JP4051902B2 - コネクタの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コネクタの構造に係るものである。特に、この発明は、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付けが確実にでき、かつ、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付け作業の安定化が図られるコネクタの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のコネクタの構造としては、たとえば、特開平8−192680号公報に記載のものがある。以下、このコネクタの構造について図25〜図27を参照して説明する。この例は、自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニットに使用した例を示す。
【0003】
図25において、1は自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニットである。このパワーユニット1は、以下のように構成されている。すなわち、第1ハウジング2および第2ハウジング3内には、左右用モータおよび上下用モータ200(なお、図26および図27において、左右用モータの図示は省略されている)がそれぞれ内蔵されている。前記左右用モータおよび上下用モータ200には、減速機構(図示せず)および進退機構(図示せず)を介して左右用進退ロッドおよび上下用進退ロッド4(なお、図25において、左右用進退ロッドの図示は省略されている)が連結されている。この結果、前記左右用進退ロッドおよび上下用進退ロッド4は、前記第1ハウジング2および第2ハウジング3に対して進退可能である。前記左右用進退ロッドおよび上下用進退ロッド4の先端には、球部5が一体に設けられている。
【0004】
また、図25において、6は自動車用リモートコントロール式ミラー装置のミラーユニットである。このミラーユニット6は、ミラーボディー7と、前記ミラーボディー7を保持するミラーホルダー8とから構成されている。前記ミラーホルダー8には、球凹部9が設けられている。
【0005】
前記パワーユニット1の第1ハウジング2には、前記ミラーユニット6のミラーホルダー8が、ピボット機構10およびガイド機構11を介して左右方向および上下方向に傾動可能に取り付けられている。前記球部5と前記球凹部9とが相互に嵌合されている。なお、前記ミラーホルダー8においては、前記ミラーボディー7を保持する部分(いわゆる、ミラーホルダー)と、前記ピボット機構10および前記ガイド機構11を有する部分(いわゆる、ミラーホルダーベース)とが一体構造をなすものと、別体構造をなして相互に組み付けてなるものとがある。前記両者の作用においては、さほどの相違はない。
【0006】
さらに、図25において、12はコネクタである。このコネクタ12は、オスコネクタ13と、メスコネクタとしての前記パワーユニット1とを備える。前記オスコネクタ13は、オスターミナル320と、前記オスターミナル320の一部を外側に突出させた状態で前記オスターミナル320を保持する絶縁性のオスホルダー14とから構成されている。前記オスターミナル320には、ハーネス15が接続されている。
【0007】
一方、前記メスコネクタ(パワーユニット1)は、前記左右用モータおよび上下用モータ200に内蔵されたメスターミナル280と、前記メスターミナル280を内部に収納した状態で保持するとともに、前記オスターミナル320の突出部を挿入するための挿入孔290が設けられているケース構造の絶縁性のメスホルダーとしての前記第1ハウジング2および第2ハウジング3とから構成されている。
【0008】
前記オスホルダー14と前記メスホルダー(第2ハウジング3)とを嵌合して前記オスターミナル320の突出部を前記挿入孔290中に挿入して前記左右用モータおよび上下用モータ200のメスターミナル280に直に差し込むことにより、前記オスターミナル320と前記メスターミナル280とが電気的に接続する。この結果、前記左右用モータおよび上下用モータ200は、給電可能状態となる。前記パワーユニット1およびミラーユニット6およびコネクタ12がミラーハウジング(図示せず)内に内蔵され、かつ、前記ミラーユニット6のミラーボディー7が前記ミラーハウジングの前面開口部(図示せず)に配置されることにより、自動車用リモートコントロール式ミラー装置が構成されることとなる。
【0009】
ここで、自動車の運転席からリモートコントロールにより、前記左右用モータまたは上下用モータ200に給電する。すると、前記左右用モータが駆動して左右用進退ロッドが進退し、それに伴なって、ミラーユニット6がパワーユニット1に対してピボット機構10の中心を通る垂直軸(図示せず)回りに左右に傾動する。または、前記上下用モータ200が駆動して上下用進退ロッド4が進退し、それに伴なって、ミラーユニット6がパワーユニット1に対してピボット機構10の中心を通る水平軸(図示せず)回りに上下に傾動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付けが確実にでき、かつ、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付け作業の安定化が図られるコネクタの構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、オスターミナルが、ハーネスが接続されたハーネス接続部と、そのハーネス接続部に対してほぼ直角に折り曲げられていてメスターミナルと電気的に接続するターミナル接続部と、そのターミナル接続部に設けられている抜け止め部と、から構成されていて、オスホルダーが、オスターミナルを挿入方向に差し込んでオスターミナルの一部を外側に突出させた状態で仮保持するベース構造のコネクタホルダーと、コネクタホルダーに挿入方向に嵌合カバーしてオスターミナルをコネクタホルダーと共に本保持させるカバー構造のコネクタカバーとから構成されていて、コネクタホルダーには、ターミナル接続部が仮保持される仮保持用透孔とハーネス接続部が仮保持される仮保持用凹部とがほぼ直交した状態で設けられていて、その仮保持用透孔の内側面には、抜け止め部を止める止め段部が設けられていて、コネクタホルダーとコネクタカバーとには、相互に嵌合してオスターミナルをコネクタホルダーおよびコネクタカバーに本保持させる嵌合部が設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
