JP6980954B2 - マスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを加工した成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、消臭性、抗菌性、防カビ性、防藻性、帯電防止性、及び難燃性など機能性の高いマスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法に関する。
従来から、ポリマーブレンド及びポリマーコンパウンドは様々な方法が提案されている。例えば特許文献1には、界面活性剤のノニオン部分がエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイドであるノニオン系アルキル界面活性剤が、成型物表面に0.2〜1.0wt%、成型物内部に0.1〜1.0wt%含有され、成形体表面近傍に多く微分散したポリエチレンを0.5〜10wt%含有する親水性の付与を目的としたポリプロピレン成形体が提案されている。
特許文献2には、ISO1133(230℃/2.16kg)に準拠する0.1g/10minから15g/10minのポリプロピレン(L−PP)が少なくとも80wt%と、ISO1133(230℃/2.16kg)に準拠する200g/10minから2,500g/10minのポリプロピレン(HPP)を、2〜20wt%を含む混合物とする工程、並びに前記混合物をビスブレーク(熱分解)して、ビスブレーキング後においてISO1133(230℃/2.16kg)に準拠する10g/10minから60g/10minの範囲内のメルトマスフローレイト及びビスブレーキング後において4.0以下の多分散指数(PI)を有するポリプロピレン組成物(PP−C)を得る工程からなる、フィラメント破壊、すなわち紡糸性を改善するポリプロピレン組成物の製造方法が提案されている。
特許文献3には、ポリオレフィン樹脂に対して界面活性剤と酸化ポリエチレンワックス等を含む、防曇性に優れるポリオレフィン樹脂組成物が提案されている。特許文献4には、ポリオレフィン樹脂に対してポリオキシアルキレンエーテルと多価アルコール脂肪酸エステル等を含む、帯電防止性に優れたポリオレフィン樹脂組成物が提案されている。
特開2009−144275号公報 特許第5885860号公報 特開2005−146184号公報 特開2002−146113号公報
しかし、従来のポリマーブレンド及びポリマーコンパウンドは、均一混合することを目的にしており、最終成形体の表面に選択的に消臭性、抗菌性、防カビ性、防藻性、帯電防止性、及び難燃性など機能性の高い成分を配置することはできなかった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、最終成形体の表面に親水性成分が滲み出し、前記親水性成分とともに消臭性、抗菌性、防カビ性、防藻性、帯電防止性、及び難燃性など機能性の高い成分を選択的に表面に多く配置することが可能なマスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
本発明の第1番目のマスターバッチ樹脂組成物は、加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、
前記機能剤は、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つであり、
前記親水性成分は、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分から選ばれる少なくとも一つであり、
前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を含み、
前記高MFR樹脂のMFRは、500〜3000g/10分であり、
前記高MFR樹脂は、前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して、5〜15質量部配合されている及び/又は高MFR樹脂のMFRが前記ベース樹脂のMFRよりも10倍以上高いことを特徴とする。
本発明の第2番目のマスターバッチ樹脂組成物は、加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、
前記機能剤は、硫酸亜鉛及び硫酸第二銅から選ばれる少なくとも一つの金属塩であり、
前記親水性成分は、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分から選ばれる少なくとも一つであり、
前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を含み、
前記高MFR樹脂は、前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して、5〜15質量部配合されている及び/又は高MFR樹脂のMFRが前記ベース樹脂のMFRよりも10倍以上高いことを特徴とする。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物の製造方法は、加熱溶融可能なベース樹脂と、
