JP3164390B2 - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

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JP3164390B2
JP3164390B2 JP00222892A JP222892A JP3164390B2 JP 3164390 B2 JP3164390 B2 JP 3164390B2 JP 00222892 A JP00222892 A JP 00222892A JP 222892 A JP222892 A JP 222892A JP 3164390 B2 JP3164390 B2 JP 3164390B2
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セファロスポリン抗生
物質、該抗生物質を含有する医薬製剤、ならびにヒトお
よび他の動物の感染症を治療するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セファロスポリン抗生物質は、以下の式
で表される二環式の環系を有する。この式において、番
号付与の方法は任意のセファムの命名法において通常用
いられるものである:
【化9】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗菌治療の分野におい
て、新しい化学治療剤の必要性は決して絶えることのな
いものである。 既存の抗菌剤に耐性の突然変異株に遭
遇することがよくある。特に、Staph. aureusおよびSta
ph. epiの多くの株[いわゆる、メチシリン耐性のStaph.
(MRS)]は、利用可能な抗菌剤に対して次第に耐性が
高くなってきている[例えば、Phillips, I.およびCooks
on, B., J. Appl. Bacteriology 67(6)、 1989を参照]。
この必要性に応じるために、このような新しい薬剤に焦
点を当てた大きな研究努力が続けられている。本発明
は、広範囲にわたる様々なグラム陽性菌およびグラム陰
性菌に対して有用な抗菌剤を提供する。本発明の化合物
はこれらのメチシリン耐性のStaph.生物に対して特に有
用である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗菌剤として
有用な様々な3−チアゾロチオセファロスポリン類を提
供する。特に、本発明は、抗菌剤として有用な7β−
(2−アミノチアゾール−4−イル)オキシイミノ(また
はアルコキシイミノ)アセチルアミノ−3−所望により
置換されたチアゾロチオ−3−セフェム−4−カルボン
酸を提供する。また本発明は、ヒトおよび他の動物の細
菌感染症の処置において有用な医薬製剤および治療方法
を提供する。
【0005】本発明は、以下の式(1)で示される化合物
またはその薬学的に許容し得る塩を提供する:
【化10】 [式中、Rは水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケ
ニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、
またはC1〜C6ハロアルキルであり;AおよびA'は独
立して水素、C1〜C6アルキル、ニトロ、アミノ、C1
〜C6アルコキシ、窒素もしくは硫黄を含む5〜6員の
複素環、またはフェニルであるか;またはAおよびA'
は共に連結して以下の式で示される基を形成する:
【化11】 (式中、Xは水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1
6アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、アミ
ノ、ニトロ、またはカルボキシであり;そしてYは窒素
または炭素である)]。
【0006】「薬学的に許容し得る塩」の語は、カルボン
酸陰イオンと共に形成される塩を包含し、例えば、アル
カリおよびアルカリ土類金属(リチウム、ナトリウム、
カリウム、バリウムおよびカルシウム等);アンモニウ
ム;および有機陽イオン(ジベンジルアンモニウム、ベ
ンジルアンモニム、2−ヒドロキシエチルアンモニウ
ム、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニ
ルエチルベンジルアンモニウム、ジベンジルエチレンジ
アンモニウム等の陽イオン)から選ばれる対イオンのよ
うな有機および無機陽イオンと共に形成される塩を含
む。上記の用語に包含される他の陽イオンには、プロト
ン化型のプロカイン、キニンおよびN−メチルグルコサ
ミンならびにプロトン化型のグリシン、オルニチン、ヒ
スチジン、フェニルグリシン、リジンおよびアルギニン
等の塩基性アミノ酸が含まれる。さらに、カルボン酸と
アミノ基により形成される、両性イオン型の式(1)で表
される化合物もこの用語で呼称される。カルボン酸陰イ
オンのための好ましい陽イオンは、ナトリウム陽イオン
である。さらに、この用語には、塩基性基(アミノ基等)
と有機酸または無機酸の通常の酸−塩基反応により形成
される塩が含まれる。このような酸には、塩酸、硫酸、
リン酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、マレイン
酸、フマル酸、パルミチン酸、コール酸、パモ酸、粘液
酸、D−グルタミン酸、d−ショウノウ酸、グルタル
酸、フタル酸、酒石酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サ
リチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ソ
ルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、ケイ皮酸およびその
他の酸が含まれる。
【0007】上記式(1)において、「C1〜C6アルキル」
の語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミ
ル、tert−アミル、ヘキシル等の基を表す。好ましい
「C1〜C6アルキル」基はメチルである。
【0008】「C2〜C6アルケニル」の語は、直鎖式また
は分枝鎖式の低級アルケニルを表し、例としてビニル、
アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、メタリル、または
1,1−ジメチルアリルが挙げられる。
【0009】「C2〜C6アルキニル」の語は、直鎖式また
は分枝鎖式の低級アルキニルを表し、例としてエチニ
ル、1−プロピニル、またはプロパルギルが挙げられ
る。
【0010】「C3〜C10シクロアルキル」の例として
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルまたは
アダマンタイルが挙げられる。
【0011】「C1〜C6ハロアルキル」の語は、ハロゲン
原子1個で置換された上記のC1〜C6アルキル基を表
す。ここで、「ハロ」もしくは「ハロゲン」とは、クロロ、
ブロモ、ヨード、およびフルオロを表す。フルオロC1
〜C6アルキルが好ましい。フルオロエチルはさらに好
ましい「C1〜C6ハロアルキル」基である。
【0012】「C1〜C6アルコキシ」の語は、メトキシ、
エトキシ、3−プロポキシ、ブチルオキシ等の基を意味
する。
【0013】「ハロゲン」には、フルオロ、ブロモ、クロ
ロおよびヨードが含まれる。
【0014】「C1〜C6アルコキシカルボニル」の語は、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、3−プロポ
キシカルボニル、3−エトキシカルボニル、4−t−ブ
チルオキシカルボニル、3−メトキシカルボニル、6−
メトキシカルボニル等の基を表す。
【0015】「窒素または硫黄を含む5〜6員の複素環」
の語は、ピリジンおよびチオフェンを含み、1以上の窒
素または硫黄およびそれらの組合せを含んでいてもよ
い。他の例としては、本明細書の一部を構成するFletch
er, Dermer & Otis, Nomenclature of Organic Compoun
ds, pp. 49-64 (1974)に記載されているものが含まれ
