JP2003142821A - プリント基板の接続方法および接続構造 - Google Patents

プリント基板の接続方法および接続構造

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JP2003142821A JP2001335180A JP2001335180A JP2003142821A JP 2003142821 A JP2003142821 A JP 2003142821A JP 2001335180 A JP2001335180 A JP 2001335180A JP 2001335180 A JP2001335180 A JP 2001335180A JP 2003142821 A JP2003142821 A JP 2003142821A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続箇所における熱可塑性樹脂の過剰な流動
を抑制し、接続信頼性を向上することが可能なプリント
基板の接続方法および接続構造を提供すること。 【解決手段】 PENフィルム12を絶縁基材とするフ
レキシブルプリント基板5のランド13aとリジッドプ
リント基板2の半田レベラー8が形成されたランド11
aとを重ね合わせた((a)に図示)後、この接続箇所
を熱圧着ツール9により加圧しつつ加熱して接続箇所の
PENフィルムを溶融させるとともに、接続箇所の外周
部を冷却治具22によりPENの融点未満に冷却する
((b)に図示)。これにより、溶融したPENが過剰
に流動することを抑制して、接続箇所のPENフィルム
が薄くなることを抑制するとともに導体パターン13へ
の応力の付勢を低減することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板の接
続方法および接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント基板の接続方法として、
例えば特開2001−111209号公報に開示された
方法が知られている。この接続方法によれば、第1のプ
リント基板である絶縁基材として熱可塑性樹脂を用いた
フレキシブルプリント基板に形成した導体パターンと第
2のプリント基板であるリジッドプリント基板に形成し
た導体パターンとのそれぞれのランド部分を重ねる。
【0003】そして、両基板の接続箇所に対し、熱圧着
ツールによってフレキシブルプリント基板を構成する熱
可塑性樹脂のガラス点移転以上に加熱するとともに加圧
する。これにより、両基板の導体パターンのランド部分
同士が電気的に接続されるとともに、熱可塑性樹脂が軟
化変形してリジッドプリント基板と密着し、両基板が接
続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、フレキシブルプリント基板を構成する熱
可塑性樹脂を強固にリジッドプリント基板に接着するた
めに、熱圧着ツールによって接続箇所を熱可塑性樹脂の
融点以上に加熱すると熱可塑性樹脂が過剰に流動し易く
なる。その結果、接続箇所におけるフレキシブルプリン
ト基板の絶縁基材の厚さが薄くなり強度が低下し、接続
箇所の信頼性が低下するという問題がある。
【0005】また、熱可塑性樹脂が過剰に流動すると導
体パターンに対しずり応力が加わり、金属ペースト材等
の比較的強度が低い配線材料を使用した場合には、導体
パターンが断線し易いという問題がある。
【0006】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
接続箇所における熱可塑性樹脂の過剰な流動を抑制し、
接続信頼性を向上することが可能なプリント基板の接続
方法および接続構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明のプリント基板の接続方法で
は、絶縁基材(12)として熱可塑性樹脂を用いた第1
のプリント基板(5)に形成した導体パターン(13)
の接続端子としてのランド(13a)と、第2のプリン
ト基板(2)に形成した導体パターン(11)の接続端
子としてのランド(11a)とを重ねて配置する配置工
程と、第1および第2のプリント基板(5、2)の接続
箇所に対して、熱圧着ツール(9)によって第1のプリ
ント基板(5)を構成する熱可塑性樹脂の融点以上に加
熱するとともに加圧して、第1のプリント基板(5)の
導体パターン(13)のランド(13a)と第2のプリ
ント基板(2)の導体パターン(11)のランド(11
a)とを電気的に接続するとともに、第1のプリント基
板(5)を構成する熱可塑性樹脂を溶融させ第2のプリ
ント基板(2)に接着する接続工程とを備えるプリント
基板の接続方法であって、接続工程において、熱可塑性
