JPH07206868A - セフェム化合物、その製造法およびその抗菌組成物 - Google Patents

セフェム化合物、その製造法およびその抗菌組成物

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JPH07206868A
JPH07206868A JP203494A JP203494A JPH07206868A JP H07206868 A JPH07206868 A JP H07206868A JP 203494 A JP203494 A JP 203494A JP 203494 A JP203494 A JP 203494A JP H07206868 A JPH07206868 A JP H07206868A
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JP203494A
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English (en)
Inventor
Michiyuki Sendai
道行 千代
Kenji Okonogi
研二 小此木
Yukio Ishibashi
幸雄 石橋
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特に緑膿菌に対し優れた抗菌活性及び持続性を
有するセフェム化合物の提供。 【構成】式 【化1】 〔式中、 R1は保護されていてもよいNH2を、R2はさ
らに置換基を有していてもよいカルボキシ置換三ないし
七員脂環式炭化水素基を、R3はH又は置換されていて
もよい低級アルキル基を、R4は保護されていてもよい
OHを、R5及びR6はH、OHまたは各々置換されてい
てもよい低級アルキル基もしくは低級アルコキシ基を、
QはN、CH又はCX1(X1はハロゲンを示す)を、A
はさらに置換基を有していてもよく隣接するSとはCで
結合する二価の非イオン型芳香族複素環基を、 Yは結合
手又はS、O、NH、CONHもしくはこれらを介在し
てもよい二価の鎖状低級炭化水素基を示す〕で表される
セフェム化合物もしくはそのエステルまたはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた抗菌作用を有す
る新規セフェム化合物またはそのエステルあるいはその
塩、およびその製造法並びに抗菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より種々のセファロ化合物が合成さ
れているが、その中にあって近年セフェム核の3位にヒ
ドロキシピリドニル(アルキル)芳香族複素環チオメチ
ル基を有するセフェム化合物も報告されている(特開昭
63−185958号、特開平4−221388号、特
開平4−270290号)。即ち、特開昭63−185
958号公報にはセフェム核の3位に、〔5−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2
−イル〕チオメチル、〔1−〔2−(3,4−ジヒドロ
キシフェニル)エチル]テトラゾール−5−イル〕チオ
メチル、〔1−(2−カルボキシメチル−4,5−ジヒ
ドロキシフェニル)テトラゾール−5−イル〕チオメチ
ル基を有するセフェム化合物が開示され、かつ具体的に
合成されている。しかし、この公報において、セフェム
核の3位置換基に下記式で表されるヒドロキシピリドニ
ル基を有する化合物は、明細書中に一般的に開示はされ
ているものの具体的に合成はされておらず、その薬効も
確認されていない。
【化5】 〔式中、Mは酸素原子またはNR3を示し、該R3は水素
原子またはC1-4アルキル基を示す〕
【0003】また、特開平4−221388号公報に
は、セフェム核の3位置換基としてイオン型である式
【化6】 〔式中、Xは−(CH2)n−または−C(R41)=CH−
(nは0〜2の整数を、R41は水素原子等を示す)を、
Yは
【化7】 (R44およびR45はいずれか一方が保護されていてもよ
い水酸基であり、他方が水素原子を示し、R46は水素原
子または保護されていてもよい水酸基を示す)を示す〕
で表される基を有するセフェム化合物が開示されてい
る。しかし、非イオン型芳香族複素環チオメチル基を3
位に有するセフェム化合物は全く開示されていない。ま
た、セフェム核の7位は(Z)−2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−(2−アミノ−1−エチルエ
トキシイミノ)アセトアミド基に限定されており、7位
に2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3
−イル)または2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−(Z)−2−(カルボキシ置換三ないし七員脂環
式炭化水素基置換オキシイミノ)アセトアミド基を有す
るセフェム化合物については全く開示されていない。
【0004】さらに、特開平4−270290号公報に
は、セフェム核の3位にイオン型の置換基を有する式
【化8】 〔式中、R1はアミノ基または保護されたアミノ基、R2
は水素または有機基、R3はヒドロキシ基または保護さ
れたヒドロキシ基、R4は水素、O-、ヒドロキシ基また
は保護されたヒドロキシ基、R5はカルボキシ基、保護
されたカルボキシ基またはCOO-、およびZはCHま
たはNを意味する〕で表されるセフェム化合物またはそ
の塩が開示されている。しかし、非イオン型芳香族複素
環チオメチル基を3位に有するセフェム化合物は全く開
示されておらず、また、該R2として、カルボキシ置換
三ないし七員脂環式炭化水素基も全く開示されていな
い。一方、7位に2−(5−アミノ−1,2,4−チア
ジアゾール−3−イル)または2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−(Z)−2−(カルボキシ置換三な
いし七員脂環式炭化水素基置換オキシイミノ)アセトア
ミド基を有し、3位に複素環チオメチル基を有するセフ
ェム化合物については、特開昭55−105689、特
開昭58−157792等に開示されている。しかし、
これらの3位複素環チオメチル基がヒドロキシピリドニ
ル基で置換された化合物については開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、多種のセフェム
化合物が合成、報告されその中の幾つかがすでに市販さ
れている。しかしそれらの化合物の抗菌活性はまだ十分
に満足できるものでなく、グラム陽性菌ならびにグラム
陰性菌に対して幅広く優れた抗菌作用を有する化合物の
出現が望まれている。また、特に難治性疾患の起炎菌で
ある緑膿菌に対して強い抗菌活性を有すると共に良好な
血中持続性のを有する化合物の出現が期待されている。
従って、本発明の目的は、グラム陽性菌及び陰性菌に対
して幅広く抗菌作用を有し、特に緑膿菌に対して強い抗
菌活性を示すと共に良好な血中持続性を有するセフェム
化合物、その製造法および抗菌剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、セフェム核の3位に式
【化9】 〔式中、 R3は水素原子または置換されていてもよい低
級アルキル基を、R4は保護されていてもよいヒドロキ
シル基を、R5およびR6は同一または異なって水素原
子、ヒドロキシル基、置換されていてもよい低級アルキ
ル基または置換されていてもよい低級アルコキシ基を、
Aはさらに置換基を有していてもよく隣接する硫黄原子
とは炭素原子で結合する二価の非イオン型芳香族複素環
基を、 Yは結合手または硫黄原子,酸素原子,NH,C
ONHもしくはこれらを介在してもよい二価の鎖状低級
炭化水素基を示す〕で表される基を、7位に式
【化10】 〔式中、R1は保護されていてもアミノ基を、R2はさら
に置換基を有していてもよいカルボキシ置換三ないし七
員脂環式炭化水素基を、QはN、CHまたはCX1(X1
はハロゲン原子を示す)を示す〕で表される基を有する
セフェム化合物またはそのエステルあるいはその塩の創
製に初めて成功すると共に、該セフェム化合物またはそ
のエステルあるいはその塩が予想外にも強い抗緑膿菌活
性および良好な血中持続性を有することを見い出し、こ
れらに基づいて本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、式(I):
【化11】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す〕で表されるセフ
ェム化合物もしくはそのエステルまたはその塩、(2)
式(II):
【化12】 〔式中、 R10はヒドロキシル基、 アシルオキシ基または
ハロゲン原子を示し、その他の各記号は前記と同意義を
示す〕で表されるセフェム化合物もしくはそのエステル
またはその塩と式(III):
【化13】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩とを反応させることを特徴とする化合物
(I)もしくはそのエステルまたはその塩の製造法およ
び(3)化合物(I)もしくはそのエステルまたはその
塩を含有する抗菌組成物などに関する。
【0008】本発明の化合物(I)もしくはそのエステ
ルまたはその塩は緑膿菌を含むグラム陰性菌に対し優れ
た抗菌活性を示すと共に良好な血中持続性を示す。上記
式中、R2はさらに置換基を有していてもよいカルボキ
シ置換三ないし七員脂環式炭化水素基を示す。該三ない
し七員脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル等のC3-7シクロアルキル基、例えば2
−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1
−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘ
キセン−1−イル等のC4-7シクロアルケニル基等が用
いられる。これらのうちシクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が好ましい。該
三ないし七員脂環式炭化水素基は、カルボキシル基以外
にさらに例えば低級アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル等のC1-6アルキル基等)、ハロゲン(例、フ
ッ素、塩素、臭素等)、ヒドロキシル基、アミノ基等で
1または2個置換されていてもよい。
【0009】R2で示されるカルボキシ置換三ないし七
員脂環式炭化水素基としては、カルボキシル基を1位に
有する三ないし七員脂環式炭化水素基が好ましい。さら
に1−カルボキシC3-7シクロアルキル−1−イル基等
が好ましく、特に1−カルボキシシクロブチル−1−イ
ル、1−カルボキシシクロペンチル−1−イル基等が好
ましい。上記式中、 Aは、Y(記号は前記と同意義を示
す)以外にさらに置換基を有していてもよい二価の非イ
オン型芳香族複素環基を示し、隣接する硫黄原子(Yで
示されるものも含む)とは該複素環基を構成する炭素原
子で結合する。この様なAで示される隣接する硫黄原子
とは炭素原子で結合する二価の非イオン型芳香族複素環
基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ
原子を1〜4個含む五または六員芳香族複素環の構成原
子に置換する水素原子を2個除いた二価の基等であり、
例えばチアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、
トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、
ピリダジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダ
ゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チオフェン、
フラン、ピラジン、トリアジン等より水素原子を2個除
いた二価の基が用いられる。
【0010】これらの芳香族複素環基は、例えば低級ア
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル等のC1-6アルキル基等)、低級アルケニル
基(例、ビニル、ブテニル、プロペニル等のC2-6アル
ケニル基等)、アミノ基、モノまたはジ低級アルキルア
ミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルア
ミノ等のモノまたはジC1-6アルキルアミノ基等)、ア
ミジノ基、アシル基(例、ホルミル、アセチル、プロピ
オニル等のC1-6アルカノイル基等)、カルバモイル
基、モノまたはジ低級アルキルカルバモイル基(例、メ
チルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカル
バモイル等のモノまたはジC1-6アルキルカルバモイル
基等)、スルファモイル基、モノまたはジ低級アルキル
スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチル
スルファモイル、ジメチルスルファモイル基等のモノま
たはジC1-6アルキルスルファモイル基等)、カルボキ
シル基、低級アルコキシカルボニル基(例、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル等のC1-6アルコキシカ
ルボニル基等)、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ基
等)、低級アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2
−ブテニルオキシ等のC2-6アルケニルオキシ基等)、
メルカプト基、低級アルキルチオ基(例、メチルチオ、
エチルチオ等のC1-6アルキルチオ基等)、スルホ基、
シアノ基、アジド基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭
素等)などで置換されていてもよい。かかる置換基の数
は好ましくは1〜3であって、複数の置換基の場合はそ
れらは同一であっても異なっていてもよい。また、かか
る置換基は芳香族複素環基の炭素原子または窒素原子の
いずれに置換していてもよい。
【0011】これらのうちAとしては、窒素原子および
硫黄原子から選ばれる2ないし4個のヘテロ原子を含む
二価の五員非イオン型芳香族複素環基が好ましく、例え
ばチアジアゾール、トリアゾールまたはテトラゾールよ
り水素原子を2個除いた基が好ましく、特にテトラゾー
ルより水素原子を2個除いた基が好ましい。上記式中、
Yは結合手または硫黄原子,酸素原子,NH,CONH
またはこれらを介在してもよい二価の鎖状低級炭化水素
基を示す。かかる二価の鎖状低級炭化水素基は、直鎖も
しくは分枝状の炭素数1〜6のアルキレンまたは炭素数
2〜6のアルケニレン基等であり、ここで用いられるア
ルキレン基としてはたとえばメチレン、エチレン、トリ
メチレン、テトラメチレン等が、またアルケニレン基と
しては例えばビニレン、プロペニレン、ブテニレン等が
用いられる。また、介在とは硫黄原子,酸素原子,NH
またはCONHをアルキレン鎖またはアルケニレン鎖の
両端あるいは中間にたとえば1個存在することである。
上記CONHは、−CONH−または−NHCO−を意
味する。これらのうちYとしては、たとえば−(CH2)n
−(式中、nは0ないし3の整数を示す)で表される基
等が好ましい。
【0012】上記式中、R3は水素原子または置換され
ていてもよい低級アルキル基を示し、R5およびR6は同
一または異なって水素原子、ヒドロキシル基、それぞれ
置換されていてもよい低級アルキルまたは低級アルコキ
シ基を示す。R3、R5またはR6で示される置換されて
いてもよい低級アルキル基における低級アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル等のC1-6アルキル基
等が、R5またはR6で示される置換されていてもよい低
級アルコキシ基における低級アルコキシ基としては、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ等のC1-6アルコキシ基
等が用いられる。R3、R5またはR6が置換されていて
もよい低級アルキル基または低級アルコキシ基である場
合、ここで用いられる「置換基」としては、例えば低級
アルケニル基(例、ビニル、ブテニル、プロペニル等の
2-6アルケニル基等)、アミノ基、モノまたはジ低級
アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、
ジメチルアミノ等のモノまたはジC1-6アルキルアミノ
基等)、アミジノ基、アシル基(例、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル等のC1-6アルカノイル基等)、カル
バモイル基、モノまたはジ低級アルキルカルバモイル基
(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメ
チルカルバモイル等のモノまたはジC1-6アルキルカル
バモイル基等)、スルファモイル基、モノまたはジ低級
アルキルスルファモイル基(例、メチルスルファモイ
ル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル等
のモノまたはジC1-6アルキルスルファモイル基等)、
カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基(例、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1-6アル
コキシカルボニル基等)、ヒドロキシル基、低級アルコ
キシ基(例、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ
基等)、低級アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、
2−ブテニルオキシ等のC2-6アルケニルオキシ基
等)、カルバモイルオキシ基、モノまたはジ低級アルキ
ルカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカ
ルバモイル、ジメチルカルバモイル等のモノまたはジC
1-6アルキルカルバモイル基等)、メルカプト基、低級
アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等のC
1-6アルキルチオ基等)、スルホ基、シアノ基、アジド
基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素等)などが用い
られる。かかる置換基の数は好ましくは1ないし3であ
って、複数の置換基の場合はそれらは同一であっても異
なっていてもよい。これらのうち、R3としては水素原
子または低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル等のC1-6アルキル基等)等が好ましく、R5およびR
6としてはたとえば水素原子またはアミノ基、ヒドロキ
シル基、低級アルコキシ基、カルバモイル基もしくはシ
アノ基で1または2個置換されていてもよい低級アルキ
ル基(例、メチル、エチル、プロピル等のC1-6アルキ
ル基等)または低級アルコシキ基(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ等のC1-6アルコキシ基等)が好まし
い。かかるセフェム核の3位置換基としては、例えば
[1−(1,5−ジヒドロキシ−4−ピリドン−2−イ
ル)メチル−1H−テトラゾール−5−イル]チオメチ
ル、[1−(1,5−ジヒドロキシ−6−メチル−4−
ピリドン−2−イル)メチル−1H−テトラゾール−5
−イル]チオメチル、[1−(1,3−ジヒドロキシ−
6−メチル−4−ピリドン−2−イル)メチル−1H−
テトラゾール−5−イル]チオメチル、[1−(1,5
−ジヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−4−ピリドン
−2−イル)メチル−1H−テトラゾール−5−イル]
チオメチル、[1−(1,5−ジヒドロキシ−6−メト
キシ−4−ピリドン−2−イル)メチル−1H−テトラ
ゾール−5−イル]チオメチル、[1−[1,5−ジヒ
ドロキシ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−ピリ
ドン−2−イル]メチル−1H−テトラゾール−5−イ
ル]チオメチル、[1−(5−ヒドロキシ−1−メトキ
シ−4−ピリドン−2−イル)メチル−1H−テトラゾ
ール−5−イル]チオメチル、[1−(5−ヒドロキシ
−6−メチル−1−メトキシ−4−ピリドン−2−イ
ル)メチル−1H−テトラゾール−5−イル]チオメチ
ル等が用いられる。
【0013】上記式中、QはN,CHまたはCX1(X1
はハロゲン原子を示す)を示す。X1のハロゲン原子と
してはフッ素、塩素、臭素原子等が用いられ、フッ素お
よび塩素原子が特に好ましい。上記式中、R1は保護さ
れていてもよいアミノ基を示す。このアミノ基の保護基
としては、例えばβ−ラクタムおよびペプチドの分野で
使用されるものが適宜に採用されうるが、なかでも例え
ばホルミル、クロロアセチル、tert−ブトキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジル
オキシカルボニル、4−ニトロベンルオキシカルボニ
ル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル、トリチル等が
好ましい。上記式中、R4は保護されていてもよいヒド
ロキシル基を示す。このヒドロキシル基の保護基として
はクロロアセチル、ベンジル、4−メトキシベンジル、
4−ニトロベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、メ
チルチオメチル、メトキシメチル、トリメチルシリル、
トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、2−
テトラヒドロピラニル、4−メトキシ−4−テトラヒド
ロピラニル等が好ましい。
【0014】本発明の目的化合物のうち、式
【化14】 〔式中、R12は1−カルボキシ−三ないし七員脂環式炭
化水素基を、R13およびR14は各々水素原子または低級
アルキル基を、Q1はNまたはCHを、その他の記号は
前記と同意義を示す〕で表されるセフェム化合物もしく
はエステルまたはその塩が好ましい。R12で示される
「1−カルボキシ−三ないし七員脂環式炭化水素基」に
おける「三ないし七員脂環式炭化水素基」としては上記
2において例示したものと同様のものが用いられる。
12としては特に1−カルボキシシクロブタン−1−イ
ルまたは1−カルボキシシクロペンタン−1−イル等が