る。
【0016】以下の反応式1に従い、式(1)の化合物を
製造することができる:
【化12】
【0017】出発物質(A)(式中、Rはメチル)である2
−(トリチル)アミノ−α−(メトキシ−イミノ)−4−チ
アゾール酢酸は、対応する遊離アミン(Aldrich Chemica
l Co., Inc., 940 West Saint Paul Avenue, Milwauke
e, Wisconsin 53233より入手可能)からβ−ラクタムの
分野において周知の方法を使用して製造することができ
る。出発物質(B)である7−アミノ−3−トリフルオロ
メタンスルホニルオキシ−3−セフェム−4−カルボン
酸ベンズヒドリルは、例えば対応する3−エノール−3
−セフェムおよびトリフルオロメタンスルホノキシ酢酸
無水物から、既知の方法を用いて製造することができる
[Syn. Commun. 20(14), 2185-2189(1990)]。
【0018】反応式1において、(A)の酸クロリドは既
知の方法により、例えば塩化ホスホリルとの反応により
製造することができ、これを遊離アミン(B)と反応させ
て7−アシル−3−トリフレート(C)を得る。次いで、
トリフレート(C)を、以下の式:
【化13】 で示される化合物とNaH等の塩基の存在下で反応させ
ることにより、チアゾロチオ基を導入することができ
る。次いで、アミノおよびカルボキシ保護基を除去する
ことにより最終生成物(1)を製造することができる。上
記の反応式において、CF3CO2H/(CH3CH2)3Si
Hを用いてトリチルおよびベンズヒドリル基を除去す
る。他の保護基が意図した効果を生ずることは、β−ラ
クタム化学の分野の者には理解されるであろう。さら
に、後記の式(2)で示される有用な中間体を得るため
に、7−アシル官能基の挿入に先立ってチアゾロチオ官
能基をセフェム核(B)の3−位に導入してもよい。
【0019】別法によれば、本化合物は以下の反応式2
に従って製造することもできる:
【化14】
【0020】反応式2において、酢酸(A)をDMF中に
溶解してN−メチルモルホリンおよび塩化オキサリルで
処理する。DMFに溶解してビス(ジメチルシリル)尿素
(BSU)で処理した7β−アミノ−3−クロロ−セフェ
ムとピリジンの混合物を上記酢酸と混合し、(C)を製造
する。次いで、化合物(C)をジフェニルジアゾメタンで
処理し、NaH等の塩基の存在下にチアゾロチオ基を導
入して化合物(D)を製造する。ベンズヒドリルおよびト
リチル基の除去は、反応式1と同様に行うことができ
る。
【0021】以下の式:
【化15】 [式中、AおよびA'は共に連結して以下の式:
【化16】 で示される基を形成し、Yは窒素である]で示される化
合物は、以下の反応式3に従って製造することができ
る:
【化17】
【0022】反応式3において、3−アミノピリジンを
ジ−t−ブチルジカルボネートでアシル化してt−ブト
キシカルボニル(t−BOC)保護基を導入する(他の2
つのピリジノチアゾロチオ・メルカプタンは既知の方法
により他のアミノピリジン異性体を用いて製造しうるこ
とは理解されるであろう)。次いで、t−BOCで保護
された3−アミノピリジンをテトラヒドロフラン中のn
−ブチルリチウム、次いで硫黄元素(S8)で処理し、続
いて飽和塩化アンモニウムで処理する。得られた3−t
−ブトキシカルボニルアミノ−4−チア−ピリジンを酢
酸と塩酸の混合物で処理して3−アミノ−4−メルカプ
トピリジン・塩酸塩を得る。次いで、この化合物を塩基
性条件下に二硫化炭素で処理することにより、所望の5
−ピリジノチアゾロチオメルカプタンを製造することが
できる。
【0023】AおよびA'が共に連結して以下の式:
【化18】 で示される基を形成するときには、以下の式:
【化19】 で示される所望のチオールを以下の反応式4に示すよう
に製造することができる:
【化20】
【0024】上記反応式において、2−クロロ−3−ニ
トロピリジンをイソチオシアン酸カリウムで処理して2
−イソシアナト−3−ニトロピリジンを得、これを次に
加水分解して2−メルカプト−3−ニトロピリジンを得
る。次いで、この3−ニトロ中間体をSnCl2/HClで
処理することにより還元し、2−メルカプト−3−アミ
ノピリジンを得る。次いで、所望のピリジノチアゾロチ
オ・メルカプタンを、CS2との塩基触媒での縮合(KO
H/CH3OH/CS2/H2O)により製造する。
【0025】式(1)の範囲内にある化合物の例を以下に
示す:
【化21】 I群:AおよびA'がそれぞれHであり、Rが、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチ
ル、イソヘキシル、フルオロメチル、1−フルオロエタ
−2−イル、1−フルオロプロパ−3−イル、1−フル
オロブタ−4−イル、1−フルオロヘキサ−5−イル、
クロロメチル、1−クロロエタ−2−イル、1−クロロ
プロパ−3−イル、1−クロロブタ−4−イル、ブロモ
メチル、1−ブロモエタ−2−イル、1−ブロモプロパ
−3−イル、1−ブロモブタ−4−イル、ビニル、1−
プロペン−2−イル、1−ブテン−4−イル、1−ペン
テン−5−イル、1−ヘキセン−6−イル、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
である化合物; II群:AがNO2、A'がHであり、Rが、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロ
ピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘ
キシル、フルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イ
ル、1−フルオロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ
−4−イル、1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメ
チル、1−クロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−
3−イル、1−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、
1−ブロモエタ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イ
ル、1−ブロモブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン
−2−イル、1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5
−イル、1−ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである化
合物; III群:AがNH2、A'がHであり、Rが、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプ
ロピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソ
ヘキシル、フルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イ
ル、1−フルオロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ
−4−イル、1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメ
チル、1−クロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−
3−イル、1−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、
1−ブロモエタ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イ
ル、1−ブロモブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン
−2−イル、1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5
