JP4058563B2 - カウント装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球をカウントするためのカウント装置に関し、特に、アレパチ機(「アレンジボール」と「パチンコ機」による造語であり、アレンジボールの遊技内容を有するパチンコ機を意味する)などで遊技領域へ進入した遊技球をカウントするのに使用して好適なカウント装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の技術として図12に示す遊技機に適用したカウント装置が知られている。
【0003】
同図において、遊技機1は俗に「アレパチ機」と呼ばれるパチンコ機であり、一ラウンドにつき十六個の遊技球を発射し、一ラウンド内での得点に応じて景品球の払い出しが行われる。
より具体的には、遊技機1は遊技領域2の下端に横方向に並設された複数の通過チャッカー3aを有するアウト部3を備えており、ラウンドが開始されて遊技領域2に発射された遊技球は、アウト部3におけるいずれかの通過チャッカー3aを通過してアウト球として排出される。この通過チャッカー3aは、それぞれ図示しないLED等の点灯器を備えており、遊技球の通過を検知すると同点灯器を点灯させて遊技者に視認可能としつつ、遊技球を検知した通過チャッカー3aにて所定の有効ライン(例えば、五つ並び)が形成されると、その有効ラインに応じて図示しない景品球払出装置が景品球を払い出す。そして、十六個の遊技球の発射が終了すると、一旦、遊技球の発射を強制的に停止させて所定のリセット処理が施された後、次のラウンドが開始される。
【0004】
このような遊技機1においては、遊技領域2内に入った遊技球の数を検知する必要があるが、発射球の数を検知するだけでは不十分である。なぜならば、遊技領域2内に至ることなく戻ってしまう戻り球もあるからである。このため、発射した遊技球数をカウントする発射球カウント装置5と、遊技領域2まで到達せずに誘導レール4を通って戻ってきた戻り球数をカウントする戻り球カウント装置6と、発射した遊技球数から戻り球数を減算する図示しない減算器とを備え、遊技領域2に発射された正味の遊技球個数をカウントしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のカウント装置においては、次のような課題があった。
【0006】
発射した遊技球数をカウントする発射球カウント装置5と、戻り球数をカウントする戻り球カウント装置6の二種類のカウント装置とともに、上述した減算器が必要であり、構成が複雑にならざるを得なかった。
本発明は、上記課題をかんがみてなされたもので、より簡易な構成とするとともに遊技球の誤カウントの発生率を低減させることが可能なカウント装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、遊技球を遊技領域へと誘導する誘導通路の終端部位にて遊技球の当該誘導通路から同遊技領域への一方向だけの通過を許容すべく変位可能に配設された戻り防止片と、この戻り防止片の変位動作を検出する検出センサと、当該検出センサの手前部分の誘導通路における遊技球の通過を検出する通過センサとを具備し、当該通過センサによって遊技球の通過を検出してから所定時間の間に当該通過センサによって遊技球の通過を検出したときに前記所定時間の間に前記検出センサで前記戻り防止片の変位動作を検出していても遊技球をカウントせず、前記所定時間の間に前記通過センサによって遊技球の通過を検出しないときに遊技球をカウントする構成としてある。
【0008】
かかる構成とした本発明においては、上記戻り防止片は遊技球を遊技領域へと誘導する誘導通路の終端部位にて遊技球の当該誘導通路から同遊技領域への一方向だけの通過を許容するように配設されており、当該誘導通路から同遊技領域への一方向の導出だけを許容する。従って、遊技球はこの戻り防止片を通過すれば遊技領域内に入るし、一旦、遊技領域へ入れば誘導通路を通って逆戻りすることはない。一方、かかる戻り防止片は遊技球の通過時に変位し、検出センサがこの戻り防止片の変位動作を検出する。この戻り防止片の変位動作は遊技球の通過を意味し、当該部位の通過回数は遊技領域に入った遊技球の個数に一致する。
【0009】
