JP4062584B2 - クレーンゲーム機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーンゲーム機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレーンゲーム機は、筐体内のプレイフィールドにプレイヤーから見えるように積まれた景品を、プレイヤーが操作できる景品キャッチャーにより掴み取って、景品投入口へ投下するように構成されており、ゲームセンターその他の娯楽施設において広く楽しまれている。
【0003】
従来のクレーンゲーム機における景品キャッチャーは、プレイフィールドの天井部に設けたクレーン機構により水平2軸方向(X−Y軸方向)に移動可能であると共に、伸縮ブームにより鉛直方向(Z軸方向)に移動可能であり、更に、通常は伸縮ブームの鉛直軸を中心に回動可能なように構成されている。
【0004】
しかしながら、このような従来の景品キャッチャーの動きだけでは、次のような問題点があった。
(1) 景品キャッチャーを水平2軸方向へ移動させて景品の真上にくるように位置決めしてから、景品キャッチャーで景品を掴むときの操作は、キャッチーを開いた状態で上から真下へ向けて垂直に降下させ、景品に達したところでキャッチーを閉じるだけである。そのため、景品を掴む方向は上からの一方向に限られ、面白味に欠け、飽きられやすいという問題がある。
(2) 景品を上からしか掴めないため、景品の置き方も制限され、筐体内部の空間を有効に利用できない。
(3) 図9に示すように、プレイフィールドの両側や奥の壁に近い部分に景品キャッチャーの届かないデッドスペースDSが生じ、そこに景品があっても掴むことができず、その景品の獲得を目的としてゲーム料金を支払ったプレイヤー等には大きな不満が残るという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のクレーンゲーム機の上記の如き問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、景品キャッチャーが景品を掴むことのできる方向を従来より拡張することにより、筐体内部の空間を有効に利用できるようにすると共に、景品の配列の自由度を高めることにより、ゲームの面白さを向上させ、飽きられることのない興趣に富んだクレーンゲーム機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、
クレーン機構により水平2軸方向に移動可能なよう支持されたキャリッジと、上記キャリッジにより鉛直に支持された伸縮ブームと、上記伸縮ブームの下端に取り付けられ、プレイフィールド上に載置された景品を把持し得る一対の開閉アームを具えた景品キャッチャーと、プレイヤーの操作に基づき作動する景品キャッチャー制御装置と、を具備し、
上記景品キャッチャーが、伸縮ブームの下端部に取り付けられた水平軸の周りに揺動可能に軸支されており、
上記景品キャッチャー制御装置が、プレイヤーの操作に基づき、少なくとも、上記クレーン機構によるキャリッジの水平2軸方向の位置と、伸縮ブームの伸縮動作と、景品キャッチャーの上記水平軸の周りの揺動角と、景品キャッチャーの開閉アームの開閉動作と、を制御し得るよう構成されたクレーンゲーム機において;
上記景品キャッチャーを、伸縮ブームの下端部に取り付けられた水平軸の周りに揺動せしめる機構が、
伸縮ブームの下端部に固定された逆U字形の継手と、
上記継手の下端間に掛け渡す形で固定された上記水平軸と、
上記水平軸を支軸として固定された第1歯車と、
上記水平軸を支軸として回転自在に取り付けられた景品キャッチャーのブラケットと、
ブラケット上に取り付けられた景品キャッチャー揺動用モーターと、
上記景品キャッチャー揺動用モーターの回転軸に取り付けられ、上記第1平歯車と噛み合わせられた第2歯車と、から構成され、
上記景品キャッチャーのブラケット上に、景品を把持する開閉アームとその開閉駆動機構が組み付けられたこと、
を特徴とする上記のクレーンゲーム機によって達成される。
【0007】