前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂であり、前記高MFR樹脂のMFRは500〜3000g/10分であり、前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して5〜15質量部配合される高MFR樹脂及び/又は前記ベース樹脂のMFRよりも10倍以上高いMFRを有する高MFR樹脂と、
消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つの機能剤と、
前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程を含むことを特徴とする。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物の別の製造方法は、加熱溶融可能なベース樹脂(A)と
機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を溶融混練し、冷却してチップ化する工程と、
得られたチップ化した樹脂組成物に、前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程と、
消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つの機能剤と、一次加工工程で得られたチップ化した樹脂組成物と、必要により前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分と前記ベース樹脂と同じ種類又は他の種類のベース樹脂(B)を溶融混練し、冷却してチップ化する二次加工工程を含むことを特徴とする。
本発明は、加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、親水性成分を含むことにより、前記マスターバッチ樹脂組成物にさらに成形用樹脂を加えて最終成形体としたとき、最終成形体の表面に親水性成分が滲み出し、前記親水性成分とともに消臭性、抗菌性、防カビ性、防藻性、帯電防止性、難燃性、など機能性の高い成分を選択的に表面に多く配置させることができる。最終成形体の樹脂表面に親水性成分ともに消臭性、抗菌性、防カビ性、及び難燃性など機能性の高い成分が内部より表面に多く配置されると、全体としての添加量が少なくても表面付近に機能性が付与されることとなり、表面改質できる。
図1は本発明の一実施態様で使用する押出機の模式的説明図である。
本発明は、加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、親水性成分を含み、前記機能剤は、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つであり、前記親水性成分は、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分から選ばれる少なくとも一つである。前記機能剤を親水性成分と組み合わせることにより、選択的に表面に多く配置することができる。
特に、前記マスターバッチ樹脂組成物には、前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂が配合されていることにより、前記マスターバッチ樹脂組成物にさらに成形用樹脂を加えて最終成形体としたとき、最終成形体の表面に親水性成分の滲み出し性が良好となり、前記親水性成分とともに機能性の高い成分を選択的に表面に多く配置させることができる。その理由は、製造方法にも関連するが、前記一次加工工程において、親水性成分は樹脂に溶融混練されるが、前記二次加工工程において、ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂(溶融粘度は低い)が溶融混練されることにより、ベース樹脂と親和性の高い高MFR樹脂により親水性成分は外に押し出され、表面に滲み出し、機能性の高い成分も滲みだしてくるからと推定される。この現象は最終成形体でも起きる。
前記マスターバッチ樹脂組成物には、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つの機能剤が配合されている。機能剤を親水性成分と組み合わせることにより、選択的に表面に多く配置することができる。前記機能剤は、水溶液又は水分散液で提供されるとよい。機能剤を前記親水性成分と組み合わせることにより、樹脂との混練環境中の水分との感性が上がりブリードが安定して機能剤の有する性能を発揮する他に、機能剤の分散性も親水化成分と相俟って良好となる。
前記機能剤は、マスターバッチ樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.2〜10質量部であり、さらにより好ましくは、0.3〜2質量部であり、もっとも好ましくは0.3〜1質量部である。前記の範囲であれば、成形体全体としての添加量は少なくても表面付近が表面改質できる。
前記機能剤の一例として、硫酸亜鉛及び硫酸第二銅から選ばれる少なくとも一つの金属塩が配合されていることが好ましい。硫酸亜鉛は消臭性、抗菌性、防カビ性、防藻性、帯電防止性等の性質を付与できる。硫酸第二銅は消臭性、抗菌性、防カビ性、帯電防止性等の性質を付与できる。これらの金属塩は、マスターバッチ樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜2質量部配合するのが好ましい。これらの金属塩は10%程度の水溶液で配合するのが好ましい。
