JP4053402B2 - Lcd製造用ポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、LCD製造用のポジ型ホトレジスト組成物およびレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、ガラス基板上に液晶ディスプレイ部分を形成する液晶表示素子(LCD)の製造においては、比較的安価であることや、感度、解像性及び形状に優れたレジストパターンを形成できることから、半導体素子の製造に用いられているノボラック樹脂−キノンジアジド基含有化合物の系からなるポジ型ホトレジスト材料が多く利用されている。
しかし、例えば、半導体素子の製造においては、最大、直径8インチ(約200mm)〜12インチ(約300mm)の円盤型シリコンウェーハが用いられているのに対し、LCDの製造においては、最小でも360mm×460mm程度の角型のガラス基板が用いられている。
このように、LCDの製造分野においては、レジスト材料を塗布する基板は、材質や形状の面で異なることは勿論であるが、その大きさの点で、半導体素子の製造に用いられているものとは大きく異なっている。
そのため、LCD製造用のレジスト材料には、広い基板面全面に対して形状および寸法安定性等の特性が良好なレジストパターンを形成できることが求められている。
また、LCDの製造には非常に多くのレジスト材料が消費されるため、LCD製造用のレジスト材料には、上述のような特性に加え、安価であることも望まれている。
【0003】
これまで、LCD製造用のレジスト材料として多くの報告がある(例えば、下記特許文献1〜6)。特許文献1〜6に記載されるレジスト材料は、安価であり、また、例えば360mm×460mm程度の小型の基板に対しては、塗布性、感度、解像性、形状および寸法安定性に優れるレジストパターンを形成できる。そのため、比較的小型のLCDを製造する目的においては好適に用いることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−160231号公報
【特許文献2】
特開平9−211855号公報
【特許文献3】
特開2000−112120号公報
【特許文献4】
特開2000−131835号公報
【特許文献5】
特開2000−181055号公報
【特許文献6】
特開2001−75272号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、パソコンのディスプレイの大型化や液晶テレビの普及に伴い、従来よりも大型のLCDに対する需要が高まっている。また、低価格化も求められていることなどから、LCDの製造効率の向上が求められている。
そのため、LCDの製造分野においては、スループット(単位時間あたり処理数量)向上の観点から、露光面積をできるだけ広く、少なくとも100mm2程度とすることが望まれており、また、シリコンウェーハに比し、凹凸の大きいガラス基板において、広い露光範囲内におけるレジスト被膜の平面均一性を保つことは非常に困難であることから、焦点深度を大きくとれることが望まれており、一般に、LCDの製造は、NA(レンズの開口数)が例えば0.3以下、特には0.2以下の低NA条件の露光プロセスを用いることが好ましいとされている。
しかしながら、低NA条件の露光プロセスを用いた場合、従来のLCD製造用のレジスト材料では、例えば0.3以下の低NA条件下で、形状に優れたレジストパターンを高解像度で形成することが困難であった。すなわち、一般に、解像度(解像限界)は、次式で示されるレーリの式:
R=k1×λ/NA
[式中、Rは解像限界、k1はレジストやプロセス、像形成法で決まる比例定数、λは露光プロセスに用いる光の波長、NAはレンズの開口数を表す]
で表され、波長λの短い光源を用いることや、高NAの露光プロセスを用いることにより解像度を上げることができる。例えば、従来LCDの製造に用いられていたg線(436nm)露光に代えて、より短波長のi線(365nm)露光を用いたホトリソグラフィ技術を用いることにより解像度を上げることができる。
しかしながら、LCDの製造においては、上述のように、露光面積の狭くなる、また焦点深度の小さくなる高NA化は好ましくなく、低NA条件での露光プロセスを用いることが望まれていた。したがって、高い解像度を得ることは困難であった。
また、高い解像度のレジストパターン、つまり微細なレジストパターンを得られたとしても、パターン寸法が微細になればなる程、焦点深度幅特性は著しく劣化する傾向があるため、微細なレジストパターンを焦点深度幅特性良く形成することは困難であった。
【0006】
さらに、現在、次世代のLCDとして、1枚のガラス基板上に、ドライバ、DAC(デジタル−アナログコンバーター)、画像プロセッサ、ビデオコントローラ、RAMなどの集積回路部分がディスプレイ部分と同時に形成される、いわゆる「システムLCD」と呼ばれる高機能LCDに対する技術開発が盛んに行われている(Semiconductor FPD World 2001.9, pp.50-67)。
この場合、基板上には、ディスプレイ部分に加え、集積回路部分も形成されるため、基板がさらに大型化する傾向がある。よって、通常のLCD製造の場合よりもさらに低NA条件での露光が望ましい。
