JP2003258402A - 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造 - Google Patents

加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造

Info

Publication number
JP2003258402A
JP2003258402A JP2002381740A JP2002381740A JP2003258402A JP 2003258402 A JP2003258402 A JP 2003258402A JP 2002381740 A JP2002381740 A JP 2002381740A JP 2002381740 A JP2002381740 A JP 2002381740A JP 2003258402 A JP2003258402 A JP 2003258402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
connection
substrate
adhesive tape
soldering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002381740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4060179B2 (ja
Inventor
Mitsuharu Minamino
光治 南野
Kiyoshi Goto
清志 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2002381740A priority Critical patent/JP4060179B2/ja
Publication of JP2003258402A publication Critical patent/JP2003258402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4060179B2 publication Critical patent/JP4060179B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Combinations Of Printed Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に行う
場合に、各処理部の接続強度を高めることにより、接続
処理後において、フレキシブル基板が硬質基板から剥が
れる虞のない加熱接続装置及び加熱接続方法を提供す
る。 【解決手段】 ヒーターチップ201は、硬質基板1上
に形成された端子部3と、フレキシブル基板4上に形成
された端子部とのハンダ付けによる第1接続部を加熱す
る第1加熱部202と、上記第1接続部に近接した上記
硬質基板1とフレキシブル基板4との熱接着テープ8に
よる第2接続部を加熱する第2加熱部203とを有す
る。上記第1加熱部202と第2加熱部203との押圧
面の段差部11が、第2接続部が加圧される時に、熱接
着テープ8の接着剤が所定の接続強度が得られる厚みと
なるように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶モジュール等
の電子部品や産業機器、電化機器、精密機器等に用いら
れているフレキシブル基板と硬質基板との接続のための
加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基
板との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶モジュール等の電子部品等
では、軟質基板としてのフレキシブル基板(FPC)と
硬質基板(プリント基板等)とが、各基板の端子同士を
ハンダ付けすることにより電気的に接合されている。
【0003】ところが、フレキシブル基板と硬質基板と
の接続後、様々な工程、あるいは最終製品化された後の
使用時において、フレキシブル基板に引っ張りやねじれ
といった何らかのストレスが加えられた場合に、端子部
のハンダが剥がれて電気的な断線が生じる可能性があ
る。
【0004】そこで、上記のような電気的な断線を防止
する為に、フレキシブル基板と硬質基板との接合時に、
端子同士のハンダ付けの他に、このハンダ付け部分の近
傍に、ハンダ付けされた端子列と平行に熱圧着テープを
設けて、フレキシブル基板と硬質基板とを接続する措置
が講じられている。
【0005】通常、ハンダ付けに必要な温度と熱圧着テ
ープとの接合に必要な温度は異なるので、各接続部にお
いて異なる温度で接続する必要がある。そこで、従来で
は、一つの加熱治具(ヒーターチップ)を用いて以下の
ようにして、フレキシブル基板と硬質基板とを接合して
いた。
【0006】まず、ヒーターチップをハンダ付け端子列
部分に、フレキシブル基板のベースフィルムを介して接
触させ、ハンダ付けを行った後、ヒーターチップを冷却
してはんだを冷却・固化させる(ハンダ付け処理)。
【0007】次いで、はんだが固化した後、ヒーターチ
ップを上昇させて熱圧着テープ部接続位置に移動させ、
熱圧着テープの最適温度に切り替えてテープの熱圧着を
行う(熱圧着処理)。
【0008】なお、上記の方法でフレキシブル基板と硬
質基板とを接続する場合、接続にかかる時間を短縮する
には、ヒーターチップの温度切り替えを迅速に行う必要
がある。したがって、上記のヒーターチップには、パル
スヒート方式で電力が供給されている。
【0009】しかしながら、上記のように一つのヒータ
ーチップを用いてハンダ付け処理と熱圧着処理とを別々
に行った場合、上述のようにパルスヒート方式によりヒ
ーターチップに電力を供給して加熱温度の切り替えを迅
速に行うようにしても、2回の接続処理を行う必要があ
るので、工数が増加してスループットの低下を招くとい
う問題が生じる。
【0010】そこで、例えば特開平7−193362号
公報には、一つのヒーターツール(ヒーターチップ)に
よって、ハンダ付け処理と熱圧着処理とを同時に行う技
術が開示されている。
【0011】上記公報では、ヒーターツールの加熱面
に、熱圧着処理に使用される接着剤の厚み分の段差を設
け、段差の低い方で熱圧着処理を行い、段差の高い方で
ハンダ付け処理を行うようにして、ハンダ付け処理と熱
圧着処理とを同時に一括して行うようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、硬質基板に
は、一般にCu等からなる配線パターンが表面に形成さ
れ、その上に保護層としてソルダーレジストが形成され
ている。なお、このソルダーレジストは、フレキシブル
基板の端子部と接続する端子部には形成されていない。
【0013】一方、フレキシブル基板においても、硬質
基板と接続する側の表面にCu等からなる配線パターン
が形成され、その上に保護層としてカバーレイが設けら
れている。なお、このカバーレイは、硬質基板の端子部
と接続する端子部には形成されていない。
【0014】また、熱接着テープは、通常、硬質基板の
ソルダーレジストとフレキシブル基板のカバーレイとの
間での接続に使用される。このため、フレキシブル基板
と硬質基板との端子部同士の接続部分と、フレキシブル
基板と硬質基板との熱接着テープによる接続部分との段
差は、熱接着テープの厚み(接着剤の厚み)に、フレキ
シブル基板表面のカバーレイの厚みと、硬質基板表面の
ソルダーレジストの厚み等を加える必要がある。
【0015】したがって、上記公報のように、ヒーター
ツールの段差を、熱圧着に必要な接着剤の厚み分に設定
しているだけでは、該ヒーターツールの段差は、実際に
考慮しなければならない段差よりも低くなる。このた
め、熱圧着時に、接着剤に対して必要以上に圧力が加わ
ることになるので、接着剤が熱圧着部から溢れ出して該
熱圧着部での熱接着テープの厚み、すなわち接着剤の厚
みが薄くなり、接着強度が低下する。
【0016】また、接着剤が熱圧着部から溢れ出すと、
ヒーターチップを汚染するという不具合も生じる。
【0017】このように、フレキシブル基板と硬質基板
との間において熱圧着部分の接着強度が低下すれば、熱
圧着部分において、フレキシブル基板が硬質基板から剥
がれ易くなり、これに伴って、ハンダ付け部分の端子の
断線も生じ易くなるという問題が生じる。
【0018】本発明は、上記の各問題点を解決するため
のものであって、その目的は、ハンダ付け処理と熱圧着
処理とを同時に行う場合に、各処理部の接続強度を高め
ることにより、接続処理後において、フレキシブル基板
(軟質基板)が硬質基板から剥がれる虞のない加熱接続
装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接
続構造を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の加熱接続装置は、硬質基板上に形成され
た配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成された配
線パターンの端子部とのハンダ付けにより接続される第
1接続部を加熱する第1加熱部材と、上記第1接続部に
近接した上記硬質基板と軟質基板との熱接着テープによ