この結果、請求項1にかかる発明は、コネクタホルダーの仮保持用透孔および仮保持用凹部中にオスターミナルのターミナル接続部およびハーネス接続部を差し込んで、オスターミナルの抜け止め部をコネクタホルダーの抜け止め段部に止めることにより、オスターミナルのターミナル接続部の一部をコネクタホルダーから外側に突出させた状態で、オスターミナルをコネクタホルダーに仮保持させることができる。また、オスターミナルを仮保持したコネクタホルダーの嵌合部にコネクタカバーの嵌合部を嵌合カバーすることにより、オスターミナルの一部をコネクタホルダーから外側に突出させた状態で、オスターミナルをコネクタホルダーおよびコネクタカバー(オスホルダー)に本保持させることができる。このように、請求項1にかかる発明は、オスターミナルをコネクタホルダーに仮保持してから、そのオスターミナルをコネクタホルダーおよびコネクタカバーに本保持するものであるから、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付けが確実にでき、かつ、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付け作業の安定化が図られる。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、オスホルダーとメスホルダーとに、オスホルダーとメスホルダーとの嵌合を着脱可能にロックするロック機構が設けられており、かつ、ロック機構のロック解除時に、コネクタホルダーとコネクタカバーとの嵌合状態を保持する保持機構が設けられていて、ロック機構が、コネクタホルダーのうち嵌合部よりも内側に設けられている弾性係合爪と、メスホルダーに設けられている係合段部と、からなり、コネクタカバーの嵌合部がコネクタホルダーの嵌合部よりも外側に設けられている立壁に設けられていて、保持機構が、コネクタカバーのうち嵌合部の立壁よりも外側に設けられている立壁と、メスホルダーに設けられている2重の立壁と、からなる、ことを特徴とする。
【0014】
この結果、請求項2にかかる発明は、ロック機構の相互に弾性嵌合するコネクタホルダー弾性係合爪とメスホルダーの係合段部の周囲が、保持機構の相互に嵌合するメスホルダーの2重の立壁とコネクタカバーの2重の立壁(すなわち、嵌合部の立壁と、その嵌合部の対置壁の外側の立壁)により囲まれているので、ロック機構の弾性係合爪が撓んで係合段部から外れる際に、弾性嵌合部が外側に広がろうとしても、保持機構によってその弾性嵌合部の外側への広がりが抑制されて、コネクタホルダーの嵌合部とコネクタカバーの嵌合部との嵌合状態が外れない。このように、請求項2にかかる発明は、オスホルダーが別個のコネクタホルダーとコネクタカバーとから構成されているにもかかわらず、オスホルダーとメスホルダーとのロック状態を解除するときに、オスホルダーのコネクタホルダーとコネクタカバーとが分離することがない。したがって、オスホルダーをメスホルダーから確実に抜き取ることができる。しかも、オスホルダーをメスホルダーから抜き取る際に、オスホルダーのコネクタホルダーとコネクタカバーとが簡単に分離しないので、コネクタホルダーおよびコネクタカバーの品質が安定する。
【0015】
さらに、請求項3にかかる発明は、コネクタカバーの2重の立壁およびメスホルダーの2重の立壁が、ロック機構およびオスターミナルおよびメスターミナルを外側から囲い、相互にかつ互い違いに嵌合する、ことを特徴とする。
【0016】
この結果、請求項3にかかる発明は、コネクタカバーの2重の立壁およびメスホルダーの2重の立壁が、相互にかつ互い違いに嵌合することにより、ロック機構およびオスターミナルおよびメスターミナルを外側から囲う防水壁としての機能をも兼用することができるので、オスホルダーおよびメスホルダーに、相互に着脱可能に嵌合するロック機構が設けられているにもかかわらず、そのロック機構およびオスターミナルおよびメスターミナルに対する防水効果がある。
【0017】
さらにまた、請求項4にかかる発明は、コネクタカバーの2重の立壁およびメスホルダーの2重の立壁には、ハーネスを引き出すための切欠がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0018】
この結果、請求項4にかかる発明は、ハーネスをコネクタカバーの2重の立壁の切欠およびメスホルダーの2重の立壁の切欠を経て外側に引き出すことができるので、ハーネスをコネクタカバーおよびメスホルダーから引き出す部分に対する防水効果がある。
【0019】
さらにまた、請求項5にかかる発明は、コネクタカバーの2重の立壁の外側の立壁の一部が他の部分よりも高い凸部をなし、メスホルダーの2重の立壁の溝の一部が他の部分よりも深い凹部をなし、この凸部と凹部とが、オスターミナルをメスターミナルに差し込む前に相互に係合して、オスターミナルをメスターミナルに差し込む際のガイドをなす、ことを特徴とする。
【0020】
この結果、請求項5にかかる発明は、オスターミナルをメスターミナルに差し込む際に、コネクタカバーの2重の立壁の外側の立壁の一部の高い凸部がメスホルダーの2重の立壁の溝の一部の深い凹部に相互に係合してこの凸部と凹部とがガイドをなすので、オスターミナルおよびメスターミナルへの負担が小さくすることができ、オスターミナルおよびメスターミナルの損傷が防止できる。
【0021】
さらにまた、請求項6にかかる発明は、メスホルダーの2重の立壁の溝の底部がメスホルダー内に突出してメスホルダ内に内蔵されている部品の位置を決める凸部をなす、ことを特徴とする。
【0022】
この結果、請求項6にかかる発明は、メスホルダーの2重の立壁の溝の底部である凸部がメスホルダー内に内蔵されている部品をがたなく位置決めをすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかるコネクタの構造の実施形態の1例を図1〜図24を参照して説明する。この実施の形態は、自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニットに使用した例を示す。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0024】
図中、図25〜図27と同符号は同一のものを示す。また、図1中のIIA矢印およびIIB矢印と、図2中のIA矢印およびIB矢印とを結ぶことにより、この実施の形態における自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニットおよびミラーホルダーベースの分解斜視図が構成される。
【0025】
(実施の形態の構成の説明)