好ましい。R13およびR14で示される低級アルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピル等のC1-6アルキル
基が用いられ、特にメチル等のC1-4アルキル基が好ま
しい。
【0015】化合物(I)または(II)のエステルと
は、セフェム核の4位のカルボキシル基および/または
2中のカルボキシル基がエステル化されていている場
合を意味する。そのようなエステル残基としては、例え
ば式
【化15】 〔式中、R8は水素原子,アルキル基,シクロアルキル
基又はシクロアルキルアルキル基を、R9は水素原子,
アルキル基,シクロアルキル基,アルコキシ基,シクロ
アルキルオキシ基,シクロアルキルアルキル基,アルケ
ニルオキシ基またはフェニル基を示す〕で表わされる
基,フタリジル基,(2−オキソ−5−メチル−1,3
−ジオキソール−4−イル)メチル基,アルコキシアル
キル基,アルキルチオアルキル基,tert-ブチル基,2,
2,2−トリクロロエチル基,ベンジル基,4−メトキ
シベンジル基,4−ニトロベンジル基,ベンズヒドリル
基,トリチル基,トリメチルシリル基,アリル基等が用
いられる。ここにおいて、アルキル基,並びにシクロア
ルキルアルキル、アルコキシアルキル基及びアルキルチ
オアルキル基におけるアルキル基としては、例えば炭素
数1から6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基(例、メ
チル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,2,
2−ジメチルプロピル等)等、シクロアルキル基および
シクロアルキルオキシ基あるいはシクロアルキルアルキ
ル基のシクロアルキル基としては例えば炭素数3から7
のシクロアルキル基(例、シクロプロピル,シクロブチ
ル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル
等)等が用いられる。アルコキシ基,並びにアルコキシ
アルキル基におけるアルコキシ基としては、例えば炭素
数1から10の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基
(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキ
シ,ブトキシ,ヘキシルオキシ,デシルオキシ等)等が
用いられる。またアルケニルオキシ基としては、例えば
炭素数2から7の直鎖または分枝状のアルケニルオキシ
基(例、アリルオキシ等)等が用いられる。特に好まし
いエステル残基としては、経口投与に適した生物学的に
不安定なエステル誘導体を与える基が用いられ、例えば
アセトキシメチル基,1−アセトキシエチル基,1−ア
セトキシプロピル基,ピバロイルオキシメチル基,1−
イソプロピルオキシカルボニルオキシエチル基,1−シ
クロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル基,フタリ
ジル基,(2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソ
ール−4−イル)メチル基等が好都合に用いられる。
【0016】本発明の目的化合物(I)またはそのエス
テルの塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、例
えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、
有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが
用いられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例え
ばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カ
ルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属
塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが用
いられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−
ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が用いられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水
素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が用いられる。有
機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、ト
リフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレ
イン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸な
どとの塩が用いられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な
例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンな
どとの塩が用いられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例と
しては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの
塩が用いられる。これらの塩のうち塩基との塩(すなわ
ち無機塩基との塩,有機塩基との塩,塩基性アミノ酸と
の塩)は化合物(I)の4位カルボキシル基、R2
3、R4、R5、R6およびAにカルボキシル基等の酸性
基が存在する場合に形成しうる塩を意味し、酸との塩
(すなわち無機酸との塩,有機酸との塩,酸性アミノ酸
との塩)は化合物(I)のR2、R3、R5、R6およびA
にアミノ基等の塩基性基が存在する場合に形成しうる塩
を意味する。化合物(I)もしくはそのエステルまたは
その塩は、臨床分離株菌を含むグラム陽性及びグラム陰
性細菌に対して優れた抗菌活性を示す価値ある抗生物質
であり、人及び家畜の医薬として利用され、種々の細菌
によって引き起される感染を治療及び予防する抗菌剤と
して安全に使用される。また、化合物(I)もしくはそ
のエステルまたはその塩は、毒性、副作用が極めて低
く、投与後の血中濃度が長時間高濃度で保持される(優
れた持続性を有している)。
【0017】本発明の目的化合物(I)もしくはそのエ
ステルまたはその塩は、薬学的に許容される担体と配合
し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤;
またはシロップ剤、注射剤などの液状製剤として経口ま
たは非経口的に投与することができる。薬学的に許容さ
れる担体としては、製剤素材として慣用の各種有機ある
いは無機担体物質が用いられ、固形製剤において賦形
剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤において溶剤、
溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤な
どが適宜配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸
化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を常法に従って
用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、例え
ば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セル
ロース、軽質無水ケイ酸などが用いられる。滑沢剤の好
適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが
用いられる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セ
ルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが用いられ
る。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキ
シメチルスターチナトリウムなどが用いられる。溶剤の
好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロ
ピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコ
シ油などが用いられる。溶解補助剤の好適な例として
は、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノー
ル、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノ
ールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど
が用いられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばス
テアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベン
ザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸
グリセリン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロースなどの親水性高分子などが用いら
れる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリ
ウム、グリセリン、D−マンニトールなどが用いられ
る。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが用いられ
る。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアル
コールなどが用いられる。防腐剤の好適な例としては、
例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒ
ドロ酢酸、ソルビン酸などが用いられる。抗酸化剤の好
適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸など
が用いられる。さらに、製剤に他の活性成分(例えばβ
−ラクタム系抗生物質)を混合してより広いスペクトル
の抗菌活性を示す製剤とすることもできる。
【0018】化合物(I)もしくはそのエステルまたは
その塩は、細菌感染症治療剤として、例えば人や他の哺
乳動物(例えば、マウス,ラット,イヌ,ネコ,サル
等)の呼吸器感染症、尿路感染症、化膿性疾患、胆道感
染症、腸内感染症、産婦人科感染症、耳鼻科感染症、外
科感染症等の治療及び予防に用いることができる。化合
物(I)もしくはそのエステルまたはその塩の1日投与
量は、患者の状態や体重、投与の方法等により異なる
が、非経口投与では、成人体重1kg当り活性成分(化合
物(I)もしくはそのエステルまたはその塩)として約
0.5ないし80mg、好ましくは約2ないし40mgであ
り、1日1または2回に分けて静脈または筋肉内注射に
より投与するのが適当である。又経口での投与量は、1
日当り1または2回にわけて成人の体重1kg当り活性成
