JP4046466B2 - 半導体分布ブラッグ反射鏡、面発光型半導体レーザ並びにこれを用いた光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システム - Google Patents
半導体分布ブラッグ反射鏡、面発光型半導体レーザ並びにこれを用いた光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光通信用半導体レーザ、光通信モジュール、光通信システム、プリンタ用書き込み光源、光ピックアップシステム用光源等の各種光源に利用可能な可視領域及び長波長帯の面発光型半導体レーザ、及び、このような面発光型半導体レーザに好適な半導体分布ブラッグ反射鏡並びに面発光型半導体レーザを用いた光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
面発光型半導体レーザ(面発光レーザ)は基板に対して垂直方向に光を出射する半導体レーザであり、光インターコネクションの光源、光ピックアップ用の光源等、各種光源として用いられている。
【0003】
面発光型半導体レーザは、基本的には、光を発生する活性層を含んだ活性領域を反射鏡で挟んだ構造となっている。その反射鏡としては低屈折率層と高屈折率層を交互に積層した半導体分布ブラッグ反射鏡が広く用いられている。半導体分布ブラッグ反射鏡の材料としては、活性層から発生する光を吸収しない材料(一般に、活性層よりワイドバンドギャップの材料)であって、格子緩和を発生させないために基板に格子整合する材料が用いられる。
【0004】
ところで、反射鏡の反射率は99%以上と極めて高くする必要がある。反射率は積層数を増やすことによって高くなる。しかし、積層数が増加すると作製が困難になってしまう。このため、低屈折率層と高屈折率層の屈折率差が大きい方が好ましい。AlGaAs系材料はAlAsとGaAsが終端物質であり、格子定数は基板であるGaAsとほぼ同程度であり、屈折率差が大きいので、よく用いられている。
【0005】
また、低閾値化のためには電流狭窄構造が用いられている。例えば、特開平7−240506号公報に示されるように、AlAs/GaAsからなる半導体分布ブラッグ反射鏡による共振器と、イオン注入により高抵抗層を形成した電流狭窄構造とを用いた構造がある。
【0006】
また、特許第2917971号公報に示されるように、AlGaAs/GaAsからなる半導体分布ブラッグ反射鏡による共振器と、Al(Ga)Asの一部を選択的に酸化した酸化膜を用いた電流狭窄構造とを用いた面発光レーザもある。
【0007】
その製法として高温での水蒸気供給による酸化が用いられている。AlxOyのような完全な絶縁体になること、また、活性層と狭窄層との距離を結晶成長で厳密に制御できること、電流通路を極めて狭くできることから、無効電流の低減、活性領域の低減に向き、低消費電力化に適しており、最近良く用いられている。AlGaAsのAl組成が大きくなるに従い酸化速度が激増していくことを利用しており、酸化したい層のAl組成を他より大きくすることで得ることができる。このため、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層にはAl(Ga)As酸化層よりAl組成を小さく、つまり、Ga組成を大きくしている。
【0008】
特許第2917971号公報では、被選択酸化層にAlyGa1-yAs(y=0.97)が用いられ、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層にはAlxGa1-xAs(x=0.92)が用いられている。
【0009】
これらの半導体分布ブラッグ反射鏡技術及び電流狭窄技術によりGaAsやGaInAsを活性層とした波長0.85μm,0.98μm帯の面発光レーザは良好な性能が得られている。
【0010】
しかし、半導体分布ブラッグ反射鏡はできるだけ積層数が少ない方が望ましい。また、選択酸化技術を用いた場合、低屈折率層であるAlxGa1-xAsのAl組成を小さくすると屈折率が大きくなり、高屈折率層との屈折率差が小さくなるため、高反射率を得るための積層数を増やす必要が生じる。また、GaAsに格子定数が近いもののAlAsで0.14%の違いがあり、多層膜反射鏡として多くの層を積層することから信頼性への影響が懸念される。
【0011】
さらに、可視波長領域や長波長領域においては実用的な性能の面発光レーザは得られていない。
【0012】
波長600nm〜700nm帯の赤色面発光レーザはGaAsに格子整合したAlGaInP系材料が用いられている。特に、光ピックアップシステムや、レーザプリンタ等の光源では記録密度向上の点からできるだけ短波長が求められている。また、650nmの波長は吸収損失の点でアクリル系プラスチック光ファイバ(POF)を用いたIEEE1394等の光データリンクに適した光源である。
【0013】
半導体分布ブラッグ反射鏡としては、AlGaAs(ほぼAlAs組成)/Al0.5Ga0.5Asの組み合わせが多く用いられている(例えば、IEEE Photonics Technology Letter,Vol.6,No.3,1994. PP.313-316.)。波長が短くなると吸収を避けるため高屈折率層のAl組成は大きくなり、低屈折率層との屈折率差が小さくなるので、結果として、高反射率を得るための積層数はGaAsを用いることのできる波長980nm帯等の面発光レーザに比べて増加してしまう。
【0014】
そこで、例えば、特開平6−196821号公報等に見られるように、GaAs基板に格子整合する(AlxGa1-x)0.5In0.5P及び(AlyGa1-y)0.5In0.5P(0≦y<x≦1)を各々低屈折率層、高屈折率層としたものがある。(AlxGa1-x)0.5In0.5P/(AlyGa1-y)0.5In0.5P(x=1,y=0.5)ミラーで比較すると、Al0.5In0.5P/(Al0.2Ga0.8)0.5In0.5Pの屈折率差はAlAs/Al0.5Ga0.5Pの屈折率差に比べて大きく積層数を低減できるとともに、価電子帯のバンド不連続が小さくP側のミラーの抵抗を低減できる可能性を持っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バンドギャップの関係で波長が680nm程度より短波長では吸収が起きるので、Ga0.5In0.5Pを高屈折率層に用いることはできず、650nm,630nm帯等の短波長レーザの高屈折率層には4元混晶であるAlを添加したAlGaInPを用いざるを得ない。4元混晶は制御する原料が増えるので組成制御の困難性が増す。また、電気抵抗、熱抵抗が高くなる問題がある。また、厳密な組成コントロールの困難なInを含んだ材料系であり、しかも、特にInに対する格子定数の組成依存性が大きい材料系なので、安定に生産するのが困難なこと及び低抵抗P型AlInPを得るのが困難なことが課題である。このため、半導体分布ブラッグ反射鏡としてはAlGaAs系材料が主に用いられている。
