JP4513228B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線、特に紫外線、遠紫外線に感応する高集積回路作製用レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路の作製にポジ型レジストが広く使用されているが、近年、集積回路の高集積化に伴って、高解像度のレジストパターンを高感度で形成できるポジ型レジストが望まれている。
一般にポジ型レジストの解像度を向上させるためには、露光の際のステッパーの開口係数(NA)を大きくする方法がある。しかし、この場合には焦点深度(フォーカス許容性)が狭くなる問題が生じるため、同時にレジスト材料の改良が必要である。例えば、フォーカス許容性を向上させるためにキノンジアジド化合物の種類を変更することがその1つの対応法である。しかし、その際にパターン形状が悪化してしまう場合がある。また、キノンジアジド化合物の添加量を増やすこともその1つの対応法である。しかし、キノンジアジド化合物の添加量を増やすと現像性が悪化してしまう。このように、従来のポジ型レジストにおいては、解像度、耐熱性、フォーカス許容性、又は現像性のいずれかの性能を向上させた場合、それ以外の他の性能が低下してしまうものであった。
【0003】
また、感光剤だけでなく、添加剤を加えることによってポジ型レジスト性能を向上させる試みがなされている。例えば、特開平3−100551号公報には解像度を上げるためにフタル酸ジヒドロアピエチルを添加することが開示されている。また、特開平4−212960号公報にはアジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)又はアジピン酸ジオクチルを添加することが開示されている。しかし、これらの添加剤によって、解像度を向上させることはできるが、感度の著しい低下、或いは現像性の悪化を招いてしまう恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、良好な感度を維持し、解像度及び露光マージンに優れ、且つパターン形状が良好であり、各特性のバランスのよいポジ型レジストとして好適である感放射線性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジドスルホン酸エステル化合物、及び(C)脂肪族二塩基酸エステル化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、
上記脂肪族二塩基酸エステル化合物が、グルタル酸ジn−ブチル、及びピメリン酸ジn−ブチルからなる群より選ばれることを特徴とする。
【0008】
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明において用いられる上記「(A)アルカリ可溶性樹脂」(以下、「樹脂(A)」という。)としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン又はその誘導体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体又はその誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらのうち、ノボラック樹脂を用いることが好ましい。
【0009】
このノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒存在下で重縮合して得られる。この際使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール及びβ−ナフトール等を挙げることができる。これらのうち、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、及び2,3,5−トリメチルフェノール等が好ましい。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0010】
特に、好ましい組み合わせとしては、m−クレゾール/p−クレゾール、m−クレゾール/2,3−キシレノール、m−クレゾール/2,4−キシレノール、m−クレゾール/2,3,5−トリメチルフェノール、フェノール/2,3−キシレノール/3,4−キシレノール、m−クレゾール/2,3−キシレノール/3,4−キシレノール、及びm−クレゾール/2,3−キシレノール/2,3,5−トリメチルフェノール等を挙げることができる。この好ましい組合せにおいて使用されるm−クレゾールは、通常、フェノール類全量に対して、30重量%以上、好ましくは50重量%以上である。
【0011】
また、上記フェノール類と重縮合させるアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、フルフラール、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド及び2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、特に、ホルムアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒドを好適に用いることができる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0012】
このアルデヒド類はフェノール類に対して、通常、0.5〜3モル、好ましくは0.6〜1.5モルの割合で使用される。
フェノール類とアルデヒド類との重縮合反応には、酸触媒が使用される。この酸触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、シュウ酸及びp−トルエンスルホン酸等を使用することができ、その配合量は、フェノール類1モル当たり1×10-4〜5×10-1モルである。
【0013】
