JP4043411B2 - 重金属類含有灰の不溶化方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重金属類含有灰の不溶化方法に関し、セレン,6価クロム,水銀,ヒ素,カドミウム等の重金属類を含有する汚染土壌、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰等から溶出する重金属類を土壌環境基準値以下に抑える技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、土壌環境基準を満たすように下水汚泥焼却灰における重金属類(特にヒ素、セレン)の溶出を防止する技術として、溶融、焼成、消石灰の添加等があり、鉄化合物の溶液を添加して混練した後、所定期間放置し、その後加熱処理する方法もある。また、都市ゴミや各種産業廃棄物及び下水し尿処理汚泥の焼却灰に含有されたヒ素を不溶化する方法として、灰に2価鉄化合物を添加し、混練処理することでヒ素を固定化し、不溶出化するものがある(例えば特許文献1参照)。また、灰に第一鉄塩を添加し、混練することにより、あるいは重金属固定剤を添加、混練することにより、セレン含有灰からのセレンおよび他の重金属類の溶出を防止するものがある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−128275号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2001−246348号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような溶融や焼成では焼却灰を1000℃以上の高温に加熱するため、燃料費が高くなる。
【0006】
また、消石灰を添加する方法は、ヒ素とセレンのアルカリ土類金属との塩(ヒ酸カルシウムやセレン酸カルシウム等)がアルカリ性側で溶解度が低くなる特性を利用してヒ素とセレンの溶出を抑制するものである。この方法では現行の環告46号法による溶出試験では土壌環境基準を満足するが、酸性条件下や酸性溶液による溶出試験(例、炭酸飽和法、炭酸連続法)ではヒ素とセレンの溶出を抑えられない。
【0007】
さらに、鉄化合物の溶液を添加して混練した後、所定期間放置し、その後加熱処理する方法では、環告46号法や酸性溶液による溶出試験でもヒ素とセレンの溶出を抑えられるが、性状の悪い焼却灰ではこの処理により新たにカドミウムが溶出してきてしまう。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するものであり、環告46号法による溶出試験および酸性条件下において土壌環境基準値を満たすように、簡易に効率よく安いコストで重金属類含有灰中の重金属類を不溶化処理してその溶出を防止する重金属類含有灰の不溶化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰にチオ硫酸化合物の溶液を添加して混練し、その後、重金属類含有灰を150〜300℃の加熱温度で第1の加熱処理するものである。
【0010】
これによると、チオ硫酸化合物は重金属類の溶出形態の化合物を難溶性形態にまで還元する還元剤として作用する。すなわち、チオ硫酸化合物が溶液として重金属類含有灰に添加された場合、その加熱分解により生じる二酸化硫黄や硫化水素によって重金属類が還元されて不溶化可能な形態となる。例えば、6価のセレン酸イオンや4価の亜セレン酸イオンが0価のセレンに還元されて不溶態となる。また、6価クロムが3価クロムに還元されることにより、6価クロムの溶出が抑えられる。さらに、水銀は上記硫化水素と反応して不溶態の硫化水銀となる。
【0011】
これにより、重金属類含有灰に含有されるセレンや6価クロム,水銀の溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。
また、従来の溶融や焼成を用いた方法では重金属類含有灰を1000℃以上の高温に加熱しているが、これに比べて低い加熱温度で重金属類含有灰中の重金属類を不溶化処理することが可能であるため、加熱処理に要する燃料費を低減することができる。
本第2発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰にチオ硫酸化合物の溶液を添加して、混練と150〜300℃の加熱温度での第1の加熱処理とを同時に行うものである。