樹脂を溶融する際に、接続箇所の外周部を冷却すること
によって、第1のプリント基板(5)の外周部に位置す
る熱可塑性樹脂の温度を融点未満に保持することを特徴
としている。
【0008】これによると、接続箇所の外周部において
第1のプリント基板(5)を構成する熱可塑性樹脂は溶
融せず、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂の流動
を抑制することができる。従って、接続箇所における第
1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚さが
薄くなることが抑制できるとともに導体パターン(1
3)に対するずり応力の付勢を抑制することが可能であ
る。このようにして、プリント基板の接続信頼性を向上
することが可能となる。
【0009】また、請求項2に記載の発明のプリント基
板の接続方法のように、接続工程において冷却される第
1のプリント基板(5)の外周部は、接続箇所を取り囲
むように全周に形成することができる。
【0010】また、請求項3に記載の発明のプリント基
板の接続方法のように、接続工程において冷却される第
1のプリント基板(5)の外周部は、接続箇所の両側に
形成することができる。
【0011】また、請求項4に記載の発明のプリント基
板の接続方法では、請求項3に記載のプリント基板の接
続方法において、接続箇所およびその近傍の第1のプリ
ント基板(5)の導体パターン(13)は複数本の導体
線を有し、各導体線は、第1のプリント基板(5)の延
在方向に沿って略並行に形成され、接続工程において冷
却される接続箇所の両側部位は、接続箇所の導体線形成
方向両側に形成されていることを特徴としている。
【0012】このように、接続箇所およびその近傍の導
体パターンが略並行に形成された複数本の導体線の場合
には、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂は、導体
線間を導体線形成方向に流動し易い。従って、本発明の
ように、接続工程において冷却される接続箇所の両側部
位を導体線形成方向に設けることにより、接続箇所にお
いて溶融した熱可塑性樹脂の流動を抑制することができ
る。
【0013】このようにして、冷却される部位を接続箇
所の両側に形成した場合であっても、接続箇所における
第1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚さ
が薄くなることが抑制できるとともに導体パターン(1
3)に対するずり応力の付勢を抑制することが可能であ
る。
【0014】また、請求項5に記載の発明のプリント基
板の接続方法のように、接続工程において冷却される第
1のプリント基板(5)の外周部は、接続箇所の片側に
形成することができる。
【0015】また、請求項6に記載の発明のプリント基
板の接続方法では、第1のプリント基板(5)におい
て、接続箇所およびその近傍の導体パターン(13)は
複数本の導体線を有し、各導体線は、第1のプリント基
板(5)の延在方向に沿って略並行に形成され、接続工
程において冷却される接続箇所の片側部位は、接続箇所
の導体線形成方向片側に形成されていることを特徴とし
ている。
【0016】このように、接続箇所およびその近傍の導
体パターン(13)が略並行に形成された複数本の導体
線の場合には、接続箇所において溶融した熱可塑性樹脂
は、導体線間を導体線形成方向に流動し易い。従って、
本発明のように、接続工程において冷却される接続箇所
の片側部位を導体線形成方向に設けることにより、接続
箇所において溶融した熱可塑性樹脂の流動を抑制するこ
とができる。
【0017】このようにして、冷却される部位を接続箇
所の片側に形成した場合であっても、接続箇所における
第1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚さ
が薄くなることが抑制できるとともに導体パターン(1
3)に対するずり応力の付勢を抑制することが可能であ
る。
【0018】また、請求項7に記載の発明のプリント基
板の接続方法では、接続箇所は、第1のプリント基板
(5)の端部に形成されており、接続工程において冷却
される接続箇所の片側部位は、接続箇所に対し端部側と
反対側の導体線形成方向に形成されていることを特徴と
している。
【0019】これによると、導体パターン(13)にず
り応力が付勢された場合に導体パターン(13)が断線
し易い接続箇所の端部側の反対側において、熱可塑性樹
脂の流動を抑制することができる。
【0020】また、請求項8に記載の発明のプリント基
板の接続方法のように、接続工程において接続箇所の外
周部を冷却する場合には、熱圧着ツール(9)によって
