱塩してI−8’ 70mg(収率:28%)を得た。
I−8’:NMR(d6−DMSO)δ:1.20(3H,t,J=7.2Hz)、3.05,3.49(2H,ABq,J=18.3Hz)、4.11(2H,q,J=7.2Hz)、4.84,5.43(2H,ABq,J=14.0Hz)、5.06(1H,d,J=5.0Hz)、5.67(1H,dd,J=5.0,8.4Hz)、6.50(1H,bs)、7.78(1H,bs)、8.05(2H,d,J=7.0Hz)、9.01(2H,d,J=7.0HZ)、9.47(1H,d,J=8.4Hz)、9.87(1H,s)、11.54(1H,bs)。
IR(KBr)νcm-1:2156,1764,1681,1634。
以下の実施例において、
(1)68 234mg(1mmol)を無水DMSO(7ml)中に溶解させ、N2ガス気流下、V−1 830mg(1.09mmol)を室温にて加え、1時間撹拌した。その後、反応溶液を5%食塩水70ml中に注ぎ、析出する固形物を濾取した。それをアセトニトリル40ml/CHCl320mlの混液に溶解させ、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した後、得られた残渣を酢酸エチル50ml中に加え、析出した沈殿を濾取し、乾燥させ、黄色粉末I−9 739mg(87%)を得た。
I−9:NMR(d6−DMSO)δ:12.67(1H,bs)、12.12(1H,bs)、9.90(1H,d,J=8.7Hz)、8.58(2H,d,J=7.2Hz)、8.19(2H,d,6.9Hz)、7.92(1H,bs)、7.35(2H,d,J=8.4Hz)、7.22(1H,s)、6.92(2H,d,J=8.4Hz)、5.99(1H,dd,J=11.5Hz,7.3Hz)、5.90(1H,s)、5.72(1H,s)、5.21−5.34(5H,m)、3.73(3H,s)、3.43,3.58(2H,ABq,J=19Hz)、1.51(9H,s)
IR(KBr)νcm-1:2970,2148,1784,1711,1635,1548
(2)I−9 729mg(0.86mmol)を無水CH2Cl220mlと無水CH3NO250ml中に加えて懸濁させ、−3℃に冷却し、N2ガス気流下、アニソール1.1ml(10.32mmol)を滴下して加え、更に1mol TiCl4/CH2Cl2溶液5.16ml(5.16mmol)を10分間かけて滴下して加え、その後0℃にて1時間撹拌した。その後、1N HCl10mlと5%食塩水10mlの混合液中に氷冷下にて反応溶液を滴下し、エチルエーテル(80ml)を加え析出する固形物を濾取した。それを1N HClとH2Oで洗浄し、NaHCO3に溶解させてカラム精製を行った。7%アセトニトリル/0.05N NaHCO3溶出部分をpH2.9とし、減圧濃縮し、析出した固形物を濾取した。それをH2O、イソプロパノール、エチルエーテルで洗浄し、淡黄色粉末I−9’’ 266mg(49.4%)を得た。
尚、ルイス酸として1mol AlCl3/CH3NO2溶液を同様に用いても、同様の結果が得られた。
I−9’’:NMR(d6−DMSO)δ:12.11(1H,bs)、8.67(2H,d,J=6.9Hz)、8.22(2H,d,J=7.2Hz)、8.20(2H,s)、7.90(1H,s)、7.21(1H,s)、5.90(1H,dd,J=8.4,4.8Hz)、5.85(1H,s)、5.66(1H,s)、5.38,5.22(2H,ABq,J=18Hz)、5.21(1H,d,J=5.1Hz)、3.56,3.36(2H,ABq,J=18Hz)、
IR(KBr)νcm-1:3412,2256,2156,1777,1677,1636,1569,1219,1149
(3)上記と同様にして、V−1 4.118g(9.92mmol)と69 2.811g(9mmol)より、黄褐色粉末I−9’ 7.35g(76%)を得た。I−9’ 3:NMR(d6−DMSO)δ:12.68(1H,bs)、9.95(1H,d,J=10.3Hz)、8.76(2H,d.J=7.90Hz)、8.43(1H,s)、8.37(2H,d,J=7.50Hz)、7.37(3H,d,J=7.90Hz)、6.91(2H,d,J=8.69Hz)、6.00(1H,dd,J=8.77,6.32Hz)、5.90(1H,bs)、5.71(1H,bs)、5.15〜5.50(5H,m)、3.72(3H,s)、3.49,3.59(2H,ABq,J=19.7Hz)、1.56(9H,s)、1.51(9H,s)