【0016】
また、現在の光ファイバ通信には、石英系光ファイバでの損失が小さい1.3μm,1.55μm帯の長波長帯の半導体レーザが用いられている。今後は各端末へも光ファイバ化(Fiber To The Home(FTTH))が進み、さらには各機器間、機器内においても光による情報伝送が導入され光による情報伝送技術がますます重要になる。
【0017】
これらを実現するためには、光通信モジュールの「桁違い」の低価格化が最重要課題の一つであり、消費電力が小さく、かつ、冷却システムを必要としない良好な温度特性の長波長帯半導体レーザが強く求められている。
【0018】
この波長に対応するバンドギャップを有するIII−V族半導体であるInP基板上のGaInPAs系材料が市場を独占している。しかし、InP系材料は,クラッド層(スペーサ層)と発光層との間の伝導帯バンド不連続が小さく、発光層への注入電子の閉じ込めが温度上昇とともに悪い。
【0019】
さらに、InP基板に格子整合する材料では、屈折率差が大きくて半導体分布ブラッグ反射鏡に適した材料がない。結果として、実用に耐え得る良好な性能の長波長面発光レーザは得られていない。
【0020】
これを解決できる材料として、例えば特開平6−37号公報によれば、GaAs基板上のGaInNAs系材料が提案されている。GaInNAsはNと他のV族元素を含んだIII−V族混晶半導体である。GaAsより格子定数が大きいGaInAsにNを添加することで格子定数をGaAsに格子整合させることが可能であり、さらにバンドギャップエネルギーが小さくなり1.3μm,1.5μm帯での発光が可能な材料である。
【0021】
Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)PP.1273-1275では、近藤らによりバンドラインナップが計算されている。GaAs格子整合系なのでAlGaAs等をクラッド層に用いることで伝導帯のバンド不連続が大きくなる。このため高特性温度半導体レーザが実現できると予想されている。
【0022】
GaAs基板に形成できることから半導体多層膜反射鏡としてAl(Ga)As/GaAs系材料を用いることができ、InP基板上に形成する場合に比べて積層数を非常に低減できる。
【0023】
しかしながら、Al(Ga)As/GaAs系材料を用いる980nm帯等の従来のGaAs基板上面発光レーザに比べて、波長が長い分、反射鏡の各層の層厚が厚くなるので、半導体多層膜反射鏡の総厚が厚くなり、反射鏡の作製が困難になって、歩留まりが低下する問題が残る。
【0024】
そこで、本発明は、少ない積層数で高い反射率が得られる半導体分布ブラッグ反射鏡を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、総厚が薄く製造が容易な面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
【0026】
また、上記目的を実現する上で、閾値電流の小さい面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
【0027】
同様に、上記目的を実現する上で、閾値電流が小さく可視光を扱える面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
【0028】
同様に、上記目的を実現する上で、閾値電流が小さく900nmより長波長域を扱える面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
【0029】
同様に、上記目的を実現する上で、閾値電流が小さく1.1μmより長波長域を扱える面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
【0030】
また、上記の面発光型半導体レーザを利用することで、低コストで、高性能・高信頼性の光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システムを提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、屈折率が周期的に変化する構造を有して入射光を光波干渉により反射させる半導体分布ブラッグ反射鏡において、反射鏡はGaAs半導体基板上に形成され、低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部はAl,P及びAsを同時に含むAlP y As 1-y 層(ただし、0<y<1)であることを特徴とする。
【0032】
従って、AlxGa1-xAs(ただし、0<x≦1)よりAlP y As 1-y 層(ただし、0<y<1)の方がバンドギャップは大きく、また、屈折率は小さい。よって、AlP y As 1-y 層層を低屈折率層として用いると高屈折率層との屈折率差が大きくなり、高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を少ない積層数で実現できる。また、AlxGa1-xAsでは格子整合できないが、Pを約4%添加することでGaAs基板に完全に格子整合させることができる。
【0035】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体分布ブラッグ反射鏡において、前記低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部の格子定数が、前記半導体基板の格子定数より小さく、引っ張り歪を有することを特徴とする。
【0036】
従って、P添加量をさらに増やすこと(AlPyAs1-yの場合、yが4%以上)で引っ張り歪を有することになるが、屈折率は格子整合する材料よりさらに小さくなる。よって、引っ張り歪を有するAlxGa1-xPyAs1-y層を低屈折率層として用いると、高屈折率層との屈折率差がさらに大きくなり、より少ない積層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を実現できる。低屈折率層としてよく用いられるAlAsがGaAs基板に対して0.14%の圧縮歪を有することから、0.14%程度の引っ張り歪を有している材料なら格子不整合は実用上問題ない。0.14%程度の引っ張り歪を有するAlPyAs1-yのP組成は8%程度である。