熱可塑性樹脂を溶融する際に、熱圧着ツール(9)の第
1のプリント基板(5)延在方向に冷却部材(22)を
配置することにより行なうことができる。
【0021】また、請求項9に記載の発明のプリント基
板の接続方法では、請求項8に記載のプリント基板の接
続方法において、熱圧着ツール(9)は、冷却部材(2
2)が当接した薄板状の押圧部材(21)を介して接続
箇所を加熱しつつ加圧することを特徴としている。
【0022】これによると、熱圧着ツール(9)による
接続箇所の加熱および加圧と、冷却部材(22)による
接続箇所の外周部の冷却を確実に同時に行なうことがで
きる。
【0023】また、請求項10に記載の発明のプリント
基板の接続方法では、押圧部材(21)は、熱伝導率が
0.15W/mm・℃以下であることを特徴としてい
る。
【0024】これによると、熱圧着ツール(9)の熱は
押圧部材(21)を介して冷却部材(22)に伝達し難
く、冷却部材(22)による外周部の冷却を確実に行な
うことができる。
【0025】また、請求項11に記載の発明のプリント
基板の接続方法のように、熱可塑性樹脂は、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリ
マーから選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むものとす
ると、実用上好ましい。
【0026】また、請求項12に記載の発明のプリント
基板の接続方法では、接続工程において、接続箇所は第
1のプリント基板(5)側から加熱され、第1のプリン
ト基板(5)の接続箇所の外表面には離型部材(26)
が形成されていることを特徴としている。
【0027】これによると、接続工程において溶融した
熱可塑性樹脂が熱圧着ツール(9)等に付着することを
防止できる。
【0028】また、請求項1に記載のプリント基板の製
造方法によれば、請求項13に記載の発明のように、絶
縁基材(12)として熱可塑性樹脂を用いた第1のプリ
ント基板(5)に形成した導体パターン(13)の接続
端子としてのランド(13a)と、第2のプリント基板
(2)に形成した導体パターン(11)の接続端子とし
てのランド(11a)とが電気的に接続されているとと
もに、この電気的接続箇所近傍において第1のプリント
基板(5)の絶縁基材(12a)から延びる熱可塑性樹
脂が第2のプリント基板(2)に接着して、第1および
第2のプリント基板(5、2)の接続箇所が形成されて
いるプリント基板の接続構造であって、接続箇所におけ
る第1のプリント基板(5)の絶縁基材(12a)の厚
さが、接続箇所以外の第1のプリント基板(5)の絶縁
基材(12)の厚さに対し20%以上であることを特徴
とするプリント基板の接続構造を形成することが可能で
ある。
【0029】このように、接続箇所の絶縁基材(12
a)の厚さが20%未満まで薄くなることがなければ、
接続信頼性の高いプリント基板の接続構造となる。
【0030】また、請求項14に記載の発明のプリント
基板の接続構造のように、熱可塑性樹脂は、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリ
マーから選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むものとす
ると、実用上好ましい。
【0031】なお、上記各手段に付した括弧内の符号
は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を
示す。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0033】図1には、本実施形態における電子機器の
一部を示す。電子機器の内部において、リジッドプリン
ト基板1とリジッドプリント基板2が支持されている。
リジッドプリント基板1には各種の電子部品が実装され
ており、図1においてはDIPパッケージのIC3がピ
ン3aにより挿入実装されている状態を示す。同様に、
リジッドプリント基板2にも各種の電子部品4が実装さ
れている。リジッドプリント基板1,2の絶縁基板には
ガラス布基材エポキシ樹脂が使用されている。
【0034】上下に水平に配置されたリジッドプリント
基板1とリジッドプリント基板2に対しフレキシブルプ
リント基板5が電気的に接続されている。つまり、図1
でのリジッドプリント基板1の右側の辺とリジッドプリ
ント基板2の右側の辺においてフレキシブルプリント基
板5が接続されている。このフレキシブルプリント基板
5の絶縁基材であるベースフィルムにはポリエチレンナ
フタレート(PEN)が使用されている。このポリエチ
レンナフタレート(PEN)は融点が約260℃である
