JP3879485B2 - プリント基板の接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板の接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント基板の接続方法として、例えば特開2001−111209号公報に開示された方法が知られている。この接続方法によれば、第1のプリント基板である絶縁基材として熱可塑性樹脂を用いたフレキシブルプリント基板に形成した導体パターンと第2のプリント基板であるリジッドプリント基板に形成した導体パターンとのそれぞれのランド部分を重ねる。
【0003】
そして、両基板の接続箇所に対し、熱圧着ツールによってフレキシブルプリント基板を構成する熱可塑性樹脂のガラス点移転以上に加熱するとともに加圧する。これにより、両基板の導体パターンのランド部分同士が電気的に接続されるとともに、熱可塑性樹脂が軟化変形してリジッドプリント基板と密着し、両基板が接続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、フレキシブルプリント基板を構成する熱可塑性樹脂を強固にリジッドプリント基板に接着するために、熱圧着ツールによって接続箇所を熱可塑性樹脂の融点以上に加熱すると熱可塑性樹脂が過剰に流動し易くなる。その結果、接続箇所におけるフレキシブルプリント基板の絶縁基材の厚さが薄くなり強度が低下し、接続箇所の信頼性が低下するという問題がある。
【0005】
また、熱可塑性樹脂が過剰に流動すると導体パターンに対しずり応力が加わり、金属ペースト材等の比較的強度が低い配線材料を使用した場合には、導体パターンが断線し易いという問題がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、接続箇所における熱可塑性樹脂の過剰な流動を抑制し、接続信頼性を向上することが可能なプリント基板の接続方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のプリント基板の接続方法では、絶縁基材(12)として熱可塑性樹脂を用いた第1のプリント基板(5)に形成した導体パターン(13)の接続端子としてのランド(13a)と、第2のプリント基板(2)に形成した導体パターン(11)の接続端子としてのランド(11a)とを重ねて配置する配置工程と、
第1および第2のプリント基板(5、2)の接続箇所に対して、熱圧着ツール(9)によって第1のプリント基板(5)を構成する熱可塑性樹脂の融点以上に加熱するとともに加圧して、第1のプリント基板(5)の導体パターン(13)のランド(13a)と第2のプリント基板(2)の導体パターン(11)のランド(11a)とを電気的に接続するとともに、第1のプリント基板(5)を構成する熱可塑性樹脂を溶融させ第2のプリント基板(2)に接着する接続工程とを備えるプリント基板の接続方法であって、
接続工程において、熱可塑性樹脂を溶融する際に、接続箇所の外周部を冷却することによって、第1のプリント基板(5)の外周部に位置する熱可塑性樹脂の温度を融点未満に保持することを特徴としている。
【0008】
これによると、接続箇所の外周部において第1のプリント基板(5)を構成する熱可塑性樹脂は溶融せず、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂の流動を抑制することができる。従って、接続箇所における第1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚さが薄くなることが抑制できるとともに導体パターン(13)に対するずり応力の付勢を抑制することが可能である。このようにして、プリント基板の接続信頼性を向上することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明のプリント基板の接続方法のように、接続工程において冷却される第1のプリント基板(5)の外周部は、接続箇所を取り囲むように全周に形成することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明のプリント基板の接続方法のように、接続工程において冷却される第1のプリント基板(5)の外周部は、接続箇所の両側に形成することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明のプリント基板の接続方法では、請求項3に記載のプリント基板の接続方法において、接続箇所およびその近傍の第1のプリント基板(5)の導体パターン(13)は複数本の導体線を有し、各導体線は、第1のプリント基板(5)の延在方向に沿って略並行に形成され、
接続工程において冷却される接続箇所の両側部位は、接続箇所の導体線形成方向両側に形成されていることを特徴としている。
【0012】