分(化合物(I)もしくはそのエステルまたはその塩)
として約1ないし100mg好ましくは約2.5ないし5
0mgが適当である。化合物(I)もしくはそのエステル
またはその塩はたとえば下記に示す製造法1〜3の方法
等で製造することもできる。
【0019】製造法1 化合物(I)もしくはそのエステルまたはその塩は、式
(II)
【化16】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるセフ
ェム化合物もしくはそのエステルまたはその塩と式(II
I)
【化17】 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物
またはその塩とを反応させることにより製造される。化
合物(II), 化合物(III)またはそれらの塩におい
て、アミノ基,ヒドロキシル基又はカルボキシル基等の
反応性基が含まれる場合には、これらの基は下記する保
護基によって常法に従って保護されたものでもよく、反
応後必要により常法により保護基を除去することができ
る。
【0020】化合物(II)の塩としては、例えば反応を
促進するかあるいは反応で生成する酸を中和するかある
いは原料を溶解しやすくするような塩基との塩等が用い
られる。このような塩基としては例えばトリエチルアミ
ン,トリブチルアミン,ジイソプロピルエチルアミン等
の三級アミン、炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム
等の炭酸水素アルカリ金属等が用いられる。またこれら
の塩基は上記した目的で化合物(II)と共に反応混合物
中に添加してもよく、その添加量は通常、化合物(II)
に対して約1から5倍モル量が好ましい。また、化合物
(II)のエステルとしては、前記化合物(I)のエステ
ルと同様のものが用いられる。化合物(III)の塩とし
ては例えば塩酸塩,臭化水素酸塩,硫酸塩,硝酸塩,リ
ン酸塩等の無機酸付加塩、例えばギ酸塩,酢酸塩,トリ
フルオロ酢酸塩,メタンスルホン酸塩,p−トルエンス
ルホン酸塩等の有機酸付加塩、例えばトリエチルアミン
塩,トリブチルアミン塩等の有機塩基付加塩、例えばナ
トリウム塩,カリウム塩等の無機塩基付加塩等が用いら
れる。
【0021】(1):R10がヒドロキシル基の場合 本反応において化合物(III)またはその塩は化合物(I
I)もしくはそのエステルまたはその塩1モルに対して
約1から10モル、好ましくは約1から5モル用いる。
本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわれ
る。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えばホル
ムアミド,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類、ジクロロメタン,クロロホルム,1,
2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチ
ルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエー
テル類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸イソブチル,プ
ロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル,プ
ロピオニトリル等のニトリル類、ニトロメタン,ニトロ
エタン等のニトロ化合物類、アセトン,メチルエチルケ
トン等のケトン類、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化
水素類等が用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の
割合で混合して用いてもよい。とりわけ、例えばジクロ
ロメタン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,ホル
ムアミド,ジメチルホルムアミド等、またはジメチルホ
ルムアミドとアセトニトリルの混合溶媒,ジクロロメタ
ンとアセトニトリルの混合溶媒,ジクロロメタンとテト
ラヒドロフランの混合溶媒等が好ましい。
【0022】本反応を促進させるために、例えば特開昭
58−124793に記載されている環状リン化合物、
あるいは亜リン酸エステル等を用いることができ、具体
的には例えば式(IV):
【化18】 〔式中、R11はフェニル基または低級アルコキシ基を示
す〕で表わされる環状リン化合物等が本反応を促進させ
るために用いられてもよい。一般式(IV)中、R11で示
される低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ,エ
トキシ,プロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ等の炭素
数1から4のアルコキシ基が用いられる。環状リン化合
物(IV)のうち、例えばメチルo−フェニレンホスフェ
ート,エチルo−フェニレンホスフェート,2−フェニ
ル−2−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホール
等が好ましい。化合物(IV)は、化合物(II)もしくは
そのエステルまたはその塩1モルに対し約1から10モ
ル、好ましくは約1から6モル用いる。反応に化合物
(IV)を用いる場合、例えば化合物(II)もしくはその
エステルまたはその塩と化合物(III)またはその塩と
化合物(IV)とを上記した有機溶媒中で反応させるとよ
い。具体的には、化合物(II)もしくはそのエステルま
たはその塩と化合物(III)またはその塩を有機溶媒中
で混合し、次いで化合物(IV)またはその有機溶媒溶液
を添加するか、あるいは化合物(III)またはその塩と
化合物(IV)を有機溶媒中で混合し、次いで化合物(I
I)もしくはそのエステルまたはその塩またはそれらの
有機溶媒溶液を添加する等により本反応を達成してもよ
い。反応の温度は、原料化合物(II)もしくはそのエス
テルまたはその塩,化合物(III)またはその塩,環状
リン化合物(IV),有機溶媒,塩基等の量,種類等によ
って異なるが、通常約−80から60℃である。反応時
間は1分から24時間程度である。
【0023】(2):R10がアシルオキシ基の場合 アシルオキシ基としては、例えばアセトキシ基,アセト
アセトキシ基,ジクロロアセトキシ基等のハロゲン、フ
ェニル、C1-6アルカノイル等で置換されていてもよい
1-6アルカノイルオキシ基等が用いられる。本反応に
おいて、化合物(III)またはその塩は化合物(II)も
しくはそのエステルまたはその塩1モルに対して通常約
1から5モル、好ましくは約1から3モル用いる。反応
は通常水、もしくは水と混合しうる有機溶媒と水との混
合溶媒、または反応に悪影響のない有機溶媒中で行なわ
れる。水、もしくは水と混合しうる有機溶媒(例えばア
セトン等のケトン類,メタノール,エタノール等のアル
コール類,アセトニトリル等のニトリル類等)と水との
混合溶媒中で反応を行なう場合は、pH2から8、好ま
しくは中性付近すなわちpH5から8で行なうのが有利
である。反応は約10から100℃、好ましくは約30
から80℃の温度範囲で行なわれる。反応時間は反応温
度によって異なるが通常10分から70時間である。一
方、有機溶媒中で反応を行なう場合は、反応を促進させ
るために酸,酸の付加物,または水とハロゲン化燐化合
物の存在下に反応を行なってもよい。好ましい酸として
たとえば三弗化硼素,メタンスルホン酸等、好ましい酸
の付加物としてたとえば三弗化硼素・ジエチルエーテル
錯塩等、および好ましいハロゲン化燐化合物として四塩
化ジホスホリル,ジクロルリン酸等が用いられる。好ま
しい有機溶媒はたとえば前記のR10=ヒドロキシル基の
場合の反応で記載したエーテル類,ハロゲン化炭化水素
類,ケトン類,ニトリル類等である。反応は−40から
100℃、好ましくは−20から80℃の温度範囲で行
なわれる。反応時間は反応温度によって異なるが10分
から70時間である。
【0024】(3):R10がハロゲンの場合 本反応は溶媒中で行うのがよく、好ましい溶媒は前記の
10=ヒドロキシル基の場合の反応で記載したエーテル
類,エステル類,ハロゲン化炭化水素類,芳香族炭化水
素類,アミド類,ケトン類,ニトリル類の他、水やメタ
ノール,エタノール,プロパノール等のアルコール類等
である。化合物(III)またはその塩は化合物(II)も
しくはそのエステルまたはその塩1モルに対して通常約
1から5モル、好ましくは約1から3モル用いる。反応
は約−10から100℃、好ましくは約20から60℃
の温度範囲で行なわれる。反応時間は通常30分から1
5時間程度、好ましくは1から5時間程度である。反応
を促進するため脱ハロゲン化水素剤の存在下に反応を行
うこともできる。このような脱ハロゲン化水素剤として
は例えば炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナト
リウム,炭酸水素カリウム等の無機塩基、たとえばトリ
エチルアミン,トリプロピルアミン,トリブチルアミ
ン,ジイソプロピルエチルアミン,シクロヘキシルジメ
チルアミン,N,N−ジメチルアニリン,N−メチルピ
ペリジン,N−メチルピロリジン,N−メチルモルホリ
ン等の第3級アミン、例えばピリジン,ピコリン,ルチ
ジン,コリジン等のピリジン類,例えばプロピレンオキ
シド,エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等が
用いられる。また化合物(III)またはその塩自身を脱
ハロゲン化水素剤として働かせてもよい。この場合には
化合物(III)は化合物(II)もしくはそのエステルま
たはその塩1モルに対して2モル以上使用する。R10
示されるハロゲンは塩素,臭素,ヨウ素等であるが、好
ましくはヨウ素である。R10がハロゲンである化合物
(II)もしくはそのエステルまたはその塩は例えば特開
昭58−57390に記載の方法またはそれに準ずる方
法等を用いて容易に製造できる。R10がヒドロキシル基
である化合物(II)もしくはそのエステルまたはその塩
は例えば「ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス
( Journalof Antibiotics)第45巻第721頁(1992
年)」に記載の方法またはそれに準ずる方法等を用いて
容易に製造できる。R10がアシルオキシ基である化合物
(II)もしくはそのエステルまたはその塩は例えば特開
昭54−34795または特開昭53−34794に記
載の方法またはそれに準ずる方法等を用いて容易に製造
できる。
【0025】また、化合物(III)は、例えば、式HS
−A−P1で表される化合物および式
【化19】 〔式中、P1およびP2は互いに反応してYを形成する基
を、Y,Aおよびその他の各記号は前記と同意義を示
す〕で表される化合物を等モルで、ホルムアミド、ジメ
チルホルムアミド等のアミド類等の溶媒中で反応させる
ことによって製造できる。反応温度は約−10から10
0℃、反応時間は通常30分から15時間程度である。
さらに化合物(III)は、例えば、「ケミストリー・オブ
・ヘテロサイクリック・コンパウンズ“Chemistry of H
etrocyclic Compounds”」(ジョン・ウイリー&サンズ
“John Wiley & Suns”)または「アドバンス・イン・
ヘテロサイクリック・ケミストリー“Adv. Hetrocycl.
