JP4060179B2 - 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造 - Google Patents

加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶モジュール等の電子部品や産業機器、電化機器、精密機器等に用いられているフレキシブル基板と硬質基板との接続のための加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶モジュール等の電子部品等では、軟質基板としてのフレキシブル基板(FPC)と硬質基板(プリント基板等)とが、各基板の端子同士をハンダ付けすることにより電気的に接合されている。
【0003】
ところが、フレキシブル基板と硬質基板との接続後、様々な工程、あるいは最終製品化された後の使用時において、フレキシブル基板に引っ張りやねじれといった何らかのストレスが加えられた場合に、端子部のハンダが剥がれて電気的な断線が生じる可能性がある。
【0004】
そこで、上記のような電気的な断線を防止する為に、フレキシブル基板と硬質基板との接合時に、端子同士のハンダ付けの他に、このハンダ付け部分の近傍に、ハンダ付けされた端子列と平行に熱圧着テープを設けて、フレキシブル基板と硬質基板とを接続する措置が講じられている。
【0005】
通常、ハンダ付けに必要な温度と熱圧着テープとの接合に必要な温度は異なるので、各接続部において異なる温度で接続する必要がある。そこで、従来では、一つの加熱治具(ヒーターチップ)を用いて以下のようにして、フレキシブル基板と硬質基板とを接合していた。
【0006】
まず、ヒーターチップをハンダ付け端子列部分に、フレキシブル基板のベースフィルムを介して接触させ、ハンダ付けを行った後、ヒーターチップを冷却してはんだを冷却・固化させる(ハンダ付け処理)。
【0007】
次いで、はんだが固化した後、ヒーターチップを上昇させて熱圧着テープ部接続位置に移動させ、熱圧着テープの最適温度に切り替えてテープの熱圧着を行う(熱圧着処理)。
【0008】
なお、上記の方法でフレキシブル基板と硬質基板とを接続する場合、接続にかかる時間を短縮するには、ヒーターチップの温度切り替えを迅速に行う必要がある。したがって、上記のヒーターチップには、パルスヒート方式で電力が供給されている。
【0009】
しかしながら、上記のように一つのヒーターチップを用いてハンダ付け処理と熱圧着処理とを別々に行った場合、上述のようにパルスヒート方式によりヒーターチップに電力を供給して加熱温度の切り替えを迅速に行うようにしても、2回の接続処理を行う必要があるので、工数が増加してスループットの低下を招くという問題が生じる。
【0010】
そこで、例えば特開平7−193362号公報には、一つのヒーターツール(ヒーターチップ)によって、ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に行う技術が開示されている。
【0011】
上記公報では、ヒーターツールの加熱面に、熱圧着処理に使用される接着剤の厚み分の段差を設け、段差の低い方で熱圧着処理を行い、段差の高い方でハンダ付け処理を行うようにして、ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に一括して行うようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、硬質基板には、一般にCu等からなる配線パターンが表面に形成され、その上に保護層としてソルダーレジストが形成されている。なお、このソルダーレジストは、フレキシブル基板の端子部と接続する端子部には形成されていない。
【0013】
一方、フレキシブル基板においても、硬質基板と接続する側の表面にCu等からなる配線パターンが形成され、その上に保護層としてカバーレイが設けられている。なお、このカバーレイは、硬質基板の端子部と接続する端子部には形成されていない。
【0014】
また、熱接着テープは、通常、硬質基板のソルダーレジストとフレキシブル基板のカバーレイとの間での接続に使用される。このため、フレキシブル基板と硬質基板との端子部同士の接続部分と、フレキシブル基板と硬質基板との熱接着テープによる接続部分との段差は、熱接着テープの厚み(接着剤の厚み)に、フレキシブル基板表面のカバーレイの厚みと、硬質基板表面のソルダーレジストの厚み等を加える必要がある。
【0015】
したがって、上記公報のように、ヒーターツールの段差を、熱圧着に必要な接着剤の厚み分に設定しているだけでは、該ヒーターツールの段差は、実際に考慮しなければならない段差よりも低くなる。このため、熱圧着時に、接着剤に対して必要以上に圧力が加わることになるので、接着剤が熱圧着部から溢れ出して該熱圧着部での熱接着テープの厚み、すなわち接着剤の厚みが薄くなり、接着強度が低下する。
【0016】
また、接着剤が熱圧着部から溢れ出すと、ヒーターチップを汚染するという不具合も生じる。
【0017】
このように、フレキシブル基板と硬質基板との間において熱圧着部分の接着強度が低下すれば、熱圧着部分において、フレキシブル基板が硬質基板から剥がれ易くなり、これに伴って、ハンダ付け部分の端子の断線も生じ易くなるという問題が生じる。
【0018】
本発明は、上記の各問題点を解決するためのものであって、その目的は、ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に行う場合に、各処理部の接続強度を高めることにより、接続処理後において、フレキシブル基板(軟質基板)が硬質基板から剥がれる虞のない加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の加熱接続装置は、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とのハンダ付けにより接続される第1接続部を加熱する第1加熱部材と、上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板との熱接着テープにより接続される第2接続部を加熱する第2加熱部材とを有し、上記第1加熱部材及び第2加熱部材を、同時に上記軟質基板側から第1接続部及び第2接続部に所定の圧力で押圧させて、加熱接続する加熱接続装置において、上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように設定された段差が形成されていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように設定された段差が形成されていることで、第1接続部におけるハンダ付け処理と第2接続部における熱圧着処理とを同時に行った場合の、第2接続部における軟質基板と硬質基板との接続強度を確保することができる。
【0021】
したがって、ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に行う場合に、各処理部における接続強度を高めることにより、接続処理後において、軟質基板が硬質基板から剥がれるという問題を無くすことができる。
【0022】
ここで、上記の所定の接続強度とは、硬質基板に接着された軟質基板がどれだけの強さで剥離されるかを示すものであり、軟質基板と硬質基板の使用環境等によって適宜設定されるものである。
【0023】
また、一般に、熱接着テープや接着剤の接着強さは素材の粘弾性に強く依存し、接着剤の弾性率が増すと、せん断接着強さは上昇するが、剥離強度は低下する。また、接着剤の厚みが増すと、せん断接着強さは低下するが、剥離強度は上昇する。
【0024】
これにより、熱接着テープの接着剤の厚みは、接着前後でできるだけ変わらないようにする必要がある。つまり、上記熱接着テープの接着剤の厚みは、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みであることが必要となる。
【0025】
