JP4370739B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、雄コネクタハウジングの嵌合面には雄端子金具のタブ部を突出させるタブ挿入孔が開口している。このタブ挿入孔は、雄端子金具の組み付け上のばらつきを考慮してタブ部との間に所定のクリアランスを設けて形成されている。そのためタブ部が芯ずれして位置してしまうことがあった。
【0003】
そこで、実開平6−9073号に開示されているような雄端子金具のタブ部を位置決めする位置決め部材を備えたものが開発された(図13参照)。この位置決め部材7はハウジング1と別体形成されたもので、位置決め孔8がタブ部6との間のクリアランスを小さくした状態で開口している。位置決め部材7は、ハウジング1のキャビティ4内に雄端子金具5が挿入された後、嵌合開口3側から位置決め部材7を挿入し、位置決め孔8にタブ部6を挿通しつつ図に示す嵌合面2の正規の位置に装着する。すると、前述したように位置決め孔8はクリアランスが小さいためタブ部6の根元を位置決め可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、位置決め部材7は小さいクリアランスの位置決め孔8にいきなりタブ部6を挿入しなければならないため嵌め難く、特に端子金具が多極化したコネクタにおいては、より位置決め部材7を装着しにくいという難点がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、雄端子金具のタブ部を円滑に位置決め可能なコネクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、本体部の先端に連結部を介して平板状のタブ部が形成された雄端子金具と、この雄端子金具を収容可能なキャビティが形成された端子収容部を備えたコネクタハウジングと、このコネクタハウジングとは別体に形成され前記雄端子金具のタブ部を挿入可能なタブ挿入孔が開口し、前記コネクタハウジングに対し第1係止位置と第2係止位置との間を、前記雄端子金具の挿入方向と直交する方向へ移動可能な絞り部材とを備えたコネクタであって、前記絞り部材には、前記端子収容部の前面において前記キャビティ内に挿入された前記雄端子金具を前止まりにする前止まり板が一体に形成され、かつ前記タブ挿入孔はこの前止まり板に開口するとともに、前記タブ挿入孔は、前記雄端子金具のタブ部の付け根である前記連結部周りには前記タブ挿入孔の周縁との間に大きなクリアランスが保持される大クリアランス部と、前記大クリアランス部と連通し前記連結部周りに小さなクリアランス部を保有してタブ部の遊動を規制する小クリアランス部とからなり、前記第1係止位置では、前記前止まり板により前記雄端子金具が前止まり状態に保持されるとともに、前記大クリアランス部に前記連結部が位置し、前記第2係止位置では前記小クリアランス部に前記連結部が位置する構成としたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記コネクタハウジングには、前記キャビティへ連通するリテーナ装着孔に装着されるリテーナが設けられ、このリテーナは前記絞り部材と一体的に形成され、かつ前記第1係止位置では前記雄端子金具の挿抜を許容し、前記第2係止位置では前記雄端子金具に係止して抜け止め可能とするところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、大クリアランス部と小クリアランス部の境界部分には、大クリアランス部から小クリアランス部にかけて開口部を徐々に狭くする案内部が設けられているところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
絞り部材を第1係止位置に保持した状態で、コネクタハウジング内に雄端子金具を装着すると、まずタブ部はタブ挿入孔の大クリアランス部に位置する。さらにこの第1係止位置から第2係止位置へ絞り部材を移動させると、大クリアランス部は小クリアランス部と連結されているため、絞り部材の移動に伴いタブ部を小クリアランス部へ位置させることが可能となる。するとこの小クリアランス部はタブ部の遊動を規制するので、タブ部を正規の位置に位置決めできる。
【0011】
このように、大クリアランス部と小クリアランス部が形成されたタブ挿入孔により組み付け上のばらつきの吸収と防止を同時に行うことが可能となる。
また、前止まり板を設けたことで雄端子金具のキャビティ前方への抜け止めが規制できる上、この前止まり板と絞り部材とを一体形成したことにより、より部品点数を削減できる。