その場合において、通常は、上記景品キャッチャーが、伸縮ブームの鉛直中心軸の周りに回動可能なよう構成され、上記景品キャッチャー制御装置が、プレイヤーの操作に基づき、景品キャッチャーの上記鉛直中心軸の周りの回動角についても制御し得るように構成されることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るクレーンゲーム機の一実施例の外観を示す三面図、図2は、本発明に係るクレーンゲーム機における景品キャッチャーの動きを示す説明図、図3は、本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャーの外観を示す三面図、図4は、本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャーの内部機構を示す説明図、図5は、本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャーにより景品を獲得する第1の態様を示す説明図、図6は、その第2の態様を示す説明図、図7は、その第3の態様を示す説明図、図8は、景品の別の動かし方を示す説明図である。
【0009】
図1において、(A)は本発明に係るクレーンゲーム機の一実施例の正面図、(B)はその右側面図、(C)はその上面図(天井、クレーン機構及び景品キャッチャーを取り外し、プレイフィールド内における景品の配列状態を示す)である。
図1及び図2中、1はゲーム機の筐体、2はゲーム料金投入部、3は操作部、4は景品払出し口、5はプレイフィールド、6は景品キャッチャー、7は伸縮ブーム、8はキャリッジ(図2参照)、9はクレーン機構(図2参照)である。
筐体1の前面には強化ガラス板による施錠可能な扉が取り付けられ、このガラス板を透してプレイヤーはプレイフィールド5上の景品10や、景品キャッチャー6の動きを見ながらゲームを行なうようになっている。
【0010】
景品キャッチャー6は、筐体1の天井部に設けたクレーン機構9により水平2軸方向(X−Y軸方向)に移動可能であると共に、伸縮ブーム7により鉛直方向(Z軸方向)に移動可能なよう構成され、更に、伸縮ブーム7の鉛直軸を中心に回動可能(図2中、矢印R1で示す)なように構成されている。
即ち、クレーン機構9にはキャリッジ8が水平2軸方向に移動可能なよう支持され、当該キャリッジ8により伸縮ブーム7が鉛直に支持され、この伸縮ブーム7の下端に景品キャッチャー6が取り付けられ、これにより、景品キャッチャー6の上記X,Y,Z軸方向への移動が可能なようになっている。また、キャリッジ8内に設けた回転駆動装置により、伸縮ブーム7がその鉛直中心軸を中心に回転することにより、景品キャッチャー6が図2中、矢印R1で示すように伸縮ブーム7の鉛直軸を中心に回動可能なように構成されている。
また、景品キャッチャー6に具えられた一対の開閉アーム61は、景品キャッチャー6内に設けた駆動機構により開閉動作を行ない、景品10を把持できるようになっている。
景品キャッチャー6のこれらの動きは、プレイヤーが操作部3のボタンスイッチ等を操作することにより、図では省略した景品キャッチャー制御装置を介して実現される。
【0011】
而して、本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャー6は、上記の各方向への動きに加えて、伸縮ブーム7の下端部に取り付けられた水平軸72の周りに揺動可能(図2及び図3中、矢印R2で示す)なように構成され、プレイヤーの操作に応じて揺動せしめられることにより、例えば図2に示す如く、プレイフィールドの壁面近くの景品も、開閉アーム61によって把持できるようになっている。そのため、図9に示すような従来のデッドスペースDSの存在を解消することができる。
図3において、(A)は景品キャッチャーの一実施例の正面図、(B)はその右側面図、(C)はその上面図であり、景品キャッチャー6が、伸縮ブーム7と共に伸縮ブームの鉛直中心軸の周りに回動可能であると共に、伸縮ブーム7の下端の継手71に取り付けた水平軸72の周りに揺動可能なように構成されていることを示している。
【0012】
以下、図4を参照しつつ、景品キャッチャー6の上記水平軸72を中心とする揺動機構について説明する。
図4(A)は、景品キャッチャー6の内部構成の正面図、(B)はその右側面図である。
伸縮ブーム7の下端には、逆U字形の継手71が取り付けられ、その下端間に掛け渡すように水平軸72が固定して取り付けられる。この水平軸72には、景品キャッチャー回動用の第1歯車73が固着される。