さらに、係るシステムLCDにおいては、例えば、ディスプレイ部分のパターン寸法が2〜10μm程度であるのに対し、集積回路部分は0.5〜2.0μm程度と微細な寸法で形成されている。そのため、同一露光条件で、このようにパターン寸法の異なるディスプレイ部分と集積回路部分とを同時に形成することが好ましく、リニアリティ[同一露光条件(レチクル上のマスク寸法は異なるが露光量が同じ条件)で露光した場合にレチクル上の異なるマスク寸法に対応したレジストパターンを精度良く再現する特性]が優れた、従来のLCD製造用レジスト材料よりも高解像度のレジスト材料が望まれる。
しかし、上述のように、従来のLCD製造用のレジスト材料は、低NA条件下で、高解像度で形成することが困難であるので、システムLCDの製造用に用いることは難しい。例えば0.3以下の低NA条件下では、形状に優れた、例えば2.0μm以下の微細なレジストパターンの形成が困難であり、得られるレジストパターンは矩形ではなくテーパー形状を呈する傾向にあり、また、焦点深度幅特性も劣っていた。
したがって、システムLCDの製造プロセスには、リニアリティが良好であり、例えば0.3以下の低NA条件下でも、形状に優れた微細なレジストパターンを形成可能なレジスト材料が望まれていた。
【0007】
すなわち、本発明は、従来のLCD製造用のレジスト材料よりも、低NA条件下でも、少なくともディスプレイ部分のレジストパターンを、高い解像度で得ることができるレジスト材料及びレジストパターンの形成方法を提供することを課題とする。
さらに好ましくは、低NA条件下でのリニアリティに優れ、システムLCDの、ディスプレイ部分と、それよりも微細な集積回路部分のレジストパターンまでも高い解像度で得ることができる、1つの基板上に集積回路と液晶ディスプレイ部分が形成されるLCDの製造用として好適なレジスト材料及びレジストパターンの形成方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明者らは、特定のアルカリ溶解性を有するノボラック樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂と、放射線照射により酸を発生する化合物と、架橋性ポリビニルエーテルとを含有するポジ型ホトレジスト組成物が、低NA条件での露光プロセスに適したレジスト材料であることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)下記測定方法により算出される2.38質量%テトラメチルアンモニムヒドロキシド水溶液に対するアルカリ溶解性が100〜400nm/秒の範囲であるノボラック樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂、
(B)下記式(II)で表される化合物(II)、下記式(III)で表される化合物(III)、下記式(IV)で表される化合物(IV)、下記式(V)で表される化合物(V)および下記式(VI)で表される化合物(VI)のいずれか1種または2種以上の組み合わせであり、化合物(V)の場合は化合物(IV)との組み合わせで用いられる、放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)架橋性ポリビニルエーテル化合物、
を含有することを特徴とするLCD製造用のポジ型ホトレジスト組成物に関する。
(測定方法):
アルカリ可溶性樹脂からなる層を所定の膜厚で基板上に設け、これを2.38質量%テトラメチルアンモニムヒドロキシド水溶液(23℃)に浸漬し、該膜厚が0となるのに要する時間を求めて、下記式により算出する。
アルカリ溶解性=膜厚/膜厚が0となるのに要する時間
【化1】
(式中、mは0又は1を示し;Xは1又は2を示し;R1は、1又はそれ以上のC1−C12アルキル基が置換していてもよいフェニル基、ヘテロアリール基、又は、mが0の場合はさらにC2−C6アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、CNを示し;R1’はC2−C12アルキレン基を示し;R2はR1と同義であり;R3はC1−C18アルキル基を示し;R3’は、X=1のときR3と同義であり、X=2のときC2−C12アルキレン基、フェニレン基を示し;R4、R5は独立に水素原子、ハロゲン、C1−C6アルキル基を示し;AはS、O、NR6を示し;R6は水素原子、フェニル基を示す。)
【化2】
(式中、R6、R7は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【化3】
(式中、Zは、4−アルコキシフェニル基を示す。)
【化4】
(式中、Arは置換又は未置換のフェニル基、ナフチル基を示し;RはC1〜C9のアルキル基を示し;nは2又は3の整数を示す。)
【0010】
さらに、本発明は、(1)請求項1〜10記載のポジ型ホトレジスト組成物を基板上に塗布し、塗膜を形成する工程、(2)上記塗膜が形成された基板を加熱処理(プリベーク)し、基板上にレジスト被膜を形成する工程、(3)上記レジスト被膜に対し、2.0μm以下のレジストパターン形成用マスクパターンと、2.0μm超のレジストパターン形成用マスクパターンの双方が描かれたマスクを用いて、NAが0.3以下の低NA条件下での露光プロセスにより選択的露光を行う工程、(4)上記選択的露光後のレジスト被膜に対し、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク)を施す工程、(5)上記加熱処理後のレジスト被膜に対し、アルカリ水溶液を用いた現像処理を施し、上記基板上に、パターン寸法2.0μm以下の集積回路用のレジストパターンと、2.0μm超の液晶ディスプレイ部分用のレジストパターンを同時に形成する工程、(6)上記レジストパターン表面に残った現像液を洗い落とすリンス工程、を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