【0037】
請求項3記載の発明は、半導体基板上に、少なくとも光を発生する活性層と、レーザ光を得るために前記活性層の上部及び下部に設けられた反射鏡と、を含む共振器構造を有する面発光型半導体レーザにおいて、前記半導体基板はGaAs半導体基板であり、少なくとも一方の前記反射鏡は屈折率が周期的に変化する構造を有し入射光を光波干渉により反射させる半導体分布ブラッグ反射鏡を含み、前記半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部はAl,P及びAsを同時に含むAlP y As 1-y 層(ただし、0<y<1)であることを特徴とする。
【0038】
従って、少ない層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡が得られるので、面発光型半導体レーザの総厚が薄くなり、製造が容易となる。また、面発光型半導体レーザの高さが低くなり段差が小さくなるので平坦化や配線が容易になり、また、他の素子とのモノリシック化も容易になる。また、AlxGa1-xAsでは完全には格子整合できないが、Pを約4%添加することでGaAs基板に完全に格子整合させることができ、面発光型半導体レーザの信頼性を高くできる。
【0041】
請求項4記載の発明は、請求項4又は5記載の面発光型半導体レーザにおいて、前記低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部の格子定数が、前記半導体基板の格子定数より小さく、引っ張り歪を有することを特徴とする。
【0042】
従って、P添加量をさらに増やすことで引っ張り歪を有することになるが、屈折率は格子整合する材料よりさらに小さくなる。よって、引っ張り歪を有するAlxGa1-xPyAs1-y層を低屈折率層として用いると、高屈折率層との屈折率差がさらに大きくなり、より少ない積層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を実現でき、面発光型半導体レーザの総厚が薄くなり作製が容易になる。また、面発光型半導体レーザの高さが低くなり段差が小さくなるので平坦化や配線が容易になり、また、他の素子とのモノリシック化も容易になる。低屈折率層としてよく用いられるAlAsがGaAs基板に対して0.14%の圧縮歪を有することから、0.14%程度の引っ張り歪を有している材料なら格子不整合は実用上問題ない。つまり、P組成8%程度は実用上問題ない。
【0043】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の面発光型半導体レーザにおいて、Al,Asを主成分としたAlAsを選択的に酸化した開口部を有する電流狭窄用酸化層を備えることを特徴とする。
【0044】
従って、AlxGa1-xAsにPを添加することで屈折率が小さくなるとともに酸化速度が低下することが酸化実験により分かった。AlAsにGaやInを添加すると酸化速度がGaやIn組成の増加に伴って急激に低下することは良く知られているが、Pを添加した時の振る舞いは知られていなかった。そこで、GaAs基板上のAlAsと、GaAs基板上に組成傾斜層を介して成長されたGaAs0.6P0.4エピ基板上のAlAs0.6P0.4を高温中での水蒸気による酸化を行った。各々厚さは40nmでクラッド層で挟んである。エッチングにより被選択酸化層の側面が現れるまでメサを形成し、側面から酸化する。AlAsは440℃、10min間で8μm酸化されAlxOyとなった。一方、AlAs0.6P0.4は500℃、20min間でもほとんど酸化されなかった。よって、III族がAlのみであるにもかかわらず、Pが含まれることで酸化速度を低下させることが分かった。
【0045】
よって、半導体分布ブラッグ反射鏡の屈折率差を小さくすることなく半導体分布ブラッグ反射鏡の酸化を抑えることができるので、半導体分布ブラッグ反射鏡の層数を増やすことなく選択酸化層による電流狭窄構造を採用でき、面発光型半導体レーザの低消費電力化と薄膜化を両立できる。
【0046】
請求項6記載の発明は、請求項3ないし5の何れか一に記載の面発光型半導体レーザにおいて、前記半導体分布ブラッグ反射鏡の高屈折率半導体層がAlGaAs層であり、前記活性層がGaInP層であることを特徴とする。
【0047】
従って、光を吸収しない材料で半導体分布ブラッグ反射鏡を構成する必要があるため、ワイドギャップであるGaInPを活性層に用いた可視レーザは高屈折率層として大きい屈折率の材料を用いることができないため、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層と高屈折率層との屈折率差は小さく、積層数は0.98μm帯等の波長の長い面発光型半導体レーザに比べて多い。よって、AlxGa1-xAsにPを添加し屈折率を小さくすることによる積層数低減効果は大きく、可視面発光型半導体レーザの作製が容易になる。
【0048】
請求項7記載の発明は、請求項3ないし5の何れか一に記載の面発光型半導体レーザにおいて、前記半導体分布ブラッグ反射鏡の高屈折率半導体層がGaxIn1-xNyAs1-y層(ただし、0<x≦1,0<y<1)であることを特徴とする。
【0049】
従って、高屈折率層の屈折率が従来よりも大きくなるので、さらに積層数の低減を図ることができ、面発光レーザの製造が容易となる。
【0050】
請求項8記載の発明は、請求項3ないし5の何れか一に記載の面発光型半導体レーザにおいて、前記活性層がGaInNAs,GaInAs,GaAsSbの何れかにより形成されていることを特徴とする。
【0051】
従って、GaAs基板上に長波長帯面発光型半導体レーザを形成すると、従来のInP基板上に形成した場合に比べて、半導体分布ブラッグ反射鏡の積総数低減効果は大きい。しかし、それでもレーザの波長が1.3μm帯等、長い場合、半導体分布ブラッグ反射鏡の総厚は厚くなってしまう。この点、低屈折率層であるAlxGa1-xAsにPを添加し屈折率を小さくすることで、従来のGaAs基板上の長波長帯面発光型半導体レーザ用の半導体分布ブラッグ反射鏡よりも積層数をさらに低減でき、製造が容易となる。
【0052】
請求項9記載の発明の光送信モジュールは、請求項3ないし8の何れか一に記載の面発光型半導体レーザを光源として備えることを特徴とする。
【0053】
従って、請求項3ないし8の何れか一に記載の低コストで、高品質・高信頼性に優れた面発光型半導体レーザを用いることによって、低コストで、高性能で信頼性の高い光送信モジュールを実現することができる。
【0054】
