JP4048953B2 - フルオロアルキルアイオダイドテロマー混合物の製造方法および含フッ素(メタ)アクリル酸エステル混合物の製造方法 - Google Patents

フルオロアルキルアイオダイドテロマー混合物の製造方法および含フッ素(メタ)アクリル酸エステル混合物の製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、フルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物の製造方法、およびその製造方法により得たフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を用いる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法に関する。
背景技術
テロメリゼーションとは、適当な触媒の存在下で熱または光を作用させて、テロゲン(AB)にタクソゲンを(X)を付加し、式A(X)B(mは一般に1〜20)で表される重合度の低いポリマー、即ちテロマーを得る反応をいう。公知のテロメリゼーションとして、テロゲンとしてフルオロアルキルアイオダイドを、タクソゲンとしてテトラフルオロエチレンを使用し、テロゲンよりも分子量の高いフルオロアルキルアイオダイドをテロマーとして得る反応がある。この反応は、テロゲンにテトラフルオロエチレンを付加した、テトラフルオロエチレン付加物を得る反応とも見なせる。この反応を利用して、工業的に有用なフルオロアルキルアイオダイドを得る種々の方法が、予てより提案されてきた。以下に、それらのうちの幾つかを列挙する。なお、以下の説明を含む本明細書においては、生成物のフルオロアルキルアイオダイドと、出発物質のフルオロアルキルアイオダイドとを区別するために、前者をフルオロアルキルアイオダイドテロマーと称することに留意されたい。
米国特許第3,226,449号は、有機過酸化物を開始剤として用いる、パーフルオロアルキルアイオダイドにテトラフルオロエチレンを付加するテロメリゼーションによって、パーフルオロアルキルアイオダイドテロマーを製造する方法を開示している。テロメリゼーションは1つの反応器において一段階で行われている。
イギリス国特許第1,256,818号、日本国特許公告公報昭60−22687号(1985年)、米国特許第3,234,294号、米国特許第3,404,189号、およびイギリス国特許第1,189,576号は、パーフルオロアルキルアイオダイドテロマーを製造する際に用いるテロメリゼーションの開始方法を開示している。
日本国特許公開公報平6−206908号(1994年)、日本国特許公開公報平6−305995号(1994年)、および日本国特許公告公報平7−59525号(1995年)は、ある用途においては、パーフルオロアルキルアイオダイドテロマーの炭素数(または分子量)を特定範囲にする必要があることを説明し、所望の炭素数を有するパーフルオロアルキルアイオダイドテロマーを、特定形状の反応器および特定の手順を使用する、重合度を制御したテロメリゼーションにより製造する方法を開示している。
発明の開示
日本国特許公開公報6−206908号公報等は、重合反応を制御して、所望の炭素数を有するパーフルオロアルキルアイオダイドテロマーを得る方法を開示している。しかし、これらの公報に記載された方法は、特定形状の反応器を使用すること、ならびに反応混合物の一部を反応器の特定の位置に循環させることを必要とするため、操作の簡易性に欠けるという問題を有する。また、これらの公報に記載された方法は、気相で反応を進行させるため、液相で反応を進行させる場合と比較して高い温度で反応を進行させる必要があり、そのため、エネルギー的に不利である。
本発明の第1の目的は、所定値以上の重合度を有するフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を、簡易な操作で、多くのエネルギーを要することなく製造する方法を提供することである。本発明の特に重要な目的は、CIをテロゲンとし、テトラフルオロエチレン(本明細書において「TFE」と略する場合がある)をタクソゲンとするテロメリゼーションにより得られるテロマーC(CFCFI(nは重合度を示す整数である)の混合物であって、重合度nが3以上であるテロマー(具体的には、C17I(n=3)、C1021I(n=4)、C1225I(n=5)、C1429I(n=6)、...)の混合物を、好ましくはC17I(n=3)が最も多く含まれるように、製造する方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、上記製造方法に従って製造したフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を用いて、アルコキシル基の炭素数が所定値以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する方法を提供することである。含フッ素(メタ)アクリル酸エステル中のアルコキシル基の炭素数は、フルオロアルキルアイオダイドテロマーの重合度nによって決定される。本発明の特に重要な目的は、C(CFCFCHCHOCOCR=CH(Rは水素原子またはメチル基)で示され、nが3以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を、好ましくはC17CHCHOCOCR=CH(n=3)が最も多く含まれるように、製造する方法を提供することである。
17CHCHOCOCR=CHは、含フッ素モノマーとして、重合体の製造に使用される。このモノマーを重合して得られる重合体は、撥水撥油剤として有用である。
上記第1の目的を達成するため、本発明は、第1の要旨において、式(I): R(CFCFI (I)
(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、nは重合度を示す整数である)
で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物をテロメリゼーションにより製造する方法であって、
(1)第1反応器において、式RI(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示す)で示されるフルオロアルキルアイオダイドと、テトラフルオロエチレンとを反応させることにより、式(I)で示され、重合度nが1以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第1反応混合物を得る工程、
(2)第1反応混合物を、
式(I)で示され、重合度nが(k−2)以下であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーまたはその混合物、および式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドを含む第1フラクション、
式(I)で示され、重合度nが(k−1)であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを含む第2フラクション、ならびに
式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第3フラクション
に分離する工程、ならびに
(3)第2反応器において、第2フラクションと、テトラフルオロエチレンとを反応させることにより、式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第2反応混合物を得る工程
を含む製造方法を提供する。
この製造方法により製造されるフルオロアルキルアイオダイドテロマーは、上記式(I)で示される化合物である。式(I)において、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示す。Rは、テロメリゼーションの出発物質であるフルオロアルキルアイオダイドのフルオロアルキル基に相当する。
フルオロアルキルアイオダイドテロマー(以下、単に「テロマー」とも呼ぶ)の混合物とは、重合度nが異なる複数のテロマーを含む混合物を意味する。
