JP4056692B2 - ポリオレフィン樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物およびそのフィルムに関し、さらに詳しくは、成形品特にフィルムの帯電防止性および物理的・機械的物性を損なうことなく、成形時の帯電防止剤およびその成分による揮発が少なく、揮発物の堆積によるフィルムの成形不良を低減し、外観に優れたフィルムを得るのに好適なポリオレフィン樹脂組成物およびそのフィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
フィルムたとえば2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム用帯電防止剤としては、一般的にOPPフィルムのエージング時の効果(帯電防止効果)を有するアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルを主体として、一般性状(アンチブロッキング性、スリップ性、透明性等)に優れる脂肪酸グリセリンエステル、帯電防止効果を向上させる脂肪族ジエタノールアミンやアルキルベタイン等が併用されている。
【0003】
しかしながら、脂肪酸グリセリンエステルは、成形時等の加熱および併用する脂肪族ジエタノールアミンとのエステル交換反応によりグリセリンが遊離し、OPPフィルム成形加工時の発煙の原因となる。遊離したグリセリンの発煙は、テンター等の設備に異物として堆積し、フィルムの成形不良の原因となる。また、この発煙は、作業環境に悪影響を及ぼす虞がある。
【0004】
また、脂肪族ジエタノールアミンは、アルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルの併用成分として、帯電防止効果に優れているが、そのアミン価が高いために、原料保管中やフィルム成形加工中のポリオレフィン樹脂の加熱により、ポリオレフィン樹脂を劣化させ黄変等の原因となることがある。また、脂肪族ジエタノールアミンは、塩基性の成分であるため、脂肪酸グリセリンエステルとのエステル交換反応により、遊離グリセリンの発生原因となる。
【0005】
したがって、低発煙性および耐熱性に優れた帯電防止剤、すなわちエステル分解の促進が少なく、揮発性の低い帯電防止剤を開発し、その帯電防止剤を用いて、成形品特にフィルムの帯電防止性および物理的・機械的物性を損なうことなく、成形時の帯電防止剤およびその成分による揮発が少なく、揮発物の堆積によるフィルムの成形不良を低減し、外観の優れたフィルムを成形できるポリオレフィン樹脂組成物およびそのフィルムの出現が望まれている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、低発煙性および耐熱性に優れた帯電防止剤、すなわちエステル分解の促進が少なく、揮発性の低い帯電防止剤を開発し、その帯電防止剤を用いて、成形品特にフィルムの帯電防止性および物理的・機械的物性を損なうことなく、成形時の帯電防止剤およびその成分による揮発が少なく、揮発物の堆積によるフィルムの成形不良を低減し、外観に優れたフィルムを成形できるポリオレフィン樹脂組成物およびそのフィルムを提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、
ポリオレフィン樹脂(A)100重量部と、
高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)0.005〜1重量部
を含有し、
さらに、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物を合計0.005〜2重量部含有してなることを特徴としている。
【0008】
本発明に係るフィルムは、
未延伸または延伸フィルムであって、
ポリオレフィン樹脂(A)100重量部と、
高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)0.005〜1重量部と
を含有し、
さらに、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物を合計0.005〜2重量部含有するポリオレフィン樹脂組成物から形成されてなることを特徴としている。
【0009】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)としては、第2級高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)が好ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物およびそのフィルムについて具体的に説明する。
ポリオレフィン樹脂組成物
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)とを含有し、さらに、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物を含有している。
【0011】
本発明においては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とを含有する組成物は、帯電防止剤として用いられる。
【0012】
[ポリオレフィン樹脂(A) ]
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(A)としては、ポリオレフィンフィルムに従来より使用されているポリオレフィン樹脂であれば特に制限はなく、たとえばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、長鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、ポリブテン、ポリ4-メチル-1- ペンテン、およびエチレンもしくはプロピレンと他のα- オレフィンとの共重合物などが挙げられる。中でも、透明性、剛性等のバランスに優れるポリプロピレン樹脂が好ましい。
【0013】
また、ポリオレフィン樹脂組成物100重量%に対し、30重量%以下の範囲でポリオレフィン樹脂(A)以外の樹脂、フィラー等が添加されていても良い。
[ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)]
本発明で用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)は、高級アルコールに(すなわち脂肪族アルキル基を少なくとも1個好ましくは2個有する高級アルコールに)、エチレンオキサイドが3〜20モル付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテルである。
【0014】
ここに、上記の「高級アルコール」とは、炭素原子数6以上の脂肪族アルコールを意味する。本発明における高級アルコールとしては、炭素原子数12〜14の脂肪族アルコールが好ましい。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)は、下記一般式[1]で表わされる。
【0015】
【化1】
【0016】
一般式[I]において、m+nは9〜11の整数であり、xは3〜20の整数である。
一般式[1]で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)((B1)を含む)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のようなポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)は、従来公知の方法により調製することができる。
本発明においては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.02〜0.3重量部の割合で用いられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)を上記のような割合で多価アルコール脂肪酸エステル(C)と併用することにより、従来から用いられている脂肪族ジエタノールアミンと同様に帯電防止効果を高める効果が得られる。そのため、帯電防止剤として脂肪族ジエタノールアミンの使用を抑えられ、その結果、グリセリン脂肪酸エステルと脂肪族ジエタノールアミンとのエステル交換反応によって起こる遊離グリセリン量は低減され、低揮発性を実現させることができる。