り接続される第2接続部を加熱する第2加熱部材とを有
し、上記第1加熱部材及び第2加熱部材を、同時に上記
軟質基板側から第1接続部及び第2接続部に所定の圧力
で押圧させて、加熱接続する加熱接続装置において、上
記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との間
には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テープ
の接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるように
設定された段差が形成されていることを特徴としてい
る。
【0020】上記の構成によれば、第1加熱部材の押圧
面と第2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部
が加圧される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続
強度が得られる厚みとなるように設定された段差が形成
されていることで、第1接続部におけるハンダ付け処理
と第2接続部における熱圧着処理とを同時に行った場合
の、第2接続部における軟質基板と硬質基板との接続強
度を確保することができる。
【0021】したがって、ハンダ付け処理と熱圧着処理
とを同時に行う場合に、各処理部における接続強度を高
めることにより、接続処理後において、軟質基板が硬質
基板から剥がれるという問題を無くすことができる。
【0022】ここで、上記の所定の接続強度とは、硬質
基板に接着された軟質基板がどれだけの強さで剥離され
るかを示すものであり、軟質基板と硬質基板の使用環境
等によって適宜設定されるものである。
【0023】また、一般に、熱接着テープや接着剤の接
着強さは素材の粘弾性に強く依存し、接着剤の弾性率が
増すと、せん断接着強さは上昇するが、剥離強度は低下
する。また、接着剤の厚みが増すと、せん断接着強さは
低下するが、剥離強度は上昇する。
【0024】これにより、熱接着テープの接着剤の厚み
は、接着前後でできるだけ変わらないようにする必要が
ある。つまり、上記熱接着テープの接着剤の厚みは、該
熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚み
であることが必要となる。
【0025】したがって、上記の第2接続部が加圧され
る時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得ら
れる厚みは、例えば、第1加熱部材と第2加熱部材との
押圧面における段差を以下のように設定することにより
得ることができる。
【0026】通常、配線パターンが表面に形成された硬
質基板や軟質基板においては、配線パターンを保護する
ための保護層が設けられている。また、この保護層は、
各基板の接続部分である端子部には形成されない。した
がって、硬質基板と軟質基板とを貼り合わせたときの、
第1接続部と第2接続部との実際の段差は、熱接着テー
プの厚みと、各基板の保護層の厚みとを加えた厚みに相
当する高さとなる。
【0027】ところが、実際の接続時には第1接続部及
び第2接続部は加圧されるので、熱接着テープの接着剤
が圧力により押しつぶされる量も考慮する必要がある。
この接着剤が押しつぶされる量に相当する高さを実際の
段差から引く必要がある。
【0028】また、押しつぶされた接着剤は、第2接続
部の各基板の配線パターンによって生じる保護層の窪み
部分に入り込む。したがって、熱接着テープが圧力に押
しつぶされた場合、該熱接着テープの接着剤が逃げる先
の空間が各基板の配線パターン間の空間となるので、接
着剤が押しつぶされる量に相当する厚みは、硬質基板側
の配線パターンの厚みと軟質基板側の配線パターンの厚
みとを加えて2で割った値に設定すればよいことにな
る。
【0029】しかも、上述のように、加圧時に、第2接
続部の各基板表面の窪み部分に接着剤が入り込めば、接
着剤が各基板と接触する面積が大きくなり接着強度が増
す。
【0030】以上のことから、上記段差は、熱接着テー
プの厚み+硬質基板側の保護層の厚み+軟質基板側の保
護層の厚み−(硬質基板側の配線パターンの厚み+軟質
基板側の配線パターンの厚み)/2によって求めること
ができる。
【0031】上記記第1及び第2加熱部材は、それぞれ
抵抗値が異なる抵抗体からなり、各抵抗体は電気的に並
列に接続されていてもよい。
【0032】この場合、第1及び第2加熱部材を構成す
る2つの抵抗体が電気的に並列に接続されていること
で、両抵抗体に流れる電流は、各抵抗体の抵抗値に基づ
いて比例配分され、各抵抗体において異なる発熱量、す
なわち異なる加熱温度にすることができる。
【0033】したがって、一つの電源回路で2つの抵抗
体の発熱量、すなわち第1及び第2加熱部材の加熱温度
を同時に制御することが可能となる。
【0034】上記の抵抗体における抵抗値は、ハンダ付
け処理部と熱圧着処理部での発熱量(加熱温度)が最適
になるように選択される。例えば、用いる熱接着テープ
の接着剤の素材やハンダの種類等に合わせて様々な抵抗
値の抵抗体を用意しておき、必要に応じて取り替えて各
加熱部材として使用することが考えられる。
【0035】また、上記各加熱部材の加熱に必要な電力
を、パルスヒート方式で供給してもよい。
【0036】この場合、各加熱部材にパルスヒート方式
で電力が供給されることで、必要な時に電力の供給・停
止を行うことができる。つまり、加熱が必要なときに電
力を供給し加熱部材を迅速に加熱し、加熱が必要でなく
なったときに電力の供給を停止することで、加熱部材を
迅速に冷却することができる。
【0037】これにより、ハンダ付け処理部において、
ハンダの温度を迅速に溶融温度まで上げて、ハンダ付け
処理完了後には、ハンダを迅速に冷却・固化させること
ができる。
【0038】したがって、パルスヒート方式によって電
力を供給すれば、ハンダの溶融及び冷却・固化を迅速に
行うことが可能となるので、第1接続部においてハンダ
が冷却・固化した後に第1加熱部材を引き上げても時間
の消費は少なくて済む。しかも、ハンダが冷却・固化し
た後に第1加熱部材を引き上げるので、ハンダ付け処理
部の接続を確実に行うことができる。
【0039】さらに、上記第1及び第2加熱部材を冷却
する冷却手段を設けてもよい。
【0040】この場合、第1及び第2加熱部材を冷却す
る冷却手段が設けられていることで、加熱状態の第1及
び第2加熱部材を強制的に冷却することが可能となる。
これにより、例えば、硬質基板と軟質基板の加熱接続完
了時に、上記第1加熱部材および第2加熱部材を強制的
に冷却すれば、溶融ハンダを迅速に冷却・固化させるこ
とができる。
【0041】このように、加熱接続完了時に、ハンダを
確実に冷却・固化させることができれば、第1接続部に
おける接続強度を強固なものにすることができる。
【0042】また、第1及び第2加熱部材を冷却する冷
却手段が設けられていることで、加熱接続完了後の溶融
ハンダの冷却・固化にかかる時間を短縮でき、結果とし
て、硬質基板と軟質基板との加熱接続にかかる時間を短
縮することができる。
【0043】しかも、加熱状態の加熱部材を冷却手段で
強制的に冷却することができるので、例えばコンスタン
トヒート方式により加熱部材に電力が供給される場合の
ように、加熱部材が常時加熱されていても、溶融状態の
ハンダを冷却・固化しようとする時に、冷却手段で強制
的に加熱部材を冷却すれば、パルスヒート方式で加熱部
材に電力を供給する場合のような加熱接続の制御が可能
となる。
【0044】ハンダ側と熱圧着側のヒーターは各々独立
に設けられ、独立に制御されることもある。
【0045】また、冷却手段は、第1及び第2加熱部材
に対して、個別に冷却制御を行ってもよい。この場合、
第1加熱部材と第2加熱部材との設定温度の差が大きい
場合に、各加熱部材を効率よく冷却することができる。
【0046】また、冷却手段によって、第1及び第2加
熱部材を同時に冷却するように制御してもよい。この場
合、冷却手段による冷却制御に必要な構成を簡略化でき
るので、結果として、加熱接続装置の構成を簡略化でき
る。
【0047】本発明の加熱接続方法は、硬質基板上に形
成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成さ
れた配線パターンの端子部とをハンダにより加熱接続
し、上記端子部同士の接続部の近接位置で上記硬質基板
と軟質基板とを熱接着テープにより加熱接続する加熱接
続方法において、上記端子部同士を仮圧着する第1の工
程と、上記硬質基板と軟質基板とを仮圧着する第2の工
程と、上記第1及び第2の工程において仮圧着された部
位に対して、それぞれ予め設定した圧力及び温度、且
つ、上記熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得ら
れる厚みとなるように同時に加圧・加熱する第3の工程
と、上記第3の工程において予め設定された時間経過後
に、加圧・加熱された部位を冷却する第4の工程とを含
むことを特徴としている。
【0048】上記の構成によれば、ハンダ付け処理及び
熱圧着処理による各接続処理を確実に行うことが可能と
なり、且つ軟質基板と硬質基板との熱接着テープによる
接続部分の該熱接着テープの接着剤の厚みが所定の接続