本発明の製造方法により製造すべき対象物は、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマー(以下、単に「テロマー」とも呼ぶ)の混合物である。この混合物は、重合度nがそれぞれk、k+1、k+2、...であるテロマーの混合物である。尤も、この混合物は、テロメリゼーションの条件および反応混合物の分離条件等によって、nがkより小さいテロマー、および未反応のフルオロアルキルアイオダイド等を不可避的に含むことがある。これらの不可避的に含まれる化合物を含む混合物もまた、本発明の製造方法により製造すべき対象物に含まれることに留意されたい。
本明細書においては、「≧」を用いて、式(I)で示され、重合度nがp以上であるテロマーの混合物を、≧R(CFCFIと示す場合がある。また、「≦」を用いて、式(I)で示され、重合度nがq以下であるテロマーの混合物を≦R(CFCFIと示す場合がある。
本発明の製造方法において、kは3以上の整数から選択される1の整数であり、テロマーの用途等に応じて所望のように選択される。nがk以上のテロマーの混合物において、重合度が最大であるテロマーの重合度n maxは、テロメリゼーションの条件によって異なる。一般にn maxは20程度である。本発明の製造方法により得られる混合物は、好ましくは、重合度nがkであるテロマーを最も多く含む。
本発明のテロマーの混合物の製造方法は、2つの反応器を使用し、第1反応器において、式RI(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示す)で示されるフルオロアルキルアイオダイドとTFEとを反応させてテロマーの混合物を得、この混合物から重合度nが(k−1)であるテロマーを分離して、これを第2反応器においてTFEと反応させることを特徴とする。第2反応器を用いることにより、重合度がkであるテロマーが、生成物(即ち、重合度nがk以上であるテロマーの混合物)中に占める割合を大きくすることが可能となる。
本発明の製造方法において、第1および第2反応器はともに特定の形状等を有するものに限定されず、テロメリゼーションのために常套的に採用されている反応器(例えばオートクレーブ)を任意に使用できる。また、本発明の製造方法は、簡易な操作により実施できる。
上記第2の目的を達成するため、本発明は、第2の要旨において、式(III):
(CFCFCHCHOCOCR=CH (III)
(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは重合度を示す整数である)
で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する方法であって、
(A)式(I)で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を、上記のテロマーの混合物の製造方法に従って得るテロメリゼーション工程、
(B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物にエチレンを付加させて、式(II):
(CFCFCHCHI (II)
で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程、ならびに
(C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、上記含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得るエステル化工程
を含む製造方法
を提供する。
重合度nがk以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物とは、式(III)の基R(CFCFCHCHO−のnがそれぞれk、k+1、k+2、...である、複数の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物である。本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法においては、上述した製造方法に従ってテロマーの混合物を得、これにエチレンを付加させた後、(メタ)アクリル酸化合物と反応させる。したがって、生成物である、式(III)で示されるエステルの混合物において、混合物を構成する各エステルのnは3以上の整数のいずれか1つとなる。
本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法は、重合度nが所定値k以上であるテロマーの混合物を生成する工程を含むことを特徴とする。この特徴により、アルコキシル基の炭素数が所定値以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を選択的に製造することが可能となる。
上記含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法において、工程(A)と工程(B)とは、必ずしも連続して実施する必要はない。例えば、本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法は、上記の製造方法に従って得た「最終製品」としてのテロマーの混合物を原料として使用して、上記工程(B)を開始し、それから工程(B)で得た混合物を工程(C)に付す方法であってよい。即ち、上記式(III)で示され、重合度がk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物は、上記第1の要旨の製造方法で製造した、式(I)で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物にエチレンを付加させ、次いで(メタ)アクリル酸化合物と反応させることを含む製造方法によっても製造される。この製造方法もまた、本発明の範囲に含まれる。
発明を実施するための形態
第1の要旨に係る本発明のフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物の製造方法は、前述のとおり、≧R(CFCFI(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、kは重合度を示す3以上の整数のいずれか1つである)をテロメリゼーションにより製造する方法であって、
(1)第1反応器で、フルオロアルキルアイオダイドRIとTFEとを反応させて、≧R(CFCF)Iを含む第1反応混合物を得る工程、
(2)第1反応混合物を、
≦R(CFCFk−2Iおよび未反応の出発原料を含む第1フラクション、
(CFCFk−1Iを含む第2フラクション、ならびに
≧R(CFCFIを含む第3フラクション
に分離する工程、ならびに
(3)第2反応器において、第2フラクションと、テトラフルオロエチレンとを反応させることにより、≧R(CFCFIを含む第2反応混合物を得る工程
を含む製造方法である。
以下に工程(1)〜(3)について説明する。
工程(1)は、第1反応器でテロメリゼーションを実施する工程である。テロメリゼーションは、式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドと、TFEとを反応させることにより実施する。RIにおいて、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つである。Rは、好ましくは、炭素数が1〜8であるフルオロアルキル基のいずれか1つであり、より好ましくは、炭素数が1〜5であるフルオロアルキル基のいずれか1つである。また、Rは、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フルオロアルキルアイオダイドRIの例としては、トリフルオロメチルアイオダイド、ペンタフルオロエチルアイオダイド、パーフルオロイソプロピルアイオダイド、およびパーフルオロ−n−ブチルアイオダイドが挙げられる。これらのうち、ペンタフルオロエチルアイオダイド(CI)が、TFEのテロメリゼーションに一般的に使用される。CIは、本発明の製造方法においても好ましく使用される。