【0028】
また、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)とを含有している場合、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、通常0.005〜0.8重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.02〜0.3重量部の割合で用いられる。ただし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)との合計量は、0.005〜1.5重量部である。ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)を上記のような割合で用いると、フィルムに成形した際に帯電防止性および物理的・機械的物性を損なうことなく、成形時の帯電防止剤およびその成分による揮発がより少なく、揮発物の堆積によるフィルムの成形不良をより低減し、外観に優れたフィルムを成形することができる。このポリオレフィン樹脂組成物は、脂肪族ジエタノールアミン(E)を含んでいないので、多価アルコール脂肪酸エステル(C)たとえば脂肪酸グリセリンエステルと脂肪酸ジエタノールアミン(E)とのエステル交換反応によりグリセリンの遊離を低減することができる。
【0029】
[多価アルコール脂肪酸エステル(C)]
本発明で必要に応じて用いられる多価アルコール脂肪酸エステル(C)は、たとえば下記の一般式[2]で表わされる脂肪酸グリセリンエステル、または下記一般式[3]で表わされる脂肪酸ジグリセリンモノエステルである。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
一般式[2]および[3]において、Rは、水素原子もしくは炭素原子数8〜22脂肪酸残基である。
上記一般式[2]で表わされる脂肪酸グリセリンエステルとしては、具体的には、ウンデカン酸グリセリンエステル、グリセリンラウレート、グリセリンミリステート、グリセリンパルミテート、グリセリンステアレートなどが挙げられる。中でも、グリセリンステアレートが好ましい。
【0033】
一般式[2]で表わされる脂肪酸グリセリンエステルは、モノエステル単独、あるいはモノエステルとジエステル、トリエステルとの混合物でもかまわない。
上記一般式[3]で表わされる脂肪酸ジグリセリンモノエステルとしては、具体的には、ウンデカン酸ジグリセリンモノエステル、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレートなどが挙げられる。中でも、ジグリセリンモノステアレートが好ましい。
【0034】
多価アルコール脂肪酸エステル(C)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のような多価アルコール脂肪酸エステル(C)は、従来公知の方法で調製することができる。
本発明においては、多価アルコール脂肪酸エステル(C)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜0.8重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部、さらに好ましくは0.2〜0.3重量部の割合で用いられる。ただし、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)と、脂肪族ジエタノールアミン(E)と、脂肪酸ジエタノールアミド(F)との合計量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜2重量部である。多価アルコール脂肪酸エステル(C)を上記割合で用いると、フィルムの一般性状(アンチブロッキング性、スリップ性、透明性等)に優れたものができる。
【0035】
また、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)とを含有している場合、多価アルコール脂肪酸エステル(C)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、通常0.005〜0.8重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.02〜0.3重量部の割合で用いられる。ただし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)との合計量は、0.005〜1.5重量部である。多価アルコール脂肪酸エステル(C)を上記割合で用いると、フィルムの一般性状(アンチブロッキング性、スリップ性、透明性等)に優れたものができる。
【0036】
[脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)]
本発明で用いられる脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)は、下記の一般式[4]で表わされる。
【0037】
【化14】
【0038】
一般式[4]において、R1は、炭素原子数14〜20のアルキル基であり、R2は、炭素原子数10〜20のアルキル基である。
R1の炭素原子数14〜20のアルキル基としては、具体的には、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。中でも、オクタデシル基(ステアリル基)が好ましい。
【0039】
R2の炭素原子数10〜20のアルキル基としては、具体的には、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。中でも、ヘプタデシル基が好ましい。
上記一般式[4]で表わされる脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)としては、具体的には、
テトラデシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノウンデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノラウリン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノドデシル酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノミリスチン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノペンタデシル酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノパルミチン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノヘキサデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノヘプタデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノオクタデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノオクタデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノオクタデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノオクタデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノステアリン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノオクタデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノオクタデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノノナデカン酸エステル、テトラデシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステル、ペンタデシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステル、ヘキサデシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステル、ヘプタデシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステル、オクタデシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステル、ノナデシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステル、エイコシルジエタノールアミン- モノエイコサン酸エステルなどが挙げられる。中でも、オクタデシルジエタノールアミン- モノステアリン酸エステル(ステアリルジエタノールアミンステアレート)が好ましい。