図1において、16はミラーユニットのミラーホルダーベースである。前記ミラーホルダーベース16は、ミラーボディーを保持する部分(図示を省略するが、いわゆる、ミラーホルダー)と、別体構造をなして相互に組み付けてミラーホルダーを構成するものである。前記ミラーホルダーベース16と、ミラーボディーを保持する部分と、ミラーボディーとからミラーユニットが構成される。なお、前記ミラーホルダーベース16とミラーボディーを保持する部分とが一体構造をなすものであっても良い。
【0026】
前記ミラーホルダーベース16は、パワーユニット1の第1ハウジング2に、スプリング17、ピボット機構10、ガイド機構11を介して左右方向および上下方向に傾動可能に取り付けられている。なお、前記スプリング17は、十字形状のものを一体に形成したものであっても良いし、−字形状のものを2個組み合わせて十字形状に形成したものであっても良い。
【0027】
前記第1ハウジング2には、左右用開口18Aおよび上下用開口18Bがそれぞれ設けられている。前記左右用開口18Aの縁および上下用開口18Bの縁には、左右用パッキン19Aおよび上下用パッキン19Bがそれぞれ取り付けられている。
【0028】
図2に示すように、パワーユニット1の第1ハウジング2および第2ハウジング3内には、左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bがそれぞれ内蔵されている。前記左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bには、減速機構および進退機構を介して左右用進退ロッド21Aおよび上下用進退ロッド21Bが連結されている。前記左右用進退ロッド21Aおよび上下用進退ロッド21Bは、前記第1ハウジング2および第2ハウジング3に対して回転可能にかつ進退可能に装備されていると共に、前記左右用パッキン19Aおよび上下用パッキン19Bにより水密に保たれている。
【0029】
前記左右用進退ロッド21Aの左右用球部5Aおよび上下用進退ロッド21Bの上下用球部5Bと、前記ミラーホルダーベース16の左右用球凹部9Aおよび上下用球凹部9Bとが嵌合する。これにより、前記ミラーホルダーベース16は、左右方向および上下方向に傾動可能となる。
【0030】
前記減速機構は、図2に示すように、前記左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bの回転軸に取り付けた左右用ウオーム22Aおよび上下用ウオーム22Bと、前記左右用ウオーム22Aおよび上下用ウオーム22Bに噛み合う左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bとから構成されている。
【0031】
前記左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bは、前記第1ハウジング2および第2ハウジング3に、回転可能にかつ前記左右用進退ロッド21Aおよび上下用進退ロッド21Bの進退方向に移動不可能に取り付けられている。
【0032】
前記左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bは、中空形状をなす。前記左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bの中空部中には、前記左右用進退ロッド21Aおよび上下用進退ロッド21Bがそれぞれ配置されている。また、前記左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bには、複数個、この例では4個の左右用透孔24Aおよび上下用透孔24Bがそれぞれ設けられている。
【0033】
前記進退機構は、図2に示すように、前記第2ハウジング3に設けた左右用ネジ孔25Aおよび上下用ネジ孔25Bと、前記左右用進退ロッド21Aおよび上下用進退ロッド21Bの基端(左右用球部5Aおよび上下用球部5Bを設けた先端と反対側の端)に設けた左右用弾性係合爪26Aおよび上下用弾性係合爪26Bと、左右用スプリング27Aおよび上下用スプリング27Bとから構成されている。
【0034】
前記左右用弾性係合爪26Aおよび上下用弾性係合爪26Bは、自身の弾性作用と前記左右用スプリング27Aおよび上下用スプリング27Bのスプリング作用により、前記左右用透孔24Aおよび上下用透孔24Bを通過して前記左右用ネジ孔25Aおよび上下用ネジ孔25Bのネジに常時弾性係合する。なお、前記左右用弾性係合爪26Aおよび上下用弾性係合爪26Bと前記左右用透孔24Aおよび上下用透孔24Bの縁との当接により、前記左右用進退ロッド21Aおよび上下用進退ロッド21Bと前記左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bとは、同期して回転することとなる。
【0035】
メスコネクタ(パワーユニット1)は、図3に示すように、前記左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bにそれぞれ内蔵された2本のメスターミナル28と、計4本の前記メスターミナル28を保持する絶縁性のメスホルダーとしての前記第1ハウジング2および第2ハウジング3とから構成されている。
【0036】
メスホルダーとしての前記第2ハウジング3には、4個の挿入孔29が前記4本のメスターミナル28に対応してそれぞれ設けられている。また、前記第2ハウジング3には、左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bが、2個の前記挿入孔29を囲むようにそれぞれ設けられている。
【0037】
一方、左右用オスコネクタ31Aおよび上下用オスコネクタ31Bは、図3に示すように、2本のオスターミナル32、32と、前記2本のオスターミナル32、32の一部を外側に突出させた状態で、前記2本のオスターミナル32、32をそれぞれ保持する絶縁性のオスホルダー33とから構成されている。前記オスホルダー33には、前記メスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bに嵌合する第1嵌合部34が設けられている。
【0038】
前記2本のオスターミナル32、32には、ハーネス15、15がそれぞれ接続されている。前記ハーネス15が接続された前記オスターミナル32は、図5および図6に示すように、前記ハーネス15が接続されたハーネス接続部35と、メスターミナル28と接続するターミナル接続部36とから構成されている。前記ハーネス接続部35と前記ターミナル接続部36とは、ほぼ直角に折り曲げられている。前記ターミナル接続部36には、一部を切り起こして抜け止め部37が設けられている。この抜け止め部37は、前記オスターミナル32が前記オスホルダー33から抜けるのを止めるものである。
【0039】