その他の消臭剤および抗菌剤としては、例えば、樹脂には非相溶の(溶解しない)無機塩及び有機塩から選ばれる少なくとも一種の塩化合物であることが好ましい。前記無機塩または有機塩としては、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、金属炭酸塩、金属カルボン酸塩、金属塩化物、金属ヨウ化物、金属フッ化物、金属臭化物など、水溶性の塩であれば適宜使用することができる。例えば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、フマル酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛などの亜鉛塩、硫酸第二銅、硝酸第二銅、塩化第二銅、酢酸第二銅などの銅塩、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、臭化第一鉄、ヨウ化第一鉄、クエン酸第一鉄、リンゴ酸第一鉄、アスコルビン酸第一鉄、エチレンジアミンテトラカルボン酸(EDTA)第一鉄、乳酸第一鉄などの鉄塩等がある。他に使用できる金属塩の金属としては、銀、コバルト、ニッケル、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、アルミニウム、マンガン、チタン、クロム、バナジウムなど、水溶性の金属塩であれば適宜使用することができる。
抗菌、抗カビ、防藻剤としては、例えば、有機窒素系化合物、チアベンダゾールなど有機窒素硫黄系化合物などが挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、カーボン、カーボンナノファイバー、ナノ金属、ケッチェンブラック(導電性カーボンブラック)、亜酸化銅、導電性シリコーンなどが挙げられる。
難燃剤としては、例えば、リン酸系難燃剤、ホウ素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、シリカ、などが挙げられる。
前記マスターバッチ樹脂組成物には、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分から選ばれる少なくとも一つの親水性成分が配合されている。前記親水性成分は、最終成形体の表面に親水性成分が滲み出し、選択的に親水性成分が内部より表面に多く配置されるという効果を奏するとともに、前記機能剤と組み合わせることにより、機能剤との親和性を高まり、機能剤も選択的に親水性成分が内部より表面に多く配置されるという効果を奏すると推定される。
前記親水性成分は、水溶液又は水分散液で提供されることが好ましい。水溶液で提供される場合、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などが挙げられるが、なかでも非イオン界面活性剤であるのが好ましい。エステル型非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、エーテル型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。この中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレン誘導体(両化合物とも例えば花王社製、商品名“エマルゲン”)が好ましい。
前記親水性成分が水分散液で提供される場合、カオリナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ベントナイト等の粘土鉱物、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、シリカゲル等の親水性シリカ、タルク、ゼオライト、等の多層構造又はアモルファスの無機粒子、セルロースなどの天然高分子多糖類、キチン、キトサンなどのアミノ系高分子多糖類などが用いられる。高分子多糖類は、ナノファイバーとして添加するとよい。粘土鉱物やナノファイバー等は固体で添加されるので、保水剤としての効果も奏する。特に親水性成分は、水溶性の親水性成分と水分散性(固体)の親水性成分を併用すると、固体の親水性成分が保水剤として機能し、水溶性の親水性成分のブリードアウトを遅くしたり速度調整する効果が奏するので好ましい。これは水溶性の親水性成分が固体の成分の中に留まるからと推定される。無機粒子の平均粒子径はできるだけ細かいものが好ましく、100nm以下であることが好ましい。なお、平均粒子径は、位相ドラップ法粒子径測定装置で測定したものとする。
前記親水性成分は、マスターバッチ樹脂組成物100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。より好ましくは0.02〜1質量部であり、さらにより好ましくは0.03〜0.5質量部であり、もっとも好ましくは0.03〜0.3質量部である。前記の範囲であれば、成形体全体としての添加量は少なくても表面付近が表面改質できる。