【0040】
脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のような脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)は、従来公知の方法により調製することができる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)と、必要に応じて、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とを含有している場合、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.2重量部、さらに好ましくは0.3〜0.9重量部の割合で用いられる。ただし、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)と、脂肪族ジエタノールアミン(E)と、脂肪酸ジエタノールアミド(F)との合計量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜2重量部である。脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)を上記割合で用いると、フィルムのエージング時の効果(帯電防止効果)の発現に優れたフィルムを成形できるポリオレフィン樹脂組成物が得られる。しかも、脂肪族ジエタノールアミンと同量の使用でも、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステルの方がアミン価が抑えられ、グリセリン脂肪酸エステルの分解を抑えることができるため、低揮発性のフィルムを得ることができる。
【0041】
また、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)とを含有している場合、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、通常0.005〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1.2重量部、さらに好ましくは0.3〜0.9重量部の割合で用いられる。ただし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)との合計量は、0.005〜1.5重量部である。脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)を上記割合で用いると、フィルムのエージング時の効果(帯電防止効果)の発現に優れたフィルムを得るのに好適なポリオレフィン樹脂組成物が得られる。
【0042】
[脂肪族ジエタノールアミン(E)]
本発明で用いられる脂肪族ジエタノールアミン(E)は、下記の一般式[5]で表わされる。
【0043】
【化15】
【0044】
一般式[5]において、R3は、炭素原子数12〜20のアルキル基である。
R3の炭素原子数12〜20のアルキル基としては、具体的には、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(パルミチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。中でも、ステアリル基が好ましい。
【0045】
上記一般式[5]で表わされる脂肪族ジエタノールアミン(E)としては、具体的には、ドデシルジエタノールアミン、トリデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ペンタデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン、ヘプタデシルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ノナデシルジエタノールアミン、エイコシルジエタノールアミンなどが挙げられる。中でも、ステアリルジエタノールアミンが好ましい。
【0046】
脂肪族ジエタノールアミン(E)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、脂肪族ジエタノールアミン(E)と、必要に応じて、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とを含有している場合、脂肪族ジエタノールアミン(E)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0〜0.8重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部、さらに好ましくは0.1〜0.3重量部の割合で用いられる。ただし、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)と、脂肪族ジエタノールアミン(E)と、脂肪酸ジエタノールアミド(F)との合計量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜2重量部である。脂肪族ジエタノールアミン(E)を上記割合で用いると、ポリオレフィン樹脂(A)の帯電防止効果を高めることができ、帯電防止性に優れたフィルムを得るのに好適なポリオレフィン樹脂組成物が得られる。
【0047】
[脂肪酸ジエタノールアミド(F)]
本発明で用いられる脂肪酸ジエタノールアミド(F)は、下記の一般式[6]で表わされる。
【0048】
【化16】
【0049】
一般式[6]において、R4は、炭素原子数11〜19のアルキル基である。
R4の炭素原子数11〜19のアルキル基としては、具体的には、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基などが挙げられる。中でも、オクタデシル基が好ましい。
【0050】
上記一般式[6]で表わされる脂肪酸ジエタノールアミド(F)としては、具体的には、ラウリン酸ジエタノールアミド、トリデシル酸ジエタノールアミド、ペンタデシル酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ヘプタデシル酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ノナデカン酸ジエタノールアミド、アラキン酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。中でも、ステアリン酸ジエタノールアミドが好ましい。
【0051】
脂肪酸ジエタノールアミド(F)は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のような脂肪酸ジエタノールアミド(F)は、従来公知の方法により調製することができる。
本発明においては、脂肪酸ジエタノールアミド(F)は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0〜0.8重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部、さらに好ましくは0.1〜0.3重量部の割合で用いられる。ただし、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)と、脂肪族ジエタノールアミン(E)と、脂肪酸ジエタノールアミド(F)との合計量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜2重量部である。脂肪酸ジエタノールアミド(F)を上記割合で用いると、帯電防止効果を高めることができる。