したがって、上記の第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みは、例えば、第1加熱部材と第2加熱部材との押圧面における段差を以下のように設定することにより得ることができる。
【0026】
通常、配線パターンが表面に形成された硬質基板や軟質基板においては、配線パターンを保護するための保護層が設けられている。また、この保護層は、各基板の接続部分である端子部には形成されない。したがって、硬質基板と軟質基板とを貼り合わせたときの、第1接続部と第2接続部との実際の段差は、熱接着テープの厚みと、各基板の保護層の厚みとを加えた厚みに相当する高さとなる。
【0027】
ところが、実際の接続時には第1接続部及び第2接続部は加圧されるので、熱接着テープの接着剤が圧力により押しつぶされる量も考慮する必要がある。この接着剤が押しつぶされる量に相当する高さを実際の段差から引く必要がある。
【0028】
また、押しつぶされた接着剤は、第2接続部の各基板の配線パターンによって生じる保護層の窪み部分に入り込む。したがって、熱接着テープが圧力に押しつぶされた場合、該熱接着テープの接着剤が逃げる先の空間が各基板の配線パターン間の空間となるので、接着剤が押しつぶされる量に相当する厚みは、硬質基板側の配線パターンの厚みと軟質基板側の配線パターンの厚みとを加えて2で割った値に設定すればよいことになる。
【0029】
しかも、上述のように、加圧時に、第2接続部の各基板表面の窪み部分に接着剤が入り込めば、接着剤が各基板と接触する面積が大きくなり接着強度が増す。
【0030】
以上のことから、上記段差は、
熱接着テープの厚み+硬質基板側の保護層の厚み+軟質基板側の保護層の厚み−(硬質基板側の配線パターンの厚み+軟質基板側の配線パターンの厚み)/2によって求めることができる。
【0031】
上記記第1及び第2加熱部材は、それぞれ抵抗値が異なる抵抗体からなり、各抵抗体は電気的に並列に接続されていてもよい。
【0032】
この場合、第1及び第2加熱部材を構成する2つの抵抗体が電気的に並列に接続されていることで、両抵抗体に流れる電流は、各抵抗体の抵抗値に基づいて比例配分され、各抵抗体において異なる発熱量、すなわち異なる加熱温度にすることができる。
【0033】
したがって、一つの電源回路で2つの抵抗体の発熱量、すなわち第1及び第2加熱部材の加熱温度を同時に制御することが可能となる。
【0034】
上記の抵抗体における抵抗値は、ハンダ付け処理部と熱圧着処理部での発熱量(加熱温度)が最適になるように選択される。例えば、用いる熱接着テープの接着剤の素材やハンダの種類等に合わせて様々な抵抗値の抵抗体を用意しておき、必要に応じて取り替えて各加熱部材として使用することが考えられる。
【0035】
また、上記各加熱部材の加熱に必要な電力を、パルスヒート方式で供給してもよい。
【0036】
この場合、各加熱部材にパルスヒート方式で電力が供給されることで、必要な時に電力の供給・停止を行うことができる。つまり、加熱が必要なときに電力を供給し加熱部材を迅速に加熱し、加熱が必要でなくなったときに電力の供給を停止することで、加熱部材を迅速に冷却することができる。
【0037】
これにより、ハンダ付け処理部において、ハンダの温度を迅速に溶融温度まで上げて、ハンダ付け処理完了後には、ハンダを迅速に冷却・固化させることができる。
【0038】
したがって、パルスヒート方式によって電力を供給すれば、ハンダの溶融及び冷却・固化を迅速に行うことが可能となるので、第1接続部においてハンダが冷却・固化した後に第1加熱部材を引き上げても時間の消費は少なくて済む。しかも、ハンダが冷却・固化した後に第1加熱部材を引き上げるので、ハンダ付け処理部の接続を確実に行うことができる。
【0039】
さらに、上記第1及び第2加熱部材を冷却する冷却手段を設けてもよい。
【0040】
この場合、第1及び第2加熱部材を冷却する冷却手段が設けられていることで、加熱状態の第1及び第2加熱部材を強制的に冷却することが可能となる。これにより、例えば、硬質基板と軟質基板の加熱接続完了時に、上記第1加熱部材および第2加熱部材を強制的に冷却すれば、溶融ハンダを迅速に冷却・固化させることができる。
【0041】
このように、加熱接続完了時に、ハンダを確実に冷却・固化させることができれば、第1接続部における接続強度を強固なものにすることができる。
【0042】
また、第1及び第2加熱部材を冷却する冷却手段が設けられていることで、加熱接続完了後の溶融ハンダの冷却・固化にかかる時間を短縮でき、結果として、硬質基板と軟質基板との加熱接続にかかる時間を短縮することができる。
【0043】
しかも、加熱状態の加熱部材を冷却手段で強制的に冷却することができるので、例えばコンスタントヒート方式により加熱部材に電力が供給される場合のように、加熱部材が常時加熱されていても、溶融状態のハンダを冷却・固化しようとする時に、冷却手段で強制的に加熱部材を冷却すれば、パルスヒート方式で加熱部材に電力を供給する場合のような加熱接続の制御が可能となる。
【0044】
ハンダ側と熱圧着側のヒーターは各々独立に設けられ、独立に制御されることもある。
【0045】
また、冷却手段は、第1及び第2加熱部材に対して、個別に冷却制御を行ってもよい。この場合、第1加熱部材と第2加熱部材との設定温度の差が大きい場合に、各加熱部材を効率よく冷却することができる。
【0046】
また、冷却手段によって、第1及び第2加熱部材を同時に冷却するように制御してもよい。この場合、冷却手段による冷却制御に必要な構成を簡略化できるので、結果として、加熱接続装置の構成を簡略化できる。
【0047】
本発明の加熱接続方法は、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とをハンダにより加熱接続し、上記端子部同士の接続部の近接位置で上記硬質基板と軟質基板とを熱接着テープにより加熱接続する加熱接続方法において、上記端子部同士を仮圧着する第1の工程と、上記硬質基板と軟質基板とを仮圧着する第2の工程と、上記第1及び第2の工程において仮圧着された部位に対して、それぞれ予め設定した圧力及び温度、且つ、上記熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように同時に加圧・加熱する第3の工程と、上記第3の工程において予め設定された時間経過後に、加圧・加熱された部位を冷却する第4の工程とを含むことを特徴としている。
【0048】
上記の構成によれば、ハンダ付け処理及び熱圧着処理による各接続処理を確実に行うことが可能となり、且つ軟質基板と硬質基板との熱接着テープによる接続部分の該熱接着テープの接着剤の厚みが所定の接続強度が得られる厚みになるので、硬質基板と軟質基板との接続強度が向上し、より信頼性の高い製品を供給することが可能となる。
【0049】
本発明の軟質基板と硬質基板との接続構造は、上記加熱接続装置の第1加熱部材によって、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とがハンダ付けにより接続される第1接続部と、上記加熱接続装置の第2加熱部材によって、上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板とが熱接着テープにより接続される第2接続部とが形成され、上記第2接続部内での熱接着テープの厚みは、上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間に形成された段差、すなわち、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みに相当していることを特徴としている。
【0050】
上記構成によれば、熱接着テープの接着剤の厚みは、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みであるので、第1接続部でのハンダ付けによる接続強度を確保しつつ、第2接続部での接着強度を確保することができる。すなわち、軟質基板が硬質基板から容易に剥がれるという不具合を無くすことができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明すれば、以下の通りである。