工程(1)において、テロメリゼーションは、フルオロアルキルアイオダイドテロマーの製造において常套的に採用されている条件下で実施してよい。具体的には、反応温度を、30〜150℃とし、反応圧力を0.01〜2MPaとして、反応を進行させる。反応時間は、一般に、0.1〜10時間である。反応圧力は、圧入するTFEによって生じる圧力である。上記に示した具体的な圧力は、ゲージ圧である。以下の説明を含む本明細書において、圧力は特に断りのない限りゲージ圧で表される。
テロメリゼーションは、触媒の存在下で実施してよい。触媒は、例えば、有機過酸化物、遷移金属、またはIF・SbF等である。触媒に適した有機過酸化物は、例えば、t−ブチルパーオキシピバレートのようなカルボン酸エステルパーオキサイド化合物、t−ブチル過炭酸イソプロピルのようなパーオキシモノカーボネート、およびビス−(4−アルキルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートのようなパーオキシジカーボネート化合物である。触媒の量は、フルオロアルキルアイオダイド(RI)1モルに対して、0.001〜0.1モル程度とする。
第1反応器において、フルオロアルキルアイオダイド(RI)とテトラフルオロエチレン(TFE)のモル比は、20:80〜99:1にすることが好ましい。RI/TFEが大きいほど(即ち、TFEのモル比が小さいほど)、生成するテロマーの混合物において、一般に、n maxはより小さくなり、また、混合物の平均重合度n aveが小さくなる。したがって、最終的に得ようとするテロマーの混合物において、n maxをより小さくするとともに、n aveを小さくしたい場合には、RI/TFEをより大きくすることが好ましい。例えば、RIとしてCIを使用し、重合度nが3以上のテロマーの混合物を製造する場合には、RI:TFE(モル比)を99:1〜97:3として本発明の製造方法を実施すれば、n aveが3により近い(例えば、3.05〜3.4程度の)混合物を生成物として得ることができる。
第1反応器において、TFEは反応器の気相部に仕込んでよい。その場合、テロメリゼーションは、気相と液相の界面にて進行する。あるいは、TFEは液相のRIに気泡を生じるように仕込んでよい。
工程(1)においては、第1反応器に、RIに加えて、式(I)で示され、重合度nが(k−2)以下である低重合度テロマーを、1種または複数種供給してよい。供給された低重合度テロマーは、第1反応器においてテトラフルオロエチレンと反応して、より重合度の高いテロマーに転化される。例えば、RIとしてCIを使用し、重合度nが3以上のテロマーの混合物を製造する場合には、CI(n=1)を第1反応器に供給してよい。この場合、(k−2)以下であるnは1のみであるから、1種類の低重合度テロマーのみを供給できる。RIとしてCIを使用し、重合度nが4以上のテロマーの混合物を製造する場合には、CI(n=1)および/またはC13I(n=2)を第1反応器に供給してよい。この場合、(k−2)以下であるnは1および2であるから、第1反応器には、1種または2種のテロマーを供給できる。
nが(k−2)以下であるテロマーは、例えば、第1反応混合物を後述の工程(2)において分離することにより得られたものであってよい。即ち、nが(k−2)以下であるテロマーを1種または複数種供給することは、第1反応混合物の一部を戻すことによって実施してよい。
第1反応器に供給するnが(k−2)以下であるテロマーは、RIとTFEのテロメリゼーションによって得たものである必要は必ずしもない。式(I)で示され、nが(k−2)以下である構造を有する化合物であれば、テロメリゼーション以外の方法によって得たものを第1反応器に供給してよい。そのような化合物は、厳密にはテロマーと呼べるものでない場合があるが、ここではそのような化合物も便宜上テロマーと呼ぶ。
次に工程(2)について説明する。工程(2)は、工程(1)で得た、重合度nが1以上であるテロマーの混合物を含む第1反応混合物を、上記の成分をそれぞれ含む3つのフラクションに分離する工程である。尤も、各フラクションは、本発明によるテロマーの混合物の製造に悪影響を及ぼさない限りにおいて、上記の成分に加えて他の成分(例えば、他のフラクションに含まれるべきテロマー)を含んでよい。そのような他の成分は、分離に用いる装置の性能および操作条件によっては、不可避的に含まれることがある。以下、各フラクションについて説明する。
第1フラクションは、式(I)で示され、重合度nが(k−2)以下である低重合度のフルオロアルキルアイオダイドテロマーまたはその混合物、および式RIで示される未反応のフルオロアルキルアイオダイドを含む。第1フラクションは、未反応のTFEを気相および/または液相の形態で含む場合がある。第1フラクションは、第1反応器に戻すことが製造効率の点から好ましい。
上記において、「重合度nが(k−2)以下であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーまたはその混合物」とは、kの値によって、(k−2)以下であるテロマーが1種類または複数種となる場合があることを意味する。例えば、kが3である場合には、nが(k−2)以下であるテロマーはn=1のテロマーのみ(即ち、1種類)であって混合物とはならない。kが4である場合には、nが(k−2)以下であるテロマーは、nが1および2である、2種類のテロマーの混合物となる。
第1フラクションは、重合度nが(k−2)以下であるテロマー、RI、およびTFEに加えて、他の成分、例えば重合度nが(k−2)よりも大きいテロマーを含んでよい。そのような他の成分は、上述のように分離装置の性能等に応じて、不可避的に第1フラクションに含まれることがある。第1フラクションに含まれる他の成分の量は、できるだけ少量(例えば0.1mol%以下)であることが好ましい。
第2フラクションは、式(I)で示され、重合度nが(k−1)であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを含む。第2フラクションは、後述する工程(3)において、テロメリゼーションに付される。第2フラクションは、重合度nが(k−1)であるテロマーに加えて、他の成分、例えば重合度nが(k−1)よりも小さい又は大きいテロマーを含んでよい。そのような他の成分は、上述のように分離装置の性能等に応じて、不可避的に第2フラクションに含まれることがある。第2フラクションに含まれる他の成分の量は、できるだけ少量(例えば0.1mol%以下)であることが好ましい。
第3フラクションは、式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む。第3フラクションは、目的とする生成物として取り出される。第3フラクションは、重合度nがk以上であるテロマーに加えて、他の成分、例えば重合度nが(k−1)以下であるテロマーを含んでよい。そのような他の成分は、上述のように分離装置の性能等に応じて、不可避的に第3フラクションに含まれることがある。第3フラクションに含まれる他の成分の量は、できるだけ少量(例えば0.1mol%以下)であることが好ましい。
工程(2)においては、各フラクションを1つの分離装置において、同時に分離してよい。あるいは、工程(2)は2段階で実施してもよい。即ち、第1反応混合物を、第1フラクションと、第2フラクションおよび第3フラクションを含む中間フラクションとに分離し、中間フラクションを別の分離装置において、第2フラクションと第3フラクションとに分離することによって、工程(2)を実施してよい。
工程(2)は、好ましくは蒸留塔を用いて実施される。蒸留塔は、段塔および充填塔のいずれであってもよい。工程(2)を1つの蒸留塔で連続蒸留により実施する場合、塔頂から第1フラクションを連続的に取り出し、塔底から第3フラクションを連続的に取り出し、蒸留塔の中間部分からサイドカットとして第2フラクションを連続的に取り出す。あるいは、工程(2)は、1つの蒸留塔を用いた回分蒸留であってよい。その場合、第1フラクションおよび第2フラクションをこの順に留出させて留出液として得る。第3フラクションは、釜残液として、あるいは第1および第2フラクションを留出させた後に留出させて留出液として得る。
工程(2)を2つの蒸留塔を用いて2段階で実施する場合、第1の蒸留塔の塔頂から第1フラクションを取り出し、第1の蒸留塔の塔底から中間フラクションを取り出す。中間フラクションは第2の蒸留塔に送られて蒸留操作に付され、第2の蒸留塔の塔頂から第2フラクションが取り出され、第2の蒸留塔の塔底から第3フラクションが取り出される。第1および第2の蒸留塔で行う蒸留はそれぞれ、連続蒸留であってよく、あるいは回分蒸留であってよい。
