JP2021155715A - ロジン変性フェノール樹脂、印刷インキ用ワニス及び印刷インキ - Google Patents

ロジン変性フェノール樹脂、印刷インキ用ワニス及び印刷インキ Download PDF

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広大 白石
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Abstract

【課題】低温下でワニス化ができ、さらに優れた耐乳化性も示すロジン変性フェノール樹脂、当該ロジン変性フェノール樹脂を含む印刷インキを提供する。【解決手段】コムン酸の含有量が0.1〜8重量%であるロジン類(A)、ホルムアルデヒド(B)、フェノール類(C)、植物油脂肪酸及び/又は植物油脂肪酸エステル(D)、並びにポリオール(E)を反応成分に含むロジン変性フェノール樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、ロジン変性フェノール樹脂、印刷インキ用ワニス及び印刷インキに関する。
ロジン変性フェノール樹脂とは、ロジン類、フェノール類、ホルムアルデヒド及びポリオールを主原料とする高分子量のポリマーであり、各種の印刷インキ用溶剤に溶解し、優れた印刷適正(耐乳化性、耐ミスチング性、光沢、乾燥性等)を示すことから、従来から印刷インキ用バインダーとして汎用されている。また、前記樹脂の製造における原料ロジンとしては、その入手しやすさ等からガムロジンが汎用されてきた(特許文献1、2)。
一方、印刷インキ分野では、省エネルギー化を目的にワニス化工程における温度を下げるニーズが増えつつあるが、低温でのワニス化においては、ロジン変性フェノール樹脂が印刷インキ用溶剤に対して溶解しにくくなり、耐乳化性が劣りやすいものとなる。
印刷インキ溶剤に対する溶解性を高め、耐乳化性を改善する手段としては、ロジンと動植物油脂肪酸との混合物をモノアルコールで部分エステル化したモノエステル体に、多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物をさらに反応させたロジン変性フェノール樹脂が知られているが、低温でのワニス化を実現できるまでには至っていない。
特開2004−352782号公報 特開2004−269752号公報
本発明の課題は、低温でワニス化ができ、さらに優れた耐乳化性も示すロジン変性フェノール樹脂、当該ロジン変性フェノール樹脂を含む印刷インキを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討することにより、特定のロジン類と植物油脂肪酸とを含む反応成分に使用して得たロジン変性フェノール樹脂が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のロジン変性フェノール樹脂、印刷インキ用ワニス及び印刷インキに関する。
1.コムン酸の含有量が0.1〜8重量%であるロジン類(A)、ホルムアルデヒド(B)、フェノール類(C)、植物油脂肪酸及び/又は植物油脂肪酸エステル(D)、並びにポリオール(E)を反応成分に含むロジン変性フェノール樹脂。
2.(C)成分が、p−アルキルフェノールである前項1に記載のロジン変性フェノール樹脂。
3.(D)成分が、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸エステル及びアマニ油脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である前項1又は2に記載のロジン変性フェノール樹脂。
4.(D)成分の使用量が、固形分重量で、(A)成分100重量部に対して、1〜15重量部である前項1〜3のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
5.重量平均分子量が50,000〜300,000である前項1〜4のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
6.前項1〜4のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂並びに、植物油類及び/又は石油系溶剤を含む印刷インキ用ワニス。
7.前項6の印刷インキ用ワニスを含む印刷インキ。
本発明に係るロジン変性フェノール樹脂によれば、樹脂自体が低軟化点のため、比較的低温でも印刷インキ用ワニスを調整でき、更にゲルワニスや印刷インキを調製する際に優れた耐乳化性も示す。また、得られた印刷インキは、優れた耐ミスチング性と光沢も有する。当該印刷インキは、特にオフセット印刷インキ、枚葉インキに好適である。
本発明のロジン変性フェノール樹脂は、コムン酸の含有量が0.1〜8重量%であるロジン類(A)(以下、(A)成分という。)、ホルムアルデヒド(B)(以下、(B)成分という。)、フェノール類(C)(以下、(C)成分という。)、植物油脂肪酸及び/又はそのエステル(D)(以下、(D)成分という。)、並びにポリオール(E)(以下、(E)成分という。)を反応成分に含むものである。