前記ベース樹脂は熱可塑性樹脂であるのが好ましい。さらに、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一つであるのが好ましい。この中でもポリオレフィンは汎用樹脂として使用されており、MFRの選択幅が広いことから好ましい。本発明のマスターバッチ樹脂組成物に混合する成形樹脂も前記の中から選択されるが、ポリオレフィンがより好ましい。
さらにまた、前記ベース樹脂と、ベース樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い樹脂(以下、高MFR樹脂ともいう)を含むことが好ましい。メルトマスフローレイト(MFR)は、加熱溶融可能なベース樹脂が例えばポリプロピレンの場合、230℃、2.16kg荷重で測定するのが好ましい。前記高MFR樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)は、前記ベース樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)よりも10倍以上高いのが好ましく、より好ましくは20倍以上、さらに好ましくは30倍以上である。ここで、高MFR樹脂とは、溶融粘度が低く、流動性が高いことを意味する。好ましい例においては、ベース樹脂はMFR20g/10分のポリプロピレンを使用し、高MFR樹脂はMFR2000g/10分のポリプロピレンを使用する。なお、ポリプロピレン以外の樹脂のMFRの例としては、以下の条件で測定することができる。
・ポリエチレン:190℃、2.16kg荷重
・ポリスチレン:200℃、5.00kg荷重
・ABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体):220℃、10.00kg荷重
・POM(ポリオキシメチレン):190℃、2.16kg荷重
・ポリカーボネート;300℃、1.2kg荷重
・PET(ポリエチレンテレフタレート);280℃、5.0kg荷重
・ポリアミド(ナイロン);235℃、2.16kg荷重
なお、ポリエステル類 などは、前記メルトマスフローレイト(MFR)に代わり、固有粘度(IV)で特定する場合もある。
前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して、前記高MFR樹脂は5〜15質量部配合されているのが好ましく、より好ましくは7〜13質量部である。前記の範囲であれば、成形体全体としての添加量は少なくても表面付近が湿潤となり、表面改質できる。
前記高MFR樹脂は熱可塑性樹脂であるのが好ましい。さらに、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一つであるのが好ましい。この中でもポリオレフィンは汎用樹脂として使用されており、MFRの選択幅が広いことから好ましい。本発明のマスターバッチ樹脂組成物に混合する成形樹脂も前記の中から選択されるが、ポリオレフィンがより好ましい。
ベース樹脂と高MFR樹脂は同種の樹脂であることが好ましい。ここでいう同種の樹脂とは、上述したポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル単位のことをいう。より好ましくは、ベース樹脂と高MFR樹脂が同族の樹脂である。ここでいう同族の樹脂とは、主成分の高分子が同じものをいう。例えば、ポリプロピレンをベース樹脂とした場合、高MFR樹脂がポリエチレンは同種の樹脂に相当し、プロピレンが50質量%含むプロピレン系(共)重合体は同族の樹脂に相当する。例えば、ポリエチレンをベース樹脂とした場合、高MFR樹脂がプロピレン系(共)重合体は同種の樹脂に相当し、エチレンが50質量%含むエチレン系(共)重合体は同族の樹脂に相当する。
前記高MFR樹脂におけるMFRは100〜3000g/10分であることが好ましい。より好ましくは500〜2500g/10分である。高MFR樹脂のMFRが上記範囲外であると、高MFR樹脂のMFRが上記範囲外であると、機能剤及び親水性成分の滲みだしを所望のコントロールができないか、表面付近に含有させることが難しくなることがある。
前記マスターバッチ樹脂組成物には、さらに相溶化剤が配合されているのが好ましい。前記マスターバッチ樹脂組成物100質量部に対し、前記相溶化剤は1〜8質量部配合されているのが好ましい。相溶化剤は、エチレン−アクリル酸−マレイン酸コポリマーなど極性基(親水基)を含むエチレン系コポリマーが好ましい。相溶化剤は、ベース樹脂及び/又は同種の樹脂であることが好ましい。同種の樹脂であると親水性成分との分散性がより向上する。また、相溶化剤は、親水基を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。親水基を含む同種の樹脂を用いると、ベース樹脂及び/又は高MFR樹脂、並びに親水性成分との親和性が高く、より均一に分散することができる。