本第3発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰を第1の加熱処理した後、重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加して混練するものである。
【0012】
これによると、2価の鉄化合物である硫酸第一鉄は重金属類含有灰中の重金属類と難溶性化合物を形成する不溶化剤として作用する。すなわち、2価の鉄化合物である硫酸第一鉄の添加によって、ヒ素や上記チオ硫酸化合物により還元された4価の亜セレン酸イオンが不溶化され、これらは鉄と難溶性塩とを生成する。
【0013】
また、2価の鉄化合物である硫酸第一鉄が酸性の薬剤の場合、この薬剤の添加率が多いと、酸性でカドミウムが溶出してしまう。これに対して、鉄化合物を添加する前に、チオ硫酸化合物を添加して加熱する工程を経ることにより、上記薬剤の添加率を減らすことができ、上記カドミウムの溶出を抑えることができる。
【0014】
これにより、重金属類含有灰に含有されるセレンや6価クロム,水銀に加えてヒ素やカドミウムの溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。
【0015】
さらに、重金属類含有灰に2価の鉄化合物である硫酸第一鉄を添加するより先に、チオ硫酸化合物を添加して加熱処理することによって、効率的に重金属類含有灰中の重金属類を還元することができ、これにより、上記チオ硫酸化合物の添加率を少なくすることができる。
【0016】
本第4発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加して混練した後、重金属類含有灰を55〜200℃の加熱温度で第2の加熱処理するものである。
【0017】
これによると、鉄化合物を添加して混練した後、重金属類含有灰を加熱処理することによって、上記重金属類含有灰中の重金属類の溶出を抑制する効果が安定化される。
【0018】
本第5発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰を第1の加熱処理した後、重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加して、混練と55〜200℃の加熱温度での第2の加熱処理とを同時に行うものである。
【0021】
本第6発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰が保有している熱を加熱処理の加熱熱源として利用するものである。
これによると、例えば重金属類含有灰が、焼却炉等で焼却されて排出された直後であり、十分に冷めずに高温状態を保っているような場合、上記重金属類含有灰が保有している熱を加熱熱源として利用し、重金属類含有灰を加熱処理する。これにより、加熱処理に要する燃料費をより一層低減することができる。
【0022】
本第7発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰は、セレン,6価クロム,水銀の少なくともいずれかの重金属類を含んでいるものである。
【0023】
本第8発明における重金属類含有灰の不溶化方法は、重金属類含有灰は、セレン,6価クロム,水銀,ヒ素,カドミウムの少なくともいずれかの重金属類を含んでいるものである。
本第9発明における重金属類含有灰の不溶化装置は、重金属類含有灰にチオ硫酸化合物の溶液を添加する薬剤添加手段と、重金属類含有灰を混練する混練手段と、重金属類含有灰を150〜300℃の加熱温度で加熱処理する加熱手段ととを有するものである。
本第10発明における重金属類含有灰の不溶化装置は、加熱手段で加熱処理した後の重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加する薬剤添加手段と、前記硫酸第一鉄の溶液を添加した重金属類含有灰を混練する混練手段とを有するものである。
本第11発明における重金属類含有灰の不溶化装置は、2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を薬剤添加手段により添加した重金属類含有灰を55〜200℃の加熱温度で加熱処理する加熱手段を有するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。
