JP4058925B2 - 印刷制御装置及び印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷制御装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタ等のシリアルプリンタおいては、紙送りモータ(PFモータ)が停止する前に、キャリッジモータ(CRモータ)を起動させ、PFモータが停止した直後に、CRモータにて既に主走査方向に移動している記録ヘッドによる印字を開始させることが提案されている。これによって、キャリッジの走査の終了から次の走査開始までの時間、すなわち、印字終了から次の印字開始までの時間が短くでき、印刷速度(印刷スループット)の向上を図ることができる。
【0003】
図8は、そのPFモータとCRモータのタイムチャートを示す。PFモータが紙送りのために定速回転している所定時刻T11に、CRモータを起動させる。所定時刻T11(以下、起動開始時刻T11という)に起動したCRモータは予め定めた定回転速度に向かってオープン制御に基づいて加速回転制御される。そして、起動から時間TA(以下、定速回転速度到達時間TAという)経過すると、CRモータが定回転速度に到達したとして、同CRモータはフィードバック制御(PID制御)にてその定回転速度で回転すべく定速回転制御される。CRモータが定速回転制御に入ってから時間TC(以下、印字開始位置到達時間TCといい、その時刻を印字開始時刻T13いう)経過すると、すなわち、PFモータが時刻(PFモータ停止時刻)T12で停止した後、予め定めた調整時間ΔT経過すると、記録ヘッドは印字開始位置に到達し印字動作を開始する。
【0004】
上記したように、前記CRモータは、起動から定回転速度になるまでの加速領域ではオープン制御が行われ、定回転速度に到達するとその定回転速度を維持すべくフィードバック制御が行われる。つまり、印字品質を損なわせないために、CRモータが定回転速度の領域に入った後に印字動作が開始されるようにしている。そのため、PFモータが停止し予め定めた調整時間ΔT経過した時に、CRモータが定回転速度の領域にあって、キャリッジ(記録ヘッド)が所定の印字開始位置に位置しているように、同CRモータの起動開始時刻T11を設定している。
【0005】
詳述すると、図8に示すようにキャリッジが移動を開始してから記録ヘッドが印字を開始するまでの同キャリッジの印字開始移動距離Xとする。また、試験等によって起動から定回転速度になるまでにキャリッジが移動する距離aを予め求めるとともに、起動から定回転速度になるまでに要する定速回転速度到達時間TAをあわせて求める。さらに、前記印字開始移動距離X及び距離aから定回転速度になった位置から記録ヘッドが印字を開始する位置まで移動する距離(=X−a)を求め、その距離(=X−a)から印字開始位置到達時間TCを割り出す。続いて、この割り出した印字開始位置到達時間TCと前記定速回転速度到達時間TAとを加算した時間Ta、すなわち、起動開始から印字開始までに要する時間を求める。そして、前記印字開始時刻T13からこの時間Taだけ遡った時刻を起動開始時刻T11(=T13−Ta)として算出する。
【0006】
そして、この起動開始時刻T11に基づいてCRモータを駆動起動させることによって、PFモータが完全停止する前にCRモータを駆動することで、記録ヘッドの印字動作とPFモータの駆動が重なることなく、PFモータとCRモータの重ね合わせ駆動を実行している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、印字開始は、印字品質を損なわないために、CRモータがフィードバック制御(PID制御)にて定回転速度制御されているときに行われ、加速領域では行われなかった。
【0008】
ところで、近年、さらなる印字品質を向上させるためにインクの種類が増大している。従って、その分インクタンクの種類も増えそれに伴ってキャリッジの重量が増大している。このキャリッジの重量が増大することによって、CRモータの負荷が増大し定回転速度になるまでの加速領域が長くなってきている。加速領域が長くなると、その分だけ非印字領域が長くなることから、プリンタのメカ幅を大きくする必要が生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的はプリンタのメカ幅を大きくすることなく、印刷スループットの向上を図ることができる印刷制御装置及び印刷方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させる印刷装置において、前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段と、前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータを記憶する記憶手段と、前記データに基づいて、前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求め、前記印刷媒体送りモータが停止する時刻から該時間遡った時刻に前記キャリッジモータが起動するように制御する駆動制御手段とを備えた。
【0011】