【0052】
まず、本願発明の概要を図1を参照しながら以下に説明する。
【0053】
本実施の形態にかかる加熱接続装置は、図1に示すように、加熱手段としてのヒーターチップ101を有している。このヒーターチップ101によって、硬質基板1上にフレキシブル基板4を加熱接続するようになっている。
【0054】
上記硬質基板1の接続部分には、該硬質基板1上に設けられた回路(図示せず)に接続された端子部3と、この端子部3と並列に熱接着テープ8とが設けられている。
【0055】
上記端子部3は、フレキシブル基板4の端子部(図示せず)とハンダ付けにより接続され、上記熱接着テープ8は、フレキシブル基板4の端子部以外の部分に加熱圧着により接続されるようになっている。
【0056】
上記硬質基板1としては、ガラスエポキシ製のプリント基板が用いられるが、これに限定されず、フェノール樹脂、紙エポキシ樹脂等の硬質絶縁基板であってもよい。
【0057】
上記フレキシブル基板4を構成するベースフィルムとしては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられる。
【0058】
また、上記フレキシブル基板4(軟式基板)には、PVC(ポリ塩化ビニル)製のFFC(フレキシブルフラットケーブル)を用いてもよい。
【0059】
上記熱接着テープ8としては、繊維基材にSBR系の接着剤をコーティングしたものが用いられる。
【0060】
なお、軟質基板としては、上記のフレキシブル基板4の代わりに、LSIを実装したTCPであってもよい。
【0061】
上記ヒーターチップ101は、上記硬質基板1の端子部3とフレキシブル基板4の端子部とをハンダ付けするための第1加熱部(第1加熱部材)102と、上記硬質基板1の熱接着テープ8とフレキシブル基板4とを加熱圧着するための第2加熱部(第2加熱部材)103とを有している。
【0062】
上記第1加熱部102と第2加熱部103とは、一体的に設けられ、かつ、個別に温度設定が可能となっている。具体的には、第1加熱部102と第2加熱部103とを抵抗値の異なる部材で構成し、それぞれに同一電源から電流を供給し、温度設定を異ならせるようにしている。この詳細については後述する。
【0063】
上記ヒーターチップ101の第1加熱部102の表面には、熱電対12が溶接されており、該第1加熱部102表面温度を測定するようになっている。この場合、第1加熱部102を熱電対12によって測定するだけで、第1加熱部102および第2加熱部103の温度を制御することが可能となるので、第2加熱部103側には熱電対を設ける必要はない。
【0064】
また、上記第1加熱部102と第2加熱部103との間には、段差部104が形成されている。この段差部104は、硬質基板1とフレキシブル基板4との圧着時において、硬質基板1の熱接着テープ8とフレキシブル基板4との接続(熱圧着処理)に使用される第2加熱部103が、硬質基板1の端子部3とフレキシブル基板4の端子部との接続(ハンダ付け処理)に使用される第1加熱部102よりも低くなるように設計されている。この場合の段差は、硬質基板1上の熱接着テープ8の厚み等を考慮して設定されるものとし、この詳細については後述する。
【0065】
なお、以下の説明において、硬質基板1の端子部3とフレキシブル基板4の端子部との接続部分(第1接続部)をハンダ付け処理部と称し、また、硬質基板1の熱接着テープ8とフレキシブル基板4との接続部分(第2接続部)を熱圧着処理部と称する。
【0066】
上記構成のヒーターチップ101を用いて硬質基板1とフレキシブル基板4とを接続する場合について説明する。このヒーターチップ101は、パルスヒート方式によって加熱制御されるものとする。
【0067】
まず、硬質基板1の端子部3およびフレキシブル基板4の端子部に予備ハンダし、この少なくとも一方の予備ハンダした部分にフラックスを塗布し、フレキシブル基板4の端子部を硬質基板1の対向する端子部3にあらかじめ圧力又は加熱により仮圧着する。
【0068】
次に、硬質基板1とフレキシブル基板4とを仮圧着した状態で、ヒーターチップ101によって所定の圧力を付与して加熱圧着する。
【0069】
すなわち、ヒーターチップ101は、第1加熱部102の圧着面102aとフレキシブル基板4の端面4aとを揃えるように、フレキシブル基板4側から硬質基板1に向かって加圧する。このとき、ヒーターチップ101に対する電流がONとなり、フレキシブル基板4と硬質基板1との間のハンダ部の温度がハンダの融点よりも30℃から70℃程度高い温度となるようにヒーターチップ101の第1加熱部102の温度設定を行い、所定の時間、ハンダ付け処理部と同時に熱圧着処理部を圧着する。
【0070】
上記の圧着時には、ハンダ付け処理部の圧着部の高さがストッパーとなり、ヒーターチップ101の第2加熱部103の圧着面103aによる熱圧着処理部における熱接着テープ8の接着剤が流れ出すような圧力は付与されない。このため、フレキシブル基板4のカバーレイと硬質基板1のレジスト部に熱接着テープ8の材料(接着剤)が濡れなじむようになり、フレキシブル基板4と硬質基板1との間の熱圧着処理部におけるファン・デル・ワールス力が向上し、従来の接続部分よりも凝集力が増し、十分な接続強度が得られる。
【0071】
続いて、所定時間経過後、ヒーターチップ101に対する電流がOFFされ、あらかじめ設定している温度になるまで、すなわち冷却完了となるまで加圧着状態で保持される。
【0072】
上記のようにして加熱圧着処理した場合、硬質基板1とフレキシブル基板4との接続部分においてヒーターチップ101の加圧による窪みもなく、従来のように一つのヒーターチップによって2箇所の接続を行っていた場合に比べて2倍程度の強度向上となった。
【0073】
次に、上記構成のヒーターチップ101に代えて、図2に示すヒーターチップ201を用いた場合について説明するとともに、このヒーターチップ201を備えた加熱接続装置全体の説明を行う。
【0074】
上記ヒーターチップ201は、ヒーターチップ101と同様に、ハンダ付け処理用の第1加熱部202と、熱圧着処理用の第2加熱部203とを有している。
【0075】
上記ヒーターチップ201は、モリブデン、チタン等の材料を用い、各加熱部において異なる抵抗値を示すように設計されている。この設計についての詳細は後述する。
【0076】
また、上記第1加熱部202と第2加熱部203とは、前記のヒーターチップ101の第1加熱部102と第2加熱部103との間の段差部104と同様に段差部11が設けられている。すなわち、第2加熱部203の圧着面203aは、図3に示すように、フレキシブル基板4と硬質基板1との接着面側に対して第1加熱部202の圧着面202aよりも低くなるように段差部11が設計されている。
【0077】
ここで、上記段差部11の設計について説明する。
【0078】
上記硬質基板1は、図4に示すように、基板1a上に銅箔からなるパターン(配線パターン)層1bが形成され、さらに、このパターン層1b上にはソルダーレジストからなる絶縁保護膜2が形成された構造となっている。なお、この絶縁保護膜2は、パターン層1bの端子部3となる領域には形成されていない。
【0079】
上記端子部3は、パターン層1b上のニッケルメッキ部32上に金メッキ部31が形成された構造となっている。
【0080】
また、上記硬質基板1の絶縁保護膜2の所定の位置には、熱接着テープ8が設けられている。
【0081】
一方、フレキシブル基板4は、ベースフィルム41上にCuからなる配線パターン層42が形成され、さらに、配線パターン層42上には保護層としてのカバーレイ6が設けられている。なお、配線パターン層42の露出部分には、硬質基板1の端子部3に接続する端子部7が形成されている。
【0082】
上記カバーレイ6は、カバーレイ本体(ポリイミド)62をカバーレイ接着剤61によって配線パターン層42に接着されている。このカバーレイ6は、硬質基板1上の熱接着テープ8により接着される。
【0083】
上記構成のフレキシブル基板4を硬質基板1に仮圧着した場合、硬質基板1上の絶縁保護膜2および熱接着テープ8とフレキシブル基板4上のカバーレイ6との重なり部分が、硬質基板1の端子部3とフレキシブル基板4の端子部7との接触部分より盛り上がっている。