−イル、1−ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである化
合物; IV群:AがCH3、A'がHであり、Rが、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロ
ピル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘ
キシル、フルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イ
ル、1−フルオロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ
−4−イル、1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメ
チル、1−クロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−
3−イル、1−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、
1−ブロモエタ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イ
ル、1−ブロモブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン
−2−イル、1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5
−イル、1−ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである化
合物; V群:AおよびA'が共に連結して次式:
【化22】 で示される基を形成し、Rが、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソ
ブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、フ
ルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イル、1−フル
オロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ−4−イル、
1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメチル、1−ク
ロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−3−イル、1
−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、1−ブロモエ
タ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イル、1−ブロ
モブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン−2−イル、
1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5−イル、1−
ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルである化合物; VI群:AおよびA'が共に連結して次式:
【化23】 で示される基を形成し、Rが、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソ
ブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、フ
ルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イル、1−フル
オロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ−4−イル、
1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメチル、1−ク
ロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−3−イル、1
−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、1−ブロモエ
タ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イル、1−ブロ
モブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン−2−イル、
1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5−イル、1−
ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルである化合物; VII群:AおよびA'が共に連結して次式:
【化24】 で示される基を形成し、Rが、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソ
ブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、フ
ルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イル、1−フル
オロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ−4−イル、
1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメチル、1−ク
ロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−3−イル、1
−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、1−ブロモエ
タ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イル、1−ブロ
モブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン−2−イル、
1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5−イル、1−
ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルである化合物;ならび
に VIII群:AおよびA'が共に連結して次式:
【化25】 で示される基を形成し、Rが、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソ
ブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、フ
ルオロメチル、1−フルオロエタ−2−イル、1−フル
オロプロパ−3−イル、1−フルオロブタ−4−イル、
1−フルオロヘキサ−5−イル、クロロメチル、1−ク
ロロエタ−2−イル、1−クロロプロパ−3−イル、1
−クロロブタ−4−イル、ブロモメチル、1−ブロモエ
タ−2−イル、1−ブロモプロパ−3−イル、1−ブロ
モブタ−4−イル、ビニル、1−プロペン−2−イル、
1−ブテン−4−イル、1−ペンテン−5−イル、1−
ヘキセン−6−イル、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルである化合物。
【0026】上記の式(1)において、Rは好ましくはC
1〜C6アルキルまたはC1〜C6ハロアルキルである。好
ましいC1〜C6アルキル基はメチルである。好ましいC
1〜C6ハロアルキル基はフルオロ−C1〜C6アルキルで
ある。さらに好ましいフルオロ−C1〜C6アルキル基は
2−フルオロエタ−1−イル基である。
【0027】上記の式(1)において、AおよびA'が共
に連結して以下の式:
【化26】 で示される基を形成する化合物が好ましい。
【0028】さらに好ましい化合物は、Yが窒素であ
り、AおよびA'が共に連結して以下の式:
【化27】 で示される基を形成する化合物であり、例えば以下の
式:
