JP4506893B1 - ポリフルオロアルキルホスホン酸およびその製造法 - Google Patents

ポリフルオロアルキルホスホン酸およびその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、離型剤の合成原料等として有効に使用し得るポリフルオロアルキルホスホン酸およびその製造法を提供する。
【解決手段】一般式 CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OH)2 (ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸。このポリフルオロアルキルホスホン酸は、一般式 CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OR)2 (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステルを加水分解反応させることによって製造される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフルオロアルキルホスホン酸およびその製造法に関する。さらに詳しくは、離型剤の有効成分等として用いられるポリフルオロアルキルホスホン酸およびその製造法に関する。
ポリフルオロアルキルホスホン酸エステルは、離型剤の有効成分の合成原料として広く用いられている。ポリフルオロアルキルホスホン酸を離型剤として用いたときの離型性能は、パーフルオロアルキル基の炭素数が8〜12である化合物において最も発現し易く、特にC8のテロマー化合物である
CF3(CF2)7CH2CH2P(O)(OH)2
が、この種の用途に好んで使用されている(特許文献1〜4参照)。
ところで、炭素数8〜12のパーフルオロアルキル基を有するテロマー化合物は、環境中で生物分解されて、生体蓄積性、環境濃縮性が比較的高い化合物に変化することが報告されており、処理工程での暴露、廃棄物、処理基材等からの環境への放出、拡散などが懸念されている。また、パーフルオロアルキル基の炭素数が14以上の化合物では、それの物理的、化学的性状からそれの取扱いが非常に困難であり、実際には殆ど使用されていない。
さらに、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するテロマー化合物は、その製造プロセスにおいて、生体蓄積性の高いパーフルオロオクタン酸類の発生や混入が避けられない。そのため、このようなテロマー化合物の製造各社は、それの製造からの撤退や炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物への代替などを進めている。
しかしながら、パーフルオロアルキル基の炭素数が6以下の化合物では、処理基材表面での配向性が著しく低下し、また融点、ガラス転移点Tgなどが炭素数8の化合物に比べて著しく低いため、温度、湿度、応力、有機溶剤の接触などの使用環境条件に大きな影響を受けることとなる。そのため、求められる十分な性能が得られず、また耐久性などにも影響がみられる。
特公平2−45572号公報 特公平3−78244号公報 特公平4−4923号公報 特公平4−11366号公報 WO 2007/105633 A1
本発明の目的は、生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、離型剤の合成原料等として有効に使用し得るポリフルオロアルキルホスホン酸およびその製造法を提供することにある。
本発明によって、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OH)2 〔I〕
(ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸が提供される。
かかるポリフルオロアルキルホスホン酸〔I〕は、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OR)2 〔II〕
(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステルを加水分解反応させることによって製造される。
本発明に係るポリフルオロアルキルホスホン酸は、環境中へ放出されたとき、分子中の-CH2CF2-結合部分で脱HF化されて二重結合が形成され、それがオゾン分解などされて、環境濃縮性、生体蓄積性などの低い化合物へ分解され易い構造を有するようになり、またその製造過程でパーフルオロアルキルカルボン酸等の環境負荷物質を生成させない。しかも、従来用いられていた化合物と同様に、離型剤の合成原料等として有効に使用することができる。
本発明に係るポリフルオロアルキルホスホン酸〔I〕は、ポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル〔II〕を加水分解反応させることにより得ることができる。この反応の原料物質として用いられるポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル〔II〕は、ポリフルオロアルキルアイオダイド
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cI 〔III〕
とトリアルキルホスファイトP(OR)3を反応させることにより得られる。ポリフルオロアルキルアイオダイド〔III〕は、公知の化合物であり、特許文献5に記載されている。
ポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル〔II〕合成の出発原料となるポリフルオロアルキルアイオダイド〔III〕は、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)bI 〔IV〕
で表わされる末端ヨウ素化化合物にエチレンを付加反応させることにより製造される。エチレンの付加反応は、上記化合物〔IV〕に過酸化物開始剤の存在下で加圧エチレンを付加反応させることにより行われ、その付加数は反応条件にもよるが、1〜3、好ましくは1である。なお、反応温度は用いられる開始剤の分解温度にも関係するが、反応は一般に約80〜120℃で行われ、低温で分解する過酸化物開始剤を用いた場合には80℃以下での反応が可能である。
過酸化物開始剤としては、第3ブチルパーオキサイド、ジ(第3ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ第2ブチルパーオキシジカーボネート等が、反応の進捗性および制御性の点から、上記化合物〔IV〕に対して約1〜5モル%の割合で用いられる。
なお、前記末端ヨウ素化化合物〔IV〕は、次のような一連の工程を経て合成される。
(1)一般式
CnF2n+1I (n:1〜6)
で表わされるパーフルオロアルキルアイオダイドを、上記の如き過酸化物開始剤(原料化合物に対し約0.1〜0.5モル%の使用量)の存在下でフッ化ビニリデンと反応させ、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)aI 〔V〕
で表わされる化合物を得る。
(2)上記一般式〔V〕で表わされる化合物に、過酸化物開始剤の存在下でテトラフルオロエチレンを反応させることにより、前記一般式〔IV〕で表わされる末端ヨウ素化化合物が得られる。この一般式〔IV〕において、bは1〜3、好ましくは1〜2の整数である。この反応に用いられる過酸化物開始剤としては、前記の如き有機過酸化物開始剤が(1)と同様の割合で用いられる。
フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレン付加反応の反応温度は、用いられる開始剤の分解温度にも依存するが、低温で分解する過酸化物開始剤を用いることにより、低圧条件下でも80℃以下での反応が可能である。反応は、CnF2n+1Iまたは前記化合物〔V〕をオートクレーブ内に入れ、その内温を昇温させて約10〜60℃、例えば50℃としたら、そこにCnF2n+1Iまたは化合物〔V〕に溶解した過酸化物系開始剤を加え、内温が例えば55℃になったら、フッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレンを約0.1〜0.6MPaの圧力を保ちながら分添し、所望量を分添した後、例えば約55〜80℃の間の温度で約1時間程度エージングすることにより行われる。その添加量によって、反応によって付加したフッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレン骨格の数aまたはbが左右される。一般には、種々のa値およびb値の混合物として形成される。
これらの反応が、低温で反応を行えるということは、エネルギーの使用量を減少させることが可能となるばかりではなく、設備内でのフッ酸等による腐食を抑制し、設備の更新頻度を減らすことができる。さらに、より廉価な材料の使用が可能となることから、更新頻度の減少と併せて、設備投資費用を廉価に抑えることができる。
エチレンが付加される具体的な化合物〔IV〕としては、次のような化合物が例示される。これらの化合物は、種々のa値およびb値を有するオリゴマーの混合物であり、特定のa値およびb値を有するオリゴマーは混合物を蒸留することにより単離することができる。なお、所定のa値およびb値を有しないオリゴマーは、それを単離してまたは混合物のまま、再度フッ化ビニリデンまたはテトラフルオロエチレンとのオリゴマー数増加反応に用いることができる。
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)2I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)2I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)2I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)3I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)3I
上記例示された如き化合物〔IV〕に、エチレンを付加反応させたポリフルオロアルキルアイオダイド〔III〕には、トリアルキルホスファイト、例えばトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト等の炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルホスファイトP(OR)3を反応させ、脱RI化反応させることにより、ポリフルオロアルキルホスホン酸〔I〕の原料物質たるポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル〔II〕を得ることができる。なお、化合物〔IV〕にエチレンを付加反応させないと、トリアルキルホスファイトとの脱RI化反応が進行しない。
ポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル〔II〕の加水分解反応は、濃塩酸によって代表される無機酸等の酸性触媒の存在下で約90〜100℃で攪拌することにより容易に行われる。反応混合物は、減圧ロ過された後、水洗・ロ過、アセトン洗浄・ロ過する方法などにより、目的物たるポリフルオロアルキルホスホン酸〔I〕を90%台の好収率で得ることができる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例1
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I (99GC%)
500g(0.78モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 181g(1.56モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生成物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に91g(0.78モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温160〜170℃、塔頂温度150〜155℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(96GC%)412g(収率78%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.37(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.6(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.0(CF 2CH2CF2)
-110.0(CF2CH2CF 2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2)
-121.6(CH2CF2CF2CF 2)
-122.1(CF 2CF2CH2CH2)
-113.8(CF2CF 2CH2CH2)
参考例2
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (99GC%)
500g(0.92モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 213g(1.84モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生成物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に107g(0.92モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温145〜155℃、塔頂温度138〜142℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(98GC%)407g(収率79%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.37(CH 2CF2)
2.43(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.0(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.3(CF 2CH2CF2)
-109.8(CF2CH2CF 2)
-124.4(CH2CF2CF 2CF2)
-113.1(CH2CF2CF2CF 2)
参考例3
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)I (97GC%)
500g(0.76モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 176g(1.52モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生成物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に88g(0.76モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温160〜170℃、塔頂温度150〜155℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(96GC%)395g(収率77%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.34(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3)