【0084】
したがって、図4に示すように、フレキシブル基板4と硬質基板1との接続構造を構成する、第1接続部となるFPCはんだ付け端子部51と第2接続部となる熱接着テープ部52は、フレキシブル基板4側では、カバーレイ接着剤61、カバーレイ62、硬質基板1側では、ソルダーレジストからなる絶縁保護膜2、熱接着テープ8の厚みの総和の段差が生じる。
【0085】
一方、熱圧着テープや接着剤の接着強さは素材の粘弾性に強く依存し、接着剤の弾性率が増すとせん断接着強度は上昇するが、剥離強度は低下する。また、接着剤の厚みが増すとせん断接着強度は低下するが剥離強度は上昇する特性を持っている。
【0086】
従来の接続方法では、熱接着テープ部52の圧着を、FPCはんだ付け端子部51の加熱とは別に、単独で加熱接着するので、熱接着テープ8が薄くなり、凝集力(ファンデルワールス力)が低下し接着強度(剥離強度)が低下する。
【0087】
従って、接着強度を確保するには、熱接着テープ8の加熱圧着後の残存厚みをなるべく圧着前の厚みに近く厚くし、且つ図14にする必要が有る。
【0088】
具体的には、図14に示すように、フレキシブル基板4と硬質基板1のそれぞれの銅箔パターン(Cuパターン42、銅箔1b)間に、熱接着テープ8が溶けて充填する様にし、且つ、熱接着テープ8残存厚みが残るように考慮した厚みになるように、フレキシブル基板4のベースフィルム41、カバーレイ62、カバーレイ接着剤61の厚みと、硬質基板1の絶縁保護膜2の厚みとを足した厚みの段差を設ける。
【0089】
したがって、段差部11の段差Sは、熱接着テープ8の厚み(t8)、カバーレイ本体62の厚み(t62)、カバーレイ接着剤61の厚み(t61)、絶縁保護膜2の厚み(t2)、フレキシブル基板4側の配線パターン層42の厚み(t42)、硬質基板1側のパターン層1bの厚み(t1b)等を考慮して求められる。
【0090】
すなわち、段差S=t8+t62+t61+t2−(t42+t1b)/2
によって求められる。
【0091】
ここで、(t42+t1b)/2は、熱接着テープ8が圧力により押しつぶされる量を考慮したものであり、押しつぶされた熱接着テープ8の接着剤が逃げる先の空間が配線パターン層42とパターン層1bとの間の空間であると仮定している。
【0092】
具体的には、熱接着テープ8の厚みとしては、100μm〜140μmが用いられるが、ここでは、100μmとする。また、カバーレイ本体62の厚みは、25μmとし、カバーレイ接着剤61の厚みは20μmとする。絶縁保護膜2の厚みは16μmとする。さらに、フレキシブル基板4側の配線パターン層42の厚みは18μmとし、硬質基板1のパターン層1bの厚みは36μmとする。
【0093】
これらの数値を上記の式に代入して段差部11の段差Sを求めると、
段差S=100+25+20+16−(18+36)/2=134(μm)
となる。
【0094】
ここで、上記段差Sは、各部材のスペック内での厚みバラツキ等を考慮して
、140μm±20μmの範囲であるのが好ましい。上記段差Sは、134μmであるので、上記の範囲に入っている。
【0095】
次に、ヒーターチップ201の構成の詳細について以下に説明する。
【0096】
上記ヒーターチップ201は、図5に示すように、2つの抵抗体R1,R2を並列接続して形成されている。ここで、抵抗体R1は第1加熱部202に相当し、抵抗体R2は第2加熱部203に相当している。
【0097】
両抵抗体R1,R2に流れる電流I0は、各抵抗体R1,R2のそれぞれの抵抗値に基づいて比例配分される。ここでは、抵抗体R1に流れる電流をI1、抵抗体R2に流れる電流をI2とし、それぞれの電流値は異なる。
【0098】
各々の抵抗体における発熱量、すなわち、加熱温度が、電流の二乗と抵抗値との積によって決まる。これにより、一つの電源回路で2箇所の温度の違う加熱部(第1加熱部202、第2加熱部203)を同時に制御することが可能となる。
【0099】
ヒーターチップ201の抵抗体R1,R2の各抵抗値は、ハンダ付け処理部及び熱圧着処理部において必要とされる発熱量(加熱温度)となるように選択すればよい。例えば、様々な抵抗値のヒーターチップ201を用意しておき、使用するはんだや熱接着テープ8に応じて適宜取り替えて使用することが考えられる。
【0100】
また、上記構成のヒーターチップ201では、ハンダ付け処理部においてはんだが冷却・固化した後に引き上げるようになっている。このため、加熱方式としては、パルス状に電流を供給するパルスヒート方式が採用される。
【0101】
なお、電流を定常的に供給するコンスタントヒート方式であっても、利用可能である。この場合、ハンダ付け処理部においてハンダ付けが完了する直前に電流供給を停止し、強制的に冷却することにより、上記パルスヒート方式と同様の操作が可能となる。冷却手段を設けた加熱接続装置については後述する。
【0102】
一般に、ハンダ付け処理部におけるハンダ付けには、Sn37Pbの場合、210℃〜250℃ぐらいの温度が必要となる。また、熱接着テープによる接続には、100℃以上の温度が必要となる。但し、フレキシブル基板の熱接着テープが貼りつく部分は、ポリイミド製ベースフィルム銅箔に銅箔の回路を形成してあり、銅箔を保護する為、接着剤によりカバーレイ(ポリイミド製のフィルム)を接着剤により貼り付けてあり、300℃以上になると接着剤に溶解している気体が発泡してフレキシブル配線基板の外観を損ねる為、300℃を超えてはいけないという制約がある。したがって、従来では、ヒーターチップで加熱圧着する時、別々の温度にて1回毎圧着する必要があった。
【0103】
これに対して、本発明では、上述したように、ハンダ付け処理部と熱圧着処理部とを異なる温度で、かつ同時に加熱圧着できるようにヒーターチップを設計している。
【0104】
具体的には、ヒーターチップ201の第1加熱部202として、図6(a)に示すような形状、すなわち、中央部が平坦で、両側に向かって下方に傾斜した長手方向断面が台形となるように成形したモリブデンを用いる。
【0105】
また、ヒーターチップ201の第2加熱部203として、図6(b)に示すような形状、すなわち、中央部が平坦で、両側に向かって下方に傾斜した長手方向断面が台形となるように成形したモリブデンを用いる。
【0106】
上記モリブデンの圧着部双方の形状は、ハンダ付け処理部の最適温度領域210℃〜250℃と、熱圧着処理部の最適接続温度領域100℃からフレキシブル基板4の耐熱温度300℃以下の領域とで決まるハンダ付け処理部の加熱温度と熱圧着処理部の最適温度との比で決まる。
【0107】
上記ハンダ付け処理部側のモリブデンに流れる電流値は、第1加熱部202表面に設けられた熱電対12によるフィードバック制御によって決まり、熱圧着処理部側のモリブデンに流れる電流値は、ヒーターチップ201全体にかかる電圧と熱圧着処理部側のモリブデンの抵抗値とハンダ付け処理部側のモリブデンの抵抗値の除で決まる。
【0108】
したがって、ハンダ付け処理部側のモリブデンの温度を何℃に制御した時に熱圧着処理部側のモリブデンを何℃に制御すればよいことが明確になれば、ハンダ付け処理部側と熱圧着処理部側の必要な抵抗比率がある程度計算で導くことができる。ここでは、第1加熱部202及び第2加熱部203の形状に基づいて、ヒーターチップ201における第1加熱部202と第2加熱部203との間の抵抗比率を以下のようにして求める。
【0109】
第1加熱部202及び第2加熱部203の抵抗値は、モリブデンの抵抗率を、5.78μΩ・cmとして、抵抗値R=抵抗率ρ×長さL/断面積Aで示される計算式によって求める。
【0110】
まず、図6(a)および図7(a)(b)を参照しながら、第1加熱部202の抵抗値を求める。この第1加熱部202では、中央部とその両側の傾斜部においてそれぞれ抵抗値を求めて、各抵抗値の総和を該第1加熱部202における抵抗値とする。
【0111】
