JP4049935B2 - 印刷インキ用樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷において、優れたインキ乾燥性と印刷作業性を有する印刷インキ用樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来一般にオフセット印刷インキ用樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂が広く使用されている。しかしながらロジンにはその構造中にカルボン酸が含まれており、そのカルボン酸基はインキの印刷特性を低下させるので、グリセリンやペンタエリスリトールなどのポリオールで当該カルボン酸をエステル化し、酸価を低下させることが行われている。
【0003】
そしてその酸価を低下させる方法としては、
▲1▼ロジン類とレゾール型フェノール樹脂とを反応させた後、ポリオールでエステル化する方法
▲2▼ロジン類をポリオールでエステル化した後、レゾール型フェノール樹脂と反応させる方法
▲3▼ロジン類とフェノール及びホルムアルデヒドとをアルカリ触媒下で反応させ、レゾール型フェノール樹脂を生成すると同時にロジン類と反応させ、次いでポリオールでエステル化する方法
の三法が行われている。そしてこれらの方法により得られた樹脂の酸価は、30以下とするのが好ましいとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの方法においては、いずれの方法においても、酸価を30以下とするためにはポリオールの水酸基をロジン類のカルボン酸基に対して1/1以上とする必要がある。そのためこれらの方法により得られたロジン変性フェノール樹脂においては、親水性のアルコール性水酸基が残存する。
【0005】
これらのアルコール性水酸基は、オフセット印刷の工程中において湿し水の乳化量を増し、流動性が低下し、またインキの水負け現象を生じ、印刷特性を低下させるのである。
【0006】
特開昭63−86771号公報には、カルボン酸基のエステル化手段としてエポキシ基やイソシアネート基を使用することも記載されているが、そこに生じる問題点は同様である。
【0007】
さらに特開昭62−192476号公報には、ポリオールでエステル化したロジン変性フェノール樹脂に、さらに多官能エポキシ樹脂を反応させることが示されているが、このものにおいてはエポキシ樹脂を反応させる前にロジン類のカルボン酸基は既にポリオールでエステル化されてしまっており、またロジン変性フェノール樹脂としての骨格が形成されてしまった後になってエポキシ樹脂を反応させるものである。
【0008】
そのためこの方法では、反応が不十分であり、遊離のエポキシ基がワニス中に残存することとなり、ワニスが不安定になって相溶性が損われ、また耐乳化性が著しく悪化することとなり、このワニスで調製したインキは、光沢が悪く、保存時の調子の変化が大きく、インキのしまりが激しいといった、多くの問題点を生じるのである。
【0009】
また近年印刷の高速化、省力化の要請が強く、印刷インキ用樹脂においても高速印刷適性が強く要求されるようになっている。特にインキの耐乳化適性、光沢、乾燥性、セット、ミスチングに対する要求性能が高くなっている。とりわけ、インキが乾燥状態に入る前のセットが早く、且つ光沢が良好であることが重要である。
【0010】
然るに従来のロジン変性フェノール樹脂をビヒクルとする印刷インキにおいては、光沢とセットの両特性を同時に向上させることが困難である。そこで、これらの要求を満足し、さらにミスチング、耐乳化性などの印刷作業性も同時に満足させ得る印刷インキ用樹脂の開発が要求されていたのである。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、以上述べたような各種の問題点を一挙に解決し、印刷特性に優れた印刷インキ用のロジン変性フェノール樹脂を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
而して本発明の第一の方法は、ロジン類と、フェノール樹脂又はフェノール類とホルムアルデヒド類との混合物と、多官能エポキシ樹脂とを混合して加熱し、反応させた後、ポリオールを添加して加熱し、残存カルボン酸基をエステル化することを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の第二の方法は、ロジン類と多官能エポキシ樹脂とを混合して加熱し、反応させ、次いでその反応生成物にポリオールを添加して加熱し、残存カルボン酸基をエステル化し、然る後フェノール樹脂を添加して加熱し、反応させることを特徴とするものである。
【0014】
さらにこれらの本発明の方法においては、ロジン類に対する多官能エポキシ樹脂の添加量が、OH/COOHのモル比が0.05〜1.0、より好ましくは0.1〜0.8であり、且つ、多官能エポキシ樹脂とポリオールとの総OH価が、全酸価に対して0.5〜1.2、より好ましくは0.5〜1.0であることが望ましい。
【0015】
すなわち本発明は、従来のロジン変性フェノール樹脂においてはロジン類とレゾール型フェノール樹脂との反応生成物を一段階でエステル化していたのに対し、これを第一段階において多官能エポキシ樹脂を反応させ、それに続いて第二段階においてポリオールでエポキシ化するものであって、このように二段階に分けてエステル化することにより、極めて印刷特性に優れたロジン変性フェノール樹脂が得られるのである。