【0012】
<請求項2の発明>
第1係止位置ではリテーナは雄端子金具の挿抜を許容するため、雄端子金具のタブ部をタブ挿入孔の大クリアランス部に挿入可能である。また、リテーナを第2係止位置に移動すれば、雄端子金具と係止するため雄端子金具を抜け止め可能であり、かつタブ部は小クリアランス部に位置するのでタブ部の位置決めも行うことができる。その上、リテーナと絞り部材を一体化したことにより部品点数を削減することができる。
【0014】
<請求項3の発明>
タブ部が芯ずれした状態で大クリアランス部に位置していた場合でも、案内部によりタブ部のずれを矯正しつつタブ部を円滑に大クリアランス部から小クリアランス部へ案内できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図10によって示す。この実施形態では雄側の防水コネクタについて示す。このコネクタはフード部58を有するアウタハウジング55と、このアウタハウジング55内に組み込まれリテーナ30を装着可能とするインナハウジング20とからなっている。
【0016】
まず、アウタハウジング55から説明すると、図1に示すようにアウタハウジング55はシールタワー部56と、このシールタワー部56の外側を全周に沿って覆いつつ前方へ筒状に延設されたフード部58とからなっている。シールタワー部56にはそれぞれ円筒状に形成された複数の筒部57が幅方向に並設されている。各筒部57は雄端子金具50を挿入可能に形成されかつこの雄端子金具50に接続された電線Wの被覆部53に嵌め込まれたゴム栓54を密着して収容可能である(図7及び図9参照)。また、フード部58の内部であってシールタワー部56の幅方向両側からはインナハウジング20との連結のための連結爪59が前方へ向けて撓み可能に突出している。さらに、フード部58の上面には図示しない雌側コネクタとのロックのためのロック凸部60が突出形成されている。さらにまた、フード部58の側面には雌コネクタに対する嵌め合いを案内するためのガイドリブ61が一対、張り出し形成されている。
【0017】
インナハウジング20はフード部58の内周形状にほぼ適合した形状に形成され、フード部58の前方より組み込み可能となっている。インナハウジング20の上面中央部には位置決め溝21が凹設されていて、インナハウジング20の組み込み時にはフード部58内の天井面の奥部に形成された突条62(図2参照)に嵌め合わされて位置決め可能となっている。また、インナハウジング20の後部外側面には係止段部22が形成されていて、上記したアウタハウジング55の連結爪59と係止してインナハウジング20を抜け止め状態に保持する。さらに、インナハウジング20の端子収容部20Aにはアウタハウジング55と連結した状態で各筒部57内とそれぞれ同軸で連通する同数個のキャビティ23が並設されている。各キャビティ23内には雄端子金具50の本体部を収容可能であるが、インナハウジング20自体は雄端子金具50に対する前止まり壁は有しておらず、前方へ開放した状態で形成されている。そして、この開放面における上縁の中央部には所定幅寸法を有した案内突条26が突出している。
【0018】
一方、インナハウジング20の側面後部にはリテーナ30を挿入するためのリテーナ装着孔27が幅方向に沿って貫通して形成され、各キャビティ23へと連通している。このリテーナ装着孔27内の壁面の奥部にはリテーナ30を仮係止位置(第1係止位置;図6及び図7に示す位置であり、雄端子金具50の挿抜が許容される位置)と本係止位置(第2係止位置;図8及び図9に示す位置であり、雄端子金具50に係止してランス25と共に抜け止めを行う位置)とでそれぞれ係止させうる係止突起28が前後に対をなして対向して突出している。
【0019】
また、各キャビティ23内における天井面にはリテーナ30による係止に先立って雄端子金具50を一次係止状態としておくランス25が設けられている。このランス25は、斜め下向きに突出する片持ち状に形成され上下方向への撓みが許容されている。
【0020】
図1及び図5に示すように、リテーナ30は前側にインナハウジング20の前面開口を覆う前止まり壁部31が配され、後側にインナハウジング20のリテーナ装着孔27へ差し込まれる係止脚部39が前止まり壁部31とほぼ平行をなすようにして配され、さらにこれらの一端側同士を連結部43にて連結して形成されている。前止まり壁部31はインナハウジング20の前面を覆う平板状の前面板32(前止まり板)を有しており、かつこの前面板32において連結部43と連続する部分は上下に拡幅するようにして形成されている。そして、この拡幅部33の端縁はフード部8の内面形状に適合するような弧状に形成され、リテーナ30が仮係止位置にあるときにはこの弧状をなす端縁部がフード部58の内周面に適合して密着し、本係止位置では前止まり壁部31の反対側の端縁がフード部58の内周面の反対側に密着するようにしてある。