請求項2に記載の発明は、印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に基づいて、前記キャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させる印刷装置において、前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段と、少なくとも前記キャリッジモータの起動から予め定めた定速回転速度に至るまでの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定める、データと、前記キャリッジモータの前記加速領域中に前記キャリッジが移動する加速距離とを予め記憶する第2の記憶手段と、前記加速距離と前記印字開始移動距離とを比較する比較手段と、前記比較手段が、前記印字開始移動距離が前記加速距離以下と判断したとき、前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域で実行されるように、前記データに基づいて、前記印字開始位置における前記目標周期までの各目標周期を積算してキャリッジの印字開始移動距離に要する時間を求めるとともにキャリッジモータの起動開始時刻とその時々にキャリッジモータに給電する電流値とを設定し、キャリッジモータを駆動するとともに、前記比較手段が、前記印字開始移動距離が前記加速距離より大きいと判断したとき、前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域以後に実行されるように、前記データ基づく前記加速領域における各目標周期の積算値及び前記定速回転速度に基づいて、キャリッジの印字開始移動距離に要する時間を求めるとともにキャリッジモータの起動開始時刻とその時々にキャリッジモータに給電する電流値とを設定し、キャリッジモータを駆動する駆動制御手段とを備えた。
【0012】
請求項3に記載の発明は、記録ヘッドを保持し所定の印字方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジを駆動するキャリッジモータと、印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータと、前記印刷媒体送りモータが送り動作を停止する時刻に、印字情報に基づく前記キャリッジの前記印字開始位置において前記記録ヘッドが印字動作を開始するように前記キャリッジモータの起動開始時刻を設定する駆動制御手段とを備える印刷装置において、前記キャリッジモータによるキャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段と、少なくとも前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定める、データを記憶する記憶手段と、前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域で実行されるように、前記データに基づいて、前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求めてキャリッジモータの起動開始時刻を算出しその起動開始時刻にキャリッジモータを起動させる起動制御手段と、前記データに基づいて、前記カウント数に応じて前記キャリッジモータに給電する駆動電流を求め、当該駆動電流をキャリッジモータに給電して回転制御する加速制御手段とを備えた。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の印刷装置において、前記キャリッジモータは、直流モータである。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の印刷装置において、前記印刷媒体は、記録紙である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させるようにした印刷方法において、前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号を入力し、前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータに基づいて、前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求めてキャリッジモータの起動開始時刻を算出しその起動開始時刻にキャリッジモータを起動させるとともに、前記カウント数に応じて前記キャリッジモータに給電する駆動電流を求め、当該駆動電流をキャリッジモータに給電して、前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域で実行されるようにした。
請求項7に記載の発明は、印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させるようにした印刷方法において、前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号を入力し、前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータに基づいて、前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求め、前記印刷媒体送りモータが停止する時刻から該時間遡った時刻に前記キャリッジモータが起動させるようにした。
【0015】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、駆動制御手段は、キャリッジの加速領域における各目標周期を定めるデータに基づいて、キャリッジの印字開始移動距離に要する時間を求める。そして、駆動制御手段は、印刷媒体送りモータが停止する時刻から前記時間遡った時刻にキャリッジモータを駆動制御する。その結果、キャリッジモータが加速領域にあるときに、記録ヘッドによる印字動作を開始させることができ、プリンタのメカ幅を大きくすることなく、印刷スループットの向上を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、駆動制御手段は、印字開始移動距離に応じて、印字開始位置がキャリッジモータの加速領域で、又は、印字開始位置がキャリッジモータの加速領域以後に実行されるように、キャリッジモータを駆動制御する。