具体的な相溶化剤は、エチレン−アクリル酸エステルコポリマー、エチレン−アクリル酸−マレイン酸メチルコポリマーなど極性基(酸無水基)を含むエチレン系コポリマーが好ましい。極性基を含有するエチレン系コポリマーは、極性基を有することにより、親水性成分との親和性が高くなる、及びベース樹脂及び/又は高MFR樹脂よりも融点が比較的低いので、混練しやすいので、好ましい。融点(DSC法)は、70〜110℃であることが好ましい。より好ましい融点は、80〜105℃である。特に、エチレン−アクリル酸−マレイン酸コポリマーのように極性基として酸無水基を含むエチレン系コポリマーであると、親水性成分との親和性がより高く、好ましい。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物の製造方法は、加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、親水性成分を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程と、必要に応じて、前記チップ化した樹脂組成物に、前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を溶融混練し、冷却してチップ化する二次加工工程を含むことにより、最終成形体の表面に親水性成分が滲み出し、選択的に親水性成分が内部より多く配置されるようになる。なお、「チップ」を「ペレット」と称する場合がある。
前記一次加工工程において、まず押出機を使用し、減圧ラインを備えた混練チャンバーに、押出部を連続して接続し、前記混練チャンバー内に、溶媒に溶解又は分散された親水性成分と、機能剤と、加熱溶融させた樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出すことにより、樹脂組成物(一次加工樹脂)が得られる。さらに相溶化剤を加えるとベース樹脂と親水性成分の混合が効率的となるため好ましい。また、前記二次加工工程において、場合によっては親水性成分のうち固体の親水性成分として保水剤を加えるのが好ましい。保水剤としては、上述したベントナイトなどのモンモリナイト(粘土鉱物)、親水性シリカ、ゼオライトなどが好ましい。ベントナイトの場合、2質量%分散液を0.05〜0.2質量%使用するのが好ましい。ベントナイトなどの保水剤は、親水性成分のブリードアウトを遅くする効果があり、これは親水性成分がベントナイトの層内に留まるからと考えられる。また二次加工工程において、吸水安定化を目的として、コロイダルシリカ、SAP(水希釈液)、CNF(セルロースナノファイバー)、トリポリヒドロキシステアリン酸時ペンタエリスリチル(化粧品用保水剤)等の保水剤を適量混合させてもよい。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物の別の製造方法は、前記のマスターバッチ樹脂組成物の製造方法であって、加熱溶融可能なベース樹脂(A)と、親水性成分を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程、又は必要に応じて前記チップ化した樹脂組成物に、前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程と、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つの機能剤と、必要により親水化成分と、前記ベース樹脂と同じ種類又は他の種類のベース樹脂(B)を溶融混練し、冷却してチップ化する二次加工工程を含むことにより、前述の方法と同様の効果を奏する。
前記一次加工工程において、まず押出機を使用し、減圧ラインを備えた混練チャンバーに、押出部を連続して接続し、前記混練チャンバー内に、溶媒に溶解又は分散された親水性成分と、加熱溶融させた樹脂(A)とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出すことにより、樹脂組成物(一次加工樹脂)が得られる。前記一次加工工程において、さらに前記一次加工樹脂に、前記ベース樹脂(A)のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を溶融混練し、前記工程と同様の方法で一次加工樹脂が得られる。次に、前記機能剤と、必要により親水化成分のうち固体の保水剤と、前記ベース樹脂(A)と同じ種類又は他の種類のベース樹脂(B)を溶融混練することにより、本発明のマスターバッチ樹脂組成物(二次加工樹脂)を得ることができる。
コンパウンド比率の一例として、ポリプロピレン樹脂の場合、下記のようになる。
(1)ベース樹脂:親水性成分(ポリオキシエチレンアルキルエーテル):相溶化剤(エチレン−アクリル酸−マレイン酸コポリマー)=100:2〜8:2〜8(質量部)にて一次加工する(一次加工樹脂)。このとき、この一次加工樹脂:高MFR樹脂(MFR=2000:“エルモーデュ”(出光興産社製))=100:5〜15(質量部)の混練加工をしてマスターバッチ樹脂組成物(一次加工樹脂)としてもよい。
(2)二次加工として、ベース樹脂:一次加工樹脂:機能剤(硫酸亜鉛及び硫酸第二銅から選ばれる少なくとも一つの金属塩)=100:0.1〜10:0.1〜20(質量部)の混練加工をしてマスターバッチ樹脂組成物(二次加工樹脂)とする。
(3)前記二次加工樹脂(マスターバッチ樹脂組成物)を、通常1〜30質量部程度、樹脂100質量部に混合して、繊維、フィルム、成型品などの最終製品(成形体)に加工する。