【0021】
また、前面板32には各雄端子金具50のタブ部52を貫通させるタブ挿入孔34がキャビティ23と対応したピッチ間隔で幅方向に沿って開口している。雄端子金具50がインナハウジング20に装着された状態では、タブ挿入孔34内に雄端子金具50の連結部51が位置するようになっている。この連結部51は箱型の本体部50Aと平板状のタブ部52とを連結している部分であり断面方形状となっている(図7、図9参照)。
【0022】
各タブ挿入孔34は小クリアランス部35と大クリアランス部36とから形成されている。前記したようにタブ挿入孔34内には連結部51が位置することから、小クリアランス部35と大クリアランス36部は連結部51の形状とそれぞれ対応した方形状で形成されている。この小クリアランス部35は連結部51周りに対してクリアランスを少なくして設けられている。また、大クリアランス部36は小クリアランス部35よりも上下に広く開口し前記連結部51周りとのクリアランスを大きくして形成されている(図10参照)。
【0023】
小クリアランス部35と大クリアランス部36は幅方向に並んで連通し、図5における右側に小クリアランス部35、左側に大クリアランス部36が開口している。リテーナ30が仮係止位置にある状態ではキャビティ23と大クリアランス部36が連通し、本係止位置では小クリアランス部35とキャビティ23とが連通するようになっている。そのため、リテーナ30が仮係止位置にあるときに雄端子金具50がインナハウジング20に挿入されると、まず大クリアランス部36にタブ部52が挿通される。次にリテーナ30を本係止位置に移動させるとタブ部52は小クリアランス部35内に位置するようになっている。また、大クリアランス部36から小クリアランス部35へかけての上下の開口縁はそれぞれテーパ状に形成された案内面34A(案内部)となっており、タブ部52が上下方向に芯ずれしていても大クリアランス部36から小クリアランス部35へタブ部52を円滑に案内可能となっている。
【0024】
さらにまた、各タブ挿入孔34の上部でかつ幅方向へ偏位した位置には治具孔37が開口し、ここから解除治具を突っ込んでランス25を雄端子金具50に対する係止解除方向へ撓み操作させうるようになっている。また、前面板32の裏面上部には前記したインナハウジング20の案内突条26に対しスライド可能に嵌合する凹溝38が形成されている。
【0025】
係止脚部39は前止まり壁部31とほぼ同じ長さをもって形成されるとともに、リテーナ装着孔27へ適合しつつ差込み可能に形成されている。また、係止脚部39の下面にはキャビティ23と等ピッチ間隔で複数の係止凸部40が突出形成されている(図9参照)。各係止凸部40はリテーナ30全体が仮係止位置にあるときには、キャビティ23間の仕切壁24に待機して雄端子金具50をキャビティ23へ挿入したり、逆に抜き取ったりする挿抜を許容し、リテーナ30全体が本係止位置にあるときにはキャビティ23内に臨んで雄端子金具50の本体部50Aの後縁に係止可能としてある。さらにまた、係止脚部39の先端寄りには先端に近い側に仮係止凹部41、遠い側に本係止凹部42がそれぞれ前後に対をなして凹み形成されていて、リテーナ30が仮係止位置及び本係止位置にあるときにインナハウジング20の係止突起28とそれぞれ選択的に係止するようになっている(図7及び図9参照)。
【0026】
次に上記のように構成された第1実施形態の作用効果を説明する。組み付け手順としては、まずインナハウジング20のリテーナ装着孔27へリテーナ30の係止脚部39を適合させるのと同時に前面板32の凹溝38とインナハウジング20の案内突条26とを嵌め合わせつつリテーナ30をインナハウジング20の幅方向へ挿入する。そのままリテーナ30をスライド挿入し係止脚部39の仮係止凹部41と係止突起28が嵌合するとリテーナ30が仮係止位置に組み付けられる。この位置では、タブ挿入孔34の大クリアランス部36がキャビティ23と連通している。また、係止脚部39に設けられた係止凸部40はまだキャビティ23内には進入しておらず、キャビティ23間の仕切壁24に待機した状態となっている。
【0027】