熱可塑性樹脂である。
【0035】図2には、第1のプリント基板であるフレ
キシブルプリント基板5と第2のプリント基板であるリ
ジッドプリント基板2の接続箇所を拡大して示す。図2
においては平面とA−A断面を示す。リジッドプリント
基板2のガラスエポキシからなる絶縁基材10の上面に
は複数の導体パターン11が形成され、複数の導体パタ
ーン11のそれぞれの端部には接続端子としてのランド
11aが形成されている。
【0036】このランド11aを除いて、導体パターン
11は保護膜としてのソルダーレジスト6によって被覆
されている。なお、導体パターン11は銅パターンであ
って、18〜50μmの銅箔をエッチング法によりパタ
ーン形成したものである。
【0037】フレキシブルプリント基板5の絶縁基材で
あるPENフィルム12の表面には複数の導体パターン
13が形成され、複数の導体パターン13のそれぞれの
端部には接続端子としてのランド13aが形成されてい
る。このランド13aを除いて、導体パターン13は保
護膜としてのカバーフィルム7により被覆されている。
なお、導体パターン13は銀ペーストを印刷法によりパ
ターン形成したものであり、本例では約8μmの厚さに
形成されている。
【0038】導体パターン13は、フレキシブルプリン
ト基板5の長手方向(図中左右方向)に略並行に延びる
複数の導体線を有し、その複数の導体線のそれぞれの端
部がランド13aとして機能する。
【0039】そして、リジッドプリント基板2とフレキ
シブルプリント基板5の接続箇所において、導体パター
ン11のランド11aと導体パターン13のランド13
aが半田14により接合されるとともに、接合されたラ
ンド11a、13aの平面図中上下方向両側(図中4対
のランド11a、13aの間および両端側)においてリ
ジッドプリント基板2の絶縁基材10とフレキシブルプ
リント基板5のPENフィルム12が接着されている。
【0040】ここで、導体パターン11,13のランド
11a,13aによる電気接続箇所の平面図中上下方向
両側において、フレキシブルプリント基板5のPENフ
ィルム12から延びるポリエチレンナフタレート(PE
N)樹脂が絶縁基材10に接着している。また、この接
続箇所におけるフレキシブルプリント基板5のPENフ
ィルム12aの厚さは、接続箇所以外のPENフィルム
12の厚さの40〜80%となっている。
【0041】次に、第1のプリント基板であるフレキシ
ブルプリント基板5と第2のプリント基板であるリジッ
ドプリント基板2の接続方法を、図3〜5を用いて説明
する。
【0042】図3(a)に示すように、リジッドプリン
ト基板2とフレキシブルプリント基板5を用意する。フ
レキシブルプリント基板5のPENフィルム12の厚さ
は25〜150μmである。リジッドプリント基板2の
絶縁基材10には導体パターン11が形成されるととも
に、フレキシブルプリント基板5のPENフィルム12
には導体パターン13が形成されている。
【0043】そして、リジッドプリント基板2の導体パ
ターン11のランド11aには半田レベラー8が形成さ
れている。なお、半田は、ランド11aとランド13a
の両方もしくはいずれか一方に形成されれば良く、その
形成方法も任意である。また、本例では、半田として、
錫−鉛の共晶半田を用いており、その融点(溶融温度)
は183℃である。
【0044】そして、図3(b)に示すように、下治具
31上にリジッドプリント基板2とフレキシブルプリン
ト基板5とを重ねて配置し、両導体パターン11,13
のランド11a,13aを半田レベラー8を介して接近
配置する。
【0045】さらに、リジッドプリント基板2とフレキ
シブルプリント基板5とを重ねた接続箇所を熱圧着ツー
ル9によって加圧しつつ加熱する。熱圧着ツール9は、
薄板状の押圧部材であるSUS板21および離型部材で
ある離型フィルム26を介してフレキシブルプリント基
板5に当接される。
【0046】SUS板21は、熱圧着ツール9からの熱
および加圧力をフレキシブルプリント基板5とリジッド
プリント基板2との接続箇所に伝達する。さらに、SU
S板21は、フレキシブルプリント基板5の延在方向両
側に傾斜部21a、21bを有しており、この傾斜部2
1a、21bによって、伝熱性に優れる金属(本例では
銅)からなる冷却部材である冷却治具22を、熱圧着ツ
ール9のフレキシブルプリント基板5の延在方向側に位
置決めし、保持する機能を有している。
【0047】図5は、フレキシブルプリント基板5とリ
ジッドプリント基板2との接続箇所に配置された熱圧着
ツール9や冷却治具22等の位置関係を示す平面図であ
り、冷却治具22は熱圧着ツール9の外周を取り囲むよ
うに熱圧着ツール9の全周に配置されている。
【0048】なお、本例では、SUS板21として厚さ