上記重縮合反応においては、通常、反応媒体として水を用いるが、反応において使用するフェノール類がアルデヒド類の水溶液に溶解せず、反応初期から不均一系になる場合には、反応媒体としてアルコール類、エーテル類及びケトン類の溶媒を使用することもできる。アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。エーテル類としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。ケトン類としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及び2−ヘプタノン等が挙げられる。これらの反応媒体の配合量は、反応原料100重量部当たり、通常、20〜500重量部である。
また、重縮合反応の温度は、反応原料の反応性に応じて適宜調整することができるが、通常、10〜200℃である。反応方法としては、(1)フェノール類、アルデヒド類、触媒及び溶剤を一括して仕込む方法、及び(2)フェノール類、アルデヒド類を反応の進行とともに添加する方法を適宜採用できる。
【0014】
反応終了後、系内に残存する未反応原料、酸触媒及び反応媒体を除去すると共に、ノボラック樹脂を回収するため、一般的には系の温度を130〜230℃に上昇させ、減圧下に揮発分を留去する。更に、このようにして得られたノボラック樹脂を例えば、酢酸エチル、メタノール及びメチルイソブチルケトン等の良溶媒に溶解したのち、水、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等の貧溶剤を加え、沈殿した樹脂溶液層を分離し、比較的高分子量の樹脂を得る方法もある。
【0015】
得られたノボラック樹脂のポリスチレン換算での重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、2,000〜20,000であり、3,000〜15,000であることが好ましい。このMwが大きすぎると、組成物をウェハに均一に塗布することが困難となる場合があり、更には、現像性及び感度が低下する場合がある。一方、Mwが小さすぎると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向にある。
【0016】
(B)キノンジアジドスルホン酸エステル化合物
本発明に用いられる上記「(B)キノンジアジドスルホン酸エステル化合物」(以下、「キノンジアジド化合物(B)」という。)は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリヒドロキシ化合物の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、及び1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、特に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルが好ましい。
【0017】
上記キノンジアジド化合物(B)は、例えばポリヒドロキシ化合物とキノンジアジドスルホニルクロリドとを塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる。この反応でポリヒドロキシ化合物の全水酸基に対するキノンジアジドスルホン酸エステルの割合(平均エステル化率)は、通常、20〜100%であり、好ましくは40〜95%である。この平均エステル化率が低すぎると、パターン形成が難しく、高すぎると現像性の悪化、感度の低下を招く恐れがある。
ここで、用いられるポリヒドロキシ化合物は特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式に示す化合物が挙げられる。
【0018】
【化3】
Figure 0004513228
【0019】
[式中、X1〜X15は独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、又は水酸基である。但し、X1〜X5及びX6〜X10の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【0020】
【化4】
Figure 0004513228
【0021】
[式中、X16〜X30は、上記X1〜X15と同様の定義である。但し、X16〜X20、X21〜X25及びX26〜X30の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y2〜Y4独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【0022】
【化5】
Figure 0004513228
【0023】
[式中、X31〜X44は、上記X1〜X15と同様の定義である。但し、X31〜X35において少なくとも1つは水酸基である。また、Y5〜Y8は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【0024】
【化6】
Figure 0004513228
【0025】
[式中、X45〜X58は独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又は水酸基である。但し、X45〜X48及びX49〜X53の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y9及びY10は独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数5〜7のシクロアルキル基である。]
【0026】
【化7】
Figure 0004513228
【0027】
[式中、X59〜X80は、上記X45〜X58と同様の定義である。但し、X59〜X63、X64〜X67、X72〜X75及びX76〜X80の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y11〜Y18は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【0028】
【化8】
Figure 0004513228
【0029】