IR(KBr)νcm-1:2970,2150,1788,1714,1634,1246,1149
(1)上記と同様にして、70 1.24g(5.0mmol)とV−1 4.14g(5.0mmol)より黄色粉末I−10 4.75gを得た。更に、上記と同様にして、I−10 4.75g(5mmol)より、淡黄色粉末I−10’’ 1.3g(41%)を得た。
I−10:NMR(d6−DMSO)δ:12.67(1H,bs)、11.84(1H,bs)、9.90(1H,d,J=8.1Hz)、8.60(2H,d,J=4.9Hz)、8.09(2H,d,J=6.9Hz)、7.69(1H,d,J=3.3Hz)、7.36(2H,d,J=8.4Hz)、6.91(2H,d,J=8.7Hz)、6.04(1H,dd,J=8.4,4.8Hz)、5.90(1H,bs)、5.72(1H,bs)、5.20〜5.44(5H,m)、3.72(3H,s)、2.63(3H,s)、1.51(9H,s)
IR(KBr)νcm-1:2970,2150,1784,1711,1633
I−10’’:NMR(d6−DMSO)δ:11.83(1H,bs)、9.80(1H,d,J=8.2Hz)、8.70(2H,d,J=6.60Hz)、8.20(2H,s)、8.13(2H,d,J=6.60Hz)、7.68(1H,d,J=3.40Hz)、5.89(2H,m)、5.62(1H,s)、5.43,5.23(2H,ABq,J=14Hz)、5.20(1H,d,J=5.0Hz)、5.59,5.37(2H,ABq,J=18.5Hz)、2.64(3H,s)
IR(Nujol)νcm-1:3184,2144,1773,1675,1633,1215
(2)上記と同様にして、Bocで保護した70 150mg(0.43mmol)とV−1 328mg(0.43mmol)より、黄褐色粉末I−10’ 451mgを得た。
I−10’:NMR(CDCl3)δ:9.04(1H,d,J=7.0Hz)、8.05(2H,d,J=6.4Hz)、7.91(1H,s)、7.34(2H,d,J=10.5Hz)、6.90(2H,d,J=8.6Hz)、6.0(1H,d,J=5.0Hz)、5.93(1H,m)、5.64(1H,m)、5.20〜5.30(5H,m)、3.81(3H,s)、3.42,3.59(2H,ABq,J=19Hz)、2.36(3H,s)、1.61(9H,s)、1.57(9H,s)
IR(CHCl3)νcm-1:2980,2250,2154,1769,1716,1634,1543,1245,1149
(1)71 500mg(2.36mmol)を無水DMSO20ml中に加え、N2ガス気流下、V−2 2.324g(3.06mmol)を室温にて加え、2時間撹拌した。その後、エチルエーテル500ml中に反応溶液を滴下し、析出する油状物を得た。それをCH2Cl28mlに溶解させ、撹拌したエチルエーテル500ml中にそのCH2Cl2溶液をゆっくりと滴下し、析出した沈殿を濾取し、乾燥させ、黄色粉末I−11 2.5gを得た。
I−11:NMR(d6−DMSO)δ:12.65(1H,bs)、12.60(1H,bs)、9.70(1H,d,J=8Hz)、8.68(2H,d,J=6Hz)、8.18(2H,d,J=7.5Hz)、8.15(1H,bs)、7.45(1H,bs)、7.37(2H,d,J=8.5Hz)、6.84(2H,d,J=8.5Hz)、5.98(1H,dd,J=10,5Hz)、5.12〜5.43(5H,m)、4.20(2H,q,J=7.25Hz)、3.73(3H,s)、3.4〜3.7(2H,m)、1.50(9H,s)、1.23(3H,t,J=7.5Hz)、
IR(CHCl3)νcm-1:2986,2250,2150,1772,1715,1633
(2)上記と同様にして、I−11 290mg(0.3mmol)より、淡黄色粉末I−11’ 68mg(37%)を得た。