強度が得られる厚みになるので、硬質基板と軟質基板と
の接続強度が向上し、より信頼性の高い製品を供給する
ことが可能となる。
【0049】本発明の軟質基板と硬質基板との接続構造
は、上記加熱接続装置の第1加熱部材によって、硬質基
板上に形成された配線パターンの端子部と、軟質基板上
に形成された配線パターンの端子部とがハンダ付けによ
り接続される第1接続部と、上記加熱接続装置の第2加
熱部材によって、上記第1接続部に近接した上記硬質基
板と軟質基板とが熱接着テープにより接続される第2接
続部とが形成され、上記第2接続部内での熱接着テープ
の厚みは、上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の
押圧面との間に形成された段差、すなわち、熱接着テー
プの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みに相当して
いることを特徴としている。
【0050】上記構成によれば、熱接着テープの接着剤
の厚みは、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が
得られる厚みであるので、第1接続部でのハンダ付けに
よる接続強度を確保しつつ、第2接続部での接着強度を
確保することができる。すなわち、軟質基板が硬質基板
から容易に剥がれるという不具合を無くすことができ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について説
明すれば、以下の通りである。
【0052】まず、本願発明の概要を図1を参照しなが
ら以下に説明する。
【0053】本実施の形態にかかる加熱接続装置は、図
1に示すように、加熱手段としてのヒーターチップ10
1を有している。このヒーターチップ101によって、
硬質基板1上にフレキシブル基板4を加熱接続するよう
になっている。
【0054】上記硬質基板1の接続部分には、該硬質基
板1上に設けられた回路(図示せず)に接続された端子
部3と、この端子部3と並列に熱接着テープ8とが設け
られている。
【0055】上記端子部3は、フレキシブル基板4の端
子部(図示せず)とハンダ付けにより接続され、上記熱
接着テープ8は、フレキシブル基板4の端子部以外の部
分に加熱圧着により接続されるようになっている。
【0056】上記硬質基板1としては、ガラスエポキシ
製のプリント基板が用いられるが、これに限定されず、
フェノール樹脂、紙エポキシ樹脂等の硬質絶縁基板であ
ってもよい。
【0057】上記フレキシブル基板4を構成するベース
フィルムとしては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂
等が用いられる。
【0058】また、上記フレキシブル基板4(軟式基
板)には、PVC(ポリ塩化ビニル)製のFFC(フレ
キシブルフラットケーブル)を用いてもよい。
【0059】上記熱接着テープ8としては、繊維基材に
SBR系の接着剤をコーティングしたものが用いられ
る。
【0060】なお、軟質基板としては、上記のフレキシ
ブル基板4の代わりに、LSIを実装したTCPであっ
てもよい。
【0061】上記ヒーターチップ101は、上記硬質基
板1の端子部3とフレキシブル基板4の端子部とをハン
ダ付けするための第1加熱部(第1加熱部材)102
と、上記硬質基板1の熱接着テープ8とフレキシブル基
板4とを加熱圧着するための第2加熱部(第2加熱部
材)103とを有している。
【0062】上記第1加熱部102と第2加熱部103
とは、一体的に設けられ、かつ、個別に温度設定が可能
となっている。具体的には、第1加熱部102と第2加
熱部103とを抵抗値の異なる部材で構成し、それぞれ
に同一電源から電流を供給し、温度設定を異ならせるよ
うにしている。この詳細については後述する。
【0063】上記ヒーターチップ101の第1加熱部1
02の表面には、熱電対12が溶接されており、該第1
加熱部102表面温度を測定するようになっている。こ
の場合、第1加熱部102を熱電対12によって測定す
るだけで、第1加熱部102および第2加熱部103の
温度を制御することが可能となるので、第2加熱部10
3側には熱電対を設ける必要はない。
【0064】また、上記第1加熱部102と第2加熱部
103との間には、段差部104が形成されている。こ
の段差部104は、硬質基板1とフレキシブル基板4と
の圧着時において、硬質基板1の熱接着テープ8とフレ
キシブル基板4との接続(熱圧着処理)に使用される第
2加熱部103が、硬質基板1の端子部3とフレキシブ
ル基板4の端子部との接続(ハンダ付け処理)に使用さ
れる第1加熱部102よりも低くなるように設計されて
いる。この場合の段差は、硬質基板1上の熱接着テープ
8の厚み等を考慮して設定されるものとし、この詳細に
ついては後述する。
【0065】なお、以下の説明において、硬質基板1の
端子部3とフレキシブル基板4の端子部との接続部分
(第1接続部)をハンダ付け処理部と称し、また、硬質
基板1の熱接着テープ8とフレキシブル基板4との接続
部分(第2接続部)を熱圧着処理部と称する。
【0066】上記構成のヒーターチップ101を用いて
硬質基板1とフレキシブル基板4とを接続する場合につ
いて説明する。このヒーターチップ101は、パルスヒ
ート方式によって加熱制御されるものとする。
【0067】まず、硬質基板1の端子部3およびフレキ
シブル基板4の端子部に予備ハンダし、この少なくとも
一方の予備ハンダした部分にフラックスを塗布し、フレ
キシブル基板4の端子部を硬質基板1の対向する端子部
3にあらかじめ圧力又は加熱により仮圧着する。
【0068】次に、硬質基板1とフレキシブル基板4と
を仮圧着した状態で、ヒーターチップ101によって所
定の圧力を付与して加熱圧着する。
【0069】すなわち、ヒーターチップ101は、第1
加熱部102の圧着面102aとフレキシブル基板4の
端面4aとを揃えるように、フレキシブル基板4側から
硬質基板1に向かって加圧する。このとき、ヒーターチ
ップ101に対する電流がONとなり、フレキシブル基
板4と硬質基板1との間のハンダ部の温度がハンダの融
点よりも30℃から70℃程度高い温度となるようにヒ
ーターチップ101の第1加熱部102の温度設定を行
い、所定の時間、ハンダ付け処理部と同時に熱圧着処理
部を圧着する。
【0070】上記の圧着時には、ハンダ付け処理部の圧
着部の高さがストッパーとなり、ヒーターチップ101
の第2加熱部103の圧着面103aによる熱圧着処理
部における熱接着テープ8の接着剤が流れ出すような圧
力は付与されない。このため、フレキシブル基板4のカ
バーレイと硬質基板1のレジスト部に熱接着テープ8の
材料(接着剤)が濡れなじむようになり、フレキシブル
基板4と硬質基板1との間の熱圧着処理部におけるファ
ン・デル・ワールス力が向上し、従来の接続部分よりも
凝集力が増し、十分な接続強度が得られる。
【0071】続いて、所定時間経過後、ヒーターチップ
101に対する電流がOFFされ、あらかじめ設定して
いる温度になるまで、すなわち冷却完了となるまで加圧
着状態で保持される。
【0072】上記のようにして加熱圧着処理した場合、
硬質基板1とフレキシブル基板4との接続部分において
ヒーターチップ101の加圧による窪みもなく、従来の
ように一つのヒーターチップによって2箇所の接続を行
っていた場合に比べて2倍程度の強度向上となった。
【0073】次に、上記構成のヒーターチップ101に
代えて、図2に示すヒーターチップ201を用いた場合
について説明するとともに、このヒーターチップ201
を備えた加熱接続装置全体の説明を行う。
【0074】上記ヒーターチップ201は、ヒーターチ
ップ101と同様に、ハンダ付け処理用の第1加熱部2
02と、熱圧着処理用の第2加熱部203とを有してい
る。
【0075】上記ヒーターチップ201は、モリブデ
ン、チタン等の材料を用い、各加熱部において異なる抵
抗値を示すように設計されている。この設計についての
詳細は後述する。
【0076】また、上記第1加熱部202と第2加熱部
203とは、前記のヒーターチップ101の第1加熱部
102と第2加熱部103との間の段差部104と同様
に段差部11が設けられている。すなわち、第2加熱部
203の圧着面203aは、図3に示すように、フレキ
シブル基板4と硬質基板1との接着面側に対して第1加
熱部202の圧着面202aよりも低くなるように段差
部11が設計されている。
【0077】ここで、上記段差部11の設計について説
明する。
【0078】上記硬質基板1は、図4に示すように、基
板1a上に銅箔からなるパターン(配線パターン)層1
bが形成され、さらに、このパターン層1b上にはソル
ダーレジストからなる絶縁保護膜2が形成された構造と
なっている。なお、この絶縁保護膜2は、パターン層1
bの端子部3となる領域には形成されていない。
【0079】上記端子部3は、パターン層1b上のニッ
ケルメッキ部32上に金メッキ部31が形成された構造
となっている。
【0080】また、上記硬質基板1の絶縁保護膜2の所
定の位置には、熱接着テープ8が設けられている。
【0081】一方、フレキシブル基板4は、ベースフィ
ルム41上にCuからなる配線パターン層42が形成さ
れ、さらに、配線パターン層42上には保護層としての