一方、景品キャッチャー6のブラケット60には、上記水平軸72を挿通するための孔が明けられ、この孔に挿通された水平軸72の周りに景品キャッチャー6自体が回転自在に支持されるようになっている。
更に、ブラケット60には景品キャッチャー揺動用モーター62が取り付けられると共に、景品キャッチャー揺動用モーター62の回転軸には、上記第1歯車73と噛み合う第2歯車63が取り付けられている。
従って、景品キャッチャー揺動用モーター62を正逆回転させることにより、固定された第1歯車73の周りで第2歯車63が遊星運動を行ない、それに伴って景品キャッチャー6自体が水平軸72の周りに正逆回動せしめられる。
【0013】
ブラケット60には、開閉アーム61を開閉駆動するためのモーター64aも取り付けられており、このモーター64aの正逆回転力が、伝達歯車列64bを介して、開閉アーム61の基端部に作用する歯車65に伝達され、これにより、開閉アーム61の開閉動作が行なわれるようになっている。
【0014】
プレイヤーは、操作部3のボタンスイッチ等を操作することにより、景品キャッチャー6の上記水平軸72の周りの正逆回動、伸縮ブームの鉛直中心軸の周りの回動、開閉アーム61の開閉、並びに、前記クレーン機構によるキャリッジ8の水平2軸方向の位置決定、伸縮ブーム7の伸縮動作、等々を制御できる。
【0015】
次に、上記の如き構成を有する景品キャッチャーにより、景品を獲得する幾つかの態様について、図5〜図8を参照しつつ説明する。
まず、図5に示す景品獲得方法は、(A)に示すように、景品キャッチャー6を景品10の正面位置で景品からやや離れた位置にもたらし、次いで(B)に示すように、景品キャッチャー6の開閉アーム61を開いた状態で開閉アーム61の先端が景品10の方に向くように景品キャッチャー6全体を回動させ、最後に(C)に示すように、景品キャッチャー6を景品10に接近させ、開閉アーム61を閉じて、景品を把持するものである。
このように景品10を把持したまま、プレイフィールド上の景品投入口の真上まで景品キャッチャーを移動させ、その位置で開閉アーム61を開いて景品を景品投入口内へ投下すれば、景品は前記景品払出し口4へ導かれて、プレイヤーはこれを入手することができる。
【0016】
次に、図6に示す景品獲得方法は、(A)に示すように、景品キャッチャー6を、その開閉アーム61を開いた状態で景品10の正面に近い位置にもたらし、次いで(B)に示すように、開閉アーム61の先端が景品10の側へ向くように景品キャッチャー6全体を回動させ、然るのち、開閉アーム61を閉じて、景品10を把持するものである。
【0017】
図7に示す景品獲得方法は、(A)に示すように、景品キャッチャー6を、その開閉アーム61を閉じた状態で景品10の正面の近い位置にもたらし、次いで(B)に示すように、開閉アーム61を閉じたままの状態で開閉アーム61の先端が景品10の方に向くように景品キャッチャー6全体を回動させる。そうすることにより、閉じた開閉アームの上に景品がすくい取られる。
このように景品10を開閉アーム61の上に乗せたまま、景品投入口の真上まで景品キャッチャーを移動させ、その位置で開閉アーム61を開くか、或いは、開閉アームの先端が下を向くように景品キャッチャー6を回動させれば、景品は景品投入口内へ投下され、景品払出し口4へ導かれて、プレイヤーはこれを入手することができる。
【0018】
図8に示す景品獲得方法は、景品10がプレイフィールド内に設けた棚の上に載せられており、棚の下に景品投入口が開口しているような場合に、(A)に示すように、景品キャッチャー6の開閉アーム61を閉じた状態で景品10の正面に近い位置にもたらし、次いで(B)に示すように、景品キャッチャー6を回動させると、景品は棚から落とされて、景品投入口内へ落下し、景品払出し口4へ導かれて、プレイヤーはこれを入手することができる。
或いはまた、図8に示すような操作を行ない、邪魔な景品を押しのけて、希望の景品を掴みやすくすることも可能である。
【0019】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、伸縮ブームの鉛直中心軸の周りの回動手段、開閉アーム61の開閉手段等々は、適宜設計変更することが可能であり、従って、本発明はその目的の範囲内において上記説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成されるので、本発明によるときは、景品キャッチャーが景品を掴むことのできる方向が従来より拡張されることにより、筐体内部の空間が有効に利用できるようになると共に、景品の配列の自由度が高められ、ゲームの面白さが向上し、飽きられることのない興趣に富んだクレーンゲーム機が提供されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るクレーンゲーム機の一実施例の外観を示す三面図である。