[式中、X81〜X102は、上記X45〜X58と同様の定義である。但し、X81〜X85、X86〜X89、X90〜X93及びX94〜X98の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y19〜Y24は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【0030】
【化9】
Figure 0004513228
【0031】
[式中、X103〜X120は、上記X45〜X58と同様の定義である。但し、X103〜X107、X108〜X111、X112〜X115及びX116〜X120の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y19〜Y24は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。]
【0032】
【化10】
Figure 0004513228
【0033】
[式中、X121〜X123は独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、X124は水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、a及びbは0〜3の整数であり、a+b≦4である。]
【0034】
【化11】
Figure 0004513228
【0035】
[式中、X125及びX126は独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、c〜fは0〜3の整数であり、c+e≦4、d+f≦4である。]
【0036】
【化12】
Figure 0004513228
【0037】
[式中、X127〜X130は独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、g及びhは0〜2の整数である。]
【0038】
【化13】
Figure 0004513228
【0039】
[式中、X131〜X134は独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、i及びjは0〜2の整数である。]
【0040】
【化14】
Figure 0004513228
【0041】
[式中、X135〜X139は独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、kは0〜2の整数である。]
【0042】
【化15】
Figure 0004513228
【0043】
[式中、X140〜X143は独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、l〜oは0〜2の整数、Yは−CH2−で、−C(CH32−、及び下式で表される2価の有機基である。]
【0044】
【化16】
Figure 0004513228
【0045】
【化17】
Figure 0004513228
【0046】
[式中、X144及びX145は独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は水酸基を表し、p及びqは0〜2の整数である。]
【0047】
また、上記の一般式で表される具体的な化合物として下記に示すものが挙げられる。
【0048】
【化18】
Figure 0004513228
【0049】
【化19】
Figure 0004513228
【0050】
【化20】
Figure 0004513228
【0051】
【化21】
Figure 0004513228
【0052】
【化22】
Figure 0004513228
【0053】
【化23】
Figure 0004513228
【0054】
【化24】
Figure 0004513228
【0055】
本発明の組成物において、上記キノンジアジド化合物(B)の配合量は、樹脂(A)100重量部に対して、5〜60重量部が好ましく、10〜50重量部がより好ましい。また、キノンジアジド化合物(B)は単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて用いる場合、感度を向上させることができるため好ましい。
【0056】
また、本発明の組成物中に占める1,2−キノンジアジドスルホニル残基の総量は、組成物の全固形分に対する割合として、5〜50重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。キノンジアジド化合物の配合量が少なすぎると、レジストとして使用する際に放射線照射部と放射線未照射部との現像液(アルカリ性水溶液)に対する溶解性に差が殆ど生じず、パターン化が困難となる傾向がある。一方、この配合量が多すぎると、短時間の放射線照射では配合したキノンジアジド化合物が分解し難く、現像液による現像が困難となることがある。
【0057】
(C)脂肪族二塩基酸エステル化合物
本発明に用いられる上記「(C)脂肪族二塩基酸エステル化合物」は、下記式(1)で表されるもののうち、グルタル酸ジn−ブチル、及びピメリン酸ジn−ブチルからなる群より選ばれることを特徴とする。
【化2】
Figure 0004513228
[式(1)中、R 及びR は独立に炭素数1〜6のアルキル基、R はメチレン基又は炭素数2〜6のアルキレン基である。]
なお、ここで、式(1)について参考までに更に説明する。
式(1)におけるR、Rの炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基及びイソヘキシル基等を挙げることができる。上記アルキル基の炭素数が7以上の場合は感度が著しく低下したり、或いは、現像性が悪く現像残り等の現象がみられる。また、炭素数が3〜4のアルキル基が更に好ましい。具体的にはn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基が挙げられる。
【0058】