このように、接続箇所およびその近傍の導体パターンが略並行に形成された複数本の導体線の場合には、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂は、導体線間を導体線形成方向に流動し易い。従って、本発明のように、接続工程において冷却される接続箇所の両側部位を導体線形成方向に設けることにより、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂の流動を抑制することができる。
【0013】
このようにして、冷却される部位を接続箇所の両側に形成した場合であっても、接続箇所における第1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚さが薄くなることが抑制できるとともに導体パターン(13)に対するずり応力の付勢を抑制することが可能である。
【0014】
また、請求項5に記載の発明のプリント基板の接続方法のように、接続工程において冷却される第1のプリント基板(5)の外周部は、接続箇所の片側に形成することができる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明のプリント基板の接続方法では、第1のプリント基板(5)において、接続箇所およびその近傍の導体パターン(13)は複数本の導体線を有し、各導体線は、第1のプリント基板(5)の延在方向に沿って略並行に形成され、
接続工程において冷却される接続箇所の片側部位は、接続箇所の導体線形成方向片側に形成されていることを特徴としている。
【0016】
このように、接続箇所およびその近傍の導体パターン(13)が略並行に形成された複数本の導体線の場合には、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂は、導体線間を導体線形成方向に流動し易い。従って、本発明のように、接続工程において冷却される接続箇所の片側部位を導体線形成方向に設けることにより、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂の流動を抑制することができる。
【0017】
このようにして、冷却される部位を接続箇所の片側に形成した場合であっても、接続箇所における第1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚さが薄くなることが抑制できるとともに導体パターン(13)に対するずり応力の付勢を抑制することが可能である。
【0018】
また、請求項7に記載の発明のプリント基板の接続方法では、接続箇所は、第1のプリント基板(5)の端部に形成されており、
接続工程において冷却される接続箇所の片側部位は、接続箇所に対し端部側と反対側の導体線形成方向に形成されていることを特徴としている。
【0019】
これによると、導体パターン(13)にずり応力が付勢された場合に導体パターン(13)が断線し易い接続箇所の端部側の反対側において、熱可塑性樹脂の流動を抑制することができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明のプリント基板の接続方法のように、接続工程において接続箇所の外周部を冷却する場合には、熱圧着ツール(9)によって熱可塑性樹脂を溶融する際に、熱圧着ツール(9)の第1のプリント基板(5)延在方向に冷却部材(22)を配置することにより行なうことができる。
【0021】
また、請求項9に記載の発明のプリント基板の接続方法では、請求項8に記載のプリント基板の接続方法において、熱圧着ツール(9)は、冷却部材(22)が当接した薄板状の押圧部材(21)を介して接続箇所を加熱しつつ加圧することを特徴としている。
【0022】
これによると、熱圧着ツール(9)による接続箇所の加熱および加圧と、冷却部材(22)による接続箇所の外周部の冷却を確実に同時に行なうことができる。
【0023】
また、請求項10に記載の発明のプリント基板の接続方法では、押圧部材(21)は、熱伝導率が0.15W/mm・℃以下であることを特徴としている。
【0024】
これによると、熱圧着ツール(9)の熱は押圧部材(21)を介して冷却部材(22)に伝達し難く、冷却部材(22)による外周部の冷却を確実に行なうことができる。
【0025】
また、請求項11に記載の発明のプリント基板の接続方法のように、熱可塑性樹脂は、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーから選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むものとすると、実用上好ましい。
【0026】
また、請求項12に記載の発明のプリント基板の接続方法では、接続工程において、接続箇所は第1のプリント基板(5)側から加熱され、
第1のプリント基板(5)の接続箇所の外表面には離型部材(26)が形成されていることを特徴としている。
【0027】
これによると、接続工程において溶融した熱可塑性樹脂が熱圧着ツール(9)等に付着することを防止できる。
【0031】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0033】