工程(2)は、蒸留以外の任意の方法で実施してよい。例えば、抽出または膜分離で工程(2)を実施してよい。
次に工程(3)について説明する。工程(3)は、工程(2)で得た第2フラクションに含まれる重合度nが(k−1)であるテロマーと、TFEとを、第2反応器において反応させる工程である。工程(3)は、重合度nがkよりも1つだけ小さい低重合度テロマーのテロメリゼーションにより、重合度がk以上であるテロマーの混合物を得る工程である。工程(3)は、第2反応器にn=(k−1)のテロマーおよびTFEを供給し、工程(1)と同様にして実施される。したがって、工程(3)の条件に関する詳細な説明は省略する。第1反応器における、TFEに対するテロマーの好ましいモル比は、工程(1)に関連して説明した、TFEに対するRIの好ましいモル比と同じである。
工程(3)で得られる第2反応混合物は、目的とする、nがk以上であるテロマーの混合物以外に、未反応のn=(k−1)のテロマーを通常含む。したがって、第2反応混合物は、式(I)で示され、重合度nが(k−1)であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを含む第4フラクションと、式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第5フラクションとに分離することが好ましい。第4フラクションは、好ましくは第2反応器に戻される。第5フラクションは、製品として取り出される。第5フラクションは、工程(2)で分離した第3フラクションとともに、1つのラインで取り出してよい。
第2反応混合物の分離は、好ましくは蒸留塔を用いて実施される。その場合、塔頂から第4フラクションが取り出され、塔底から第5フラクションが取り出される。蒸留は、回分蒸留であってよく、あるいは連続蒸留であってよい。あるいは、この分離は、抽出または膜分離により実施してよい。
第2反応混合物を分離する蒸留塔は、前述のように、第1反応器で得た第1反応混合物を第1および第2の蒸留塔を用いて2段階で分離する場合には、当該第2の蒸留塔を兼ねるものであってよい。その場合、第1反応混合物からの中間フラクションおよび第2反応混合物は、1つのラインを介して、第2の蒸留塔に送ってよい。また、その場合、第2の蒸留塔の塔頂からは、第1反応混合物からの第2フラクションと第2反応混合物からの第4フラクションとが合わせて取り出され、塔底からは第1反応混合物からの第3フラクションと第2反応混合物からの第5フラクションとが合わせて取り出される。
以上において説明した各工程を実施することにより、重合度nがk以上であるテロマーの混合物を、好ましくはn=kであるテロマーの割合が多くなるように製造することができる。このテロマーの混合物は、種々の化学製品の原料として有用であり、特に含フッ素アクリル酸エステルを製造するのに適している。以下に、本発明の第2の要旨である含フッ素アクリル酸エステルの混合物の製造方法を説明する。
第2の要旨に係る本発明の含フッ素アクリル酸エステルの製造方法は、前述のとおり、式(III):
(CFCFCHCHOCOCR=CH (III)
(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは重合度を示す整数である)
で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する方法であって、
(A)上記本発明のテロマーの混合物の製造方法に従って、フルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を得るテロメリゼーション工程、
(B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物にエチレンを付加させて、エチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程、ならびに
(C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、目的とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得るエステル化工程
を含む製造方法である。
以下に工程(A)〜(C)について説明する。
工程(A)は、上述した、テロマーの混合物の製造方法と同じ方法で実施できる。したがって、工程(A)についての詳細な説明はここでは省略する。
工程(B)は、工程(A)で得たテロマーの混合物にエチレンを付加する工程である。工程(B)は、エチレン付加反応において常套的に採用されている条件下で実施してよい。具体的には、反応温度を、30〜250℃、例えば50〜220℃の温度とし、反応圧力を1MPa以下、例えば0.2〜0.4MPaとして、エチレン付加を実施する。反応時間は、一般に、0.1〜10時間である。反応圧力は、圧入するエチレンによって生じる圧力である。反応は、テロマー混合物とエチレンのモル比を、1:2〜1:0.05として実施することが好ましい。
エチレン付加反応は、ラジカルを発生させる触媒の存在下で実施してよい。触媒は、例えば、アゾ化合物、または有機過酸化物である。触媒に適したアゾ化合物は、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルである。触媒に適した有機過酸化物は、例えば、ベンゾイルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドのようなジアルキルパーオキサイド、またはt−ブチル過炭酸イソプロピルのようなパーオキシモノカーボネートである。触媒の量は、テロマーの混合物1モルに対して、0.005〜0.02モル程度とする。
工程(B)の結果として、上記式(II)で示されるエチレン付加物の混合物が得られる。混合物に含まれる各エチレン付加物中の−(CFCF)−の重合度nは、工程(A)で得たテロマーの重合度nによって決定される。工程(A)では、nがk以上であるテロマーの混合物が得られるから、工程(B)において得られるエチレン付加物の混合物もまた、nがk以上であるエチレン付加物の混合物となる。エチレン付加物の混合物は、次に工程(C)においてエステル化される。
工程(C)は、工程(B)で得たエチレン付加物の混合物と、(メタ)アクリル酸化合物とを反応させて、目的とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得る工程である。(メタ)アクリル酸化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸の金属塩である。(メタ)アクリル酸の金属塩は、カリウムまたはナトリウムのようなアルカリ金属の塩、あるいはアルカリ土類金属の塩である。工程(C)は、エステル化反応において常套的に採用されている条件下で実施してよい。具体的には、反応温度を、160〜220℃、例えば170〜190℃として実施する。反応時間は、一般に、0.1〜10時間である。
以上において説明した各工程を実施することにより、目的とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物が得られる。このエステルの混合物において、各エステル中の−(CFCF)−の重合度nはk以上である。これは、工程(A)で得られるテロマーの混合物において、各テロマーの重合度nがk以上であることによる。したがって、kを所望の値に設定してテロマーを製造すれば、エステル中のアルコキシル基(式(III)においてR(CFCFCHCHO−に相当)の炭素数が所望の値以上であるエステルの混合物を得ることが可能となる。
前述のように、テロメリゼーションを、2つの反応器で、好ましくはTFEに対するRIのモル比を大きくして実施することにより、最大重合度n maxが小さく、また平均重合度n aveがkに近いテロマーの混合物を得ることができる。したがって、所望のエステルに応じてkを設定し、本発明の製造方法に従ってエステルを製造すれば、所望のエステルをより選択的に製造し得る。