【0017】
請求項3〜5に記載の発明によれば、起動制御手段は、記憶手段に記憶したデータに基づいて、キャリッジの印字開始移動距離に要する時間を求めて前記キャリッジモータの起動開始時刻を算出しその起動開始時刻に前記キャリッジモータを起動させる。
加速制御手段は、起動制御手段にて起動された前記キャリッジモータに給電する駆動電流を、キャリッジ移動位置検出手段からのパルス信号のパルス数と、記憶手段に記憶した前記データとに基づいて求め、その求めた駆動電流で前記キャリッジモータに給電して回転制御する。
【0018】
その結果、印字動作開始位置をキャリッジモータの加速領域で実行させることができ、プリンタのメカ幅を大きくすることなく、印刷スループットの向上を図ることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、キャリッジモータの加速領域における制御データであってキャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータに基づいて、前記キャリッジが印字開始移動距離を移動するに要する時間を求める。
そして、印刷媒体送りモータが停止する時刻から前記求めた時間遡った時刻にキャリッジモータを起動させるとともに、前記データに基づいて、前記パルス信号のカウント数に応じて前記キャリッジモータに給電する駆動電流を求め、当該駆動電流をキャリッジモータに給電制御することにより、加速領域におけるその時々のキャリッジの移動位置を制御することが可能になる。その結果、印字動作の開始位置をキャリッジモータの加速領域で実行させることができ、プリンタのメカ幅を大きくすることなく、印刷スループットの向上を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、キャリッジモータの加速領域においてキャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期を定めるデータに基づいて、キャリッジが印字開始移動距離を移動するに要する時間を求める。そして、印刷媒体送りモータが停止する時刻から前記求めた時間遡った時刻にキャリッジモータを駆動制御する。その結果、キャリッジモータが加速領域にあるときに、記録ヘッドによる印字動作を開始させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷装置をインクジェットプリンタに具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0021】
図1は、インクジェットプリンタの機械的構成を示す要部斜視図を示す。図1において、フレーム11内には、プラテン12が配設され、そのプラテン12と平行になるようにフレーム11の左右両側板11a,11b間にはガイド部材13が配設されている。そのガイド部材13には同ガイド部材13に沿って摺動可能にキャリッジ14が支持さている。キャリッジ14にはブラックインク及び各種カラーインクを吐出するノズル列からなる記録ヘッド15が印刷媒体としての記録紙Pに対向するように設けられ、その記録ヘッド15の各ノズル列は同じくキャリッジ14に搭載された各インクカートリッジ16からインクの供給を受け記録紙Pに吐出して文字や画像を印字するようになっている。
【0022】
フレーム11の背板11cの外側には、破線で示すように直流モータよりなるキャリッジモータ(以下、CRモータという)17が固設されている。そのCRモータ17はその出力軸が背板11cの内側に突出し、その突出した出力軸には駆動プーリ18が固着されている。駆動プーリ18と相対向する左側には、従動プーリ19が背板11cに回転可能に支持され、両プーリ18,19にてタイミングベルト20を前記ガイド部材13と平行になるように掛装している。そして、前記タイミングベルト20の所定の箇所と前記キャリッジ14とが連結されている。従って、前記CRモータ17が正逆回転することによって、キャリッジ14(記録ヘッド15)はガイド部材13に沿って往復動することになる。
【0023】
駆動プーリ18と従動プーリ19間の前記背板11cには、符号板21が設けられている。この符号板21には、左右方向に所定の間隔(本実施形態では、1/180インチ(=2.54/180センチメートル))毎にスリットが設けられている。この符号板21は前記キャリッジ14に設けたキャリッジ移動位置検出手段としてのリニア式エンコーダ22(図3参照)によって検出される。このリニア式エンコーダ22は、キャリッジ14の往復移動に伴って符号板21の各スリットを検知し同キャリッジ14のその時の速度(実速度)及びキャリッジ14の移動方向を検出するためのパルス信号としてのパルス検出信号SG1,SG2を出力するようになっている。
【0024】
詳述すると、図2(a)、(b)に示すように、リニア式エンコーダ22は位相が90度だけずれた2種類のパルス検出信号SG1,SG2を出力する。そして、CRモータ17が正転しているときには、図2(a)に示すように、パルス検出信号SG1はパルス検出信号SG2より90度位相が進む構成になっている。反対に、CRモータ17が逆転しているとき、図2(b)に示すように、パルス検出信号SG1はパルス検出信号SG2より90度位相が遅れる構成になっている。又、パルス検出信号SG1,SG2の1周期T(立上がりから次の立上がり、又は、立下がりから次の立下がり)は、スリットの間隔(本実施形態では、1/180インチ(=2.54/180センチメートル))移動するに要する時間である。従って、周期Tを計時すればそのときのキャリッジ14の実速度がわかる。又、周期Tの数、即ち、パルス検出信号SG1の立上がりをカウントとすればキャリッジ14の起動開始位置からの移動距離iがわかることになる。さらに、パルス検出信号SG1,SG2の位相を比較する(例えば、パルス検出信号SG1の立上がりの時、検出信号SG2がLレベル又はHレベルの状態をみる)ことによってキャリッジ14の移動方向がわかることになる。