(A)成分は、0.1〜8重量%のコムン酸を含むロジン類である。コムン酸の含有量が前記範囲であると、反応成分に使用することにより、ロジン変性フェノール樹脂の軟化点が下がるため、低温でのワニス化が可能となり、また、当該樹脂の疎水性が高まることにより、印刷インキの耐乳化性も優れるようになる。また、同様の点から、コムン酸の含有量は、好ましくは1〜6重量%、より好ましくは2〜5重量%である。
なお、コムン酸の含有量は、各種公知の方法で測定できる。例えば、当該ロジン類が未変性ロジンである場合には、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用し、全樹脂酸のピーク面積(100%)に対するコムン酸のピーク面積の比(%)を求めることにより、コムン酸の含有量が得られる。また、当該ロジン類が変性ロジンである場合には、このものが高分子量物であることを考慮して、ガスクロマトグラフィー(GC)による絶対検量線法により、コムン酸の含有量が得られる。
(A)成分中に含まれる「コムン酸」とは、本明細書においては、cis−コムン酸、trans−コムン酸、mirceo−コムン酸等の異性体を含めたものを意味する。以下に構造例を示す。
Figure 2021155715
(A)成分を得る方法としては、特に限定されず、例えば、以下の方法が挙げられる。
[1]コムン酸を含有しないロジン類(未変性ロジン又は変性ロジン)に、別途入手したコムン酸を組み合わせること
[2]コムン酸をもともと含有するロジン類をそのまま使用すること
[3]コムン酸をもともと含有するロジン類及びコムン酸を含有しないロジン類を組み合わせること
[4]コムン酸をもともと含有するロジン類に、別途入手したコムン酸を組み合わせること
なお、コムン酸は、コムン酸をもともと含有する未変性ロジンやその誘導体から各種公知の方法、たとえばシリカゲルカラムクロマトグラフィー法(J.Am.Chem.Soc.,77,2823(1955)等)により単離できる。
コムン酸をもともと含有するロジン類としては、例えば、湿地松ロジンが挙げられる。
コムン酸をもともと含有するロジン類におけるコムン酸の含有量は、通常、1〜8重量%程度、好ましくは1〜6重量%程度である。
また、コムン酸を含有しないロジン類としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、メルクシ松ロジン等の未変性ロジン;前記未変性ロジンを重合して得られる重合ロジンや、水素化して得られる水素化ロジン、α,β−不飽和カルボン酸と反応させて得られるカルボン酸変性ロジン等の変性ロジンが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸等が挙げられる。また、その使用量としては、特に限定されないが、未変性ロジン100重量部に対して通常1〜30重量部程度である。
また、(A)成分としては、(A)成分と、前記α,β−不飽和カルボン酸とを反応させたものを使用しても良い。
(B)成分としては、特に限定されず、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
(B)成分の使用量としては、特に限定されないが、環境負荷を低減できる点から、固形分換算で(A)成分100重量部に対して、通常は5〜80重量部であり、好ましくは10〜30重量部である。
(C)成分は、フェノール類であり、例えば、石炭酸(フェノール)、アルキルフェノール等が挙げられる。アルキルフェノールとしては、例えば、メチルフェノール(クレゾール)、n−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ペンチルクレゾール(アミルフェノール)、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール、n−デシルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−テトラデシルフェノール、n−ヘキシルデシルフェノール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。また、前記アルキルフェノールは、o−アルキルフェノール、m−アルキルフェノール、p−アルキルフェノールのいずれを使用しても良い。中でも、高分子量のロジン変性フェノール樹脂が得られる点から、p−アルキルフェノールが好ましく、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノールがより好ましい。
(C)成分の使用量としては、特に限定されないが、高分子量のロジン変性フェノール樹脂が得られる点から、固形分換算で(A)成分100重量部に対して、通常は3〜100重量部であり、好ましくは5〜80重量部である。