請求項10記載の発明の光送受信モジュールは、請求項3ないし8の何れか一に記載の面発光型半導体レーザを光源として備えることを特徴とする。
【0055】
従って、請求項3ないし8の何れか一に記載の低コストで、高品質・高信頼性に優れた面発光型半導体レーザを用いることによって、低コストで、高性能で信頼性の高い光送受信モジュールを実現することができる。
【0056】
請求項11記載の発明の光通信システムは、請求項3ないし8の何れか一に記載の面発光型半導体レーザを光源として備えることを特徴とする。
【0057】
従って、請求項3ないし8の何れか一に記載の低コストで、高品質・高信頼性に優れた面発光型半導体レーザを用いることによって、低コストで、高性能で信頼性の高い光通信システムを実現することができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1に基づいて説明する。本実施の形態は、半導体分布ブラッグ反射鏡1への適用例を示す。ここでは、反射させる波長を650nmとする。本実施の形態では、半導体基板であるGaAs基板2上にAlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)3とn-Al0.5Ga0.5As層4とを各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層したAlP0.04As0.96/Al0.5Ga0.5As周期構造(31周期)5が有機金属気相成長方法(MOCVD)により成長させることにより形成されている。
【0059】
原料にはTMG(トリメチルガリウム),TMA(トリメチルアルミニウム),AsH3(アルシン),PH3(フォスフィン)を用いた。キャリアガスにはH2を用いた。AlP0.04As0.96層3はGaAs基板2に格子整合している。AlP0.04As0.96層3の650nmに対する屈折率は3.098と見積もられ、Pを添加することでAlAsの3.12より小さくなる。波長650nmの光に対する反射率は99.9%であった。
【0060】
この結果、同じ反射率を得るのに、従来のAlAs/Al0.5Ga0.5As反射鏡の34周期より積層数を低減させることができる。低屈折率層としてAlPyAs1-y層2を用いたが、Gaが含まれるAlxGa1-xPyAs1-yを用いてもAlxGa1-xAsより屈折率が小さくなるので効果がある。
【0061】
本発明の第二の実施の形態を図1に基づいて説明する。本実施の形態も、半導体分布ブラッグ反射鏡1に関するもので、反射させる波長を650nmとする。本実施の形態では、yの比率が第一の実施の形態の場合と異なる。
【0062】
即ち、GaAs基板2上にAlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.08)3とn-Al0.5Ga0.5As層4とを各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(29周期)5が有機金属気相成長方法(MOCVD)により成長させることにより形成されている。
【0063】
原料にはTMG(トリメチルガリウム),TMA(トリメチルアルミニウム),AsH3(アルシン),PH3(フォスフィン)を用いた。キャリアガスにはH2を用いた。AlP0.08As0.92層3はGaAs基板2より格子定数は小さく0.14%引っ張り歪を有している。P組成を大きくしたので、さらに屈折率は小さい。波長650nmの光に対する反射率は99.9%であった。この結果、従来のAlAs/Al0.5Ga0.5As反射鏡の34周期より低減させることができたものである。
【0064】
本発明の第三の実施の形態を図2に基づいて説明する。本実施の形態は、面発光型半導体レーザ11への適用例を示す。
【0065】
(011)方向に15°オフした面方位(100)のn-GaAs基板12上にn-AlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)13とn-Al0.5Ga0.5As層14を各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(31周期)15からなるn-半導体分布ブラッグ反射鏡(下部反射鏡)16、アンドープ下部(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pスペーサ層17、4層の圧縮歪GaInP井戸層と(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pバリア層からなる多重量子井戸活性層18、アンドープ上部(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pスペーサ層19、Znドープp-AlAs被選択酸化層(50nm)20、Cドープp-AlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)21とp-Al0.5Ga0.5As層22を各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(24周期)23からなる半導体分布ブラッグ反射鏡(上部反射鏡)24、p-GaAsコンタクト層25、を順次成長させることにより形成されている。
【0066】
成長方法はMOCVD法で行った。原料にはTMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、AsH3(アルシン)、PH3(フォスフィン)を用いた。キャリアガスにはH2を用いた。
【0067】
電流狭窄部分26は、電流経路外の部分をプロトン(H+)照射によって絶縁層27を作って形成した。光取り出し口となる上部反射鏡24上の光取り出し口28部分のコンタクト層25を除去し、pコンタクト層25上にp側電極29、基板12裏面にはn側電極30を形成した。
【0068】
反射率を99.9%とした時の積層数は31周期であり、従来のAlAs/Al0.5Ga0.5As反射鏡の34周期より積層数を低減させることができたものである。低屈折率層としてAlPyAs1-y層13,21を用いたが、Gaの含まれるAlxGa1-xPyAs1-yを用いてもAlxGa1-xAsより屈折率が小さくなるので効果がある。これにより、面発光型半導体レーザ11の製造が容易となった。作製した面発光型半導体レーザ11の発振波長は約650nmであった。半導体分布ブラッグ反射鏡16,24の格子定数がGaAs基板12に格子整合しているので信頼性は極めて良好であった。
【0069】