また、式(1)のRの炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基及びヘキサメチレン基等を挙げることができる。具体的な化合物としてはコハク酸ジn−プロピル、コハク酸ジn−ブチル、コハク酸ジn−ペンチル、グルタル酸ジn−プロピル、グルタル酸ジn−ブチル、グルタル酸ジn−ペンチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジn−プロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジn−ペンチル、アジピン酸ジイソペンチル、アジピン酸ジn−ヘキシル、アジピン酸ジイソヘキシル、ピメリン酸ジn−プロピル、ピメリン酸ジn−ブチル、ピメリン酸ジn−ペンチル、スベリン酸ジn−プロピル、スベリン酸ジn−ブチル及びスベリン酸ジn−ペンチル等を挙げることができ特に、コハク酸ジn−ブチル、グルタル酸ジn−ブチル、アジピン酸ジn−プロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジn−ペンチル、アジピン酸ジイソペンチル及びピメリン酸ジn−ブチルを挙げることができるが、本発明では、上述のように、これらの中でもグルタル酸ジn−ブチル、ピメリン酸ジn−ブチルが選ばれる。
【0059】
本発明の組成物においては、この脂肪族二塩基酸エステル化合物の配合量は、樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5.0重量部である。この脂肪族二塩基酸エステル化合物の配合量が少なすぎると、レジスト性能向上の効果が小さく、また、多すぎると形状が悪化し、スカムが発生する等の傾向がある。
また、脂肪族二塩基酸エステル化合物は単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0060】
本発明の組成物には、必要に応じて樹脂(A)のアルカリ溶解性を促進する目的で、低分子量のフェノール化合物(以下、「溶解促進剤」という。)を配合することができる。この溶解促進剤としては、ベンゼン環数が2〜5のフェノール化合物が好ましく、例えば下記式(2−1)〜(2−9)で表される化合物を挙げることができる。
【0061】
【化25】
Figure 0004513228
【0062】
【化26】
Figure 0004513228
【0063】
【化27】
Figure 0004513228
【0064】
[ここで、式(2−1)〜(2−3)において、a及びbは独立に0〜3の整数であり、但しaとbは同時に0ではない。また、x及びyは独立に0〜3の整数であり、a+x≦5、且つb+y≦5である]。
【0065】
【化28】
Figure 0004513228
【0066】
【化29】
Figure 0004513228
【0067】
【化30】
Figure 0004513228
【0068】
【化31】
Figure 0004513228
【0069】
【化32】
Figure 0004513228
【0070】
[ここで、式(2−4)〜(2−9)において、a、b及びcは独立に0〜3の整数である。但し、これらは同時に0ではない。また、x、y及びzは独立に0〜3の整数である。更に、式(2−4)及び(2−5)において、b+y≦4である。そして、式(2−6)〜(2−9)において、a+x≦5、b+y≦4、且つc+z≦5である。]
【0071】
この溶解促進剤の配合量は、通常、樹脂(A)100重量部に対して、50重量部以下であり、好ましくは5〜30重量部である。
【0072】
また、本発明の組成物においては、必要に応じて界面活性剤、溶剤、着色剤(染料又は顔料)、接着助剤、保存安定剤、消泡剤等の各種配合剤を配合することができる。
上記界面活性剤は、組成物の塗布性や現像性を改良するために配合されるものである。この界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート及びポリエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。これらの市販品としては、「メガファックス F171、F172、F173、F471、R−07、R−08」(商品名、大日本インキ化学工業社製)、「フロラード FC430、FC431」(商品名、住友スリーエム社製)、「アサヒガード AG710、サーフロン S−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106」(商品名、旭硝子社製)、「KP341」(商品名、信越化学工業社製)、「ポリフロー No.75、No.95」(商品名、共栄社油脂化学工業社製)、及び「NBX−7、NBX−8、NBX−15」(商品名、ネオス社製)等が挙げられる。
この界面活性剤の配合量は、組成物の固形分100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
【0073】
上記溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル及びピルビン酸エチル等を挙げることができる。更に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン及びエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
この溶剤の配合量は、上記樹脂(A)等を固形分濃度が5〜50重量%となるように調整することが好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
【0074】
また、染料、顔料等の着色剤は、放射線照射時のハレーションの影響を少なくするために配合される。
【0075】
本発明の組成物は、通常、上記の溶剤に溶かし、溶液状態で使用される。組成物溶液は、組成物を構成する固形分の濃度が、例えば20〜40重量%となるように溶剤に溶解し、孔径0.2μm程度のフィルターで濾過することによって調製される。
【0076】
この組成物を用いてレジスト皮膜を形成するには、例えば、溶液として調製された本発明の組成物が回転塗布、流延塗布、ロール塗布等によって、シリコンウエハ又はアルミニウム等が被覆されたウエハに塗布される。次いでこれをプレベークすることによりレジスト被膜を形成し、所望のレジストパターンを形成するようにレジスト被膜に放射線を照射し、現像液で現像することによりパターンの形成が行われる。
【0077】
