JP4666967B2 - 半導体発光素子、面発光型半導体レーザ、面発光型半導体レーザアレイ、光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システム - Google Patents
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Description
本実施の形態は、本発明の半導体発光素子の原理的構成例及びその動作例に関するものである。
まず、本実施の形態の半導体発光素子は、第一の構成例として、窒素(N)と他のV族元素とを同時に含んだ量子井戸活性層とその下層及び上層に形成された下層障壁層及び上層障壁層とからなる活性層を有する半導体発光素子において、下層障壁層及び上層障壁層は、量子井戸活性層と同様に、窒素(N)と他のV族元素とを同時に含み、かつ、上層障壁層のN組成が下層障壁層のN組成よりも大きい構成とされている。
本実施の形態の半導体発光素子は、第二の構成例として、障壁層にNを添加することで、GaAsに対して引張り歪み層とすることができる。圧縮歪みの量子井戸活性層を用いた場合に、歪補償構造を形成可能であり、歪みの低減効果により、素子の信頼性が向上する。
本実施の形態の半導体発光素子は、第三の構成例として、上述した第一又は第二の構成例の半導体発光素子を、具体的には、例えば面発光型半導体レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser :垂直キャビティ面発光型半導体レーザ素子)として構成したものである。
本実施の形態の半導体発光素子は、第四の構成例として、面発光型半導体レーザに関するものであり、GaAs基板上に、窒素(N)と他のV族元素とを同時に含んだ量子井戸活性層とその下層及び上層に形成された下層障壁層及び上層障壁層とからなる活性層と、当該活性層の上層及び下層に設けられた上層反射鏡及び下層反射鏡を含む共振器構造を有する面発光型半導体レーザにおいて、下層障壁層及び上層障壁層は、窒素(N)と他のV族元素とを同時に含み、上層障壁層のN組成が下層障壁層のN組成よりも大きく、かつ、反射鏡と活性層との間のスペーサ層は主にGaAsよりバンドギャップの大きい材料からなることを特徴とする。
本発明の第二の実施の形態を図1に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第一の構成例の半導体発光素子をより具体化した構成例に関するものである。図1は、本実施の形態のGaInNAs端面発光型半導体レーザの構造例を示す原理的断面図である。なお、図1に示す例では、リッジストライプ型レーザとなっており、かつ、図1に示すGaInNAs端面発光型半導体レーザは、層構造としてはSCH−DQW(Separate Confinement Heterostructure Double Quantum Well)構造である。
本発明の第三の実施の形態を図2に基づいて説明する。図1で示した部分と同一又は対応する部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。本実施の形態は、前述の第二の構成例の半導体発光素子をより具体化した構成例に関するものである。図2は、本実施の形態のGaInNAs端面発光型半導体レーザの構造例を示す原理的断面図である。本実施の形態が第二の実施の形態と異なる点は、活性層(井戸層)9を1層とし、その上下に形成した引張り歪みを有する下層障壁層及び上層障壁層10a,10cをGaNPAsとした点である。量子井戸活性層9に対して下層に位置する下層障壁層10aのN組成は0.3%、P組成は7%、上層障壁層10cのN組成は1.5%、P組成は7%とした。
本発明の第四の実施の形態を図3に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第三の構成例の半導体発光素子、即ち、面発光型半導体レーザをより具体化した構成例に関するものである。図3は、本実施の形態のGaInNAs面発光型半導体レーザの構造例を示す原理的断面図である。
本発明の第五の実施の形態を図4に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第四の構成例の面発光型半導体レーザをより具体化した構成例に関するものである。図4は、本実施の形態のGaInNAs面発光型半導体レーザの構造例を示す原理的断面図である。本実施の形態が、第四の実施の形態と異なる点は、スペーサ層23,27に代えて、スペーサ層36,37をGaInPとしたことである。