-114.0(CF3CF 2CH2CF2)
-110.2(CH2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2CF2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2)
-119.5(CH2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.3(CH2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-121.4(CH2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.0(CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-114.8(CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2)
参考例4
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)I (97GC%)
500g(0.90モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 208g(1.80モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生成物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に104g(0.90モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温145〜155℃、塔頂温度138〜141℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(97GC%)397g(収率78%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.34(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3)
-114.0(CF3CF 2CH2CF2)
-110.1(CH2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.1(CH2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-122.0(CH2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.4(CH2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-113.9(CH2CF2CF2CF2CF2CF 2)
参考例5
温度計および低沸物除去用レシーバーを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I (98GC%)
500g(1.12モル)およびトリエチルホスファイトP(OC2H5)3 259g(2.24モル)を仕込み、155℃で攪拌した。このとき、副生成物であるヨウ化エチルを反応系から除去するために、細管を使用して反応液中に窒素ガスをバブリングした。反応液を微量分取してガスクロマトグラフィー分析を行い、トリエチルホスファイトの残量を確認した後、さらにトリエチルホスファイトを1回に130g(1.12モル)宛4回分添し、合計18時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物を内圧0.2kPa、内温130〜140℃、塔頂温度128〜131℃の条件下で減圧単蒸留を行い、蒸留留分を水洗して、精製反応生成物(98GC%)405g(収率79%)を得た。
得られた精製反応生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.34(CH 2CF2)
2.42(CH 2CH2)
2.07(CH2CH 2)
4.13(CH 2CH3)
1.36(CH2CH 3)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3)
-114.0(CF3CF 2CH2CF2)
-110.4(CH2CF 2CF2CF2)
-122.4(CH2CF2CF 2CF2)
-113.9(CH2CF2CF2CF 2)
実施例1
温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例1で得られたポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2 (96GC%)
300g(0.44モル)および約35%濃塩酸300gを仕込み、100℃で12時間攪拌した。冷却後、減圧ロ過して、固形分276gを回収した。この固形分を水洗して再びロ過し、さらにアセトンで洗浄してロ過し、目的物242g(0.41モル、収率92%)を得た。
得られた生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる目的化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OH)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.44(CH 2CF2)
2.44(CH 2CH2)
1.93(CH2CH 2)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.6(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.0(CF 2CH2CF2)
-110.0(CF2CH2CF 2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2)
-121.6(CH2CF2CF2CF 2)
-122.3(CF 2CF2CH2CH2)
-113.9(CF2CF 2CH2CH2)
実施例2
温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例2で得られたポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2 (96GC%)
300g(0.53モル)および約35%濃塩酸300gを仕込み、100℃で12時間攪拌した。冷却後、減圧ロ過して、固形分287gを回収した。この固形分を水洗して再びロ過し、さらにアセトンで洗浄してロ過し、目的物240g(0.49モル、収率93%)を得た。
得られた生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる目的化合物であることが確認された。
CF3(CF2)3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OH)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.44(CH 2CF2)
2.45(CH 2CH2)
1.93(CH2CH 2)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -80.2(CF 3)
-124.0(CF3CF 2CF2CF2)