この際用いられる放射線としては、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられるが、エキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線を用いることもできる。
【0078】
また、本発明の組成物は、レジスト被膜を形成し、放射線照射を行った後、必要に応じて70〜140℃で加熱する操作(以下、「ポストベーク」という。)を行い、その後に現像することによって、本発明の効果を更に向上させることもできる。
【0079】
上記レジスト被膜に対し使用する現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン及び1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等のアルカリ性化合物を、濃度が、例えば1〜10重量%となるように水に溶解してなるアルカリ性水溶液が使用される。
また、上記現像液には、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や界面活性剤を適量添加して使用することもできる。
尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般的には、現像後、水で洗浄する。
【0080】
本発明の組成物は、感度が600msec以下(より好ましくは500msec以下、更に好ましくは450msec以下)、解像度が0.32μm以下(より好ましくは0.30μm以下、更に好ましくは0.28μm以下)、フォーカス許容性が0.90μm以上(より好ましくは1.10μm以上、更に好ましくは1.20μm以上、特に好ましくは1.25μm以上)、露光マージンが1.30以上(より好ましくは1.35以上、更に好ましくは1.40以上、特に好ましくは1.45以上)、又はパターン断面形状が矩形であることが好ましい。但し、これらの各特性は、下記に示す試験方法によるものとする。
更に、本発明の組成物は、上記各特性の好ましい範囲を種々選択したものとすることができる。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、なんら限定されるものではない。尚、実施例中の重量平均分子量(Mw)の測定及びレジストの各評価は、以下の方法により行った。
(Mwの測定方法)
東ソー社製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本、G4000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶離溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ法(検出器:示差屈折計)により測定した。
(感度の測定方法)
0.35μmのライン・アンド・スペースパターンを1対1に解像する時の露光量(適正露光量)を測定し、この値を感度とした。
(解像度の測定方法)
適正露光量で露光した時に膜減りすることなく分離する、0.35μmのライン・アンド・スペースパターンの最小寸法を解像度として、走査型電子顕微鏡で測定した。
(フォーカス許容性の測定方法)
走査型電子顕微鏡を用い、適正露光量において、解像されるパターン寸法が、マスクの設計寸法の±10%以内となる場合のフォーカスの振れ幅をフォーカスレンジとし、評価指標とした。フォーカスレンジが大きいことは、良好なフォーカス許容性を有していることを意味する。
(露光マージンの測定方法)
適正露光量(Eop)を0.35μmのライン・アンド・スペースパターンが解像し始めるときの露光量(Ec)で除して得られる値を露光マージン(Eop/Ec)として測定した。尚、この値が大きいことは、良好な露光マージンを有していることを意味する。
(パターン断面形状の測定方法)
走査型電子顕微鏡を用い、0.35μmのレジストパターンの断面を観察した。断面の形状が矩形であれば正常である。図1に示した(A)の形状を「矩形」、(B)の形状を「頭丸い」、且つ(C)の形状を「下部裾引き」とする。
【0082】
(1)樹脂(A)の合成
合成例1
オートクレーブに、m−クレゾール69.2g(0.64モル)、2,3−キシレノール9.8g(0.08モル)、3,4−キシレノール9.8g(0.08モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液55.1g(ホルムアルデヒド:0.68モル)、しゅう酸2水和物5.0g(0.04モル)、水52.6g及びジオキサン182gを仕込んだのち、オートクレーブを油浴に浸し、反応液の温度を130℃に保持して、攪拌しつつ8時間重縮合させた。その後、反応液を室温まで冷却して、内容物をビーカーに取り出して、ビーカー内で分離した2層のうち下層(樹脂層)を分取した。次いで、樹脂層を濃縮し、脱水し、乾燥して、Mwが8,600の樹脂(A1)を得た。
【0083】
合成例2
冷却管と攪拌装置を装着した2Lのセパラブルフラスコに、2,4−ジメチルフェノール48.8g(0.4モル)、m−クレゾール172.8g(1.6モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液129.8g(ホルムアルデヒド:1.6モル)、シュウ酸2水和物12.6g(0.1モル)及びメチルイソブチルケトン554gを仕込み、内温を90〜100℃に保持して攪拌しながら8時間縮合を行った。この樹脂溶液をイオン交換水500gで2回水洗した後、n−ヘキサン600gを加え、30分間攪拌し、1時間静置した。析出した樹脂層の上澄み液をデカンデーションによって取り除いた。その後、得られた樹脂層を濃縮し、脱水し、乾燥して、Mw8,300である樹脂(A2)を得た。
【0084】
(2)キノンジアジド化合物(B)の合成
合成例3
