JP2010235577A - ポリフルオロアルキルホスホン酸エステルおよびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、離型剤の合成原料あるいは潤滑油用の添加剤等として有効に使用し得るポリフルオロアルキルホスホン酸エステルおよびその製造法を提供する。
【解決手段】一般式 CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OR)2 (Rは炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜6、aは1〜4、bは1〜3、cは1〜3)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸エステルが、一般式 CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cI で表わされるポリフルオロアルキルアイオダイドに、一般式 P(OR)3 で表わされるトリアルキルホスファイトを反応させる方法、または一般式 CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)bCH=CH2 で表わされるポリフルオロ-1-アルケンに、一般式 (RO)2P(O)H で表わされるジアルキルホスファイトを反応させる方法によって製造される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフルオロアルキルホスホン酸エステルおよびその製造法に関する。さらに詳しくは、離型剤の合成原料、潤滑油用の添加剤等として有効に用いられるポリフルオロアルキルホスホン酸エステルおよびその製造法に関する。
ポリフルオロアルキルホスホン酸エステルは、離型剤の合成原料として広く用いられている。離型剤としたときの離型性能は、パーフルオロアルキル基の炭素数が8〜12である化合物において最も発現し易く、特にC8のテロマー化合物である
CF3(CF2)7CH2CH2P(O)(OC2H5)2
が、この種の用途に好んで使用されている(特許文献1〜4参照)。
ところで、炭素数8〜12のパーフルオロアルキル基を有するテロマー化合物は、環境中で生物分解されて、生体蓄積性、環境濃縮性が比較的高い化合物に変化することが報告されており、処理工程での暴露、廃棄物、処理基材等からの環境への放出、拡散などが懸念されている。また、パーフルオロアルキル基の炭素数が14以上の化合物では、それの物理的、化学的性状からそれの取扱いが非常に困難であり、実際には殆ど使用されていない。
さらに、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するテロマー化合物は、その製造プロセスにおいて、生体蓄積性の高いパーフルオロオクタン酸類の発生や混入が避けられない。そのため、このようなテロマー化合物の製造各社は、それの製造からの撤退や炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物への代替などを進めている。
しかしながら、パーフルオロアルキル基の炭素数が6以下の化合物では、処理基材表面での配向性が著しく低下し、また融点、ガラス転移点Tgなどが炭素数8の化合物に比べて著しく低いため、温度、湿度、応力、有機溶剤の接触などの使用環境条件に大きな影響を受けることとなる。そのため、求められる十分な性能が得られず、また耐久性などにも影響がみられる。
特公平2−45572号公報 特公平3−78244号公報 特公平4−4923号公報 特公平4−11366号公報 WO 2007/105633 A1
本発明の目的は、生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、離型剤の合成原料あるいは潤滑油用の添加剤等として有効に使用し得るポリフルオロアルキルホスホン酸エステルおよびその製造法を提供することにある。
本発明によって、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OR)2 〔I〕
(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸エステルが提供される。
かかるポリフルオロアルキルホスホン酸エステルは、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cI 〔II〕
(ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルアイオダイドに、一般式
P(OR)3
(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基である)で表わされるトリアルキルホスファイトを反応させる方法
または一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)bCH=CH2 〔III〕
(ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロ-1-アルケンに、一般式
(RO)2P(O)H
(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基である)で表わされるジアルキルホスファイトを反応させる方法
によって製造される。
本発明に係るポリフルオロアルキルホスホン酸エステルは、環境中へ放出されたとき、分子中の-CH2CF2-結合部分で脱HF化されて二重結合が形成され、それがオゾン分解などされて、環境濃縮性、生体蓄積性などの低い化合物へ分解され易い構造を有するようになり、またその製造過程でパーフルオロアルキルカルボン酸等の環境負荷物質を生成させない。しかも、従来用いられていた化合物と同様に、離型剤の合成原料、潤滑油の添加剤等として有効に使用することができる。
本発明に係るポリフルオロアルキルホスホン酸エステル〔I〕は、ポリフルオロアルキルアイオダイド〔II〕とトリアルキルホスファイトとを反応させる方法により得られる。原料化合物であるポリフルオロアルキルアイオダイド〔II〕は、公知の化合物であり、特許文献5に記載されている。
ポリフルオロアルキルホスホン酸エステル〔I〕合成の出発原料となるポリフルオロアルキルアイオダイド〔II〕は、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)bI 〔IV〕