上記本発明の製造方法で含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する場合、工程(C)において、R(CFCFCHCHCH=CHで示されるオレフィンの混合物が副生する。このオレフィン混合物は不純物であり、これがエステル混合物中に占める割合はより小さいことが好ましい。しかし、このオレフィンは、nの値によっては、その沸点がエステルの沸点に近くなるために、精留によってもエステル混合物中から除去することが困難となる場合がある。例えば、RがCであり、nが3以上であるエステルの混合物を製造する場合、副生するオレフィンのうち、nが5以上である高分子量オレフィンの除去が困難となる。
副生するオレフィンのnもまた、工程(A)で得たテロマーの重合度によって決定される。前述のように、本発明の製造方法によれば、n maxが小さく、n aveがkに近いテロマーの混合物を得ることができるから、これを使用するエステル製造において副生するオレフィン混合物もまた、n maxが小さく、n aveがkに近い混合物となる。したがって、本発明の製造方法によれば、除去しにくい高分子量オレフィンの含有量が小さいエステル混合物を得ることができ、製品の品質が有意に向上する。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物は、モノマーとして、重合体の製造に利用できる。このエステルを用いて製造した重合体は、撥水撥油剤として使用される。
特にRがCであり、nが3であるエステルC17CHCHOCOCR=CHを用いて製造した重合体は、撥水撥油剤として有用である。このエステルの含有量が大きい混合物は、kとして3を選択し、フルオロアルキルアイオダイドRIとしてCIを使用して、上記本発明の製造方法に従ってテロマーの混合物を製造し、得られたテロマーをエチレン付加工程、およびその後のエステル化工程に付すことによって得られる。
図1に、本発明のテロマーの混合物の製造方法の一態様を模式的に示す。
図1は、フルオロアルキルアイオダイドRIとしてCIを使用し、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造するプロセスを示す。図1において、符号11は第1反応器を、符号12は第1蒸留塔を、符号13は第2反応器を、符号14は第2蒸留塔をそれぞれ示す。図1は、本発明の概略を示すものであり、各蒸留塔の塔頂からのフラクションを凝縮器で凝縮し、凝縮した液の一部を蒸留塔に還流するプロセスは、図示していない。
第1反応器11には、新しいCIとTFEとが仕込まれる。第1反応器11では、CIによりTFEがテロメル化されて、式(I):
(CFCFI (I)
で示され、重合度nが1以上であるテロマーの混合物が生成される。このテロマーの混合物ならびに未反応のCIおよびTFEを含む第1反応混合物M1が第1反応器11から取り出されて、第1蒸留塔12に送られて蒸留により分離される。第1蒸留塔12の塔頂からは、未反応のCIおよびTFE、ならびに重合度nが1であるテロマーCIを含む第1フラクションF1が取り出される。第1蒸留塔12の中間部分からは、重合度nが2であるテロマーC13Iを含む第2フラクションF2がサイドカットとして取り出される。第1蒸留塔12の塔底からは、重合度nが3以上であるテロマーの混合物(即ち、≧C17I)を含む第3フラクションF3が取り出される。図示した態様において、第1フラクションF1は、第1反応器11にリサイクルされる。
第2フラクションF2は、第2反応器13に送られる。第2フラクションF2は、第2反応器13に供給されるTFEと反応して、重合度が1以上増加したテロマー、即ち、≧C17Iを含む第2反応混合物M2を与える。
図示した態様において、第2反応器13で得た第2反応混合物M2は、第2蒸留塔14に送られて蒸留により分離される。第2蒸留塔14の塔頂からは、重合度nが2であるテロマーC13Iを含む第4フラクションF4が取り出され、第2蒸留塔14の塔底からは、重合度nが3以上であるテロマーの混合物(即ち、≧C17I)を含む第5フラクションF5が取り出される。図示した態様において、第4フラクションF4は、第2反応器13にリサイクルされる。
第1蒸留塔12から取り出した第3フラクションF3および第2蒸留塔14から取り出した第5フラクションF5は、最終的に1つのライン15から製品として取り出される。製品を取り出すライン15は、この製品を原料とする別の製品の製造ラインに繋がっていてよい。例えば、テロマーの混合物を含フッ素(メタ)アクリル酸エステル混合物の製造に使用する場合、ライン15は、エチレンを付加するための反応器に接続してよい。その場合、図示するプロセスは、上述した本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステル混合物の製造方法に含まれるテロメリゼーション工程に相当する。
図2は、本発明のテロマーの混合物の製造方法の別の態様を模式的に示す。図2に示す態様においても、フルオロアルキルアイオダイドRIとしてCIが使用され、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物が製造される。図2において、図1で使用した符号と同じ符号は、図1においてそれらが表す要素と同じ要素を表す。
図2には、第1蒸留塔12および第2蒸留塔14の塔頂からのフラクションを凝縮する第1凝縮器21および第2凝縮器22が図示されている。第1蒸留塔12は、第1反応混合物M1を、第1フラクションF1と、第2フラクションF2および第3フラクションF3を含む中間フラクションFIとに分ける。第1蒸留塔12の塔頂から抜き出された第1フラクションF1は、第1凝縮器21で凝縮される。凝縮された第1フラクションF1の一部は、第1蒸留塔12に還流され、残りは第1反応器11に戻される。第1凝縮器21で凝縮されなかった第1フラクションもまた、第1凝縮器21の頂部から第1反応器11に戻される。
中間フラクションFIは、第2蒸留塔14に送られ、第2フラクションF2と第3フラクションF3とに分離される。第2蒸留塔14はまた、第2反応器13で得た第2反応混合物M2を第4フラクションF4と第5フラクションF5とに分離する。図示する態様において、中間フラクションFIと第2反応混合物M2とは、合流して1つのライン23から第2蒸留塔14に送られる。したがって、第2蒸留塔14の塔頂からは、第2フラクションF2および第4フラクションF4がともに留出し、塔底からは第3フラクションF3および第5フラクションF5が一緒に取り出される。第2蒸留塔14の塔頂からのフラクションは、第2凝縮器22で凝縮される。凝縮された液の一部は第2蒸留塔14に還流され、残りは第2反応器13に戻される。
図1および図2は本発明の方法を示す概略図である。図1および図2に示すプロセスは、テロメリゼーションおよび蒸留に常套的に用いられる他の要素または装置を使用することを含んでよい。例えば、図1および図2に示すプロセスは、蒸留塔12および14の塔底から取り出したフラクションの一部をリボイラーで蒸発させて塔底に戻すことを含んでよい。
なお、本出願は、パリ条約に基づいて、「含フッ素モノマーの製造」を発明の名称とする日本国特許出願である特願2001−30848(2001年2月7日出願)の優先権を主張する。当該出願の内容は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
産業上の利用の可能性
本発明のテロマーの混合物の製造方法によれば、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるテロマーの混合物であって、平均重合度n aveがkにより近い混合物を製造できる。このテロマーの混合物は、所定値以上の炭素数または分子量を有する化合物の製造原料として有用である。具体的には、このテロマーの混合物は、アルコキシル基の炭素数が特定値以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造に好ましく用いられる。かかる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物は、重合体を製造するためのモノマーとして使用される。特に、C(CFCFIで示され、重合度nが3以上であるテロマーの混合物から得られる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物は、撥水撥油剤として有用な重合体を製造するモノマーとして好ましく使用される。