遮光下で、攪拌機、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、下記式(3)で表される化合物29.2g(0.1モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド67.1g(0.25モル)及びジオキサン481gを仕込み、攪拌しながら溶解させた。次いで、フラスコを30℃にコントロールされた水浴中に浸し、内温が30℃一定となった時点で、この溶液にトリエチルアミン28.3g(0.28モル)を内温が35℃を越えないように、滴下ロートを用いて加え、同温度で2時間反応させた。その後、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により取り除き、濾液を大量の希塩酸水溶液中に注ぎ込んで反応生成物を析出させ、次いで析出物を濾過し、回収し、真空乾燥器中、40℃で一昼夜乾燥してキノンジアジド化合物(B−1)を得た。
【0085】
【化33】
Figure 0004513228
【0086】
合成例4
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(4)で表される化合物42.4g(0.1モル)に変え、ジオキサン547gとした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−2)を得た。
【0087】
【化34】
Figure 0004513228
【0088】
合成例5
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(5)で表される化合物37.8g(0.1モル)に変え、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド40.2g(0.15モル)、ジオキサン300g、N,N−ジメチルホルムアミド90g及びトリエチルアミン16.7g(0.17モル)とした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−3)を得た。
【0089】
【化35】
Figure 0004513228
【0090】
合成例6
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(6)で表される化合物36.4g(0.1モル)に変え、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド80.5g(0.3モル)、ジオキサン585g及びトリエチルアミン33.4g(0.33モル)とした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−4)を得た。
【0091】
【化36】
Figure 0004513228
【0092】
合成例7
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(7)で表される化合物64.6g(0.1モル)に変え、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド40.2g(0.15モル)、ジオキサン390g、N,N−ジメチルホルムアミド130g及びトリエチルミン167g(0.17モル)とした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−5)を得た。
【0093】
【化37】
Figure 0004513228
【0094】
合成例8
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(8)で表される化合物39.2g(0.05モル)に変え、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド40.2g(0.125モル)、ジオキサン476g及びトリエチルアミン17.2g(0.17モル)とした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−6)を得た。
【0095】
【化38】
Figure 0004513228
【0096】
合成例9
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(9)で表される化合物24.8g(0.05モル)に変え、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド33.5g(0.125モル)、ジオキサン350g及びトリエチルアミン14.1g(0.14モル)とした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−7)を得た。
【0097】
【化39】
Figure 0004513228
【0098】
合成例10
仕込み材料において、合成例3で使用される[前記式(3)で表される]化合物を下記式(10)で表される化合物24.8g(0.05モル)に変え、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド33.5g(0.125モル)、ジオキサン350g及びトリエチルアミン14.1g(0.14モル)とした以外は、合成例3と同様の操作によりキノンジアジド化合物(B−8)を得た。
【0099】
【化40】
Figure 0004513228
【0100】
(3)脂肪族二塩基酸エステル化合物(C)の合成
合成例11
攪拌機、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、アジピン酸28.6g(0.1モル)、n−ペンタノール44.1g(0.5モル)及びジオキサン130gを仕込み、攪拌しながら硫酸3mlを加えた後、6時間還流し、反応させた。フラスコを放冷した後、反応溶液を蒸留水で希釈して、分液ロートで有機層を分離し、これを10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を留去した後、留分を蒸留精製することにより、アジピン酸ジn−ペンチル(下記(C−3))を得た。
【0101】
合成例12
仕込み材料において、合成例11で使用されるアジピン酸をグルタル酸24.4g(0.1モル)に変え、n−ペンタノールをn−ブタノール37.1g(0.5モル)とした以外は、合成例11と同様の操作によりグルタル酸n−ブチル(下記(C−4))を得た。
【0102】
合成例13
