JP3780665B2 - 面発光型半導体レーザの製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は面発光半導体レーザ技術に係り、特に、簡単な素子作製工程で作製でき、低しきい値電流でレーザ発信することが可能な面発光半導体レーザおよびそれを用いた光送信モジュールならびにシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、面発光型の半導体レーザは、半導体基板の表面から垂直な方向にレーザ光を放射するので2次元集積化に適しており、また、光ファイバとの結合や、ウエハ単位の素子検査が容易であるといった優れた特徴を有している。
面発光半導体レーザは、一般に、光を発生する活性層と当該活性層を上下に挟んで配置された上部の反射鏡と下部の反射鏡とからなる光共振器をもって形成されている。面発光半導体レーザの光共振器の長さは著しく短いため、レーザ発振を起こすためには活性層を上下に挟む反射鏡の反射率を極めて高い値(99%以上)に設定する必要がある。
【0003】
面発光半導体レーザでは、通常、2種類の屈折率の異なる半導体を4分の1波長の周期で交互に積み重ねることにより形成した多層膜反射鏡が主として使用されている。多層膜反射鏡に用いられる2種類の半導体材料には、少ない積層数で高反射率を得るため、両者の屈折率差ができるだけ大きいこと、また材料が半導体結晶の場合、格子不整合転位の抑制のため、基板材料と格子整合していることが好ましい。現状では、基板材料としてガリウム砒素(GaAs)、上述した2種類の屈折率の異なる半導体のうち、低屈折率半導体層としてアルミニウム砒素(AlAs)、高屈折率半導体層としてGaAsを用いる組み合わせが上記条件を満たす最も良好な組み合わせと考えられており、既に面発光半導体レーザとして実用化されている。
【0004】
今後、面発光半導体レーザを大規模な2次元並列レーザアレイ等に応用していくには、消費電力のさらなる低減が必要不可欠であるが、そのためにはレーザ発振が開始する電流(しきい値電流)の低減が必要である。面発光半導体レーザのしきい値電流は活性層の体積に比例する。よって、いかに微小な領域に電流を狭窄できるかが低しきい値電流化への鍵となっている。ところが、従来の半導体作製プロセスを利用した微細加工技術では、素子直径10μm以下の領域において素子側面での光損失の影響が大きくなり、しきい値電流の低減は限界に達していることがわかってきた。
【0005】
エレクトロニクス レター 1994年 第31巻 第1946頁に、面発光半導体レーザ構造にAlAs層を導入し、素子分離後にAlAs層を素子側面部から選択的に酸化し、AlxOy絶縁層に変化させることで、中央に残った微小なAlAs領域に電流を狭窄し、低しきい値電流でのレーザ発振に成功したことが報告されている。本AlAs層は電流狭窄層と呼ばれる。その後、この選択酸化技術を応用し、活性層にガリウムインジウム砒素(GaInAs)/GaAsを用いた面発光半導体レーザにおいて、10〜20μAという非常に低いしきい値電流でのレーザ発振が報告されるに至っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにAlAs層の選択酸化による電流狭窄は、面発光半導体レーザの低しきい値電流化に向けて最も有望な技術であり、これにより面発光半導体レーザのしきい値電流をnA台に低減することが期待されている。選択酸化構造を有する面発光半導体レーザ素子の作製は、通常、以下のような工程で行われている。
【0007】
まず最初に、電流狭窄層用のAlAs層直上のGaAs層までエッチングする。次に、SiO2マスクにより上部反射鏡側面を保護し、該AlAs層下まで再エッチングして素子分離する。続いて該AlAs層を両側から選択酸化を行ってAlAs電流狭窄層を形成し、最後に上部反射鏡を保護しているSiO2マスクを除去する。ここで、上部反射鏡をSiO2マスクにより保護するのは、上部反射鏡の低屈折率半導体層に用いられているAlAs層の酸化による特性劣化を抑制するためである。
【0008】
上記工程の最初のエッチング処理では、電流狭窄層となるAlAs層直上のGaAs層で正確に停止させなければならない。しかしながら、これは、エッチング深さ数μmに対し、±0.05μm以内という非常に高いエッチング精度を必要とするため、素子の歩留まりが低くなるという問題があった。その対策として、上記GaAs層を厚めに設計すればよいと考えられるが、その場合には活性層における光学的設計が最適値からずれ、良好な素子特性が期待できなくなる。