本発明の第四の実施の形態を図2に基づいて説明する。本実施の形態も、面発光型半導体レーザ11に関するものであるが、半導体分布ブラッグ反射鏡16,24の低屈折率層としてAlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.08)13,21を用いた点以外は、第三の実施の形態の場合と同様である。
【0070】
格子整合するAlxGa1-xPyAs1-y層13,21より屈折率が小さく、反射率を99.9%とした時の積層数は29周期であり、従来のAlAs/Al0.5Ga0.5As反射鏡の34周期より積層数を低減させることができる。これにより、面発光型半導体レーザ11の製造が容易となった。なお、作製した面発光型半導体レーザ11の発振波長は約650nmであった。
【0071】
本発明の第五の実施の形態を図3に基づいて説明する。本実施の形態は、面発光型半導体レーザ31への適用例を示す。
【0072】
(011)方向に15°オフした面方位(110)のn-GaAs基板32上にn-AlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)33とn-Al0.5Ga0.5As層34を各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(31周期)35からなるn-半導体分布ブラッグ反射鏡(下部反射鏡)36、アンドープ下部(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pスペーサ層37、3層の圧縮歪GaInP井戸層と(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pバリア層からなる多重量子井戸活性層38、アンドープ上部(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pスペーサ層39、Znドープp-AlAs被選択酸化層(50nm)40、Cドープp-AlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)41とp-Al0.5Ga0.5As層42を各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(24周期)43からなる半導体分布ブラッグ反射鏡(上部反射鏡)44、p-GaAsコンタクト層45、が順次成長されている。
【0073】
成長方法はMOCVD法で行った。原料にはTMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、AsH3(アルシン)、PH3(フォスフィン)を用いた。キャリアガスにはH2を用いた。
【0074】
所定の大きさのメサをp-AlAs被選択酸化層40の側面が露出するまで形成し、側面の現れたAlAsを水蒸気で側面から酸化してAlxOy電流狭窄部46を形成した。この時、上部反射鏡44のAlPAs層41はほとんど酸化されなかった。次に、光取り出し口となる上部反射鏡44上の光取り出し口47部分のコンタクト層45を除去し、p-GaAsコンタクト層45にp側電極48、基板32裏面にはn側電極49を形成した。
【0075】
ここで、AlxGa1-xAsとAlxGa1-xPyAs1-yの酸化速度について示す。AlxGa1-xAsにPを添加することで屈折率が小さくなるとともに酸化速度が低下することが酸化実験により分かった。AlAsにGaやInを添加すると酸化速度がGaやIn組成の増加に伴って急激に低下することは良く知られているが、Pを添加した時の振る舞いは知られていなかった。そこで、GaAs基板32上のAlAsとGaAs基板32上に組成傾斜層を介して成長されたGaAs0.6P0.4エピ基板上のAlAs0.6P0.4を高温中での水蒸気による酸化を行った。AlAsは440℃,10min間で8μm酸化されAlxOyとなった。一方、AlAs0.6P0.4は500℃,20min間でもほとんど酸化されなかった。よって、III族がAlのみであるにもかかわらずPが含まれることで酸化速度を低下させることが分かった。
【0076】
反射率を99.9%とした時の積層数は31周期であり、従来のAl0.95Ga00.5As/Al0.5Ga0.5Asの36周期に比べて低減できた。酸化はAl組成が大きいほど進むので、AlAs選択酸化による電流狭窄構造を用いるために、従来は反射鏡の低屈折率層のAl組成を被選択酸化層より小さくしていたが、Pを加えることで屈折率が小さくなるとともに酸化速度が小さくなるので積層数を増加することなく、むしろ積層数を少なくしてAlAs酸化構造を用いることができる。これにより面発光型半導体レーザ31の製造が容易となった。作製した面発光型半導体レーザ31の発振波長は約650nmであった。AlAsの選択酸化により電流狭窄を行ったので閾値電流は低かった。また、半導体分布ブラッグ反射鏡の格子定数がGaAs基板32に格子整合しているので信頼性は極めて良好であった。また、本実施の形態の面発光型半導体レーザ31を光ピックアップシステムや、レーザプリンタの光源に用いることができる。
【0077】
本発明の第六の実施の形態を図4に基づいて説明する。本実施の形態は、面発光型半導体レーザ51への適用例を示す。
【0078】
面方位(100)のn-GaAs基板52上にn-AlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)53とn-GaAs層54を各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(21周期)55からなるn-半導体分布ブラッグ反射鏡(下部反射鏡)56、アンドープ下部GaAsスペーサ層57、3層のGa0.7In0.5N0.01As0.99As井戸層とGaAsバリア層(13nm)からなる多重量子井戸活性層58、アンドープ上部GaAsスペーサ層59、Znドープp-AlAs層(50nm)60、Cドープのp-AlxGa1-xPyAs1-y層(ただし、x=1.0,y=0.04)61とp-GaAs層62を各々の媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(16周期)63からなる半導体分布ブラッグ反射鏡(上部反射鏡)64、p-GaAsコンタクト層65、が順次成長されている。井戸層のIn組成xは37%、窒素組成は0.5%とした。井戸層の厚さは7nmとした。
【0079】
成長方法はMOCVD法で行った。原料にはTMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、AsH3(アルシン)、PH3(フォスフィン)、窒素の原料にはDMHy(ジメチルヒドラジン)を用いた。DMHyは低温で分解するので600℃以下のような低温成長に適しており、特に、低温成長の必要な歪みの大きい量子井戸層を成長する場合、好ましい。本実施の形態では、GaInNAs層58は540℃で成長した。キャリアガスにはH2を用いた。