Chem.”」(アカデミック・プレス“Acadmic Press”)
等に記載された方法に基づいても容易に製造できる。ま
た、化合物(III)は後記する参考例に記載された方法
またはその類似の方法によっても製造できる。
【0026】製造法2 化合物(I)またはその塩は、式(V)
【化20】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表わされる化
合物もしくはそのエステルまたはその塩と、式(VI)
【化21】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表わされる化
合物もしくはそのエステルまたはそのカルボキシ基にお
ける反応性誘導体とを反応させ、さらに必要に応じて保
護基を除去することによって製造することができる。式
(V)および(VI)にアミノ基、ヒドロキシ基、カルボ
キシ基等が存在する場合、これらは保護基で保護されて
いることが好ましい。このアミノ基の保護基としては、
例えば前記のR1と同様のものなどが用いられる。ま
た、ヒドロキシ基の存在する場合、このヒドロキシ基は
保護されていることが好ましく、このヒドロキシ基の保
護基としては、例えば前記のR5と同様のもの等が用い
られる。さらにカルボキシ基が存在する場合、このカル
ボキシ基は保護されていることが好ましく、このカルボ
キシ基の保護基としてはベンジル,ベンツヒドリル,ト
リチル,4−メトキシベンジル,4−ニトロベンジル,
tert−ブチル等が用いられる。化合物(V)または(V
I)のエステルとしては、前記化合物(I)のエステル
と同様のものが用いられる。化合物(V)の塩として
は、例えば前記化合物(II)の塩の場合と同様な塩基と
の塩等が用いられ、またそれらの塩基は化合物(V)と
共に添加してよく、その塩基の添加量は通常化合物
(V)に対して約1から10倍モル、好ましくは約1か
ら5倍モルである。
【0027】化合物(VI)のカルボキシ基における反応
性誘導体としては、例えば常法に従って製造することが
できる酸ハライド,酸無水物,活性アミド,活性エステ
ル,活性チオエステル等が用いられ、このような反応性
誘導体を具体的に述べると次のとおりである。 1)酸ハライド:例えば酸クロリド,酸ブロミド等が用
いられる。 2)酸無水物:例えばモノ低級アルキル炭酸混合無水物
等が用いられる。 3)活性アミド:例えばピラゾール,イミダゾール,4
−置換イミダゾール,ジメチルピラゾール,ベンゾトリ
アゾール等とのアミドが用いられる。 4)活性エステル:例えばメトキシメチルエステル,ベ
ンゾトリアゾールエステル,4−ニトロフェニルエステ
ル,2,4−ジニトロフェニルエステル,トリクロロフ
ェニルエステル,ペンタクロロフェニルエステル等のエ
ステルのほか、1−ヒドロキシ−1H−2−ピリドン,
N−ヒドロキシサクシンイミド,N−ヒドロキシフタル
イミド等とのエステル等が用いられる。 5)活性チオエステル:例えば2−ピリジンチオール,
2−ベンゾチアゾールチオールなどの複素環チオール等
とのチオエステル等が用いられる。
【0028】本反応では化合物(VI)もしくはそのエス
テルまたはそのカルボキシル基における反応性誘導体は
化合物(V)もしくはそのエステルまたはその塩1モル
に対して1モル以上、好ましくは約1から4モル用い
る。本反応は通常溶媒中で行なわれる。溶媒としては、
例えば水、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラ
ン,ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニ
トリル類、ジクロロメタン,クロロホルム,1,2−ジ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル等
のエステル類、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセト
アミド等のアミド類等が用いられ、これらは一種のみ
で、又は二種以上適当な割合で混合して用いてもよい。
化合物(VI)を遊離のまま、またはその塩で使用する場
合には、縮合剤の存在下に反応を行なうのが好ましい。
縮合剤としては,例えばN,N’−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド,N−シクロヘキシル−N’−モルホリノ
エチルカルボジイミド,N−シクロヘキシル−N’−
(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミ
ド,N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド等が用いられる。また、例えば炭酸
ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸
水素カリウム等の炭酸アルカリ金属、例えばトリエチル
アミン,トリブチルアミン,N−メチルモルホリン,N
−メチルピペリジン,N,N−ジメチルアニリン等の三
級アミン,例えばピリジン,ピコリン,ルチジン,コリ
ジン等のピリジン類等の塩基の存在下に反応を行なうこ
ともできる。これらの塩基は反応を促進するかあるいは
反応で生成する酸を中和するかあるいは原料を溶解しや
すくするような効果があり、通常化合物(V)もしくは
そのエステルまたはその塩に対して約0.01から10
倍モル、好ましくは約0.1から5倍モル用いられる。
反応温度はとくに限定されないが、通常約−30から5
0℃で行なわれることが多い。反応時間は数分から数十
時間程度(例えば5分から30時間)である。
【0029】製造法3 さらに化合物(I)においてQがCHを示す化合物もし
くはそのエステルまたはその塩は、式(VII)
【化22】 〔式中、Xはハロゲンを示し、その他の各記号は前記と
同意義を示す〕で表される化合物もしくはそのエステル
またはその塩とチオ尿素とを反応させることによって製
造することができる。化合物(VII)における基Xは例
えば塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンを示す。化合物
(VII)のエステルとしては、前記化合物(I)のエス
テルと同様のものが用いられる。化合物(VII)の塩と
しては製造法1の項で記載した化合物(II)の塩(無機
塩基塩、アンモニウム塩、有機塩基塩など)がここでも
用いられる。本反応は通常溶媒中で行われる。溶媒とし
ては、前記のエーテル類、アルコール類、アミド類など
が用いられる。チオ尿素は化合物(VII)もしくはその
エステルまたはその塩に対して通常約1から5モル、好
ましくは約1から3モル用いる。反応は約0から100
℃、好ましくは約20から60℃の温度範囲で行われ
る。反応時間は通常30分から15時間程度、好ましく
は1から5時間程度である。原料化合物(VII)もしく
はそのエステルまたはその塩は、式(VIII)
【化23】 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表される化合
物、そのエステルまたはその塩もしくは反応性誘導体と
前記の化合物(V)もしくはそのエステルまたはその塩
を、製造法2で述べたアシル化方法にしたがって反応さ
せることにより容易に製造することができる。またその
他の原料化合物(V)、(VI)および(VIII)で表され
る化合物またはその反応性誘導体はそれ自体公知の方法
(例えば特開昭53−34795、 特開昭53−347
94、 特開昭52−125190、 特開昭54−765
91、 特開昭57−209292、 特開昭52−102
293、特公昭58−22039、 特開昭62−273
945等)またはそれに準ずる方法によって容易に製造
できる。
【0030】上記の製造法1〜3によって得られる反応
生成物は公知の手段、例えば溶媒抽出,液性変換,転
溶,塩析,晶出,再結晶,クロマトグラフィー等によっ
て単離精製することができる。また反応生成物中に保護
基が含まれている場合には、必要ならばその保護基を通
常の方法により除去することによって化合物(I)もし
くはそのエステルまたはその塩が得られる。β−ラクタ
ム,ペプチド合成の分野でアミノ,ヒドロキシまたはカ
ルボキシの保護基は十分研究され、保護の方法及び脱保
護の方法は確立されている。たとえば該保護基を除去す
る方法としては、酸による方法,塩基による方法,ヒド
ラジンによる方法,還元による方法,N−メチルジチオ
カルバミン酸ナトリウムによる方法等の公知の手段を適
宜選択して用いることができる。また、得られる化合物
が遊離酸または遊離塩基である場合には、常法に従って
対応する薬理学的に受容される塩またはエステルへ変換
してもよく、得られる化合物が塩またはエステルである
場合は常法に従って対応する遊離酸または遊離塩基へ変
換してもよい。これらの変換は、上記保護基の除去前あ