以下、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施態様で使用する押出機の模式的説明図である。この押出機1は、原料供給口2と、樹脂溶融部3と、混練分散部4と、減圧ライン5と、押出部6と、取り出し部7で構成されている。まず、樹脂溶融部3の原料供給口2からポリマーと水に溶解させた親水性成分を供給する。供給前に両者を混合しておいても良い。次に混練分散部4に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここでポリマーと水に溶解、あるいは水に分散させた親水性成分及び/又は機能剤は均一混合される。次いで減圧ライン5から水分が水蒸気の状態で除去される。次いで押出部6から樹脂組成物が押し出され、冷却して取り出し部7から取り出され、冷却後カットすればペレット状の樹脂組成物となる。ペレットは例えば直径2mm、高さ2mmの円柱形とする。この工程が一次加工工程である。
次いで前記押出機を用いて、一次工程で得られたチップ化した樹脂組成物に、前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を溶融混練し、冷却してチップ化する。これが二次加工工程である。
前記二次加工工程で得られたマスターバッチ樹脂組成物チップに対して、加える樹脂チップ量は、10〜100倍程度が好ましい。より好ましくは、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂などの場合は、樹脂チップ100質量部に対してマスターバッチ樹脂組成物チップ量は1〜6質量部が好ましく、ポリエステルの場合のマスターバッチ樹脂組成物チップ量は1〜4質量部が好ましい。本発明のマスターバッチ樹脂組成物によれば、樹脂に対する添加量が少なくても、所望の機能性を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例で添加量を単に%と表記した場合は、質量%を意味する。
(測定方法)
(1)メルトマスフローレイト(MFR)
ISO1133に準じて、230℃、2.16kg荷重で測定した。
(2)親水性(接触角)
接触角測定機(KYOWA製Drop Master Dme−201)を使用し、シートサンプル表面に着滴量1μlで滴下し、初期(1秒後)及び30秒後に接触角を測定した。
(3)帯電性(半減期測定)
シートサンプルに、初期電圧10kVを30秒印加し、電圧が半分になるまでの時間を計測した。(測定条件;送り40mm/min)
(4)消臭性
試料10gを5Lテドラーバッグに入れ、既定濃度のガス3Lを注入し、経時毎にガス検知管で濃度を測定した。
(5)抗菌性
JIS Z 2801に準じて、黄色ブドウ球菌NBRC 12732で測定した。
(6)防カビ性
JIS Z 2911(繊維製品の試験・湿式法)に準じて、下記の4菌株の混合胞子懸濁液で試験した。
・アスペルギルス ニゲルNBRC105649
・ペニシリウム シトリナムNBRC6352
・ケトミウムグロボスムNBRC6347
・ミロテシウム ベルカリアNBRC6113
(親水性マスターバッチ樹脂組成物の製造)
マスターバッチ樹脂組成物を以下の順番で製造した。
(1)水溶性の親水性成分として、ポリオキシアルキレンエーテル(花王(株)製、エマルゲン1108)を5%溶解した水溶液を準備した。
(2)ベース樹脂(A)として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、MFR2.0g/10分(190℃、2.16kg))のペレット(直径2mm、高さ2mmの円柱形)を準備した。
(3)図1に示す押出機の原料供給口2からベース樹脂(A)ペレット90質量部と、水に溶解させた親水性成分5質量部と、相溶化剤(エチレン−アクリル酸−マレイン酸共重合体(MFR80g/10分(190℃、2.16kg)、融点(DSC法)98℃)5質量部を供給した。
(4)押出機内における加工温度を150〜160℃に設定した。樹脂溶融部2では回転軸に沿って供給物を前に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここでベース樹脂と水に溶解させた親水性成分は均一混合され、次いで減圧ライン5を真空(負圧)にすることで同時に水分を取り除いた。
(5)次いで、押出部6から樹脂組成物を押出、冷却して取り出し口7から取り出した。
(6)ペレタイザーに導き、ペレット化(一次加工樹脂)した。(一次加工工程)
(実施例1)
(1)前記ベース樹脂と同じLLDPE樹脂100質量部に、水溶性の機能剤として、濃度が10%の硫酸銅水溶液を5質量部、固体の親水性成分として保水剤のベントナイト(平均粒子径30〜50μm)を0.125質量部供給した。
(2)一次加工と同様の方法で溶融混練して、冷却して、ペレタイザーでペレット化して、直径2mm、高さ2mmの円柱形のLLDPE系マスターバッチ樹脂組成物を得た。
(実施例2)マスターバッチ樹脂組成物の製造
水溶性の機能剤として、濃度が10%の硫酸亜鉛水溶液を5質量部とした以外は実施例1と同様の方法で、LLDPE系マスターバッチ樹脂組成物を得た。
(実施例3)マスターバッチ樹脂組成物の製造
[一次加工樹脂]
(1)水溶性の親水性成分として、ポリオキシアルキレンエーテル(花王(株)製、エマルゲン1108)を5%溶解した水溶液を準備した。
(2)ベース樹脂として、ポリプロピレン(MFR20g/10分)のペレット(直径2mm、高さ2mmの円柱形)を準備した。