(B)成分及び(C)成分の使用比率としては、特に限定されないが、それぞれのモル比[(B)/(C)]で通常は1.5〜3である。また、環境負荷を低減でき、高分子量のロジン変性フェノール樹脂が得られる点から、(B)/(C)は、好ましくは1.8〜2.8であり、より好ましくは2〜2.6である。なお、以下では、(B)/(C)の使用比率をF/P比とも表記する。
なお、本発明においては、(B)成分と(C)成分との縮合物(レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂)を使用しても良い。レゾール型フェノール樹脂としては、塩基性触媒の存在下において、付加・縮合反応させた縮合物等が挙げられる。また、ノボラック型フェノール樹脂としては、酸触媒の存在下において、付加・縮合反応させた縮合物等が挙げられる。
塩基性触媒としては、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン等の有機アミン;酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛等の金属酢酸塩等が挙げられる。また、酸性触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
また、前記縮合物の製造は、トルエン、キシレン等の有機溶剤や水の存在下で実施できる。更に製造条件は、特に限定されないが、例えば、(B)成分及び(C)成分をそれぞれ仕込み、反応温度100〜300℃程度で反応時間1〜24時間程度反応させれば良い。
(D)成分は、植物油脂肪酸及び/又は植物油脂肪酸エステルであり、ロジン変性フェノール樹脂の骨格に組み込まれることにより、ロジン変性フェノール樹脂の疎水性が高まり、石油系溶剤に対して良好な溶解性を示すようになる。また、これによって、低温でのワニス化が可能になり、さらに印刷インキの耐乳化性も優れたものとなる。
(D)成分としては、例えば、大豆油脂肪酸、水素化大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ツバキ油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、トール油脂肪酸等の植物油脂肪酸;これらの植物油脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、n−ブチルエステル、n−ペンチルエステル、n−ヘキシルエステル、n−ヘプチルエステル、n−オクチルエステル、グリセリン等の植物油脂肪酸エステルなどが挙げられる。なお、植物油脂肪酸のグリセリンエステルとは、大豆油、アマニ油、桐油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヤシ油、パーム油、ナタネ油、トール油等の植物油を意味する。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でもロジン変性フェノール樹脂の石油系溶剤に対する良好な溶解性、及び印刷インキの優れた耐乳化性の点から、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸エステル、アマニ油脂肪酸エステルが好ましい。
(D)成分の使用量としては、特に限定されないが、ロジン変性フェノール樹脂の石油系溶剤に対する良好な溶解性、及び印刷インキの優れた耐乳化性の点から、固形分換算で(A)成分100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部であり、より好ましくは2〜10重量部である。
(E)成分としては、一分子中に2つ以上の水酸基を有するものであれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等のトリオール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン等のテトラオール;ジペンタエリスリトール等の5価以上のポリオール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でもロジン変性フェノール樹脂の軟化点や重量平均分子量等の物性を制御しやすい点から、トリオール及び/又はテトラオールが好ましい。
(E)成分の使用比率としては、特に限定されないが、オフセット印刷インキの耐乳化性の点から、(E)成分の全ヒドロキシル基当量数(OH)と(A)成分の全カルボキシル基当量数(COOH)との比(OH/COOH)で、0.5〜1.5程度であることが好ましい。
本発明のロジン変性フェノール樹脂は、(A)〜(E)成分を、触媒の存在下で反応させてなるものである。その製造方法としては、特に限定されないが、例えば、(1)〜(7)の方法等が挙げられる。なお、下記の方法においては、各成分の添加順序は特に限定されない。
(1)(A)〜(E)成分を一括で仕込み、触媒の存在下で反応させる方法
(2)(A)〜(D)成分を一括で仕込み、触媒の存在下で反応させた後に、(E)成分を加えて反応させる方法
(3)(A)成分と、後述の(B)成分及び(C)成分の縮合物とを、触媒の存在下で反応させた後に、(D)成分及び(E)成分を加えて反応させる方法