すなわち、第1の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化方法は、原料重金属類含有灰1にチオ硫酸化合物2の溶液を添加して混練工程3で混練し、その後、加熱工程4において原料重金属類含有灰1を加熱処理し、処理重金属類含有灰5を得るものである。
【0025】
ここで、適用対象となる上記原料重金属類含有灰1は、セレン,6価クロム,水銀といった重金属類を含有する汚染土壌、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰であるが、本実施の形態においては下水汚泥焼却灰を例に説明する。
【0026】
また、上記チオ硫酸化合物2の溶液は、例えば、チオ硫酸、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等であり、還元剤として添加される。さらに、上記混練工程3においては、一般的な混練機を用いて混練を行う。また、上記加熱工程4においては、一般的な加熱機を用いて加熱を行う。この際の加熱は直接加熱と間接加熱とのどちらでも良く、その熱源としては、オイル焚加熱、電熱器によるジュール加熱、マイクロ波加熱、誘導加熱、遠赤外線加熱、熱風加熱等があるが、その方法は問わない。また、焼却炉の廃熱を利用して加熱することも可能である。
【0027】
これによると、チオ硫酸化合物2は重金属類の溶出形態の化合物を難溶性形態にまで還元する還元剤として作用する。すなわち、チオ硫酸化合物2が溶液として原料重金属類含有灰1(焼却灰)に添加された場合、その加熱分解により生じる二酸化硫黄や硫化水素ガスによって重金属類が還元されて不溶化可能な形態となる。これにより、原料重金属類含有灰1(焼却灰)中に含まれる6価のセレン酸イオンや4価の亜セレン酸イオンが0価のセレンに還元されて不溶態となる。また、6価クロムが3価クロムに還元されることにより、6価クロムの溶出が抑えられる。さらに、水銀は上記硫化水素と反応して不溶態の硫化水銀となる。
【0028】
これにより、原料重金属類含有灰1に含有されるセレンや6価クロム,水銀の溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。
【0029】
尚、チオ硫酸化合物2としてチオ硫酸ナトリウムを添加する場合、その添加率が0.2%でもセレン、6価クロム、水銀の溶出を土壌環境基準値以下に抑えることができる。また、上記加熱工程4における加熱温度は約100℃〜300℃の範囲が効果的である。
【0030】
以下に、セレン,6価クロム,水銀といった重金属類を含有する焼却灰を対象に、チオ硫酸ナトリウム(チオ硫酸化合物2の一例)の溶液を添加して混練し、その後、加熱処理を行った場合の溶出試験の結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
上記表1において、焼却灰A〜Cは性状の異なる焼却灰である。また、チオ硫酸ナトリウムの添加率は、焼却灰に対するものであり、無水物としての添加率を示している。さらに、上記チオ硫酸ナトリウムの溶液を添加した後の焼却灰の含水率は20〜25%程度となった。また、加熱処理は全て加熱時間を1時間にした。
【0033】
上記表1によれば、実施例No.1〜4では、焼却灰Aを対象に、チオ硫酸ナトリウムの添加率を0.4%に固定して、加熱温度を変えることの影響を調べた。その結果、加熱温度が100〜300℃の範囲で、セレン,6価クロム,水銀の溶出量が土壌環境基準を満たした。尚、土壌環境基準は、セレンが0.01mg/L、6価クロムが0.05mg/L、水銀が0.0005mg/Lである。
【0034】
また、実施例No.2,5〜7では、焼却灰Aを対象に、加熱温度を200℃に固定して、チオ硫酸ナトリウムの添加率を変えた場合の影響を調べた。チオ硫酸ナトリウムの添加率を0.2〜1.0%の範囲で変えた結果、いずれもセレン,6価クロム,水銀の溶出量を抑制することに効果があった。
【0035】
さらに、実施例No.8,9では、焼却灰Aとは性状の異なる焼却灰Bと焼却灰Cとを対象に同様な不溶化方法を行った。その結果、いずれもセレン,6価クロム,水銀の溶出量を土壌環境基準以下に抑えることができた。
【0036】