上記第1加熱部202は、長さ25mm、厚さ1.6mmのモリブデンからなり、中央部の高さを2.9mmとすれば、該中央部の断面積Aは1.6×2.9mm2となる。また、第1加熱部202の傾斜部の断面積は、図7(a)(b)に示すように、端部の高さが1.7mmであることから、該傾斜部の中央部における高さを2.3mmとして求めると、1.6×2.3mm2となる。なお、中央部の両側2つの傾斜部の形状は同じとする。
【0112】
よって、中央部の長さLを8mmとすれば、
抵抗値R=0.578×8/(1.6×2.9)=0.997Ωとなり、
傾斜部の長さLを6.7mmとすれば、
抵抗値R=0.578×6.7(1.6×2.3)=1.0523Ωとなる。
【0113】
よって、第1加熱部202における総抵抗は、中央部の抵抗値+2×傾斜部の抵抗値=0.997+2×1.0523=3.1016Ωとなる。
【0114】
次に、図6(b)を参照しながら、第2加熱部203の抵抗値を求める。この第2加熱部203も、上記第1加熱部202と同様に、中央部とその両側の傾斜部においてそれぞれ抵抗値を求めて、各抵抗値の総和を該第2加熱部203における抵抗値とする。
【0115】
上記第2加熱部203は、長さ25mm、厚さ1.0mmのモリブデンからなり、中央部の高さを2.5mmとすれば、該中央部の断面積Aは1.0×2.5mm2となる。また、第2加熱部203の傾斜部の断面積は、端部の高さが1.9mmであることから、該傾斜部の中央部における高さを2.2mmとして求めると、1.0×2.3mm2となる。なお、中央部の両側2つの傾斜部の形状は同じとする。
【0116】
よって、中央部の長さLを8mmとすれば、
抵抗値R=0.578×8/(1.0×2.5)=1.85Ωとなり、
傾斜部の長さLを6.7mmとすれば、
抵抗値R=0.578×6.7(1.0×2.2)=1.76Ωとなる。
【0117】
よって、第2加熱部203における総抵抗は、中央部の抵抗値+2×傾斜部の抵抗値=1.85+2×1.76=5.37Ωとなる。
【0118】
以上のことから、ヒーターチップ201における第1加熱部202と第2加熱部203との間での抵抗比率は、3.1016/5.37=0.57となる。
【0119】
したがって、上記の抵抗比率によって、発熱量(加熱温度)が比例配分され、ハンダ付け用の第1加熱部202の設定温度を260℃とした時、熱圧着用の第2加熱部203の温度は、SBR系の接着剤に対する最適温度150℃に制御されることになる。
【0120】
なお、使用しているハンダがSn37Pb(融点約180℃)であり、このハンダに必要な加熱温度は210℃〜250℃程度である。また、第1加熱部202には熱電対12が接続されているので、常に温度計測結果をフィードバックするようになっている。
【0121】
上記抵抗比率で形成されたヒーターチップ201は、後述する加熱接続装置において、配線コード及び給電ブロックを介して、電源装置(図示せず)からパルス状の大電流が供給され、この電流により各加熱部が加熱される。
【0122】
例えば、ハンダ付け処理部側の加熱部、すなわち第1加熱部202の圧着面202aの中央付近が300℃〜400℃位に管理される。このとき、熱圧着処理部側の加熱部、すなわち第2加熱部203の加熱温度は、ハンダ付け処理部の第1加熱部202の制御設定温度に応じて、変化する。
【0123】
上記のハンダ付け処理部の第1加熱部202の設定温度値と、ハンダ付け処理部における第1加熱部202の実測温度(はんだ側B1)と、熱圧着処理部における第1加熱部202の実測温度(テープ側B1)とは、図8に示すような相関を示す。
【0124】
熱圧着処理部での加熱温度の上限は300℃である。この理由は上述したように、フレキシブル基板4のカバーレイ6に含まれる接着剤が300℃以上になると、該接着剤に溶解している気体が発泡するからである。
【0125】
ハンダ付け処理での加熱温度の下限は、約200℃である。このれは、200℃以上であれば、硬質基板1に形成されたパターン層1b上に積層されたNi層(約3μm厚)、Au層(0.3μm層)のうち、Au層がハンダ内に拡散し、Ni層とハンダ内のSnが合金を形成することで、はんだ接続の電気的特性が良好になるからである。
【0126】
ここで、上記ヒーターチップ201を用いた加熱接続装置全体について図9を参照しながら以下に説明する。
【0127】
上記加熱接続装置は、図9に示すように、ヒーターチップ201と電源との間に、電源側から順番にサーキットブレーカー20、フィルター22、スイッチ21、トライアック17、トランス19が直列に接続されている。
【0128】
さらに、ヒーターチップ201の第1加熱部202及び第2加熱部203の加熱制御を行うための、ドライブ回路、制御回路、操作スイッチパネルが設けられている。
【0129】
上記ドライブ回路には、上記トライアック17が接続されると共に、第1加熱部202に設けられた熱電対12が接続されている。したがって、ドライブ回路は、熱電対12からの信号に基づいてトライアック17を駆動制御することで、ヒーターチップ201に印加される電圧を微調整し、第1加熱部202の加熱温度及び第2加熱部203の加熱温度を制御するようになっている。
【0130】
上記トランス19は、ヒーターチップ201の第1加熱部202と第2加熱部203との抵抗が変わったとき、すなわち各加熱部における加熱温度を変更するときに、該加熱温度に応じて電圧を変更できるようになっている。
【0131】
上記のヒーターチップ201は、パルスヒート方式により加熱制御されるものとする。したがって、スイッチ21をON/OFFすることにより、ヒーターチップ201に対する電流供給をパルス状にしている。つまり、ヒーターチップ201によって加熱する時にスイッチ21をONし、加熱後、すぐにOFFとなるようにスイッチ21が制御されている。
【0132】
なお、ヒーターチップ201の加熱方式として、パルスヒート方式に限定されるものではなく、コンスタントヒート方式も適用可能である。
【0133】
このコンスタントヒート方式が適用可能にしたヒーターチップとして、図10に示すようなものがある。
【0134】
図10に示すヒーターチップ301は、前記のヒーターチップ101やヒーターチップ201とは異なり、2つの加熱部(第1加熱部302、第2加熱部303)が常時加熱(コンスタントヒート)されているので、ハンダ付け処理部においてはんだを冷却・固化させるための冷却機構(冷却手段)が設けられている。
【0135】
上記ヒーターチップ301は、第1加熱部302および第2加熱部303の上部にカートリッジヒーター16を設け、このカートリッジヒーター16によって第1加熱部202及び第2加熱部303の両方を常時加熱するようになっている。
【0136】
また、上記第1加熱部302の表面に熱電対12が溶接して設けられると共に、第2加熱部303の表面に熱電対13が溶接して設けられ、それぞれの加熱部における設定温度が制御されるようになっている。
【0137】
そして、上記の冷却機構として、第1加熱部302の熱電対12とカートリッジヒーター16との間に冷却管23が長手方向に貫通するように設けられている。同様に、第2加熱部303の熱電対13とカートリッジヒーター16との間にも、冷却管23が長手方向に貫通するように設けられている。
【0138】
上記冷却管23には、一端部に電磁弁がON/OFF制御されるコンプレッサー(図示せず)に接続されており、高圧の冷媒が他端部に供給されるようになっている。このように、冷却管23に高圧の冷媒を供給することにより、加熱された第1加熱部302及び第2加熱部303を冷却するようになっている。
【0139】
上記構成のヒーターチップ301では、加熱圧着する際にはハンダ付け処理部側の第1加熱部302に設けられた熱電対12において検出した温度を、フレキシブル基板4の端子部(図示せず)と硬質基板1の端子部3のはんだの温度が融点よりも30℃〜70℃ぐらい高い温度になるように加熱設定し、所定の設定温度に到達した状態にて加熱圧着接続する。
【0140】
そして、所定の接続時間経過後、電磁弁をONにして所定のハンダ付け終了温度までヒーターチップ301の冷却のために、高圧に充填された冷媒を冷却管23に流す。これにより、冷媒がヒーターチップ301の第1加熱部302および第2加熱部303の熱を吸収し、予め設定した所定のハンダ付け終了温度になるまで冷却し続ける。