(4)(A)成分と、後述の(B)成分及び(C)成分の縮合物とを、触媒の存在下で反応させた後に、(D)成分を加えて反応させた後に、(E)成分を加えて反応させる方法
(5)(A)成分及び(D)成分を反応させた後に、後述の(B)成分及び(C)成分の縮合物、並びに(E)成分を加えて反応させる方法
(6)(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、触媒の存在下で反応させた後に、(D)成分及び(E)成分を加えて反応させる方法
(7)(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を、触媒の存在下で反応させた後に、(D)成分を加えて反応させ、更に(E)成分を加えて反応させる方法
触媒としては、特に限定されず、例えば、前述の塩基性触媒や酸性触媒等が挙げられる。また、触媒の使用量も特に限定されず、(A)成分100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましく、0.05〜3重量部がより好ましい。
また製造条件としては、特に限定されず、通常は反応温度100〜300℃程度で反応時間1〜24時間程度であるが、本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法では反応性の点から、反応温度100〜260℃程度で反応時間8〜24時間程度で行うことが好ましい。
前記の製造方法で得られるロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフィーにおけるポリスチレン換算値をいう。以下同様)は特に限定されないが、ロジン変性フェノール樹脂の石油系溶剤に対する良好な溶解性及び印刷インキの優れた耐ミスチング性の点から、50,000〜300,000程度が好ましく、100,000〜300,000がより好ましい。
また、他の物性も特に限定されず、例えば、軟化点(JIS K5601)が、通常120〜200℃であり、酸価(JIS K5601)が、通常5〜30mgKOH/g程度である。
本発明の印刷インキ用ワニスは、本発明のロジン変性フェノール樹脂並びに、植物油類及び/又は石油系溶剤を含むものである。
植物油類としては、例えば、アマニ油、桐油、サフラワー油、脱水ヒマシ油、大豆油等の植物油;アマニ油脂肪酸メチル、大豆油脂肪酸メチル、アマニ油脂肪酸エチル、大豆油脂肪酸エチル、アマニ油脂肪酸n−プロピル、大豆油脂肪酸n−プロピル、アマニ油脂肪酸n−ブチル、大豆油脂肪酸n−ブチル等の植物油モノエステル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。植物油類を使用すると、ロジン変性フェノール樹脂が石油系溶剤に対して良好な溶解性を示し、また優れた耐乳化性を有する印刷インキが得られるため、好ましい。
石油系溶剤としては、特に限定されず、例えば、JXTGエネルギー(株)の石油系溶剤である0号ソルベント、4号ソルベント、5号ソルベント、6号ソルベント、7号ソルベント、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
また、本発明の印刷インキ用ワニスは、ゲル化剤を含んでも良い。
ゲル化剤としては、特に限定されず、例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジプロポキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムジブトキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテート等のアルミニウム系ゲル化剤等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
本発明の印刷インキ用ワニスとしては、特に限定されず、例えば、ロジン変性フェノール樹脂、並びに、植物油類及び/又は石油系溶剤、必要に応じて、ゲル化剤を撹拌しながら混合し、通常100〜240℃程度の反応温度で反応させること等で得られる。なお、反応の際には、酸化防止剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用ワニスを含むものである。具体的には、印刷インキ用ワニス、顔料(黄、紅、藍、墨等)、及び必要に応じて、前記の植物油類、石油系溶剤、並びに界面活性剤、ワックス等の添加剤を、ロールミルやボールミル、アトライター、サンドミル等のインキ製造装置を用いて練肉し、適切なインキ恒数となるように調製したものである。
以下、実施例を挙げて、更に本発明を具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。また特段の断りがない限り、「部」、「%」はいずれも重量基準である。
(コムン酸の含有量)
市販ガスクロマトグラフィー(GC−14A、(株)島津製作所製)を用いて求めた値である。
(重量平均分子量)