実施例
以下に、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1:フルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物の製造
(CFCFIで示され、重合度nが3以上であるテロマーの混合物を、図1に示す装置で連続的に製造した。本実施例では、攪拌可能な容積500mLのオートクレーブを第1反応器11として用意し、攪拌可能な容積200mLのオートクレーブを第2反応器13として用意した。
第1反応器11に、フルオロアルキルアイオダイドRIとしてCI 430g(1.75モル)、n=1であるテロマーとしてCI 200g(0.578モル)、および触媒としてt−ブチル過炭酸イソプロピル(tert−butyl peroxy isopropyl monocarbonate)0.063gを仕込み、攪拌しながら115℃に加熱した。加熱した混合物に、反応圧力を1.2MPaに保つように、テトラフルオロエチレンを連続的に気相部に仕込んで反応させ、第1反応混合物M1を得た。液相の第1反応混合物M1を、第1反応器11から1時間あたり200mLの割合で連続的に抜き出した。
抜き出した第1反応混合物を、第1蒸留塔12に送り、連続蒸留により3つのフラクションに分離した。第1蒸留塔12は、ディクソン(1.5mm)を充填物として充填した、直径20mm、充填高さ1200mm、理論段数25段の充填塔である。分離は、第1反応混合物を第1蒸留塔12の下から18段の位置に供給し、第1蒸留塔12の塔頂圧力を0.15MPa、還流比を2.0にして、塔頂から第1フラクションを、中間部分(下から6段の位置に相当)から第2フラクションを、塔底から第3フラクションを連続的に取り出して実施した。第1〜第3フラクションが含む成分を下記に示す:
第1フラクションF1:テトラフルオロエチレン、CIおよびC
第2フラクションF2:C13
第3フラクションF3:≧C17
分離後、第1フラクションF1は第1反応器11にリサイクルした。第2フラクションF2は、第2反応器13に送った。第3フラクションF3は製品として取り出した。
第1反応器11から連続的に第1反応混合物M1を抜き出している間、第2フラクションF2および第3フラクションF3として系外に抜き出されるテロマーと等モル数のCI、および1時間あたり0.04gのt−ブチル過炭酸イソプロピルを、第1反応器11に追加仕込みするとともに、反応圧力を一定に保ちながら連続的にテロメリゼーションを実施した。
第1反応器11から抜き出した第1反応混合物M1に含まれるテロマーの組成が一定となるまで、連続的にテロメリゼーションを実施し、第1反応器11から、重合度nが2であるC13Iを1時間あたり一定量にて得るようにした。1時間あたりに抜き出される第1反応混合物M1に含まれるテロマーの組成は、以下の組成にて一定となった:
第1フラクションF1 CI 267.2g(1.09モル)
I 124.3g(0.36モル)
第2フラクションF2 C13I 21.3g(0.05モル)
第3フラクションF3 C17I 5.3g(0.01モル)
1021I 1.4g(0.002モル) ≧C1225I 0.1g
次に、第2反応器13に、第1反応混合物M1から分離した第2フラクションF2であるC13I 345g(0.77モル)、および触媒としてのt−ブチル過炭酸イソプロピル0.028gを仕込み、攪拌しながら115℃に加熱した。加熱した混合物に、反応圧力を0.13MPaに保つように、テトラフルオロエチレンを気相部に仕込んで反応させ、第2反応混合物M2を得た。液相の第2反応混合物M2を、第2反応器13から、1時間あたり170mLの割合で連続的に抜き出した。
抜き出した第2反応混合物M2を第2蒸留塔14に送り、2つのフラクションに連続蒸留により分離した。第2蒸留塔14は、ディクソン(1.5mm)を充填物として充填した、直径15mm、充填高さ800mm、理論段数20段の充填塔である。分離は、第2反応混合物M2を第2蒸留塔14の下から11段の位置に供給し、第2蒸留塔14の塔頂圧力を−0.09MPa、還流比を3.0にして、塔頂から第4フラクションを、塔底から第5フラクションを連続的に取り出して実施した。第4および第5フラクションが含む成分を下記に示す:
第4フラクションF4:テトラフルオロエチレン、およびC13
第5フラクションF5:≧C17
分離後、第4フラクションF4は第2反応器13にリサイクルした。第5フラクションF5は製品として取り出した。図示するように、第5フラクションF5は、第1反応混合物M1からの第3フラクションF3と合わせて、1つのライン15から取り出した。
第2反応器13から連続的に第2反応混合物M2を抜き出している間、第5フラクションF5として系外に抜き出されるテロマーと等モル数のC13I、および1時間あたり0.03gのt−ブチル過炭酸イソプロピルを、第2反応器13に追加仕込みするとともに、反応圧力を一定に保ちながら連続的にテロメリゼーションを実施した。C13Iの追加仕込みは、第2反応器13に第2フラクションを供給することにより実施した。
第2反応器13から抜き出した第2反応混合物M2の組成が一定となるまで、連続的にテロメリゼーションを実施し、第2反応器13から、重合度nが3以上であるテロマーの混合物(即ち、≧C17I)を1時間あたり一定量にて得るようにした。1時間あたりに抜き出される第2反応混合物M2の組成は、以下の組成にて一定となった。
第4フラクションF4 C13I 318.3g(0.71モル)
第5フラクションF5 C17I 22.1g(0.04モル)
1021I 3.7g(0.006モル)
≧C1225I 0.9g
本実施例において、目的とする≧C17Iは、第1反応器および第2反応器で、合わせて1時間あたり以下に示す組成で得られた。
17I 27.4g(0.05モル)
1021I 5.1g(0.008モル)
≧C1225I 1.0g
実施例2:フルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物の製造
(CFCFIで示され、重合度nが3以上であるテロマーの混合物を、図2に示す装置で連続的に製造した。本実施例では、攪拌可能な容積500mLのオートクレーブを第1反応器11として用意し、攪拌可能な容積200mLのオートクレーブを第2反応器13として用意した。
第1反応器11に、フルオロアルキルアイオダイドRIとしてCI 430g(1.75モル)、n=1であるテロマーとしてCI 200g(0.578モル)、および触媒としてt−ブチル過炭酸イソプロピル0.063gを仕込み、攪拌しながら115℃に加熱した。加熱した混合物に、反応圧力を1.2MPaに保つように、テトラフルオロエチレンを連続的に気相部に仕込んで反応させ、第1反応混合物M1を得た。液相の第1反応混合物M1を、第1反応器11から1時間あたり200mLの割合で連続的に抜き出した。
抜き出した第1反応混合物を、第1蒸留塔12に送り、連続蒸留により2つのフラクションに分離した。第1蒸留塔12は、ディクソン(1.5mm)を充填物として充填した、直径20mm、充填高さ1000mm、理論段数20段の充填塔である。分離は、第1反応混合物を第1蒸留塔12の下から15段の位置に供給し、第1蒸留塔12の塔頂圧力を0.10MPa、還流比を2.0にして、塔頂から第1フラクションを、塔底から中間フラクションを連続的に取り出して実施した。第1フラクションおよび中間フラクションが含む成分を下記に示す:
第1フラクションF1:テトラフルオロエチレン、CIおよびC
中間フラクションFI:≧C13
分離後、第1フラクションF1は第1反応器11にリサイクルした。中間フラクションFIは、第2蒸留塔14に送った。第2蒸留塔14は、ディクソン(1.5mm)を充填物として充填した、直径20mm、充填高さ1000mm、理論段数20段の充填塔である。分離は、中間フラクションFIを第2蒸留塔14の下から11段の位置に供給し、第2蒸留塔14の塔頂圧力を−0.09MPa、還流比を0.6にして、塔頂から第2フラクションF2を、塔底から第3フラクションF3を連続的に取り出して実施した。