【0141】
そして、ハンダ付け終了温度に達すれば、ヒーターチップ301を引き上げて、加熱接続処理を終了する。これにより、第1加熱部302によるハンダ付け処理部と、第2加熱部303による熱圧着処理部とを同時に加熱圧着および冷却することになる。
【0142】
ここで、パルスヒート方式のヒーターチップ201と、コンスタントヒート方式のヒーターチップ301との加熱動作について以下に説明する。
【0143】
パルスヒート方式では、ヒーターチップ201の第1加熱部202及び第2加熱部203に供給する電流Ixを、図11(a)に示すタイミングで供給するようになっている。この時の第1加熱部202および第2加熱部203の温度は、図12(a)に示すようになる。そして、ハンダ付け処理部の温度は、図13(a)に示すようになり、熱圧着処理部の温度は、図13(b)に示すようになる。
【0144】
また、コンスタントヒート方式では、ヒーターチップ301の第1加熱部302及び第2加熱部303に供給される電流は一定であり、電磁弁をONするための電流Iyを、図11(b)に示すタイミングで供給するようになっている。この時のヒーターチップ301の圧着面温度、すなわち第1加熱部302および第2加熱部303の温度は、図12(b)に示すようになる。そして、ハンダ付け処理部および熱圧着処理部の温度は、パルスヒート方式の場合と同じ図13(a)(b)に示すようになる。
【0145】
なお、上記構成のヒーターチップ301では、一つのカートリッジヒーター16により2つの接続温度をつくり出すようになっている。つまり、冷却手段である電磁弁をON・OFFすることによって、冷却管23に流れる冷媒の流量を調整し、図12(b)に示すように、テープ側の温度(第2加熱部303の温度)を、ハンダ側の温度(第1加熱部302の温度)である300℃程度よりも低い220℃程度をつくり出している。
【0146】
以上のように、接続部であるハンダ付け処理部及び熱圧着処理部における温度プロファイルは、パルスヒート方式及びコンスタントヒート方式の何れのヒート方式であっても、図13(a)(b)に示すようになる。
【0147】
ここで、図2及び図13(a)(b)を参照しながら、本発明の加熱接続装置の動作シーケンスについて以下に説明する。なお、ここでは、パルスヒート方式のヒーターチップ201を用いた場合について説明する。
【0148】
まず、待機状態にあるヒーターチップ201は、時間t1のとき、ハンダ付け処理部及び熱圧着処理部に下降し、第1加熱部202及び第2加熱部203によって各処理部を加圧する。このとき、ヒーターチップ201に供給するための電源がONされ、該ヒーターチップ201への電力供給が開始される。
【0149】
そして、時刻t1’において、予め設定された温度に到達する。図13(a)(b)では、第1加熱部202及び第2加熱部203の温度ではなく、ハンダ付け処理部と熱圧着処理部における温度である。
【0150】
その後、時刻t2まで設定温度が維持され、上記電源をOFFしてヒーターチップ201への電力供給を停止する。そして、所定時間経過して時刻t2’まで、各接続部(ハンダ付け処理部、熱圧着処理部)が自然冷却される。
【0151】
この時刻t2’において、ヒーターチップ201が再び上昇して、待機状態となる。
【0152】
このように、本願発明では、加熱状態にあるヒーターチップ201を自然冷却させた後、接続部から引き上げるようになっているので、ハンダ付け処理部におけるハンダが冷却・固化された後、ヒーターチップ201が引き上げられることになる。よって、従来のように、ハンダが溶融した状態でヒーターツールを引き上げた場合に生じるフレキシブル基板が硬質基板から剥がれやすくなるという問題は生じない。
【0153】
また、従来必要であった、ハンダ付け処理部と熱圧着処理部を一つのヒーターチップ(第1加熱部材と第2加熱部材)でY座標を変更する為の機構が不要になり設備の簡素を図ることができる。
【0154】
本実施の形態では、ヒーターチップの素材としてモリブデンを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、チタン(Ti)、スーパーインバー(FeNiCo)等であってもよい。…。
【0155】
また、ヒーターチップの形状についても、図1、図2、図10に示す形状以外であってもよい。
【0156】
ここで、従来の熱接着テープによるフレキシブル基板4と硬質基板1との接続構造と、本願発明の熱接着テープによるフレキシブル基板4と硬質基板1との接続構造とを、図15(a)(b)及び図16(a)(b)を参照しながら以下に説明する。
【0157】
従来の接続構造では、FPCはんだ付け端子部51と、熱接着テープ部52とが別々に加熱ヒーターチップで圧着される。このため、図15(a)に示すように、FPCはんだ付け端子部51のハンダ53(図15(b))部分はとくに問題はないが、熱接着テープ部52における熱接着テープ8の接着剤が圧着時の圧力によって該熱接着テープ部52からはみ出すので、図15(b)に示すように、接着に必要な素材(接着剤)が熱接着テープ部52の外に流れ出て、熱接着テープ部52における熱接着テープ8の厚みを確保することができない。つまり、従来の接続構造では、熱接着テープ8の厚みを、十分な接着強度が得られる厚みにすることができないことを示している。
【0158】
これに対して、本願発明の接続構造では、ヒーターチップ201を利用する場合のように、FPCはんだ付け端子部51と熱接着テープ部52における段差を設けるために、一つのヒーターチップで熱圧着しているので、図16(a)に示すように、熱接着テープ部52から熱接着テープ8の接着剤がはみ出すことはない。従って、本発明の接続構造では、図16(b)に示すように、熱接着テープ部52において熱接着テープ8の厚みが、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚み(ヒーターチップの第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との段差に相当する厚み)を維持できるので、十分な接着強度が得られる。
【0159】
ここで、本願発明のヒーターチップにおける段差に対する熱接着テープ部52でのフレキシブル基板4の剥離強度を測定した結果を、図17に示す。ここで、比較例として、従来から行なわれているFPCはんだ付け端子部51と熱接着テープ部52とを別々のヒーターチップで熱圧着した場合の例を示した。
【0160】
また、上記の剥離強度の測定に際し、使用した熱接着テープ8の厚み(t8)、フレキシブル基板4のカバーレイ62の厚み(t62)、カバーレイ接着剤61の厚み(t61)、硬質基板の絶縁保護膜の厚み(t2)を、それぞれ、t8=100μm、t62=25μm、t61=20μm、t2=16μmとした。また、熱接着テープ8が圧力により押しつぶされ、接着剤が配線パターン間に流れる量を、フレキシブル基板4の配線パターン層42の厚み(t42)を18μm硬質基板1のパターン層1bの厚み(t1b)を35μmから、(t42+t1b)/2=26.5μmとした。これらの値から、まず、理想的なヒーターチップの段差Sを求めると、134.5μmとなる。
【0161】
また、本発明のヒーターチップにおける段差Sは、50μm、70μm、90μm、110μm、130μm、150μm、170μm、190μmの8パターンの場合について、それぞれ5回剥離強度を測定し、最大値(Max.)、最小値(Min.)、平均値(Ave.)を調べた。ここで、測定試験は、例えば図18に示すように、専用の引張り試験装置を用いて行なった。すなわち、PWBが浮いたりしない様に固定し、FPCを滑らない様にチャック(掴み治具)でしっかり挟み込み、チャックにかかる加重を測定しながら一定速度で引張り上げていくことで、剥離強度を測定した。この場合の引張り速度は50mm/minとする。
【0162】
図17に示す結果から、本願発明の何れの場合においても、剥離強度の平均値(Ave.)は、比較例の剥離強度の平均値(Ave.)よりも高くなっていることが分かる。