ここにおける戻り防止片は、少なくとも遊技球を遊技領域へと導出可能としつつも、一旦、遊技領域に発射された遊技球が再び誘導通路内に入り込まないように変位可能なものであればよい。かかる戻り防止片は各種の形状とすることが可能であり、例えば、誘導通路端部に斜めに板材を配置することによってこのような戻りを防止できる。一方、斜めに板材を配置するについても同板材を撓ませて遊技球を通過せしめる半固定式のものであってもよいし、回動軸などで同板材を回動可能に支持したりしてもよい。また、板材に限らず、遊技球が入り込むことが可能な程度の凹部を有するスプロケット状の回転部材を一方向にのみ回転自在に配置するものなどでも構成できる。さらに、同戻り防止片にて誘導通路の端部を完全に塞ぐようなものであってもよいし、上記戻り防止片と誘導通路との間に遊技球が通過できない程度の隙間を残しておいてもよい。
【0010】
検出センサはこのようにして遊技球が遊技領域へと導出される毎に上記戻り防止片の変位動作を検出可能であれば良い。例えば、赤外線センサを用いて非接触に同戻り防止片の変位動作を検出しても良いし、同戻り防止片の変位動作を機械的なスイッチを用いて検出するようにしてもよい。むろん、このような検出センサの検出結果に基づいて一回の変位動作が一球の遊技球を表すものとしてカウントすればよい。例えば、この検出センサが同戻り防止片の変位動作を検出したら所定のカウンタを一ずつカウントアップする。また、このような検出センサは各種の形態で検出結果を出力することが可能であり、電気的な検出信号である他、光信号で出力するものであっても良い。
【0011】
ところで、このような検出センサの検出精度をより向上せしめるため、上記誘導通路の手前部分に遊技球の通過を検出する通過センサを設けておき、上記検出センサと上記通過センサの両センサの検出結果に基づいて判断する。
【0012】
発射された遊技球が上記戻り防止片を変位させつつも、再び誘導通路側に戻ってしまうと、誤カウントを生じることがあり得るが、通過センサと検出センサとを備える場合においては、通過センサを再度通過することになるので、この時間差を利用して先のカウントを無効にさせる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、誘導通路の遊技領域側端部で遊技球の戻りを防止する戻り防止片の変位動作を検出するようにしているため、簡易な構成で発射された遊技球数をカウントすることができるとともに、遊技球の誤カウントの発生率を低減させることが可能なカウント装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるカウント装置を適用したパチンコ機を正面図により示している。
同図において、パチンコ機10は、上述したアレパチ機と呼ばれる部類のパチンコ機であり、下方部位に遊技球の発射機構11を備え、上方部位に遊技領域12が形成されている。そして、下方の発射機構11から上方の遊技領域12へと一ラウンドにつき十六個の遊技球を発射させ、同一ラウンド内での得点に応じて景品球の払い出しが行われる。
【0015】
かかるパチンコ機10において、遊技領域12は略正方形の遊技盤13を備えており、この遊技盤13面上にて周縁部分に沿って略一周するように帯板状のガイドレール30を撓めて包囲するとともに、その内側における左方部位には所定の間隔を隔てて外周円弧状としたケーシング40を固定してある。ガイドレール30とケーシング40との間には遊技球が通過可能な程度の余裕で間隔が形成され、当該間隔が誘導通路20を構成している。なお、ケーシング40自体は正面から見て略三日月形に形成され、遊技領域12の左方における装飾部品としても機能している。
【0016】
図2は、ケーシング40を分解斜視図により示している。
同図において、ケーシング40における誘導通路20の側の側壁と遊技領域12の側の側壁とが接する上端部位には幅狭の切り欠き41を形成してあり、この切り欠き41を介して戻り防止片50が突出している。この戻り防止片50自体は、上端の止め板部51と下端の遮光部52と中程で両者を接続する胴部53とから構成されており、上記ケーシング40の内側であって上記切り欠き41の近傍に形成された回動軸42を上記胴部53に形成した貫通孔53aに貫通させ、所定角度範囲内で回動可能となっている。すなわち、板状の止め板部51が切り欠き41から外部に突き出ているが、この切り欠き41の隙間の方が上記止め板部51の厚みよりも広くなっており、その余裕部分で回動可能となっている。