I−11’:NMR(d6−DMSO)δ:12.11(1H,bs)、9.60(1H,d,J=8.1Hz)、8.67(2H,d,J=6.9Hz)、8.23(2H,d,J=6.9Hz)、8.14(2H,s)、7.90(1H,s)、7.21(1H,s)、5.90(1H,dd,J=9,5.2Hz)、5.38,5.21(2H,ABq,J=15.8Hz)、5.19(1H,d,J=5.1Hz)、4.14(2H,q,J=6.9Hz)、3.52,3.38(2H,ABq,J=19.5Hz)、1.21(3H,t,J=7.05Hz)
IR(KBr)νcm-1:2989,2257,2155,1775,1674,1636,1569,1335,1162
(1)上記と同様にして、V−3 777mg(1mmol)と71 212mg(1mmol)より、黄色粉末I−12 937mg(95%)を得た。
I−12:NMR(d6−DMSO)δ:12.86(1H,m)、12.64(1H,m)、9.76(1H,d,J=7.5Hz)、8.70(2H,d,J=7.5Hz)、8.21(1H,m)、8.19(2H,d,J=6Hz)、7.56(1H,s)、7.38(2H,d,J=9Hz)、6.92(2H,d,J=9Hz)、6.00(1H,dd,J=9,5Hz)、5.10〜5.50(5H,m)、4.78(1H,m)、4.54(2H,m)、4.32(1H,m)、3.72(3H,s)、1.50(9H,s)
IR(CHCl3)νcm-1:3012,2400,2250,1771,1715,1686,1549,1246,1151
(2)上記と同様にして、原料I−12 930mg(0.94mmol)より、淡黄色粉末I−12’ 117mg(19%)を得た。
I−12’:NMR(d6−DMSO)δ:12.11(1H,bs)、9.67(1H,d,J=9Hz)、8.68(2H,d,J=6.6Hz)、8.23(2H,d,J=6.8Hz)、8.16(2H,s)、7.90(1H,s)、7.21(1H,s)、5.90(1H,dd,J=9,5Hz)、5.38,5.20(2H,ABq,J=14.5Hz)、5.19(1H,d,J=5.0Hz)、4.75(1H,m)、4.51(1H,m)、4.42(1H,m)、4.27(1H,m)、3.55,3.26(2H,ABq,J=19.5Hz)
IR(KBr)νcm-1:2256,2154,1776,1676,1636,1569,1334,1161
(1)上記と同様にして、V−2 910mg(1.2mmol)と72 226mg(1mmol)より、黄色粉末I−13 1.57gを得た。
I−13:NMR(d6−DMSO)δ:12.61(1H,m)、11.96(1H,m)、9.71(1H,d,J=9Hz)、8.60(2H,d,J=6.5Hz)、8.20(1H,m)、8.11(2H,d,J=7Hz)、7.78(1H,s)、7.38(2H,d,J=9.0Hz)、6.96(2H,d,J=9.0Hz)、5.99(1H,m)、5.10〜5.56(5H,m)、4.20(2H,q,J=6.0Hz)、3.73(3H,s)、2.55(3H,s)、3.40〜3.62(2H,m)、1.51(9H,s)、1.23(3H,t,J=7Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2988,2154,1772,1715,1540,1245,1220
(2)上記と同様にして、I−13 985mg(1mmol)より、淡黄色粉末I−13’ 21mg(3.3%)を得た。
I−13’:NMR(d6−DMSO)δ:11.83(1H,bs)、9.59(1H,d,J=9Hz)、8.71(2H,d,J=6.5Hz)、8.14(4H,m)、7.69(1H,d,J=3.0Hz)、5.88(1H,dd,J=8.2,5.1Hz)、5.43,5.19(2H,ABq,J=13.6Hz)、5.18(1H,d,J=5.0Hz)、4.15(2H,q,J=6.3Hz)、3.57,3.29(2H,ABq,J=19Hz)、2.64(3H,s)、1,21(3H,t,J=6.9Hz)
IR(KBr)νcm-1:2253,2155,1779,1634,1563,1391,1156
(1)上記と同様にして、V−2 1.89g(2.48mmol)と67 506mg(2.07mmol)より、黄色粉末I−14 2.27gを得た。