このように、従来技術では、電流狭窄層をAlAs層あるいは微小なGa組成を有するAlGaAs層の選択酸化技術を使用して作製する場合、上部反射鏡の低屈折率半導体層としてAlAsあるいは微小なGa組成を有するAlGaAsを用いた場合に素子構造を大きく変化させることなく、電流狭窄層のみを歩留まりよく酸化させることはできなかった。
【0009】
従って、本発明の目的は、電流狭窄層をAlAs層あるいは微小なGa組成を有するAlGaAs層の選択酸化技術を使用して作製する場合、上部反射鏡の低屈折率半導体層としてAlAsあるいは微小なGa組成を有するAlGaAsを用いた場合にも、電流狭窄層直上で精度よくエッチングを停止させ、歩留まりを向上することが可能な、低しきい値電流でレーザ発振する構造を有する面発光半導体レーザおよびそれを用いた光送信モジュールならびにシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の面発光半導体レーザは、上部反射鏡と電流狭窄層との間にエッチング停止層を導入したことを特徴としている。エッチング停止層としては、上部反射鏡を形成する材料とは異なる半導体材料または該半導体材料を含む半導体多層膜構造を採用する。
【0011】
具体的には、結晶基板がGaAs基板、上部反射鏡の低屈折率半導体層がAlAsあるいは微小なGa組成を有するAlGaAs、高屈折率半導体層がGaAsあるいは微小なAl組成のAlGaAs、そして電流狭窄層がAlAsあるいは微小なGa組成のAlGaAsから構成される面発光半導体レーザにおいて、上部反射鏡と電流狭窄層との間に、エッチング停止層として燐(P)系の化合物半導体材料であるガリウムインジウム燐(GaInP)、あるいはアルミニウムインジウム燐(AlInP)、あるいはアルミニウムガリウムインジウム燐(AlGaInP)の単層、あるいはそれらの層を少なくとも1層含む半導体多層膜を導入する。
【0012】
また、本発明の光送信モジュールは、上記構成の面発光半導体レーザを例えば2次元アレイ状に並べて光源として用いて構成したことを特徴としている。さらに、本発明のシステムは、上記構成の面発光半導体レーザを光源とし例えば光ファイバを介して通信するようにした通信システム、または、上記構成の面発光半導体レーザ(光送信モジュール)を用いて複数の情報処理装置を接続した情報処理システム(例えば上記構成の光送信モジュールを用いて複数のコンピュータを接続して並列処理を可能にした情報処理システム)であることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明構造を用いた面発光半導体レーザの作製工程の概略を示す図である。
本発明における具体的な面発光半導体レーザ素子の構造は、図1(第1の実施例)および図2(第2の実施例)に示す如きものであり、図3はその両方を作製する場合の作製工程を示している。詳細は後述するが、図1(第1の実施例)は、エッチング停止層としてGaInP単層膜を導入し、上部反射鏡直上に電極を形成したトップ電極による電流注入構造の例であり、図2(第2の実施例)は、エッチング停止層としてGaInP単層膜を導入し、リング状電極を形成したリング電極による電流注入構造の例である。
【0014】
基板1上に、下部多層膜反射鏡2,障壁層4,井戸層5,障壁層4,電流狭窄層7,スペーサ11,エッチング停止層12,スペーサ11,上部多層膜反射鏡10を結晶成長させる(形成順序は第1の実施例と第2の実施例で異なる)。
結晶成長の後(a)、二酸化珪素(SiO2)マスクにより選択エッチングを施す(b)。エッチング液として、硫酸(H2SO4):過酸化水素水(H22):水(H2O)を混合した液を用いれば、上部多層膜反射鏡10のみエッチングし、エッチング停止層として働くGaInP層でエッチングを停止させることが可能である。
【0015】
このようにして形成されたメサ構造に、上部反射鏡側面も保護されるようにSiO2マスクを施し、本マスクによるメサエッチングを行い(c)、その後選択酸化を行う(d)。このとき、上部反射鏡側面はSiO2マスクより完全に保護されているため、低屈折率半導体層として用いられているAlAsあるいは微小なGa組成を有するAlGaAsの酸化は全く進行しない。また、エッチング停止層として用いたGaInPはほとんど酸化されない材料である。よって、電流狭窄層(AlAsまたはAlGaAsからなる)7の両側のみを酸化することができ、従来より簡単な作製工程で、かつ、高歩留まりでの素子作製が可能となる。
【0016】