上記のように組み付けられたら、インナハウジング20をフード部58の開口側からインナハウジング20の位置決め溝21と突条62とを適合させつつ内部へ嵌め込む。インナハウジング20の係止段部22が連結爪59を撓み変形させ、インナハウジング20が正規位置まで挿入されると連結爪59が弾性復帰し係止段部22と係止する。これによりリテーナ30が組み付けられたインナハウジング20がアウタハウジング55に抜け止めに装着されると共に筒部57とキャビティ23がそれぞれ同軸で連通する。
【0028】
次に、雄端子金具50を筒部57からキャビティ23内まで挿入する。前記したようにリテーナ30は雄端子金具50の挿抜を許容した仮係止位置に装着されているため、雄端子金具50をランス25を上方へ撓ませながら正規位置まで挿通可能であり、復帰変形したランス25により雄端子金具50は一次係止される(図6,図7参照)。また、リテーナ30の前面板32により雄端子金具50が前止まり状態に保持可能となっている。
【0029】
この仮係止位置では、大クリアランス部36がキャビティ23と連通して前面板32に開口しているため、タブ部52は大クリアランス部36に連結部51が位置するまで挿通され、フード部58内へタブ部52が突出する。この大クリアランス部36は連結部51の周りに対してクリアランスが大きいため、タブ部52をタブ挿入孔34に挿通する際に開口縁などに接触させることなく円滑に挿入することができる。
【0030】
次に、仮係止位置に位置しているリテーナ30を本係止位置へと移動させると、係止突起28と仮係止凹部41との係止が解かれた後、係止突起28と本係止凹部42とが嵌まり合い、本係止位置に保持される。本係止位置では、係止凸部40がキャビティ23内に進入し各雄端子金具50の本体部50Aの後縁に係止する。よって雄端子金具50はランス25と係止凸部40により確実に抜け止めされる。
【0031】
このリテーナ30の移動に伴い、タブ部52は小クリアランス部35に入り込む。小クリアランス部35は連結部51の周りに対してクリアランスを小さく形成されているため、連結部51の遊動が規制され位置決めが可能となる。
なお、大クリアランス部36にタブ部52が挿入されたとき、上下方向に多少芯ずれして挿入されていても、大クリアランス部36と小クリアランス部36との境界部分には案内面34Aが設けられているため、タブ部52は案内面34に案内されて小クリアランス部35へ円滑に進入することができるようになっている。
【0032】
このように、大クリアランス部36と、小クリアランス部35を連通して形成したタブ挿入孔34を設けたことにより、組み付け上のばらつきの吸収と防止を同時に行うことが可能となる。
また、タブ挿入孔34が位置決めの役目も果たしているため、別体の位置決め部材を必要とせず、部品点数も削減できる。
【0033】
<参考例>
次に、本発明の参考例を図11ないし図12によって説明する。前記した第1実施形態では仮係止位置と本係止位置との間を雄端子金具50の挿入方向に直交する方向に移動可能なリテーナ30について示したが、この参考例では雄端子金具52の軸方向に沿って移動するフロントタイプのリテーナについて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同一符号を付し、これに関する作用及び効果の説明は省略する。
【0034】
このリテーナ70はインナハウジング20の前面側からこの前面を覆うようにして被せられる。また、このリテーナ70は仮係止位置では浅く差しこまれ、より後方へ押し込まれると本係止位置に装着されるようになっている。
【0035】
リテーナ70の前面板71にはキャビティ23と対応したピッチ間隔でタブ挿入孔72が貫通形成され、インナハウジング20の前面を覆いつつタブ部52を挿通可能としている。タブ挿入孔72は大クリアランス部74と小クリアランス部73が軸方向に連通した状態で形成されている。前面板71の裏面側には大クリアランス部74が開口し、前面板71の表面側には小クリアランス部73が開口している。
【0036】
また、小クリアランス部73は雄端子金具50の連結部51の形状と対応した方形状で形成され、リテーナ70が本係止位置にあるときに雄端子金具50の連結部51が位置するようになっている。大クリアランス部74は小クリアランス部73に連結部51が位置した時に本体部50Aが進入可能な大きさの方形状となっている。大クリアランス部74から小クリアランス部73にかけての上下及び左右の開口縁は案内面72Aとなっており、その開口部分が徐々に狭くなるようにテーパ状に形成されている。