【0080】
所定の大きさのメサをp-AlAs層被選択酸化層60の側面を露出させるまで形成し、側面の現れたAlAsを水蒸気で側面から酸化してAlxOy電流狭窄部66を形成した。そして、次にポリイミド67でエッチング部を埋め込んで平坦化し、pコンタクト層65と光取り出し口68となる上部反射鏡64上のポリイミド67を除去し、pコンタクト層65にp側電極69、n裏面にn側電極70を形成した。
【0081】
反射率を99.5%とした時の積層数は16周期であり従来のAl0.95Ga0.05As/GaAsの18周期に比べて低減できた。酸化はAl組成が大きいほど進むので、AlAs選択酸化による電流狭窄構造を用いるために、従来は反射鏡の低屈折率層のAl組成を被選択酸化層60より小さくしていたが、Pを加えることで屈折率が小さくなるとともに酸化速度が小さくなるので積層数を増加することなく、むしろ積層数を少なくしてAlAs酸化構造を用いることができる。これにより、面発光型半導体レーザ51の製造が容易となった。作製した面発光型半導体レーザ51の発振波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層に用いたのでGaAs基板52上に長波長帯の面発光型半導体レーザ51を形成できた。AlAsの選択酸化により電流狭窄を行ったので閾値電流は低かった。また、半導体分布ブラッグ反射鏡の格子定数がGaAs基板52に格子整合しているので信頼性は極めて良好であった。また、上部反射鏡64を薄くできたのでポリイミド67の埋め込みは容易になり、さらに、配線が段切れしにくくなり(本実施の形態ではp側電極68)素子の歩留まりは向上した。このように低消費電力で低コストの1.3μm帯面発光型半導体レーザ51を実現できた。
【0082】
MOCVD法での成長の例を示したが、MBE法等他の成長方法を用いることもできる。また、窒素の原料にDMHyを用いたが活性化した窒素やNH3等他の窒素化合物を用いることもできる。また、積層構造として3重量子井戸構造(TQW)の例を示したが、他の井戸数の量子井戸を用いた構造(SQW,MQW)等を用いることもできる。レーザの構造も他の構造にしても構わない。GaInNAs活性層58の組成を変えることで1.55μm帯、さらにはもっと長波長の面発光型半導体レーザ51も可能となる。また、活性層にGaAsSbを用いてもGaAs基板52上に1.3μm帯面発光レーザを実現できる。さらに、GaInAsを用いた場合、従来1.1μmまでが長波長化の限界と考えられていたが、600℃以下の低温成長により高歪のGaInAs量子井戸活性層を従来より厚く成長することが可能となり、波長は1.2μmまで到達できる。波長1.1μm〜1.3μmの半導体レーザは従来適した材料がなかったが、高歪GaInAs、GaInNAs、GaAsSbを用いることにより可能となる。さらに、従来高性能化が困難であった波長1.3μm帯、1.55μm帯等長波長において、高性能な面発光型半導体レーザ51を実現できる。
【0083】
本発明の第七の実施の形態を図4及び図5に基づいて説明する。本実施の形態の面発光型半導体レーザ51は、図4に示す構造において、半導体分布ブラッグ反射鏡56,64の高屈折率層としてGaxIn1-xNyAs1-y層(ただし、0<x≦1,0<y<1)を用いたものであり、その他の点は第六の実施の形態の場合と同様である。
【0084】
GaInNAsはGaAs基板52に格子整合可能であり、バンドギャップはGaAsより小さく、屈折率はGaAsより大きい。屈折率の測定例を図5に示す。GaAs基板52に格子整合するGa0.13In0.87N0.04As0.96の例である。GaAsよりも大きいことが分かる。よって、反射鏡の積層数を第六の実施の形態よりもさらに低減させることができる。これにより、面発光型半導体レーザ51の製造がさらに容易となる。
【0085】
本発明の第八の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態は、例えば第六の実施の形態で説明した1.3μm帯GaInNAs面発光型半導体レーザ51と石英系光ファイバ71とを組み合わせた光送信モジュール72への適用例を示す。
【0086】
光源としての面発光型半導体レーザ51からのレーザ光による光信号が光ファイバ71に入力され、伝送される。この際、発振波長の異なる複数の半導体レーザ51を1次元又は2次元にアレイ状に配置させれば、波長多重送信により伝送速度を増加させることができる。また、半導体レーザ51を1次元又は2次元にアレイ状に配置させれば、各々に対応する複数の光ファイバ71からなる光ファイバ束とを結合させることで伝送速度を増加させることができる。
【0087】
本実施の形態を光通信システムに用いると、面発光型半導体レーザ51が低コストであるので、送信用半導体レーザ51と光ファイバ71とを組合せた光送信モジュールを用いた低コストな光通信システムを実現できる。また、GaInNAs面発光型半導体レーザ51の温度特性が良いこと、及び、低閾値であることにより、発熱が少なく高温まで冷却なしで使えるシステムを実現できる。650nm帯の面発光型半導体レーザ11又は31とアクリル系POF(プラスチック光ファイバ)の組合せでも良い。
【0088】
本発明の第九の実施の形態を図7に基づいて説明する。本実施の形態は、例えば第六の実施の形態で説明した1.3μm帯GaInNAs面発光型半導体レーザ51と受信用のフォトダイオード73と石英系光ファイバ71とを組み合わせた光送受信モジュール74への適用例を示す。
【0089】
本実施の形態を光通信システムに用いると、光源としての面発光型半導体レーザ51が低コストであるので送信用半導体レーザ51と受信用フォトダイオード73と光ファイバ71とを組み合わせた光送受信モジュール74を用いた低コストな光通信システムを実現できる。また、GaInNAs面発光型半導体レーザ51の温度特性が良いこと、及び、低閾値であることにより、発熱が少なく高温まで冷却なしで使えるシステムを実現できる。650nm帯の面発光型半導体レーザとアクリル系POF(プラスチック光ファイバ)の組合せでも良い。
【0090】