また、従来よりも低い100〜300℃の加熱温度で焼却灰中のセレン,6価クロム,水銀等の重金属類を不溶化処理することが可能であるため、加熱処理に要する燃料費を低減することができる。
【0037】
尚、チオ硫酸ナトリウムの必要な添加率は焼却灰の性状に依存するため、添加率の最低値を規定することはできない。
上記第1の実施の形態では、原料重金属類含有灰1にチオ硫酸化合物2の溶液を添加して混練工程3で混練しているが、原料重金属類含有灰1を混練工程3へ搬送する行程でチオ硫酸化合物2の溶液を添加することも可能であり、また、加熱行程4で使用される加熱機内にチオ硫酸化合物2の溶液を噴霧又は注入しても良い。
【0038】
次に、第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。
第2の実施の形態は、先述した第1の実施の形態における加熱工程4の後に、原料重金属類含有灰1に2価若しくは3価の鉄化合物10の溶液を添加して混練工程11で混練し、その後、加熱工程12において原料重金属類含有灰1を加熱処理し、処理重金属類含有灰5を得るものである。
【0039】
尚、ここでは、解り易く説明するため、第1の実施の形態における混練工程3を第1の混練工程3と表現し、その後に行う上記混練工程11を第2の混練工程11と表現し、また、第1の実施の形態における加熱工程4を第1の加熱工程4と表現し、その後に行う上記加熱工程12を第2の加熱工程12と表現する。
【0040】
ここで、適用対象となる上記原料重金属類含有灰1は、セレン,6価クロム,水銀,ヒ素,カドミウムといった重金属類を含有する汚染土壌、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰であるが、本実施の形態においては下水汚泥焼却灰を例に説明する。
【0041】
また、上記鉄化合物10は、例えば、硫酸第一鉄,硫酸第二鉄,塩化第一鉄,塩化第二鉄,酢酸第一鉄,臭化第一鉄,臭化第二鉄,クエン酸第二鉄アンモニウム,硫酸アンモニウム第一鉄,水酸化第二鉄,ヨウ化第一鉄,硝酸第二鉄,酸化第一鉄,酸化第二鉄,シュウ酸第一鉄,硫化第二鉄等であり、不溶化剤として添加される。
【0042】
また、先述した第1の実施の形態と同様に、上記第1および第2の混練工程3,11においては、各々一般的な混練機を用いて混練を行い、上記第1および第2の加熱工程4,12においては、各々一般的な加熱機を用いて加熱を行う。
【0043】
これによると、先ず、チオ硫酸化合物2が溶液として原料重金属類含有灰1(焼却灰)に添加された場合、その加熱分解により生じる二酸化硫黄や硫化水素ガスによって重金属類が還元されて不溶化可能な形態となる。これにより、原料重金属類含有灰1(焼却灰)中に含まれる6価のセレン酸イオンや4価の亜セレン酸イオンが0価のセレンに還元されて不溶態となる。また、6価クロムが3価クロムに還元されることにより、6価クロムの溶出が抑えられる。さらに、水銀は上記硫化水素と反応して不溶態の硫化水銀となる。
【0044】
上記第1の加熱工程4後に添加される2価若しくは3価の鉄化合物10の溶液は原料重金属類含有灰1(焼却灰)中の重金属類と難溶性化合物を形成する不溶化剤として作用する。すなわち、上記鉄化合物10の添加によって、ヒ素や上記チオ硫酸化合物2により還元された4価の亜セレン酸イオンが不溶化され、これらは鉄と難溶性塩とを生成する。例えば、2価の鉄化合物10である硫酸第一鉄はヒ素やセレンの溶出形態であるヒ酸イオン、亜ヒ酸イオン、セレン酸イオン、亜セレン酸イオンと難溶性の化合物を形成する。
【0045】
また、上記鉄化合物10が酸性の薬剤の場合、この薬剤の添加率が多いと、酸性でカドミウムが溶出してしまう。これに対して、上記鉄化合物10を添加する前に、チオ硫酸化合物2を添加して第1の加熱工程4を経ることにより、上記薬剤の添加率を減らすことができ、上記カドミウムの溶出を抑えることができる。
【0046】
これにより、原料重金属類含有灰1に含有されるセレンや6価クロム,水銀に加えてヒ素やカドミウムの溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。
【0047】