市販ゲルパーメーションクロマトグラフィー装置(東ソー(株)製、HLC−8320GPC)、市販カラム(東ソー(株)製TSK−GELカラム)、および展開溶媒としてテトラヒドロフランを使用して測定したポリスチレン換算値である。
(印刷インキ用ワニスの粘度)
E型粘度計(東機産業製)を用いて、温度25℃に調整した印刷インキ用ワニスで測定した値(Pa・s)である。
調製例1(コムン酸の単離)
コックの付いたガラス製ロートに脱脂綿、海砂を敷き詰め、イソオクタンで湿らせたシリカゲル60(和光純薬工業(株)製)を充填した。なお、展開溶媒としてはイソオクタンを用いた。次いで、コムン酸を含むガムロジン(広西省武宜華奇化工(製))1,000部をイソオクタン2,768部に溶解させて、ガムロジン溶液を調製し、当該溶液を前記シリカゲルの上部に注入した。次いで、溶出液を試験管に取り分けてゆき、コムン酸を含有するフラクションのみを集めて一つの溶液とし、当該溶液をエバポレーターで濃縮した後、再度イソオクタンで希釈し、攪拌しながら3モル/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。次いで、析出したナトリウム塩を濾別して乾燥させた後、当該乾燥物をジエチルエーテルに溶解させて溶液とし、当該溶液が中性となるまで攪拌下に1モル/Lリン酸水溶液を滴下した。次いで、得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、液状のコムン酸を得た。以下の実施例において必要量となる量は、その都度調製した。
調製例2
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、コムン酸を3%含むガムロジン974部を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら180℃まで昇温して溶融させた。次いで調製例1の方法で得たコムン酸26部を仕込み、1時間撹拌して、ロジン類(A−1)を調製した。なお、(A−1)成分中のコムン酸含有量は約5.5重量%であった。
調製例3
コムン酸を3%含むガムロジンをそのままロジン類(A−2)として用いた。
調製例4
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、コムン酸を3%含むロジン800部、及び中国産ガムロジン(コムン酸:0%)200部を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら180℃まで昇温して溶融後、1時間撹拌して、ロジン類(A−3)を調製した。なお、(A−3)成分中のコムン酸含有量は約2.4重量%であった。
調製例5
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、コムン酸を3%含むロジン600部、及び中国産ガムロジン(コムン酸:0%)400部を仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら180℃まで昇温して溶融後、1時間撹拌して、ロジン類(A−4)を調製した。なお、(A−4)成分中のコムン酸含有量は約1.8重量%であった。
実施例1
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器にロジン類(A−1)1000部、p−オクチルフェノール(POP)500部、92%パラホルムアルデヒド198部(固形分:182.2部)(F/P比=2.5)、大豆油脂肪酸25部を仕込み、撹拌しながら100℃まで昇温し、酸化亜鉛を5部添加して4時間保温した。その後、230℃まで昇温し、グリセリン65部及びペンタエリスリトール25部を加えた後、245〜270℃で12時間反応させ、ロジン変性フェノール樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量、酸価及び軟化点を表1に示す(以下同様)。
実施例2〜4、比較例1
ロジン類の種類を変えた以外は、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂をそれぞれ得た。
実施例5
アルキルフェノールとして、POP350部、p−t−ブチルフェノール(PTBP)110部を仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂を得た。
実施例6〜9
ホルムアルデヒドの仕込み量を変えた以外は、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂をそれぞれ得た。
実施例10
大豆油脂肪酸をアマニ油脂肪酸に変えた以外は、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂を得た。
実施例11〜13
大豆油脂肪酸の仕込み量を変えた以外は、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂をそれぞれ得た。
比較例2