【0037】
よって参考例によれば、リテーナ70を仮係止位置に組み付けたインナハウジング20内に雄端子金具50を装着すると、図11に示すようにタブ部52はその先端を大クリアランス部74内に留めた位置に装着される。この大クリアランス部74は本体部50Aが進入可能な大きさであるためタブ部52に対してはクリアランスが大きい。よって雄端子金具50の組み付け時のばらつきを吸収することができる。
【0038】
その後、図12のようにリテーナ70を本係止位置に押し込むと、それに伴い小クリアランス部73をタブ部52が貫通してフード部58内へ突出する。そして連結部51が小クリアランス部73内に位置してその遊動を規制されるため位置決めされる。またこの時、雄端子金具50が上下及び左右方向に多少芯ずれした状態でインナハウジング20に挿入されていても、案内部72Aにより案内され円滑に大クリアランス部74から小クリアランス部73へ進入可能となる。
よって上記のような構成としても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0040】
(1)上記した第1実施形態では、リテーナ30のタブ挿入孔34に大クリアランス部36と小クリアランス部35を設けたが、別体の部材に大クリアランス部と小クリアランス部を連通して設け雄端子金具のばらつきの吸収と防止を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における雄コネクタの分解断面図
【図2】アウタハウジングの正面図
【図3】インナハウジングの正面図
【図4】その側面図
【図5】リテーナの正面図
【図6】リテーナが仮係止位置に装着された状態を示す正面図
【図7】その側断面図
【図8】リテーナが本係止位置に装着された状態を示す正面図
【図9】その側断面図
【図10】タブ部が大クリアランス部及び小クリアランス部に位置している状態を示す図
【図11】 本発明の参考例におけるリテーナが仮係止位置に装着された状態を示す部分側断面図
【図12】リテーナが本係止位置に装着された状態を示す部分側断面図
【図13】従来例における雄コネクタの側断面図
【符号の説明】
20A…端子収容部
23…キャビティ
27…リテーナ装着孔
30,70…リテーナ
32,71…前面板(前止まり板)
34…タブ挿入孔
34A,72A…案内面(案内部)
35,73…小クリアランス部
36,74…大クリアランス部
50…雄端子金具
52…タブ部
Claims (3)
- 本体部の先端に連結部を介して平板状のタブ部が形成された雄端子金具と、
この雄端子金具を収容可能なキャビティが形成された端子収容部を備えたコネクタハウジングと、
このコネクタハウジングとは別体に形成され前記雄端子金具のタブ部を挿入可能なタブ挿入孔が開口し、前記コネクタハウジングに対し第1係止位置と第2係止位置との間を、前記雄端子金具の挿入方向と直交する方向へ移動可能な絞り部材とを備えたコネクタであって、
前記絞り部材には、前記端子収容部の前面において前記キャビティ内に挿入された前記雄端子金具を前止まりにする前止まり板が一体に形成され、かつ前記タブ挿入孔はこの前止まり板に開口するとともに、
前記タブ挿入孔は、前記雄端子金具のタブ部の付け根である前記連結部周りには前記タブ挿入孔の周縁との間に大きなクリアランスが保持される大クリアランス部と、前記大クリアランス部と連通し前記連結部周りに小さなクリアランス部を保有してタブ部の遊動を規制する小クリアランス部とからなり、
前記第1係止位置では、前記前止まり板により前記雄端子金具が前止まり状態に保持されるとともに、前記大クリアランス部に前記連結部が位置し、前記第2係止位置では前記小クリアランス部に前記連結部が位置することを特徴とするコネクタ。 - 前記コネクタハウジングには、前記キャビティへ連通するリテーナ装着孔に装着されるリテーナが設けられ、このリテーナは前記絞り部材と一体的に形成され、かつ前記第1係止位置では前記雄端子金具の挿抜を許容し、前記第2係止位置では前記雄端子金具に係止して抜け止め可能とすることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 大クリアランス部と小クリアランス部の境界部分には、大クリアランス部から小クリアランス部にかけて開口部を徐々に狭くする案内部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
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