【0163】
したがって、本願発明の熱接続の方法によれば、図16(a)に示すように、熱接着テープ部52に余分な圧力が加わらないので、熱接着テープ8の接着剤が該熱接着テープ部52からはみ出さず、また、厚みを確保できるので、従来の熱接続方法における熱接着テープ8の接着剤のはみ出しや厚みが確保できないことによる不具合を解消することができる。
【0164】
【発明の効果】
以上のように、本発明の加熱接続装置は、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とのハンダ付けにより接続される第1接続部を加熱する第1加熱部材と、上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板との熱接着テープにより接続される第2接続部を加熱する第2加熱部材とを有し、上記第1加熱部材及び第2加熱部材を、同時に上記軟質基板側から第1接続部及び第2接続部に所定の圧力で押圧させて、加熱接続する加熱接続装置において、上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように設定された段差が形成されている構成である。
【0165】
以上のように、第1加熱部材と第2加熱部材の押圧面の段差が、第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように設定されていることで、第1接続部におにおけるハンダ付け処理と第2接続部における熱圧着処理とを同時に行った場合の、第2接続部における軟質基板と硬質基板との接続強度を確保することができる。
【0166】
また、接着剤が熱圧着部から溢れ出すことによるヒーターチップの汚染を防止することができる。
【0167】
したがって、ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に行う場合に、各処理部の接続強度を高めることにより、接続処理後において、軟質基板が硬質基板から剥がれる虞がなくなり、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0168】
上記記第1及び第2加熱部材は、それぞれ抵抗値が異なる抵抗体からなり、各抵抗体は電気的に並列に接続されていてもよい。
【0169】
この場合、第1及び第2加熱部材を構成する2つの抵抗体が電気的に並列に接続されていることで、両抵抗体に流れる電流は、各抵抗体の抵抗値に基づいて比例配分され、各抵抗体において異なる発熱量、すなわち加熱温度にすることができる。
【0170】
したがって、一つの電源回路で2つの抵抗体の発熱量、すなわち第1加熱部材及び第2加熱部材の加熱温度を同時に制御することができるという効果を奏する。
【0171】
また、上記各加熱部材の加熱に必要な電力を、パルスヒート方式で供給してもよい。
【0172】
この場合、各加熱部材にパルスヒート方式で電力が供給されることで、必要な時に電力の供給・停止を行うことができる。つまり、加熱が必要なときに電力を供給し加熱部材を迅速に加熱し、加熱が必要でなくなったときに電力の供給を停止することで、加熱部材を迅速に冷却することができる。
【0173】
これにより、ハンダ付け処理部において、ハンダの温度を迅速に溶融温度まで上げて、ハンダ付け処理完了後には、ハンダを迅速に冷却・固化させることができる。
【0174】
したがって、パルスヒート方式によって電力を供給すれば、ハンダの溶融及び冷却・固化を迅速に行うことが可能となるので、第1接続部においてハンダが冷却・固化した後に第1加熱部材を引き上げることが可能となり、ハンダ付け部分の接続強度が向上し、しかも、製造にかかる時間も短縮することができるという効果を奏する。
【0175】
さらに、上記第1及び第2加熱部材を冷却する冷却手段を設けてもよい。
【0176】
この場合、第1加熱部材および第2加熱部材を冷却する冷却手段が設けられていることで、加熱状態の第1加熱部材及び第2加熱部材を強制的に冷却することが可能となる。これにより、例えば、硬質基板と軟質基板の加熱接続完了時に、上記第1加熱部材および第2加熱部材を強制的に冷却すれば、溶融ハンダを迅速に冷却・固化させることができる。
【0177】
このように、ハンダを確実に冷却・固化させることができれば、第1接続部における接続強度を強固なものにすることができる。
【0178】
また、第1加熱部材及び第2加熱部材を冷却する冷却手段が設けられていることで、加熱接続完了後の溶融ハンダの冷却・固化にかかる時間を短縮でき、結果として、硬質基板と軟質基板との加熱接続にかかる時間を短縮することができる。
【0179】
しかも、加熱状態の加熱部材を冷却手段で強制的に冷却することができるので、例えばコンスタントヒート方式により加熱部材に電力が供給される場合のように、加熱部材が常時加熱されていても、溶融状態のハンダを冷却・固化しようとする時に、冷却手段で強制的に加熱部材を冷却すれば、パルスヒート方式で加熱部材に電力を供給する場合のような加熱接続の制御ができるという効果を奏する。
【0180】
本発明の加熱接続方法は、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とをハンダにより加熱接続し、上記端子部同士の接続部の近接位置で上記硬質基板と軟質基板とを熱接着テープにより加熱接続する加熱接続方法において、上記端子部同士を仮圧着する第1の工程と、上記硬質基板と軟質基板とを仮圧着する第2の工程と、上記第1及び第2の工程において仮圧着された部位に対して、それぞれ予め設定した圧力及び温度、且つ、上記熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように同時に加圧・加熱する第3の工程と、上記第3の工程において予め設定された時間経過後に、加圧・加熱された部位を冷却する第4の工程とを含む構成である。
【0181】
それゆえ、軟質基板と硬質基板の接続強度が向上し、より信頼性の高い製品が供給できる。
【0182】
また、接続時間が低減することにより、安価な製品を供給できると共に、装置の処理能力が向上することにより設備投資の抑制を図ることができるという効果を奏する。
【0183】
本発明の軟質基板と硬質基板との接続構造は、以上のように、上記加熱接続装置の第1加熱部材によって、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とがハンダ付けにより接続される第1接続部と、上記加熱接続装置の第2加熱部材によって、上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板とが熱接着テープにより接続される第2接続部とが形成され、上記第2接続部内での熱接着テープの厚みは、上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間に形成された段差、すなわち、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みに相当している構成である。
【0184】
それゆえ、熱接着テープの接着剤の厚みは、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みであるので、第1接続部でのハンダ付けによる接続強度を確保しつつ、第2接続部での接着強度を確保することができる。すなわち、軟質基板が硬質基板から容易に剥がれるという不具合を無くすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱接続装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の加熱接続装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す加熱接続装置と、硬質基板及びフレキシブル基板との接続直前の位置関係を示す概略断面図である。
【図4】図3に示す硬質基板とフレキシブル基板の詳細な構造を示す概略断面図である。
【図5】図2に示す加熱接続装置のヒーターチップ部分の等価回路図である。