仕込み材料において、合成例11で使用されるアジピン酸をピメリン酸27.2g(0.1モル)に変え、n−ペンタノールをn−ブタノール37.1g(0.5モル)とした以外は、合成例11と同様の操作によりピメリン酸n−ブチル(下記(C−5))を得た。
【0103】
(3)レジストパターンの形成
例1〜11(実験例6、7が実施例であり、実験例1−5、8−11は参考例である)
表1に示す組成割合(但し、「部」は「重量部」を示す。)で、樹脂(A)、キノンジアジド化合物(B)、脂肪族二塩基酸エステル化合物、溶解促進剤、及び溶剤を混合して、均一溶液とした後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過し、溶液状の感放射線性樹脂組成物を調製した。尚、表1に示す樹脂(A)の量は固形分換算の量である。使用した脂肪族二塩基酸エステル化合物、溶解促進剤及び溶剤は下記のものを用いた(比較例においても、同様である。)。
尚、表1中において、「*」は本発明の範囲に含まれないことを示す。また、キノンジアジド化合物(B)、脂肪族二塩基酸エステル化合物及び溶解促進剤の配合量(部)を示す欄の、数値の横に記載した括弧内の数値は、樹脂(A)を100重量部とした場合の配合量(部)である。
【0104】
表1における、各実例及び各比較例に用いた溶解促進剤及び溶剤の種類を以下に示す。尚、脂肪族二塩基酸エステル化合物のうち、C−1、C−2、C−6及びC−7はいずれも市販品を使用した。
(脂肪族二塩基酸エステル化合物)
C−1:アジピン酸ジn−ブチル
C−2:アジピン酸ジイソブチル
C−3:アジピン酸ジn−ペンチル
C−4:グルタル酸ジn−ブチル
C−5:ピメリン酸ジn−ブチル
C−6:アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)
C−7:アジピン酸ジn−オクチル
(溶解促進剤)
α:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン
β:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン
γ:1,1−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)アセトン
(溶剤)
a−1:2−ヘプタノン
a−2:3―ヘプタノン
b−1:3−メトキシプロピオン酸メチル
b−2:3−エトキシプロピオン酸エチル
b−3:3−メトキシプロピオン酸エチル
c−1:乳酸エチル
c−2:γ−ブチロラクトン
【0105】
上記で得られた各溶液を、表面にシリコン酸化膜を有する6インチのシリコンウェハ上にスピンナー(スピンコーター)を用いて塗布した後、ホットプレート上で90℃にて120秒間プレベークして、厚さ0.86μmのレジスト被膜を形成した。次いで、レチクルを介して、ニコン社製「NSR−2205i12D縮小投影露光機」(レンズ開口数:0.57)から波長365nm(i線)の紫外線を露光した後、ホットプレート上で110℃にて60秒間ポストベークし、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、超純水で洗浄し、乾燥することにより、パターン形成を行った。得られた結果を表2に示した。
【0106】
比較例1〜4
表1に示す組成割合に従って、脂肪族二塩基酸エステル化合物を配合しなかった(比較例1及び比較例2)こと以外は実例1〜11と同様に、レジストパターンを形成し、得られたレジストパターンの特性を、実例と同様にして調べた。その結果を表2に併記する。
【0107】
【表1】
Figure 0004513228
【0108】
【表2】
Figure 0004513228
【0109】
表2によれば、脂肪族二塩基酸エステル化合物を含まない比較例1及び比較例2においては、感度は良好であったが、解像度が共に0.34μmと悪く、露光マージンがそれぞれ1.27、1.28と低かった。更に、フォーカス許容性においても、共に0.8μmと低い値であった。また、比較例2においては、パターン断面形状が「頭丸い」であった。そして、本発明の範囲に含まれない脂肪族二塩基酸エステル化合物を用いた比較例3及び比較例4では、感度がそれぞれ650、630msecと悪く、パターン断面形状においてもそれぞれ「頭丸い」、「下部裾引き」であった。このように比較例1〜4は、特性のバランスが十分ではなかった。
【0110】
これに対して、実例1〜11では、全ての実例において、感度が410〜550msecと良好であり、解像度においても、0.26〜0.28μmと優れた値を示し、パターン断面形状においても「矩形」であった。更に、全ての実例において、フォーカス許容性が1.20〜1.30μmと良好であり、露光マージンにおいても、1.40〜1.46と優れた値を示した。これらのことから、実例は、上記各特性の全てにおいて良好であり、バランス性能に優れていることが分かった。
【0111】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型レジストとして、少ない塗布量で均一な膜厚に塗布でき、しかもパターン欠陥を生じ難く、且つ優れたパターン形状を有する高解像度のレジストパターンを高感度で形成できる。従って、本発明の組成物は特に半導体集積回路の製造に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジストパターンにおける深さ方向断面形状の各概略を示す断面図である。

Claims (1)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジドスルホン酸エステル化合物、及び(C)脂肪族二塩基酸エステル化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、
    上記脂肪族二塩基酸エステル化合物が、グルタル酸ジn−ブチル、及びピメリン酸ジn−ブチルからなる群より選ばれることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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