【0017】
ここにおいて、止め板部51は回動範囲における半時計周り方向の終端位置にあるときに上記誘導通路20の終端開口部分を斜めに塞いでおり、時計周り方向の終端位置にあるときに遊技球が十分に通過可能な程度の開口を形成できる回動範囲となっている。また、胴部53における下方寄り部分には短円柱状の重り53bを保持せしめてあり、当該戻り防止片50は回動軸42を中心として回動可能とされつつも、図3に示すようにこの重り53bは上記止め板部51が誘導通路20を塞ぐような回動位置に保持されるように付勢している。戻り防止片50の回動範囲とこの付勢方向との両方の作用により、図4に示すように遊技球は誘導通路20の側から遊技領域12内へ出ていくことは可能であるものの、逆に遊技領域12から誘導通路20の内部に戻ることはほぼ不可能となっている。
【0018】
本実施形態においては、戻り防止片50の胴部53に重り53bを保持せしめて当該戻り防止片50を遊技球の後退方向に配向せしめているが、誘導通路20の終端部位にて遊技球が遊技領域12の側へと出ていく方向だけの通過を許容するように変位可能なものであればよい。従って、回動可能に支持されるものに限らず、例えば、弾性を有するバネ板片をケーシング40の上端からガイドレール30の側に向かって斜めに突き出るように保持するだけでも構わない。また、回動可能に支持する場合であっても、重り53bで付勢するのではなく、例えば、図5に示すもののように、弦巻バネ54の一端をケーシング40の内壁面に固定するとともに他端を戻り防止片50に固定して所定方向に付勢することも可能である。
【0019】
ケーシング40内には上記戻り防止片50の回動動作を検出する光透過型のフォトインタラプタ60を備えている。このフォトインタラプタ60は検出センサを構成するものであり、図6に示すように概略コの字形に形成され、その内周面における相対面する側壁の一方には赤外線を発する発光ダイオード61を収容するとともに、他方の側壁にはフォトトランジスタ62を収容している。このようにして発光ダイオード61の発光部とフォトトランジスタ62の受光部とを互いに対面させて配設することにより、発光ダイオード61の発する赤外線をフォトトランジスタ62が受光すると当該フォトトランジスタ62が導通するし、間を遮られたときには同フォトトランジスタ62が非導通となる。
【0020】
このフォトインタラプタ60はケーシング40内にて上記戻り防止片50の下方側に配置されており、より詳しくは当該フォトインタラプタ60におけるコの字状の溝部63に上記戻り防止片50の下端に形成した遮光部52が入り込むようになっている。ここにおいて、上記戻り防止片50の回動動作に伴って当該遮光部52は上記発光ダイオード61の発光部とフォトトランジスタ62の受光部との間に入り込んだり、あるいは両者間からは外れた位置へ変位するようになっている。
【0021】
このような位置にフォトインタラプタ60を配置することにより、遊技球の導出過程において戻り防止片50が回動すると、フォトトランジスタ62は発光ダイオード61から発せられた赤外線を受光して導通し、遊技球の導出が終了して戻り防止片50が元の位置に戻ると、赤外線の光路が遮断されて非導通となる。すなわち、フォトインタラプタ60は戻り防止片50の回動動作を検出する毎に一つのパルスを発生させ、当該パルスをカウントすることにより遊技領域へと導出された遊技球をカウントすることが可能となる。
【0022】
本実施形態においては、検出センサとしてフォトインタラプタ60を用いているが、少なくとも戻り防止片50の変位動作を検出することができればいかなるセンサであってもよく、必ずしもかかる構成にとらわれる必要はない。例えば、機械的なスイッチ機構を用いたマイクロスイッチを配設し、戻り防止片50で押し込むことによって変位動作を検出させてパルスを発生させることも可能であるし、フォトインタラブタ60の代わりにリードスイッチを配設するとともに、重りの役目とリードスイッチの駆動とを兼用する磁石を遮光部52に保持させるようにしてもよい。また、誘導通路20を構成するケーシング40内に戻り防止片50とフォトインタラプタ60とを組み付けて一体的に構成しているが、むろん、それぞれを別体として構成することも可能であり、必ずしもかかる構成にとらわれる必要はない。