-122.3(CF3CF2CF 2CF2)
-110.3(CF 2CH2CF2)
-119.8(CF2CH2CF 2)
-124.6(CF 2CF2CH2CH2)
-113.2(CF2CF 2CH2CH2)
実施例3
温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例3で得られたポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2 (96GC%)
300g(0.44モル)および約35%濃塩酸300gを仕込み、100℃で12時間攪拌した。冷却後、減圧ロ過して、固形分276gを回収した。この固形分を水洗して再びロ過し、さらにアセトンで洗浄してロ過し、目的物237g(0.40モル、収率90%)を得た。
得られた生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる目的化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)P(O)(OH)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.41(CH 2CF2)
2.44(CH 2CH2)
1.93(CH2CH 2)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3CF2)
-114.0(CF3CF 2)
-110.2(CH2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2CF2)
-120.0(CH2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2CF2)
-119.5(CH2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.3(CH2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-121.4(CH2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.2(CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-114.7(CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF 2)
実施例4
温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例4で得られたポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2 (95GC%)
300g(0.52モル)および約35%濃塩酸300gを仕込み、100℃で12時間攪拌した。冷却後、減圧ロ過して、固形分271gを回収した。この固形分を水洗して再びロ過し、さらにアセトンで洗浄してロ過し、目的物235g(0.48モル、収率92%)を得た。
得られた生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる目的化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)P(O)(OH)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.41(CH 2CF2)
2.44(CH 2CH2)
1.93(CH2CH 2)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3CF2)
-114.0(CF3CF 2)
-110.1(CH2CF 2CF2CF2CF2CF2)
-120.1(CH2CF2CF 2CF2CF2CF2)
-122.0(CH2CF2CF2CF 2CF2CF2)
-122.6(CH2CF2CF2CF2CF 2CF2)
-114.7(CH2CF2CF2CF2CF2CF 2)
実施例5
温度計およびコンデンサを備えた容量1Lの四口フラスコ中に、参考例5で得られたポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステル
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OCH2CH3)2 (94GC%)
300g(0.63モル)および約35%濃塩酸300gを仕込み、100℃で12時間攪拌した。冷却後、減圧ロ過して、固形分262gを回収した。この固形分を水洗して再びロ過し、さらにアセトンで洗浄してロ過し、目的物229g(0.59モル、収率93%)を得た。
得られた生成物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で表わされる目的化合物であることが確認された。
CF3(CF2)(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)P(O)(OH)2
1H-NMR(CD3OD、TMS):δ3.41(CH 2CF2)
2.44(CH 2CH2)
1.93(CH2CH 2)
19F-NMR(CD3OD、C6F6):ppm -85.3(CF 3CF2)
-114.0(CF3CF 2)
-110.4(CH2CF 2CF2CF2)
-122.6(CH2CF2CF 2CF2)
-114.0(CH2CF2CF2CF 2)
参考例6
前記実施例1で得られたポリフルオロアルキルホスホン酸20重量%にイソプロパノール50重量%を加えた後、攪拌しながらイオン交換水26重量%を加え、トリエチルアミン4重量%で中和して、A液(合計100重量%)とした。このA液を水で希釈し、固形分濃度を0.1重量%として、離型剤を調製した。
この離型剤を用いてのウレタンゴム成形時の離型試験を、次のように実施した。直径45mm、深さ50mmのアルミニウム製カップを成形型とし、この型を80℃に加熱した後離型剤を塗布して、80℃で乾燥させた。この離型剤塗布型内に、80℃に加熱したウレタンプレポリマー(日本ポリウレタン製品コロネート4090)100重量部と120℃に加熱溶融させたメチレンビス(O-クロロアニリン)硬化剤(イハラケミカル製品イハラキュアミンMT)12.8重量部との混合物10gを注入し、120℃で1時間加熱硬化させた。
硬化前に、注入部中央に硬化成形品取出し用のフックが設置させており、硬化後にそのフックを引っ張って成形品を型から取出す際の荷重を上方に位置するバネ秤で求めると、0.4kgf(3.9N)という値(離型性能)が得られた。また離型剤を最初1回塗布した後、5kgf(49N)以下の離型荷重で何回迄離型できるかの回数を測定すると、10回という値(離型寿命)が得られた。

Claims (2)

  1. 一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OH)2 〔I〕
    (ここで、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸。
  2. 一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cP(O)(OR)2 〔II〕
    (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜6の整数、aは1〜4の整数、bは1〜3の整数、cは1〜3の整数である)で表わされるポリフルオロアルキルホスホン酸ジエステルを加水分解反応させることを特徴とする請求項1記載のポリフルオロアルキルホスホン酸の製造法。
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