で表わされる末端ヨウ素化化合物にエチレンを付加反応させることにより製造される。エチレンの付加反応は、上記化合物〔IV〕に過酸化物開始剤の存在下で加圧エチレンを付加反応させることにより行われ、その付加数は反応条件にもよるが、1〜3、好ましくは1である。なお、反応温度は用いられる開始剤の分解温度にも関係するが、反応は一般に約80〜120℃で行われ、低温で分解する過酸化物開始剤を用いた場合には80℃以下での反応が可能である。
過酸化物開始剤としては、第3ブチルパーオキサイド、ジ(第3ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ第2ブチルパーオキシジカーボネート等が、反応の進歩性および制御性の点から、上記化合物〔IV〕に対して約1〜5モル%の割合で用いられる。
なお、前記末端ヨウ素化化合物〔IV〕は、次のような一連の工程を経て合成される。
(1)一般式
CnF2n+1I (n:1〜6)
で表わされるパーフルオロアルキルアイオダイドを、上記の如き過酸化物開始剤(原料化合物に対し約0.1〜0.5モル%の使用量)の存在下でフッ化ビニリデンと反応させ、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)aI 〔V〕
で表わされる化合物を得る。
(2)上記一般式〔V〕で表わされる化合物に、過酸化物開始剤の存在下でテトラフルオロエチレンを反応させることにより、前記一般式〔IV〕で表わされる末端ヨウ素化化合物が得られる。この一般式〔IV〕において、bは1〜3、好ましくは1〜2の整数である。この反応に用いられる過酸化物開始剤としては、前記の如き有機過酸化物開始剤が(1)と同様の割合で用いられる。
フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレン付加反応の反応温度は、用いられる開始剤の分解温度にも依存するが、低温で分解する過酸化物開始剤を用いることにより、低圧条件下でも80℃以下での反応が可能である。反応は、CnF2n+1Iまたは前記化合物〔V〕をオートクレーブ内に入れ、その内温を昇温させて約10〜60℃、例えば50℃としたら、そこにCnF2n+1Iまたは化合物〔V〕に溶解した過酸化物系開始剤を加え、内温が例えば55℃になったら、フッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレンを約0.1〜0.6MPaの圧力を保ちながら分添し、所望量を分添した後、例えば約55〜80℃の間の温度で約1時間程度エージングすることにより行われる。その添加量によって、反応によって付加したフッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレン骨格の数aまたはbが左右される。一般には、種々のa値およびb値の混合物として形成される。
これらの反応が、低温で反応を行えるということは、エネルギーの使用量を減少させることが可能となるばかりではなく、設備内でのフッ酸等による腐食を抑制し、設備の更新頻度を減らすことができる。さらに、より廉価な材料の使用が可能となることから、更新頻度の減少と併せて、設備投資費用を廉価に抑えることができる。
エチレンが付加される具体的な化合物〔IV〕としては、次のような化合物が例示される。これらの化合物は、種々のa値およびb値を有するオリゴマーの混合物であり、特定のa値およびb値を有するオリゴマーは混合物を蒸留することにより単離することができる。なお、所定のa値およびb値を有しないオリゴマーは、それを単離してまたは混合物のまま、再度フッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレンとのオリゴマー数増加反応に用いることができる。
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)2I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)2I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)2I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)3I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)3I
上記例示された如き化合物〔IV〕に、エチレンを付加反応させたポリフルオロアルキルアイオダイド〔II〕には、トリアルキルホスファイト、例えばトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト等の炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルホスファイトP(OR)3を反応させ、脱RI化反応させることにより、目的物たるポリフルオロアルキルホスホン酸エステル〔I〕を得ることができる。なお、化合物〔IV〕にエチレンを付加反応させないと、トリアルキルホスファイトとの脱RI化反応が進行しない。
反応に際しては、反応初期にポリアルキルアイオダイドに対して2倍モル量程度のトリアルキルホスファイトを加え、副生成物であるヨウ化アルキルを反応系から除去しながら反応させるが、反応過程においてホスファイト化合物が副生成物と反応することにより著しく消費することを防ぐため、その後もホスファイト化合物を分添することが好ましい。
また、反応温度は100℃〜ホスファイト化合物の沸点以下であれば特に制限されないが、低温では反応時間が長くなり、一方高温では副生成物が多量に生ずるようになるため、約150〜160℃の範囲であることが好ましい。
反応終了後、反応混合物は、減圧下で単蒸留され、蒸留留分を水洗することにより、純度約95〜98GC%程度の精製反応生成物であるポリフルオロアルキルホスホン酸エステルを得ることができる。
ポリフルオロアルキルホスホン酸エステル
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)P(O)(OR)2 〔I′〕
はまた、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)bCH=CH2 〔III〕
で表わされるポリフルオロ-1-アルケンに、一般式 (RO)2P(O)H で表わされるジアルキルホスファイトを反応させることによっても製造される。
ポリフルオロ-1-アルケンとジアルキルホスファイト、例えばジメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト等の炭素数1〜4の低級アルキル基を有するジアルキルホスファイト(RO)2P(O)Hとの反応は、有機過酸化物の存在下で行われる。