その後は、通常の面発光半導体レーザの作製工程と同様に、SiO2保護層3、ポリイミド13の順に形成する。この後、トップ電極形成の場合(第1の実施例)には、ポリイミドを上部反射鏡上部のSiO2が露出するまでエッチングして平坦化しSiO2マスクを除去した後(e)トップ電極9を形成する(f)。また、リング状電極形成の場合(第2の実施例)には、ポリイミド13を上部反射鏡下部までエッチングして平坦化し(g)、リング状電極9を形成する。なお、図3では両方の電極形成工程を説明する便宜上、コンタクト層の描写は割愛してある。
【0017】
本発明の面発光半導体レーザは、光ファイバー通信に適合した発振波長の活性層材料を用いることで、その光源として利用することが可能である。また、2次元に集積してアレイ素子とし、同素子を用いて光送信モジュールを形成することが可能である。また、その光送信モジュールを用いてコンピューター間を結び、並列情報処理装置を構成することが可能である。
【0018】
以下、第1の実施例および第2の実施例の面発光半導体レーザ素子の具体的構成、該面発光半導体レーザを光送信モジュールに用いた第3の実施例、さらにこの光送信モジュールを情報処理装置に適用した第4の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施例)
第1の実施例は、本発明の構造をトップ電極による電流注入型面発光半導体レーザに応用した例である。
図1は、本発明の第1の実施例の面発光半導体レーザの素子構造を示す図である。本実施例における活性層はガリウムインジウム窒素砒素(Ga(0.7)In(0.3)N(0.01)As(0.99))/GaAs量子井戸構造とした。本素子構造の作製には、精密な膜厚制御や材料の瞬時の切り替えが必要であること、また、Ga(0.7)In(0.3)N(0.01)As(0.99)における窒素(N)の導入には、非平衡状態での成長法が適しているという点でMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)法やMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法等が適している。
【0020】
ここでは成長方法をガスソースMBE(Gas Source−Molecular Beam Epitaxy)法とする。本実施例ではIII族元素の供給源として、金属Ga、金属インジウム(In)、金属アルミニウム(Al)を用い、V族元素の供給源として、砒素(As)に関してはアルシン(AsH3)、燐(P)に関してはフォスフィン(PH3)を用いた。また、n型不純物としてシリコン(Si)、p型不純物として四臭化炭素(CBr4)を用いた。なお、p型不純物としてベリリウム(Be)を用いてもよい。NについてはN2ガスをRFプラズマ励起したNラジカル(活性種)を使用した。なお、窒素プラズマの励起は、その他にECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)プラズマを用いても行うことができる。
【0021】
作製する半導体基板はn型のGaAs基板1(n型不純物濃度=1×1018cm-3)を用いる。AsH3供給下のAs雰囲気において、基板を昇温した後、基板上にn型AlAs/n型GaAs(n型不純物濃度=1×1018cm-3)による下部多層膜反射鏡2を25周期積層した。その膜厚は、それぞれ半導体中で1/4波長厚になるようにした。その後、ノンドープGaAs障壁層4を成長する。次に、NラジカルとAsH3を供給しながらGaとInを供給し、膜厚7nmのノンドープGa(0.3)In(0.7)N(0.01)As(0.99)井戸層5を形成する。続いて、Nラジカルの供給を止め、ノンドープGaAs障壁層4、p型AlAs電流狭窄層7(p型不純物濃度=5×1017cm-3)の順に形成する。
【0022】
ここで、量子井戸活性層と電流狭窄層の厚みをそれぞれ1波長および4分の1波長とした。下部p型GaAsスペーサー層11(p型不純物濃度=5×1017cm-3)を形成した後、AsH3からPH3へのガス切り替えを行い、厚さ10nmのp型GaInPエッチング停止層12(p型不純物濃度=5×1017cm-3)を形成する。終了後、今度はPH3からAsH3へのガス切り替えを行い、上部p型GaAsスペーサー層11(p型不純物濃度=5×1017cm-3)を形成した。これら下部p型GaAsスペーサー層、p型GaInPエッチング停止層12、上部p型GaAsスペーサー層11の合計の厚みは4分の1波長に調節した。
【0023】
続いて、p型AlAs/p型GaAs(p型不純物濃度=5×1017cm-3)による上部多層膜反射鏡10を15周期積層した。その膜厚は、それぞれ半導体中で1/4波長厚になるようにした。