<(A)成分>
本発明のポジ型ホトレジスト組成物において、(A)成分としては、2.38質量%テトラメチルアンモニムヒドロキシド(以下、TMAHという)水溶液に対するアルカリ溶解性が100〜400nm/秒、好ましくは100超〜400nm/秒、より好ましくは150〜400nm/秒の範囲であるノボラック樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂を用いる。アルカリ溶解性が100〜400nm/秒の範囲内にあると、高感度で、露光部での残渣が少なく、コントラストに優れ、低NA条件における高解像とレジストプロファイルの垂直性に優れるので好ましい。
なお、本明細書において、アルカリ溶解性は、アルカリ可溶性樹脂からなる層を所定の膜厚(0.5〜2.0μm程度)で基板上に設け、これを2.38質量%TMAH水溶液(約23℃)に浸漬し、該膜厚が0となるのに要する時間を求めて、下記式
アルカリ溶解性=膜厚/膜厚が0となるのに要する時間
により算出した値である。アルカリ可溶性樹脂からなる層は、例えば、樹脂をPGMEAに溶解し、20質量%濃度の溶液とし、3インチシリコンウェーハ上にスピンコートして、110℃に設定されたホットプレート上で90秒間加熱処理を行うことにより形成できる。
【0012】
(A)成分としては、上記定義のアルカリ可溶性を有するものであれば特に限定されない。例えば、従来ポジ型ホトレジスト組成物において被膜形成用物質として慣用されているものを用いることができる。特に、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの少なくとも1種の芳香族ヒドロキシ化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、サリチルアルデヒドなどの少なくとも1種のアルデヒド類とを酸性触媒の存在下に縮合させたものなどは、低NA条件において、高感度でリニアリティに優れたレジスト材料の調製に好適であるので、好ましく用いられる。具体的には、
・重量平均分子量2000〜3000のm−クレゾール100%を酸触媒下ホルムアルデヒド類と縮合して得られるノボラック樹脂、
・m−クレゾール30〜80モル%、好ましくは40〜70モル%とo−クレゾール70〜20モル%、好ましくは60〜30モル%の混合クレゾールを酸触媒下ホルムアルデヒド類と縮合して得られる、重量平均分子量2000〜3000のノボラック樹脂などが挙げられる。
酸触媒としては、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸などが挙げられるが、シュウ酸を用いることが、安価で容易に入手でき好ましい。
ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドを水に溶解したホルマリン又はトリオキサンなどを挙げることができるが、通常ホルマリンが用いられる。
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性は、用いる原料(芳香族ヒドロキシ化合物やアルデヒド類等)の種類や配合比、重量平均分子量(Mw)等によって変わってくるので、適宜、ケースバイケースで確認する。具体的には、例えば、特定の原料組成から得られるアルカリ可溶性樹脂について、そのMwと、上述のようにして求めたアルカリ溶解性(すなわち、溶解速度)との関係を示すグラフを作成し、そのグラフから、アルカリ溶解性が100〜400nm/秒の範囲内にあるMwの範囲を予め調べておくことにより、アルカリ溶解性が100〜400nm/秒の範囲内のアルカリ可溶性樹脂を調製することができる。
【0013】
<(B)成分>
(B)成分は、(A)成分と(C)成分とがプレベーク時に熱により架橋して基板全面にアルカリ不溶化レジスト層を形成するので、露光部で露光により酸を発生させ、該酸により該架橋を分解し、該不溶化したレジスト層をアルカリ可溶へ変化させる機能を有するものであればよい。
そのような機能を有する放射線の照射により酸を発生する化合物とは、化学増幅型レジストに用いられるいわゆる酸発生剤であり、これまで多数のものが提案されており、これらの中から任意に選択して用いればよい。
LCDの製造では、g線、h線、i線の共存する紫外線が用いられるので、これらのうち、このような紫外線の照射を受け、酸発生効率の高い化合物が好ましい。また、解像度を向上させるためには、波長の短いi線が好ましく利用され、さらに、システムLCDの製造においては、主にi線が用いられるので、特に、i線露光に対する酸発生効率の高い化合物が好ましい。なお、本明細書において、システムLCDとは、上述のように、1つの基板上に集積回路と液晶ディスプレイ部分が形成されたLCDを意味する。
【0014】
(B)成分としては、例えば以下のような化合物が、i線露光に対する酸発生効率が高いことから、好ましく用いられる。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