図1には、本実施形態における電子機器の一部を示す。電子機器の内部において、リジッドプリント基板1とリジッドプリント基板2が支持されている。リジッドプリント基板1には各種の電子部品が実装されており、図1においてはDIPパッケージのIC3がピン3aにより挿入実装されている状態を示す。同様に、リジッドプリント基板2にも各種の電子部品4が実装されている。リジッドプリント基板1,2の絶縁基板にはガラス布基材エポキシ樹脂が使用されている。
【0034】
上下に水平に配置されたリジッドプリント基板1とリジッドプリント基板2に対しフレキシブルプリント基板5が電気的に接続されている。つまり、図1でのリジッドプリント基板1の右側の辺とリジッドプリント基板2の右側の辺においてフレキシブルプリント基板5が接続されている。このフレキシブルプリント基板5の絶縁基材であるベースフィルムにはポリエチレンナフタレート(PEN)が使用されている。このポリエチレンナフタレート(PEN)は融点が約260℃である熱可塑性樹脂である。
【0035】
図2には、第1のプリント基板であるフレキシブルプリント基板5と第2のプリント基板であるリジッドプリント基板2の接続箇所を拡大して示す。図2においては平面とA−A断面を示す。リジッドプリント基板2のガラスエポキシからなる絶縁基材10の上面には複数の導体パターン11が形成され、複数の導体パターン11のそれぞれの端部には接続端子としてのランド11aが形成されている。
【0036】
このランド11aを除いて、導体パターン11は保護膜としてのソルダーレジスト6によって被覆されている。なお、導体パターン11は銅パターンであって、18〜50μmの銅箔をエッチング法によりパターン形成したものである。
【0037】
フレキシブルプリント基板5の絶縁基材であるPENフィルム12の表面には複数の導体パターン13が形成され、複数の導体パターン13のそれぞれの端部には接続端子としてのランド13aが形成されている。このランド13aを除いて、導体パターン13は保護膜としてのカバーフィルム7により被覆されている。なお、導体パターン13は銀ペーストを印刷法によりパターン形成したものであり、本例では約8μmの厚さに形成されている。
【0038】
導体パターン13は、フレキシブルプリント基板5の長手方向(図中左右方向)に略並行に延びる複数の導体線を有し、その複数の導体線のそれぞれの端部がランド13aとして機能する。
【0039】
そして、リジッドプリント基板2とフレキシブルプリント基板5の接続箇所において、導体パターン11のランド11aと導体パターン13のランド13aが半田14により接合されるとともに、接合されたランド11a、13aの平面図中上下方向両側(図中4対のランド11a、13aの間および両端側)においてリジッドプリント基板2の絶縁基材10とフレキシブルプリント基板5のPENフィルム12が接着されている。
【0040】
ここで、導体パターン11,13のランド11a,13aによる電気接続箇所の平面図中上下方向両側において、フレキシブルプリント基板5のPENフィルム12から延びるポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂が絶縁基材10に接着している。また、この接続箇所におけるフレキシブルプリント基板5のPENフィルム12aの厚さは、接続箇所以外のPENフィルム12の厚さの40〜80%となっている。
【0041】
次に、第1のプリント基板であるフレキシブルプリント基板5と第2のプリント基板であるリジッドプリント基板2の接続方法を、図3〜5を用いて説明する。
【0042】
図3(a)に示すように、リジッドプリント基板2とフレキシブルプリント基板5を用意する。フレキシブルプリント基板5のPENフィルム12の厚さは25〜150μmである。リジッドプリント基板2の絶縁基材10には導体パターン11が形成されるとともに、フレキシブルプリント基板5のPENフィルム12には導体パターン13が形成されている。
【0043】
そして、リジッドプリント基板2の導体パターン11のランド11aには半田レベラー8が形成されている。なお、半田は、ランド11aとランド13aの両方もしくはいずれか一方に形成されれば良く、その形成方法も任意である。また、本例では、半田として、錫−鉛の共晶半田を用いており、その融点(溶融温度)は183℃である。
【0044】
そして、図3(b)に示すように、下治具31上にリジッドプリント基板2とフレキシブルプリント基板5とを重ねて配置し、両導体パターン11,13のランド11a,13aを半田レベラー8を介して接近配置する。
【0045】
さらに、リジッドプリント基板2とフレキシブルプリント基板5とを重ねた接続箇所を熱圧着ツール9によって加圧しつつ加熱する。熱圧着ツール9は、薄板状の押圧部材であるSUS板21および離型部材である離型フィルム26を介してフレキシブルプリント基板5に当接される。
【0046】
SUS板21は、熱圧着ツール9からの熱および加圧力をフレキシブルプリント基板5とリジッドプリント基板2との接続箇所に伝達する。さらに、SUS板21は、フレキシブルプリント基板5の延在方向両側に傾斜部21a、21bを有しており、この傾斜部21a、21bによって、伝熱性に優れる金属(本例では銅)からなる冷却部材である冷却治具22を、熱圧着ツール9のフレキシブルプリント基板5の延在方向側に位置決めし、保持する機能を有している。