カバーレイ6が設けられている。なお、配線パターン層
42の露出部分には、硬質基板1の端子部3に接続する
端子部7が形成されている。
【0082】上記カバーレイ6は、カバーレイ本体(ポ
リイミド)62をカバーレイ接着剤61によって配線パ
ターン層42に接着されている。このカバーレイ6は、
硬質基板1上の熱接着テープ8により接着される。
【0083】上記構成のフレキシブル基板4を硬質基板
1に仮圧着した場合、硬質基板1上の絶縁保護膜2およ
び熱接着テープ8とフレキシブル基板4上のカバーレイ
6との重なり部分が、硬質基板1の端子部3とフレキシ
ブル基板4の端子部7との接触部分より盛り上がってい
る。
【0084】したがって、図4に示すように、フレキシ
ブル基板4と硬質基板1との接続構造を構成する、第1
接続部となるFPCはんだ付け端子部51と第2接続部
となる熱接着テープ部52は、フレキシブル基板4側で
は、カバーレイ接着剤61、カバーレイ62、硬質基板
1側では、ソルダーレジストからなる絶縁保護膜2、熱
接着テープ8の厚みの総和の段差が生じる。
【0085】一方、熱圧着テープや接着剤の接着強さは
素材の粘弾性に強く依存し、接着剤の弾性率が増すとせ
ん断接着強度は上昇するが、剥離強度は低下する。ま
た、接着剤の厚みが増すとせん断接着強度は低下するが
剥離強度は上昇する特性を持っている。
【0086】従来の接続方法では、熱接着テープ部52
の圧着を、FPCはんだ付け端子部51の加熱とは別
に、単独で加熱接着するので、熱接着テープ8が薄くな
り、凝集力(ファンデルワールス力)が低下し接着強度
(剥離強度)が低下する。
【0087】従って、接着強度を確保するには、熱接着
テープ8の加熱圧着後の残存厚みをなるべく圧着前の厚
みに近く厚くし、且つ図14にする必要が有る。
【0088】具体的には、図14に示すように、フレキ
シブル基板4と硬質基板1のそれぞれの銅箔パターン
(Cuパターン42、銅箔1b)間に、熱接着テープ8
が溶けて充填する様にし、且つ、熱接着テープ8残存厚
みが残るように考慮した厚みになるように、フレキシブ
ル基板4のベースフィルム41、カバーレイ62、カバ
ーレイ接着剤61の厚みと、硬質基板1の絶縁保護膜2
の厚みとを足した厚みの段差を設ける。
【0089】したがって、段差部11の段差Sは、熱接
着テープ8の厚み(t8)、カバーレイ本体62の厚み
(t62)、カバーレイ接着剤61の厚み(t61)、
絶縁保護膜2の厚み(t2)、フレキシブル基板4側の
配線パターン層42の厚み(t42)、硬質基板1側の
パターン層1bの厚み(t1b)等を考慮して求められ
る。
【0090】すなわち、段差S=t8+t62+t61
+t2−(t42+t1b)/2 によって求められる。
【0091】ここで、(t42+t1b)/2は、熱接
着テープ8が圧力により押しつぶされる量を考慮したも
のであり、押しつぶされた熱接着テープ8の接着剤が逃
げる先の空間が配線パターン層42とパターン層1bと
の間の空間であると仮定している。
【0092】具体的には、熱接着テープ8の厚みとして
は、100μm〜140μmが用いられるが、ここで
は、100μmとする。また、カバーレイ本体62の厚
みは、25μmとし、カバーレイ接着剤61の厚みは2
0μmとする。絶縁保護膜2の厚みは16μmとする。
さらに、フレキシブル基板4側の配線パターン層42の
厚みは18μmとし、硬質基板1のパターン層1bの厚
みは36μmとする。
【0093】これらの数値を上記の式に代入して段差部
11の段差Sを求めると、 段差S=100+25+20+16−(18+36)/
2=134(μm) となる。
【0094】ここで、上記段差Sは、各部材のスペック
内での厚みバラツキ等を考慮して、140μm±20μ
mの範囲であるのが好ましい。上記段差Sは、134μ
mであるので、上記の範囲に入っている。
【0095】次に、ヒーターチップ201の構成の詳細
について以下に説明する。
【0096】上記ヒーターチップ201は、図5に示す
ように、2つの抵抗体R1,R2を並列接続して形成さ
れている。ここで、抵抗体R1は第1加熱部202に相
当し、抵抗体R2は第2加熱部203に相当している。
【0097】両抵抗体R1,R2に流れる電流I0は、
各抵抗体R1,R2のそれぞれの抵抗値に基づいて比例
配分される。ここでは、抵抗体R1に流れる電流をI
1、抵抗体R2に流れる電流をI2とし、それぞれの電
流値は異なる。
【0098】各々の抵抗体における発熱量、すなわち、
加熱温度が、電流の二乗と抵抗値との積によって決ま
る。これにより、一つの電源回路で2箇所の温度の違う
加熱部(第1加熱部202、第2加熱部203)を同時
に制御することが可能となる。
【0099】ヒーターチップ201の抵抗体R1,R2
の各抵抗値は、ハンダ付け処理部及び熱圧着処理部にお
いて必要とされる発熱量(加熱温度)となるように選択
すればよい。例えば、様々な抵抗値のヒーターチップ2
01を用意しておき、使用するはんだや熱接着テープ8
に応じて適宜取り替えて使用することが考えられる。
【0100】また、上記構成のヒーターチップ201で
は、ハンダ付け処理部においてはんだが冷却・固化した
後に引き上げるようになっている。このため、加熱方式
としては、パルス状に電流を供給するパルスヒート方式
が採用される。
【0101】なお、電流を定常的に供給するコンスタン
トヒート方式であっても、利用可能である。この場合、
ハンダ付け処理部においてハンダ付けが完了する直前に
電流供給を停止し、強制的に冷却することにより、上記
パルスヒート方式と同様の操作が可能となる。冷却手段
を設けた加熱接続装置については後述する。
【0102】一般に、ハンダ付け処理部におけるハンダ
付けには、Sn37Pbの場合、210℃〜250℃ぐ
らいの温度が必要となる。また、熱接着テープによる接
続には、100℃以上の温度が必要となる。但し、フレ
キシブル基板の熱接着テープが貼りつく部分は、ポリイ
ミド製ベースフィルム銅箔に銅箔の回路を形成してあ
り、銅箔を保護する為、接着剤によりカバーレイ(ポリ
イミド製のフィルム)を接着剤により貼り付けてあり、
300℃以上になると接着剤に溶解している気体が発泡
してフレキシブル配線基板の外観を損ねる為、300℃
を超えてはいけないという制約がある。したがって、従
来では、ヒーターチップで加熱圧着する時、別々の温度
にて1回毎圧着する必要があった。
【0103】これに対して、本発明では、上述したよう
に、ハンダ付け処理部と熱圧着処理部とを異なる温度
で、かつ同時に加熱圧着できるようにヒーターチップを
設計している。
【0104】具体的には、ヒーターチップ201の第1
加熱部202として、図6(a)に示すような形状、す
なわち、中央部が平坦で、両側に向かって下方に傾斜し
た長手方向断面が台形となるように成形したモリブデン
を用いる。
【0105】また、ヒーターチップ201の第2加熱部
203として、図6(b)に示すような形状、すなわ
ち、中央部が平坦で、両側に向かって下方に傾斜した長
手方向断面が台形となるように成形したモリブデンを用
いる。
【0106】上記モリブデンの圧着部双方の形状は、ハ
ンダ付け処理部の最適温度領域210℃〜250℃と、
熱圧着処理部の最適接続温度領域100℃からフレキシ
ブル基板4の耐熱温度300℃以下の領域とで決まるハ
ンダ付け処理部の加熱温度と熱圧着処理部の最適温度と
の比で決まる。
【0107】上記ハンダ付け処理部側のモリブデンに流
れる電流値は、第1加熱部202表面に設けられた熱電
対12によるフィードバック制御によって決まり、熱圧
着処理部側のモリブデンに流れる電流値は、ヒーターチ
ップ201全体にかかる電圧と熱圧着処理部側のモリブ
デンの抵抗値とハンダ付け処理部側のモリブデンの抵抗
値の除で決まる。
【0108】したがって、ハンダ付け処理部側のモリブ
デンの温度を何℃に制御した時に熱圧着処理部側のモリ
ブデンを何℃に制御すればよいことが明確になれば、ハ
ンダ付け処理部側と熱圧着処理部側の必要な抵抗比率が
ある程度計算で導くことができる。ここでは、第1加熱
部202及び第2加熱部203の形状に基づいて、ヒー
ターチップ201における第1加熱部202と第2加熱
部203との間の抵抗比率を以下のようにして求める。
【0109】第1加熱部202及び第2加熱部203の
抵抗値は、モリブデンの抵抗率を、5.78μΩ・cm
として、抵抗値R=抵抗率ρ×長さL/断面積Aで示さ
れる計算式によって求める。
【0110】まず、図6(a)および図7(a)(b)
を参照しながら、第1加熱部202の抵抗値を求める。
この第1加熱部202では、中央部とその両側の傾斜部
においてそれぞれ抵抗値を求めて、各抵抗値の総和を該
第1加熱部202における抵抗値とする。
【0111】上記第1加熱部202は、長さ25mm、
厚さ1.6mmのモリブデンからなり、中央部の高さを
2.9mmとすれば、該中央部の断面積Aは1.6×
2.9mm2となる。また、第1加熱部202の傾斜部
の断面積は、図7(a)(b)に示すように、端部の高
さが1.7mmであることから、該傾斜部の中央部にお
ける高さを2.3mmとして求めると、1.6×2.3
mm2となる。なお、中央部の両側2つの傾斜部の形状
は同じとする。
【0112】よって、中央部の長さLを8mmとすれ
ば、 抵抗値R=0.578×8/(1.6×2.9)=0.