(式中、mは0又は1;Xは1又は2;R1は、1又はそれ以上のC1−C12アルキル基が置換していてもよいフェニル基、ヘテロアリール基等、又は、mが0の場合はさらにC2−C6アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、CN等;R1’はC2−C12アルキレン基等;R2はR1と同義等;R3はC1−C18アルキル基等;R3’は、X=1のときR3と同義等、X=2のときC2−C12アルキレン基、フェニレン基等;R4、R5は独立に水素原子、ハロゲン、C1−C6アルキル基等;AはS、O、NR6等;R6は水素原子、フェニル基等を示す。)で表される化合物(USP 6004724)。具体的には、例えば下記式で表されるチオレン含有オキシムスルホネートなどが挙げられる。
【0018】
【化5】
【0019】
また、下記式(IV)
【0020】
【化6】
【0021】
(式中、R6、R7は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表されるビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物、又は、該化合物(IV)と下記式(V)
【0022】
【化7】
【0023】
(式中、Zは、4−アルコキシフェニル基等を示す。)で表されるビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物とを組み合わせたもの(特開平6−289614号公報、特開平7−134412号公報)。
トリアジン化合物(IV)としては、具体的には、例えば2‐[2‐(3,4‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐メトキシ‐4‐エトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐メトキシ‐4‐プロポキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐エトキシ‐4‐メトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,4‐ジエトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐エトキシ‐4‐プロポキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐プロポキシ‐4‐メトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐プロポキシ‐4‐エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,4‐ジプロポキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジンなどを挙げることができる。これらのトリアジン化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、上記トリアジン化合物(IV)と所望に応じて組み合わせて用いられる上記トリアジン化合物(V)としては、例えば2‐(4‐メトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐エトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐プロポキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐ブトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐メトキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐エトキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐プロポキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐ブトキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐メトキシ‐6‐カルボキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐メトキシ‐6‐ヒドロキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(5‐メチル‐2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(5‐エチル‐2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(5‐プロピル‐2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,5‐ジメトキシフェニル)エテニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐メトキシ‐5‐エトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐メトキシ‐5‐プロポキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐エトキシ‐5‐メトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,5‐ジエトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐エトキシ‐5‐プロポキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐プロポキシ‐5‐メトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3‐プロポキシ‐5‐エトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,5‐ジプロポキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(3,4‐メチレンジオキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,4‐メチレンジオキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジンなどが挙げられる。これらのトリアジン化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