なお、前述した実施の形態の面発光型半導体レーザを用いる光通信システムとしては、光ファイバを用いる長距離通信用に限らず、LAN(Local Area Network)などのコンピュータ等の機器間伝送、さらにはボード間、CPU間のデータ伝送、ボード内のLSI間、LSI内の素子間等、光インターコネクションとして短距離通信に用いることができる。近年、LSI等の処理性能は向上しているが、これらを接続する部分の伝送速度が今後ボトルネックとなる。システム内の信号接続を従来の電気接続から光インターコネクトで行うと、例えば、コンピュータシステムのボード間、ボード内のLSI間、LSI内の素子間等を光送信モジュールや光送受信モジュールを用いて接続した場合、超高速コンピュータシステムが可能となる。また、複数のコンピュータシステム等を上記光送信モジュールや光送受信モジュールを用いて接続した場合、超高速ネットワークシステムができる。
【0091】
特に、面発光型半導体レーザは端面発光型レーザに比べて桁違いに低消費電力化でき、2次元アレイ化が容易なので、並列伝送型の光通信システムに適している。
【0092】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、AlxGa1-xAs(ただし、0<x≦1)よりAlxGa1-xP(ただし、0<x≦1)の方がバンドギャップは大きく、また、屈折率は小さいことから、AlxGa1-xAs(ただし、0<x≦1)にPを加えたAlxGa1-xPyAs1-y(ただし、0<x≦1,0<y<1)の屈折率はAlxGa1-xAsより小さくなるので、AlxGa1-xPyAs1-y層を低屈折率層として用いることで高屈折率層との屈折率差が大きくなり、高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を少ない積層数で実現でき、また、AlxGa1-xAsでは格子整合できないが、Pを添加することでGaAs基板に完全に格子整合させることができる。
【0093】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の半導体分布ブラッグ反射鏡において、AlPyAs1-y(0<y<1)はAlxGa1-xPyAs1-y(ただし、0<x≦1,0<y<1)の中で最も屈折率の小さい材料であることから、AlPyAs1-y層(0<y<1)を低屈折率層として用いることにより、高屈折率層との屈折率差がさらに大きくなり、高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を少ない積層数で実現でき、また、AlxGa1-xAsでは完全に格子整合はできないが、Pを約4%添加することでGaAs基板に完全に格子整合させることができる。
【0094】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の半導体分布ブラッグ反射鏡において、P添加量をさらに増やすこと(AlPyAs1-yの場合、yが4%以上)で引っ張り歪を有することになるが、屈折率は格子整合する材料よりさらに小さくなることから、引っ張り歪を有するAlxGa1-xPyAs1-y層を低屈折率層として用いることにより、高屈折率層との屈折率差がさらに大きくなり、より少ない積層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を実現できる。
【0095】
請求項4記載の発明の面発光型半導体レーザによれば、少ない層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を利用するので、面発光レーザの総厚を薄くすることができ、製造が容易となる上に、面発光レーザの高さが低くなり段差が小さくなるので平坦化や配線が容易になり、また、他の素子とのモノリシック化も容易になり、また、AlxGa1-xAsでは完全には格子整合できないが、Pを添加することでGaAs基板に完全に格子整合させることができ、面発光型半導体レーザの信頼性を高くすることができる。
【0096】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の面発光型半導体レーザにおいて、AlPyAs1-yを低屈折率層として用いることで高屈折率層との屈折率差がさらに大きくなり、少ない積層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を実現でき、面発光レーザの総厚が薄くなり作製が容易になり、面発光型半導体レーザの高さが低くなり段差が小さくなるので平坦化や配線が容易になり、また、他の素子とのモノリシック化も容易になる。
【0097】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の面発光型半導体レーザにおいて、P添加量をさらに増やすことで引っ張り歪を有することになるが、屈折率は格子整合する材料よりさらに小さくなることから、引っ張り歪を有するAlxGa1-xPyAs1-y層を低屈折率層として用いることにより、高屈折率層との屈折率差がさらに大きくなり、より少ない積層数で高反射率の半導体分布ブラッグ反射鏡を実現でき、面発光型半導体レーザの総厚が薄くなり作製が容易になり、また、面発光型半導体レーザの高さが低くなり段差が小さくなるので平坦化や配線が容易になり、また、他の素子とのモノリシック化も容易になる。
【0098】
請求項7記載の発明によれば、請求項4,5又は6記載の面発光型半導体レーザにおいて、AlxGa1-xAsにPを添加することで屈折率が小さくなるとともに酸化速度が低下することから、III族がAlのみであるにもかかわらず、Pが含まれることで酸化速度を低下させることが分かったものであり、半導体分布ブラッグ反射鏡の屈折率差を小さくすることなく半導体分布ブラッグ反射鏡の酸化を抑えることができるので、半導体分布ブラッグ反射鏡の層数を増やすことなく選択酸化層による電流狭窄構造を採用でき、面発光型半導体レーザの低消費電力化と薄膜化を両立できる。
【0099】
請求項8記載の発明によれば、請求項4ないし7の何れか一に記載の面発光型半導体レーザにおいて、光を吸収しない材料で半導体分布ブラッグ反射鏡を構成する必要があるため、ワイドギャップであるGaInPを活性層に用いた可視レーザは高屈折率層として大きい屈折率の材料を用いることができないため、半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層と高屈折率層との屈折率差は小さく、積層数は0.98μm帯等の波長の長い面発光型半導体レーザに比べて多いことから、AlxGa1-xAsにPを添加し屈折率を小さくすることによる積層数低減効果は大きく、可視面発光型半導体レーザの作製が容易になる。
【0100】
請求項9記載の発明によれば、請求項4ないし7の何れか一に記載の面発光型半導体レーザにおいて、高屈折率層の屈折率が従来よりも大きくなるので、さらに積層数の低減を図ることができ、面発光型半導体レーザの製造が容易となる。