【0052】
ポリオレフィン組成物の調製方法
本発明に係るポリオレフィン組成物の調製方法については、特に制限されないが、たとえば以下のような調製方法が挙げられる。
すなわち、本発明に係るポリオレフィン組成物は、上述したポリオレフィン樹脂(A)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とを上述した割合でドライブレンド、またはヘンシェルミキサーもしくはタンブラーミキサー等により、溶融混練する前に適度に配合成分を分散させた後、必要に応じて単軸または二軸混練機にて溶融混練し、ペレット化することにより得られる。
【0053】
また、本発明に係るポリオレフィン組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)、多価アルコール脂肪酸エステル(C)および脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)を上述した割合でドライブレンド、またはヘンシェルミキサーもしくはタンブラーミキサー等により、溶融混練する前に適度に配合成分を分散させた後、必要に応じて単軸または二軸混練機にて溶融混練し、ペレット化することにより得られる。
【0054】
なお、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物中に、必要に応じて、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤などを、本発明の目的を損なわない範囲内で添加することができる。
フィルム
本発明に係るフィルムは、上記の、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物からなる未延伸または延伸フィルム(シートも含む)である。
【0055】
この未延伸フィルムは、たとえば上記のようにして得られたポリオレフィン樹脂組成物を混合後、直接フィルム成形機によりフィルム成形する方法、あるいはポリオレフィン樹脂組成物を一旦ペレット化した後、このペレットを再度溶融混練し、インフレーション成形法またはT−ダイ成形法によりフィルム(ないしシート)成形することにより得ることができる。
【0056】
また、延伸フィルムは、たとえば上記フィルム成形後、二軸延伸することにより得ることができる。
上記フィルムの二軸延伸方法としては、従来より通常に行なわれているポリオレフィン樹脂フィルムの二軸延伸方法、たとえば同時二軸延伸法や逐次二軸延伸法等を採用することができる。この同時二軸延伸法には、テンター法(フラット法)とブローン法(チューブラー法)があるが、いずれの方法でもよい。
【0057】
また、延伸倍率は、特に決まっているわけではないが、少なくとも目的とする用途に要求される物性を十分に満足させることができる程度の倍率に延伸しておく必要がある。
【0058】
【発明の効果】
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物を構成する、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とからなる帯電防止剤は、低発煙性、耐熱性および外観に優れている。
【0059】
特に第2級高級アルコールに、エチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)とからなる帯電防止剤は、低発煙性、耐熱性および低揮発性により優れている。
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)に上記の帯電防止剤が配合されているので、フィルム成形をはじめ、シート成形、射出成形、中空成形等により成形品が安定して得られ、得られる成形品の帯電防止性および物理的・機械的物性も損なわれない。成形時の帯電防止剤およびその成分による揮発が少なく、揮発物の堆積による成形物の成形不良を低減し、外観に優れた成形品を成形することができる。中でも、その効果は、フィルムを高温下で延伸する際に発する。
【0060】
本発明に係るフィルムは、上記の、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物から成形されているので、帯電防止性および物理的・機械的物性に優れている。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例、参考例および比較例で用いたポリオレフィン樹脂等の成分は、次の通りである。
ポリオレフィン樹脂(A)
○ホモポリプロピレン(PP)
・メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)=2g/10分
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)
○ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(炭素原子数12〜14の第2級高級アルコール(ラウリルアルコール、トリデシルアルコールおよびミリスチルアルコールの混合アルコールに、エチレンオキサイドが5モル付加されたアルキルエーテル混合物)(b)
多価アルコール脂肪酸エステル(C)
○ステアリン酸モノグリセライド(c)
脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)
○ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)
脂肪族ジエタノールアミン(E)
○ステアリルジエタノールアミン(e)
脂肪酸ジエタノールアミド(F)
○ステアリン酸ジエタノールアミド(f)
アルキルベタイン
○アルコキシアルキル−ジ(ヒドロキシアルキル)−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン(g)
また、フィルムの表面固有抵抗(Ω)および揮発量(mg)の測定は、下記の方法に従って行なった。
(1)表面固有抵抗(Ω)の測定方法
高抵抗絶縁試験機(アドバンス社製、R8340A)を用い、フィルムを主電極と対向電極との間に挟み、JIS-K-6911に従って印加電圧500Vにて測定する。
(2)揮発量(mg)の測定方法
図1に示すように、外径90φmm、内径85φmm、高さ(全長)190mm、深さ(ビーカー内の高さ)185mmのガラス製トールビーカー1に、ペレット200gを入れる。
【0062】
次に、ビーカー1上面をアルミ箔(市販のアルミホイル、サイズ100〜130mm角(ビーカー1の上面を覆う程度のサイズ))2で蓋をし、ガラス板(125mm×125mm×厚さ3mm)3を介して冷却水(21℃)を循環させた冷却板4にて、アルミ箔2を冷却する。この状態で、ビーカー1を、160℃のオイルバス5に、ビーカー1底部から130mmの位置まで入れ24時間放置する。放置後に、アルミ箔2に付着した揮発物の重量を測定する。
【0063】
【実施例1】
ポリオレフィン樹脂(A)としてホモポリプロピレン(PP)100重量部と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)としてポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)0.1重量部と、多価アルコール脂肪酸エステル(C)として上記ステアリン酸モノグリセライド(c)0.2重量部と、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)として上記ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)0.4重量部と、脂肪族ジエタノールアミン(E)として上記ステアリルジエタノールアミン(e)0.1重量部とをヘンシェルミキサーにて混合した後、ペレタイザーを備えた二軸押出機を用いて樹脂温度240℃で溶融混練し、ペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を得た。
【0064】
得られたポリプロピレン樹脂組成物からT−ダイ成形後、逐次二軸延伸によりフィルム成形し、厚み20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0065】
【実施例2】