また、下記式(VI)
【0025】
【化8】
【0026】
(式中、Arは置換又は未置換のフェニル基、ナフチル基;RはC1〜C9のアルキル基;nは2又は3の整数を示す。)で表される化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、下記式(VII)で表される化合物は、i線に対する酸発生効率に優れるため、好ましく用いられる。
【0027】
【化9】
【0028】
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、1〜30質量部、特に1〜20質量部が好ましい。
【0029】
<(C)成分>
(C)成分の架橋性ポリビニルエーテル化合物は、(A)成分ともに、プレベーク時の加熱により架橋して基板全面にアルカリ不溶化レジスト層を形成する。そして、(B)成分から発生した酸の作用により、該架橋が分解され、露光部はアルカリ可溶性へ変化し、未露光部はアルカリ不溶のまま変化しない。したがって、(A)成分ともに、プレベーク時の加熱により架橋して基板全面にアルカリ不溶化レジスト層を形成する機能を有する(C)成分であれば、その種類に特に制限はない。
このようなポリビニルエーテル化合物は、特開平6−148889号公報、特開平6−230574号公報に多数列挙されており、これらの中から任意に選択して使用することができる。特に、熱架橋性と酸による分解性に起因するレジストプロファイル形状、及び低NA条件の露光プロセスにおける露光部と未露光部のコントラストの特性が良好で、解像度に優れることを考慮すると、次の一般式(I):
R−(OH)n (I)
[式中、Rは直鎖基、分岐基又は環基を含むアルカンからn個の水素原子を除いた基であり、nは2、3又は4の整数を示す]
で表されるアルコールの水酸基の一部又は全部をビニル基でエーテル化した化合物が好ましい。このような化合物として、具体的には、工チレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどが挙げられる。これらの中では、架橋性ジビニルエーテル化合物がより好ましく、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルが特に好ましい。
【0030】
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜50質量部、特に5〜25質量部が好ましい。
【0031】
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、さらに、露光部からの酸の過剰拡散防止及びレジストパターンの経時安定性の観点から、アミン類((D)成分)を配合することが好ましい。
(D)成分としては、例えばプレベーク時の加熱によりレジスト膜中から揮散しにくいジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの第2級又は第3級アルカノールアミンや、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミンなどの第2級又は第3級アルキルアミンが挙げられる。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜1質量部が特に好ましい。
【0032】
本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて相容性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、界面活性剤、現像した像をより一層可視的にするための着色料、より増感効果を向上させるための増感剤やハレーション防止用染料、密着性向上剤などの慣用の添加物を含有させることができる。
【0033】
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、好ましくは、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じてその他の成分を、有機溶剤に溶解することにより調製することができる。
【0034】
本発明で用いられる有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルメチルケトン、イソアミルメチルケトン、1,1,1‐トリメチルアセトンなどのケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート又はジエチレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