I−14:NMR(d6−DMSO)δ:12.61(1H,s)、12.27(1H,s)、9.71(1H,d,J=9Hz)、8.78(2H,d,J=6.9Hz)、8.05(2H,d,J=6.9Hz)、7.83(1H,s)、7.79(1H,s)、7.71(1H,d,J=16.5Hz)、7.36(2H,d,J=9Hz)、6.92(2H,d,J=8.4Hz)、6.38(1H,d,J=15Hz)、5.99(1H,dd,J=9.8,5Hz)、5.43(2H,ABq,J=15.8Hz)、5.24(3H,d,J=5.1Hz)、4.20(2H,q,J=7.2Hz)、3.73(3H,s)、3.38,3.58(2H,ABq,J=9.8Hz)、1.50(9H,s)、1.24(3H,t,J=7.05Hz)
IR(CHCl3)νcm-1:2988,2362,1774,1716,1601,1540,1243
(2)上記と同様にして、原料I−14 2.256g(2.07mmol)より、淡黄色粉末I−14’ 536mg(40%)を得た。
I−14’:NMR(d6−DMSO)δ:12.06(1H,bs)、9.60(1H,d,J=9Hz)、8.89(2H,d,J=6.6Hz)、8.03(2H,d,J=6.9Hz)、7.71(1H,s)、7.57(1H,d,J=15.3Hz)、7.48(1H,s)、6.25(1H,d,J=15.6Hz)、5.83(1H,dd,J=8.3,6Hz)、5.44,5.23(2H,ABq,J=15Hz)、5.18(1H,d,J=6Hz)、4.14(2H,q,J=6.9Hz)、3.60,3.37(2H,ABq,J=18Hz)、1.22(3H,d,J=7.05Hz)
IR(KBr)νcm-1:2980,2242,2156,1774,1671,1634,1539,1391,1169
(1)上記と同様にして、V−2 911mg(1.2mmol)と73 273mg(1mmol)より、黄褐色粉末I−15 1.12gを得た。
I−15:NMR(d6−DMSO)δ:12.60(1H,m)、12.31(1H,m)、9.70(1H,d,J=9Hz)、8.66(2H,d,J=7.0Hz)、8.29(1H,s)、8.22(2H,d,J=8.5Hz)、7.79(1H,s)、7.61(1H,s)、7.38(2H,d,J=9Hz)、6.95(2H,d,J=9.1Hz)、5.99(1H,dd,J=9.5Hz)、5.40(2H,m)、5.24(3H,m)、4.20(2H,q,J=7.5Hz)、3.73(3H,s)、3.30〜3.60(2H,m)、1.50(9H,s)、1.23(3H,t,J=7.5Hz)
IR(Nujol)νcm-1:2978,2158,1772,1716,1542,1369,1245
(2)上記と同様にして、I−15 1.1g(1.0mmol)より、黄色粉末I−15’ 282mg(41%)を得た。
I−15’:NMR(d6−DMSO)δ:12.22(1H,bs)、9.60(1H,d,J=9.0Hz)、8.79(2H,d,J=6.8Hz)、8.14(3H,s)、7.74(1H,s)、7.55(1H,s)、5.87(1H,dd,J=8.5,5Hz)、5.41,5.23(2H,ABq,J=15Hz)、5.18(1H,d,J=5.0Hz)、4.14(2H,q,J=7.0Hz)、3.36〜3.60(2H,m)、1.21(3H,t,J=7.1Hz)
IR(KBr)νcm-1:2984,2257,2157,1775,1671,1623,1564,1348,1155
(1)上記と同様にして、V−2 1.82g(2.4mmol)と74 5.05mg(2mmol)より、黄色粉末I−16 2.26gを得た。
I−16:NMR(d6−DMSO)δ:12.61(1H,s)、12.30(1H,s)、9.70(1H,d,J=9Hz)、8.68(2H,d,J=6.6Hz)、8.29(2H,d,J=6.9Hz)、8.13(1H,s)、7.37(2H,d,J=8.7Hz)、7.31(1H,s)、6.92(2H,d,J=8.4Hz)、5.99(1H,dd,J=9.5Hz)、5.39(2H,brs)、5.24(3H,m)、4.20(2H,q,J=7.2Hz)、3.73(3H,s)、3.51(2H,ABq,J=19.5Hz)、2.15(3H,s)、1.50(9H,s)、1.23(3H,t,J=7.2Hz)、
IR(CHCl3)νcm-1:2990,2234,2144,1771,1716,1682,1629,1245,1543