図5および図6および図9および図10に示すように、前記オスホルダー33のうち、オスターミナル32の突出部との付け根部には、前記挿入孔29中に嵌合する第2嵌合部38が一体に設けられている。
【0040】
前記第2嵌合部38の下部外側面と挿入孔29の下部内側面とには、オスターミナル32の突出部の挿入方向(オスターミナル32の突出部をメスターミナル28に差し込む方向であって、図中矢印方向)Aに行くにしたがって幅が狭まるテーパ面39、40がそれぞれ形成されている。
【0041】
前記挿入孔29は、前記第2嵌合部38が嵌合する大きさであって、メスコネクタ(パワーユニット1)側の機器(左右用モータ20Aおよび上下用モータ20B)のテストを行うためのテスト用ターミナル(図示せず)を挿入するための挿入孔を兼ねるものである。
【0042】
前記オスホルダー33は、別個のコネクタホルダー41と、コネクタカバー42とから構成されている。
【0043】
前記コネクタホルダー41は、図11〜図19および図22に示すように、プレート形状のベース構造をなす。前記コネクタホルダー41には、2個の仮保持用透孔43が設けられている。また、前記コネクタホルダー41には、2本の仮保持用凹部44が、前記仮保持用透孔43に対してほぼ直交した状態で設けられている。さらに、前記仮保持用透孔43の内側面には、抜け止め段部45が設けられている。さらにまた、前記コネクタホルダー41の両側の中央には、前記コネクタカバー42と嵌合する第3嵌合部46がそれぞれ設けられている。
【0044】
前記コネクタカバー42は、図12〜図15および図17および図18および図20および図23に示すように、前記コネクタホルダー41をカバーするカバー構造をなす。すなわち、前記コネクタカバー42は、一面(下面)側が開口し、かつ、他面(上面)側が閉塞し、2重の立壁、内側の立壁47と外側の立壁48を有する構造をなす。
【0045】
前記内側の立壁47の高さと前記外側の立壁48の一部の高さとは、ほぼ同じ高さである。なお、前記外側の立壁48の他の部分(コの字形状をなす)の高さは、前記内側の立壁47および前記外側の立壁48の一部の高さよりも高い。前記外側の立壁48の高い部分は、後記ガイド手段58を兼用するものである。
【0046】
前記外側の立壁48は、前記メスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bに嵌合する前記第1嵌合部34を兼用する。前記2重の立壁47、48には、ハーネス15引き出し用の切欠49がそれぞれ設けられている。また、前記内側の立壁47の両側の中央には、前記コネクタホルダー41の第3嵌合部46と嵌合する嵌合部としてのランス形状の弾性嵌合部50がそれぞれ設けられている。
【0047】
図11および図12および図16および図17に示すように、前記コネクタホルダー41の仮保持用透孔43中に前記オスターミナル32のターミナル接続部36を挿入方向Aに差し込んで、前記オスターミナル32のターミナル接続部36の一部を前記コネクタホルダー41の仮保持用透孔43から外側に突出させる。また、前記オスターミナル32の抜け止め部37を前記コネクタホルダー41の抜け止め段部45に止める。それと同時に、前記コネクタホルダー41の仮保持用凹部44中に前記オスターミナル32のハーネス接続部35およびハーネス15を収納する。この結果、前記オスターミナル32の一部を前記コネクタホルダー41から外側に突出させた状態で、前記オスターミナル32を前記コネクタホルダー41に仮保持させることができる。
【0048】
図12〜図15および図17および図18に示すように、前記オスターミナル32を仮保持した前記コネクタホルダー41に前記コネクタカバー42を挿入方向Aに嵌合カバーする。すなわち、前記コネクタホルダー41およびオスターミナル32を前記コネクタカバー42の内側の立壁47中に収納する。また、前記ハーネス15を前記コネクタカバー42の切欠49に嵌めて前記オスホルダー33から外側に引き出す。さらに、前記コネクタホルダー41の第3嵌合部46に前記コネクタカバー42の弾性嵌合部50を弾性嵌合させる。このとき、第3嵌合部46および弾性嵌合部50は、図14中の矢印に示すように、撓む。この結果、前記オスターミナル32の一部を前記コネクタホルダー41から外側に突出させた状態で、前記オスターミナル32を前記コネクタホルダー41と前記コネクタカバー42と(オスホルダー33)に本保持させることができる。
【0049】
図7および図8に示すように、前記オスホルダー33の中央部とメスホルダーとしての第2ハウジング3の中央部とに、前記オスホルダー33と前記メスホルダー(第2ハウジング3)との嵌合を着脱可能にロックするロック機構が設けられている。
【0050】
すなわち、前記オスホルダー33側のロック機構は、前記コネクタホルダー41の中央部に一体に設けた一対のランス形状の弾性係合爪51からなる。一方、図4に示すように、前記メスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bの中央部には、小四角形の開口52が設けられている。また、前記開口52の周囲には、立壁53が一体に設けられている。さらに、前記立壁53および前記開口52の内側面には、ロック機構としての一対の係合段部54が一体に設けられている。
【0051】
前記オスホルダー33と前記メスホルダー(第2ハウジング3)とには、前記ロック機構(弾性係合爪51と係合段部54)のロック解除時に、前記コネクタホルダー41の第3嵌合部46と前記コネクタカバー42の弾性嵌合部50との嵌合状態を保持する保持機構が設けられている。
【0052】
すなわち、前記メスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bは、2重の立壁、内側の立壁55と外側の立壁56との構造からなる。前記2重の立壁55、56には、ハーネス15引き出し用の切欠57がそれぞれ設けられている。前記外側の立壁56の高さは、前記内側の立壁55の高さよりも高い。そして、前記メスホルダー(第2ハウジング3)側の内側の立壁55、外側の立壁56および前記オスホルダー33側の外側の立壁48が、前記保持機構と兼用するものである。
【0053】
前記ロック機構の弾性係合爪51および係合段部54と、前記オスターミナル32および前記メスターミナル28を囲う前記オスホルダー33の2重の立壁47、48および前記メスホルダー(第2ハウジング3)の2重の立壁55、56は、防水壁を兼用するものである。また、前記開口52を囲う立壁53は、同じく、防水壁を兼用するものである。
【0054】