本発明の第六の実施の形態を図5に基づいて説明する。本実施の形態は、前述したような面発光型半導体レーザを利用した面発光型半導体レーザアレイに関する。図5は本実施の形態の面発光型半導体レーザアレイの構成例を示す原理的な平面図である。
本発明の第七の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の第六の実施の形態で説明した面発光型半導体レーザアレイ41を光源として安価なシリカファイバ(光ファイバ)51とを組み合わせた光送信モジュール52への適用例を示し、図6はその構成例を示す概要図である。
本発明の第八の実施の形態を図7に基づいて説明する。本実施の形態は、前述したような面発光型半導体レーザ43を光源とし、受信用フォトダイオード61を受光素子とし、光ファイバ62と組み合わせた光送受信モジュール63への適用例を示し、図7はこの光送受信モジュール63の構成例を示す概要図である。
9 量子井戸活性層
10a 下層障壁層
10c 上層障壁層
21 GaAs基板
22 下層反射鏡
23 スペーサ層
24 量子井戸活性層
25a〜25c 下層障壁層
25d 上層活性層
26 活性層
27 スペーサ層
36,37 スペーサ層
41 面発光型半導体レーザアレイ
43 面発光型半導体レーザ
Claims (10)
- 窒素(N)と他のV族元素とを同時に含んだ量子井戸活性層とその下層及び上層に形成された下層障壁層及び上層障壁層とからなる活性層を有する半導体発光素子において、
前記下層障壁層及び上層障壁層は、前記下層障壁層及び上層障壁層の組成が、少なくとも、GaNAs、GaNPAs、GaInNAs、GaInNPAs、GaNAsSb、GaNPAsSb、GaInNAsSb、GaInNPAsSbの何れか一つであり、かつ、前記上層障壁層のN組成が前記下層障壁層のN組成よりも大きい、ことを特徴とする半導体発光素子。 - 前記活性層は、多重量子井戸構造からなり、最下層となる量子井戸層の下層に形成される下層障壁層のN組成より、最上層となる量子井戸活性層の上層に形成される上層障壁層のN組成が大きいことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
- 前記量子井戸活性層は、圧縮歪を有し、
前記障壁層は、引っ張り歪を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発光素子。 - 当該半導体発光素子は、前記活性層の上層及び下層に上層反射鏡及び下層反射鏡が設けられた共振器構造を有する面発光型半導体レーザであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の半導体発光素子。
- GaAs基板上に、窒素(N)と他のV族元素とを同時に含んだ量子井戸活性層とその下層及び上層に形成された下層障壁層及び上層障壁層とからなる活性層と、当該活性層の上層及び下層に設けられた上層反射鏡及び下層反射鏡を含む共振器構造を有する面発光型半導体レーザにおいて、
前記下層障壁層及び上層障壁層は、前記下層障壁層及び上層障壁層の組成が、少なくとも、GaNAs、GaNPAs、GaInNAs、GaInNPAs、GaNAsSb、GaNPAsSb、GaInNAsSb、GaInNPAsSbの何れか一つであり、前記上層障壁層のN組成が前記下層障壁層のN組成よりも大きく、かつ、前記反射鏡と前記活性層との間のスペーサ層は主にGaAsよりバンドギャップの大きい材料からなる、ことを特徴とする面発光型半導体レーザ。 - 前記GaAsよりバンドギャップの大きい材料は、GaInP(As)又はAlGaAsであることを特徴とする請求項5記載の面発光型半導体レーザ。
- 請求項4又は5記載の面発光型半導体レーザが同一基板上に複数個配列させて搭載されていることを特徴とする面発光型半導体レーザアレイ。
- 請求項4又は5記載の面発光型半導体レーザ又は請求項7記載の面発光型半導体レーザアレイを光源として備えることを特徴とする光送信モジュール。
- 請求項4又は5記載の面発光型半導体レーザ又は請求項7記載の面発光型半導体レーザアレイを光源として備える光送受信モジュール。
- 請求項4又は5記載の面発光型半導体レーザ又は請求項7記載の面発光型半導体レーザアレイを光源として備えることを特徴とする光通信システム。
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