さらに、原料重金属類含有灰1に鉄化合物10を添加するより先に、チオ硫酸化合物2を添加して第1の加熱工程4で加熱処理することによって、効率的に原料重金属類含有灰1中の重金属類を還元することができ、これにより、上記チオ硫酸化合物2の添加率を少なくすることができる。(例えば、鉄化合物10として硫酸第一鉄や第二鉄塩を用い、鉄化合物10をチオ硫酸化合物2よりも先に原料重金属類含有灰1に添加したり或いは鉄化合物10とチオ硫酸化合物2とを同時に原料重金属類含有灰1に添加した場合、チオ硫酸化合物2が硫酸鉄や3価鉄に対して還元作用を及ぼすため、原料重金属類含有灰1中の重金属類を還元させるのに要するチオ硫酸化合物2の添加量が増えてしまうといった問題がある)。
【0048】
以下に、セレン,6価クロム,水銀,ヒ素,カドミウムといった重金属類を含有する焼却灰を対象に、チオ硫酸ナトリウム(チオ硫酸化合物2の一例)の溶液を添加して混練し、その後、加熱処理を行い、次に、硫酸第一鉄(2価の鉄化合物10の一例)の溶液を添加して混練し、その後、加熱処理を行った場合の溶出試験の結果を表2,表3に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
上記表2,表3において、焼却灰A〜Cは性状の異なる焼却灰である。また、チオ硫酸ナトリウム及び硫酸第一鉄の添加率は、焼却灰に対するものであり、各々無水物としての添加率を示している。さらに、上記チオ硫酸ナトリウムと硫酸第一鉄とは溶液として添加され、添加後の焼却灰の含水率は20〜25%程度となった。また、加熱処理は、加熱温度が55℃以外の場合は全て加熱時間を1時間にし、加熱温度が55℃の場合は十分に水分を蒸発させるために加熱時間を18時間にした。
【0052】
上記表2によれば、焼却灰Aを対象に、実施例No.1〜11では、チオ硫酸ナトリウムの添加率を0.6%、硫酸第一鉄の添加率1.7%に固定して、チオ硫酸ナトリウム添加後の第1の加熱工程4における加熱温度(=第1の加熱温度)と、硫酸第一鉄添加後の第2の加熱工程12における加熱温度(=第2の加熱温度)とを変えることの影響を調べた。その結果、上記第1の加熱温度は55〜300℃の範囲で、第2の加熱温度は55〜200℃の範囲で、ヒ素,セレン,カドミウムの溶出量が土壌環境基準である0.01mg/L以下に抑えられた。尚、第2の加熱工程12を行わない(省略した)実施例No.6においても、ヒ素,セレン,カドミウムの溶出量が0.01mg/L以下に抑えられた。
【0053】
また、実施例No.12〜17では、上記第1の加熱温度と第2の加熱温度とを共に150℃に固定して、チオ硫酸ナトリウムの添加率と硫酸第一鉄の添加率とを変えることの影響を調べた。その結果、硫酸第一鉄の添加率は1.1%以上必要であったが、チオ硫酸ナトリウムの添加率は0.2%まで下げることができた。
【0054】
また、上記表3によれば、焼却灰B,Cを対象にし、その結果、6価クロム,水銀の溶出量がいずれも土壌環境基準以下に抑えられた。
また、従来よりも低い55〜200℃の加熱温度で焼却灰中のセレン,6価クロム,水銀,ヒ素,カドミウム等の重金属類を不溶化処理することが可能であるため、加熱処理に要する燃料費を低減することができる。
【0055】
尚、チオ硫酸ナトリウムと硫酸第一鉄の必要な添加率は焼却灰の性状に依存するため、添加率の最低値を規定することはできない。
また、上記表2で用いた焼却灰Aに、チオ硫酸ナトリウムの溶液を0.6%の添加率で添加して混練し、その後、加熱温度150℃で加熱処理を行い、次に、硫酸第一鉄の溶液を1.7%の添加率で添加して混練し、その後、加熱温度150℃で加熱処理を行った場合について、環告46号法、炭酸飽和法、炭酸連続法の3種類の溶出試験方法により、ヒ素,セレン,カドミウム,6価クロム,水銀等の土壌環境基準で定められている重金属類の溶出量を測定し、その結果を以下の表4に示した。
【0056】
【表4】
【0057】
尚、上記炭酸飽和法および炭酸連続法はいずれも酸性溶液による溶出試験であって、炭酸飽和法はpH4程度の炭酸飽和水を溶媒に用い、溶出試験の最中は炭酸ガスの吹き込みを無しにする溶出試験であるのに対し、炭酸連続法は炭酸飽和水を溶媒に用い、さらに溶出試験の最中もpHを酸性に保つために炭酸ガスを吹き込み続ける溶出試験である。
【0058】
いずれの溶出試験においても、上記全ての重金属類の溶出は土壌環境基準を満たし本処理によって処理された焼却灰が酸性条件下であっても上記重金属類の溶出が抑制される。
【0059】