るいは除去後に行うことができる。上記製造法1〜3に
おいて、化合物(I)もしくはそのエステルまたはその
塩(シン〔Z〕−体)がそのアンチ〔E〕−異性体との
混合物として得られる場合がある。混合物から所望のシ
ン異性体(即ち化合物(I)もしくはそのエステルまた
はその塩)を分離するには自体公知の方法またはそれに
準ずる方法が適用される。それらの方法としては例えば
溶解性,結晶性などの差を利用した分別法,クロマトグ
ラフィーによる分離法等が用いられる。
【0031】
【実施例】以下に参考例,実施例で本発明をさらに詳し
く説明する。しかしこれらは単なる例であって本発明を
何ら限定するものではない。以下の参考例、実施例のカ
ラムクロマトグラフィーにおける溶出はTLC(薄層ク
ロマトグラフィー)による観察下に行なわれた。TLC
観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merc
k)社製の60F254を、展開溶媒としてはカラムクロマ
トグラフィーで溶出溶媒として用いられた溶媒を、検出
法としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルは
同じくメルク社製のキーゼルゲル60(70〜230メ
ッシュ)を用いた。セファデックスLH−20はファル
マシア・ファイン・ケミカルズ社(Pharmacia Fine Che
micals)製である。アンバーライトXAD−II樹脂はロ
ーム・アンド・ハース社(Rohm & Hass Co.)製であ
る。HP−20およびSP−207樹脂は三菱化成製で
ある。LiCroprep RP-18はメルク社製である。NMRス
ペクトルは内部または外部基準としてテトラメチルシラ
ンまたは3−(トリメチルシリル)プロピオン酸−2,
2,3,3−d4ナトリウム塩を用いてGemini200
(200MHz)型スペクトロメーターで測定し、全δ
値をppmで示した。混合溶媒において( )内に示した
数値は各溶媒の容量混合比である。混合溶媒における%
は容量パーセントを示す。参考例、実施例中の記号は次
のような意味を有する。また、「室温」とは通常15℃
〜30℃程度をさすが、参考例、実施例中の「室温」は
20〜25℃である。 s :シングレット d :ダブレット t :トリプレット q :クワルテット ABq :AB型クワルテット dd :ダブル ダブレット m :マルチプレット br. :幅広い J :カップリング定数 sh :ショルダー
【0032】参考例 1 1-ブロモシクロブタン-1-カルボン酸(37.5g)をジクロロ
メタン(500ml)に溶解し、 室温でかき混ぜながらジフェ
ニルジアゾメタン(40g)を40分間かけて加えた。反応液は
室温で2時間撹拌した後減圧下濃縮した。 残留物をジク
ロロメタン(100ml)に溶解し、 ヘキサン(500ml)を加えて
一夜静置後上澄液を減圧下濃縮乾固すると1-ブロモシク
ロブタン-1-カルボン酸ジフェニルメチルが油状物とし
て63.8g得られた。1 H-NMR(CDCl3)δ:1.75−2.0(1H,m),
2.10−2.35(1H,m), 2.55−2.7
5(2H,m), 2.85−3.0(2H,m),
6.89(1H,s), 7.2−7.45(10H,
m) 参考例 2 参考例 1 において1-ブロモシクロブタン-1-カルボン酸
の代わりに1-ブロモシクロペンタン-1-カルボン酸を用
いて同様に反応すると1-ブロモシクロペンタン-1-カル
ボン酸ジフェニルが得られた。1 H-NMR(CDCl3)δ:1.65-2.1(4H,m), 2.2-2.45(4H,m),
6.88(1H,s), 7.2-7.5(10H,m)
【0033】参考例 3 参考例 1 で得られた化合物(43.1g)とN-ヒドロキシフタ
ルイミド(16.3g)をジメチルスルホキシド(300ml)に溶か
し、 かき混ぜながら炭酸カリウム(41.5g)を加え80-90℃
で2時間反応した。 冷後反応液を氷水中に注ぎ、 酢酸エ
チルで抽出した。 抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後減
圧濃縮した。 残留物をエーテルで洗浄すると1-フタルイ
ミドオキシシクロブタン-1-カルボン酸ジフェニルメチ
ルが結晶として14.7g得られた。 融点166-168℃ IR (KBr) : 1790, 1735 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.65-2.1(2H,m), 2.55-2.7(4H,m),
6.94(1H,s), 7.2-7.45(10H,m), 7.7-7.8(4H,m) 参考例 4 参考例 3 において参考例 1 で得られた化合物の代わり
に参考例 2 で得られた化合物を用いて同様に反応する
と1-フタルイミドオキシシクロペンタン-1-カルボン酸
ジフェニルメチルが得られた。 融点140−143℃。 IR(KBr): 1790, 1735 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.55-1.85(4H,m), 1.95-2.4(4H,m),
6.85(1H,s), 7.2-7.45(10H,m), 7.69(4H,s) 元素分析値: C27H23NO5・0.75H2Oとして 計算値: C,71.27; H,5.43; N,3.08 実測値: C,71.23; H,5.35; N,2.92
【0034】参考例 5 参考例 4 で得られた化合物(9.20g)をジクロロメタ
ン(200ml)に溶かし、 ヒドラジン水和物(2.02ml)を加え
室温で1時間撹拌した。 不溶物をろ去し、 ろ液を水洗後
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を減圧留去する
と1-アミノオキシシクロペンタン-1-カルボン酸ジフェ
ニルメチルが油状物として7.22g得られた。1 H-NMR(CDCl3)δ:1.65-1.85(4H,m), 1.9-2.15(4H,m),
6.94(1H,s), 7.15-7.45(10H,m) 参考例 6 参考例 3 で得られた化合物を参考例 5 と同様に反応す
ると1-アミノオキシシクロブタン-1-カルボン酸ジフェ
ニルメチルが得られた。1 H-NMR(CDCl3)δ:1.85-2.1(2H,m), 2.15-2.35(2H,m),
2.4-2.65(2H,m), 6.96(1H,s), 7.2-7.45(10H,m)
【0035】参考例 7 3-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-オキソ-
2H-クロメン(8.44g)をエタノール(70ml)に懸濁し、 1N
水酸化ナトリウム水溶液(68.8ml)を加え40℃で1時間撹
拌した。 反応液に氷冷下でクロロぎ酸エチル(3.45ml)を
加えて5分間撹拌した後、 ジクロロメタン(100ml)と 1N
塩酸(34.4ml)を加えて有機層を分取し、水層はジクロロ
メタンで抽出した。 有機層をあわせ-70℃に冷却してオ
ゾンを反応が終了するまで吹き込んだ。 窒素ガスで過剰
のオゾンを除いた後、 酢酸ナトリウム(2.82g)とメチル
スルフィド(17.2ml)を加えてかき混ぜながら室温まで昇
温した。 反応液を水で抽出し、 水層を酢酸エチルで洗浄
した。 得られた水溶液に参考例 6 で得られた1-アミノ
オキシシクロブタン-1-カルボン酸ジフェニルメチル(1
0.2g)のエタノール(120ml)溶液を加え室温で15時間撹拌
した。 上澄液に1N 塩酸(38ml)を加えて減圧濃縮した後、
酢酸エチルで抽出した。 抽出液を水洗し、 無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後減圧下濃縮乾固すると2-(5-アミノ-
1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)-2-〔1-(ジフェニル
メチルオキシカルボニル)シクロブチルオキシイミノ〕
酢酸が13.2g得られた。 IR(KBr): 1730, 1615 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.8−2.9(6H,m),
6.94(1H,s), 7.2−7.5(10H,
m) 参考例 8 参考例 5 で得られた化合物を参考例 7 と同様に反応す
ると2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)-2
-〔1-(ジフェニルメチルオキシカルボニル)シクロペン
チルオキシイミノ〕酢酸が得られた。 IR(KBr): 1730, 1610 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.65-1.9(4H,m), 1.9-2.4(4H,m), 6.