(2)上記と同様にして、I−16 2.02g(2mmol)より、黄色粉末I−16’ 476mg(36%)を得た。
I−16’:NMR(d6−DMSO)δ:12.10(1H,bs)、9.62(1H,d,J=9Hz)、8.73(2H,d,J=6.9Hz)、8.24(2H,d,J=7.2Hz)、8.12(2H,s)、8.08(1H,d,J=1.2Hz)、7.36(1H,s)、7.11(1H,s)、5.86(1H,dd,J=9.8,5.1Hz)、5.41,5.20(2H,ABq,J=14Hz)、5.18(1H,d,J=4.8Hz)、4.15(2H,q,J=6.9Hz)、3.58,3.33(2H,ABq,J=18Hz)、2.09(3H,s)、1.22(3H,t,J=7.2Hz)
IR(KBr)νcm-1:2987,2243,2150,1775,1672,1631,1530,1355,1152
(1)112 229mg(1mmol)を無水DMSO7ml中に加えて懸濁させ、N2ガス気流下、V−1 957mg(1.2mmol)を室温にて加え、室温で100分間撹拌させた。その後、不溶物を濾去後、濾液を5%食塩水中に滴下して加え、析出する固形物を濾取し、5%飽和食塩水で洗浄した。更に、その固形物をアセトニトリル/CHCl3=3/1に溶解させ、有機層を分取し、MgSO4で乾燥させた。MgSO4を濾去後、濾液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル100ml中に注ぎ、析出する固形物を濾取し、乾燥させ、黄色粉末I−17 344mg(40%)を得た。
I−17:NMR(d6−DMSO)δ:12.69(1H,bs)、9.90(1H,d,J=8.2Hz)、8.85(2H,d,J=7Hz)、8.71(1H,s)、8.49(2H,d,J=7Hz)、8.24(3H,s)、7.37(2H,d,J=8Hz)、6.90(2H,d,J=8Hz)、5.99(1H,dd,J=8.2,4.8Hz)、5.94(1H,s)、5.67(1H,bs)、5.47(2H,bs)、5.14−5.26(3H,m)、3.72(3H,s)、3.40−3.70(2H,m)、1.51(9H,s)
IR(KBr)νcm-1:2970,2166,1787,1712,1632,1539,1245,1151,855
(2)前と同様にして、I−17 335mg(0.388mmol)より、黄白色粉末I−17’ 25mg(10%)を得た。
I−17’:NMR(d6−DMSO)δ:9.79(1H,d,J=8.1Hz)、8.98(2H,d,J=6.6Hz)、8.66(1H,d,J=1.8Hz)、8.53(2H,d,J=6.9Hz)、8.19(3H,s)、5.89(1H,dd,J=8.0,5.3Hz)、5.84(1H,s)、5.66(1H,s)、5.51,5.32(2H,ABq,J=14.6Hz)、5.20(1H,d,J=5.1Hz)、3.56,3.37(2H,ABq,J=18.3Hz)
IR(KBr)νcm-1:2170,1777,1675,1633,1538,1349,1154,1062,989
(1)前と同様にして、V−2 1.749g(1.844mmol)と103 413mg(1.756mmol)より、黄色粉末I−18 1.462g(96%)を得た。
I−18:NMR(d6−DMSO)δ:14.11(1H,bs)、12.60(1H,bs)、9.70(1H,d,J=8.4Hz)、8.85(2H,d,J=6.8Hz)、8.47(2H,d,J=6.8Hz)、7.49(1H,s)、7.35(2H,d,J=8.6Hz)、6.91(2H,d,J=8.6Hz)、5.99(1H,dd,J=8.6,5.0Hz)、5.43,5.51(2H,ABq,J=16.5Hz)、5.16−5.33(3H,m)、4.19(2H,q,J=7.0Hz)、3.72(3H,s)、3.60,3.47(2H,ABq,J=19Hz)、1.50(9H,s)、1.23(3H,t,J=7.2Hz)
IR(KBr)νcm-1:2970,2154,1789,1713,1636,1538,1341,1245,1151,1034
(2)前と同様にして、I−18 1.452g(1.677mmol)より、白色粉末I−18’ 330mg(32%)を得た。