0.1mmのSUS板を用いており、このSUS板21
の熱伝導率は約0.15W/mm・℃である。
【0049】フレキシブルプリント基板5を構成するP
ENの融点は約260℃であり、熱圧着ツール9は、接
続箇所が半田レベラー8の融点以上でかつPENの融点
以上となるように加熱を行ないつつ、当該接続箇所に圧
力を加える。例えば、加熱温度は270〜340℃であ
り、1〜6MPaの圧力で5〜15秒間加熱および加圧
を継続する。なお、本例では、パルスヒート方式の熱圧
着ツール9を用いている。
【0050】この熱により半田の溶融によるランド11
a,13a間の接続を行いながら、フレキシブルプリン
ト基板5を構成するPENを溶融させ、リジッドプリン
ト基板2の接続箇所表面に密着させる。なおこのとき、
接続箇所の外周部に位置するフレキシブルプリント基板
5のPENフィルム12はSUS板21を介して冷却治
具22に熱を奪われることによりPENの融点未満の温
度を保持するようになっている。
【0051】図6は、本発明者らが行なった温度測定結
果であり、接続箇所を熱圧着ツール9によって加圧しつ
つ加熱したときのフレキシブルプリント基板5のPEN
フィルム12の温度(接着界面の温度)を示す一例であ
る。接続箇所を310〜320℃に加熱した場合であっ
ても接続箇所の外周部はPENの融点(約260℃)未
満に冷却されていることを確認している。
【0052】つまり、接続箇所を熱圧着ツール9によっ
て加圧しつつ加熱することにより、図4(a)に示すよ
うに、リジッドプリント基板2のランド11aとフレキ
シブルプリント基板5のランド13aが半田14により
半田付けされ、電気的に接続される。また、図4(b)
に示すように、熱圧着ツール9によりPENフィルム1
2の溶融した一部が複数の接続したランド11a,13
a間等に供給され、その後冷却されることによりリジッ
ドプリント基板2に強固に接着される。
【0053】また、接続箇所の外周部においては、冷却
治具22に熱を奪われることによりPENフィルム12
は溶融しない。なお、本例のように熱圧着ツール9によ
る加圧および加熱を冷却治具22を保持したSUS板を
介して行なえば接続箇所の加圧および加熱と接続箇所の
外周部の冷却を確実に同時に行なうことができる。
【0054】ただしこの場合、熱圧着ツール9の熱がS
US板21を介して冷却治具に伝達され、冷却治具22
の冷却効果を低減するので、これを抑制するためにはS
US板21の熱伝導率は0.15W/mm・℃以下であ
ることが好ましい。
【0055】ここで、図3に示す工程が本実施形態にお
ける配置工程であり、図4に示す工程が本実施形態にお
ける接続工程である。なお、図4(b)は、接続工程に
おける、図2に示すB−B断面を示している。
【0056】上述のプリント基板の接続方法によれば、
接続箇所において熱圧着ツール9により加熱され溶融し
たPENが加圧されることにより、リジッドプリント基
板2に密着し強固に接着することができる。このとき溶
融したPENは流動し易いが、接続箇所の外周部のPE
Nフィルム12が溶融していないため、溶融したPEN
が接続箇所の外周部にまで流動することを抑制できる。
【0057】従って、接続箇所で溶融したPENの過剰
な流動を抑制することにより、接続箇所のPENフィル
ム12aの厚さが薄くなることを防止することが可能で
ある。このようにして、接続箇所の信頼性を向上するこ
とができる。
【0058】本発明者らは、厚さ100μmのPENフ
ィルム12を採用して上述した接続方法を実施し、接続
箇所のPENフィルム12aの厚さが40〜80μmと
なることを確認している。また、上記実施形態によらず
接続箇所のPENフィルム12aの厚さが20μm未満
にまで減少したときには、溶融したPENの過剰な流動
に伴うずり応力により導体パターン13の断線が発生す
る場合があることを確認している。
【0059】すなわち、接続箇所のPENフィルム12
aの厚さは、接続箇所以外のPENフィルム12の20
%以上であることが好ましく、40%以上であるとさら
に好ましい。
【0060】また、接続工程において、フレキシブルプ
リント基板5のPENフィルム12とSUS板21との
間に離型部材である離型フィルム26(本例ではテフロ
ン(登録商標)フィルム)を配置している。これにより
溶融したPENがSUS板21に付着することを防止で
きる。離型部材はフィルム状である必要はなく、溶融し
たPENの付着が防止できるものであれば、例えばSU
S板21の表面にテフロン(登録商標)等の非着性のコ
ーティングを施したものであってもかまわない。
【0061】(他の実施形態)上記一実施形態では、冷
却治具22は熱圧着ツール9の外周を取り囲むように配