997Ωとなり、 傾斜部の長さLを6.7mmとすれば、 抵抗値R=0.578×6.7(1.6×2.3)=
1.0523Ωとなる。
【0113】よって、第1加熱部202における総抵抗
は、中央部の抵抗値+2×傾斜部の抵抗値=0.997
+2×1.0523=3.1016Ωとなる。
【0114】次に、図6(b)を参照しながら、第2加
熱部203の抵抗値を求める。この第2加熱部203
も、上記第1加熱部202と同様に、中央部とその両側
の傾斜部においてそれぞれ抵抗値を求めて、各抵抗値の
総和を該第2加熱部203における抵抗値とする。
【0115】上記第2加熱部203は、長さ25mm、
厚さ1.0mmのモリブデンからなり、中央部の高さを
2.5mmとすれば、該中央部の断面積Aは1.0×
2.5mm2となる。また、第2加熱部203の傾斜部
の断面積は、端部の高さが1.9mmであることから、
該傾斜部の中央部における高さを2.2mmとして求め
ると、1.0×2.3mm2となる。なお、中央部の両
側2つの傾斜部の形状は同じとする。
【0116】よって、中央部の長さLを8mmとすれ
ば、 抵抗値R=0.578×8/(1.0×2.5)=1.
85Ωとなり、 傾斜部の長さLを6.7mmとすれば、 抵抗値R=0.578×6.7(1.0×2.2)=
1.76Ωとなる。
【0117】よって、第2加熱部203における総抵抗
は、中央部の抵抗値+2×傾斜部の抵抗値=1.85+
2×1.76=5.37Ωとなる。
【0118】以上のことから、ヒーターチップ201に
おける第1加熱部202と第2加熱部203との間での
抵抗比率は、3.1016/5.37=0.57とな
る。
【0119】したがって、上記の抵抗比率によって、発
熱量(加熱温度)が比例配分され、ハンダ付け用の第1
加熱部202の設定温度を260℃とした時、熱圧着用
の第2加熱部203の温度は、SBR系の接着剤に対す
る最適温度150℃に制御されることになる。
【0120】なお、使用しているハンダがSn37Pb
(融点約180℃)であり、このハンダに必要な加熱温
度は210℃〜250℃程度である。また、第1加熱部
202には熱電対12が接続されているので、常に温度
計測結果をフィードバックするようになっている。
【0121】上記抵抗比率で形成されたヒーターチップ
201は、後述する加熱接続装置において、配線コード
及び給電ブロックを介して、電源装置(図示せず)から
パルス状の大電流が供給され、この電流により各加熱部
が加熱される。
【0122】例えば、ハンダ付け処理部側の加熱部、す
なわち第1加熱部202の圧着面202aの中央付近が
300℃〜400℃位に管理される。このとき、熱圧着
処理部側の加熱部、すなわち第2加熱部203の加熱温
度は、ハンダ付け処理部の第1加熱部202の制御設定
温度に応じて、変化する。
【0123】上記のハンダ付け処理部の第1加熱部20
2の設定温度値と、ハンダ付け処理部における第1加熱
部202の実測温度(はんだ側B1)と、熱圧着処理部
における第1加熱部202の実測温度(テープ側B1)
とは、図8に示すような相関を示す。
【0124】熱圧着処理部での加熱温度の上限は300
℃である。この理由は上述したように、フレキシブル基
板4のカバーレイ6に含まれる接着剤が300℃以上に
なると、該接着剤に溶解している気体が発泡するからで
ある。
【0125】ハンダ付け処理での加熱温度の下限は、約
200℃である。このれは、200℃以上であれば、硬
質基板1に形成されたパターン層1b上に積層されたN
i層(約3μm厚)、Au層(0.3μm層)のうち、
Au層がハンダ内に拡散し、Ni層とハンダ内のSnが
合金を形成することで、はんだ接続の電気的特性が良好
になるからである。
【0126】ここで、上記ヒーターチップ201を用い
た加熱接続装置全体について図9を参照しながら以下に
説明する。
【0127】上記加熱接続装置は、図9に示すように、
ヒーターチップ201と電源との間に、電源側から順番
にサーキットブレーカー20、フィルター22、スイッ
チ21、トライアック17、トランス19が直列に接続
されている。
【0128】さらに、ヒーターチップ201の第1加熱
部202及び第2加熱部203の加熱制御を行うため
の、ドライブ回路、制御回路、操作スイッチパネルが設
けられている。
【0129】上記ドライブ回路には、上記トライアック
17が接続されると共に、第1加熱部202に設けられ
た熱電対12が接続されている。したがって、ドライブ
回路は、熱電対12からの信号に基づいてトライアック
17を駆動制御することで、ヒーターチップ201に印
加される電圧を微調整し、第1加熱部202の加熱温度
及び第2加熱部203の加熱温度を制御するようになっ
ている。
【0130】上記トランス19は、ヒーターチップ20
1の第1加熱部202と第2加熱部203との抵抗が変
わったとき、すなわち各加熱部における加熱温度を変更
するときに、該加熱温度に応じて電圧を変更できるよう
になっている。
【0131】上記のヒーターチップ201は、パルスヒ
ート方式により加熱制御されるものとする。したがっ
て、スイッチ21をON/OFFすることにより、ヒー
ターチップ201に対する電流供給をパルス状にしてい
る。つまり、ヒーターチップ201によって加熱する時
にスイッチ21をONし、加熱後、すぐにOFFとなる
ようにスイッチ21が制御されている。
【0132】なお、ヒーターチップ201の加熱方式と
して、パルスヒート方式に限定されるものではなく、コ
ンスタントヒート方式も適用可能である。
【0133】このコンスタントヒート方式が適用可能に
したヒーターチップとして、図10に示すようなものが
ある。
【0134】図10に示すヒーターチップ301は、前
記のヒーターチップ101やヒーターチップ201とは
異なり、2つの加熱部(第1加熱部302、第2加熱部
303)が常時加熱(コンスタントヒート)されている
ので、ハンダ付け処理部においてはんだを冷却・固化さ
せるための冷却機構(冷却手段)が設けられている。
【0135】上記ヒーターチップ301は、第1加熱部
302および第2加熱部303の上部にカートリッジヒ
ーター16を設け、このカートリッジヒーター16によ
って第1加熱部202及び第2加熱部303の両方を常
時加熱するようになっている。
【0136】また、上記第1加熱部302の表面に熱電
対12が溶接して設けられると共に、第2加熱部303
の表面に熱電対13が溶接して設けられ、それぞれの加
熱部における設定温度が制御されるようになっている。
【0137】そして、上記の冷却機構として、第1加熱
部302の熱電対12とカートリッジヒーター16との
間に冷却管23が長手方向に貫通するように設けられて
いる。同様に、第2加熱部303の熱電対13とカート
リッジヒーター16との間にも、冷却管23が長手方向
に貫通するように設けられている。
【0138】上記冷却管23には、一端部に電磁弁がO
N/OFF制御されるコンプレッサー(図示せず)に接
続されており、高圧の冷媒が他端部に供給されるように
なっている。このように、冷却管23に高圧の冷媒を供
給することにより、加熱された第1加熱部302及び第
2加熱部303を冷却するようになっている。
【0139】上記構成のヒーターチップ301では、加
熱圧着する際にはハンダ付け処理部側の第1加熱部30
2に設けられた熱電対12において検出した温度を、フ
レキシブル基板4の端子部(図示せず)と硬質基板1の
端子部3のはんだの温度が融点よりも30℃〜70℃ぐ
らい高い温度になるように加熱設定し、所定の設定温度
に到達した状態にて加熱圧着接続する。
【0140】そして、所定の接続時間経過後、電磁弁を
ONにして所定のハンダ付け終了温度までヒーターチッ
プ301の冷却のために、高圧に充填された冷媒を冷却
管23に流す。これにより、冷媒がヒーターチップ30
1の第1加熱部302および第2加熱部303の熱を吸
収し、予め設定した所定のハンダ付け終了温度になるま
で冷却し続ける。
【0141】そして、ハンダ付け終了温度に達すれば、
ヒーターチップ301を引き上げて、加熱接続処理を終
了する。これにより、第1加熱部302によるハンダ付
け処理部と、第2加熱部303による熱圧着処理部とを
同時に加熱圧着および冷却することになる。
【0142】ここで、パルスヒート方式のヒーターチッ
プ201と、コンスタントヒート方式のヒーターチップ
301との加熱動作について以下に説明する。
【0143】パルスヒート方式では、ヒーターチップ2
01の第1加熱部202及び第2加熱部203に供給す
る電流Ixを、図11(a)に示すタイミングで供給す
るようになっている。この時の第1加熱部202および
第2加熱部203の温度は、図12(a)に示すように
なる。そして、ハンダ付け処理部の温度は、図13
(a)に示すようになり、熱圧着処理部の温度は、図1
3(b)に示すようになる。
【0144】また、コンスタントヒート方式では、ヒー
ターチップ301の第1加熱部302及び第2加熱部3
03に供給される電流は一定であり、電磁弁をONする
ための電流Iyを、図11(b)に示すタイミングで供
給するようになっている。この時のヒーターチップ30
1の圧着面温度、すなわち第1加熱部302および第2
加熱部303の温度は、図12(b)に示すようにな
る。そして、ハンダ付け処理部および熱圧着処理部の温
度は、パルスヒート方式の場合と同じ図13(a)
(b)に示すようになる。
【0145】なお、上記構成のヒーターチップ301で
は、一つのカートリッジヒーター16により2つの接続
温度をつくり出すようになっている。つまり、冷却手段
である電磁弁をON・OFFすることによって、冷却管
23に流れる冷媒の流量を調整し、図12(b)に示す
ように、テープ側の温度(第2加熱部303の温度)
を、ハンダ側の温度(第1加熱部302の温度)である
300℃程度よりも低い220℃程度をつくり出してい
る。
【0146】以上のように、接続部であるハンダ付け処
理部及び熱圧着処理部における温度プロファイルは、パ
ルスヒート方式及びコンスタントヒート方式の何れのヒ
ート方式であっても、図13(a)(b)に示すように
なる。
【0147】ここで、図2及び図13(a)(b)を参
照しながら、本発明の加熱接続装置の動作シーケンスに
ついて以下に説明する。なお、ここでは、パルスヒート
方式のヒーターチップ201を用いた場合について説明
する。