【0047】
図5は、フレキシブルプリント基板5とリジッドプリント基板2との接続箇所に配置された熱圧着ツール9や冷却治具22等の位置関係を示す平面図であり、冷却治具22は熱圧着ツール9の外周を取り囲むように熱圧着ツール9の全周に配置されている。
【0048】
なお、本例では、SUS板21として厚さ0.1mmのSUS板を用いており、このSUS板21の熱伝導率は約0.15W/mm・℃である。
【0049】
フレキシブルプリント基板5を構成するPENの融点は約260℃であり、熱圧着ツール9は、接続箇所が半田レベラー8の融点以上でかつPENの融点以上となるように加熱を行ないつつ、当該接続箇所に圧力を加える。例えば、加熱温度は270〜340℃であり、1〜6MPaの圧力で5〜15秒間加熱および加圧を継続する。なお、本例では、パルスヒート方式の熱圧着ツール9を用いている。
【0050】
この熱により半田の溶融によるランド11a,13a間の接続を行いながら、フレキシブルプリント基板5を構成するPENを溶融させ、リジッドプリント基板2の接続箇所表面に密着させる。なおこのとき、接続箇所の外周部に位置するフレキシブルプリント基板5のPENフィルム12はSUS板21を介して冷却治具22に熱を奪われることによりPENの融点未満の温度を保持するようになっている。
【0051】
図6は、本発明者らが行なった温度測定結果であり、接続箇所を熱圧着ツール9によって加圧しつつ加熱したときのフレキシブルプリント基板5のPENフィルム12の温度(接着界面の温度)を示す一例である。接続箇所を310〜320℃に加熱した場合であっても接続箇所の外周部はPENの融点(約260℃)未満に冷却されていることを確認している。
【0052】
つまり、接続箇所を熱圧着ツール9によって加圧しつつ加熱することにより、図4(a)に示すように、リジッドプリント基板2のランド11aとフレキシブルプリント基板5のランド13aが半田14により半田付けされ、電気的に接続される。また、図4(b)に示すように、熱圧着ツール9によりPENフィルム12の溶融した一部が複数の接続したランド11a,13a間等に供給され、その後冷却されることによりリジッドプリント基板2に強固に接着される。
【0053】
また、接続箇所の外周部においては、冷却治具22に熱を奪われることによりPENフィルム12は溶融しない。なお、本例のように熱圧着ツール9による加圧および加熱を冷却治具22を保持したSUS板を介して行なえば接続箇所の加圧および加熱と接続箇所の外周部の冷却を確実に同時に行なうことができる。
【0054】
ただしこの場合、熱圧着ツール9の熱がSUS板21を介して冷却治具に伝達され、冷却治具22の冷却効果を低減するので、これを抑制するためにはSUS板21の熱伝導率は0.15W/mm・℃以下であることが好ましい。
【0055】
ここで、図3に示す工程が本実施形態における配置工程であり、図4に示す工程が本実施形態における接続工程である。なお、図4(b)は、接続工程における、図2に示すB−B断面を示している。
【0056】
上述のプリント基板の接続方法によれば、接続箇所において熱圧着ツール9により加熱され溶融したPENが加圧されることにより、リジッドプリント基板2に密着し強固に接着することができる。このとき溶融したPENは流動し易いが、接続箇所の外周部のPENフィルム12が溶融していないため、溶融したPENが接続箇所の外周部にまで流動することを抑制できる。
【0057】
従って、接続箇所で溶融したPENの過剰な流動を抑制することにより、接続箇所のPENフィルム12aの厚さが薄くなることを防止することが可能である。このようにして、接続箇所の信頼性を向上することができる。
【0058】
本発明者らは、厚さ100μmのPENフィルム12を採用して上述した接続方法を実施し、接続箇所のPENフィルム12aの厚さが40〜80μmとなることを確認している。また、上記実施形態によらず接続箇所のPENフィルム12aの厚さが20μm未満にまで減少したときには、溶融したPENの過剰な流動に伴うずり応力により導体パターン13の断線が発生する場合があることを確認している。
【0059】
すなわち、接続箇所のPENフィルム12aの厚さは、接続箇所以外のPENフィルム12の20%以上であることが好ましく、40%以上であるとさらに好ましい。
【0060】
また、接続工程において、フレキシブルプリント基板5のPENフィルム12とSUS板21との間に離型部材である離型フィルム26(本例ではテフロン(登録商標)フィルム)を配置している。これにより溶融したPENがSUS板21に付着することを防止できる。離型部材はフィルム状である必要はなく、溶融したPENの付着が防止できるものであれば、例えばSUS板21の表面にテフロン(登録商標)等の非着性のコーティングを施したものであってもかまわない。
【0061】
(他の実施形態)