大豆油脂肪酸を使用せずに、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂を得た。
比較例3
比較例1の原料組成で、グリセリン65部及びペンタエリスリトール25部を加えた後、245〜270℃で18時間反応させる以外は、実施例1と同様の方法で合成し、ロジン変性フェノール樹脂を得た。
Figure 2021155715
<低温下でのワニス化(印刷インキ用ワニスの調製)>
評価例1−1〜1−13、比較評価例1−1〜1−3
撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、表2に記載の各ロジン変性フェノール樹脂を40部、大豆油を30部、石油系溶剤(AFソルベント6号)を29部仕込み、180℃で30分間混合し、印刷インキ用ワニス(V)を得た。なお、比較例1と2のロジン変性フェノールについては、180℃で60分混合したが、不溶物が発生し、以降の評価に供さなかった。また参考までに、同様の配合で仕込んだ後、200℃で30分混合して印刷インキ用ワニス(V’)を得た。印刷インキ用ワニスの粘度(Pa・s)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2021155715
<印刷インキの調製>
評価例2−1〜2−14、比較評価例2−1〜2−4
表3に記載の各印刷インキ用ワニス99部、及びAFソルベント6号0.5部を仕込み、160℃で30分間混合し溶解した。次にこれを80℃まで冷却した後、ゲル化剤として、アルミニウムジプロポキシドモノアセチルアセテート(商品名:『ケロープEP−2』、ホープ製薬(株)製)(以下、ゲル化剤という)0.5部を加え、200℃まで加熱して1時間ゲル化反応させて、印刷インキ用ゲルワニスを得た。
次に、前記印刷インキ用ゲルワニスを用いて、以下の配合割合で3本ロールミルにより練肉し、タック値が9.0±0.5、スプレッドメーターのフロー値(直径値)が38.0±1.0となるよう適宜調製し、本発明に係る印刷インキとした。
フタロシアニンブルー(藍顔料) 18重量部
印刷インキ用ゲルワニス 66〜71重量部
AFソルベント6号 11〜16重量部
上記配合に基づいて、E型粘度計(東機産業製)で35〜45Pa・sとなるように適宜調製した。
(耐乳化性)
各印刷インキ15.0gを乳化試験機(NOVOMATICS社製)で乳化させ(回転数:1200rpm、温度:40℃、純水の供給量:1.2ml/分)、余剰水を除いた後に、カールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製)で乳化率(%)を測定した。いずれも数値が小さいほど、耐乳化性が良好である。表3に結果を示す(以下同様)。
(耐ミスチング性)
各印刷インキ2.6mlをインコメーター((株)東洋精機製作所製)上に展開し、ロール温度30℃、400rpmで1分間、更に1800rpmで2分間回転させ、ロール直下に置いた白色紙上へのインキの飛散度を観察して1〜5段階で評価を行った。数値が大きいほど、耐ミスチング性が良好である。
(評価基準)
5:白色紙上へのインキの飛散度が少ない
4:白色紙上へのインキの飛散度がやや少ない
3:白色紙上へのインキの飛散度がやや多い
2:白色紙上へのインキの飛散度が多い
1:白色紙上へのインキの飛散度が非常に多い
(光沢)
各印刷インキ0.4mlをRIテスター(石川島産業機械(株)製)にてアート紙に展色した後、23℃、50%R.H.にて24時間調湿し、60°−60°の反射率を光沢計により測定した。数値が大きいほど、光沢に優れる。
Figure 2021155715

Claims (7)

  1. コムン酸の含有量が0.1〜8重量%であるロジン類(A)、ホルムアルデヒド(B)、フェノール類(C)、植物油脂肪酸及び/又は植物油脂肪酸エステル(D)、並びにポリオール(E)を反応成分に含むロジン変性フェノール樹脂。
  2. (C)成分が、p−アルキルフェノールである請求項1に記載のロジン変性フェノール樹脂。
  3. (D)成分が、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸エステル及びアマニ油脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のロジン変性フェノール樹脂。
  4. (D)成分の使用量が、固形分重量で、(A)成分100重量部に対して、1〜15重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
  5. 重量平均分子量が50,000〜300,000である請求項1〜4のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
  6. 請求項5のロジン変性フェノール樹脂並びに、植物油類及び/又は石油系溶剤を含む印刷インキ用ワニス。
  7. 請求項6の印刷インキ用ワニスを含む印刷インキ。
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