【0148】まず、待機状態にあるヒーターチップ20
1は、時間t1のとき、ハンダ付け処理部及び熱圧着処
理部に下降し、第1加熱部202及び第2加熱部203
によって各処理部を加圧する。このとき、ヒーターチッ
プ201に供給するための電源がONされ、該ヒーター
チップ201への電力供給が開始される。
【0149】そして、時刻t1’において、予め設定さ
れた温度に到達する。図13(a)(b)では、第1加
熱部202及び第2加熱部203の温度ではなく、ハン
ダ付け処理部と熱圧着処理部における温度である。
【0150】その後、時刻t2まで設定温度が維持さ
れ、上記電源をOFFしてヒーターチップ201への電
力供給を停止する。そして、所定時間経過して時刻t
2’まで、各接続部(ハンダ付け処理部、熱圧着処理
部)が自然冷却される。
【0151】この時刻t2’において、ヒーターチップ
201が再び上昇して、待機状態となる。
【0152】このように、本願発明では、加熱状態にあ
るヒーターチップ201を自然冷却させた後、接続部か
ら引き上げるようになっているので、ハンダ付け処理部
におけるハンダが冷却・固化された後、ヒーターチップ
201が引き上げられることになる。よって、従来のよ
うに、ハンダが溶融した状態でヒーターツールを引き上
げた場合に生じるフレキシブル基板が硬質基板から剥が
れやすくなるという問題は生じない。
【0153】また、従来必要であった、ハンダ付け処理
部と熱圧着処理部を一つのヒーターチップ(第1加熱部
材と第2加熱部材)でY座標を変更する為の機構が不要
になり設備の簡素を図ることができる。
【0154】本実施の形態では、ヒーターチップの素材
としてモリブデンを用いた場合について説明したが、こ
れに限定されるものではない。例えば、チタン(T
i)、スーパーインバー(FeNiCo)等であっても
よい。…。
【0155】また、ヒーターチップの形状についても、
図1、図2、図10に示す形状以外であってもよい。
【0156】ここで、従来の熱接着テープによるフレキ
シブル基板4と硬質基板1との接続構造と、本願発明の
熱接着テープによるフレキシブル基板4と硬質基板1と
の接続構造とを、図15(a)(b)及び図16(a)
(b)を参照しながら以下に説明する。
【0157】従来の接続構造では、FPCはんだ付け端
子部51と、熱接着テープ部52とが別々に加熱ヒータ
ーチップで圧着される。このため、図15(a)に示す
ように、FPCはんだ付け端子部51のハンダ53(図
15(b))部分はとくに問題はないが、熱接着テープ
部52における熱接着テープ8の接着剤が圧着時の圧力
によって該熱接着テープ部52からはみ出すので、図1
5(b)に示すように、接着に必要な素材(接着剤)が
熱接着テープ部52の外に流れ出て、熱接着テープ部5
2における熱接着テープ8の厚みを確保することができ
ない。つまり、従来の接続構造では、熱接着テープ8の
厚みを、十分な接着強度が得られる厚みにすることがで
きないことを示している。
【0158】これに対して、本願発明の接続構造では、
ヒーターチップ201を利用する場合のように、FPC
はんだ付け端子部51と熱接着テープ部52における段
差を設けるために、一つのヒーターチップで熱圧着して
いるので、図16(a)に示すように、熱接着テープ部
52から熱接着テープ8の接着剤がはみ出すことはな
い。従って、本発明の接続構造では、図16(b)に示
すように、熱接着テープ部52において熱接着テープ8
の厚みが、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が
得られる厚み(ヒーターチップの第1加熱部材の押圧面
と第2加熱部材の押圧面との段差に相当する厚み)を維
持できるので、十分な接着強度が得られる。
【0159】ここで、本願発明のヒーターチップにおけ
る段差に対する熱接着テープ部52でのフレキシブル基
板4の剥離強度を測定した結果を、図17に示す。ここ
で、比較例として、従来から行なわれているFPCはん
だ付け端子部51と熱接着テープ部52とを別々のヒー
ターチップで熱圧着した場合の例を示した。
【0160】また、上記の剥離強度の測定に際し、使用
した熱接着テープ8の厚み(t8)、フレキシブル基板
4のカバーレイ62の厚み(t62)、カバーレイ接着
剤61の厚み(t61)、硬質基板の絶縁保護膜の厚み
(t2)を、それぞれ、t8=100μm、t62=2
5μm、t61=20μm、t2=16μmとした。ま
た、熱接着テープ8が圧力により押しつぶされ、接着剤
が配線パターン間に流れる量を、フレキシブル基板4の
配線パターン層42の厚み(t42)を18μm硬質基
板1のパターン層1bの厚み(t1b)を35μmか
ら、(t42+t1b)/2=26.5μmとした。こ
れらの値から、まず、理想的なヒーターチップの段差S
を求めると、134.5μmとなる。
【0161】また、本発明のヒーターチップにおける段
差Sは、50μm、70μm、90μm、110μm、
130μm、150μm、170μm、190μmの8
パターンの場合について、それぞれ5回剥離強度を測定
し、最大値(Max.)、最小値(Min.)、平均値
(Ave.)を調べた。ここで、測定試験は、例えば図
18に示すように、専用の引張り試験装置を用いて行な
った。すなわち、PWBが浮いたりしない様に固定し、
FPCを滑らない様にチャック(掴み治具)でしっかり
挟み込み、チャックにかかる加重を測定しながら一定速
度で引張り上げていくことで、剥離強度を測定した。こ
の場合の引張り速度は50mm/minとする。
【0162】図17に示す結果から、本願発明の何れの
場合においても、剥離強度の平均値(Ave.)は、比
較例の剥離強度の平均値(Ave.)よりも高くなって
いることが分かる。
【0163】したがって、本願発明の熱接続の方法によ
れば、図16(a)に示すように、熱接着テープ部52
に余分な圧力が加わらないので、熱接着テープ8の接着
剤が該熱接着テープ部52からはみ出さず、また、厚み
を確保できるので、従来の熱接続方法における熱接着テ
ープ8の接着剤のはみ出しや厚みが確保できないことに
よる不具合を解消することができる。
【0164】
【発明の効果】以上のように、本発明の加熱接続装置
は、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部と、
軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とのハン
ダ付けにより接続される第1接続部を加熱する第1加熱
部材と、上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質
基板との熱接着テープにより接続される第2接続部を加
熱する第2加熱部材とを有し、上記第1加熱部材及び第
2加熱部材を、同時に上記軟質基板側から第1接続部及
び第2接続部に所定の圧力で押圧させて、加熱接続する
加熱接続装置において、上記第1加熱部材の押圧面と第
2加熱部材の押圧面との間には、上記第2接続部が加圧
される時に、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が
得られる厚みとなるように設定された段差が形成されて
いる構成である。
【0165】以上のように、第1加熱部材と第2加熱部
材の押圧面の段差が、第2接続部が加圧される時に、熱
接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みと
なるように設定されていることで、第1接続部におにお
けるハンダ付け処理と第2接続部における熱圧着処理と
を同時に行った場合の、第2接続部における軟質基板と
硬質基板との接続強度を確保することができる。
【0166】また、接着剤が熱圧着部から溢れ出すこと
によるヒーターチップの汚染を防止することができる。
【0167】したがって、ハンダ付け処理と熱圧着処理
とを同時に行う場合に、各処理部の接続強度を高めるこ
とにより、接続処理後において、軟質基板が硬質基板か
ら剥がれる虞がなくなり、信頼性の向上を図ることがで
きるという効果を奏する。
【0168】上記記第1及び第2加熱部材は、それぞれ
抵抗値が異なる抵抗体からなり、各抵抗体は電気的に並
列に接続されていてもよい。
【0169】この場合、第1及び第2加熱部材を構成す
る2つの抵抗体が電気的に並列に接続されていること
で、両抵抗体に流れる電流は、各抵抗体の抵抗値に基づ
いて比例配分され、各抵抗体において異なる発熱量、す
なわち加熱温度にすることができる。
【0170】したがって、一つの電源回路で2つの抵抗
体の発熱量、すなわち第1加熱部材及び第2加熱部材の
加熱温度を同時に制御することができるという効果を奏
する。
【0171】また、上記各加熱部材の加熱に必要な電力
を、パルスヒート方式で供給してもよい。
【0172】この場合、各加熱部材にパルスヒート方式
で電力が供給されることで、必要な時に電力の供給・停
止を行うことができる。つまり、加熱が必要なときに電
力を供給し加熱部材を迅速に加熱し、加熱が必要でなく
なったときに電力の供給を停止することで、加熱部材を
迅速に冷却することができる。
【0173】これにより、ハンダ付け処理部において、
ハンダの温度を迅速に溶融温度まで上げて、ハンダ付け
処理完了後には、ハンダを迅速に冷却・固化させること
ができる。
【0174】したがって、パルスヒート方式によって電
力を供給すれば、ハンダの溶融及び冷却・固化を迅速に
行うことが可能となるので、第1接続部においてハンダ
が冷却・固化した後に第1加熱部材を引き上げることが
可能となり、ハンダ付け部分の接続強度が向上し、しか
も、製造にかかる時間も短縮することができるという効
果を奏する。
【0175】さらに、上記第1及び第2加熱部材を冷却
する冷却手段を設けてもよい。
【0176】この場合、第1加熱部材および第2加熱部
材を冷却する冷却手段が設けられていることで、加熱状
態の第1加熱部材及び第2加熱部材を強制的に冷却する
ことが可能となる。これにより、例えば、硬質基板と軟
質基板の加熱接続完了時に、上記第1加熱部材および第
2加熱部材を強制的に冷却すれば、溶融ハンダを迅速に
冷却・固化させることができる。
【0177】このように、ハンダを確実に冷却・固化さ
せることができれば、第1接続部における接続強度を強
固なものにすることができる。
【0178】また、第1加熱部材及び第2加熱部材を冷