【0023】
ところで、ケーシング40における誘導通路20側の中程には幅広の切り欠き43を形成するとともに、当該切り欠き43の内側近傍に回動軸44を形成してある。また、この回動軸44に対して、図7に示す回動片70を回動可能に支持させている。回動片70は、上記切り欠き43から上記誘導通路20の側へと突き出る板状の爪部71と、平板状の遮光部72と、これらの爪部71と遮光部72とを互いに反対方向に突出させつつ連結する胴部73からなり、同胴部73に形成された貫通孔73aに上記回動軸44を貫通せしめて支持されている。
【0024】
ここにおいて、回動片70は、胴部73の下方に保持せしめた重り73bの重力を利用して爪部71がケーシング40の外周面から略直角に突出する位置に待機せしめてあり、この待機位置から時計周り方向及び反時計周り方向に所定範囲だけ回動可能となっている。そして、回動片70が回動するにつれて誘導通路20へ突き出る部分が短くなり、最終的には遊技球が同誘導通路20を通過するのに支障がないようにケーシング40内に入っていく。
【0025】
また、かかる回動片70に対しても上述したのと同様の概略コの字形のフォトインタラプタ80を用意してある。すなわち、コの字形の溝部83が遮光部72の回動経路を挟み込むようにして配置され、図7に示すように爪部71が水平の状態では遮光部72がフォトインタラプタ80の間を遮断するとともに、図8に示すように爪部71が時計周り方向に回動したときに同フォトインタラプタ80間から待避する。従って、切り欠き43部分を遊技球が通過する度に、回動片70は遊技球の進退方向に往復動を繰り返し、この往復動に伴ってフォトインタラプタ80は非導通と導通とを繰り返して断続的なパルスを生成する。
【0026】
すなわち、誘導通路20を遊技球が通過するときに回動片70は所定範囲で回動し、この回動動作をフォトインタラプタ80にて検出可能となっているので、両者によって通過センサを構成しているといえる。
検出センサとしてのフォトインタラプタ60と通過センサとしてのフォトインタラプタ80は、図9のブロック図に示すカウント演算装置90に接続されている。このカウント演算装置90は、タイマーパルス発生器91と、ANDゲート92と、カウント制御装置93とから構成されている。タイマーパルス発生器91は図10(a)に示すフォトインタラプタ80からの出力パルスを検出すると、同図(c)に示す所定持続時間のタイマーパルスを発生させる。ここにおけるパルスの持続時間は、発射機構11より遊技領域12まで導出される遊技球が回動片70を回動せしめてから戻り防止片50を回動せしめるまでの平均的な計測時間よりもやや長めの時間を設定してある。ただし、遊技球の連続発射間隔よりも十分に短くなっている。なお、フォトインタラプタ80についてはフォトインタラプタ60と出力極性が反対となるようにしてあり、カウント演算装置90内で極性反転させている。
【0027】
ANDゲート92はフォトインタラプタ60からの出力パルスとタイマーパルス発生器91からの出力パルスとを入力として両出力パルスでAND条件をとり、その結果が「真」のときに所定のパルスを発生する。従って、ANDゲート92は図10(b)に示すフォトインタラプタ60からの出力パルスが同図(c)に示すタイマーパルスのパルス幅に含まれるときに同図(d)に示すように同図(b)と全く同形のパルスを発生する。
【0028】
カウント制御装置93は、二つの入力端子93a,93bを備えており、一方の入力端子93aには上記ANDゲート92の出力信号を入力し、他方の入力端子93bにはフォトインタラプタ80の出力信号を入力している。そして、カウント制御装置93は入力端子93a,93bを監視し、入力端子93aにパルスを検出したときに図示しないレジスタ等からなる所定のカウンタを一だけカウントアップして遊技玉をカウントする。そして、一ラウンド分の遊技球数である十六個の遊技球をカウントすると、所定のリセット信号を送出してラウンドを終了させる。ただし、カウント制御装置93は、入力端子93aでパルスを検出してから内部で計時し、所定時間以内に入力端子93bにパルスを検出したら遊技球の数をカウントしないようにしている。むろん、この所定時間とは遊技球が戻り防止片50から回動片70まで戻るのに必要な時間である。