前記オスホルダー33と前記メスホルダー(第2ハウジング3)とには、前記オスターミナル32を前記メスターミナル28に差し込む前に相互に係合し、かつ、前記オスターミナル32を前記メスターミナル28に差し込む際のガイドをなすガイド手段58、59が設けられている。前記ガイド手段58、59は、前記オスホルダー33の外側の立壁48のうち長く(高く)したガイド凸部58と、前記メスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bの内側の立壁55と外側の立壁56との間の溝のうち長く(深く)したガイド凹部59とからなる。
【0055】
前記ガイド手段としてのガイド凸部58およびガイド凹部59は、前記ロック機構の弾性係合爪51および係合段部54と、前記オスターミナル32および前記メスターミナル28を囲う前記外側の立壁48および前記2重の立壁55、56の一部からなるものであって、防水壁を兼用するものである。
【0056】
図4〜図6に示すように、前記オスホルダー33側の外側の立壁48の両側の中央部と、前記メスホルダー(第2ハウジング3)側の外側の立壁56の両側の中央部とには、相互に嵌合する嵌合凸部60と、嵌合凹部61とがそれぞれ設けられている。
【0057】
図2および図9および図10に示すように、前記第2ハウジング3の内側には、前記左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bのうち、前記左右用ウオーム22Aおよび上下用ウオーム22Bの軸方向に対して左右を位置決めする位置決め凸部62が一体に設けられている。前記位置決め凸部62は、前記内側の立壁55と前記外側の立壁56との間の溝の底部に対応して設けられている。
【0058】
(実施の形態の作用の説明)
この実施の形態におけるターミナルの構造は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0059】
図4に示すように、左右用オスコネクタ31Aおよび上下用オスコネクタ31Bのオスホルダー33、33の第1嵌合部34、34を、メスコネクタ(パワーユニット1)のメスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bに、矢印A方向に嵌合させる。
【0060】
すると、図6および図10に示すように、まず、ガイド凸部58とガイド凹部59とが相互に係合する。これと同時に、オスターミナル32のターミナル接続部36がメスホルダー(第2ハウジング3)の挿入孔29中に矢印A方向に挿入する。
【0061】
つぎに、ガイド凸部58とガイド凹部59との相互係合のガイド作用によってガイドされながら、図5および図9に示すように、オスターミナル32のターミナル接続部36が左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bのメスターミナル28に直に差し込まれる。これと同時に、オスホルダー33の第2嵌合部38がメスホルダー(第2ハウジング3)の挿入孔29中に嵌合する。また、第2嵌合部38のテーパ面39と挿入孔29のテーパ面40とが同様に嵌合する。
【0062】
一方、図7および図8に示すように、ロック機構の弾性係合爪51が一旦撓んでかつ弾性復帰して係合段部54に弾性係合する。
【0063】
これにより、図5および図7および図9に示すように、左右用オスコネクタ31Aおよび上下用オスコネクタ31Bのオスホルダー33、33の第1嵌合部34、34と、メスコネクタ(パワーユニット1)のメスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bとが相互に嵌合する。このとき、オスホルダー33側の嵌合凸部60と、メスホルダー(第2ハウジング3)側の嵌合凹部61とが相互に嵌合する。
【0064】
すなわち、オスホルダー33側の2重の立壁47、48と、メスホルダー(第2ハウジング3)側の2重の立壁55、56とが相互にかつ互い違いに嵌合する。また、ハーネス15がオスホルダー33側の切欠49およびメスホルダー(第2ハウジング3)側の切欠57を経て外側に引き出される。さらに、オスターミナル32とメスターミナル28とが電気的に接続する。この結果、前記左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bは、給電可能状態となる。
【0065】
ここで、自動車の運転席からリモートコントロールにより、左右用モータ20Aまたは上下用モータ20Bに給電する。すると、左右用モータ20Aが駆動して左右用進退ロッド21Aが進退し、それに伴なって、ミラーホルダーベース16を介してミラーユニットがパワーユニット1に対してピボット機構10の中心を通る垂直軸(図示せず)回りに左右に傾動する。または、上下用モータ20Bが駆動して上下用進退ロッド21Bが進退し、それに伴なって、ミラーホルダーベース16を介してミラーユニットがパワーユニット1に対してピボット機構10の中心を通る水平軸(図示せず)回りに上下に傾動する。
【0066】
つぎに、左右用オスコネクタ31Aおよび上下用オスコネクタ31Bのオスホルダー33、33の第1嵌合部34、34を、メスコネクタ(パワーユニット1)のメスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bから、矢印Aと逆方向に引き抜く。すると、図8に示すように、ロック機構の弾性係合爪51が撓んで係合段部54との弾性係合状態から外れる。これにより、左右用オスコネクタ31Aおよび上下用オスコネクタ31Bのオスホルダー33、33の第1嵌合部34、34を、メスコネクタ(パワーユニット1)のメスホルダー(第2ハウジング3)の左右用嵌合部30Aおよび上下用嵌合部30Bから、抜き取ることができる。なお、前記の引き抜きの際には、オスホルダー33側の嵌合凸部60に工具など(図示せず)を引っ掛けて引き抜く。
【0067】
(実施の形態の効果の説明)
この実施の形態におけるターミナルの構造は、以上のごとき構成からなるので、以下の効果を達成することができる。
【0068】
すなわち、この実施の形態におけるターミナルの構造は、オスターミナル32の突出部のターミナル接続部36のうち、オスホルダー33、41との付け根部から挿入孔29中に位置する部分が第2嵌合部38により覆われている。これにより、オスターミナル32の突出部のターミナル接続部36のうち露出した部分が従来のコネクタの構造と比較して極めて少ないので、水や塵埃が付着し難くなる。このために、オスターミナル32の露出部分に付着した水や塵埃がオスターミナル32とメスターミナル28との接続部分に侵入することが極めて稀となり、電気的に好ましいこととなる。このように、この実施の形態におけるターミナルの構造は、防水効果および防塵効果が優れている。