有機過酸化物としては、第3ブチルパーオキサイド、ジ(第3ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ第3ブチルパーオキシジカーボネート等が、反応の進歩性および制御性の点から、ポリフルオロ-1-アルケンに対して約1〜5モル%の割合で用いられる。
この反応の出発原料として用いられるポリフルオロ-1-アルケン〔III〕は、前記一般式〔II〕で表わされるポリフルオロアルキルアイオダイドにおいて、c=1の化合物
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)I 〔II′〕
に塩基性化合物を反応させ、末端脱HI化反応させることにより製造される。
1-位の脱HI化反応は、ポリフルオロアルキルアイオダイド〔II′〕に、相関移動触媒の存在下で無機塩基性化合物を反応させることによって行われ、あるいは含窒素有機塩基性化合物を反応させることによって行われる。好ましくは、前者の方法によって行われ、99%という高純度のポリフルオロ-1-アルケンを高収率で得ることができる。この場合にあっては、無機塩基性化合物と共に相関移動触媒を用いることが必須の要件であり、相関移動触媒を用いない場合には、殆ど脱HI化反応は進行しない。
無機塩基性化合物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の1価または2価金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の1価または2価金属の炭酸塩等が用いられる。これらの無機塩基性化合物と共に用いられる相関移動触媒としては、第4級オニウム塩、クラウンエーテル等が、無機塩基性化合物に対して約0.01〜10モル%、好ましくは約0.1〜3モル%の割合で用いられる。
第4級オニウム塩としては、次の一般式で表わされるアンモニウム塩またはホスホニウム塩の少なくとも一種が用いられる。
(R1R2R3R4N)+X- (R1R2R3R4P)+X-
R1〜R4:炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルアリー
ル基、アラルキル基またはポリオキシアルキレン基であり、あるいはこれ
らの内の2〜3個がPまたはNと共に複素環構造を形成することもできる
X-:Cl-、Br-、I-、HSO4 -、H2PO4 -、RCOO-、ROSO2 -、RSO-、ROPO2H-、CO3 --
のアニオン
また、含窒素有機塩基性化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンまたはその誘導体、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン、ジアザビシクロノネン等が挙げられ、好ましくは求核性の低い1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンが用いられる。
含窒素有機塩基性化合物が用いられた場合には、目的物であるポリフルオロ-1-アルケンの他に、ポリフルオロアルカジエン混合物が多く副生するが、ポリフルオロ-1-アルケンとポリフルオロアルカジエン混合物とは、減圧蒸留時の蒸気温の違いによって、これらを分留することができる。
これらの無機または有機の塩基性化合物は、ポリフルオロアルカンアイオダイド〔II′〕に対してモル比で約0.1〜10、好ましくは0.95〜2.5、さらに好ましくは1.0〜1.5の割合で用いられる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例1
攪拌機および温度計を備えた容量1200mlのオートクレーブに、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2I (99GC%)
603g(0.99モル)およびジ第3ブチルパーオキサイド7gを仕込み、真空ポンプでオートクレーブを脱気した。内温を80℃迄加熱したところで、エチレンを逐次的に導入し、内圧を0.5MPaとした。内圧が0.2MPa迄下がったら、再びエチレンを導入して0.5MPaとし、これをくり返した。内温を80〜115℃に保ちながら、約3時間かけてエチレン41g(1.45モル)を導入した。内温50℃以下で内容物を回収し、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I (98GC%)
すなわち
C4F9CH2(CF2)5CH2CH2I
637g(収率98.8%)を得た。
実施例1
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例1で得られた
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I (98GC%)
500g(0.78モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 181g(1.56モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生生物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に91g(0.78モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温160〜170℃、塔頂温度150〜155℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(96GC%)412g(収率78%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.37(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.6(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.0(CF 2CH2CF2)
-110.0(CF2CH2CF 2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2)
-121.6(CH2CF2CF2CF 2)
-122.1(CF 2CF2CH2CH2)
-113.8(CF2CF 2CH2CH2)
参考例2
攪拌機および温度計を備えた容量1200mlのオートクレーブに、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)I (99.3GC%)