【図2】 本発明に係るクレーンゲーム機における景品キャッチャーの動きを示す説明図である。
【図3】 本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャーの外観を示す三面図である。
【図4】 本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャーの内部機構を示す説明図である。
【図5】 本発明に係るクレーンゲーム機の景品キャッチャーにより景品を獲得する第1の態様を示す説明図である。
【図6】 その第2の態様を示す説明図である。
【図7】 その第3の態様を示す説明図である。
【図8】 景品の別の動かし方を示す説明図である。
【図9】 従来のクレーンゲーム機の景品キャッチャーの問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 ゲーム料金投入部
3 操作部
4 景品払出し口
5 プレイフィールド
6 景品キャッチャー
60 ブラケット
61 開閉アーム
62 景品キャッチャー揺動用モーター
63 第2歯車
64a モーター
64b 歯車列
65 歯車
7 伸縮ブーム
71 継手
72 水平軸
73 第1歯車
8 キャリッジ
9 クレーン機構
10 景品
Claims (2)
- クレーン機構(9)により水平2軸方向に移動可能なよう支持されたキャリッジ(8)と、上記キャリッジにより鉛直に支持された伸縮ブーム(7)と、上記伸縮ブームの下端に取り付けられ、プレイフィールド上に載置された景品を把持し得る一対の開閉アーム(61)を具えた景品キャッチャー(6)と、プレイヤーの操作に基づき作動する景品キャッチャー制御装置と、を具備し、
上記景品キャッチャー(6)が、伸縮ブームの下端部に取り付けられた水平軸(72)の周りに揺動可能に軸支されており、
上記景品キャッチャー制御装置が、プレイヤーの操作に基づき、少なくとも、上記クレーン機構によるキャリッジ(8)の水平2軸方向の位置と、伸縮ブーム(7)の伸縮動作と、景品キャッチャー(6)の上記水平軸(72)の周りの揺動角と、景品キャッチャーの開閉アーム(61)の開閉動作と、を制御し得るよう構成されたクレーンゲーム機において;
上記景品キャッチャー(6)を、伸縮ブームの下端部に取り付けられた水平軸(72)の周りに揺動せしめる機構が、
伸縮ブームの下端部に固定された逆U字形の継手(71)と、
上記継手(71)の下端間に掛け渡す形で固定された上記水平軸(72)と、
上記水平軸(72)を支軸として固定された第1歯車(73)と、
上記水平軸(72)を支軸として回転自在に取り付けられた景品キャッチャー(6)のブラケット(60)と、
ブラケット(60)上に取り付けられた景品キャッチャー揺動用モーター(62)と、
上記景品キャッチャー揺動用モーター(62)の回転軸に取り付けられ、上記第1平歯車(73)と噛み合わせられた第2歯車(63)と、から構成され、
上記景品キャッチャー(6)のブラケット(60)上に、景品を把持する開閉アーム(61)とその開閉駆動機構(64a,64b,65)が組み付けられたこと、
を特徴とする上記のクレーンゲーム機。 - 上記景品キャッチャー(6)が、伸縮ブーム(7)の鉛直中心軸の周りに回動可能なよう構成され、
上記景品キャッチャー制御装置が、プレイヤーの操作に基づき、景品キャッチャー(6)の上記鉛直中心軸の周りの回動角についても制御し得るよう構成されたこと、
を特徴とする請求項1に記載のクレーンゲーム機。
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2001
- 2001-08-07 JP JP2001238881A patent/JP4062584B2/ja not_active Expired - Fee Related
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