【0016】
本発明におけるロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、これらの変性物及びこれらの混合物が使用できる。また前記ロジンの変性としては、不均斉化、重合、水素添加、アルデヒド変性、カルボン酸変性などを挙げることができる。またそのカルボン酸変性としては、前記ロジンをアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ダイマー酸、トリマー酸などの酸又はこれらの無水物を添加させることにより行うことができる。
【0017】
フェノール樹脂は公知のものを使用することができ、例えばp-t-ブチルフェノール、p-アミルフェノール、p-t-オクチルフェノール、p-ノニルフェノールなどのアルキルフェノールと、35%ホルマリン又はパラホルムアルデヒドとを重合させたものである。重合触媒として、アルカリ触媒の下で重合させたレゾール型フェノール樹脂と、酸触媒の下で反応させたノボラック型フェノール樹脂とがあり、本発明ではいずれも使用することができるが、レゾール型フェノール樹脂を使用するのが好ましい。
【0018】
本発明において使用される多官能エポキシ樹脂は、分子内に二個以上のエポキシ基を有するものであって、分子量が300〜10000、好ましくは300〜3000であり、エポキシ当量100〜5000、好ましくは150〜2500のものが適当である。
【0019】
さらに具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製エピコート828、1001、1004、1007、東都化成株式会社製エポトートYD−128、YD−011、YD−014、YD−017、三井石油化学工業株式会社製エポミックR−140、R−301、R−304、R−307)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製サントートST−1000、ST−3000)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYDF−165、YDF−170)、ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYDCN−701、YDPN−601)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYH−434)、グリオキザール型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYDG−414)、ダイマー酸変性型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYD−171)、ゴム変性型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYR−207)、臭素化エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYDB−400)、アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYH−300、日本油脂株式会社製エピオールB、M、EH、G−100、E−100、TB)、多価アルコール分子内縮合型エポキシ樹脂(日本油脂株式会社製エピオールOH)、三級脂肪酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製ネオトートAE)などの化合物を挙げることができる。
【0020】
特に本発明においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂又は多価アルコール分子内縮合型エポキシ樹脂が好ましい。
【0021】
また本発明において使用されるポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙げることができる。
【0022】
多官能エポキシ樹脂とポリオールとの総水酸基価は、ロジン類の全酸価に対して0.3〜1.2の範囲とするのが好ましく、0.5〜1.0の範囲とするのがより好ましい。水酸基価/酸価の値が過度に小さいと、反応物の酸価が充分に下らず、分子量の大きいものが得られない。また水酸基価/酸価が過度に大きいときには、反応物又はそのワニスに濁りが生じ易く、またアルコール性水酸基や遊離のエポキシ基が残存するので樹脂のインキ溶剤に対する溶解性が低下し、インキの安定性が悪くなり、湿し水に対する耐乳化性が低下してインキの水負け現象が生じる。
【0023】
多官能エポキシ樹脂の反応生成物に対する使用量は、0.5〜12重量%、好ましくは1〜8重量%とするのが適当である。この使用量は、多官能エポキシ樹脂の種類、分子量、エポキシ価及び水酸基含有量より算出した水酸基価から決定され、またポリオールの使用量は、前記総水酸基価から多官能エポキシ樹脂の水酸基価を差引いて決定される。
【0024】
以上の原料を使用して本発明により印刷インキ用樹脂を製造するには、次の方法による。
【0025】
先ず第一の方法としては、先ずロジン類と、フェノール樹脂と、多官能エポキシ樹脂とを混合して加熱し、反応させる。然る後ポリオールを添加して加熱を続け、残存カルボン酸基をエステル化するのである。
【0026】