609g(1.19モル)およびジ第3ブチルパーオキサイド6gを仕込み、真空ポンプでオートクレーブを脱気した。内温を80℃迄加熱したところで、エチレンを逐次的に導入し、内圧を0.5MPaとした。内圧が0.2MPa迄下がったら、再びエチレンを導入して0.5MPaとし、これをくり返した。内温を80〜115℃に保ちながら、約3時間かけてエチレン50g(1.79モル)を導入した。内温50℃以下で内容物を回収し、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (97.4GC%)
640g(収率97.3%)を得た。
実施例2
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例2で得られた
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (97.4GC%)
500g(0.92モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 213g(1.84モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生生物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に107g(0.92モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温145〜155℃、塔頂温度138〜142℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(98GC%)407g(収率79%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.37(CH 2CF2)
2.43(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.0(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.3(CF 2CH2CF2)
-109.8(CF2CH2CF 2)
-124.4(CH2CF2CF 2CF2)
-113.1(CH2CF2CF2CF 2)
参考例3
攪拌機および温度計を備えた容量1200mlのオートクレーブに、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3I (98.7GC%)
605g(0.98モル)およびジ第3ブチルパーオキサイド7gを仕込み、真空ポンプでオートクレーブを脱気した。内温を80℃迄加熱したところで、エチレンを逐次的に導入し、内圧を0.5MPaとした。内圧が0.2MPa迄下がったら、再びエチレンを導入して0.5MPaとし、これをくり返した。内温を80〜115℃に保ちながら、約3時間かけてエチレン43g(1.53モル)を導入した。内温50℃以下で内容物を回収し、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)I (97.7GC%)
630g(収率98.5%)を得た。
実施例3
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例3で得られた
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)I (97.7GC%)
500g(0.76モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 176g(1.52モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生生物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に88g(0.76モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温160〜170℃、塔頂温度150〜155℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(96GC%)395g(収率77%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.34(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3)
-114.0(CF3CF 2CH2CF2)
-110.2(CH2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2CF2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2)
-119.5(CH2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.3(CH2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-121.4(CH2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.0(CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-114.8(CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2)
参考例4
攪拌機および温度計を備えた容量1200mlのオートクレーブに、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2I (99.4GC%)
605g(1.18モル)およびジ第3ブチルパーオキサイド6gを仕込み、真空ポンプでオートクレーブを脱気した。内温を80℃迄加熱したところで、エチレンを逐次的に導入し、内圧を0.5MPaとした。内圧が0.2MPa迄下がったら、再びエチレンを導入して0.5MPaとし、これをくり返した。内温を80〜115℃に保ちながら、約3時間かけてエチレン50g(1.79モル)を導入した。内温50℃以下で内容物を回収し、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I (97.3GC%)
639g(収率98.0%)を得た。
実施例4
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例4で得られた