I−18’:NMR(d6−DMSO)δ:14.09(1H,bs)、9.60(1H,d,J=8.4Hz)、8.92(2H,d,J=6.9Hz)、8.51(2H,d,J=6.9Hz)、8.12(2H,s)、7.47(1H,s)、5.91(1H,dd,J=8.4,4.8Hz)、5.52,5.38(2H,ABq,J=14.9Hz)、5.19(1H,d,J=5.1Hz)、4.14(2H,q,J=7.2Hz)、3.56,3.41(2H,ABq,J=19.5Hz)、1.21(3H,t,J=7.05Hz)
IR(KBr)νcm-1:2970,2158,1774,1671,1636,1526,1403,1345,1154,1036
(1)117 306mg(1.2mmol)を無水DMSO 6ml中に懸濁させ、N2ガス気流下、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド292μl(1.2mmol)を撹拌下、滴下して加え、更にV−2 1.195g(1.26mmol)を加えて、室温で85分間撹拌させた。その後、反応液を5%飽和食塩水65ml中に滴下して加え、析出した固形物を濾取し、H2Oで洗浄した。その後、その黄色固形物をアセトニトリル/CHCl3(80ml/30ml)に溶解させ、MgSO4で乾燥した。MgSO4を濾去後、濾液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル50ml中に加え、更にエチルエーテル100mlを加えた。析出した固形物を濾取し、乾燥させ、黄色粉末I−19 840mg(79%)を得た。
I−19:NMR(d6−DMSO)δ:12.60(1H,bs)、9.69(1H,d,J=8.4Hz)、8.91(2H,d,J=7.2Hz)、8.78(1H,s)、8.44(2H,d,J=6.9Hz)、8.19(1H,s)、7.63(1H,d,J=15.6Hz)、7.35(2H,d,J=8.7Hz)、6.91(2H,d,J=8.7Hz)、6.39(1H,d,J=15.6Hz)、5.99(1H,dd,J=8.6Hz,5.0Hz)、5.53,5.46(2H,ABq,J=13.5Hz)、5.17−5.26(3H,m)、4.20(2H,q,J=7.2Hz)、3.72(3H,s)、3.54,3.59(2H,ABq,J=17.3Hz)、1.50(9H,s)、1.23(3H,t,J=7Hz)
IR(KBr)νcm-1:2970,2228,2148,1788,1713,1630,1537,1514,1369,1245,1153,1033
(2)前と同様にして、I−19 831mg(0.94mmol)より、黄白色粉末I−19’ 232mg(37%)を得た。
I−19’:NMR(d6−DMSO,D2O)δ:9.62(1H,d,J=7.5Hz)、9.00(2H,d,J=6.0Hz)、8.70(1H,s)、8.44(2H,d,J=4.8Hz)、8.12(1H,s)、7.58(1H,d,J=15.3Hz)、6.35(1H,d,J=15.2Hz)、5.87(1H,d,J=6Hz)、5.54,5.33(2H,ABq,J=15Hz)、5.17(1H,d,J=6Hz)、4.13(2H,q,J=7.5Hz)、3.77,3.37(2H,ABq,J=18Hz)、1.22(3H,t,J=6.8Hz)
IR(KBr)νcm-1:2257,2158,1776,1674,1623,1536,1357,1156,1038
(1)前と同様にして、96(E)123mg(0.488mmol)とV−2 458mg(0.58mmol)より、黄色粉末I−20 393mg(定量的)を得た。
I−20:NMR(d6−DMSO)δ:12.60(1H,bs)、12.49(1H,bs)、9.69(1H,d,J=8.1Hz)、8.68(2H,d,J=6.9Hz)、8.24(2H,d,J=6.6Hz)、8.22(1H,s)、7.41(1H,s)、7.35(2H,d,J=8.7Hz)、6.92(2H,d,J=8.7Hz)、6.27(1H,d,J=0.6Hz)、5.99(1H,dd,J=8.25,4.95Hz)、5.41,5.38(2H,ABq,J=9Hz)、5.16−5.25(3H,m)、4.20(2H,q,J=7.2Hz)、3.73(3H,s)、3,57,3.49(2H,ABq,J=17.3Hz)、1.50(9H,s)、1.24(3H,t,J=7.05Hz)