【0025】
前記背板11cの下部外側には、印刷媒体送りモータとしての直流モータよりなる紙送りモータ(以下、PFモータという)26が固設されている。PFモータ26は図示しない紙送りローラ及び従動ローラを回転させて前記記録紙Pを紙送りする。PFモータ26は、ロータリ式エンコーダ28(図3参照)を備えている。
【0026】
ロータリ式エンコーダ28は、前記キャリッジ14に設けたリニア式エンコーダ22が検知する符号板21がリニア式符号板であるのに対して、PFモータ26の回転に応じて回転する回転円板よりなる符号板である点が相違するだけで、それ以外は前記リニア式エンコーダ22と基本的に同じである。そして、ロータリ式エンコーダ28は、PFモータ26の正逆回転にともなって回転板する符号板の各スリットを検知し同PFモータ26のその時の速度(実速度)及びPFモータ26の移動方向を検出するためのパルス検出信号SG3,SG4を出力するようになっている。従って、周期を計時すればそのときのキャリッジ14の実速度がわかり、パルス検出信号SG3の立上がりをカウントとすれば記録紙Pの移動距離がわかることになる。さらに、パルス検出信号SG3,SG4の位相を比較することによって記録紙Pの移動方向がわかることになる。このロータリ式エンコーダ28の符号板に形成された複数のスリットの間隔は、本実施形態では、1/180インチ(=2.54/180センチメートル))であって、PFモータ26が1スリット分回転すると、1/1440インチ(=2.54/1440センチメートル)だけ紙送りされるように構成されている。
【0027】
次に、上記のようにインクジェットプリンタに内蔵された印刷制御装置の電気的構成を図3に従って説明する。
図3は、インクジェットプリンタに内蔵された印刷制御装置の電気的構成を説明するためのブロック回路図である。図3において、印刷制御装置は、ASIC31、CPU32、駆動制御手段、起動制御手段、加速制御手段としてのDCユニット33、記憶手段としてのPROM34、RAM35、EEPROM36、インターフェース37及びCPU32に対して周期的に割り込み信号を発生するタイマIC38を備える。
【0028】
ASIC31は、インターフェース37を介してパソコン等の外部装置のホストコンピュータ40との間でデータの送受を行う。ASIC31は、ホストコンピュータ40からインターフェース37を介して送られてくる印字情報に基づいて印字解像度や記録ヘッド15の駆動波形等を制御する。
【0029】
CPU32は装置全体を制御する。CPU32は、ホストコンピュータ40からインターフェース37及びASIC31を介して送られてくる印字情報に基づいてPFモータ26の起動及び走行スケジュール、CRモータ17の起動及び走行スケジュール、並びに、記録ヘッド15の印字スケジュールを設定する。CPU32は、設定したPFモータ26の起動及び走行スケジュールに基づいて前記PFモータ26を駆動制御するに必要な指令信号をDCユニット33に出力する。又、CPU32は、設定したCRモータ17の起動及び走行スケジュールに基づいて前記CRモータ17を駆動制御するに必要な指令信号をDCユニット33に出力する。
【0030】
又、CPU32は、前記印字情報とDCユニット33を介して送られてくるキャリッジ14の停止位置とに基づいて記録ヘッド15が印字開始位置で印字動作可能となるためのキャリッジ14の起動開始位置を演算する。
【0031】
DCユニット33は前記CPU32との間でデータの送受信が行われ、CPU32からの指令信号及び前記リニア式エンコーダ22からのパルス検出信号SG1,SG2に基づいてCRモータドライバ41を介してCRモータ17を駆動制御する。
【0032】
詳述すると、DCユニット33は、前記リニア式エンコーダ22からのパルス検出信号SG1,SG2に基づいてキャリッジ14の移動速度及び現在位置を算出する。又、DCユニット33は、CPU32から出力されるCRモータ17の起動及び走行スケジュールに基づいて作成された指令信号(起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離Xのデータ)を入力する。
【0033】
又、DCユニット33は、前記PROM34に記憶された加速領域駆動電流値データ、目標固定周期Tk、目標固定周期Tkに対する固定周期電流値Ik、加速距離a等、を入力する。
【0034】
前記加速領域駆動電流値データは、キャリッジ14の加速領域における移動距離iに対するCRモータ17に供給する電流値である。詳述すると、予め定めた印字速度で印字させるために、CRモータ17を起動させ加速領域→定回転速度領域→減速領域→停止までのその時々に所望の回転速度で回転制御させている。そして、その加速領域において図4及び図5に示す加速度で回転速度を増大させるために、加速領域のその時々にキャリッジモータ17に供給すべき駆動電流値Iを予め試験、実験等で求める。そして、加速領域において、この求めたその各移動距離i(パルス検出信号SG1の起動開始からのカウント数)における目標周期Tiと、その各目標周期Tiを達成させるためにCRモータ17に給電する各目標周期Tiに対する駆動電流値Iiを加速領域駆動電流値データとしている。
【0035】
本実施形態では、図6に示すように、加速領域における各目標周期Ti(T0,T1,T2,……Tend)に対する駆動電流値Ii(I0,I1,I2,……Ia)のテーブルがPROM34に記憶されている。従って、加速領域において各目標周期Ti(各移動距離i)においてその目標周期Ti(各移動距離i)に対する駆動電流値IiをCRモータ17に供給することによって、図4及び図5に示すようにCRモータ17を加速回転させて前記予め定めた印字速度で印字させることができることになる。
【0036】
又、前記目標固定周期Tkは前記予め定めた印字速度で印字させるための前記定回転速度領域におけるパルス検出信号SG1の周期Tであり、前記固定周期電流値Ikはその目標固定周期TkとなるようにCRモータ17を回転駆動させるために同CRモータ17に給電する駆動電流値Iiである。これら目標固定周期Tk及び固定周期電流値Ikは予め試験、実験等で求めたものである。そして、定回転速度領域において、パルス検出信号SG1の周期Tが該目標固定周期Tkとなるように固定周期電流値IkをCRモータ17に給電させることにより、前記予め定めた印字速度で印字させることができることになる。
【0037】
さらに、前記加速距離aは、前記加速領域駆動電流値データに基づいてキャリッジモータ17を駆動させたとき、起動から予め定めた定速回転速度になる直前までの加速領域をキャリッジ14が移動する距離である。
【0038】
そして、DCユニット33は、前記入力した印字開始移動距離Xを入力すると、その印字開始移動距離Xと、前記PROM34に記憶された加速領域駆動電流値データ、目標固定周期Tk、目標固定周期Tkに対する固定周期電流値Ik、加速距離a等、に基づいてCRモータ17を駆動制御する。DCユニット33は、印字開始移動距離Xと前記加速距離aとを比較する。
【0039】
DCユニット33は、印字開始移動距離Xが加速距離a以下のとき、すなわち、図4に示すキャリッジモータ17の加速領域中にキャリッジ14の印字開始位置がある時、加速印字モードとなる。加速印字モードとなると、DCユニット33は、加速領域で印字が開始されるとして、図4に示す印字開始移動距離Xに要する時間Ta(=TA)を前記PROMに記憶した加速領域駆動電流値データから求める。つまり、1つ目のパルス検出信号SG1の目標周期T0から印字開始移動距離X(=移動距離ix)におけるパルス検出信号SG1の目標周期Tixまでの各目標周期を加算することによって、時間Taが求められる。
【0040】
つまり、Ta=T0+T1+T2+…+Tix
を演算することによって求める。
DCユニット33は、時間Taを求めると、PFモータ26が停止する時刻T13から前記時間Ta遡った時刻を起動開始時刻T11(=T13−Ta)として算出する。そして、DCユニット33は、この起動開始時刻T11に基づいてCRモータ17を起動させることになる。つまり、DCユニット33は、PFモータ26が停止時刻T13より時間Ta以前にCRモータ17を起動させることによって、PFモータ26が停止すると、同時に印字動作を開始させることになる。
【0041】
一方、DCユニット33は、印字開始移動距離Xが加速距離aを超えるとき、すなわち、図5に示すキャリッジモータ17が定回転速度領域以降にキャリッジ14が印字開始位置に到達する印字動作のとき、定速印字モードとなる。
【0042】
定速印字モードとなると、DCユニット33は、定回転速度領域で印字が開始されるとして、まず前記加速領域駆動電流値データから、図5に示す加速領域に要する時間TAを求める。つまり、1つ目のパルス検出信号SG1の目標周期T0から加速距離a(加速領域終了位置)におけるパルス検出信号SG1の目標周期Tendまでの各目標周期を加算することによって、TAが求められる。
【0043】
つまり、TA=T0+T1+T2+……+Tend
を演算することによって求める。
次に、DCユニット33は、図5に示す定回転速度領域開始位置から印字開始するまでの距離(=X−a)を求め、前記目標固定周期Tkを使ってその距離(=X−a)を移動するに要する時間TC(=Tk・(X−a))を求める。
【0044】
DCユニット33は、時間TAと時間TCから印字開始移動距離Xに要する時間Ta(=TA+TC)を求める。そして、DCユニット33は、時間Taを求めると、PFモータ26が停止する時刻T13から前記時間Ta遡った時刻を起動開始時刻T11(=T13−Ta)として算出する。そして、DCユニット33は、この起動開始時刻T11に基づいてCRモータ17を起動させることになる。つまり、DCユニット33は、PFモータ26が停止時刻T13より時間Ta以前にCRモータ17を起動させることによって、PFモータ26が停止すると、同時に印字動作を開始させることになる。
【0045】
DCユニット33はヘッドドライバ42を介して前記記録ヘッド15に接続されて、ヘッドドライバ42を介して記録ヘッド15を駆動する。DCユニット33は、キャリッジ14が印字開始位置、即ち、印字開始移動距離Xに到達したとき、CPU32からの前記印字スケジュールに基づいて記録ヘッド15を駆動させて記録紙Pへの印字動作を行う。
【0046】
また、DCユニット33は、紙検出センサ43からの検出信号SG5を入力する。前記紙検出センサ43は、図示しない給紙モータによって駆動される給紙ローラによってプリンタ内に送り込まれた記録紙Pを検出する。そして、DCユニット33は、紙検出センサ43からの検出信号SG5に基づいてプリンタ内に送り込まれた記録紙Pの先端を検出し紙送りモータドライバ44を介してPFモータ26を駆動し同PFモータ26によって記録紙Pを紙送りする。
【0047】
さらに、DCユニット33は、前記ロータリ式エンコーダ28からのパルス検出信号SG3,SG4を入力し、これら検出信号SG3,SG4に基づいてPFモータドライバ44を介してPFモータ26にて紙送りされる記録紙Pの移動速度及び現在位置を算出する。
【0048】
DCユニット33は、CPU32から出力されるPFモータ26の起動及び走行スケジュールに基づいて作成された指令信号(目標位置データ)を入力し、PFモータ26を図4及び図5に示すように回転速度制御して記録紙Pを所定の位置(目標位置)まで紙送りする。
【0049】
次に、上記のように構成されたインクジェットプリンタの作用をDCユニット33の処理動作を示す図7に示すフローチャートに従って説明する。尚、説明の便宜上、CRモータ17の起動から印字開始までの作用について説明する。
【0050】
さて、DCユニット33は、CPU32からPFモータ26の起動及び走行スケジュール、CRモータ17の起動及び走行スケジュール、並びに、記録ヘッド15の印字スケジュールを入力する。そして、DCユニット33は、PFモータ26を起動及び走行スケジュールに基づいて起動させ、記録紙Pを紙送りする。
【0051】
又、DCユニット33は、CRモータ17の走行スケジュール中の印字開始移動距離Xから起動開始時刻T11を算出する。この時、印字開始移動距離Xが加速距離a以下の時、加速印字モードとなり、加速領域で印字が開始されるとして、図4に示す印字開始移動距離Xに要する時間Taを加速領域駆動電流値データから求める。DCユニット33は、時間Taを求めると、PFモータ26が停止する時刻T13から時間Ta遡った時刻を起動開始時刻T11(=T13−Ta)として算出する。DCユニット33は、この起動開始時刻T11に基づいてCRモータ17起動させることになる。
【0052】
一方、DCユニット33は、印字開始移動距離Xが加速距離aを超えるとき、定速印字モードとなり、定回転速度領域で印字が開始されるとして、前記加速領域駆動電流値データから、図5に示す加速領域に要する時間TAを求める。次に、DCユニット33は、図5に示す定回転速度領域開始位置から印字開始するまでの距離(=X−a)を求め、前記目標固定周期Tkを使ってその距離(=X−a)を移動するに要する時間TC(=Tk・(X−a))を求める。DCユニット33は、時間TAと時間TCから印字開始移動距離Xに要する時間Ta(=TA+TC)を求め、PFモータ26が停止する時刻T13から時間Ta遡った時刻を起動開始時刻T11(=T13−Ta)として算出する。そして、DCユニット33は、この起動開始時刻T11に基づいてCRモータ17を起動させることになる。
【0053】
そして、前記PFモータ26が停止する時刻T13より時間Ta以前に起動開始時刻T11なると、DCユニット33は、移動距離iを「0」、目標周期Tiを「0」に初期セットする(ステップS11)。
【0054】
続いて、DCユニット33は、移動距離iが印字開始移動距離X以下どうか判断する(ステップS12)。つまり、DCユニット33はキャリッジ14が移動を開始してから印字開始移動距離Xまで移動したかどうか判断する。この時点では、起動していないので(ステップS12でYES)、DCユニット33は、移動距離iが加速距離a以下どうか判断する(ステップS12)。つまり、DCユニット33はキャリッジ14が移動を開始してから加速距離aまで移動したかどうか判断する。この時点では、同様に起動していないので(ステップS12でYES)、DCユニット33はステップS14に移る。
【0055】
ステップS14において、DCユニット33は、先に初期セットした目標周期Tiの「0」に次の目標周期Tiの「T0」をセットする。そして、図6に示すPROM34に記憶された加速領域駆動電流値データのテーブルから起動開始位置における最初の目標周期T0に対する駆動電流値I0を読み出す。そして、DCユニット33はその駆動電流値I0をCRモータ17に給電し、同CRモータ17を起動させる。
【0056】
続いて、DCユニット33は、CRモータ17の起動に基づくリニア式エンコーダ22からのパルス検出信号SG1に応答(立ち上がりに応答)してキャリッジ14が同検出信号SG1の1周期分移動したことを検知すると、移動距離iを「1」加算する(ステップS15)。移動距離iを「1」加算すると、DCユニット33は、ステップS12に戻り、前記と同様に、移動距離iが印字開始移動距離X以下どうか判断するとともに(ステップS12)、移動距離iが加速距離a以下どうか判断した後(ステップS13)、ステップS14に移る。
【0057】
ステップS14において、DCユニット33は、先にセットした目標周期Tiの「T0」から次の目標周期Tiの「T1」をセットする。そして、図6に示す加速領域駆動電流値データのテーブルから起動開始位置目標周期T1に対する駆動電流値Iiの「I1」を読み出す。そして、DCユニット33はその駆動電流値I1をCRモータ17に給電し、同CRモータ17を加速駆動させる。
【0058】
つまり、移動距離iが加速距離aに到達するまでは、DCユニット33は、ステップS12〜ステップS15の処理動作を繰り返しCRモータ17を図4及び図5に示すように回転速度制御する。詳述すると、移動距離iが「1」加算(即ち、パルス検出信号SG1の立ち上がりがカウントされる)毎に、目標周期TiもT1→T2→T3……→Tendとなり、それら各目標周期Tiに対する駆動電流値Iiを加速領域電流値データのテーブルからI1→I2→I3……→Iendを順次読み出しCRモータ17に給電し、同CRモータ17を加速駆動させる。
【0059】
従って、加速領域においては、図6に示す加速領域駆動電流値データのテーブルに基づいて各目標周期Tiに対する駆動電流値Iiを求めCRモータ17に給電制御することによって、CRモータ17の回転速度を図4及び図5に示すように回転速度制御でき、キャリッジ14は所定時間に所定の移動位置に移動される。
【0060】
そして、今、前記印字開始移動距離Xが加速距離a以下の加速印字モードであって、移動距離i(=ix)が印字開始移動距離Xに到達すると(ステップS12でNO)、DCユニット33は記録ヘッド15を駆動し印字を開始する。
【0061】
一方、前記印字開始移動距離Xが加速距離aを超える定速印字モードであって、移動距離iが加速距離aに到達すると(ステップS13でNO)、DCユニット33はステップS16に移る。ステップS16において、DCユニット33は、図5に示す定回転速度領域開始位置からCRモータ17を定回転速度制御すべく、前記PROM34から目標固定周期Tkとなるように固定周期電流値Ikを読み出しその固定周期電流値IkをCRモータ17に給電する。従って、以後減速領域になるまで、CRモータ17は、固定周期電流値Ikが給電されて図4及び図5に示すように定回転速度制御されてキャリッジ14は所定時間に所定の移動位置に移動される。
【0062】
そして、今、前記印字開始移動距離Xが加速距離aを超える定速印字モードであって、移動距離iが印字開始移動距離Xに到達すると(ステップS12でNO)、DCユニット33は記録ヘッド15を駆動し印字を開始する。
【0063】
次に、上記のように構成したインクジェットプリンタの特徴を以下に説明する。
(1)本実施形態では、加速領域駆動電流値データに基づいてCRモータ17を駆動制御して加速領域においてキャリッジ14を所定時間に所定の移動位置に移動させることができ、パルス検出信号SG1のカウント数によってその時々の移動距離iを把握できるようにしたので、CRモータ17が加速領域にあっても印字品質を落とすことなく印字動作を開始することができる。
【0064】
(2)本実施形態では、CRモータ17が加速領域において印字動作を開始できるようにしため、インクの種類が増大しキャリッジの重量が増大することによってCRモータの負荷が増大して加速領域が長くなって非印字領域が長くなっても、プリンタのメカ幅を大きくする必要がない。しかも、印刷スループットの向上を図ることができる。
【0065】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記形態では、印字開始時刻T13をPFモータ26の停止時刻と一致させたが、PFモータ26の停止後、前記従来の技術で説明した調整時間ΔT経過した時を印字開始時刻T13として実施してもよい。
【0066】
○前記実施形態では、加速領域について加速領域駆動電流値データのテーブルを設けて実施したが、加速領域、定回転速度領域、及び、減速領域までの加速領域駆動電流値データを作成しテーブル化して実施してもよい。
【0067】
○前記実施形態では、キャリッジ移動位置検出手段としてのリニア式エンコーダ22からの検出信号SG1に基づいてキャリッジ14の移動位置iを検出したが、例えば、タイマIC38のクロック信号を用いて起動開始からの時間を計時しその時々の時間から移動位置i、即ち、目標周期Tiを特定し、駆動電流値Iiをテーブルから求めるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によれば、印字動作の開始位置をキャリッジモータの加速領域で実行させることができ、プリンタのメカ幅を大きくすることなく、印刷スループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタのキャリッジ周辺の構成を説明するための斜視図。
【図2】リニア式エンコーダのパルス検出信号の波形図。
【図3】インクジェットプリンタの電気的構成を説明するためのブロック回路図。
【図4】印字開始が加速領域におけるCRモータの駆動タイミングを説明するタイミング波形図。
【図5】印字開始が定回転速度領域におけるCRモータの駆動タイミングを説明するタイミング波形図。
【図6】 加速領域駆動電流値データを説明するための加速領域における各目標周期に対する駆動電流値を説明するための説明図。
【図7】CRモータの起動から印字開始までのDCユニットが行う処理動作を説明するためのフローチャート。
【図8】従来の印字開始動作を説明するためのCRモータの駆動タイミングを説明するタイミング波形図。
【符号の説明】
14 キャリッジ
15 記録ヘッド
17 キャリッジモータ(CRモータ)
22 キャリッジ移動検出手段としてのリニア式エンコーダ
26 印刷媒体送りモータとしての紙送りモータ(PFモータ)
32 CPU
33 駆動制御手段、起動制御手段及び加速制御手段としてのDCユニット
34 記憶手段としてのPROM
X 印字開始移動距離
P 印刷媒体としての記録紙
Claims (7)
- 印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させる印刷装置において、
前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段と、
前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータを記憶する記憶手段と、
前記データに基づいて、前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求め、前記印刷媒体送りモータが停止する時刻から該時間遡った時刻に前記キャリッジモータが起動するように制御する駆動制御手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に基づいて、前記キャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させる印刷装置において、
前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段と、
少なくとも前記キャリッジモータの起動から予め定めた定速回転速度に至るまでの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定める、データと、前記キャリッジモータの前記加速領域中に前記キャリッジが移動する加速距離とを予め記憶する第2の記憶手段と、
前記加速距離と前記印字開始移動距離とを比較する比較手段と、
前記比較手段が、前記印字開始移動距離が前記加速距離以下と判断したとき、前記印字
開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域で実行されるように、前記データに基づいて、前記印字開始位置における前記目標周期までの各目標周期を積算してキャリッジの印字開始移動距離に要する時間を求めるとともにキャリッジモータの起動開始時刻とその時々にキャリッジモータに給電する電流値とを設定し、キャリッジモータを駆動するとともに、
前記比較手段が、前記印字開始移動距離が前記加速距離より大きいと判断したとき、前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域以後に実行されるように、前記データ基づく前記加速領域における各目標周期の積算値及び前記定速回転速度に基づいて、キャリッジの印字開始移動距離に要する時間を求めるとともにキャリッジモータの起動開始時刻とその時々にキャリッジモータに給電する電流値とを設定し、キャリッジモータを駆動する駆動制御手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 記録ヘッドを保持し所定の印字方向に移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジを駆動するキャリッジモータと、
印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータと、
前記印刷媒体送りモータが送り動作を停止する時刻に、印字情報に基づく前記キャリッジの前記印字開始位置において前記記録ヘッドが印字動作を開始するように前記キャリッジモータの起動開始時刻を設定する駆動制御手段と
を備える印刷装置において、
前記キャリッジモータによるキャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段と、
少なくとも前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定める、データを記憶する記憶手段と、
前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域で実行されるように、前記データに基づいて、前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求めてキャリッジモータの起動開始時刻を算出しその起動開始時刻にキャリッジモータを起動させる起動制御手段と、
前記データに基づいて、前記カウント数に応じて前記キャリッジモータに給電する駆動電流を求め、当該駆動電流をキャリッジモータに給電して回転制御する加速制御手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項3に記載の印刷装置において、
前記キャリッジモータは、直流モータであることを特徴とする印刷装置。 - 請求項3に記載の印刷装置において、
前記印刷媒体は、記録紙であることを特徴とする印刷装置。 - 印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させるようにした印刷方法において、
前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号を入力し、
前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じたキャリッジモータに給電すべき加速領域駆動電流値を定め、かつ前記パルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータに基づいて、
前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字
開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求めてキャリッジモータの起動開始時刻を算出しその起動開始時刻にキャリッジモータを起動させるとともに、前記カウント数に応じて前記キャリッジモータに給電する駆動電流を求め、当該駆動電流をキャリッジモータに給電して、前記印字開始位置での印字動作が前記キャリッジモータの加速領域で実行されるようにしたことを特徴とする印刷方法。 - 印刷媒体を印字位置に送る印刷媒体送りモータの駆動途中に、記録ヘッドを搭載したキャリッジを印字方向に移動させるキャリッジモータを起動させ、前記印刷媒体送りモータの停止以降に、印字情報に基づく前記キャリッジの印字開始位置において前記記録ヘッドにて印字動作を開始させるようにした印刷方法において、
前記キャリッジモータによる前記キャリッジの移動を検知するキャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号を入力し、
前記キャリッジモータの加速領域における制御データであって前記キャリッジ移動位置検出手段から出力されるパルス信号のカウント数に応じた前記パルス信号の周期を目標周期として定めるデータに基づいて、
前記キャリッジの加速領域における印字開始位置に対応した前記目標周期までの各目標周期を前記キャリッジの起動開始から積算して、前記キャリッジの起動開始位置から印字開始位置までの印字開始移動距離に要する時間を求め、
前記印刷媒体送りモータが停止する時刻から該時間遡った時刻に前記キャリッジモータが起動させるようにしたことを特徴とする印刷方法。
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