またこの方法においては、フェノール樹脂に代えてフェノール類とホルムアルデヒド類との混合物を使用し、フェノール樹脂を合成すると同時に、該フェノール樹脂をロジン類で変性すると共に、多官能エポキシ樹脂でエステル化することもできる。そしてその後、先と同様にポリオールを添加し、残存カルボン酸基をエステル化する。
【0027】
また第二の方法としては、先ずロジン類と多官能エポキシ樹脂とを混合して加熱し、反応させてロジン類のカルボン酸基をエステル化し、次いでその反応生成物にポリオールを添加して加熱し、残存カルボン酸基をエステル化する。然る後その反応生成物にフェノール樹脂を添加して加熱を続け、当該フェノール樹脂をエステル化したロジン類で変性するのである。
【0028】
【作用】
本発明においては、ロジン変性フェノール樹脂又はロジン類に含まれるカルボン酸基が、先ず多官能エポキシ樹脂によりエステル化されるので、反応は速かに進行し、且つエポキシ基は全て反応に寄与し、遊離のエポキシ基が残存することがない。
【0029】
そして然る後にポリオールを使用して残存カルボン酸基をエステル化するので、これらポリオールの水酸基及び前記エポキシ基の開環により生じた水酸基がエステル化に寄与し、酸価を充分に低下させることができると共に、分子量が充分大きなものとなる。
【0030】
【発明の効果】
従って本発明で得られた樹脂によれば、光沢に優れてセット性が良好であり、且つミスチングが少く耐乳化性に優れた、極めて印刷特性に優れたインキを得ることができる。
【0031】
【実施例】
次に実施例に基いて、本発明をさらに具体的に説明する。なお以下の説明において「部」及び「%」とあるのは、特に断らない限り「重量部」及び「重量%」を示す。また[ ]内は、カルボン酸基に対するエポキシ樹脂及びグリセリンの水酸基のモル比率を示す。
【0032】
<レゾール型フェノール樹脂の製造>
撹拌機、コンデンサー、温度計をつけた四つ口フラスコ中に、パラオクチルフェノールを206部、35%ホルマリンを214部及び水酸化カルシウムを1部投入し、90℃に加熱して5時間反応させた。
【0033】
反応終了後、反応生成物を153部のトルエンに溶解し、35%塩酸3部、水60部の塩酸水溶液を添加し、撹拌した後静置し、pHが5〜6の上澄層を取出し、水洗した後不揮発分65%のレゾール型フェノール樹脂のトルエン溶液420部を得た。これを樹脂Aとする。
【0034】
<実施例>
実施例1
撹拌機、水分離器付きコンデンサー及び温度計をつけた四つ口フラスコ中に、ガムロジン400部、前記樹脂A420部(固形分として273部)及びエピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製)35部[0.33]を仕込み、トルエンを溜去しながら昇温した。
【0035】
261℃まで昇温してグリセリン23部[0.62]を投入した後、同温度にて7時間保持し、エステル化を行った。
得られた樹脂は、分子量80000、軟化点178℃であり、5号ソルベントに対する溶解性は7倍であった。
【0036】
実施例2
実施例1における、エピコート828の仕込み量を17部[0.15]とし、グリセリンの投入量を30部[0.80]とした以外は、実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量55000、軟化点175℃、5号ソルベントに対する溶解性が15倍であった。
【0037】
実施例3
実施例1における、エピコート828の仕込み量を70部[0.64]とし、グリセリンの投入量を8部[0.21]とした以外は、実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量200000、軟化点182℃であり、5号ソルベントに対する溶解性は4倍であった。
【0038】
実施例4
実施例1におけるエピコート828に代えてエピコート1004(油化シェルエポキシ株式会社製)を32部[0.15]仕込み、グリセリンの投入量を30部[0.80]とした外は実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量75000、軟化点180℃であり、5号ソルベントに対する溶解性は12倍であった。
【0039】
実施例5
実施例1に示したと同じ反応装置に、ガムロジンを400部及びエピコート828を35部[0.33]仕込み、260℃に昇温して3時間エステル化した後、グリセリン23部[0.62]を投入し、さらに同温度で3時間エステル化した。次いで同温度で前記樹脂A420部を4時間かけて滴下し、さらに2時間反応させた。
得られた樹脂は、分子量130000、軟化点175℃であり、5号ソルベントに対する溶解性は20倍以上であった。
【0040】
比較例1
実施例1の操作において、操作の初期においてグリセリン23部[0.62]をエピコート828の35部[0.33]と同時に仕込み、それ以外は実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量40000、軟化点168℃、5号ソルベントに対する溶解性は12倍であった。
【0041】
比較例2
実施例1の操作において、操作の初期においてエピコート828を仕込まず[0]、昇温後のグリセリンの投入量を37部[1.00]とした外は実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量20000、軟化点162℃、5号ソルベントに対する溶解性は17倍であった。
【0042】
比較例3