【化28】 で示される化合物、またはこれら化合物の薬学的に許容
し得る塩である。さらに好ましい上記式で示される2つ
の化合物は、Rがメチルまたは2−フルオロエタ−1−
イルである化合物である。
【0029】さらに本発明は、ヒトおよび他の動物にお
ける感染症を治療する方法およびその治療法における投
与に適した医薬製剤を提供する。本発明の治療方法は、
式(1)により表される化合物またはその薬学的に許容し
得る塩の抗生物質的に有効な非毒性用量をヒトまたは他
の動物に投与することからなる。
【0030】抗生物質的に有効な量は約25mgから約2
gの範囲の量である。化合物、塩またはエステルを1日
当たり1回投与または多回投与することができる。治療
は、感染の期間に応じて1週間から10日間もしくはそ
れ以上にわたって継続してよい。特定の用量および処方
は、患者の体重および年令、特定の原因生物、感染の重
度、患者の全般的な健康状態、および抗生物質に対する
個々の耐性等の因子に依存する。
【0031】セファロスポリンを非経口、皮下または直
腸内に投与することができる。他のβ−ラクタム抗生物
質と同様に、本発明の方法を予防的に、例えば術前に用
いて、暴露後または起こり得る暴露前の感染を防止して
もよい。抗生物質を通常の方法、例えば注射器または静
脈内点滴により投与してもよい。
【0032】上記に示されている薬学的に許容し得る塩
は、抗生物質製剤を調製するのに有用な抗生物質の型に
することができる。
【0033】本発明の医薬製剤は、抗生物質として有効
な非毒性量の式(1)で表される化合物またはその薬学的
に許容し得る非毒性の塩、および薬学的に許容し得る担
体からなる。
【0034】注射用の抗菌剤の非経口用製剤は、注射用
水、リンガー溶液、生理的食塩水またはグルコース溶液
と共に製剤化される。また、抗生物質は点滴法により静
脈注入液で投与してもよい。
【0035】非経口での使用のために、式(1)の抗菌物
質またはその薬学的に許容し得る塩を好ましくは乾燥結
晶性粉末型でまたは凍結乾燥粉末として調製し、これを
バイヤルに充填することができる。この様なバイヤル
は、1バイヤル当たり約100mgから約2gの範囲の抗
生物質を含有することができる。
【0036】本発明のさらに別の態様として、以下の式
(2)で示される新規な中間体が提供される:
【化29】 [式中、R0はアミノまたは保護されたアミノ基であり;
R'は水素またはカルボキシ−保護基であり;そしてA
およびA'は独立して水素、C1〜C6アルキル、フェニ
ル、ニトロ、アミノ、窒素または硫黄を含む5員もしく
は6員の複素環、またはC1〜C6アルコキシであるか;
またはAおよびA1は共に連結して以下の式で示される
基を形成する:
【化30】 (式中、Xは水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコ
キシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、アミノ、ニト
ロ、またはカルボキシ、そしてYは窒素または炭素であ
る)]。
【0037】式(2)において、「カルボキシ−保護基」の
語は、化合物の他の官能基上で反応が行われている際に
カルボン酸基をブロックまたは保護するために通常用い
られる、カルボン酸基のエステル誘導体のいずれかを意
味する。このようなカルボン酸保護基の例として、4−
ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジ−
メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,
4,6−トリメトキシベンジル、2,4,6−トリメチル
ベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4−メチレンジ
オキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'−ジメトキシ
ベンズヒドリル、2,2',4,4'−テトラメトキシベン
ズヒドリル、t−ブチル、t−アミル、トリチル、4−
メトキシトリチル、4,4'−ジメトキシトリチル、4,
4',4''−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロパ
−2−イル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシ
リル、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、β−
(トリメチルシリル)エチル、β−[ジ(n−ブチル)メチ
ルジリル]エチル、p−トルエンスルホニルエチル、4
−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シナミ
ル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エン−
3−イル等の基が挙げられる。用いられるカルボキシ保
護基の種類は、誘導体化されたカルボン酸が、分子の他
の位置における後の反応の条件に対して安定であり、分
子の残りの部分を破壊することなく、適当な時点で除去
される限り限定されない。特に、強力な求核性塩基また
はラネーニッケル等の高度に活性化された金属触媒を用
いる還元条件にカルボキシ保護分子をさらさないことが
重要である(本明細書で記述されるアミノ保護基を除去
する際にもこの様な苛酷な除去条件を避けるべきであ
る)。好ましいカルボン酸保護基はアリル、ベンズヒド
リル、およびp−ニトロベンジル基である。セファロス
ポリン、ペニシリンおよびペプチドの技術分野で用いら
れる同様のカルボキシ保護基もカルボキシ基を保護する
ために用いることができる。これらの基の例としてはさ
らに、E. Haslam, "Protective Groups in Organic Che
mistry", J.G.W. McOmie, Ed., Plenum Press, New Yor
k, N.Y., 1973, Chapter 5, およびT.W. Greene, "Prot
ective Groups in Organic Synthesis", John Wileyお
よびSons, New York, N.Y., 1981, Chapter 5に記載さ
れている。
【0038】式(2)で用いられる「保護されたアミノ基」
の語は、化合物上の他の官能基を反応させる際にアミノ
官能性をブロックまたは保護するために通常用いられる
基で置換されているアミノ基を意味する。この様なアミ
ノ保護基の例には、ホルミル基、トリチル基、t−ブト
キシカルボニル基、フタルイミド基、フェノキシアセチ
ル、トリクロロアセチル基、クロロアセチル、ブロモア
セチルおよびヨードアセチル基、ウレタン型のブロック
基、例えばベンジルオキシカルボニル、4−フェニルベ
ンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカ
ルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3
−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジ
ルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシ
カルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3
−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボ
ニル、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、
1,1−ジフェニルエタ−1−イルオキシカルボニル、
1,1−ジフェニル−プロパ−1−イルオキシカルボニ
ル、2−フェニルプロパ−2−イルオキシカルボニル、
2−(P−トルイル)プロパ−2−イルオキシカルボニ
ル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−メチルシ
クロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオ
キシカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカ
ルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニ
ル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニ
ル、2−(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−
(トリフェニルホスフィノ)エトキシカルボニル、9−フ
ルオレニルメトキシカルボニル("FMOC")、2−(ト
リメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカ
ルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−
エニルオキシカルボニル、5−ベンズイソキサリルメト
キシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボ
ニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−
エチニル−2−プロポキシカルボニル、シクロプロピル
メトキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキ
シカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピ
ペリジルオキシカルボニル;ベンゾイルメチルスルホニ
ル基、2−(ニトロ)フェニルスルフェニル基、酸化ジフ
ェニルホスフィン基等のアミノ保護基が含まれる。誘導
体化されたアミノ基が分子の他の部位における以降の反
応の条件に対して安定であって、分子の残りの部分を破
壊させずに適当な時点で除去することができる限りは、
用いられるアミノ保護基の種類は限定されない。好まし
いアミノ保護基は、アリルオキシカルボニル、フェノキ
シアセチル、t−ブトキシカルボニルおよびトリチル基
である。セファロスポリン、ペニシリンおよびペプチド
の技術分野で用いられる同様のアミノ保護基もまた上記
の用語に包含される。上記の用語により表される基の例
はさらにJ.W.Barton, "Protective Groups in Organic
Chemistry", J.G.W. McOmie, Ed.,Plenum Press, New Y
ork, N.Y., 1973, Chapter 2およびT.W.Greene, "Prote
ctive Groups in Organic Synthesis", John Wiley and
Sons, New York, N.Y.,1981, Chapter 7に記載されて
いる。
【0039】式(2)において、AおよびA'が共に連結
して式:
【化31】 で示される基を形成するのが好ましい。AおよびA'が
共に連結して式:
【化32】 で示される基を形成し、式:
【化33】 で示される化合物を得るのが特に好ましい。
【0040】式(2)の化合物は、上記の式(1)で示され
る抗菌剤の製造における中間体として有用である。式
(2)の化合物は、上記の反応式1において教示された方
法により、7−保護アミノ核を使用して、3−トリフレ
ート部分を以下の式で示される所望のチオールと置換す
ることにより製造することができる:
【化34】
【0041】次いで、最終生成物(1)を、もし必要なら
ば7−アミノ官能基の脱保護、続いて所望のアシル基に
よるアシル化、さらにアミノ/カルボキシ保護基の除去
により、式(2)の中間体から製造することができる。
【0042】以下に示す実施例は、本発明の様々な態様
の例をさらに提供するものであり、本発明の範囲を限定
するものと解するべきではない。
【0043】実施例 製造例1 7β−アミノ−3−クロロ−3−セフェム−
4−カルボン酸 標記化合物は、本明細書の一部を構成する米国特許番号
4,064,343におけるChauvetteの方法により製造
することができる。
【0044】製造例2 3−(t−ブチルオキシカルボ
ニル)アミノピリジン 3−アミノピリジンの試料(76.13g;0.81モル)
を、水(500ml)中にt−ブタノール(150ml)および
水酸化ナトリウム(34g;0.85モル)と共に溶解し、
氷浴中で冷却し、ジ−t−ブチルジカーボネート(20
0g;0.92モル)で処理した。約2.5日後、さらにジ
−t−ブチルジカーボネート(100g)を加えた。次い
で、反応混合物を酢酸エチル/水混合物中に注いだ。有
機相を分離し、残存している水相を酢酸エチルで抽出し
た。合わせた有機相部分を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、真空下で濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィー
を通して精製して標記化合物(97g;80%)を得た。 1H NMR : (300MHz,CDCl3) δ8.43(d,J
=1.5Hz,1H)、8.26(d,J=3Hz,1H)、7.9
7(br d,J=6Hz,1H)、7.24−7.20(m,1H)、
6.81(br s,1H)、1.51(s,9H)。IR : (KBr,cm-1) 3167、2986、1716、
1598、1545、1407、1566、1288、
1233、1154、1017。MS : FDMS m/e 195(M+)。UV : (エタノール) λ=281nm(ε=3350)、λ
=235nm(ε=15200)。
【0045】製造例3 3−(t−ブチルオキシカルボ
ニル)アミノ−4−メルカプトピリジン 3−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノピリジンの試
料(10g;51.5ミリモル)を、テトラヒドロフラン
(110ml)中に溶解し、窒素下で−78℃まで冷却し
た。次いで、n−ブチルリチウムの試料(80ml;12
8ミリモル、ヘキサン中1.6M)を2回で加えた。次い
で、反応混合物をアセトン/氷浴中に置き、得られた固
体を溶解させた。約2時間後、反応混合物を−78℃に
冷却し、硫黄元素(2g;7.8ミリモル)で処理した。約
0.5時間後に反応混合物を室温まで暖め、飽和塩化ア
ンモニウム溶液で反応を停止させた。後処理およびフラ
ッシュ・クロマトグラフィー(50%ヘキサン/酢酸エ
チル)を行って標記化合物(5.24g;45%)を得た。融点 : 170〜171℃(分解)。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ12.88
(br s,1H)、8.95(s,1H)、8.45(br s,1H)、
7.62(br d,J=3Hz,1H)、7.44(d,J=3Hz,
1H)、1.49(s,9H)。IR : (KBr,cm-1) 3239、2978、2885、
2741、1721、1608、1530、1492、
1436、1384、1213、1161、1085。MS : FDMS m/e 227(M+)。UV : (エタノール) λ=345nm(ε=19600)、
λ=259nm(ε=10200)、λ=224nm(ε=1
7200)。
【0046】製造例4 3−アミノ−4−メルカプト−
ピリジン・塩酸塩 3−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ−4−メルカ
プトピリジンの試料(13.78g;0.06モル)を酢酸
(250ml)で溶解し、氷酢酸(100ml)に塩酸(気体)を
通すことにより調製した酢酸中の〜3N塩酸の氷冷溶液
に加えた。約4時間後に、得られた固体を濾過し、ジエ
チルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して標記化合物
(10.4g;〜100%)を得た。融点 : >200℃。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ8.17
(s,1H)、7.99(d,J=3Hz,1H)、7.81(d,J
=3Hz,1H)、5.60−4.00(br 4H)。IR : (KBr,cm-1) 3184、3054、2848、
1639、1586、1482、1442、1134、