IR(KBr)νcm-1:2972,2230,2144,1786,1711,1633,1610,1543,1245,1153,1033,931
(2)前と同様にして、I−20 382mg(0.43mmol)より、黄緑色粉末I−20’ 75mg(26%)を得た。
I−20’:NMR(d6−DMSO)δ:12.26(1H,bs)、9.55(1H,d,J=7.8Hz)、8.84(2H,d,J=6Hz)、8.21(2H,d,J=6Hz)、8.13(2H,s)、8.08(1H,s)、7.25(1H,s)、6.31(1H,s)、5.84(1H,dd,J=9,5.4Hz)、5.39,5.16(2H,ABq,J=14Hz)、5.14(1H,d,J=5.4Hz)、4.14(2H,q,J=6.3Hz)、3.58,3.26(2H,ABq,J=20Hz)、2.50(3H,s)、1.21(3H,t,J=6.9Hz)
IR(KBr)νcm-1:2238,2147,1775,1676,1635,1605,1525,1353,1154,1037,933
前と同様にして、96(z) 162mg(0.642mmol)とV−2 552mg(0.706mmol)より、黄褐色粉末I−21 485mg(99%)を得た。
I−21:NMR(d6−DMSO)δ:12.60(1H,bs)、12.42(1H,bs)、9.69(1H,d,J=8.1Hz)、8.65(2H,d,J=6.6Hz)、8.22(2H,dd,J=6.6,0.6Hz)、8.16(1H,d,J=3.0Hz)、7.36(2H,d,J=8.4Hz)、7.33(1H,d,J=3.0Hz)、6.92(2H,d,J=8.4Hz)、5.98(1H,dd,J=8.9,4.5Hz)、5.71(1H,s)、5.39,5.37(2H,ABq,J=8Hz)、5.13−5.26(3H,m)、4.20(2H,q,J=6.9Hz)、3.73(3H,s)、3.48,3.56(2H,ABq,J=18.8Hz)、2.24(3H,s)、1.50(9H,s)、1.23(3H,t,J=7.2Hz)
IR(KBr)νcm-1:2970,2240,2144,1787,1712,1632,1546,1514,1246,1154,1033,932
試験例1
最小阻止濃度(MIC:minimal inhibitory concentration)は寒天希釈法(agar dilution method)により決定された。即ち、順次薄められた試験化合物の水溶液1.0mlをシャーレ(petri dish)に注ぎ、次にトリプティカーゼ ソイ アガー(Trypticase soy agar)9.0mlを注いで混ぜた。その混合寒天プレート上に、試験菌の懸濁液(約106CFU/ml)を塗沫した。37℃で一夜培養した後、試験菌の増殖を完全に阻害する試験化合物の最低濃度をMICとした。
試験菌:グラム陽性:S.pyogenes C-203, S.agalactiae ATCCl3813, S.pneumoniae Type I, S.pneumoniae SR16675(PC-R)、S.mitis ATCC9811;グラム陰性:K.pneumoniae SR1, P.mirabilis PR-4, P.vulgaris CN-329
結果:
表1から、本発明化合物は臨床上重要視されてている病原性細菌の代表的な菌株に対してバランスよく優れた抗菌作用を示すことが明らかである。
試験例2
血中半減期及びマウス感染治療効果を、上記試験例1と同様、化合物I−9”及び対照化合物(1)を用いて調べた。
結果を表2葵び3に示す。
緑膿菌等に対する抗菌作用の発現には、薬剤との長時間の接触が必要であり、血中半減期(T1/2)が長い方が有利である。上記の結果は、本発明化合物が緑膿菌感染症にも有効であることを示している。
上記の結果は、発明化合物がインビボで有効であることを示している。
Claims (6)
- Aが単結合又はビニル基、Bが単結合、Dが単結合である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
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