92(1H,s), 7.2-7.5(10H,m)
【0036】参考例 9 参考例 7 で得られた化合物(12.7g)をジクロロメタン(1
40ml)に溶かし、 -30℃でかき混ぜながら五塩化りん(6.4
3g)を加えた後、 1時間で5℃まで昇温した。 ヘキサン(28
0ml)を加えて上澄液を除き、 残渣をTHF(20ml)に溶解し
た(酸クロリド溶液)。 一方、 7-アミノ-3-ヒドロキシメ
チル-3-セフェム-4-カルボン酸(7.11g)を水(90ml)とTHF
(90ml)の混合溶媒に懸濁し、 かき混ぜながら炭酸水素ナ
トリウム(10.6g)を加えて溶解した。 氷冷下かき混ぜな
がら前記の酸クロリド溶液を15分間で加えた後、 混合物
は同温で1時間撹拌した。 反応液は減圧下濃縮した後THF
で抽出した。 抽出液は短いシリカゲルカラムを通した後
減圧下に濃縮し、析出物をろ取し、 アセトニトリルで洗
浄すると7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-
イル)-(Z)-2-〔1-(ジフェニルメチルオキシカルボニル)
シクロブチルオキシイミノ〕アセタミド〕-3-ヒドロキ
シメチル-3-セフェム-4-カルボン酸ナトリウムが3.25g
得られた。 IR(KBr): 1745, 1680, 1605, 1520 cm-1 1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.85-2.15(2H,m), 2.35-2.75(4H,
m), 3.36(1H,d,J=18Hz),3.56(1H,d,J=18Hz), 4.10(1H,
d,J=13Hz), 4.26(1H,d,J=13Hz), 5.07(1H,d,J=4.6Hz),
5.77(1H,d,J=4.6Hz), 6.81(1H,s), 7.25-7.55(10H,m)
【0037】参考例 10 参考例 8 で得られた化合物を参考例 9 と同様に反応す
ると7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)
-(Z)-2-〔1-(ジフェニルメチルオキシカルボニル)シク
ロペンチルオキシイミノ〕アセタミド〕-3-ヒドロキシ
メチル-3-セフェム-4-カルボン酸ナトリウムが得られ
た。 IR(KBr): 1750, 1675, 1600, 1520 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.65-1.9(4H,m), 2.0-2.4(4H,m), 3.38
(1H,d,J=18Hz), 3.60(1H,d,J=18Hz), 4.25(2H,s), 5.16
(1H,d,J=4.8Hz), 5.83(1H,d,J=4.8Hz), 6.84(1H,s), 7.
1-7.5(10H,m) 参考例 11 2-アミノメチル-1-ジフェニルメトキシ-5-(4-メトキシ
ベンジルオキシ)-4-ピリドン(6.70g)をエタノール(120m
l)と水(12ml)に溶かし、氷冷下で二硫化炭素(1.20ml)と
トリエチルアミン(2.61ml)を加えた後、反応液は室温で
2時間撹拌した。よう化メチル(1.24ml)を加えて、室温
で10分間撹拌した後、析出した結晶をろ取し、エタノー
ルで洗浄すると1-ジフェニルメトキシ-5-(4-メトキシベ
ンジルオキシ)-2-メチルチオチオカルボニルアミノメチ
ル-4-ピリドンが4.41g得られた。 融点168-177℃(分解) IR(KBr): 1615, 1580, 1510 cm-1 1 H-NMR(CDCl3)δ:2.58(3H,s), 3.80(3H,s), 4.55(2H,
s), 4.88(2H,d,J=5Hz), 6.38(1H,s), 6.42(1H,s), 6.63
(1H,s), 6.84(2H,d,J=8Hz), 7.14(2H,d,J=8Hz), 7.3-7.
5(10H,m)
【0038】参考例 12 参考例 11 で得られた化合物(30.0g)を水(710ml)とエタ
ノール(710ml)の混液に懸濁し、アジ化ナトリウム(11.0
g)を加えて2時間加熱還流した。減圧下エタノールを留
去し、残留物へジクロロメタンを加えた後、氷冷下1N
塩酸でpH3.5に調整した。有機層を分取し、食塩水で洗
浄後減圧下に濃縮した。残留物をメタノール(220ml)と
アセトニトリル(220ml)の混液に溶かし、濃塩酸(11.1m
l)を加えて室温で2時間撹拌後、濃塩酸(5.6ml)を追加
し、さらに同温で3時間撹拌した。減圧下に有機溶媒を
留去し、残留物をジクロロメタンで洗浄後ろ過した。ろ
液を減圧下に約300mlまで濃縮後、氷冷下10%塩酸でpH3
に調整した。析出物をろ取し、水、エーテルで順次洗浄
すると1-〔1-ヒドロキシ-5-(4-メトキシベンジルオキ
シ)-4-ピリドン-2−イル〕メチル-5-メルカプト-1H-テ
トラゾールが10.9gが得られた。 IR(KBr): 3075, 2930, 2830, 1610, 1515, 1435, 1390,
1335 cm-1 1 H-NMR(DMSO-d6)δ: 3.76(3H,s), 5.08(2H,s), 5.45(2
H,s), 6.52(1H,s), 6.96(2H,d,J=9Hz), 7.39(2H,d,9H
z), 8.18(1H,s) 参考例 13 参考例 11、 12と同様にして5-メルカプト-1-〔1,5-ビス
(4-メトキシベンジルオキシ)-6-メチル-4-ピリドン-2-
イル〕メチル-1H-テトラゾールを得た。 IR(KBr): 2840, 1615, 1560, 1520, 1175, 1030 cm-1
【0039】実施例 1 7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)
-2-(1-カルボキシシクロブチルオキシイミノ)アセタミ
ド〕-3-〔〔1-(1,5-ジヒドロキシ-4-ピリドン-2-イル)
メチル-1H-テトラゾール-5-イル〕チオメチル〕-3-セフ
ェム-4-カルボン酸ジナトリウム
【化24】 7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)
-2-〔1-(ジフェニルメチルオキシカルボニル)シクロブ
チルオキシイミノ〕アセタミド〕-3-ヒドロキシメチル-
3-セフェム-4-カルボン酸ナトリウム(687mg)と1-〔1-ヒ
ドロキシ-5-(4-メトキシベンジルオキシ)-4-ピリドン-2
-イル〕メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾール(434mg)
をDMF(8ml)に溶かし、 氷冷下かき混ぜながらエチル o-
フェニレンホスフェート(1.0g)を加えた後、 室温で3時
間撹拌した。 反応液にイソプロピルエーテル(90ml)を加
え、 静置後上澄液を除いた。 残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル 50g; アセトニトリル-水=85:15)
で精製後凍結乾燥した。 得られた粉末をジクロロメタン
(10ml)に懸濁し、 氷冷下かき混ぜながらアニソール(0.5
ml)とトリフルオロ酢酸(5ml)を加えて1時間撹拌した。
反応液を減圧濃縮し、トルエン(10ml)を加えて再び減圧
濃縮する操作を2回繰り返した。 残留物をアセトニトリ
ル-水(2:1)(45ml)に溶解し、 氷冷下1N 水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH6に調整後減圧濃縮した。 残留液を酢酸エ
チルで洗浄後SP-207カラムクロマトグラフィー(SP-207
50ml; 0.05M りん酸緩衝液(pH5.1)-アセトニトリル=88:
12)で精製した。 溶出液を減圧濃縮し、 残留物をSP-207
(50ml)カラムクロマトグラフィーに付して水洗後水−ア
セトニトリル(65:35)の混液で溶出した。 溶出液を減圧
濃縮後凍結乾燥すると表題化合物が粉末として67mg得ら
れた。 IR(KBr): 1760, 1590, 1525 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.7-2.1(2H,m), 2.2-2.65(4H,m), 3.41
(1H,d,J=17Hz), 3.72(1H,d,J=17Hz), 4.08(1H,d,J=14H
z), 4.39(1H,d,J=14Hz), 5.17(1H,d,J=4.6Hz), 5.58(2
H,s), 5.83(1H,d,J=4.6Hz), 6.85(1H,s), 7.70(1H,s) 元素分析値: C24H21N11O10S3Na2・6H2Oとして 計算値: C,32.99; H,3.81; N,17.63 実測値: C,33.10; H,3.87; N,17.50