【0024】
最後にp型GaAsコンタクト層8(p型不純物濃度=5×1019cm-3)を成長した。このようにして作製された膜に、図3の工程を施し面発光半導体レーザを作製する。最初に、SiO2マスクにより選択エッチングを行う。エッチング液としては、H2SO4:H22:H2Oを混合した液を用いる。形成されたメサ構造に、上部反射鏡側面も保護されるようにSiO2マスクを施す。次に、本マスクによるメサエッチング、そして選択酸化を行う。AlAs層電流狭窄層7はこの工程により、側面部分がAlxOy絶縁層6に変化する。その後は、SiO2保護層3、ポリイミド13の順に形成する。
【0025】
この後、ポリイミド13を、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法により上部反射鏡上部のSiO2が露出するまでエッチングして平坦化した。最後に、SiO2マスクを除去してp側表面電極9、n側裏面電極14を形成し、素子として完成した。作製した素子は、電流が流れるAlAs電流狭窄層の未酸化の領域が直径約5μmの場合に、閾値電流が0.1mAで室温において連続発振した。その発振波長は1.3μmであった。
【0026】
本面発光半導体レーザ素子の波長は、光ファイバー通信で用いられる波長帯と一致する。従って、本面発光半導体レーザ素子単体を光ファイバ通信の光源として用いることにより、簡単な工程で製作でき、低いしきい値電流(従って低消費電力)で発振するレーザ光源の光通信システムを実現できる。
【0027】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例は、本発明の構造をリング状電極による電流注入型面発光半導体レーザに応用した例である。
図2は、本発明の第2の実施例の面発光半導体レーザの素子構造を示す図である。本実施例では電流狭窄層は活性層の下部に配置している。活性層はGa(0.8)In(0.2)As/GaAs歪量子井戸構造である。本素子構造の作製にはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法を用いる。本形態例ではIII族元素であるGa、In、Alの供給源として、それぞれ有機金属のトリメチルガリウム(TEG)、トリメチルインジウム(TMI)そしてトリメチルアルミニウム(TMA)を用い、V族元素の供給源として、AsH3、PH3を用いた。また、n型不純物としてシラン(SiH4)、p型不純物としてジエチルジンク(DEZn)を用いた。
【0028】
作製する半導体基板はn型のGaAs基板1(n型不純物濃度=1×1018cm-3)を用いる。AsH3供給下のAs雰囲気において、基板を昇温した後、基板上にn型AlAs/n型GaAs(n型不純物濃度=1×1018cm-3)による下部多層膜反射鏡2兼電流狭窄層7を25周期積層した。その膜厚は、それぞれ半導体中で1/4波長厚になるようにした。その後、ノンドープGaAsスペーサー層11、厚さ10nmのノンドープGaInPエッチング停止層12の順に形成した。それらの層の厚みの合計は半導体中で1/4波長厚になるようにした。
【0029】
続いて、下部ノンドープGaAs障壁層4、膜厚7nmのノンドープGa(0.8)In(0.2)As井戸層5、上部ノンドープGaAs障壁層4の順に形成した。これら量子井戸活性層の合計の膜厚は、1波長とした。その後、1/4波長厚のp型GaAsコンタクト層8(p型不純物濃度=2×1018cm-3)を形成した。引き続いて、ノンドープAlAs/GaAsによる上部多層膜反射鏡10を15周期積層した。
【0030】
このようにして作製された膜に、SiO2及びレジストをマスクに用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法によるドライエッチングと、H2SO4:H22:H2Oを混合した液を用いたウエットエッチングとを組み合わせて、エッチング停止層12までエッチングを施した。ドライエッチングとウエットエッチングとの組合せにより、より円柱に近い形状のメサ構造を作製できた。形成されたメサ構造に、上部多層膜反射鏡10と活性層側面が保護されるようにSiO2マスクを施す。
【0031】