【0029】
本来、カウント演算装置90としては、フォトインタラプタ60の出力をカウントするだけでも可能であるが、そのままカウントしてしまうとすると、ノイズをパルスと誤認してカウントしてしまうこともあり得る。しかしながら、タイマーパルス発生器91とANDゲート92とを使用して、二つのフォトインタラプタ80,60がある時間差をおいてパルスを出力しないとANDゲート92がパルスを出力しないようにしているため、そのような誤認は極めて少ないといえる。
【0030】
一方、遊技球の打ち出しが弱いときには戻り防止片50にまでは至って回動動作させたものの遊技領域12には入ることができずに戻ってしまうこともある。このような場合に入力端子93aの入力信号だけを使用していればカウントしてしまい、この誤カウントがある場合には遊技者は十五球以下でラウンドが終了してしまうことになり、信用を損ねてしまいかねない。
図10(e)に示すパルスは、打ち出しが弱い場合のフォトインタラプタ80の発生するパルスを示しており、この場合、同図(d)に示すANDゲート92のパルスから所定時間内にフォトインタラプタ80の発生するパルスが再度入力端子93bに入力される。カウント制御装置93は入力端子93bを監視し、その場合にはカウントしないようにするので、誤カウントの発生率を低減している。
【0031】
なお、このような遊技玉のカウントを制御する技法としては、上述したような複数のハードウェアを組み合わせて行うもののほか、コンピュータプログラムを用いて行うことも可能であり、適宜変更してもかまわない。殊に、遊技機においては、遊技内容を制御するプログラムを実行するためのCPU等のプログラム実行環境を備えているため、かかる環境を積極的に利用すれば好適である。
より具体的には、図11のフローチャートに示すプログラムを所定のプログラム実行環境のもとで実行せしめることを考慮すればよい。同図において、ステップS101にてプログラムの内部変数であるカウンタをゼロクリアし、ステップS102にてフォトインタラプタ60,80の出力パルスに基づいてカウントアップする。すなわち、当該プログラムにてフォトインタラプタ60,80の出力パルスを監視し、フォトインタラプタ80の出力パルスを検出した後、ソフトウェアタイマーを起動する。そして、このソフトウェアタイマーを終了する前にフォトインタラプタ60の出力パルスを検出すれば上記カウンタを一だけカウントアップする。この後、上述したものとは別のソフトウェアタイマーを起動し、同ソフトウェアタイマーの終了前にフォトインタラプタ80の出力パルスを検出すれば直前のカウントアップをキャンセルする。かかる制御体系とすることにより上述した複数のハードウェアを組み合わせたものと同様の制御を行うことができる。
【0032】
このようにしてカウントアップされるカウンタは、ステップS103にてその値が「16」になったか否かが判断され、同カウンタ値が「16」となるまでステップS102及びステップS103をループする。そして、同カウンタ値が「16」となるとステップS104にて所定のリセット信号を送出してリセット処理を実行せしめた後、ステップS101へとループバックして同様の処理を実行する。
【0033】
次に、本実施形態の動作を説明する。
遊技球が発射機構11より発射されると、概略円弧状に形成された誘導通路20に沿って進み、ケーシング40の背面側の円弧状壁面に形成された切り欠き43の中程にて回動片70の爪部71に当接する。そして、遊技球は爪部71を引っかけつつ回動片70を遊技球の進行方向に回動させ、さらに遊技領域12側へ進む。そして、遊技球が通過した後、回動片70の胴部73に保持せしめた重り73bの作用により、回動片70は元の位置に回動して戻る。
【0034】
このように回動片70は遊技球が切り欠き43を通過する毎に、往復動を繰り返し、この動作に付随して遮光部72がフォトインタラプタ80の赤外線光路を遮断したり、開放したりする。すると、フォトインタラプタ80は赤外線光路が開放されたときに導通し、全体としてパルスを生成する。