第1反応器11から連続的に第1反応混合物M1を抜き出している間、中間フラクションFIとして系外に抜き出されるテロマーと等モル数のCI、および1時間あたり0.04gのt−ブチル過炭酸イソプロピルを、第1反応器11に追加仕込みするとともに、反応圧力を一定に保ちながら連続的にテロメリゼーションを実施した。
第1反応器11から抜き出した第1反応混合物M1に含まれるテロマーの組成が一定となるまで、連続的にテロメリゼーションを実施した。1時間あたりに抜き出される第1反応混合物M1に含まれるテロマーの組成は、以下の組成にて一定となった:
第1フラクションF1 CI 267.2g(1.09モル)
I 124.3g(0.36モル)
中間フラクションFI
第2フラクションF2 C13I 21.3g(0.05モル)
第3フラクションF3 C17I 5.3g(0.01モル)
1021I 1.4g(0.002モル)
≧C1225I 0.1g
次に、第2反応器13に、中間フラクションFIから分離した第2フラクションF2であるC13I 345g(0.77モル)、および触媒としてのt−ブチル過炭酸イソプロピル0.028gを仕込み、攪拌しながら115℃に加熱した。加熱した混合物に、反応圧力を0.13MPaに保つように、テトラフルオロエチレンを気相部に仕込んで反応させ、第2反応混合物M2を得た。液相の第2反応混合物M2を、第2反応器13から、1時間あたり170mLの割合で連続的に抜き出した。
抜き出した第2反応混合物M2を、中間フラクションFIを分離する第2蒸留塔14に送り、2つのフラクションに連続蒸留により分離した。蒸留は、第2反応混合物M2を、中間フラクションFIととともにライン23を介して第2蒸留塔14に供給して実施した。その結果、第2蒸留塔14の塔頂からは、中間フラクションFIからの第2フラクションおよび第2反応混合物M2からの第4フラクションF4が合わせて取り出され、塔底からは、中間フラクションFIからの第3フラクションF3および第2反応混合物M2からの第5フラクションF5が合わせて取り出された。第2蒸留塔14の塔頂および塔底から取り出したフラクションが含む成分を下記に示す:
塔頂からのフラクション(F2、F4):テトラフルオロエチレン、及びC 13
塔底からのフラクション(F3、F5):≧C17
分離後、第2蒸留塔14の塔頂から取り出したフラクション(F2、F4)は、第2反応器13にリサイクルした。第2蒸留塔14の塔底から取り出したフラクション(F3、F5)は製品として取り出した。
第2反応器13から連続的に第2反応混合物M2を抜き出している間、第5フラクションF5として系外に抜き出されるテロマーと等モル数のC13I、および1時間あたり0.03gのt−ブチル過炭酸イソプロピルを第2反応器13に追加仕込みし、反応圧力を一定に保ちながら連続的にテロメリゼーションを実施した。第5フラクションF5として系外に抜き出されるテロマーのモル数は、第2蒸留塔14の塔底から取り出したフラクションから、上記第3フラクションに含まれるテロマーのモル数を差し引いて求めた。C13Iの追加仕込みは、第2反応器13に第2蒸留塔14の塔頂から取り出したフラクションを供給することにより実施した。
第2反応器13から抜き出した第2反応混合物M2の組成が一定となるまで、連続的にテロメリゼーションを実施した。第1反応混合物M1の組成は既に一定となっているから、第2反応混合物M2の組成が一定になれば、第2蒸留塔14の塔頂および塔底から取り出すフラクションの組成もまた一定となる。本実施例において、第2蒸留塔14の塔頂および塔底から1時間あたりに取り出されるフラクションの組成は、以下の組成にて一定となった。
塔頂からのフラクション(F2、F4)
13I 339.6g(0.76モル)
塔底からのフラクション(F3、F5)
17I 27.4g(0.05モル)
1021I 5.1g(0.008モル)
≧C1225I 1.0g
上記塔底からのフラクションの組成が、1時間あたりに第1反応器および第2反応器で合わせて得られる、目的とする≧C17Iの組成に相当する。
実施例3:含フッ素アクリル酸エステルの混合物の製造
式C(CFCFCHCHIで示され、nが3以上である含フッ素アクリル酸エステルの混合物を製造した。本実施例では、実施例1で製造したテロマーの混合物を使用し、これにエチレンを付加し、次いでアクリル酸化合物と反応させて、目的とする製品を得た。
エチレン付加工程は、次の手順で実施した。まず、実施例1で得た≧C17I 340g(0.6モル)、および触媒としてのt−ブチル過炭酸イソプロピル0.45gを、容積200mLのオートクレーブに仕込み、110℃に加熱した。加熱したテロマーに、反応圧力を0.2MPaに保つように、エチレンガス17g(0.61モル)を気相部に仕込み、6時間反応させた。その結果、式C(CFCFCHCHIで示され、nが3以上であるエチレン付加物の混合物358g(0.6モル)が得られた。
次に、エステル化工程を、次の手順で実施した。まず、上述のエチレン付加工程で得たエチレン付加物の混合物358g(0.6モル)を、容積500mLのオートクレーブに仕込んだ後、アクリル酸カリウム64g(0.636モル)およびtert−ブチルアルコール200mLを加えて、180〜190℃まで加熱して6時間反応させた。反応させた後、反応混合物を冷却した。次いで、副生成物であるKIを濾過で除去した。濾過液を蒸留してtert−ブチルアルコールを除去し、その結果、目的とする生成物として、式C(CFCFCHCHOCOCH=CHで示され、nが3以上である含フッ素アクリル酸エステルの混合物269g(0.51モル)を得た。
本実施例で得た含フッ素アクリル酸エステルの混合物中、式C(CFCFCHCHCH=CHで示され、nが5以上であるオレフィンの含有量は0.2モル%以下であった。このことは、本発明の製造方法によれば、オレフィン不純物の含有量が少なく、したがって、nが3以上であるエステル、特にn=3のエステルの純度が高い混合物の製造が可能であることを示す。n=3のエステルは、撥水撥油剤用の重合体を製造するのに適したモノマーであるから、得られた混合物は、撥水撥油剤の原料として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のテロマーの混合物の製造方法の1つの態様を模式的に示す図である。
図2は、本発明のテロマーの混合物の製造方法の別の態様を模式的に示す図である。

Claims (20)

  1. 式(I):
    (CFCFI (I)
    (式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、nは重合度を示す整数である)
    で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物をテロメリゼーションにより製造する方法であって、
    (1)第1反応器において、式RI(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示す)で示されるフルオロアルキルアイオダイドと、テトラフルオロエチレンとを反応させることにより、式(I)で示され、重合度nが1以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第1反応混合物を得る工程、
    (2)第1反応混合物を、
    式(I)で示され、重合度nが(k−2)以下であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーまたはその混合物、および式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドを含む第1フラクション、
    式(I)で示され、重合度nが(k−1)であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを含む第2フラクション、ならびに
    式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第3フラクション
    に分離する工程、ならびに
    (3)第2反応器において、第2フラクションと、テトラフルオロエチレンとを反応させることにより、式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第2反応混合物を得る工程
    を含む製造方法。
  2. 工程(3)で得た第2反応混合物を、