上記第2の実施の形態では、図2に示すように、第2の混練工程11の後、第2の加熱工程12を行うことによって、原料重金属類含有灰1中の重金属類の溶出を抑制する効果が安定化される。尚、このような溶出抑制の安定化に関して特に支障が無ければ、上記第2の加熱工程12を省略してもよい。
【0060】
上記第2の実施の形態では、原料重金属類含有灰1に鉄化合物10の溶液を添加して第2の混練工程11で混練しているが、原料重金属類含有灰1を第1の加熱工程4から第2の混練工程11へ搬送する行程で鉄化合物10の溶液を添加することも可能であり、また、第2の加熱行程12で使用される加熱機内に鉄化合物10の溶液を噴霧又は注入しても良い。
【0061】
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、原料重金属類含有灰1にチオ硫酸化合物2の溶液を添加して混練工程3で混練した後、加熱行程4で加熱処理を行っているが、第3の実施の形態として、図3に示すように、上記混練・加熱工程15において、混練加熱装置を用いて混練と加熱処理とを同時に行ってもよい。
【0062】
すなわち、混練・加熱工程15においては、上記混練加熱装置としてロータリーキルン炉のように攪拌機能を有する加熱機が用いられている。これによると、原料重金属類含有灰1をロータリーキルン炉に投入することにより、原料重金属類含有灰1が加熱されながら同時に攪拌混練される。この方法では、攪拌機能を有する加熱機(ロータリーキルン炉等)を用いることにより、混練機を省略することができる。
【0063】
上記第2の実施の形態では、図2に示すように、第1の混練工程3で混練した後、第1の加熱行程4で加熱処理を行い、次に、第2の混練工程11で混練した後、第2の加熱行程12で加熱処理を行っているが、第4の実施の形態として、図4に示すように、第1の混練・加熱工程15において、混練加熱装置を用いて第1の混練と第1の加熱処理とを同時に行い、その後、第2の混練・加熱工程16において、上記混練加熱装置を用いて第2の混練と第2の加熱処理とを同時に行ってもよい。
【0064】
すなわち、上記両混練・加熱工程15,16においては、上記混練加熱装置としてロータリーキルン炉のように攪拌機能を有する加熱機が用いられている。これによると、原料重金属類含有灰1をロータリーキルン炉に投入することにより、原料重金属類含有灰1に対して第1の混練・加熱工程15で第1の混練と第1の加熱処理とが同時に行われ、その後、第2の混練・加熱工程16で第2の混練と第2の加熱処理とが同時に行われる。この方法では、攪拌機能を有する加熱機(ロータリーキルン炉等)を用いることにより、混練機を省略することができる。
【0065】
上記第1〜第4の実施の形態では、原料重金属類含有灰1にチオ硫酸化合物2の溶液を添加して混練工程3で混練しているが、第5の実施の形態として、チオ硫酸化合物2の溶液を添加する代わりに、原料重金属類含有灰1を二酸化硫黄や硫化水素等の還元性ガスの存在下で混練してもよい。
【0066】
これによると、還元性ガスによって原料重金属類含有灰1中の重金属類が還元されて不溶化可能な形態となり、原料重金属類含有灰1中に含有されるセレンや6価クロム,水銀等の溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。
【0067】
上記第1〜第4の実施の形態では、各加熱工程4,12,15,16において、加熱機の加熱熱源としてオイル焚加熱等を採用しているが、第6の実施の形態として、加熱処理の加熱熱源として原料重金属類含有灰1が保有している熱を利用してもよい。すなわち、焼却炉から排出されて熱が残存する原料重金属類含有灰1にチオ硫酸化合物2や鉄化合物10の溶液を添加して加熱処理する際、原料重金属類含有灰1が保有する熱で加熱処理を行う。これによると、加熱処理に要する燃料費をより一層低減することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように本第1発明では、重金属類含有灰に含有されるセレンや6価クロム,水銀の溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。また、従来よりも低い加熱温度で重金属類含有灰中の重金属類を不溶化処理することが可能であるため、加熱処理に要する燃料費を低減することができる。
【0069】