【0040】実施例 2 7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)
-2-(1-カルボキシシクロペンチルオキシイミノ)アセタ
ミド〕-3-〔〔1-(1,5-ジヒドロキシ-4-ピリドン-2-イ
ル)メチル-1H-テトラゾール-5-イル〕チオメチル〕-3-
セフェム-4-カルボン酸ジナトリウム
【化25】 実施例 1 において7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジア
ゾール-3-イル)−(Z)−2−〔1−(ジフェニルメ
チルオキシカルボニル)シクロブチルオキシイミノ〕ア
セタミド〕-3-ヒドロキシメチル-3-セフェム-4-カルボ
ン酸ナトリウムの代わりに7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チ
アジアゾール-3-イル)-(Z)-2-〔1-(ジフェニルメチルオ
キシカルボニル)シクロペンチルオキシイミノ〕アセタ
ミド〕-3-ヒドロキシメチル-3-セフェム-4-カルボン酸
ナトリウムを用いて同様に反応すると表題化合物が得ら
れた。 IR(KBr): 1760, 1595, 1530 cm-1 1 H-NMR(D2O)δ:1.6-1.9(4H,m), 1.95-2.25(4H,m), 3.3
5(1H,d,J=18Hz), 3.70(1H,d,J=18Hz), 4.10(1H,d,J=14H
z), 4.34(1H,d,J=14Hz), 5.14(1H,d,J=4.8Hz), 5.62(2
H,s), 5.78(1H,d,J=4.8Hz), 6.95(1H,s), 7.79(1H,s) 元素分析値: C25H23N11O10S3Na2・4.5H2Oとして 計算値: C,34.88; H,3.75; N,17.90 実測値: C,34.90; H,3.69; N,18.09
【0041】実施例 3 7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)
-2-(1-カルボキシシクロブチルオキシイミノ)アセタミ
ド〕-3-〔〔1-(1,5-ジヒドロキシ-6-メチル-4-ピリドン
-2-イル)メチル-1H-テトラゾール-5-イル〕チオメチ
ル〕-3-セフェム-4-カルボン酸ジナトリウム
【化26】 実施例 1 において1-〔1-ヒドロキシ-5-(4-メトキシベ
ンジルオキシ)-4-ピリドン-2-イル〕メチル-5-メルカプ
ト-1H-テトラゾールの代わりに5-メルカプト-1-〔1,5-
ビス(4-メトキシベンジルオキシ)-6-メチル-4-ピリドン
-2-イル〕メチル-1H-テトラゾールを用いて同様に反応
すると表題化合物が得られた。 IR(KBr): 1760, 1600, 1530 cm-1
【0042】実施例 4 7β-〔2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-(Z)
-2-(1-カルボキシシクロペンチルオキシイミノ)アセタ
ミド〕-3-〔〔1-(1,5-ジヒドロキシ-6-メチル-4-ピリド
ン-2-イル)メチル-1H-テトラゾール-5-イル〕チオメチ
ル〕-3-セフェム-4-カルボン酸ジナトリウム
【化27】 実施例 3 と同様にして表題化合物を得た。 IR(KBr): 1765, 1590, 1530 cm-1
【0043】試験例1 最小発育阻止濃度(MIC) 試験化合物の最小発育阻止濃度(MIC:minimal inhi
bitory concentration)は寒天希釈法(agar dilution
method)により決定された。すなわち、段階希釈法によ
り希釈した試験化合物の水溶液0.25mlをシャーレ(p
etridish)に注ぎ、次にミューラーヒントン アガー
(Muller-Hinton agar)9.75mlを注いで混ぜる。そ
の混合寒天プレート上に、試験菌の懸濁液(約106
FU/ml)を塗沫する。37℃で一夜培養(incubatio
n)した後、試験液の増殖を完全に阻止する試験化合物
の最低濃度をMICとする。
【表1】 ─────────────────────────────────── MIC (μg/ml) ────────────────── 試 験 菌 実施例1 実施例2 対 照 の化合物 の化合物 化合物 ─────────────────────────────────── シュードモナス アエルギノサ P9 0.1 0.05 1.56 (P.aeruginosa P9) シュードモナス アエルギノサ NC-5 0.013 0.025 1.56 (P.aeruginosa NC-5) シュードモナス アエルギノサ U31 0.05 0.05 12.5 (P.aeruginosa U31) ─────────────────────────────────── 対照化合物:セフタジジム(Ceftazidime)
【0041】
【発明の効果】本発明の化合物(I)またはその塩は緑
膿菌を含むグラム陰性菌に対し強い抗菌活性および良好
な血中持続性を有し、人および動物における病原性細菌
により生じる種々の疾病の予防ならびに治療のために使
用されうる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、 R1は保護されていてもよいアミノ基を、R2
    さらに置換基を有していてもよいカルボキシ置換三ない
    し七員脂環式炭化水素基を、R3は水素原子または置換
    されていてもよい低級アルキル基を、R4は保護されて
    いてもよいヒドロキシル基を、R5およびR6は同一また
    は異なって水素原子、ヒドロキシル基、置換されていて
    もよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級
    アルコキシ基を、QはN,CHまたはCX1(X1はハロ
    ゲン原子を示す)を、Aはさらに置換基を有していても
    よく隣接する硫黄原子とは炭素原子で結合する二価の非
    イオン型芳香族複素環基を、 Yは結合手または硫黄原
    子,酸素原子,NH,CONHもしくはこれらを介在し
    てもよい二価の鎖状低級炭化水素基をそれぞれ示す〕で
    表されるセフェム化合物もしくはそのエステルまたはそ
    の塩。
  2. 【請求項2】R2が1−カルボキシ−三ないし七員脂環
    式炭化水素基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R2が1−カルボキシシクロブタン−1−
    イル基である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】R2が1−カルボキシシクロペンタン−1
    −イル基である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】非イオン型芳香族複素環基が窒素原子、酸
    素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1ない
    し4個含む五または六員芳香族複素環より環構成原子に
    置換する水素原子を2個除いて得られる基である請求項
    1記載の化合物。
  6. 【請求項6】非イオン型芳香族複素環基が五員芳香族複
    素環基である請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】非イオン型芳香族複素環基がテトラゾール
    より水素原子を2個除いて得られる基である請求項1記
    載の化合物。
  8. 【請求項8】Yが式−(CH2n−(式中、nは0ない
    し3の整数を示す)で表される基である請求項1記載の
    化合物
  9. 【請求項9】式 【化2】 〔式中、R12は1−カルボキシ−三ないし七員脂環式炭
    化水素基を、R13およびR14は各々水素原子または低級
    アルキル基を、Q1はNまたはCHを、その他の各記号
    は請求項1または請求項8記載と同意義を示す〕で表さ
    れるセフェム化合物もしくはそのエステルまたはその塩
    である請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】式 【化3】 〔式中、 R10はヒドロキシル基、 アシルオキシ基または
    ハロゲン原子を示し、その他の各記号は請求項1記載と
    同意義を示す〕で表されるセフェム化合物もしくはその
    エステルまたはその塩と式 【化4】 〔式中の各記号は請求項1記載と同意義を示す〕で表さ
    れる化合物またはその塩とを反応させることを特徴とす
    る請求項1記載の化合物の製造法。
  11. 【請求項11】請求項1記載の化合物を含有する抗菌組
    成物。
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