【0101】
請求項10記載の発明によれば、請求項4ないし7の何れか一に記載の面発光型半導体レーザにおいて、GaAs基板上に長波長帯面発光レーザを形成すると、従来のInP基板上に形成した場合に比べて、半導体分布ブラッグ反射鏡の積総数低減効果は大きい。しかし、それでもレーザの波長が1.3μm帯等、長い場合、半導体分布ブラッグ反射鏡の総厚は厚くなってしまうが、低屈折率層であるAlxGa1-xAsにPを添加し屈折率を小さくすることで、従来のGaAs基板上の長波長帯面発光レーザ用半導体分布ブラッグ反射鏡よりも積層数をさらに低減でき、製造が容易となる。
【0102】
請求項11記載の発明の光送信モジュールによれば、請求項4ないし10の何れか一に記載の低コストで、高品質・高信頼性に優れた面発光型半導体レーザを用いることによって、低コストで、高性能で信頼性の高い光送信モジュールを実現することができる。
【0103】
請求項12記載の発明の光送受信モジュールによれば、請求項4ないし10の何れか一に記載の低コストで、高品質・高信頼性に優れた面発光型半導体レーザを用いることによって、低コストで、高性能で信頼性の高い光送受信モジュールを実現することができる。
【0104】
請求項13記載の発明の光通信システムによれば、請求項4ないし10の何れか一に記載の低コストで、高品質・高信頼性に優れた面発光型半導体レーザを用いることによって、低コストで、高性能で信頼性の高い光通信システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一及び第二の実施の形態を示す半導体分布ブラッグ反射鏡の断面構造図である。
【図2】本発明の第三及び第四の実施の形態を示す面発光型半導体レーザの断面構造図である。
【図3】本発明の第五の実施の形態を示す半導体分布ブラッグ反射鏡の断面構造図である。
【図4】本発明の第六及び第七の実施の形態を示す半導体分布ブラッグ反射鏡の断面構造図である。
【図5】GaInNAsの屈折率特性を示す特性図である。
【図6】本発明の第八の実施の形態を示す光送信モジュールの概略構成図である。
【図7】本発明の第九の実施の形態を示す光送受信モジュールの概略構成図である。
【符号の説明】
1 半導体分布ブラッグ反射鏡
2 GaAs半導体基板
3 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
11 面発光型半導体レーザ
12 GaAs半導体基板
13 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
16 半導体分布ブラッグ反射鏡
18 活性層
21 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
24 半導体分布ブラッグ反射鏡
31 面発光型半導体レーザ
32 GaAs半導体基板
33 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
36 半導体分布ブラッグ反射鏡
38 活性層
41 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
43 半導体分布ブラッグ反射鏡
51 面発光型半導体レーザ
52 GaAs半導体基板
53 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
56 半導体分布ブラッグ反射鏡
58 活性層
61 AlxGa1-xPyAs1-y層=低屈折率部分
63 半導体分布ブラッグ反射鏡
72 光送信モジュール
74 光送受信モジュール
Claims (11)
- 屈折率が周期的に変化する構造を有して入射光を光波干渉により反射させる半導体分布ブラッグ反射鏡において、反射鏡はGaAs半導体基板上に形成され、低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部はAl,P及びAsを同時に含むAlP y As 1-y 層(ただし、0<y<1)であることを特徴とする半導体分布ブラッグ反射鏡。
- 前記低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部の格子定数が、前記半導体基板の格子定数より小さく、引っ張り歪を有することを特徴とする請求項1記載の半導体分布ブラッグ反射鏡。
- 半導体基板上に、少なくとも光を発生する活性層と、レーザ光を得るために前記活性層の上部及び下部に設けられた反射鏡と、を含む共振器構造を有する面発光型半導体レーザにおいて、前記半導体基板はGaAs半導体基板であり、少なくとも一方の前記反射鏡は屈折率が周期的に変化する構造を有し入射光を光波干渉により反射させる半導体分布ブラッグ反射鏡を含み、前記半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部はAl,P及びAsを同時に含むAlP y As 1-y 層(ただし、0<y<1)であることを特徴とする面発光型半導体レーザ。
- 前記低屈折率部分を形成する半導体の少なくとも一部の格子定数が、前記半導体基板の格子定数より小さく、引っ張り歪を有することを特徴とする請求項3記載の面発光型半導体レーザ。
- Al,Asを主成分としたAlAsを選択的に酸化した開口部を有する電流狭窄用酸化層を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の面発光型半導体レーザ。
- 前記半導体分布ブラッグ反射鏡の高屈折率半導体層がAlGaAs層であり、前記活性層がGaInP層であることを特徴とする請求項3ないし5の何れか一に記載の面発光型半導体レーザ。
- 前記半導体分布ブラッグ反射鏡の高屈折率半導体層がGaxIn1-xNyAs1-y層(ただし、0<x≦1,0<y<1)であることを特徴とする請求項3ないし5の何れか一に記載の面発光型半導体レーザ。
- 前記活性層がGaInNAs,GaInAs,GaAsSbの何れかにより形成されていることを特徴とする請求項3ないし5の何れか一に記載の面発光型半導体レーザ。
- 請求項3ないし8の何れか一に記載の面発光型半導体レーザを光源として備えることを特徴とする光送信モジュール。
- 請求項3ないし8の何れか一に記載の面発光型半導体レーザを光源として備えることを特徴とする光送受信モジュール。
- 請求項3ないし8の何れか一に記載の面発光型半導体レーザを光源として備えることを特徴とする光通信システム。
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