【0069】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、第2嵌合部38が挿入孔29中を嵌合するので、この第2嵌合部38と挿入孔29との嵌合により、オスターミナル32とメスターミナル28とをがたなく確実に差し込むことができる。したがって、オスターミナル32とメスターミナル28との電気的接続が確実である。
【0070】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、第2嵌合部38の外側面と挿入孔29の内側面とには、オスターミナル32の突出部のターミナル接続部36の挿入方向Aに行くにしたがって幅が狭まるテーパ面39、40が形成されている。この結果、この実施の形態におけるターミナルの構造は、第2嵌合部38と挿入孔29との嵌合がさらに確実となる。このために、オスターミナル32とメスターミナル28とをさらにがたなく確実に差し込んで電気的に接続することができる。しかも、水や塵埃が第2嵌合部38と挿入孔29との確固な嵌合を経てメスホルダー(第2ハウジング3)内に侵入するのを確実に防止することができ、防水効果および防塵効果がさらに向上される。
【0071】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、挿入孔29がメスコネクタ(パワーユニット1)側の機器(左右用モータ20A、上下用モータ20B)のテストを行うためのテスト用ターミナル(図示せず)を挿入するための挿入孔を兼ねる。この結果、この実施の形態におけるターミナルの構造は、メスホルダー(第2ハウジング3)に設ける挿入孔29の数を減らすことができる。その分、防水効果および防塵効果がさらに向上される。
【0072】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、オスターミナル32をコネクタホルダー41に仮保持してから、そのオスターミナル32をコネクタホルダー41およびコネクタカバー42に本保持するものである。このために、オスターミナル32とオスホルダー33との保持組み付けが確実にでき、かつ、オスターミナル32とオスホルダー33との保持組み付け作業の安定化が図られる。
【0073】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、オスホルダー33とメスホルダー(第2ハウジング3)とに、ロック機構としての弾性係合爪51と係合段部54とがそれぞれ設けられている。また、ロック解除時に、コネクタホルダー41の第3嵌合部46とコネクタカバー42の弾性嵌合部50との嵌合状態を保持する保持機構(メスホルダー(第2ハウジング3)側の内側の立壁55、外側の立壁56およびオスホルダー33側の外側の立壁48)が設けられている。
【0074】
この結果、この実施の形態におけるターミナルの構造は、オスホルダー33が別個のコネクタホルダー41とコネクタカバー42とから構成されているにもかかわらず、オスホルダー33とメスホルダー(第2ハウジング3)とのロック状態を解除するときに、オスホルダー33のコネクタホルダー41とコネクタカバー42とが分離することがない。
【0075】
すなわち、図7および図8に示すように、相互に弾性嵌合するコネクタホルダー41の第3嵌合部46とコネクタカバー42の弾性嵌合部50の周囲は、保持機構(相互に嵌合するメスホルダー(第2ハウジング3)側の内側の立壁55、外側の立壁56およびオスホルダー33側の外側の立壁48)により囲まれている。このために、ロック機構の弾性係合爪51が撓んで係合段部54から外れる際に、弾性嵌合部50が外側に広がろうとしても、保持機構によってその弾性嵌合部50の外側への広がりが抑制されている。
【0076】
したがって、オスホルダー32をメスホルダー(第2ハウジング3)から確実に抜き取ることができる。しかも、オスホルダー33をメスホルダー(第2ハウジング3)から抜き取る際に、オスホルダー33のコネクタホルダー41とコネクタカバー42とが簡単に分離しないので、オスホルダー33のコネクタホルダー41およびコネクタカバー42の品質が安定する。
【0077】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、ロック機構としての弾性係合爪51および係合段部54の周囲に防水壁(オスホルダー33側の2重の立壁47、48、メスホルダー(第2ハウジング3)側の2重の立壁55、56および立壁53)を設けるものである。これにより、オスホルダー33およびメスホルダー(第2ハウジング3)に、ロック機構の弾性係合爪51および係合段部54が設けられているにもかかわらず、ロック機構の弾性係合爪51および係合段部54に対する防水効果がある。
【0078】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、同様に、オスターミナル32およびメスターミナル28の周囲に防水壁(オスホルダー33側の2重の立壁47、48、メスホルダー(第2ハウジング3)側の2重の立壁55、56および立壁53)を設けるものである。これにより、オスターミナル32およびメスターミナル28に対する防水効果がある。
【0079】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、オスターミナル32をメスターミナル28に差し込む際にガイド手段のガイド凸部58およびガイド凹部59がガイドする。これにより、この実施の形態におけるターミナルの構造は、オスターミナル32およびメスターミナル28への負担が小さくすることができ、オスターミナル32およびメスターミナル28の損傷が防止できる。
【0080】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、防水壁とガイド手段とが兼用される。すなわち、オスホルダー33側の外側の立壁48が防水壁とガイド凸部58とを兼用する。また、メスホルダー(第2ハウジング3)側の内側の立壁55と外側の立壁56とが防水壁をなし、かつ、その間の溝がガイド凹部59をなす。これにより、構造が簡単となる。
【0081】
特に、この実施の形態におけるターミナルの構造は、ハーネス15がオスホルダー33側の2重の立壁47、48の切欠49およびメスホルダー(第2ハウジング3)側の2重の立壁55、56の切欠57を経て外側に引き出される。この結果、この実施の形態におけるターミナルの構造は、ハーネス15をオスホルダー33およびメスホルダー(第2ハウジング3)から引き出す部分に対する防水効果がある。
【0082】