上記一実施形態では、冷却治具22は熱圧着ツール9の外周を取り囲むように配置され、接続工程において接続箇所を取り囲むように全周にわたってPENフィルムを冷却するように構成されていたが、図7に示すように、冷却治具221を熱圧着ツール9の両側に配置したものであってもよいし、図8に示すように、冷却治具222を熱圧着ツール9の片側に配置したものであってもよい。
【0062】
特に、図7に示すように、接続箇所およびその近傍においてフレキシブルプリント基板5の導体パターン13が略並行に形成された複数本の導体線の場合には、接続箇所において溶融したPENは、導体線間を導体線形成方向に流動し易い。従って、接続工程において冷却される部位を、接続箇所の導体線形成方向両側に設けることにより、溶融したPENの過剰な流動を抑制することができる。
【0063】
これにより、接続箇所におけるフレキシブルプリント基板5のPENフィルム12a(図7には図示せず)の厚さが薄くなることを抑制することが可能となるとともに、導体パターン13へのずり応力の付勢を抑制し、導体パターン13の断線等のない高い接続信頼性を得ることが可能である。
【0064】
また、図8に示すように、上述した図7の場合と同様にフレキシブルプリント基板5の導体パターン13が形成されている場合には、導体パターン13へのずり応力の付勢による断線は、接続箇所に対し図中右方側(すなわち、接続箇所に対し、フレキシブルプリント基板5の端部側とは反対側)において発生し易い。従って、図8に示すように、接続工程において冷却される部位を、接続箇所の導体線形成方向片側(フレキシブルプリント基板5の端部とは反対側)に設けることにより、導体パターン13の断線等のない高い接続信頼性を得ることが可能である。
【0065】
また、上記一実施形態では、第1のプリント基板であるフレキシブルプリント基板5の絶縁基材が熱可塑性樹脂(本例ではPEN)であり、これを第2のプリント基板であるリジッドプリント基板2と接続するものであったが、第1のプリント基板が絶縁基材が熱可塑性樹脂であるリジッドプリント基板であってもよい。また、第1および第2のプリント基板がともにフレキシブルプリント基板であってもよい。
【0066】
さらに、第1および第2のプリント基板の絶縁基材がともに熱可塑性樹脂であってもよい。また、第2のプリント基板がリジッドプリント基板である場合には、絶縁基材として樹脂基材以外にセラミック基材やメタルベース基材を用いてもよい。
【0067】
また、上記一実施形態では、フレキシブルプリント基板5の絶縁基材にPENを用いたが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であったり、PEIとPEEKを両方を含むものであってもよい。また、液晶ポリマーを用いてもよい。要は、PENとPETとPEIとPEEKと液晶ポリマーの少なくともいずれかを含むものであればよい。
【0068】
また、上記一実施形態では、冷却部材として銅ブロックからなる冷却治具22を用いたが、冷却部材はフレキシブルプリント基板の絶縁基材から熱を奪うことができる構成であればこれに限定されるものではない。例えば、金属ブロック中に冷却管を設け、この冷却管内に水等の冷却媒体を流通させるものであってもよいし、冷却フィンを備える金属ブロックであってもよい。また、これに冷風を当てて冷却を行なうものであってもよいし、金属ブロック等を備えず、押圧部材であるSUS板の傾斜部に冷風を当てる等の手段によって冷却を行なう構成であってもよい。
【0069】
また、上記一実施形態では、ランド11aとランド13aとを半田14により接合したが、導電性接着剤等を用いて接合するものであってもよい。さらに、ランド同士を直接接触させてもよい。
【0070】
また、上記一実施形態では、ランドは導体パターンと同一幅の線状ランドであったが、角ランド、丸ランド、異形ランド等であってもよい。
【0071】
また、上記一実施形態では、フレキシブルプリント基板とリジッドプリント基板とはその端部同士が重なり合い、基板同士は互いに逆方向に延びる態様に接続されたが、両基板が同方向に延びる向きで両基板の端部同士を接続するものであってもよい。また、両基板の接続箇所は各基板の端部以外に設けられているものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電子機器の一部を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接続部分を示す平面図と断面図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接続方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接続方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接続方法を説明するための平面図である。
【図6】プリント基板の接続工程における温度分布を説明するための図である。
【図7】他の実施形態におけるプリント基板の接続方法を説明するための平面図である。
【図8】他の実施形態におけるプリント基板の接続方法を説明するための平面図である。