本発明のレジストパターン形成方法は、かかるポジ型ホトレジスト組成物を用いるものであり、以下に、LCDの製造におけるレジストパターンの好適な形成方法の一例を示す。
まず、(A)成分、(B)成分および(C)成分、並びに必要に応じて添加される各種成分を溶剤に溶解し、これをスピンナー等で基板に塗布して塗膜を形成する。基板としてはガラス基板が好ましい。このガラス基板としては、500mm×600mm以上、特には550mm×650mm以上の大型の基板を用いることができる。
次いで、この塗膜が形成されたガラス基板を例えば100〜140℃で加熱処理(プリベーク)して残存溶媒を除去し、レジスト被膜を形成する。プリベーク方法としては、ホットプレートと基板の間に隙間を持たせるプロキシミティーベークを行うことが好ましい。
次いで、上記レジスト被膜に対し、集積回路用のマスクパターンと液晶ディスプレイ部分用のマスクパターンの双方が描かれたマスクを用いて選択的露光を行う。
ここで用いる光源としては、微細なパターンを形成するためにi線(365nm)を用いることが好ましい。また、この露光で採用する露光プロセスは、NAが好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.15以下の低NA条件の露光プロセスであることが好ましい。
次いで、選択的露光後のレジスト被膜に対し、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク:PEB)を施す。PEB方法としては、ホットプレートと基板の間に隙間を持たせるプロキシミティーベークを行うことが好ましい。
上記PEB後のレジスト被膜に対し、現像液、例えば1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ水溶液を用いた現像処理を施すと、露光部分が溶解除去されて、基板上に集積回路用のレジストパターンと液晶ディスプレイ部分用のレジストパターンが同時に形成される。
次いで、レジストパターン表面に残った現像液を純水などのリンス液で洗い落とすことによりレジストパターンを形成できる。
【0036】
上記選択的露光を行う工程において、上記マスクとして、2.0μm以下のレジストパターン形成用マスクパターンと、2.0μm超のレジストパターン形成用マスクパターンの双方が描かれたマスクを用いることにより、上記レジストパターンを同時に形成する工程において、上記基板上に、パターン寸法2.0μm以下の集積回路用のレジストパターンと、2.0μm超の液晶ディスプレイ部分用のレジストパターンを同時に形成することができる。
【0037】
以上説明したように、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、低NA条件下での露光プロセスに適している。また、i線露光プロセスにも適している。そのため、LCDの製造において、少なくともディスプレイ部分のレジストパターンを、高い解像度で得ることができる。
さらに、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、低NA条件下でのリニアリティにも優れているので、1つの基板上に、ラフなパターンと微細なパターンとを同一露光条件で形成できる。したがって、低NA条件下でも、システムLCDのディスプレイ部分と、それよりも微細な集積回路部分のレジストパターンまでも、高解像度で得ることができ、システムLCDの製造用として好適である。
また、低NA条件下における解像度に優れた上記ポジ型ホトレジスト組成物を用いる本発明のレジストパターンの形成方法によれば、LCD製造におけるスループットが向上する。
さらに、本発明のレジストパターンの形成方法によれば、LCDの製造に適した低NA条件の露光プロセスにおいても、高解像度のレジストパターンを形成することができる。特に、基板上に、例えばパターン寸法2.0μm以下の集積回路用のレジストパターンと、例えば2.0μm超の液晶ディスプレイ部分用のレジストパターンを同時に形成することができるので、システムLCDの製造に好適に用いられる。
【0038】
【実施例】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(A)成分として、m−クレゾール1モルに対し、ホルムアルデヒド0.8モルを用いて常法により合成した、重量平均分子量(Mw)=2600、Mw/数平均分子量(Mn)=2.09、アルカリ溶解性=330nm/秒のノボラック樹脂(樹脂1)を用いた。なお、(A)成分のアルカリ溶解性は、上述のように、アルカリ可溶性樹脂の層を所定膜厚で基板上に設け、これを2.38重量%TMAH水溶液(約23℃)に浸漬し、該膜厚が0となるのに要する時間を測定して求めた。
【0039】
(B)成分として、上記式(VII)の化合物を用いた。
【0040】
(C)成分として、下記構造式の化合物を用いた。
【0041】
【化10】
【0042】
(D)成分として、トリエタノールアミンを用いた。
【0043】
(A)成分100質量部、(B)成分5質量部、(C)成分15質量部、(D)成分0.25質量部、及び、(A)〜(D)成分の合計質量に対し450ppmに相当する量の界面活性剤(製品名「R−08」;大日本インキ化学工業(株)製)を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解して、固形分[(A)〜(C)成分の合計]濃度が25質量%になるように調整した。これを孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過し、ポジ型ホトレジスト組成物を調製した。