次に、本マスクを用いて下部多層膜反射鏡2の上部をメサエッチングし、続いて選択酸化を行った。下部多層膜反射鏡2上部におけるAlAs層は、この工程により、側面部がAlxOy絶縁層6に変化する。この場合、酸化される領域は2〜3周期程度なので、それによる素子特性の劣化はほとんど無視できる。その後は、SiO2保護層3、ポリイミド13の順に形成する。この後、ポリイミドをRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法により上部反射鏡下部までエッチングして平坦化し、リング状のp側電極9とn側裏面電極14を形成し、素子として完成した。試作した素子は波長0.98μmで室温連続発振した。
【0032】
上記第1の実施例および第2の実施例では、電流狭窄層7としてAlAsを用いた例を示したが、微小なGa組成を有するAlGaAsの場合にも本発明の効果が得られる。
【0033】
(第3の実施例)
図4は、本発明の第3の実施例を説明するための図である。
前述したように、今後、面発光半導体レーザを大規模な2次元並列レーザアレイ等に応用していくには、消費電力のさらなる低減が必要不可欠であるが、本発明の構造の面発光半導体レーザにおいては、微小な領域に電流を狭窄できる電流狭窄層を簡単な工程で形成することができるため、低しきい値電流化(従って低消費電力化)が達成でき、これを2次元アレイ状に配列して光源とした光送信モジュールを構成するのに好適である。
【0034】
本発明の第3の実施例は、本発明の面発光半導体レーザを用いた光送信モジュールを提案するものであり、図4に示すように、上述した面発光半導体レーザを2次元的に並列集積化したアレイ素子と、各面発光半導体レーザを駆動する回路を集積したチップ23と光ファイバー束(16本)24とを組み合わせて光送信モジュールを形成したものである。図4において、21は面発光型半導体レーザ、22はレーザアレイ素子、23は駆動回路、24は光ファイバー束、25は光コネクタを示す。各面発光型半導体レーザは200Mb/秒の信号を伝送する。よって、モジュール全体では200Mb/秒×16=3.2Gb/秒の信号を伝送することができる。
【0035】
(第4の実施例)
図5は、本発明の第4の実施例を説明するための図である。
本発明の第4の実施例は、図5に示すように、上述した光送信モジュールを複数用いて複数のコンピュータを接続した並列情報処理システムである。図5は2つのコンピュータ35および45を光ファイバ束36で接続して相互に通信可能にし、2つのコンピュータで並列的に情報処理を可能にした並列情報処理システムを示している。
【0036】
本実施例において、コンピュータ35および45はそれぞれ、自コンピュータで生成された電気信号を光信号に変換して他コンピュータに送出する送信モジュール31および41を有する送信ボード33および43、他コンピュータから受信した光信号を電気信号に変換する受信モジュール32および42を有する受信ボード34および44を具備している。本実施例においては、送信モジュール31および41として図4に示す如き光送信モジュールが用いられる。本実施例によると、両コンピュータ間で、3.2Gb/秒×6=19.2Gb/秒の信号を伝送することができる。
【0037】
次に、上記各実施例の変形例について検討しておく。
上述した本発明のエッチング停止効果は、エッチング停止層として、上述したGaInP単層の他に、AlInP層、あるいはAlGaInP層の単層、さらにはこれらの層を含む半導体多層膜(例えば、上記各材料とGaAsの1周期以上の積層)を用いた場合にも得られる。
また、本発明に用いる電流狭窄層は、活性層と上部反射鏡との間に形成されても、活性層と基板の間に形成されても、さらには、活性層を挟んで両側に形成されても有効である。
【0038】
本発明の面発光半導体レーザにおいては、活性領域における量子井戸層として、ガリウムインジウム砒素(GaInAs)、あるいはガリウムインジウム窒素砒素(GaInNAs)等の、GaAs基板上にスードモルフィックに形成可能な材料を用いることができる。ここでいうスードモルフィックとは、GaAs基板との格子不整合転位の発生を抑制可能な程度の薄い膜厚の場合を意味する。
【0039】
本発明の面発光半導体レーザの半導体多層膜反射鏡は、基板上に安定して結晶成長させることが可能であるため、CBE(Chemical Beam