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I (97.3GC%)
500g(0.90モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 208g(1.80モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生生物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に104g(0.90モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温145〜155℃、塔頂温度138〜141℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(97GC%)397g(収率78%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.34(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3)
-114.0(CF3CF 2CH2CF2)
-110.1(CH2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.1(CH2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-122.0(CH2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.4(CH2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-113.9(CH2CF2CF2CF2CF2CF 2)
参考例5
攪拌機および温度計を備えた容量1200mlのオートクレーブに、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)I (99.8GC%)
610g(1.48モル)およびジ第3ブチルパーオキサイド7gを仕込み、真空ポンプでオートクレーブを脱気した。内温を80℃迄加熱したところで、エチレンを逐次的に導入し、内圧を0.5MPaとした。内圧が0.2MPa迄下がったら、再びエチレンを導入して0.5MPaとし、これをくり返した。内温を80〜115℃に保ちながら、約3時間かけてエチレン62g(2.23モル)を導入した。内温50℃以下で内容物を回収し、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (98.7GC%)
644g(収率98.0%)を得た。
実施例5
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例5で得られた
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (98.7GC%)
500g(1.12モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 259g(2.24モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生生物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に130g(1.12モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温130〜140℃、塔頂温度128〜131℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(98GC%)405g(収率79%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.34(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3)
-114.0(CF3CF 2CH2CF2)
-110.4(CH2CF 2CF2CF2)
-122.4(CH2CF2CF 2CF2)
-113.9(CH2CF2CF2CF 2)
参考例6
攪拌機および温度計を備えた容量1200mlのオートクレーブに、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (99.7GC%)
1200g(2.2モル)およびジ第3ブチルパーオキサイド10gを仕込み、真空ポンプでオートクレーブを脱気した。内温を100℃迄加熱したところで、エチレンを逐次的に導入し、内圧を7.4MPaとした。内圧が7.0MPa迄下がったら、再びエチレンを導入して7.4MPaとし、これをくり返した。内温を100〜115℃に保ちながら、約6時間かけてエチレン76g(2.7モル)を導入した。内温50℃以下で内容物を回収し、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2I (98.5GC%)
1237g(収率95.9%)を得た。
実施例6
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例6で得られた
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2I (98.5GC%)
500g(0.88モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 204g(1.76モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生生物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に102g(0.88モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温155〜165℃、塔頂温度145〜150℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(97GC%)385g(収率78%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.35(CH 2CF2)
2.44(CH 2CH2CH2CH2)
1.63〜1.74(CH2CH 2CH2CH2)
2.07(CH2CH2CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.3(CF 3)