実施例1において、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)の配合量を0.3重量部、ステアリン酸モノグリセライド(c)の配合量を0.4重量部、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を0.7重量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0066】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0067】
【参考例】
実施例1において、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)の配合量を0.5重量部、ステアリン酸モノグリセライド(c)の配合量を0.6重量部、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を1.0重量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0068】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0069】
【実施例3】
実施例1において、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)の配合量を0.3重量部、ステアリン酸モノグリセライド(c)の配合量を0.4重量部、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を0.7重量部にそれぞれ変更し、ステアリルジエタノールアミン(e)0.1重量部の代わりに、ステアリン酸ジエタノールアミド(f)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0070】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0071】
【実施例4】
実施例1において、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を0.5重量部に変更し、かつ、ステアリルジエタノールアミン(e)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0072】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0073】
【実施例5】
実施例1において、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)の配合量を0.2重量部、ステアリン酸モノグリセライド(c)の配合量を0.4重量部、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を0.9重量部にそれぞれ変更し、かつ、ステアリルジエタノールアミン(e)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0074】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0075】
【比較例1】
実施例1において、ステアリルジエタノールアミン(e)の配合量を0.2重量部に変更し、かつ、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0076】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0077】
【比較例2】
実施例1において、ステアリン酸モノグリセライド(c)の配合量を0.4重量部、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を0.8重量部、ステアリルジエタノールアミン(e)の配合量を0.3重量部にそれぞれ変更し、かつ、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0078】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0079】
【比較例3】
実施例1において、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)0.1重量部の代わりに、アルキルベタインとして上記アルコキシアルキル−ジ(ヒドロキシアルキル)−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン(g)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0080】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0081】
【比較例4】
実施例1において、ステアリン酸モノグリセライド(c)の配合量を0.4重量部、ステアリルジエタノールアミンステアレート(d)の配合量を0.8重量部に変更し、かつ、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル(b)0.1重量部の代わりに、アルキルベタインとして上記アルコキシアルキル−ジ(ヒドロキシアルキル)−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン(g)0.2重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0082】
得られたフィルムについて、表面固有抵抗および揮発量を上記方法に従って測定した。これらの結果を第1表に示す。
【0083】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(a)は揮発量の測定に用いられるトールビーカーの斜視図であり、(b)は揮発量の測定に用いられるアルミ箔の平面図であり、(c)は揮発量の測定に用いられるガラス板の斜視図であり、(d)は揮発量の測定に用いられる冷却板の斜視図であり、(e)は揮発量の測定方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1・・・ トールビーカー
2・・・ アルミ箔
3・・・ ガラス板
4・・・ 冷却板
5・・・ オイルバス
Claims (2)
- ポリオレフィン樹脂(A)100重量部と、
高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)0.005〜1重量部を含有し、
さらに、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物を合計0.005〜2重量部含有してなるポリオレフィン樹脂組成物であって、
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)が、第2級アルコールの高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)であることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。 - ポリオレフィン樹脂(A)100重量部と、
高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)0.005〜1重量部を含有し、
さらに、多価アルコール脂肪酸エステル(C)、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル(D)、脂肪族ジエタノールアミン(E)および脂肪酸ジエタノールアミド(F)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物を合計0.005〜2重量部含有するポリオレフィン樹脂組成物から形成されてなる、未延伸または延伸フィルムであって、
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)が、第2級アルコールの高級アルコールにエチレンオキサイドが付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテル(B1)であることを特徴とするフィルム。
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