(3)図1に示す押出機の原料供給口2からベース樹脂ペレット90質量部と、水に溶解させた親水性成分5質量部と、相溶化剤(エチレン−アクリル酸−マレイン酸共重合体(MFR80(190℃、2.16kg)、融点(DSC法)98℃)5質量部を供給した。
(4)押出機内における加工温度を170〜190℃に設定した。樹脂溶融部2では回転軸に沿って供給物を前に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここでベース樹脂と水に溶解させた親水性成分は均一混合され、次いで減圧ライン5を真空(負圧)にすることで同時に水分を取り除いた。
(5)次いで、押出部6から樹脂組成物を押出、冷却して取り出し口7から取り出した。
(6)ペレタイザーに導き、ペレット化した。
(7)前記(6)で得られたペレット化した樹脂組成物100質量部に、前記(2)のベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂としてMFR2000g/10分の低立体規則性ポリプロピレン(商品名「エルモーデュ」S400、出光興産(株)製)を10質量部、固体の親水成分(保水剤)としてベントナイト(平均粒子径30〜50μm)0.125質量部を混合して原料供給口2から供給した。
(8)溶融混練して、冷却して、ペレタイザーでペレット化して、直径2mm、高さ2mmの円柱形のポリプロピレン系マスターバッチ樹脂組成物(一次加工樹脂)を得た。
[二次加工樹脂]
(1)前記ベース樹脂と同じPP樹脂100質量部に、前記一次加工工程で得られたペレット化した樹脂組成物(一次加工樹脂)を1質量部、水溶性の機能剤として、濃度が10%の硫酸銅水溶液を5質量部、固体の親水性成分として保水剤のベントナイト(平均粒子径30〜50μm)を0.125質量部供給した。
(2)一次加工と同様の方法で溶融混練して、冷却して、ペレタイザーでペレット化して、直径2mm、高さ2mmの円柱形のPP系マスターバッチ樹脂組成物(二次加工樹脂)を得た。
(実施例4)フィルムの製造
親水性マスターバッチ樹脂組成物を3.0質量部、実施例1のマスターバッチ樹脂組成物を2.0質量部、成形用樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)100質量部を準備した。
(2)(1)の混合したペレットをインフレーション押出装置を使用し、170℃で溶融押出し、厚さ50μmのLLDPEフィルムを作製した。
(比較例1)
実施例4と同じ成形用樹脂(LLDPE樹脂)のみを用いて、厚さ50μmのLLDPEフィルムを作製した。
(実施例5)フィルムの製造
実施例2のマスターバッチ樹脂組成物を5.0質量部準備し、それ以外は、実施例4と同様の方法で、厚さ50μmのLLDPEフィルムを作製した。
(実施例6)繊維の製造
実施例3のマスターバッチ樹脂組成物を用いた繊維を、以下の順番で製造した。
(1)実施例3のマスターバッチ樹脂組成物を1.5質量部、成形用樹脂としてポリプロピレン(PP)100質量部を準備した。
(2)(1)の混合したペレットを溶融紡糸用の押出機の原料供給口から供給し、常法の溶融紡糸機を用いて、押出機で溶融混練した後、溶融紡糸した。その後、公知の延伸機を用いて延伸、カットして、繊度が6.6dtexのポリプロピレン系繊維を作製した。
(実施例7)抗カビフィルターの製造
実施例3のマスターバッチ樹脂組成物を用いたモノフィラメントからなるネット状フィルターを、以下の順番で製造した。
(1)実施例3のマスターバッチ樹脂組成物を50質量部、成形用樹脂としてポリプロピレン(PP)50質量部を準備した。
(2)(1)の混合したペレットを溶融紡糸用の押出機の原料供給口から供給し、常法の溶融紡糸機を用いて、押出機で溶融混練した後、モノフィラメントを溶融紡糸した。得られたモノフィラメントを所定の組織で織成してネット状のフィルター(抗カビフィルター)を得た。本フィルターは、消臭性及び抗菌性も有していた。
Figure 0006980954
消臭性、抗菌性、及び防カビ性は、表2〜5に示すとおりであった。
(1)消臭性
アンモニア
Figure 0006980954
酢酸
Figure 0006980954
(2)抗菌性
Figure 0006980954
(3)抗かび性
Figure 0006980954
本発明は、射出成形、押出成形、プレス成形など様々な成形法に適用できる。また成形体は繊維、フィルム、シート、丸棒、ボックス形状、平板等、様々な成形体に適用できる。
1 押出機
2 原料供給口
3 樹脂溶融部
4 混練分散部
5 減圧ライン
6 押出部
7 取り出し部

Claims (12)

  1. 加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、
    前記機能剤は、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記親水性成分は、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を含み、
    前記高MFR樹脂のMFRは、500〜3000g/10分であり、