-124.0(CF3CF 2CF2CF2)
-122.2(CF3CF2CF 2CF2)
-110.4(CF 2CH2CF2)
-109.7(CF2CH2CF 2)
-124.6(CH2CF2CF 2CF2)
-133.3(CH2CF2CF2CF 2)
実施例7
(1) 冷却コンデンサ、熱電対およびマグネット攪拌子を備えた容量50mlのガラス製反応器に、前記参考例1で得られた3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロ-1-ヨードドデカンC4F9CH2(CF2)5CH2CH2I 5g(7.8ミリモル)を、水酸化ナトリウム0.34g(8.5ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムクロライド0.03g(0.13ミリモル)を水15mlに溶解させた水溶液中にけん濁させ、室温条件下で約72時間攪拌を継続して反応させた。
反応終了後、静置分層させた下層について、水20mlを用いた洗浄を2回、その後飽和食塩水による洗浄を1回行い、得られた反応生成物溶液を無水硫酸マグネシウムで脱水・乾燥させた。回収液を減圧蒸留により精製し、生成物Aを蒸気温76〜77℃/1kPaの留分(純度99%)3.2g(収率80%)を得た。得られた留分の構造を19F-NMRおよび1H-NMRで確認した。
生成物A:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロ-1-ドデセン
CF3CF2CF2CF2CH2CF2CF2CF2CF2CF2CH=CH2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ2.89 (CH 2CF2)
5.79 (CH=CH2)
5.97 (CH=CH 2)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -82.1 (CF 3)
-126.9 (CF3CF 2CF2CF2)
-124.8 (CF3CF2CF 2CF2)
-113.2 (CF 2CH2CF2)
-113.0 (CF2CH2CF 2)
-121.7 (CH2CF2CF 2CF2)
-124.2 (CH2CF2CF2CF 2)
-124.6 (CF 2CF2CH=CH2)
-114.8 (CF2CF 2CH=CH2)
(2) 温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコに、ジエチルホスファイト160g(1.16モル)を仕込み、150℃で加熱攪拌した。そこに、上記(1)で得られたノナデカフルオロ-1-ドデセン(生成物A;99GC%)500g(0.97モル)と第3ブチルパーオキサイド2.3g(16ミリモル)との混合液を滴下し、滴下終了後さらに1時間攪拌した。その後、反応混合物を水洗し、下層として分取した粗反応生成物を、内圧0.2kPa、内温160〜170℃、塔頂温度150〜155℃の条件下で減圧単蒸留を行って、精製反応生成物(97GC%)を496g(収率77%)得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.37(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.6(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.0(CF 2CH2CF2)
-110.0(CF2CH2CF 2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2)
-121.6(CH2CF2CF2CF 2)
-122.1(CF 2CF2CH2CH2)
-113.8(CF2CF 2CH2CH2)
実施例8
(1) 実施例7において、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I=C4F9CH2(CF2)5CH2CH2I
の代りに、前記参考例2で得られた次のポリフルオロアルキルアイオダイドが4.2g用いられた。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I=C4F9CH2(CF2)3CH2CH2I
蒸気圧63〜65℃/1kPaの留分であるC4F9CH2(CF2)3CH=CH2が、生成物Bとして2.6g(収率81%)得られた。
生成物B:3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ペンタデカフルオロ-1-デセン
CF3CF2CF2CF2CH2CF2CF2CF2CH=CH2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ2.89 (CH 2CF2)
5.79 (CH=CH2)
5.97 (CH=CH 2)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -82.0 (CF 3)
-126.7 (CF3CF 2CF2CF2)
-124.9 (CF3CF2CF 2CF2)
-113.0 (CF 2CH2CF2)
-111.5 (CF2CH2CF 2)
-111.8 (CH2CF2CF 2CF2)
-114.8 (CH2CF2CF2CF 2)
(2) 温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコに、ジエチルホスファイト200g(1.45モル)を仕込み、150℃で加熱攪拌した。そこに、上記(1)で得られたペンタデカフルオロ-1-デセン(生成物B;99GC%)507g(1.21モル)と第3ブチルパーオキサイド2.8g(19ミリモル)との混合液を滴下し、滴下終了後さらに1時間攪拌した。その後、反応混合物を水洗し、下層として分取した粗反応生成物を、内圧0.2kPa、内温145〜155℃、塔頂温度138〜142℃の条件下で減圧単蒸留を行って、精製反応生成物(98GC%)を512g(収率74.8%)得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ3.37 (CH 2CF2)
2.43 (CH 2CH2)
2.07 (CH2CH 2)
4.13 (CH 2CH3)
1.36 (CH2CH 3)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -82.0 (CF 3)
-124.0 (CF3CF 2CF2CF2)
-122.3 (CF3CF2CF 2CF2)