1123。MS : FDMS m/e 126(M−36)。UV : (エタノール) λ=355nm(ε=13900)、
λ=264nm(ε=6830)、λ=223nm(ε=13
100)。
【0047】製造例5 2−メルカプト−5−ピリジノ
チアゾール 水酸化カリウム(13g;0.198モル)を水(32ml)お
よびメタノール(154ml)中に溶解した。次いで、この
溶液をCS2(3.8ml;0.063モル)、次いで3−ア
ミノ−4−メルカプトピリジン・塩酸塩の試料(10.4
g;0.06モル)で処理した。還流下に一夜撹拌した
後、反応混合物を脱色化炭素で処理し、ハイフロ・スー
パー・セル(Hyflo SuperCelTM)で濾過した。濾液を酢酸
で酸性にすると固体が生成した。得られた固体を50℃
で約3時間そして室温で約2.5日間、真空下で乾燥
し、標記化合物(8.19g;81%)を得た。融点 : >310℃(分解)。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ14.03
(br s,1H)、8.46(s,1H)、8.33(d,J=6Hz,
1H)、7.75(d,J=6Hz,1H)。IR : (KBr,cm-1) 3440(br)、2650(br)、2
510(br)、1528、1457、1305、129
4、1265、1256、1039、1024、81
5。MS : FI MS m/e 168(M+)。
【0048】製造例6 2−イソチオシアナト−3−ニ
トロピリジン 2−クロロ−3−ニトロピリジンの試料(10g)、イソ
チオシアン酸カリウムの試料(8g)、および酢酸(75m
l)を混合し、2時間還流した。次いで、反応混合物を冷
却し、400mlの氷/水中に注いだ。得られた固体を水
で洗浄し、酢酸エチルに再溶解し、水で洗浄(4×)し
た。次いで、酢酸エチル溶液を活性炭で処理し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濾過して蒸発乾固させて標記化
合物(3.72g)を得た。融点 :115〜118℃。 1H NMR : (300MHz,CDCl3) δ8.62(m,1
H)、8.22(d,J=6Hz,1H)、7.46(m,1H)。
【0049】製造例7 2−メルカプト−3−ニトロピ
リジン エタノール(50ml)を、低温(氷浴)で、実質的に無水の
条件下、ナトリウム(612mg)で処理した。次いで、反
応混合物を製造例6の標記化合物の試料(3.6g;0.0
2モル)で処理した(少しづつ)。反応物を2時間撹拌
し、水(250ml)で希釈し、真空下で蒸発させた。得ら
れた固体を濾去して廃棄した。次いで、溶液を酢酸でp
H=4.5の酸性にしたところ、黄色味を帯びた赤色の
結晶が生成した。標記化合物を濾過し、水で洗浄し、真
空下に乾燥剤で乾燥して生成物(1.1g)を得た。融点 :185〜7℃(分解)。 1H NMR : (300MHz,CDCl3) δ8.09(d,J
=7Hz,1H)、7.89(d,J=7Hz,1H)、6.84
(dd,J=6,3Hz,1H)。IR : (KBr,cm-1) 3119、2872、1611、
1577、1527、1349、1330、1240、
1141。MS : EI MS m/e 126(M+)。
【0050】製造例8 2−メルカプト−3−アミノピ
リジン 濃塩酸(水溶液)(100ml)を氷浴中で冷却し、SnCl
2(100g;0.53モル)で処理した。次いで、反応混
合物を製造例7で得た標記化合物の試料(14g;0.1
1モル)を少しづつ用いて処理し、3時間撹拌した。次
いで、反応混合物を蒸発乾固し、水(1L)中に溶解し、
蒸気浴上で加熱しながらH2S(気体)で30分間処理し
た。得られた固体を濾過し、熱水で洗浄し、廃棄した。
合わせた水溶液の部分を蒸発させて固体を得た。得られ
た固体を熱濃水酸化アンモニウムで温浸(2×)した。得
られた固体を濾過し、廃棄し、水酸化アンモニウム溶液
を蒸発させて湿った固体を得た。この固体を次に水に移
した。得られた黄色/緑色の標記化合物を濾過し、水で
洗浄し、乾燥剤を用いて40℃の真空下で乾燥した。収量 : 4.20g(30%)。融点 : 127℃〜128℃。 1H NMR : (300MHz,CDCl3,DMSO−d6) δ
6.91(m,1H)、6.65(d,J=5Hz,1H)、6.4
6(m,1H)、5.03(s,2H)。
【0051】製造例9 2−メルカプト−7−ピリジノ
チアゾール 水酸化カリウム(2.8g;85%)を水(16ml)およびメ
タノール(50ml)中に溶解した。次いで、CS2(2.6
g)を加え、メタノール(30ml)で洗浄した。2−メルカ
プト−3−アミノピリジンの試料(4g;23.8ミリモ
ル)を加え、反応混合物を一夜還流した。冷却後、反応
混合物を活性炭で処理し、スーパー・セル(Super Ce
lTM)を通して濾過し、スーパー・セルのパッドを少量の
メタノールで洗浄した。次いで、溶液を酢酸でpH=5.
5の酸性にした。標記化合物はこの溶液から黄色味を帯
びた固体として沈殿し、これを乾燥剤により60℃で乾
燥した。収量 : 3.29g。融点 : 285〜287℃(分解)。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ8.38(d
d,J=3,1.5Hz,1H)、7.61(dd,J=4,1.5H
z,1H)、7.43(dd,J=5,3Hz,1H)、3.33(br
s,1H)。IR : (KBr,cm-1) 3040、2700、2540、
1597、1523、1399、1311、1302、
1274、1132、876。MS : EI MS m/e 169(M+1)。
【0052】製造例10 [2−(トリフェニルメチル)
−アミノチアゾール−4−イル]−2−ブロモエタ−1
−イル−オキシイミノ酢酸エチル [2−(トリフェニルメチル)アミノチアゾール−4−イ
ル]オキシイミノ酢酸エチルの試料(9.88g;0.02
モル)をN,N'−ジメチルホルムアミド(20ml)中に溶
解し、粉末にした炭酸カリウム(8.28g;0.06モ
ル)で処理した。0.5時間の撹拌の後、1,2−ジブロ
モエタン(17.3ml)を加え、反応混合物をアルゴン下
で一夜撹拌した。次いで、反応混合物をCH2Cl2(10
0ml)/水(200ml)中に注いだ。水層を再びCH2Cl2
で抽出した。合わせたCH2Cl2相を水および塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下
で蒸発させて油状物を得た。液体クロマトグラフィー
(25%ヘキサン/CH2Cl3)を行って標記化合物(7.
16g;63.4%)を得た。融点 :55℃。 1H NMR : (300MHz,CDCl3) δ7.32(s,1
5H)、6.52(s,1H)、4.55−4.46(m,2H)、
4.38(q,J=4Hz,2H)、3.63−3.53(m,2
H)、1.37(t,J=4Hz,3H)。 元素分析値:
【0053】製造例11 [2−(トリフェニルメチル)
アミノチアゾール−4−イル]−2−フルオロエタ−1
−イル−オキシイミノ酢酸エチル 標記化合物は、製造例10の方法に類似の方法により、
アルキル化剤として1−ブロモ−2−フルオロエタンを
代用して製造した。収量 : 3.3g。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ8.77
(s,1H)、7.39−7.12(m,15H)、6.92(s,1
H)、4.60(t,J=3Hz,1H)、4.44(t,J=3H
z,1H)、4.26(t,J=3Hz,1H)、4.16(t,J=
3Hz,1H)、3.90(q,J=4Hz,2H)、1.06(t,
J=4Hz,3H)。
【0054】製造例12 [2−(トリフェニルメチル)
アミノチアゾール−4−イル]−2−フルオロエタ−1
−イル−オキシイミノ酢酸 製造例11の標記化合物の試料(2.5g;5ミリモル)を
エタノール(20ml)および2N水酸化ナトリウム(5m
l;10ミリモル)中に溶解した。50℃で2時間撹拌す
ると、この酸のナトリウム塩が結晶化した。この固体を
水/CHCl3中にスラリー化し、1N塩酸で酸性にし
た。水層を再びCHCl3で抽出し、合わせたCHCl3