【0044】
実施例2〜5、比較例1,2
(A)成分として、樹脂1に代えて、表1に記載する樹脂2〜7を用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型ホトレジスト組成物を調製した。
【0045】
【表1】
【0046】
表1において、樹脂1〜7は以下のとおりである。
樹脂1:上述の通り
樹脂2:m−クレゾール/o−クレゾール=6:4(モル比)の混合物1モルに対し、ホルムアルデヒド0.8モルを用いて常法により合成した、Mw=2500、Mw/Mn=4.32、アルカリ溶解性=310nm/秒のノボラック樹脂
樹脂3:フェノール1モルに対し、ホルムアルデヒド0.8モルを用いて常法により合成した、Mw=2090、Mw/Mn=4.32、アルカリ溶解性=330nm/秒のノボラック樹脂
樹脂4:レゾルシノール/m−クレゾール/3,4−キシレノール=15:77:8(モル比)の混合物1モルに対し、ホルムアルデヒド0.8モルを用いて常法により合成した、Mw=2500、Mw/Mn=4.2、アルカリ溶解性=300nm/秒のノボラック樹脂
樹脂5:m−クレゾール/3,4−キシレノール=90:10(モル比)の混合物1モルに対し、サリチルアルデヒド0.2モル、ホルムアルデヒド0.6モルを用いて常法により合成した、Mw=2500、Mw/Mn=4.2、アルカリ溶解性=300nm/秒のノボラック樹脂
樹脂6:m−クレゾール/o−クレゾール/2,3,5−トリメチルフェノール=40:35:25(モル比)の混合物1モルに対し、ホルムアルデヒド0.8モルを用いて常法により合成した、Mw=2450、Mw/Mn=4.40、アルカリ溶解性=80nm/秒のノボラック樹脂
樹脂7:m−クレゾール1モルに対し、ホルムアルデヒド0.5モルを用いて常法により合成した、Mw=1000、Mw/Mn=1.5、アルカリ溶解性=1000nm/秒のノボラック樹脂
【0047】
比較例3
実施例1において、(A)〜(C)成分の代わりに下記のものを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型ホトレジスト組成物を調製した。
(A)成分:樹脂1を100質量部、
(X)成分:下記構造式の化合物1モルに対して、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド2モルを反応して得られたエステル化生成物を27質量部
【0048】
【化11】
【0049】
(Y)成分:下記構造式の化合物を15質量部
【0050】
【化12】
【0051】
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたポジ型ホトレジスト組成物について下記の諸物性(1)〜(5)について評価した。
(1)リニアリティ評価:
ポジ型ホトレジスト組成物を大型角基板用レジスト塗布装置(装置名:TR36000;東京応化工業(株)製)を用いてCr膜が形成されたガラス基板(550mm×650mm)上に塗布したのち、ホットプレートの温度を130℃とし、約1mmの間隔をあけたプロキシミティベークにより60秒間の第1回目の乾燥を行い、次いでホットプレートの温度を140℃とし、0.5mmの間隔をあけたプロキシミティベークにより60秒間の第2回目の乾燥を施し、膜厚1.5μmのレジスト被膜を形成した。
次いで3.0μmラインアンドスペース(L&S)および1.5μmL&Sのレジストパターンを再現するためのマスクパターンが同時に描かれたテストチャートマスク(レチクル)を介して、i線露光装置(装置名:FX−702J、ニコン社製;NA=0.14)を用いて、3.0μmL&Sを忠実に再現することのできる露光量(Eop露光量)にて選択的露光を行った。
次いで、ホットプレートの温度を140℃とし、0.5mmの間隔をあけたプロキシミティベークにより60秒間の加熱処理を施した。
次いで、23℃、2.38質量%TMAH水溶液をスリットコータノズルを有する現像装置(装置名:TD−39000デモ機、東京応化工業(株)製)を用いて、図1に示したように基板端部XからYを経てZにかけて、10秒間を掛けて基板上に液盛りし、55秒間保持した後、30秒間水洗し、スピン乾燥した。
その後、得られたレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真にて観察し、1.5μmL&Sのレジストパターンの再現性を評価した。その結果を表2に示す。
(2)感度評価:
感度評価の指標として、上記Eop露光量を用いた。その結果を表2に示す。
(3)解像性評価:
上記Eop露光量における限界解像度を求めた。その結果を表2に示す。
(4)DOF特性評価:
上記Eop露光量において、焦点を適宜上下にずらし、1.5μmL&Sが±10%の寸法変化率の範囲内で得られた焦点深度(DOF)の幅をμm単位で求めた。その結果を表2に示す。
(5)スカム評価:
上記Eop露光量において、1.5μmL&Sが描かれた基板表面をSEMにて観察し、スカムの有無を調べた。その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
本願発明のポジ型ホトレジスト組成物は、低NA条件(NA=0.14)での解像度が良好であった。また、解像度を含めて全ての評価項目で良好なバランスがとれていた。