実施例1の操作において、操作の初期にエピコート828に代えてグリセリン23部[0.62]を仕込み、昇温後グリセリンに代えてエピコート828を35部[0.33]投入した。それ以外は、実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量35000、軟化点166℃であったが、樹脂は濁っていた。また当該樹脂の5号ソルベントに対する溶解性は2倍であった。
【0043】
比較例4
実施例5の操作において、操作の初期においてエピコート828を仕込まず[0]、昇温後のグリセリンの投入量を37部[1.00]とした外は実施例1と同様に操作した。
得られた樹脂は、分子量10000、軟化点156℃、5号ソルベントに対する溶解性は20倍であった。
【0044】
比較例5
実施例1の操作において、操作初期におけるエピコート828の仕込み量を102部[0.95]とし、昇温後のグリセリンを添加せず[0]、それ以外は実施例1と同様に操作した。
この操作においては、260℃に昇温して3時間後にゲル化し、撹拌不能となった。
【0045】
<インキ評価>
各実施例及び比較例(比較例5を除く)で得られた樹脂について、それぞれの樹脂をビヒクルとしたインキを調製し、そのインキの性能を調べた。
【0046】
インキの調製
各実施例及び比較例の樹脂40部、アマニ油30部及び5号ソルベント30部を四つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを吹込みながら昇温し、200℃で30分間保温し、ワニスを得た。
【0047】
各ワニス100部を四つ口フラスコに仕込み、窒素ガスを吹込みながら撹拌して昇温し、90℃でゲル化剤(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)1部と5号ソルベント2部との混合液を添加し、180℃まで昇温して同温度で1時間保持し、ゲルワニスを得た。
【0048】
各ゲルワニス72部にカーミン6B(東洋インキ製造株式会社製紅顔料)18部を三本ロールで分散し、5号ソルベント又はワニスを総量が100部となるように添加して、タック値8.5〜10.0、25℃フロー値17.0〜18.0となるように調整し、インキを得た。
【0049】
試験方法
光沢:インキ0.3ccをRIテスター(株式会社明製作所製)全面ロールで展色したのち、24時間後の光沢値を60°−60°光沢計で測定した。
【0050】
セット:インキ0.15ccをRIテスター四カットロールで展色した後、展色物を切り、それを別のアート紙に貼り合わせ、RIテスターのロールを用いて、インキがアート紙に付着しなくなるまでの時間(分)を測定した。
【0051】
ミスチング:インキ2カップをインコメーター(東洋精機株式会社製)に載せ、1200回転で2分間回転したときの、ロール背面に置いた白色紙上へのインキの飛散状態を観察した。
【0052】
耐乳化性:インキと倍量の水とを乳鉢で混ぜ合わせ、インキの調子の変化をフロータック値の測定で観察した。またインキの最大乳化量を測定した。これらのデーターの総合により、耐乳化性を判定した。
【0053】
試験結果
試験の結果を、表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004049935
【0055】
評価
表1からも明らかなように、本発明により得られた印刷インキ用樹脂は、比較例のものと比べて、光沢を維持しながら、セット時間が大巾に短縮されている。またミスチング及び耐乳化性においても、著しい改善が見られる。
【0056】
特に実施例1と比較例1,3とは、その配合組成は全く同一であり、エポキシ樹脂とグリセリンとの添加の手順が異るだけであるが、この両者においてもセット時間に大きな差異が見られ、しかもミスチング及び耐乳化性においても顕著な違いが見られるのである。このことから、単なる樹脂の組成のみでなく、その構成原料の添加の順序により、カルボン酸基のエステル化の情況が異り、インキの特性に大きな影響を与えることが明白に理解できる。
【0057】
そして本発明の方法により初めて、優れた印刷インキ用樹脂を得ることができるのである。

Claims (4)

  1. ロジン類と、フェノール樹脂又はフェノール類とホルムアルデヒド類との混合物と、多官能エポキシ樹脂とを混合して加熱し、反応させた後、ポリオールを添加して加熱し、残存カルボン酸基をエステル化することを特徴とする、印刷インキ用樹脂の製造方法
  2. ロジン類と多官能エポキシ樹脂とを混合して加熱し、反応させ、次いでその反応生成物にポリオールを添加して加熱し、残存カルボン酸基をエステル化し、然る後フェノール樹脂を添加して加熱し、反応させることを特徴とする、印刷インキ用樹脂の製造方法
  3. ロジン類に対する多官能エポキシ樹脂の添加量が、OH/COOHのモル比が0.05〜1.0であり、且つ、多官能エポキシ樹脂とポリオールとの総OH価が全酸価に対して0.5〜1.2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷インキ用樹脂の製造方法
  4. ロジン類に対する多官能エポキシ樹脂の添加量が、OH/COOHのモル比が0.1〜0.8であり、且つ、多官能エポキシ樹脂とポリオールとの総OH価が全酸価に対して0.5〜1.0であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷インキ用樹脂の製造方法
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