を水、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
次いで、CHCl3相を真空下で蒸発させて標記化合物
(1.52g;63.9%)を泡状物として得た。融点 : 125.33℃(分解)。 1H NMR : (300MHz,CDCl3) δ9.70(br s,
1H)、7.30−7.22(m,15H)、6.52(s,1
H)、4.65(t,J=3Hz,1H)、4.49(t,J=3H
z,1H)、4.37(t,J=3Hz,1H)、4.27(t,J=
3Hz,1H)。IR : (CDCl3,cm-1) 3000、1735、159
2、1529、1449、1186、1070、103
5。
【0055】実施例1 7β−[(2−アミノチアゾール
−4−イル)−(Z)−メトキシイミノアセチル]アミノ−
3−[2−(5−ピリジノチアゾロチオ)]−3−セフェム
−4−カルボン酸 A.7β−[(2−(トリフェニルメチル)アミノチアゾー
ル−4−イル)−(Z)−メトキシイミノアセチル]アミノ
−3−クロロ−3−セフェム−4−カルボン酸7β−ア
ミノ−3−クロロ−3−セフェム−4−カルボン酸(3
9.8g;0.17モル)をN,N'−ジメチルホルムアミド
(800ml)中に懸濁し、ビス(ジメチルシリル)尿素(1
00g;0.49モル)で処理し、約1時間、約50〜6
5℃に加熱した。別の反応容器中で、2−(トリフェニ
ルメチル)アミノチアゾール−4−イル−(Z)−メトキ
シイミノ酢酸(100g;0.21モル)をN,N'−ジメチ
ルホルムアミド(800ml)中に溶解し、氷/アセトン浴
中で冷却した。次いで、反応混合物をN−メチルモルホ
リン(23ml;0.21モル)、続いて塩化オキサリル(2
5g;0.20モル)で処理した。上記の最初の反応容器
中で、反応混合物をピリジン(32ml;0.40モル)で
処理し、第二の反応容器に50分間でカニューレを通じ
て移した。次いで、反応混合物を氷/水(約2.5L)中
に注ぎ、得られた固体を風乾して標記化合物(Δ3:Δ2
=3:1の混合物)(116g)を得た。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ9.61
(d,J=9Hz,1H)、8.83(s,1H×1/4)、8.8
0(s,1H×3/4)、7.46−7.10(br m,15
H)、6.83(s,1H)、6.68(s,1H×1/4)、5.
72−5.66(m,1H×3/4)、5.60−5.54(m,
1H×1/4)、5.23−5.17(m,1H×1/4)、
5.20(d,J=5Hz,1H×3/4)、4.83(s,1H
×1/4)、3.80(s,3H)、3.79(ABq,J=20
Hz,2H×3/4)。
【0056】B. 7β−[2−(トリフェニルメチル)
アミノチアゾール−4−イル−(Z)−メトキシイミノア
セチル]アミノ−3−クロロ−3−セフェム−4−カル
ボン酸ベンズヒドリル 上記Aで得た物質をCH3CN(500ml)中に溶解し、
ジフェニルジアゾメタン(10g(XS))で処理し、室温
で約2.5日撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸で失
活させ、真空下で濃縮した(トルエンを用いて過剰量の
酢酸を共沸させた)。フラッシュ・クロマトグラフィー
(25%および50%酢酸エチル/ヘキサン)にて精製
し、混合物(Δ2:Δ3=2:1)(15.46g)を得た。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ9.60
(d,6Hz,1H)、8.80(s,1H)、7.46−7.02
(br,m,25H)、6.92(s,1H×1/3)、6.88(s,
1H×2/3)、6.84(s,1H×2/3)、6.78(s,
1H×2/3)、6.67(s,1H×1/3)、5.76−
5.70(m,1H×1/3)、5.51−5.45(m,1H×
2/3)、5.28−5.22(m,1H×1/3)、5.26
(s,1H×2/3)、5.12(d,J=4Hz,1H×2/
3)、3.79(ABq,J=19Hz,2H×1/3)、3.
77(s,3H)。
【0057】C.7β−[2−(トリフェニルメチル)ア
ミノチアゾール−4−イル−(Z)−メトキシイミノ]ア
セチル−3−[2−(5−ピリジノチアゾロチオ)]−3−
セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリル NaH(92mg;2.3ミリモル;油中60%)をヘキサン
で洗浄し、テトラヒドロフラン(50ml)中に懸濁し、2
−メルカプト−5−ピリジノチアゾールの試料(390.
9mg;2.3ミリモル)で処理して加熱した。この溶液
を、テトラヒドロフラン(50ml)に溶解した上記Bで製
造した化合物(5.7g;2.3ミリモル)にカニューレで
移した。次いで、反応混合物を1N塩酸(15ml)で処理
し、酢酸エチル/水混合物中に注いだ。有機相を塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空下
で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(75%〜90
%酢酸エチル/ヘキサン)にかけた後に、純粋なΔ3の異
性体が析出した(0.31g;34%)。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ9.70
(d,J=9Hz,1H)、9.10(s,1H)、8.79(s,1
H)、8.47(d,J=7Hz,1H)、8.08(d,J=7H
z,1H)、7.38−7.03(br m,25H)、6.91(s,
1H)、6.68(s,1H)、5.90−5.82(m,1H)、
5.37(d,J=8Hz,1H)、3.83(ABq,J=20
Hz,2H)、3.78(s,3H)。IR : (KBr,cm-1) 3402(br)、3030、293
8、1786、1738、1695、1522、149
6、1371、1278、1223、1044、70
0。MS : FABMS m/e 958 (m+)。OR : [α]D=−133.33°;589nm、5mg/DM
SO。 元素分析値:
【0058】D.標記化合物を得るための脱保護 上記Cで得た生成物(0.42g;438ミリモル)をト
リエチルシラン(7ml)およびCH2Cl2(10ml)で懸濁
し、トリフルオロ酢酸(5ml)で処理して室温で撹拌し
た。次いで、反応混合物を真空下に濃縮した(トルエン
を用いて過剰なトリフルオロ酢酸を共沸させた)。得ら
れた残渣を逆層クロマトグラフィー(10%〜20%C
3CN/水)で精製した。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ9.75
(d,J=9Hz,1H)、9.18(s,1H)、8.49(d,J
=6Hz,1H)、8.19(d,J=6Hz,1H)、7.21
(br s,2H)、6.71(s,1H)、5.94(dd,J=5H
z,10Hz,1H)、5.35(d,J=6Hz,1H)、3.8
8(ABq,J=15Hz,2H)、3.85(s,3H)。IR : (KBr,cm-1) 3395、1782、1621、
1532、1381、1037。MS : FABMS m/e 550(m+)。UV : (EtOH) λ=286nm(E22700)、λ=2
31nm(E34200)。 OR : 5mg/DMSO [α]D=−123.26°;58
9nm
【0059】実施例2〜5 以下の実施例2〜5は、実施例1で述べた方法と本質的
に同じ方法を用い、以下の式で示される異なるメルカプ
タンを使用して行った。
【化35】
【0060】実施例2 7β−[(2−アミノチアゾール
−4−イル)−(Z)−(2−フルオロエタ−1−イル)オ
キシイミノアセチル]アミノ−3−[2−(5−ピリジノ
チアゾロ)]チオ−3−セフェム−4−カルボン酸 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6): δ9.70
(d,J=10Hz,1H)、9.03(s,1H)、8.39(d,
J=5Hz,1H)、8.03(d,J=5Hz,1H)、7.2
0(s,2H)、6.72(s,1H)、5.73(m,1H)、5.