置され、接続工程において接続箇所を取り囲むように全
周にわたってPENフィルムを冷却するように構成され
ていたが、図7に示すように、冷却治具221を熱圧着
ツール9の両側に配置したものであってもよいし、図8
に示すように、冷却治具222を熱圧着ツール9の片側
に配置したものであってもよい。
【0062】特に、図7に示すように、接続箇所および
その近傍においてフレキシブルプリント基板5の導体パ
ターン13が略並行に形成された複数本の導体線の場合
には、接続箇所において溶融したPENは、導体線間を
導体線形成方向に流動し易い。従って、接続工程におい
て冷却される部位を、接続箇所の導体線形成方向両側に
設けることにより、溶融したPENの過剰な流動を抑制
することができる。
【0063】これにより、接続箇所におけるフレキシブ
ルプリント基板5のPENフィルム12a(図7には図
示せず)の厚さが薄くなることを抑制することが可能と
なるとともに、導体パターン13へのずり応力の付勢を
抑制し、導体パターン13の断線等のない高い接続信頼
性を得ることが可能である。
【0064】また、図8に示すように、上述した図7の
場合と同様にフレキシブルプリント基板5の導体パター
ン13が形成されている場合には、導体パターン13へ
のずり応力の付勢による断線は、接続箇所に対し図中右
方側(すなわち、接続箇所に対し、フレキシブルプリン
ト基板5の端部側とは反対側)において発生し易い。従
って、図8に示すように、接続工程において冷却される
部位を、接続箇所の導体線形成方向片側(フレキシブル
プリント基板5の端部とは反対側)に設けることによ
り、導体パターン13の断線等のない高い接続信頼性を
得ることが可能である。
【0065】また、上記一実施形態では、第1のプリン
ト基板であるフレキシブルプリント基板5の絶縁基材が
熱可塑性樹脂(本例ではPEN)であり、これを第2の
プリント基板であるリジッドプリント基板2と接続する
ものであったが、第1のプリント基板が絶縁基材が熱可
塑性樹脂であるリジッドプリント基板であってもよい。
また、第1および第2のプリント基板がともにフレキシ
ブルプリント基板であってもよい。
【0066】さらに、第1および第2のプリント基板の
絶縁基材がともに熱可塑性樹脂であってもよい。また、
第2のプリント基板がリジッドプリント基板である場合
には、絶縁基材として樹脂基材以外にセラミック基材や
メタルベース基材を用いてもよい。
【0067】また、上記一実施形態では、フレキシブル
プリント基板5の絶縁基材にPENを用いたが、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルイミド
(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
であったり、PEIとPEEKを両方を含むものであっ
てもよい。また、液晶ポリマーを用いてもよい。要は、
PENとPETとPEIとPEEKと液晶ポリマーの少
なくともいずれかを含むものであればよい。
【0068】また、上記一実施形態では、冷却部材とし
て銅ブロックからなる冷却治具22を用いたが、冷却部
材はフレキシブルプリント基板の絶縁基材から熱を奪う
ことができる構成であればこれに限定されるものではな
い。例えば、金属ブロック中に冷却管を設け、この冷却
管内に水等の冷却媒体を流通させるものであってもよい
し、冷却フィンを備える金属ブロックであってもよい。
また、これに冷風を当てて冷却を行なうものであっても
よいし、金属ブロック等を備えず、押圧部材であるSU
S板の傾斜部に冷風を当てる等の手段によって冷却を行
なう構成であってもよい。
【0069】また、上記一実施形態では、ランド11a
とランド13aとを半田14により接合したが、導電性
接着剤等を用いて接合するものであってもよい。さら
に、ランド同士を直接接触させてもよい。
【0070】また、上記一実施形態では、ランドは導体
パターンと同一幅の線状ランドであったが、角ランド、
丸ランド、異形ランド等であってもよい。
【0071】また、上記一実施形態では、フレキシブル
プリント基板とリジッドプリント基板とはその端部同士
が重なり合い、基板同士は互いに逆方向に延びる態様に
接続されたが、両基板が同方向に延びる向きで両基板の
端部同士を接続するものであってもよい。また、両基板
の接続箇所は各基板の端部以外に設けられているもので
あってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電子機器の一部を
示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接
続部分を示す平面図と断面図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接