却する冷却手段が設けられていることで、加熱接続完了
後の溶融ハンダの冷却・固化にかかる時間を短縮でき、
結果として、硬質基板と軟質基板との加熱接続にかかる
時間を短縮することができる。
【0179】しかも、加熱状態の加熱部材を冷却手段で
強制的に冷却することができるので、例えばコンスタン
トヒート方式により加熱部材に電力が供給される場合の
ように、加熱部材が常時加熱されていても、溶融状態の
ハンダを冷却・固化しようとする時に、冷却手段で強制
的に加熱部材を冷却すれば、パルスヒート方式で加熱部
材に電力を供給する場合のような加熱接続の制御ができ
るという効果を奏する。
【0180】本発明の加熱接続方法は、硬質基板上に形
成された配線パターンの端子部と、軟質基板上に形成さ
れた配線パターンの端子部とをハンダにより加熱接続
し、上記端子部同士の接続部の近接位置で上記硬質基板
と軟質基板とを熱接着テープにより加熱接続する加熱接
続方法において、上記端子部同士を仮圧着する第1の工
程と、上記硬質基板と軟質基板とを仮圧着する第2の工
程と、上記第1及び第2の工程において仮圧着された部
位に対して、それぞれ予め設定した圧力及び温度、且
つ、上記熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得ら
れる厚みとなるように同時に加圧・加熱する第3の工程
と、上記第3の工程において予め設定された時間経過後
に、加圧・加熱された部位を冷却する第4の工程とを含
む構成である。
【0181】それゆえ、軟質基板と硬質基板の接続強度
が向上し、より信頼性の高い製品が供給できる。
【0182】また、接続時間が低減することにより、安
価な製品を供給できると共に、装置の処理能力が向上す
ることにより設備投資の抑制を図ることができるという
効果を奏する。
【0183】本発明の軟質基板と硬質基板との接続構造
は、以上のように、上記加熱接続装置の第1加熱部材に
よって、硬質基板上に形成された配線パターンの端子部
と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部とが
ハンダ付けにより接続される第1接続部と、上記加熱接
続装置の第2加熱部材によって、上記第1接続部に近接
した上記硬質基板と軟質基板とが熱接着テープにより接
続される第2接続部とが形成され、上記第2接続部内で
の熱接着テープの厚みは、上記第1加熱部材の押圧面と
第2加熱部材の押圧面との間に形成された段差、すなわ
ち、熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる
厚みに相当している構成である。
【0184】それゆえ、熱接着テープの接着剤の厚み
は、該熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られ
る厚みであるので、第1接続部でのハンダ付けによる接
続強度を確保しつつ、第2接続部での接着強度を確保す
ることができる。すなわち、軟質基板が硬質基板から容
易に剥がれるという不具合を無くすことができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱接続装置の概略構成を示す斜視図
である。
【図2】本発明の他の加熱接続装置の概略構成を示す斜
視図である。
【図3】図2に示す加熱接続装置と、硬質基板及びフレ
キシブル基板との接続直前の位置関係を示す概略断面図
である。
【図4】図3に示す硬質基板とフレキシブル基板の詳細
な構造を示す概略断面図である。
【図5】図2に示す加熱接続装置のヒーターチップ部分
の等価回路図である。
【図6】図2に示す加熱接続装置のヒーターチップの抵
抗値の求め方を示す説明図であり、(a)は第1加熱部
の斜視図であり、(b)は第2加熱部の斜視図である。
【図7】図2に示す加熱接続装置のヒーターチップの抵
抗値の求め方を示す説明図であり、(a)は第1加熱部
の斜視図であり、(b)は(a)の第1加熱部の傾斜部
の断面積を求めるための説明図である。
【図8】本発明のヒーターチップを構成する抵抗体の設
定温度と実測温度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の加熱接続装置の等価回路図である。
【図10】本発明の他の加熱接続装置の概略斜視図であ
る。
【図11】(a)はパルスヒート方式でのヒーターチッ
プに供給される電流の波形図であり、(b)はコンスタ
ントヒート方式でのヒーターチップに冷媒を供給するた
めの電磁弁に供給される電流の波形図である。
【図12】(a)はパルスヒート方式でのヒーターチッ
プの各加熱部の温度プロファイルを示すグラフであり、
(b)はコンスタントヒート方式でのヒーターチップの
各加熱部の温度プロファイルを示すグラフである。
【図13】(a)はハンダ付け処理部における温度プロ
ファイルを示すグラフであり、(b)は熱圧着処理部に
おける温度プロファイルを示すグラフである。
【図14】フレキシブル基板の配線パターンと硬質基板
のパターンとの間に熱接着テープを介在させた状態を示
す断面図である。
【図15】比較例のフレキシブル基板と硬質基板との接
続構造を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のX・
X線矢視断面図である。
【図16】本願発明のフレキシブル基板と硬質基板との
接続構造を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のY
・Y線矢視断面図である。
【図17】フレキシブル基板と硬質基板との接続構造に
おける剥離強度を測定した結果を示すグラフである。
【図18】剥離試験用の引っ張り試験装置の概略構成図
である。
【符号の説明】
1 硬質基板 3 端子部 4 フレキシブル基板(軟質基板) 8 熱接着テープ 11 段差部(段差) 12 熱電対 13 熱電対 16 カートリッジヒーター 23 冷却管(冷却手段) 51 FPCはんだ付け端子部(第1接続部) 52 熱接着テープ部(第2接続部) 53 ハンダ 101 ヒーターチップ 102 第1加熱部(第1加熱部材) 103 第2加熱部(第2加熱部材) 104 段差部(段差) 201 ヒーターチップ 202 第1加熱部(第1加熱部材) 203 第2加熱部(第2加熱部材) 301 ヒーターチップ 302 第1加熱部(第1加熱部材) 303 第2加熱部(第2加熱部材)
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA49 GA50 5E344 AA02 AA12 AA22 BB02 BB04 DD02 DD09 DD16 EE17 EE26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質基板上に形成された配線パターンの端
    子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部
    とのハンダ付けにより接続される第1接続部を加熱する
    第1加熱部材と、上記第1接続部に近接した上記硬質基
    板と軟質基板との熱接着テープにより接続される第2接
    続部を加熱する第2加熱部材とを有し、上記第1加熱部
    材及び第2加熱部材を、同時に上記軟質基板側から第1
    接続部及び第2接続部に所定の圧力で押圧させて、加熱
    接続する加熱接続装置において、 上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との
    間には、上記第2接続部が加圧される時に、熱接着テー
    プの接着剤が所定の接続強度が得られる厚みとなるよう
    に設定された段差が形成されていることを特徴とする加
    熱接続装置。
  2. 【請求項2】上記第1及び第2加熱部材は、それぞれ抵
    抗値が異なる抵抗体からなり、 各抵抗体は電気的に並列に接続されていることを特徴と
    する請求項1記載の加熱接続装置。
  3. 【請求項3】上記第1及び第2加熱部材には、パルスヒ
    ート方式で加熱に必要な電力が供給されることを特徴と
    する請求項1または2に記載の加熱接続装置。
  4. 【請求項4】上記第1及び第2加熱部材を冷却する冷却
    手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載の加熱接続装置。
  5. 【請求項5】硬質基板上に形成された配線パターンの端
    子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部
    とをハンダにより加熱接続し、上記端子部同士の接続部
    の近接位置で上記硬質基板と軟質基板とを熱接着テープ
    により加熱接続する加熱接続方法において、 上記端子部同士を仮圧着する第1の工程と、 上記硬質基板と軟質基板とを仮圧着する第2の工程と、 上記第1及び第2の工程において仮圧着された部位に対
    して、それぞれ予め設定した圧力及び温度、且つ、上記
    熱接着テープの接着剤が所定の接続強度が得られる厚み
    となるように同時に加圧・加熱する第3の工程とを含む
    ことを特徴とする加熱接続方法。
  6. 【請求項6】さらに、上記第3の工程において予め設定
    された時間経過後に、加圧・加熱された部位を冷却する
    第4の工程とを含むことを特徴とする請求項5記載の加
    熱接続方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の加熱接続装置の第1加熱部
    材によって、硬質基板上に形成された配線パターンの端
    子部と、軟質基板上に形成された配線パターンの端子部
    とがハンダ付けにより接続される第1接続部と、 請求項1記載の加熱接続装置の第2加熱部材によって、
    上記第1接続部に近接した上記硬質基板と軟質基板とが
    熱接着テープにより接続される第2接続部とを有し、 上記第2接続部内での熱接着テープの接着剤の厚みは、
    上記第1加熱部材の押圧面と第2加熱部材の押圧面との
    間に形成された段差に相当していることを特徴とする軟
    質基板と硬質基板との接続構造。