    式(I)で示され、重合度nが(k−1)であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを含む第4フラクション、および
    式(I)で示され、重合度nがk以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を含む第5フラクション
    に分離することを更に含む請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  3. 工程(2)が、第1反応混合物を、1つの分離装置において、第1フラクションと、第2フラクションおよび第3フラクションを含む中間フラクションとに分離し、中間フラクションを別の分離装置において第2フラクションと第3フラクションとに分離する工程である、請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  4. 工程(2)が、第1反応混合物を、第1、第2および第3フラクションに1つの分離装置において分離する工程である、請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  5. 工程(1)が、式(I)で示され、重合度nが(k−2)以下であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを1種または複数種供給すること、および当該1種または複数種のフルオロアルキルアイオダイドテロマーとテトラフルオロエチレンとを反応させることを更に含む、請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  6. 第1反応器に重合度nが(k−2)以下であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーを1種または複数種供給することが、工程(2)で分離した第1フラクションを第1反応器に戻すことである請求の範囲第5項に記載の製造方法。
  7. 式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとしてCIを使用し、式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造する、請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  8. 式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとしてCIを使用し、式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造する、請求の範囲第2項に記載の製造方法。
  9. 式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとしてCIを使用し、式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造する、請求の範囲第3項に記載の製造方法。
  10. 式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとしてCIを使用し、式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造する、請求の範囲第4項に記載の製造方法。
  11. 式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとしてCIを使用し、式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造する、請求の範囲第5項に記載の製造方法。
  12. 式RIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとしてCIを使用し、式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を製造する、請求の範囲第6項に記載の製造方法。
  13. 式(III):
    (CFCFCHCHOCOCR=CH (III)(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは重合度を示す整数である)
    で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する方法であって、
    (A)請求の範囲第1項に記載の方法に従って、式(I)で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物を得るテロメリゼーション工程、
    (B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物にエチレンを付加させて、式(II):
    (CFCFCHCHI (II)
    で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程、ならびに
    (C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、上記含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得るエステル化工程
    を含む製造方法。
  14. 式(III)において、RがCであり、重合度nが3以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する、請求の範囲第13項に記載の製造方法。
  15. 式(III):
    (CFCFCHCHOCOCR=CH (III)(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは重合度を示す整数である)
    で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する方法であって、
    請求の範囲第1項に記載の方法で製造した、式(I)で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物にエチレンを付加させ、次いで(メタ)アクリル酸化合物と反応させることを含む製造方法。
  16. 式(III)において、RがCであり、重合度nが3以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を製造する、請求の範囲第15項に記載の製造方法。
  17. 請求の範囲第1項に記載の方法で製造された、式(I):
    (CFCFI (I)
    (式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、nは重合度を示す整数である)
    で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上であるフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物。
  18. 式(I)において、RがCであり、重合度nが3以上である、請求の範囲第17項に記載のフルオロアルキルアイオダイドテロマーの混合物。
  19. 請求の範囲第13項に記載の方法で製造された、式(III): R(CFCFCHCHOCOCR=CH (III)(式中、Rは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれか1つを示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは重合度を示す整数である)
    で示され、重合度nがk(kは3以上の整数のいずれか1つ)以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物。
  20. 式(III)において、RがCであり、重合度nが3以上である、請求の範囲第19項に記載の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物。
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