続方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接
続方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるプリント基板の接
続方法を説明するための平面図である。
【図6】プリント基板の接続工程における温度分布を説
明するための図である。
【図7】他の実施形態におけるプリント基板の接続方法
を説明するための平面図である。
【図8】他の実施形態におけるプリント基板の接続方法
を説明するための平面図である。
【符号の説明】
2 リジッドプリント基板(第2のプリント基板) 5 フレキシブルプリント基板(第1のプリント基板) 9 熱圧着ツール 11 導体パターン 11a ランド 12、12a PENフィルム(絶縁基材) 13 導体パターン 13a ランド 21 SUS板(押圧部材) 22 冷却治具(冷却部材) 26 離型フィルム(離型部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢▲崎▼ 芳太郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 前田 裕光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 宮崎 光俊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5E344 AA02 AA17 AA22 AA28 BB02 BB03 BB04 CC23 DD02 DD10 DD13 DD14 EE02 EE16 EE21 EE23

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基材(12)として熱可塑性樹脂を
    用いた第1のプリント基板(5)に形成した導体パター
    ン(13)の接続端子としてのランド(13a)と、第
    2のプリント基板(2)に形成した導体パターン(1
    1)の接続端子としてのランド(11a)とを重ねて配
    置する配置工程と、 前記第1および第2のプリント基板(5、2)の接続箇
    所に対して、熱圧着ツール(9)によって前記第1のプ
    リント基板(5)を構成する前記熱可塑性樹脂の融点以
    上に加熱するとともに加圧して、前記第1のプリント基
    板(5)の導体パターン(13)のランド(13a)と
    前記第2のプリント基板(2)の導体パターン(11)
    のランド(11a)とを電気的に接続するとともに、前
    記第1のプリント基板(5)を構成する前記熱可塑性樹
    脂を溶融させ前記第2のプリント基板(2)に接着する
    接続工程とを備えるプリント基板の接続方法であって、 前記接続工程において、前記熱可塑性樹脂を溶融する際
    に、前記接続箇所の外周部を冷却することによって、前
    記第1のプリント基板(5)の前記外周部に位置する熱
    可塑性樹脂の温度を融点未満に保持することを特徴とす
    るプリント基板の接続方法。
  2. 【請求項2】 前記接続工程において冷却される前記外
    周部は、前記接続箇所を取り囲むように全周に形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板
    の接続方法。
  3. 【請求項3】 前記接続工程において冷却される前記外
    周部は、前記接続箇所の両側に形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のプリント基板の接続方法。
  4. 【請求項4】 前記第1のプリント基板(5)におい
    て、前記接続箇所およびその近傍の前記導体パターン
    (13)は複数本の導体線を有し、各導体線は、前記第
    1のプリント基板(5)の延在方向に沿って略並行に形
    成され、 前記接続工程において冷却される前記接続箇所の両側部
    位は、前記接続箇所の前記導体線形成方向両側に形成さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載のプリント基
    板の接続方法。
  5. 【請求項5】 前記接続工程において冷却される前記外
    周部は、前記接続箇所の片側に形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のプリント基板の接続方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のプリント基板(5)におい