-110.3 (CF 2CH2CF2)
-109.8 (CF2CH2CF 2)
-124.4 (CH2CF2CF 2CF2)
-113.1 (CH2CF2CF2CF 2)
実施例9
(1) 実施例7において、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I=C4F9CH2(CF2)5CH2CH2I
の代りに、前記参考例3で得られた次のポリフルオロアルキルアイオダイド5.0gが用いられた。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)I=C2F5CH2(CF2)7CH2CH2I
蒸気圧75〜77℃/1kPaの留分であるC2F5CH2(CF2)7CH=CH2が、生成物Cとして2.0g(収率50%)得られた。
生成物C:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロ-1-ドデ
セン
CF3CF2CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CH=CH2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ2.89 (CH 2CF2)
5.79 (CH=CH2)
5.97 (CH=CH 2)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -87.1 (CF 3)
-116.8 (CF3CF 2CH2CF2)
-113.0 (CF3CF2CH2CF 2)
-121.7 (CH2CF2CF 2CF2)
-122.7 (CH2CF2CF2CF 2)
-124.2 (CF 2CF2CF2CF2CH=CH2)
-122.4 (CF2CF 2CF2CF2CH=CH2)
-122.7 (CF2CF2CF 2CF2CH=CH2)
-114.8 (CF2CF2CF2CF 2CH=CH2)
(2) 温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコに、ジエチルホスファイト160g(1.16モル)を仕込み、150℃で加熱攪拌した。そこに、上記(1)で得られたノナデカフルオロ-1-ドデセン(生成物C;97GC%)500g(0.95モル)と第3ブチルパーオキサイド2.3g(16ミリモル)との混合液を滴下し、滴下終了後さらに1時間攪拌した。その後、反応混合物を水洗し、下層として分取した粗反応生成物を、内圧0.2kPa、内温160〜170℃、塔頂温度150〜155℃の条件下で減圧単蒸留を行って、精製反応生成物(97GC%)を475g(収率74.8%)得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ3.34 (CH 2CF2)
2.42 (CH 2CH2)
2.07 (CH2CH 2)
4.13 (CH 2CH3)
1.36 (CH2CH 3)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -85.3 (CF 3)
-114.0 (CF3CF 2CH2CF2)
-110.2 (CH2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2CF2)
-120.0 (CH2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2)
-119.5 (CH2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.3 (CH2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-121.4 (CH2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.0 (CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-114.8 (CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2)
実施例10
(1) 実施例7において、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I=C4F9CH2(CF2)5CH2CH2I
の代りに、前記参考例4で得られた次のポリフルオロアルキルアイオダイドが4.2g用いられた。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I=C2F5CH2(CF2)5CH2CH2I
蒸気圧63〜65℃/1kPaの留分であるC2F5CH2(CF2)5CH=CH2が、生成物Dとして2.5g(収率78%)得られた。
生成物D:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,10-ペンタデカフルオロ-1-デセン
CF3CF2CH2CF2CF2CF2CF2CF2CH=CH2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ2.89 (CH 2CF2)
5.79 (CH=CH2)
5.97 (CH=CH 2)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -87.1 (CF 3)
-116.8 (CF3CF 2CH2CF2)
-113.0 (CF3CF2CH2CF 2)
-121.5 (CH2CF2CF 2CF2)
-124.1 (CH2CF2CF2CF 2)
-124.2 (CF 2CF2CH=CH2)
-114.8 (CF2CF 2CH=CH2)
(2) 温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコに、ジエチルホスファイト200g(1.45モル)を仕込み、150℃で加熱攪拌した。そこに、上記(1)で得られたペンタデカフルオロ-1-ドデセン(生成物D;97GC%)500g(1.18モル)と第3ブチルパーオキサイド2.8g(19ミリモル)との混合液を滴下し、滴下終了後さらに1時間攪拌した。その後、反応混合物を水洗し、下層として分取した粗反応生成物を、内圧0.2kPa、内温145〜155℃、塔頂温度138〜141℃の条件下で減圧単蒸留を行って、精製反応生成物(98GC%)を505g(収率76.3%)得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ3.34 (CH 2CF2)