また、この実施の形態におけるターミナルの構造は、第2ハウジング3の内側に位置決め凸部62が設けられている。このために、この実施の形態におけるターミナルの構造は、左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bを、左右用ウオーム22Aおよび上下用ウオーム22Bの軸方向に対して左右のがたなく位置決めすることができる。
【0083】
なお、左右用ウオーム22Aおよび上下用ウオーム22Bと左右用ヘリカルギア23Aおよび上下用ヘリカルギア23Bとの噛み合いにより、左右用モータ20Aおよび上下用モータ20Bは、左右用ウオーム22Aおよび上下用ウオーム22Bの軸方向のがたを抑制されている。
【0084】
また、位置決め凸部62は、メスホルダー(第2ハウジング3)側の内側の立壁55と外側の立壁56との間の溝の底部に対応して設けられている。このために、構造が簡単である。
【0085】
(実施の形態の他の例の説明)
なお、この実施の形態は、自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニット1、すなわち、2ピースタイプのコネクタの構造に使用した例を示す。しかしながら、この発明のコネクタの構造は、自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニット1以外のもの、たとえば、1ピースタイプのコネクタの構造、または、3ピース以上のタイプのコネクタの構造にも適用できる。
【0086】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかるコネクタの構造(請求項1)は、オスターミナルをコネクタホルダーに仮保持してから、そのオスターミナルをコネクタホルダーおよびコネクタカバーに本保持するものである。このために、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付けが確実にでき、かつ、オスターミナルとオスホルダーとの保持組み付け作業の安定化が図られる。
【0087】
また、この発明にかかるコネクタの構造(請求項2)は、オスホルダーとメスホルダーとに、オスホルダーとメスホルダーとの嵌合を着脱可能にロックするロック機構が設けられており、かつ、ロック機構のロック解除時に、コネクタホルダーとコネクタカバーとの嵌合状態を保持する保持機構が設けられている。この結果、この発明にかかるコネクタの構造(請求項2)は、オスホルダーが別個のコネクタホルダーとコネクタカバーとから構成されているにもかかわらず、オスホルダーとメスホルダーとのロック状態を解除するときに、オスホルダーのコネクタホルダーとコネクタカバーとが分離することがない。したがって、オスホルダーをメスホルダーから確実に抜き取ることができる。しかも、オスホルダーをメスホルダーから抜き取る際に、オスホルダーのコネクタホルダーとコネクタカバーとが簡単に分離しないので、オスホルダーのコネクタホルダーおよびコネクタカバーの品質が安定する。
【0088】
さらに、この発明にかかるコネクタの構造(請求項3)は、コネクタカバーの2重の立壁およびメスホルダーの2重の立壁が、ロック機構およびオスターミナルおよびメスターミナルを外側から囲う防水壁としての機能をも兼用することができるので、オスホルダーおよびメスホルダーに、相互に着脱可能に嵌合するロック機構が設けられているにもかかわらず、そのロック機構およびオスターミナルおよびメスターミナルに対する防水効果がある。
【0089】
さらにまた、この発明にかかるコネクタの構造(請求項4)は、ハーネスをコネクタカバーの2重の立壁の切欠およびメスホルダーの2重の立壁の切欠を経て外側に引き出すことができるので、ハーネスをコネクタカバーおよびメスホルダーから引き出す部分に対する防水効果がある。
【0090】
さらにまた、この発明にかかるコネクタの構造(請求項5)は、オスターミナルをメスターミナルに差し込む際に、コネクタカバーの2重の立壁の外側の立壁の一部の高い凸部がメスホルダーの2重の立壁の溝の一部の深い凹部にガイドされるので、オスターミナルおよびメスターミナルへの負担が小さくすることができ、オスターミナルおよびメスターミナルの損傷が防止できる。
【0091】
さらにまた、この発明にかかるコネクタの構造(請求項6)は、メスホルダーの2重の立壁の溝の底部である凸部がメスホルダー内に内蔵されている部品をがたなく位置決めをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のコネクタの構造の一実施の形態を示すスプリング、ミラーホルダーベース、第1ハウジングの分解斜視図である。
【図2】 同じく、パッキン、進退ロッド、スプリング、ヘリカルギア、モータおよびウオーム、第2ハウジングを示す分解斜視図である。
【図3】 同じく、オスコネクタ、第2ハウジングを示す分解斜視図である。
【図4】 オスコネクタのオスホルダー嵌合部とメスコネクタのメスホルダーの嵌合部とを示す一部拡大斜視図である。
【図5】 オスコネクタのオスターミナルとメスコネクタのメスターミナルとが電気的に接続されている状態を示す一部断面図である。
【図6】 オスコネクタをメスコネクタに差し込む状態もしくは引き抜く状態を示す一部断面図である。
【図7】 ロック機構がロック状態を示す一部断面図である。
【図8】 ロック機構のロック状態が解除されているときを示す一部断面図である。
【図9】 図5におけるIX−IX線断面図である。
【図10】 図6におけるX−X線断面図である。
【図11】 コネクタホルダーにオスターミナルを組み込む状態を示し断面図である。
【図12】 オスターミナルを仮保持するコネクタホルダーにコネクタカバーを組み込む状態を示し断面図である。
【図13】 オスターミナルをコネクタホルダーおよびコネクタカバーにより本保持する状態を示し断面図である。
【図14】 コネクタホルダーの第3嵌合部にコネクタカバーの弾性嵌合部を弾性嵌合する前の状態を示し断面図である。
【図15】 コネクタホルダーの第3嵌合部にコネクタカバーの弾性嵌合部を弾性嵌合した状態を示し断面図である。
【図16】 図11におけるXVI−XVI線断面図である。
【図17】 図12におけるXVII−XVII線断面図である。
【図18】 図13におけるXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】 オスターミナルを仮保持するコネクタホルダーを示す平面図である。
【図20】 コネクタカバーを示す平面図である。
【図21】 オスターミナルを本保持するコネクタホルダーおよびコネクタカバーを示す平面図である。
【図22】 コネクタホルダーを示す斜視図である。
【図23】 コネクタカバーを示す斜視図である。
【図24】 コネクタホルダーとコネクタカバーとの組み付け状態を示す平面図である。