JP2002381740A 2001-12-27 2002-12-27 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造 Expired - Fee Related JP4060179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002381740A JP4060179B2 (ja) 2001-12-27 2002-12-27 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398142 2001-12-27
JP2001-398142 2001-12-27
JP2002381740A JP4060179B2 (ja) 2001-12-27 2002-12-27 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003258402A true JP2003258402A (ja) 2003-09-12
JP4060179B2 JP4060179B2 (ja) 2008-03-12

Family

ID=28677323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002381740A Expired - Fee Related JP4060179B2 (ja) 2001-12-27 2002-12-27 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4060179B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013594A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Kyocera Kinseki Corp 圧電デバイスの製造方法
JP2007035546A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Optrex Corp 圧着装置及び圧着方法
JP2009164400A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Miyachi Technos Corp ヒータチップ及び接合装置及び接合方法
KR20110070529A (ko) * 2009-12-18 2011-06-24 엘지디스플레이 주식회사 발광소자기판과 연성회로기판의 연결구조 및 이를 포함하는 액정표시소자
JP2012028430A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Konica Minolta Opto Inc 小型電子ユニットの製造方法、カメラモジュール、携帯端末及び圧着ヘッド
JP2012151209A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Nippon Avionics Co Ltd 太陽電池セルの集電用配線材のハンダ付け方法、ハンダ付け装置およびヒーターツール
JP2015131317A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 太洋電機産業株式会社 加熱把持装置
WO2016052346A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 株式会社フジクラ プリント配線板
KR101875717B1 (ko) * 2016-07-26 2018-07-09 에스티이엠 주식회사 다이아몬드 톱날의 용접방법 및 그 장치

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013594A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Kyocera Kinseki Corp 圧電デバイスの製造方法
JP2007035546A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Optrex Corp 圧着装置及び圧着方法
JP4675178B2 (ja) * 2005-07-29 2011-04-20 オプトレックス株式会社 圧着方法
JP2009164400A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Miyachi Technos Corp ヒータチップ及び接合装置及び接合方法
KR101634632B1 (ko) * 2009-12-18 2016-06-29 엘지디스플레이 주식회사 발광소자기판과 연성회로기판의 연결구조 및 이를 포함하는 액정표시소자
KR20110070529A (ko) * 2009-12-18 2011-06-24 엘지디스플레이 주식회사 발광소자기판과 연성회로기판의 연결구조 및 이를 포함하는 액정표시소자
JP2012028430A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Konica Minolta Opto Inc 小型電子ユニットの製造方法、カメラモジュール、携帯端末及び圧着ヘッド
JP2012151209A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Nippon Avionics Co Ltd 太陽電池セルの集電用配線材のハンダ付け方法、ハンダ付け装置およびヒーターツール
JP2015131317A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 太洋電機産業株式会社 加熱把持装置
WO2016052346A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 株式会社フジクラ プリント配線板
JP2016072410A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社フジクラ プリント配線板
US10123411B2 (en) 2014-09-30 2018-11-06 Fujikura Ltd. Printed wiring board
KR101875717B1 (ko) * 2016-07-26 2018-07-09 에스티이엠 주식회사 다이아몬드 톱날의 용접방법 및 그 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4060179B2 (ja) 2008-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5794577B2 (ja) ヒータチップ及び接合装置及び接合方法並びに導体細線と端子の接続構造
KR100204854B1 (ko) 회로 보드 접속 구조물 및 접속 방법, 및 액정 디바이스
KR100478314B1 (ko) 다층구조의 플렉시블 배선판과 그 제조방법
US7080445B2 (en) Method for connecting printed circuit boards and connected printed circuit boards
US5511719A (en) Process of joining metal members
JPH06103703B2 (ja) 半田付け方法
JP4060179B2 (ja) 加熱接続装置及び加熱接続方法並びに軟質基板と硬質基板との接続構造
JP4684502B2 (ja) 導電接続方法及びそれに用いる離型シート
Liu Reliability of Surface‐mounted Anisotropically Conductive Adhesive Joints
EP2664222B1 (en) Method of making an electronic device having a liquid crystal polymer solder mask
JP5644286B2 (ja) 電子部品の表面実装方法及び電子部品が実装された基板
JP4675178B2 (ja) 圧着方法
KR20090128370A (ko) 프린트 기판 조립체 및 전자 장치
JP2007258483A (ja) 熱圧着ツール
JP2001223465A (ja) プリント配線基板の接続方法及び接続構造
JP3879485B2 (ja) プリント基板の接続方法
US5814174A (en) Method for repair of metallization on circuit board substrates
JPH08304847A (ja) 回路基板の接続構造体及び接続方法並びに該接続構造体を有する液晶表示素子
JP2000013029A (ja) 高密度配線基板、その製造方法、及びそれを用いた電子装置
JP2000077812A (ja) 基板の接続方法
JP2002368038A (ja) フリップチップ実装方法
JPH09266233A (ja) 熱圧着装置
JPS63126240A (ja) 電子部品の実装方法
JP2002057428A (ja) 導電部材及びこれと基板の接続構造
JPH06196854A (ja) 着脱治具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050525

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070418

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070704

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071219

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101228

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111228

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121228

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees