JP3812351B2 - 印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体に関し、特に印刷媒体を搬送するのに用いられる印刷媒体搬送モータとキャリッジモータの相互制御に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェットプリンタ等のシリアルプリンタにおいては、印刷媒体(例えば紙または布等)が印刷媒体搬送モータ(例えばDCモータ)によって搬送され、この印刷媒体上を記録ヘッドが走査して印字を行う。この記録ヘッドはキャリッジに固定されて、キャリッジとともに移動する。そしてこのキャリッジは、モータ(例えばDCモータ)によって駆動されるが、その駆動方式は以下のようである。
【0003】
まずDCモータの回転軸に固定されたプーリと、このプーリと対になる従動車によってタイミングベルトが所定の張力となるように張られ、このタイミングベルトに上記キャリッジが取付けられるように構成されている。これにより、DCモータの回転によってキャリッジが主走査方向に動くように駆動される。上記キャリッジが定速で動いているとき、すなわち、DCモータが定速で回転しているときに印字が行われる。なお印字は印刷媒体が停止しているときに行われる。
【0004】
このようなプリンタの従来の印刷制御方法について印刷媒体が紙である場合を例にとって説明する。この場合、印刷媒体搬送モータを紙送りモータ(以下、PFモータともいう)という。
【0005】
まず、図17(a)の時刻t0に示すようにPFモータを起動した後、PFモータが定速となるように制御し、印刷媒体である紙を搬送する。そしてこのPFモータが定速走行中に、キャリッジモータ(以下CRモータともいう)を起動し(図17(b)の時刻t1参照)、CRモータを定速走行させる。PFモータによって紙が所定量送られるとPFモータが停止し(図17(a)の時刻t2参照)、その直後または所定の時間の経過後にキャリッジに搭載された記録ヘッドが印字動作する(図17(b)の時刻t3参照)。この印字動作はCRモータの定速走行とともに終了し(図17(b)の時刻t4参照)、CRモータの減速後にCRモータが停止する(図17(b)の時刻t5参照)構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の印刷制御方法においては、PFモータが停止してから印字動作が開始されるように余裕(=t3−t2)をもってCRモータを起動するようにしていた。
【0007】
しかし、従来の制御方法においては、目標停止位置を含む許容範囲を越えた位置にPFモータが停止したり、例えば「蹴飛ばし」によりPFモータが停止する前に印字動作が開始するおそれがあった。この「蹴飛ばし」について図18を参照して説明する。図18に示すように、PFモータによって駆動される紙送りローラ65および従動ローラ66によって紙送りが行われる。この従動ローラ66は、図18に示すように、紙送り中にバネ200によって紙50が紙送りローラ65に押付けられるように構成されている。一方、紙50の終端近くまで印字することが要求されつつある。このためには、紙50の終端を紙送りローラ65と、従動ローラ66とで図18に示す所定の範囲xに押さえておく必要がある。しかし、従動ローラ66がバネ200によって紙送りローラ65側に押付けられているため、紙50の終端が上記所定の範囲に位置するように紙送りが行われた場合には、図18に示すようにバネ200によって紙50が送り出されるような力Fが紙50に作用し、紙50が紙送りローラ65と従動ローラ66との間から送り出されてしまうという「蹴飛ばし」という現象が発生する。
【0008】
このように、目標停止位置を含む許容範囲を越えた位置にPFモータが停止したり、PFモータが停止する前に印字動作が開始すると、印字品質に劣化が生じる。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであって、印字品質の劣化を防止することのできる印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による印刷制御装置は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止しない場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御することを特徴とする。
【0011】
なお、前記キャリッジモータが停止した後に、前記記録ヘッドが再印字可能となる起動開始位置まで前記キャリッジを移動させ、その後に再度印字処理を行うように構成しても良い。
【0012】
また、本発明による印刷制御装置は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御することを特徴とする。
【0013】
なお、前記キャリッジモータが停止した後に、前記記録ヘッドが再印字可能となる起動開始位置まで前記キャリッジを移動させるとともに、前記印刷媒体の停止位置が前記補正不要誤差範囲内に位置するように前記印刷媒体を搬送するように制御し、その後に再度印字処理を行うように構成しても良い。
【0014】
また、本発明による印刷制御装置は、印刷媒体を搬送するのに用いられる印刷媒体搬送モータを駆動制御する第1の駆動制御部と、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを駆動制御する第2の駆動制御部と、前記記録ヘッドを駆動制御する第3の駆動制御部と、印字情報に基づいて前記印刷媒体搬送モータの起動・走行スケジュール、前記キャリッジモータの起動・走行スケジュール、および前記記録ヘッドの印字スケジュールを設定し、これらの設定されたスケジュールに基づいて前記第1乃至第3の駆動制御部を制御するスケジュール部と、を備えた印刷制御装置において、
前記スケジュール部は、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に前記印刷媒体の搬送が停止しない場合に、印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記第2の駆動制御部にキャリッジモータ停止信号を送出して前記キャリッジモータを停止させるように制御することを特徴とする。
【0015】
なお、前記スケジュール部は、前記キャリッジを停止させた後に、前記第2の駆動制御部に指令信号を送り、前記印字開始位置から印字可能となる起動位置に前記キャリッジを移動させ、その後、前記キャリッジを起動させ、前記キャリッジが前記印字開始位置に到達したときに前記印字動作するように印字許可指令を前記第3の駆動制御部に送出するように構成しても良い。
【0016】
なお、前記スケジュール部は、前記印字情報に基づいて前記印字媒体搬送モータの起動・走行スケジュール、前記キャリッジモータの起動・走行スケジュール、および前記記録ヘッドの印字スケジュールを設定するスケジュール設定部と、前記印刷媒体搬送モータの起動・走行スケジュールに基づいて前記第1の駆動制御部を制御するとともに、前記キャリッジモータの起動・走行スケジュールに基づいて前記第2の駆動制御部を制御し、前記記録ヘッドの印字スケジュールに基づいて前記第3の駆動制御部を制御し、かつ前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に前記印刷媒体が停止しない場合に、印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記第2の駆動制御部にキャリッジモータ停止信号を送出する第スケジュール制御部と、を備えるように構成しても良い。
【0017】
なお、前記スケジュール部は、前記印字開始位置で印字可能となる前記キャリッジの起動位置を演算する起動開始位置演算部を備えように構成しても良い。
【0018】
なお、前記印刷媒体は紙であっても良い。
【0019】
また、本発明の印刷制御方法は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止しない場合に、前記記録ヘッドが印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御するステップを備えたことを特徴とする。
【0020】
なお、前記キャリッジモータが停止した後に、前記記録ヘッドを再印字可能となる起動開始位置まで前記キャリッジを移動させるステップと、その後に再印字処理を行うステップとを備えるように構成しても良い。
【0021】
また、本発明の印刷制御方法は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御するステップを備えたことを特徴とする。
【0022】
なお、前記キャリッジモータが停止した後に、前記記録ヘッドが再印字可能となる起動開始位置まで前記キャリッジを移動させるステップと、前記印刷媒体の停止位置が前記補正不要誤差範囲内に位置するように前記印刷媒体を搬送するように制御するステップと、その後に再度印字処理を行うステップとを備えるように構成しても良い。
【0023】
また、本発明の記録媒体は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止しない場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御する手順を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の記録媒体は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御する手順を備えたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1乃至図16を参照して以下、説明する。なお、以下の実施の形態においては印刷媒体が紙である場合を例にとって説明する。
【0026】
まず、本発明による印刷制御装置の一実施形態の構成を説明する前に、この実施形態の印刷制御装置が適用されるインクジェットプリンタの構成を図9乃至図14を参照して説明する。このインクジェットプリンタの概略の構成を図9に示す。
【0027】
このインクジェットプリンタは、紙送りを行う紙送りモータ(以下、PFモータともいう)1と、この紙送りモータ1を駆動する紙送りモータドライバ2と、キャリッジ3と、このキャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(以下、CRモータともいう)4と、このキャリッジモータ4を駆動するCRモータドライバ5と、DCユニット6と、目詰まり防止のためのインクの吸い出しを制御するポンプモータ7と、このポンプモータ7を駆動するポンプモータドライバ8と、キャリッジ3に固定されて印刷紙50にインクを吐出する記録ヘッド9と、この記録ヘッド9を駆動制御するヘッドドライバ10と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダ11と、所定の間隔にスリットが形成された符号板12と、PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13と、印刷処理されている紙の終端位置を検出する紙検出センサ15と、プリンタ全体の制御を行うCPU16と、CPU16に対して周期的に割込み信号を発生するタイマIC17と、ホストコンピュータ18との間でデータの送受信を行うインタフェース部(以下IFともいう)19と、ホストコンピュータ18からIF19を介して送られてくる印字情報に基づいて印字解像度や記録ヘッド9の駆動波形等を制御するASIC20と、ASIC20およびCPU16の作業領域やプログラム格納領域として用いられるPROM21,RAM22およびEEPROM23と、印刷中の紙50を支持するプラテン25と、PFモータ1によって駆動されて印刷紙50を搬送する搬送ローラ27と、CRモータ4の回転軸に取付けられたプーリ30と、このプーリ30によって駆動されるタイミングベルト31と、を備えている。
【0028】
なお、DCユニット6は、CPU16から送られてくる制御指令、エンコーダ11,13の出力に基づいて紙送りモータドライバ2およびCRモータドライバ5を駆動制御する。また、紙送りモータ1およびCRモータ4はいずれもDCモータで構成されている。
【0029】
このインクジェットプリンタのキャリッジ3の周辺の構成を図10に示す。
【0030】
キャリッジ3は、タイミングベルト31によりプーリ30を介してキャリッジモータ4に接続され、ガイド部材32に案内されてプラテン25に平行に移動するように駆動される。キャリッジ3の印刷紙に対向する面には、ブラックインクを吐出するノズル列およびカラーインクを吐出するノズル列からなる記録ヘッド9が設けられ、各ノズル列はインクカートリッジ34からインクの供給を受けて印刷紙にインク滴を吐出して文字や画像を印字する。
【0031】
またキャリッジ3の非印字領域には、非印字時に記録ヘッド9のノズル開口を封止するためのキャッピング装置35と、図9に示すポンプモータ7を有するポンプユニット36とが設けられている。キャリッジ3が印字領域から非印字領域に移動すると、図示しないレバーに当接してキャッピング装置35は上方に移動し、記録ヘッド9を封止する。
【0032】
記録ヘッド9のノズル開口列に目詰まりが生じた場合や、カートリッジ34の交換等を行って記録ヘッド9から強制的にインクを吐出する場合は、記録ヘッド9を封止した状態でポンプユニット36を作動させ、ポンプユニット36からの負圧により、ノズル開口列からインクを吸い出す。これにより、ノズル開口列の近傍に付着している塵埃や紙粉が洗浄され、さらには記録ヘッド9内の気泡がインクとともにキャップ37に排出される。
【0033】
次に、キャリッジ3に取付けられたリニア式エンコーダ11の構成を図11に示す。このエンコーダ11は発光ダイオード11aと、コリメータレンズ11bと、検出処理部11cとを備えている。この検出処理部11cは複数(4個)のフォトダイオード11dと、信号処理回路11eと、2個のコンパレータ11fA,11fBと、を有している。
【0034】
発光ダイオード11aの両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード11aから光が発せられる。この光はコリメータレンズ11bによって平行にされて符号板12を通過する。符号板12には所定の間隔(例えば1/180インチ(=1/180×2.54cm))毎にスリットが設けられた構成となっている。
【0035】
この符号板12を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード11dに入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード11dから出力される電気信号が信号処理回路11eにおいて信号処理される。この信号処理回路11eから出力される信号がコンパレータ11fA,11fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ11fA、11fBから出力されるパルスENC−A,ENC−Bがエンコーダ11の出力となる。
【0036】
パルスENC−AとパルスENC−Bは位相が90度だけ異なっている。CRモータ4が正転すなわちキャリッジ3が主走査方向に移動しているときは図12(a)に示すようにパルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、CRモータ4が逆転しているときは図12(b)に示すようにパルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れるようにエンコーダ4は構成されている。そして、上記パルスの1周期Tは符号板12のスリット間隔(例えば1/180インチ(=1/180×2.54cm))に対応し、キャリッジ3が上記スリット間隔を移動する時間に等しい。
【0037】
一方、PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13は符号板がPFモータ1の回転に応じて回転する回転円板である以外は、リニア式エンコーダ11と同様の構成となっており、2つの出力パルスENC−A,ENC−Bを出力する。なおインクジェットプリンタにおいては、PFモータ1用のエンコーダ13の符号板に設けられている複数のスリットのスリット間隔は、1/180インチ(=1/180×2.54cm)であり、PFモータ1が上記1スリット間隔だけ回転すると、1/1440インチ(=1/1440×2.54cm)だけ紙送りされるような構成となっている。
【0038】
次に図9において示した紙検出センサ15の位置について図13を参照して説明する。図13において、プリンタ60の給紙挿入口61に挿入された紙50は、給紙モータ63によって駆動される給紙ローラ64によってプリンタ60内に送り込まれる。プリンタ60内に送り込まれた紙50の先端が例えば光学式の紙検出センサ15によって検出される。この紙検出センサ15によって先端が検出された紙50はPFモータ1によって駆動される紙送りローラ65および従動ローラ66によって紙送りが行われる。
【0039】
続いてキャリッジガイド部材32に沿って移動するキャリッジ3に固定された記録ヘッド(図示せず)からインクが滴下されることにより印字が行われる。そして所定の位置まで紙送りが行われると、現在、印字されている紙50の終端が紙検出センサ15によって検出される。そしてPFモータ1によって駆動される歯車67aにより、歯車67bを介して歯車67cが駆動され、これにより、排紙ローラ68および従動ローラ69が回転駆動されて、印字が終了した紙50が排紙口62から外部に排出される。なお、紙送りローラ65の回転軸には、エンコーダ13の符号板(図示せず)が取り付けられている。
【0040】
図9に示したプリンタの部分のうち紙送りに関連する部分について、図13および図14を参照して、より詳細に説明する。図14は、プリンタの紙送りに関連する部分を詳細に示した透視図である。
【0041】
プリンタ60の給紙挿入口61から挿入され、給紙ローラ64によってプリンタ60内に送り込まれた印刷紙50の先端が紙検出センサ15により検出されると、PFモータ1により小歯車77を介して駆動される大歯車67aの回転軸であるスマップ(Smap)軸73の周囲に設けられた紙送りローラ65と、給紙側から送られてきた印刷紙50を垂直方向下向きに押圧するホルダ79の紙送り方向排紙側先端部に設けられた従動ローラ66とにより、印刷紙50の紙送りが行われる。
【0042】
PFモータ1はプリンタ60内のフレーム76にねじ75により固定されており、大歯車67a周囲の所定箇所にはロータリ式エンコーダ13が配設され、かつ、大歯車67aの回転軸であるスマップ軸73にはロータリ式エンコーダ用符号板14が連結されている。
【0043】
紙送りローラ65と従動ローラ66とにより紙送りが行われた印刷紙50は、印刷紙50を支持するプラテン25上を通過し、小歯車77,大歯車67a,中間歯車67b,小歯車78及び排紙歯車67cを介してPFモータ1により駆動される排紙ローラ68と、従動ローラであるギザローラ69とにより挟持されて紙送りが行われ、排紙口62から外部に排出される。
【0044】
印刷紙50がプラテン25上に支持されている間に、キャリッジ3がプラテン25上の空間をガイド部材32に沿って左右に移動し、キャリッジ3に固定された記録ヘッド(図示せず)からインクが吐出されて印刷が行われる。
【0045】
次に本発明による印刷制御装置の一実施形態の構成を図1に示す。この実施形態の印刷制御装置は、スケジュール設定部16aと、スケジュール制御部16bと、CR起動開始位置演算部16cと、印字波形準備位置判定部16dと、PFモータ停止位置判定部16eと、CRモータ制御部80と、印字開始位置判定部82と、CRモータ停止判定部84と、PFモータ制御部90と、PFモータ停止判定部92とを備えている。CRモータ制御部80、印字開始位置判定部82、CRモータ停止判定部84、PFモータ制御部90、およびPFモータ停止判定部926は図9に示すDCユニット6に含まれている。また、スケジュール設定部16a、スケジュール制御部16b、CR起動開始位置演算部16c、印字波形準備位置判定部16d、およびPFモータ停止位置判定部19eは図9に示すCPU16に含まれている。
【0046】
スケジュール設定部16aは、印字情報に基づいて、PFモータ1の起動および走行スケジュール、CRモータ4の起動および走行スケジュール、ならびに記録ヘッド9の印字スケジュールを設定する。なお、上記印字スケジュールとは、例えば記録ヘッド9の各ノズルに設けられているインク滴を形成するためのピエゾ素子に印字開始前の微振動を与えるタイミングおよびその期間、上記ピエゾ素子に与える印字波形のスタートタイミング、印字開始位置および印字終了位置等からなっている。
【0047】
スケジュール制御部16bは、スケジュール設定部16aによって設定されたPFモータ1およびCRモータ4の起動および走行スケジュールに基づいて、PFモータ1およびCRモータ4を制御するに必要な指令信号をPFモータ制御部90およびCRモータ制御部80に送って制御する。このスケジュール制御部16bの詳細な動作は図2乃至図4を参照して後述する。
【0048】
CR起動開始位置演算部16cは、CRモータ制御部80から送られてくるキャリッジ3の停止位置と、印字情報とに基づいて、印字開始位置で記録ヘッド9が印字可能となるようなキャリッジ3の起動開始位置を演算する。この起動開始位置を図5を参照して説明する。図5に示すようにキャリッジ3が起動開始位置52aから起動して記録ヘッド9が印字動作を行って印字例51aを形成する。その後、紙送りが行われてキャリッジ3が位置52bに停止する。このとき、印字例51bを形成するために起動指令が発せられてキャリッジが起動したが、印字例51bの印字開始位置53にキャリッジ3が到達する直前までにCRモータ4の駆動が停止された場合には、印字例51bの形成は行われず、キャリッジ3は位置54に停止する。この場合、CR起動開始位置演算部16cによって演算される、印字例51bを形成するためのキャリッジ3の起動位置は位置55となる。
【0049】
印字波形準備位置判定部16dは、エンコーダ11の出力およびスケジュール制御部16bから送られてくる印字波形準備位置に基づいて、キャリッジ3が印字波形準備位置に到達したか否かを判定する。PFモータ停止位置判定部16eは、PFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内か否か、および補正可能誤差範囲内か否かを判定する。なお、上記補正可能誤差範囲は上記補正不要誤差範囲よりも広い範囲となっている。
【0050】
CRモータ制御部80は、ドライバ5を介してCRモータ4を制御する。印字開始位置判定部82はエンコーダ11の出力およびスケジュール制御部16bから送られてくる印字開始位置に基づいてキャリッジ3が印字開始位置に到達したか否かを判定する。CRモータ停止判定部84は、エンコーダ11の出力に基づいてCRモータ4が停止しているか否かを判定する。
【0051】
PFモータ制御部90は、ドライバ2を介してPFモータ1を制御する。PFモータ停止判定部92はエンコーダ13の出力に基づいてPFモータ1による紙送りが停止したか否かを判定する。
【0052】
次に、CRモータ4の制御について図6および図7を参照して説明する。このCRモータ4の制御はDCユニット6に設けられたCRモータ制御部80によって行われ、このCRモータ制御部80は図6に示すように、位置カウンタ80aと、減算部80bと、目標速度演算部80cと、速度演算部80dと、減算器80eと、比例要素80fと、積分要素80gと、微分要素80hと、加算器80iと、D/Aコンバータ80jと、タイマ80kと、加速制御部80mとを備えている。
【0053】
位置カウンタ80aはエンコーダ11の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数し、この計数値に基づいて、キャリッジ3の位置を演算する。この計数はCRモータ4が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。パルスENC−AおよびENC−Bの各々の周期は符号板のスリット間隔に等しく、かつパルスENC−AとパルスENC−Bは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はエンコーダ13の符号板のスリット間隔の1/4に対応する。これにより上記計数値にスリット間隔の1/4を乗算すれば、キャリッジ3の、計数値が「0」に対応する位置からの移動量を求めることができる。このときエンコーダ11の解像度は1/720インチ(=1/720×2.54cm)となる。
【0054】
減算器80bは、目標位置と、位置カウンタ80aのカウント値との位置偏差を演算する。
【0055】
目標速度演算部80cは、減算器80bの出力である位置偏差に基づいてCRモータ4の目標速度を演算する。この演算は位置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。このゲインKpは位置偏差に応じて決定される。なお、このゲインKpの値は図示しないテーブルに格納していても良い。
【0056】
速度演算部80dはエンコーダ11の出力パルスENC−A,ENC−Bに基づいてCRモータ4の速度を演算する。この速度は次のようにして求められる。まずエンコーダ11の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、エッジ間の時間間隔を例えばタイマカウンタによってカウントする。このカウント値をTとすると、速度は1/Tに比例したものとなる。
【0057】
減算器80eは、目標速度と、速度演算部80dによって演算されたCRモータ4の実際の速度との速度偏差を演算する。
【0058】
比例要素80fは上記速度偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素80gは速度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素80hは現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。なお比例要素80f、積分要素80g、および微分要素80hの演算はエンコーダ11の出力パルスENC−Aの1周期毎を、例えば出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行う。
【0059】
比例要素80f、積分要素80g、および微分要素80hの出力は加算器80iにおいて加算される。そして加算結果、すなわちCRモータ4の駆動電流がD/Aコンバータ80jに送られてアナログ電流に変換される。このアナログ電流に基づいてドライバ5によってCRモータ4が駆動される。
【0060】
また、タイマ80kおよび加速制御部80mは加速制御に用いられ、比例要素80f、積分要素80g、および微分要素80hを使用するPID制御は加速途中の定速および減速制御に用いられる。
【0061】
タイマ80kはCPU16から送られてくるクロック信号に基づいて所定時間毎にタイマ割込み信号を発生する。
【0062】
加速制御部80mは上記タイマ割込信号を受ける度毎に所定の電流値(例えば20mA)を目標電流値に積算し、積算結果すなわち加速時におけるCRモータ4の目標電流値がD/Aコンバータ80jに送られる。PID制御の場合と同様に上記目標電流値はD/Aコンバータ80jによってアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてドライバ5によってCRモータ4が駆動される。
【0063】
ドライバ5は、例えば4個のトランジスタを備えており、D/Aコンバータ80jの出力に基づいて上記トランジスタを各々ONまたはOFFさせることにより
(a)CRモータ4を正転または逆転させる運転モード
(b)回生ブレーキ運転モード(ショートブレーキ運転モード、すなわちCRモータ4の停止を維持するモード)
(c)CRモータ4を停止させようとするモード
を行わせることが可能な構成となっている。
【0064】
次に図7(a),(b)を参照してCRモータ制御部80の動作を説明する。CRモータ4が停止しているときにCRモータ制御部80にCRモータ4を起動させる起動指令信号が送られると、加速制御部80mから起動初期電流値I0がD/Aコンバータ80jに送られる。なお、この起動初期電流値I0は起動指令信号とともにCPU16から加速制御部80mに送られてくる。そしてこの電流値I0はD/Aコンバータ80jによってアナログ電流に変換されてドライバ5に送られ、このドライバ5によってCRモータ4が起動開始する(図7(a),(b)参照)。
【0065】
起動指令信号を受信した後、所定の時間毎にタイマ80kからタイマ割込信号が発生される。加速制御部80mはタイマ割込信号を受信する度毎に、起動初期電流値I0に所定の電流値(例えば20mA)を積算し、積算した電流値をD/Aコンバータ80jに送る。するとこの積算した電流値はD/Aコンバータ80jによってアナログ電流に変換されてドライバ5に送られる。そしてCRモータ4に供給される電流の値が上記積算した電流値となるように、ドライバ5によってCRモータ4が駆動されCRモータ4の速度は上昇する(図7(b)参照)。このためCRモータ4に供給される電流値は図7(a)に示すように階段状になる。
【0066】
なお、このときPID制御系も動作しているが、D/Aコンバータ80jは加速制御部80mの出力を選択して取込む。
【0067】
加速制御部80mの電流値の積算処理は、積算した電流値が一定の電流値ISとなるまで行われる。時刻t1において積算した電流値が所定値ISとなると、加速制御部80mは積算処理を停止し、D/Aコンバータ80jに一定の電流値ISを供給する。これによりCRモータ4に供給される電流の値が電流値ISとなるようにドライバ5によって駆動される(図7(a)参照)。
【0068】
そして、CRモータ4の速度がオーバーシュートするのを防止するために、CRモータ4が所定の速度V1になると(時刻t2)、CRモータ4に供給される電流を減小させるように加速制御部80mが制御する。このときCRモータ4の速度は更に上昇するが、CRモータ4の速度が所定の速度vcに達すると(図7(b)の時刻t参照)、D/Aコンバータ80jが、PID制御系の出力すなわち加算器80iの出力を選択し、PID制御が行われる。
【0069】
すなわち、目標位置と、位置カウンタ80aのカウント値との位置偏差に基づいて目標速度が演算され、この目標速度と、エンコーダ11の出力から得られる実際の速度との速度偏差に基づいて、比例要素80f、積分要素80g、および微分要素80hが動作し、各々比例、積分、および微分演算が行われ、これらの演算結果の和に基づいて、CRモータ4の制御が行われる。なお、上記比例、積分、および微分演算は、例えばエンコーダ11の出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行われる。これによりCRモータ4の速度は所望の速度veとなるように制御される。なお、所定の速度vcは所望の速度veの70〜80%の値であることが好ましい。
【0070】
時刻t4からCRモータ4は所望の速度veとなる。その後、CRモータ4が目標位置に近づくと(図7(b)の時刻t5参照)、CRモータ4の減速が行われ、時刻t6にCRモータ4が停止する。
【0071】
一方、PFモータ1の制御は、図8に示すようにPFモータ制御部90によって行われる。このPFモータ制御部90は、CRモータ制御部80と同様に、位置カウンタ90aと、減算部90bと、目標速度演算部90cと、速度演算部90dと、減算器90eと、比例要素90fと、積分要素90gと、微分要素90hと、加算器90iと、D/Aコンバータ90jと、タイマ90kと、加速制御部90mとを備えている。
【0072】
位置カウンタ90aはエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数し、この計数値に基づいて、PFモータ1によって送られる紙の送り量を演算する。なお、エッジの計数は、CRモータ制御部80の位置カウンタ80aの場合と同様にして行う。
【0073】
PFモータ制御部90は、エンコーダ13の出力パルスENC−A、ENC−Bに基づいてPFモータ1の速度を演算する。
【0074】
上記位置カウンタ90aおよび速度制御部90d以外の構成要素は、CRモータ制御部80の対応する構成要素と同じ動作を行う。なお、D/Aコンバータ90jの出力は、紙送りドライバ2に送られる。この紙送りドライバ2は、CRモータドライバ5と同様の構成を有しており、D/Aコンバタ90jの出力に基づいてPFモータ1を駆動する。
【0075】
次に本実施の形態の印刷制御装置の動作を図2乃至図4を参照して説明する。
【0076】
まず、印字情報に基づいてPFモータ1の起動および走行スケジュール、CRモータ4の起動および走行スケジュール、ならびに記録ヘッド9の印字スケジュールがスケジュール設定部16aによって設定される(図2のステップF1参照)。
【0077】
次に設定されたPFモータ1の起動および走行スケジュールに基づいて、スケジュール制御部16bからPFモータ制御部90に起動指令が送られ、PFモータ制御部90によってPFモータ1が起動される(図2のステップF2参照)。
【0078】
次に設定されたCRモータ4の起動および走行スケジュールに基づいて、スケジュール制御部16bからCRモータ制御部80に起動指令が送られ、CRモータ制御部80によってCRモータ4が起動される(図2のステップF3参照)。
【0079】
そしてCRモータ4が起動されると、エンコーダ11の出力に基づいて印字波形準備位置判定部16dによってキャリッジ3が印字波形準備位置に到達したか否か判定される(図2のステップF4参照)。キャリッジ3が印字波形準備位置に到達する直前に印字波形準備位置判定部16dから印字波形準備位置通知信号がスケジュール制御部16bに送られる。この印字波形準備位置通知信号をスケジュール制御部16bが受信したときに、PFモータ停止判定部92からPFモータ停止信号が既に送られているか否か、すなわちPFモータ1による紙送りが停止しているかを判定する(図2のステップF5参照)。
【0080】
紙送りが停止している場合にはステップF6に進み、PFモータ停止位置判定部16eによって、PFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内か否かが判定される。なお、紙送りが停止していない場合には、後述のステップF11(図3参照)に進む。PFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内と判定された場合には、スケジュール制御部16bからヘッドドライバ10に印字波形起動指令信号が送られ、記録ヘッド9の各ノズルに設けられているインク滴を形成するためのピエゾ素子に与える印字波形の起動が開始される(図2のステップF7参照)。なお、ステップF6において、PFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内と判定されなかった場合には、後述の図4に示すステップF21に進む。
【0081】
ステップF7で印字波形の起動が開始された後、キャリッジ3が印字開始位置に到達したことを示す印字開始位置通知信号を印字開始位置判定部82からスケジュール制御部16bが受信すると、スケジュール制御部16bからヘッドドライバ10に印字許可指令が送られ、印字が行われる(図2のステップF8参照)。そして、スケジュール通り印字が行われた後(図2のステップF9参照)、CRモータ制御部80によってCRモータ4の駆動制御が終了される(図2のステップF10参照)。
【0082】
ステップF5において、紙送りが停止していない場合には、ステップF11に進み、スケジュール制御部16bによって印字波形の起動スケジュールがキャンセルされるとともにスケジュール制御部16bからCRモータ制御部80にCRモータ4を停止させるCRモータ停止指令が送られ(図3のステップF12参照)、CRモータ4が停止される。そして、CRモータ停止判定部84からスケジュール制御部16bがCRモータ停止通知を受信すると(図3のステップF13参照)、スケジュール制御部16bがCR起動開始位置演算部16cにキャリッジ3の起動開始位置を演算させ、この演算された起動開始位置までキャリッジ3を移動させるようにCRモータ制御部80に指令信号を送り、CRモータ4を駆動制御する(図3のステップF14参照)。
【0083】
CRモータ4が上記起動開始位置まで移動された後、CRモータ4が停止したことを示す停止通知信号をCRモータ停止判定部84からスケジュール制御部16bが受信すると(図3のステップF15参照)、図2のステップF1に戻り、再度の印字処理が行われる(図3のステップF16参照)。
【0084】
ステップF6において、PFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内と判定されなかった場合には、図4に示すステップF21に進み、更にPFモータ1の停止位置が補正可能誤差範囲内か否かがPFモータ停止位置判定部16eによって判定される。PFモータ1の停止位置が補正可能誤差範囲内でない場合には、図2に示すステップF7に進み、上述したように印字波形が起動される。PFモータ1の停止位置が補正可能誤差範囲内の場合には、スケジュール制御部16bによって、印字波形の起動スケジュールがキャンセルされる(図4のステップF23参照)。
【0085】
印字波形の起動スケジュールがキャンセルされた後、図4に示すステップF24a、F25a、F26、F27を実施することとステップF24b、F25bを実施することがほぼ同時に行われる。すなわち、ステップF24aにおいて、CRモータ4の駆動停止指令がスケジュール制御部16bからCRモータ制御部80に送られてCRモータ4が停止するように制御される。そして、CRモータ4が停止した否かがCRモータ停止判定部84によって判定される(図4のステップF25a参照)。CRモータ4が停止すると、CRモータ停止判定部84からCRモータ停止通知がスケジュール制御部16bに送られる。これにより、スケジュール制御部16bからCR起動開始位置演算部16cに指令信号が送られ、再印字可能となるキャリッジ3の起動開始位置がCR起動開始位置演算部16cによって演算される(図4のステップF26参照)。そして、演算された上記起動開始位置までキャリッジ3が移動されるようにスケジュール制御部16bからCRモータ制御部80に指令信号が送られ、CRモータ4が駆動制御される(図4のステップF26参照)。上記起動開始位置までキャリッジ3が移動された後、CRモータ4が停止した否かがCRモータ停止判定部84によって判定される(図4のステップF27参照)。CRモータ4が停止すると、CRモータ停止判定部84からCRモータ停止通知がスケジュール制御部16bに送られる。一方、PFモータ1の制御に関しては、ステップF23において印字波形の起動スケジュールがキャンセルされた後、ステップF24bに進み、スケジュール制御部16bからPFモータ制御部90に指令信号が送られ、PFモータ1が補正不要誤差範囲内に位置するように駆動制御される。そして、PFモータ1が補正不要誤差範囲内に入った後、PFモータ停止判定部92によってPFモータ1が停止したか否かが判定される(図4のステップF25b参照)。PFモータ1が停止し、かつCRモータ4が停止した場合には、図2のステップF1に戻り、再度の印字処理が行われる(図4のステップF28参照)。
【0086】
以上説明したように、本実施形態の印刷制御装置によれば、
a)印字波形準備位置にキャリッジ3が到達してもPFモータ1が停止しかつPFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内に位置している場合には印字処理を行い、
b)PFモータ1が停止していない場合には印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともにCRモータ4を停止させ、その後、再印字可能となる起動開始位置までキャリッジ3を移動させて再度印字処理を行い、
c)PFモータ1が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲内に位置していない場合には上記停止位置が補正可能誤差範囲内であるか否かを判定し、補正可能誤差範囲内であるときに印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともにCRモータ4を停止させ、その後、再印字可能となる起動開始位置までキャリッジ3を移動させるとともに、PFモータ1の停止位置が補正不要誤差範囲内に位置するようにPFモータ1を駆動制御し、その後再度印字処理を行う
ように構成されているので、印字品質の劣化が生じるのを防止することができる。
【0087】
なお、本実施の形態においては、PFモータ1およびCRモータ4はDCモータであったが、他のモータ例えばステッピングモータであっても良いことは云うまでもない。
【0088】
また、印刷媒体は、紙でなくてもよいことは云うまでもない。
【0089】
次に、本発明による印刷制御プログラムを記録した記録媒体の一実施形態を図15および図16を参照して説明する。図15および図16は、本実施形態の印刷制御プログラムを記録した記録媒体が用いられるコンピュータシステム130の一例を示す斜視図およびブロック図である。
【0090】
図15において、コンピュータシステム130は、CPUを含むコンピュータ本体131と、例えばCRT等の表示装置132と、キーボードやマウス等の入力装置133と、印刷を実行する印刷装置134と、を備えている。
【0091】
コンピュータ本体131は、図16に示すように、RAMより構成される内部メモリ135と、内蔵または外付け可能なメモリユニット136と、を備えており、メモリユニット136としてはフレキシブルまたはフロッピディスク(FD)ドライブ137,CD−ROMドライブ138,ハードディスクドライブ(HD)ユニット139が搭載されている。図15に示すように、これらのメモリユニット136に用いられる記録媒体140としては、FDドライブ137のスロットに挿入されて使用されるフレキシブルディスクまたはフロッピディスク(FD)141と、CD−ROMドライブ138に用いられるCD−ROM142等が用いられる。
【0092】
図15および図16に示すように、一般的なコンピュータシステムに用いられる記録媒体140としては、FD141やCD−ROM142が考えられるが、本実施の形態は特に印刷装置134の制御プログラムに関するものであるので、例えば印刷装置134に内蔵させる不揮発性メモリとしてのROMチップ143に本発明の印刷制御プログラムを記録させるようにしても良い。また、記録媒体としては、FD、CD−ROM、MO(Magneto− Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、その他の光学的記録ディスク、カードメモリ、磁気テープ等であっても良いことは云うまでもない。
【0093】
本実施の形態の記録媒体140は、図2乃至図4に示す制御手順ステップF1〜F28を備えるように構成したものである。なお、本実施形態の記録媒体140は、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字開始位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止しない場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御する手順を少なくとも備えるように構成しても良い。
【0094】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、印字品質の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による印刷制御装置の一実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】本発明による印刷制御装置の制御手順を示すフローチャート。
【図3】本発明による印刷制御装置の制御手順を示すフローチャート。
【図4】本発明による印刷制御装置の制御手順を示すフローチャート。
【図5】本発明による印刷制御装置の動作を説明する説明図。
【図6】本発明による印刷制御装置にかかるCRモータ制御部の一例の構成を示すブロック図。
【図7】図6に示すCRモータ制御部の動作を説明するタイミングチャート。
【図8】本発明による印刷制御装置にかかるPFモータ制御部の一例の構成を示すブロック図。
【図9】インクジェットプリンタの概略の構成を示す構成図。
【図10】キャリッジ周辺の構成を示す斜視図。
【図11】リニア式エンコーダの構成を示す模式図。
【図12】エンコーダの出力パルスの波形図。
【図13】紙検出センサの位置を説明するプリンタの概略の斜視図。
【図14】プリンタの紙送りに関連する部分を詳細に示した透視図。
【図15】本発明による印刷制御プログラムを記録した記録媒体が用いられるコンピュータシステムの一例を示す斜視図。
【図16】本発明による印刷制御プログラムを記録した記録媒体が用いられるコンピュータシステムの一例を示すブロック図。
【図17】PFモータとCRモータの動作を説明する波形図。
【図18】蹴飛ばしを説明する図。
【符号の説明】
1 紙送りモータ(PFモータ)
2 紙送りモータドライバ
3 キャリッジ
4 キャリッジモータ(CRモータ)
5 キャリッジモータドライバ
6 DCユニット
9 記録ヘッド
10 ヘッドドライバ
11 リニア式エンコーダ
13 エンコーダ(ロータリ式エンコーダ)
16 CPU
16a スケジュール設定部
16b スケジュール制御部
16c CR起動開始位置演算部
16d 印字波形準備位置判定部
16e PFモータ停止位置判定部
80 CRモータ制御部
82 印字開始位置判定部
84 CRモータ停止判定部
90 PFモータ制御部
92 PFモータ停止判定部

Claims (10)

  1. 記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記キャリッジモータが停止した後に、前記記録ヘッドが再印字可能となる起動開始位置まで前記キャリッジを移動させるとともに、前記印刷媒体の停止位置が前記補正不要誤差範囲内に位置するように前記印刷媒体を搬送するように制御し、その後に再度印字処理を行うように構成したことを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。
  3. 印刷媒体を搬送するのに用いられる印刷媒体搬送モータを駆動制御する第1の駆動制御部と、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを駆動制御する第2の駆動制御部と、前記記録ヘッドを駆動制御する第3の駆動制御部と、印字情報に基づいて前記印刷媒体搬送モータの起動・走行スケジュール、前記キャリッジモータの起動・走行スケジュール、および前記記録ヘッドの印字スケジュールを設定し、これらの設定されたスケジュールに基づいて前記第1乃至第3の駆動制御部を制御するスケジュール部と、を備えた印刷制御装置において、
    前記スケジュール部は、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に前記印刷媒体の搬送が停止しない場合には、印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記第2の駆動制御部にキャリッジモータ停止信号を送出して前記キャリッジモータを停止させるように制御し、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合には、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記第2の駆動制御部にキャリッジモータ停止信号を送出して前記キャリッジモータを停止させるように制御するすることを特徴とする印刷制御装置。
  4. 前記スケジュール部は、前記キャリッジを停止させた後に、前記第2の駆動制御部に指令信号を送り、前記印字開始位置から印字可能となる起動位置に前記キャリッジを移動させ、その後、前記キャリッジを起動させ、前記キャリッジが前記印字開始位置に到達したときに前記印字動作するように印字許可指令を前記第3の駆動制御部に送出することを特徴とする請求項3記載の印刷制御装置。
  5. 前記スケジュール部は、
    前記印字情報に基づいて前記印字媒体搬送モータの起動・走行スケジュール、前記キャリッジモータの起動・走行スケジュール、および前記記録ヘッドの印字スケジュールを設定するスケジュール設定部と、
    前記印刷媒体搬送モータの起動・走行スケジュールに基づいて前記第1の駆動制御部を制御するとともに、前記キャリッジモータの起動・走行スケジュールに基づいて前記第2の駆動制御部を制御し、前記記録ヘッドの印字スケジュールに基づいて前記第3の駆動制御部を制御し、かつ前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に前記印刷媒体が停止しない場合および印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記第2の駆動制御部にキャリッジモータ停止信号を送出する第スケジュール制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の印刷制御装置。
  6. 前記スケジュール部は、前記印字開始位置で印字可能となる前記キャリッジの起動位置を演算する起動開始位置演算部を備えたことを特徴とする請求項5記載の印刷制御装置。
  7. 前記印刷媒体は紙であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の印刷制御装置。
  8. 記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御するステップを備えたことを特徴とする印刷制御方法。
  9. 前記キャリッジモータが停止した後に、前記記録ヘッドが再印字可能となる起動開始位置まで前記キャリッジを移動させるステップと、前記印刷媒体の停止位置が前記補正不要誤差範囲内に位置するように前記印刷媒体を搬送するように制御するステップと、その後に再度印字処理を行うステップとを備えたことを特徴とする請求項8記載の印刷制御方法。
  10. 記録ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するキャリッジモータを起動し、前記キャリッジが印字波形準備位置に到達する直前迄に、印刷媒体の搬送が停止していてもその停止位置が補正不要誤差範囲外でかつこの補正不要誤差範囲よりも広い補正可能誤差範囲内にある場合に、前記記録ヘッドの印字波形の起動スケジュールをキャンセルするとともに前記キャリッジモータを停止させるように制御する手順を備えたことを特徴とするコンピュータによって印刷制御するための印刷制御プログラムを記録した記録媒体。
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