【図6】図2に示す加熱接続装置のヒーターチップの抵抗値の求め方を示す説明図であり、(a)は第1加熱部の斜視図であり、(b)は第2加熱部の斜視図である。
【図7】図2に示す加熱接続装置のヒーターチップの抵抗値の求め方を示す説明図であり、(a)は第1加熱部の斜視図であり、(b)は(a)の第1加熱部の傾斜部の断面積を求めるための説明図である。
【図8】本発明のヒーターチップを構成する抵抗体の設定温度と実測温度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の加熱接続装置の等価回路図である。
【図10】本発明の他の加熱接続装置の概略斜視図である。
【図11】(a)はパルスヒート方式でのヒーターチップに供給される電流の波形図であり、(b)はコンスタントヒート方式でのヒーターチップに冷媒を供給するための電磁弁に供給される電流の波形図である。
【図12】(a)はパルスヒート方式でのヒーターチップの各加熱部の温度プロファイルを示すグラフであり、(b)はコンスタントヒート方式でのヒーターチップの各加熱部の温度プロファイルを示すグラフである。
【図13】(a)はハンダ付け処理部における温度プロファイルを示すグラフであり、(b)は熱圧着処理部における温度プロファイルを示すグラフである。
【図14】フレキシブル基板の配線パターンと硬質基板のパターンとの間に熱接着テープを介在させた状態を示す断面図である。
【図15】比較例のフレキシブル基板と硬質基板との接続構造を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のX・X線矢視断面図である。
【図16】本願発明のフレキシブル基板と硬質基板との接続構造を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のY・Y線矢視断面図である。
【図17】フレキシブル基板と硬質基板との接続構造における剥離強度を測定した結果を示すグラフである。
【図18】剥離試験用の引っ張り試験装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 硬質基板
3 端子部
4 フレキシブル基板(軟質基板)
8 熱接着テープ
11 段差部(段差)
12 熱電対
13 熱電対
16 カートリッジヒーター
23 冷却管(冷却手段)
51 FPCはんだ付け端子部(第1接続部)
52 熱接着テープ部(第2接続部)
53 ハンダ
101 ヒーターチップ
102 第1加熱部(第1加熱部材)
103 第2加熱部(第2加熱部材)
104 段差部(段差)
201 ヒーターチップ
202 第1加熱部(第1加熱部材)
203 第2加熱部(第2加熱部材)
301 ヒーターチップ
302 第1加熱部(第1加熱部材)
303 第2加熱部(第2加熱部材)

Claims (8)

  1. 硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、
    軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とのハンダ付けにより接続される第1接続部を加熱する第1加熱部材と、
    上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板との熱接着テープにより接続される第2接続部を加熱する第2加熱部材とを有し、
    上記第1加熱部材及び第2加熱部材を、同時に上記軟質基板側から第1接続部及び第2接続部に所定の圧力で押圧させて、加熱接続する加熱接続装置において、
    上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように設定された段差が形成され
    上記硬質基板上に形成された配線パターンを保護する保護層が、当該硬質基板に形成されると共に、上記軟質基板上に形成された配線パターンを保護する保護層が、当該軟質基板に形成されているとき、
    上記段差は、
    上記熱接着テープの厚み+上記硬質基板側の保護層の厚み+上記軟質基板側の保護層の厚み−(上記硬質基板側の配線パターンの厚み+上記軟質基板側の配線パターンの厚み)/2
    を満たす高さに設定されていることを特徴とする加熱接続装置。
  2. 上記第1及び第2加熱部材は、それぞれ抵抗値が異なる抵抗体からなり、各抵抗体は電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項1記載の加熱接続装置。
  3. 上記第1及び第2加熱部材には、パルスヒート方式で加熱に必要な電力が供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱接続装置。
  4. 上記第1及び第2加熱部材を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の加熱接続装置。
  5. 硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とをハンダにより加熱接続し、上記端子部同士の接続部の近接位置で上記硬質基板と軟質基板とを熱接着テープにより加熱接続する加熱接続方法において、
    上記硬質基板上に形成された配線パターンを保護する保護層が、当該硬質基板に形成されると共に、上記軟質基板上に形成された配線パターンを保護する保護層が、当該軟質基板に形成されているとき、
    上記端子部同士を仮圧着する第1の工程と、
    上記硬質基板と軟質基板とを仮圧着する第2の工程と、
    上記第1及び第2の工程において仮圧着された部位に対して、それぞれ予め設定した圧力及び温度、且つ、上記熱接着テープの接着剤が熱接着テープの厚み+硬質基板側の保護層の厚み+軟質基板側の保護層の厚み−(硬質基板側の配線パターンの厚み+軟質基板側の配線パターンの厚み)/2に相当する厚みとなるように同時に加圧・加熱する第3の工程とを含むことを特徴とする加熱接続方法。
  6. さらに、上記第3の工程において予め設定された時間経過後に、加圧・加熱された部位を冷却する第4の工程とを含むことを特徴とする請求項5記載の加熱接続方法。
  7. 請求項1記載の加熱接続装置の第1加熱部材によって、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とがハンダ付けにより接続される第1接続部と、
    請求項1記載の加熱接続装置の第2加熱部材によって、上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板とが熱接着テープにより接続される第2接続部とを有し、
    上記第2接続部内での熱接着テープの接着剤の厚みは、上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間に形成された段差に相当していることを特徴とする軟質基板と硬質基板との接続構造。
  8. 硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、
    軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とのハンダ付けにより接続される第1接続部を加熱する第1加熱部材と、
    上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板との熱接着テープにより接続される第2接続部を加熱する第2加熱部材とを有し、
    上記第1加熱部材及び第2加熱部材を、同時に上記軟質基板側から第1接続部及び第2接続部に所定の圧力で押圧させて、加熱接続する加熱接続装置において、
    上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように設定された段差が形成され、
    上記第1及び第2加熱部材は、それぞれ抵抗値が異なる抵抗体からなり、各抵抗体は電気的に並列に接続されていることを特徴とする加熱接続装置。
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