    前記高MFR樹脂は、前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して、5〜15質量部配合されている及び/又は高MFR樹脂のMFRが前記ベース樹脂のMFRよりも10倍以上高いことを特徴とするマスターバッチ樹脂組成物。
  2. 加熱溶融可能なベース樹脂と、機能剤と、前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、
    前記機能剤は、硫酸亜鉛及び硫酸第二銅から選ばれる少なくとも一つの金属塩であり、
    前記親水性成分は、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を含み、
    前記高MFR樹脂は、前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して、5〜15質量部配合されている及び/又は高MFR樹脂のMFRが前記ベース樹脂のMFRよりも10倍以上高いことを特徴とするマスターバッチ樹脂組成物。
  3. 前記機能剤は、マスターバッチ樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部配合されている請求項1又は2に記載のマスターバッチ樹脂組成物。
  4. 前記ベース樹脂は熱可塑性樹脂であり、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物。
  5. 前記ベース樹脂は熱可塑性樹脂であり、前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンである請求項1〜4のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物。
  6. 前記親水性成分は、水溶性の親水性成分及び水分散性の親水性成分を含む請求項1〜5のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物。
  7. 前記親水性成分は、水溶性の親水性成分として非イオン界面活性剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物。
  8. 前記マスターバッチ樹脂組成物には、さらに相溶化剤が配合されている請求項1〜7のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物の製造方法であって、
    加熱溶融可能なベース樹脂と、
    前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂であり、前記高MFR樹脂のMFRは500〜3000g/10分であり、前記ベース樹脂と親水性成分を含む樹脂組成物100質量部に対して5〜15質量部配合される高MFR樹脂及び/又は前記ベース樹脂のMFRよりも10倍以上高いMFRを有する高MFR樹脂と、
    消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つの機能剤と、
    前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程を含むことを特徴とするマスターバッチ樹脂組成物の製造方法。
  10. マスターバッチ樹脂組成物の製造方法であって、
    加熱溶融可能なベース樹脂(A)と
    機能剤とは異なる成分を有する親水性成分を溶融混練し、冷却してチップ化する工程と、
    得られたチップ化した樹脂組成物に、前記ベース樹脂のISO1133におけるメルトマスフローレイト(MFR)よりも高い高MFR樹脂を溶融混練し、冷却してチップ化する一次加工工程と、
    消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、帯電防止剤、及び難燃剤から選ばれる少なくとも一つの機能剤と、一次加工工程で得られたチップ化した樹脂組成物と、必要により前記機能剤とは異なる成分を有する親水性成分と前記ベース樹脂と同じ種類又は他の種類のベース樹脂(B)を溶融混練し、冷却してチップ化する二次加工工程を含むことを特徴とするマスターバッチ樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記一次加工工程及び二次加工工程の少なくとも一つの工程が、
    樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押し出し部を連続して接続し、
    前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させた親水性成分と、加熱溶融させた樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押し出し部から樹脂組成物を押し出す工程を含む、請求項9または10に記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物と、成形用樹脂とを含む成形体であって、前記マスターバッチ樹脂組成物は、前記成形用樹脂100質量部に対して1〜10質量部含むことを特徴とする成形体。
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