一方、切り欠き43を通過した遊技球はケーシング40の遊技領域側の端部に形成された戻り防止片50に到達する。この戻り防止片50はケーシング40の壁面に形成された切り欠き41を介して止め板部51のみがケーシング40の外部に突出しており、胴部53に保持せしめた重り53bの重力を利用して止め板部51が切り欠き41の一方の開口端に突き当たって止まっている。そして、遊技球は止め板部51に当接して戻り防止片50を遊技球の進行方向に回動させ、遊技領域12へと導出される。このようにして、一旦、遊技球が遊技領域12へと導出されると、戻り防止片50は重り53bの重力により元の位置へと回動して戻るため、戻り防止片50は遊技球が通過する度に遊技球の進退方向への往復動を繰り返す。
【0035】
むろん、一旦、遊技領域12に導出された遊技球が再び誘導通路20側に入り込もうとしても止め板部51に当たってしまうし、この戻り防止片50はそれ以上誘導通路20側に回動することはないので遊技球の戻りを防止することができる。
また、この戻り防止片50についても、回動動作を検出するフォトインタラプタ60が設置されており、上述したようにして戻り防止片50の回動動作に付随してパルスを発生させる。
【0036】
カウント演算装置90のタイマーパルス発生器91は、フォトインタラプタ80の出力を入力としてパルスを検出する毎に所定持続時間のパルス信号を発生するし、ANDゲート92はフォトインタラプタ60の出力とタイマーパルス発生器の出力とでAND条件をとり、その結果が「真」のときにパルスを発生する。また、カウント制御装置93は二つの入力端子93a,93bを備えており、基本的には入力端子93aでのパルスを検出して遊技球をカウントしつつも、遊技球が戻ってしまって入力端子93bで再度パルスを検出してしまった場合だけはカウントしないようにする。
【0037】
そして、カウント演算装置90が十六個の遊技球をカウントすると、所定のリセット信号を送出してラウンドを終了させるとともに、次のラウンドの遊技球のカウントを開始する。
このように、誘導通路20における遊技領域12の側の終端には、切り欠き41によって回動幅を制限された戻り防止片50を配設し、遊技球が誘導通路20から遊技領域12に入る方向にだけ通過可能にしてあるとともに、このときの戻り防止片50の変位動作をフォトインタラプタ60にて検出しているので、機械的に簡易な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるカウント装置を適用したパチンコ機の正面図である。
【図2】ケーシングの分解斜視図である。
【図3】戻り防止片の側面図である。
【図4】遊技球の導出過程における戻り防止片の側面図である。
【図5】変形例にかかる戻り防止片の斜視図である。
【図6】フォトインタラプタの斜視図である。
【図7】回動片の側面図である。
【図8】遊技球の通過過程における回動片の側面図である。
【図9】カウント演算装置のブロック図である。
【図10】各信号のパルス波形を示すタイミングチャートである。
【図11】遊技玉のカウントを行うプログラムのフローチャートである。
【図12】従来例にかかるカウント装置を適用したパチンコ機の正面図である。
【符号の説明】
10…パチンコ機
20…誘導通路
30…ガイドレール
40…ケーシング
50…戻り防止片
60…フォトインタラプタ
70…回動片
80…フォトインタラプタ
90…カウント演算装置
Claims (1)
- 遊技球を遊技領域へと誘導する誘導通路の終端部位にて遊技球の当該誘導通路から同遊技領域への一方向だけの通過を許容すべく変位可能に配設された戻り防止片と、
この戻り防止片の変位動作を検出する検出センサと、
当該検出センサの手前部分の誘導通路における遊技球の通過を検出する通過センサとを具備し、
当該通過センサによって遊技球の通過を検出してから所定時間の間に当該通過センサによって遊技球の通過を検出したときに前記所定時間の間に前記検出センサで前記戻り防止片の変位動作を検出していても遊技球をカウントせず、前記所定時間の間に前記通過センサによって遊技球の通過を検出しないときに遊技球をカウントすることを特徴とするカウント装置。
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