    て、前記接続箇所およびその近傍の前記導体パターン
    (13)は複数本の導体線を有し、各導体線は、前記第
    1のプリント基板(5)の延在方向に沿って略並行に形
    成され、 前記接続工程において冷却される前記接続箇所の片側部
    位は、前記接続箇所の前記導体線形成方向片側に形成さ
    れていることを特徴とする請求項5に記載のプリント基
    板の接続方法。
  7. 【請求項7】 前記接続箇所は、前記第1のプリント基
    板(5)の端部に形成されており、 前記接続工程において冷却される前記接続箇所の片側部
    位は、前記接続箇所に対し前記端部側と反対側の前記導
    体線形成方向に形成されていることを特徴とする請求項
    6に記載のプリント基板の接続方法。
  8. 【請求項8】 前記接続工程において、前記熱圧着ツー
    ル(9)によって前記熱可塑性樹脂を溶融する際に、前
    記熱圧着ツール(9)の前記第1のプリント基板(5)
    延在方向に冷却部材(22)を配置し、この冷却部材
    (22)により前記前記接続箇所の前記外周部を冷却し
    つつ、前記熱圧着ツール(9)により加熱および加圧を
    行なうことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいず
    れか1つに記載のプリント基板の接続方法。
  9. 【請求項9】 前記接続工程において、前記熱圧着ツー
    ル(9)は、前記冷却部材(22)が当接した薄板状の
    押圧部材(21)を介して前記接続箇所を加熱しつつ加
    圧することを特徴とする請求項8に記載のプリント基板
    の接続方法。
  10. 【請求項10】 前記押圧部材(21)は、熱伝導率が
    0.15W/mm・℃以下であることを特徴とする請求
    項9に記載のプリント基板の接続方法。
  11. 【請求項11】 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンナ
    フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
    ルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー
    から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むことを特徴と
    する請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の
    プリント基板の接続方法。
  12. 【請求項12】 前記接続工程において、前記接続箇所
    は前記第1のプリント基板(5)側から加熱され、 前記第1のプリント基板(5)の前記接続箇所の外表面
    には離型部材(26)が形成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載のプ
    リント基板の接続方法。
  13. 【請求項13】 絶縁基材(12)として熱可塑性樹脂
    を用いた第1のプリント基板(5)に形成した導体パタ
    ーン(13)の接続端子としてのランド(13a)と、
    第2のプリント基板(2)に形成した導体パターン(1
    1)の接続端子としてのランド(11a)とが電気的に
    接続されているとともに、この電気的接続箇所近傍にお
    いて前記第1のプリント基板(5)の前記絶縁基材(1
    2a)から延びる熱可塑性樹脂が前記第2のプリント基
    板(2)に接着して、前記第1および第2のプリント基
    板(5、2)の接続箇所が形成されているプリント基板
    の接続構造であって、 前記接続箇所における前記第1のプリント基板(5)の
    前記絶縁基材(12a)の厚さが、前記接続箇所以外の
    前記第1のプリント基板(5)の前記絶縁基材(12)
    の厚さに対し20%以上であることを特徴とするプリン
    ト基板の接続構造。
  14. 【請求項14】 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンナ
    フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
    ルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー
    から選ばれる少なくとも1つの樹脂を含むことを特徴と
    する請求項13に記載のプリント基板の接続構造。
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