Epitaxy:化学線エピタキシー)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)法またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法のいずれの手法を用いても作製することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、電流狭窄層をAlAs層あるいは微小なGa組成を有するAlGaAs層の選択酸化技術を使用して作製する場合、上部反射鏡の低屈折率半導体層としてAlAsあるいは微小なGa組成を有するAlGaAsを用いた場合にも、上部反射鏡と電流狭窄層との間にエッチング停止層として燐系の化合物半導体層、あるいは該化合物半導体を少なくとも1層を含む多層膜層を導入することにより、電流狭窄層直上で精度よくエッチングを停止させ、歩留まりを向上することが可能な、また、低しきい値電流(低電力消費)でレーザ発振する構造を有する面発光半導体レーザおよびそれを用いた光送信モジュールならびにシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の面発光半導体レーザの素子構造を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例の面発光半導体レーザの素子構造を示す図である。
【図3】本発明の構造を用いた面発光半導体レーザの作製工程の概略を示す図である。
【図4】本発明の面発光半導体レーザ素子構造を用いた本発明の第3の実施例の光送信モジュールを示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例の並列情報処理システムを説明するための図である。
【符号の説明】
1:半導体基板、2:下部多層膜反射鏡、3:SiO2保護層、4:障壁層、5:井戸層、6:AlxOy絶縁層、7:電流狭窄層、8:高濃度コンタクト層、9:表面電極、10:上部多層膜反射鏡、11:スペーサー層、12:エッチング停止層、13:ポリイミド、14:裏面電極、21:面発光型半導体レーザ、22:レーザアレイ素子、23:駆動回路、24:光ファイバー束、25:光コネクタ、31,41:光送信モジュール、32,42:受信モジュール、33,43:送信ボード、34,44:受信ボード、35,45:コンピューター、36:光ファイバー束。

Claims (5)

  1. 次の工程を有する面発光型半導体レーザの製造方法。
    (A)基板上に下部多層膜反射鏡層、活性層、電流狭窄層、エッチング停止層および上部多層膜反射鏡層を形成する工程、
    (B)前記上部多層膜反射鏡層の一部に第1のマスクを設け、前記第1のマスクをマスクとしてエッチングを行い、前記エッチング停止層で前記エッチングを停止させることによりメサ構造の上部多層膜反射鏡を形成する工程、
    (C)前記メサ構造の上部多層膜反射鏡の側面に第2のマスクを設け、前記第1および第2のマスクでマスクされた前記上部多層膜反射鏡をマスクとして前記電流狭窄層よりも上部の層から前記電流狭窄層まで、前記前記電流狭窄層側面が露出するようにメサエッチングを行う工程、
    (D)前記メサ構造の上部多層膜反射鏡に前記第1および第2のマスクをした状態で、前記電流狭窄層の中心部は酸化させずに周辺部を選択的に酸化を行うことにより電流狭窄構造を形成する工程。
  2. 次の工程を有する面発光型半導体レーザの製造方法。
    (A)基板上に下部多層膜反射鏡層、活性層、Al材料を含む電流狭窄層、エッチング停止層およびAl材料を含む上部多層膜反射鏡層を形成する工程、
    (B)前記上部多層膜反射鏡層の一部に第1のマスクを設け、前記第1のマスクをマスクとしてエッチングを行い、前記エッチング停止層で前記エッチングを停止させることによりメサ構造の上部多層膜反射鏡を形成する工程、
    (C)前記メサ構造の上部多層膜反射鏡の側面に第2のマスクを設け、前記第1および第2のマスクでマスクされた前記上部多層膜反射鏡をマスクとして前記電流狭窄層よりも上部の層から前記電流狭窄層まで、前記前記電流狭窄層側面が露出するようにメサエッチングを行う工程、
    (D)前記メサ構造の上部多層膜反射鏡に前記第1および第2のマスクをした状態で、前記電流狭窄層の側面から酸化を進行させることにより、前記電流狭窄層の中心部は酸化させずに周辺部を選択的に酸化を行って電流狭窄構造を形成する工程。
  3. 前記Al材料を含む電流狭窄層の材料はアルミニウム砒素又はアルミニウムガリウム砒素であることを特徴請求項2記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  4. 前記基板材料はGaAsであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  5. 前記エッチング停止層に燐系の化合物半導体材料を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
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