また、本第3発明では、重金属類含有灰に含有されるセレンや6価クロム,水銀に加えてヒ素やカドミウムの溶出を簡易に効率よく安いコストで不溶化処理してその溶出を防止することができる。
【0070】
さらに、重金属類含有灰に鉄化合物を添加するより先に、チオ硫酸化合物を添加して加熱処理することによって、効率的に重金属類含有灰中の重金属類を還元することができ、これにより、上記チオ硫酸化合物の添加率を少なくすることができる。
【0071】
また、本第4発明では、鉄化合物を添加して混練した後、重金属類含有灰を加熱処理することによって、上記重金属類含有灰中の重金属類の溶出を抑制する効果が安定化される。
【0074】
また、本第6発明では、加熱処理に要する燃料費をより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化方法を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化方法を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化方法を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 原料重金属類含有灰
2 チオ硫酸化合物
10 鉄化合物
Claims (11)
- 重金属類含有灰にチオ硫酸化合物の溶液を添加して混練し、その後、重金属類含有灰を150〜300℃の加熱温度で第1の加熱処理することを特徴とする重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰にチオ硫酸化合物の溶液を添加して、混練と150〜300℃の加熱温度での第1の加熱処理とを同時に行うことを特徴とする重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰を第1の加熱処理した後、重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加して混練することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加して混練した後、重金属類含有灰を55〜200℃の加熱温度で第2の加熱処理することを特徴とする請求項3記載の重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰を第1の加熱処理した後、重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加して、混練と55〜200℃の加熱温度での第2の加熱処理とを同時に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰が保有している熱を加熱処理の加熱熱源として利用することを特徴とする請求項2又は請求項5に記載の重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰は、セレン,6価クロム,水銀の少なくともいずれかの重金属類を含んでいることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰は、セレン,6価クロム,水銀,ヒ素,カドミウムの少なくともいずれかの重金属類を含んでいることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の重金属類含有灰の不溶化方法。
- 重金属類含有灰にチオ硫酸化合物の溶液を添加する薬剤添加手段と、重金属類含有灰を混練する混練手段と、重金属類含有灰を150〜300℃の加熱温度で加熱処理する加熱手段とを有することを特徴とする重金属類含有灰の不溶化装置。
- 加熱手段で加熱処理した後の重金属類含有灰に2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を添加する薬剤添加手段と、前記硫酸第一鉄の溶液を添加した重金属類含有灰を混練する混練手段とを有することを特徴とする請求項9記載の重金属類含有灰の不溶化装置。
- 2価の鉄化合物として硫酸第一鉄の溶液を薬剤添加手段により添加した重金属類含有灰を55〜200℃の加熱温度で加熱処理する加熱手段を有することを特徴とする請求項10記載の重金属類含有灰の不溶化装置。
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