【図25】 コネクタの構造を自動車用リモートコントロール式ミラー装置のパワーユニットに使用した例を示す一部破断側面図である。
【図26】 従来のコネクタの構造であって、オスコネクタをメスコネクタに差し込む状態もしくは引き抜く状態を示す一部断面図である。
【図27】 従来のコネクタの構造であって、オスコネクタのオスターミナルとメスコネクタのメスターミナルとが電気的に接続されている状態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 パワーユニット(メスコネクタ)
2 第1ハウジング(メスホルダー)
3 第2ハウジング(メスホルダー)
4 上下用進退ロッド
5 球部
5A 左右用球部
5B 上下用球部
6 ミラーユニット
7 ミラーボディー
8 ミラーホルダー
9 球凹部
9A 左右用球凹部
9B 上下用球凹部
10 ピボット機構
11 ガイド機構
12 コネクタ
13 オスコネクタ
14 オスホルダー
15 ハーネス
16 ミラーホルダーベース
17 スプリング
18A 左右用開口
18B 上下用開口
19A 左右用パッキン
19B 上下用パッキン
20A 左右用モータ
20B 上下用モータ
21A 左右用進退ロッド
21B 上下用進退ロッド
22A 左右用ウオーム
22B 上下用ウオーム
23A 左右用ヘリカルギア
23B 上下用ヘリカルギア
24A 左右用透孔
24B 上下用透孔
25A 左右用ネジ孔
25B 上下用ネジ孔
26A 左右用弾性係合爪
26B 上下用弾性係合爪
27A 左右用スプリング
27B 上下用スプリング
28(280) メスターミナル
29(290) 挿入孔
30A 左右用嵌合部
30B 上下用嵌合部
31A 左右用オスコネクタ
31B 上下用オスコネクタ
32(320) オスターミナル
33 オスホルダー
34 第1嵌合部
35 ハーネス接続部
36 ターミナル接続部
37 抜け止め部
38 第2嵌合部
39、40 テーパ面
41 コネクタホルダー
42 コネクタカバー
43 仮保持用透孔
44 仮保持用凹部
45 抜け止め段部
46 第3嵌合部
47 内側の立壁
48 外側の立壁
49 切欠
50 弾性嵌合部
51 弾性係合爪(ロック機構)
52 開口
53 立壁
54 係合段部(ロック機構)
55 内側の立壁
56 外側の立壁
57 切欠
58 ガイド凸部
59 ガイド凹部
60 嵌合凸部
61 嵌合凹部
62 位置決め凸部
A 挿入方向
Claims (6)
- オスコネクタと、メスコネクタとを備え、
前記オスコネクタは、オスターミナルと、前記オスターミナルの一部を外側に突出させた状態で前記オスターミナルを保持する絶縁性のオスホルダーとから構成されており、
前記メスコネクタは、メスターミナルと、前記メスターミナルを内部に収納した状態で保持するとともに、前記オスターミナルの突出部を挿入するための挿入孔が設けられているケース構造の絶縁性のメスホルダーとから構成されており、
前記オスターミナルの突出部を前記挿入孔中に挿入して前記メスターミナルに差し込むことにより、前記オスターミナルと前記メスターミナルとが電気的に接続するコネクタの構造において、
前記オスターミナルは、ハーネスが接続されたハーネス接続部と、前記ハーネス接続部に対してほぼ直角に折り曲げられていて前記メスターミナルと電気的に接続するターミナル接続部と、前記ターミナル接続部に設けられている抜け止め部と、から構成されていて、
前記オスホルダーは、前記オスターミナルを前記挿入方向に差し込んで前記オスターミナルの一部を外側に突出させた状態で仮保持するベース構造のコネクタホルダーと、前記コネクタホルダーに前記挿入方向に嵌合カバーして前記オスターミナルを前記コネクタホルダーと共に本保持させるカバー構造のコネクタカバーとから構成されていて、
前記コネクタホルダーには、前記ターミナル接続部が仮保持される仮保持用透孔と前記ハーネス接続部が仮保持される仮保持用凹部とがほぼ直交した状態で設けられていて、前記仮保持用透孔の内側面には、前記抜け止め部を止める止め段部が設けられていて、前記コネクタホルダーと前記コネクタカバーとには、相互に嵌合して前記オスターミナルを前記コネクタホルダーおよび前記コネクタカバーに本保持させる嵌合部が設けられている、
ことを特徴とするコネクタの構造。 - 前記オスホルダーと前記メスホルダーとには、前記オスホルダーと前記メスホルダーとの嵌合を着脱可能にロックするロック機構が設けられており、かつ、前記ロック機構のロック解除時に、前記コネクタホルダーと前記コネクタカバーとの嵌合状態を保持する保持機構が設けられていて、
前記ロック機構は、前記コネクタホルダーのうち前記嵌合部よりも内側に設けられている弾性係合爪と、前記メスホルダーに設けられている係合段部と、からなり、
前記コネクタカバーの前記嵌合部は、前記コネクタホルダーの前記嵌合部よりも外側に設けられている立壁に設けられていて、
前記保持機構は、前記コネクタカバーのうち前記嵌合部の前記立壁よりも外側に設けられている立壁と、前記メスホルダに設けられている2重の立壁と、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの構造。 - 前記コネクタカバーの前記2重の立壁および前記メスホルダーの前記2重の立壁は、前記ロック機構および前記オスターミナルおよび前記メスターミナルを外側から囲い、相互にかつ互い違いに嵌合する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコネクタの構造。 - 前記コネクタカバーの前記2重の立壁および前記メスホルダーの前記2重の立壁には、前記ハーネスを引き出すための切欠がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載のコネクタの構造。 - 前記コネクタカバーの前記2重の立壁の外側の立壁の一部は、他の部分よりも高い凸部をなし、前記メスホルダーの前記2重の立壁の溝の一部は、他の部分よりも深い凹部をなし、前記凸部と前記凹部とは、前記オスターミナルを前記メスターミナルに差し込む前に相互に係合して、前記オスターミナルを前記メスターミナルに差し込む際のガイドをなす、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のコネクタの構造。 - 前記メスホルダーの前記2重の立壁の溝の底部は、前記メスホルダー内に突出して前記メスホルダ内に内蔵されている部品の位置を決める凸部をなす、
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のコネクタの構造。
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