19(d,J=7Hz,1H)、4.67(t,J=5Hz,1
H)、4.55(t,J=5Hz,1H)、4.32(t,J=5H
z,1H)、4.22(t,J=5Hz,1H)、3.63(ABq,
J=18Hz,2H)。IR : (KBr) 3420、1774、1668、166
3、1653、1617、1534、1388cm-1MS : (FAB) m/e 604 (m+1)。UV : (EtOH) λ=288nm(ε=21700)、23
2nm(ε=31400)。 OR : [α]°DMSO=−89.22°
【0061】実施例3 7β−[(2−アミノチアゾール
−4−イル)−(Z)−(2−フルオロエタ−1−イル)オ
キシイミノアセチル]アミノ−3−[2−(7−ピリジノ
チアゾロチオ)]−3−セフェム−4−カルボン酸収率 : 全体で13%(22.8mg)。 1H NMR :(300MHz,DMSO−d6) δ9.68(d,
J=10Hz,1H)、8.25(d,J=5Hz,1H)、8.
14(d,J=10Hz,1H)、7.45(m,1H)、7.20
(s,2H)、6.72(s,1H)、5.70(m,1H)、5.2
0(d,J=5Hz,1H)、4.70(t,J=5Hz,1H)、
4.53(t,J=5Hz,1H)、4.30(t,J=5Hz,1
H)、4.20(t,J=5Hz,1H)、3.63(ABq,J=
15Hz,2H)。MS : (FAB) m/e 604(m+1)。
【0062】実施例4 7β−[(2−アミノチアゾール
−4−イル)−(Z)−(2−フルオロエタ−1−イル)オ
キシイミノアセチル]アミノ−3−(チアゾール−2−イ
ル)チオ−3−セフェム−4−カルボン酸収量 : 63mg(71%)。 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ9.67
(d,J=10Hz,1H)、7.76(s,2H)、7.20(s,
2H)、6.72(s,1H)、5.80−5.70(m,1H)、
5.20(d,J=5Hz,1H)、4.66(t,J=5Hz,1
H)、4.50(t,J=5Hz,1H)、4.28(t,J=5H
z,1H)、4.19(t,J=5Hz,1H)、3.50(ABq,
J=15Hz,2H)。IR : (KBr) 3400、1768、1653、161
4、1535、1389、1350、1035cm-1MS : (FAB) m/e (m−1)553。UV : (エタノール) λ=284nm(ε=14900)、
231nm(ε=18100)。
【0063】実施例5 7β−[2−アミノチアゾール
−4−イル−(Z)−(2−フルオロエタ−1−イル)オキ
シイミノアセチル]アミノ−3−[(ベンゾチアゾール−
2−イル)チオ]−3−セフェム−4−カルボン酸・ナト
リウム塩 1H NMR : (300MHz,DMSO−d6) δ9.67
(d,J=10Hz,1H)、7.92(d,J=10Hz,1
H)、7.78(d,J=10Hz,1H)、7.43−7.26
(m,2H)、7.20(s,2H)、6.73(s,1H)、5.6
6(m,1H)、5.15(d,J=5Hz,1H)、4.70(t,
J=5Hz,1H)、4.53(t,J=5Hz,1H)、4.3
0(t,J=5Hz,1H)、4.20(t,J=5Hz,1H)、
3.64(ABq,J=15Hz,2H)。MS : (FAB) m/e=603(m+1)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 501:00 513:00) (56)参考文献 特開 昭52−14789(JP,A) 特開 昭63−17887(JP,A) 特開 昭55−38392(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 501/00 - 501/62 A61K 31/00 - 31/80 C07D 519/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式(1)で示される化合物またはそ
    の薬学的に許容し得る塩: 【化1】 [式中、Rは水素、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケ
    ニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、
    またはC1〜C6ハロアルキルであり; AおよびA'は共に連結して以下の式で示される基を形
    成する: 【化2】 (式中、Xは水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1
    6アルコキシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、アミ
    ノ、ニトロ、またはカルボキシであり;そしてYは窒素
    または炭素である)]。
  2. 【請求項2】 以下の式(2)示される化合物: 【化5】 [式中、R0はアミノまたは保護されたアミノであり; R'は水素またはカルボキシ保護基であり;そしてAお
    よびA'は共に連結して以下の式で示される基を形成す
    る: 【化6】 (式中、Xは水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコ
    キシ、C1〜C6アルコキシカルボニル、アミノ、ニト
    ロ、またはカルボキシである)]。
  3. 【請求項3】 Staph. aureusおよびStaph. epiからな
    る群から選ばれるメチシリン耐性のStaph.生物(MR
    S)を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対する抗
    菌剤として有用な請求項に記載の化合物を、1または
    それ以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤または希釈
    剤と共に含有する医薬組成物。
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