【符号の説明】
2 リジッドプリント基板(第2のプリント基板)
5 フレキシブルプリント基板(第1のプリント基板)
9 熱圧着ツール
11 導体パターン
11a ランド
12、12a PENフィルム(絶縁基材)
13 導体パターン
13a ランド
21 SUS板(押圧部材)
22 冷却治具(冷却部材)
26 離型フィルム(離型部材)
Claims (12)
- 絶縁基材(12)として熱可塑性樹脂を用いた第1のプリント基板(5)に形成した導体パターン(13)の接続端子としてのランド(13a)と、第2のプリント基板(2)に形成した導体パターン(11)の接続端子としてのランド(11a)とを重ねて配置する配置工程と、
前記第1および第2のプリント基板(5、2)の接続箇所に対して、熱圧着ツール(9)によって前記第1のプリント基板(5)を構成する前記熱可塑性樹脂の融点以上に加熱するとともに加圧して、前記第1のプリント基板(5)の導体パターン(13)のランド(13a)と前記第2のプリント基板(2)の導体パターン(11)のランド(11a)とを電気的に接続するとともに、前記第1のプリント基板(5)を構成する前記熱可塑性樹脂を溶融させ前記第2のプリント基板(2)に接着する接続工程とを備えるプリント基板の接続方法であって、
前記接続工程において、前記熱可塑性樹脂を溶融する際に、前記接続箇所の外周部を冷却することによって、前記第1のプリント基板(5)の前記外周部に位置する熱可塑性樹脂の温度を融点未満に保持することを特徴とするプリント基板の接続方法。 - 前記接続工程において冷却される前記外周部は、前記接続箇所を取り囲むように全周に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の接続方法。
- 前記接続工程において冷却される前記外周部は、前記接続箇所の両側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の接続方法。
- 前記第1のプリント基板(5)において、前記接続箇所およびその近傍の前記導体パターン(13)は複数本の導体線を有し、各導体線は、前記第1のプリント基板(5)の延在方向に沿って略並行に形成され、
前記接続工程において冷却される前記接続箇所の両側部位は、前記接続箇所の前記導体線形成方向両側に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプリント基板の接続方法。 - 前記接続工程において冷却される前記外周部は、前記接続箇所の片側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の接続方法。
- 前記第1のプリント基板(5)において、前記接続箇所およびその近傍の前記導体パターン(13)は複数本の導体線を有し、各導体線は、前記第1のプリント基板(5)の延在方向に沿って略並行に形成され、
前記接続工程において冷却される前記接続箇所の片側部位は、前記接続箇所の前記導体線形成方向片側に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のプリント基板の接続方法。 - 前記接続箇所は、前記第1のプリント基板(5)の端部に形成されており、
前記接続工程において冷却される前記接続箇所の片側部位は、前記接続箇所に対し前記端部側と反対側の前記導体線形成方向に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のプリント基板の接続方法。 - 前記接続工程において、前記熱圧着ツール(9)によって前記熱可塑性樹脂を溶融する際に、前記熱圧着ツール(9)の前記第1のプリント基板(5)延在方向に冷却部材(22)を配置し、この冷却部材(22)により前記前記接続箇所の前記外周部を冷却しつつ、前記熱圧着ツール(9)により加熱および加圧を行なうことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載のプリント基板の接続方法。
- 前記接続工程において、前記熱圧着ツール(9)は、前記冷却部材(22)が当接した薄板状の押圧部材(21)を介して前記接続箇所を加熱しつつ加圧することを特徴とする請求項8に記載のプリント基板の接続方法。
- 前記押圧部材(21)は、熱伝導率が0.15W/mm・℃以下であることを特徴とする請求項9に記載のプリント基板の接続方法。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーから選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載のプリント基板の接続方法。
- 前記接続工程において、前記接続箇所は前記第1のプリント基板(5)側から加熱され、
前記第1のプリント基板(5)の前記接続箇所の外表面には離型部材(26)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載のプリント基板の接続方法。
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