これに対し、比較例1のポジ型ホトレジスト組成物は、感度が悪く、スカムも残っていた。また、比較例2,3のポジ型ホトレジスト組成物は、分離パターンを描けず、リニアリティの評価を行うことができなかった。また、解像性やDOF等の特性もよくなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、低NA条件下でも、少なくともディスプレイ部分のレジストパターンを、従来のLCD製造用のレジスト材料よりも高い解像度で得ることができる。また、LCD製造におけるスループットも向上する。
さらに、本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、低NA条件下でのリニアリティにも優れていることから、1つの基板上に集積回路と液晶ディスプレイ部分が形成されるシステムLCDの、ディスプレイ部分と、それよりも微細な集積回路部分のレジストパターンまでも高い解像度で得ることができ、システムLCDの製造用として好適である。
また、上述のようなポジ型ホトレジスト組成物を用いる本発明のレジストパターンの形成方法によれば、LCDの製造に適した低NA条件の露光プロセスにおいても、高解像度のレジストパターンを形成することができ、特に、システムLCDの製造に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低NA条件下におけるリニアリティ評価のために、ポジ型ホトレジスト組成物をガラス基板に塗布し、べークし乾燥し、パターン露光した後、スリットコーターを有する現像装置で現像液を基板端部XからZにかけて液盛りする旨の説明図。
Claims (12)
- 次の成分(A)〜(C):
(A)下記測定方法により算出される2.38質量%テトラメチルアンモニムヒドロキシド水溶液に対するアルカリ溶解性が100〜400nm/秒の範囲であるノボラック樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂、
(B)下記式(II)で表される化合物(II)、下記式(III)で表される化合物(III)、下記式(IV)で表される化合物(IV)、下記式(V)で表される化合物(V)および下記式(VI)で表される化合物(VI)のいずれか1種または2種以上の組み合わせであり、化合物(V)の場合は化合物(IV)との組み合わせで用いられる、放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)架橋性ポリビニルエーテル化合物、
を含有することを特徴とするLCD製造用のポジ型ホトレジスト組成物。
(測定方法):
アルカリ可溶性樹脂からなる層を所定の膜厚で基板上に設け、これを2.38質量%テトラメチルアンモニムヒドロキシド水溶液(23℃)に浸漬し、該膜厚が0となるのに要する時間を求めて、下記式により算出する。
アルカリ溶解性=膜厚/膜厚が0となるのに要する時間
- 上記(B)成分が、i線の照射により酸を発生する化合物である請求項1記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 上記(C)成分が、次の一般式(I):
R−(OH)n (I)
[式中、Rは直鎖基、分岐基又は環基を含むアルカンからn個の水素原子を除いた基であり、nは2、3又は4の整数を示す]で表されるアルコールの水酸基の一部又は全部をビニル基でエーテル化した化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。 - さらに、(D)成分として、アミン類を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 上記(D)成分が、トリエタノールアミンである請求項6記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- i線露光プロセス用である請求項1〜7のいずれか1項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- NAが0.3以下の露光プロセス用である請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- 1つの基板上に集積回路と液晶ディスプレイ部分が形成されたLCD製造用である請求項1〜9のいずれか1項に記載のポジ型ホトレジスト組成物。
- (1)請求項1〜10記載のポジ型ホトレジスト組成物を基板上に塗布し、塗膜を形成する工程、(2)上記塗膜が形成された基板を加熱処理(プリベーク)し、基板上にレジスト被膜を形成する工程、(3)上記レジスト被膜に対し、2.0μm以下のレジストパターン形成用マスクパターンと、2.0μm超のレジストパターン形成用マスクパターンの双方が描かれたマスクを用いて、NAが0.3以下の低NA条件下での露光プロセスにより選択的露光を行う工程、(4)上記選択的露光後のレジスト被膜に対し、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク)を施す工程、(5)上記加熱処理後のレジスト被膜に対し、アルカリ水溶液を用いた現像処理を施し、上記基板上に、パターン寸法2.0μm以下の集積回路用のレジストパターンと、2.0μm超の液晶ディスプレイ部分用のレジストパターンを同時に形成する工程、(6)上記レジストパターン表面に残った現像液を洗い落とすリンス工程、を含むことを特徴とするレジストパターンの形成方法。
- 上記(3)選択的露光を行う工程が、i線を光源に用いた露光プロセスにより行われる請求項11記載のレジストパターンの形成方法。
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