2.42 (CH 2CH2)
2.07 (CH2CH 2)
4.13 (CH 2CH3)
1.36 (CH2CH 3)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -85.3 (CF 3)
-114.0 (CF3CF 2CH2CF2)
-110.1 (CH2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.1 (CH2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-122.0 (CH2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.4 (CH2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-113.9 (CH2CF2CF2CF2CF2CF 2)
実施例11
(1) 実施例7において、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I=C4F9CH2(CF2)5CH2CH2I
の代りに、前記参考例5で得られた次のポリフルオロアルキルアイオダイドが3.4g用いられた。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I=C2F5CH2(CF2)3CH2CH2I
蒸気圧52〜55℃/1kPaの留分であるC2F5CH2(CF2)3CH=CH2が、生成物Eとして2.1g(収率87%)得られた。
生成物E:3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8-ウンデカフルオロ-1-オクテン
CF3CF2CH2CF2CF2CF2CH=CH2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ2.89 (CH 2CF2)
5.79 (CH=CH2)
5.97 (CH=CH 2)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -87.1 (CF 3)
-116.8 (CF3CF 2CH2CF2)
-111.6 (CF3CF2CH2CF 2)
-111.9 (CF 2CF2CH=CH2)
-114.8 (CF2CF 2CH=CH2)
(2) 温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコに、ジエチルホスファイト262g(1.90モル)を仕込み、150℃で加熱攪拌した。そこに、上記(1)で得られたウンデカフルオロ-1-オクテン(生成物E;98GC%)500g(1.58モル)と第3ブチルパーオキサイド3.7g(25ミリモル)との混合液を滴下し、滴下終了後さらに1時間攪拌した。その後、反応混合物を水洗し、下層として分取した粗反応生成物を、内圧0.2kPa、内温130〜140℃、塔頂温度128〜131℃の条件下で減圧単蒸留を行って、精製反応生成物(98GC%)を547g(収率75.7%)得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CDCl3、TMS):δ3.34 (CH 2CF2)
2.42 (CH 2CH2)
2.07 (CH2CH 2)
4.13 (CH 2CH3)
1.36 (CH2CH 3)
19F-NMR(CDCl3、C6F6):ppm -85.3 (CF 3)
-114.0 (CF3CF 2CH2CF2)
-110.4 (CH2CF 2CF2CF2)
-122.4 (CH2CF2CF 2CF2)
-113.9 (CH2CF2CF2CF 2)
参考例7
基油CnF2n+1(CF2CF2CF2O)mCnF2n+1(40℃における粘度:210mm2/秒)に、実施例1で得られたホスホン酸エステルを3重量%添加し、十分に加熱攪拌した後、25℃で24時間保存し、ホスホン酸エステルの基油への溶解性を目視すると、淀みがみられまた若干の白濁がみられたが、ほぼ透明に溶解していた。
また、上記基油に上記ホスホン酸ジエステルを1重量%添加し、十分に加熱攪拌した後、JIS K2246(錆止め油)の潤滑油型錆止め油の錆止め性能試験(潤滑試験)に準じて防錆性を評価した。評価は、240時間後の試験片における錆の発生数を数えることによって行われ、錆の発生数は1〜10の範囲内で、防錆性やや良好という結果が得られた。

Claims (4)

  1. 一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OR)2 〔I〕
    (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸エステル。
  2. 一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cI 〔II〕
    (ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルアイオダイドに、一般式
    P(OR)3
    (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基である)で表わされるトリアルキルホスファイトを反応させることを特徴とする、請求項1記載のポリフルオロアルキルホスホン酸エステルの製造法。
  3. 一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)bCH=CH2 〔III〕
    (ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロ-1-アルケンに、一般式
    (RO)2P(O)H
    (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基である)で表わされるジアルキルホスファイトを反応させることを特徴とする、一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)P(O)(OR)2 〔I′〕
    (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸エステルの製造法。
  4. 有機過酸化物の存在下でエステル化反応が行われる請求項3記載のポリフルオロアルキルホスホン酸エステルの製造法。
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