JP2006000745A - 重金属類含有灰の不溶化装置 - Google Patents

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Koji Sakata
晃治 坂田
Norihiro Koide
典宏 小出
Hisafumi Nomura
尚史 野邑
Koji Ogata
孝次 緒方
Yoshitaka Sugiyama
佳孝 杉山
Kiyoaki Kitamura
清明 北村
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Abstract

【課題】 環告46号法による溶出試験および酸性条件下において土壌環境基準値を満たすように、簡易に効率よく安いコストで重金属類含有灰中の重金属類を不溶化処理してその溶出を防止する重金属類含有灰の不溶化装置を提供する。
【解決手段】 下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、石炭灰、汚染土壌の少なくとも何れかで重金属類化合物を含む重金属類含有灰1を一定量で連続的に切り出す灰供給フィーダ7と、灰供給フィーダ7のフィーダ部9で灰に薬剤としてチオ硫酸化合物と2価鉄化合物もしくは3価鉄化合物とを添加する薬剤添加手段12、13と、灰供給フィーダ7から投入する湿潤状態の重金属類含有灰1を加熱処理する加熱機6と、加熱機6から排出する処理灰を貯留する灰貯留槽10と、加熱機6から排出する排ガスを処理する排ガス処理装置とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は重金属類含有灰の不溶化装置に関し、ヒ素、セレン、カドミウム、6価クロム、水銀の重金属類を含有する汚染土壌、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰等から溶出する重金属類を土壌環境基準値以下に抑える技術に係るものである。
従来、土壌環境基準を満たすように下水汚泥焼却灰における重金属類(特にヒ素、セレン)の溶出を防止する技術として、溶融、焼成、消石灰の添加等があり、鉄化合物の溶液を添加して混練した後、所定期間放置し、その後加熱処理する方法もある。
また、都市ゴミや各種産業廃棄物及び下水し尿処理汚泥の焼却灰に含有されたヒ素を不溶化する方法として、灰に2価鉄化合物を添加し、混練処理することでヒ素を固定化し、不溶出化するものがある(例えば特許文献1参照)。
また、灰に第一鉄塩を添加し、混練することにより、あるいは重金属固定剤を添加、混練することにより、セレン含有灰からのセレンおよび他の重金属類の溶出を防止するものがある(例えば特許文献2参照)。
また、高濃度にヒ素を含有する汚泥等からのヒ素の溶出を抑制するものとして、汚泥又はその焼却灰にポリ硫酸第二鉄等の鉄化合物を添加、混合して溶融処理するものがある(例えば特許文献3参照)。
また、廃棄物に含有される有害な重金属、特に鉛とカドミウムの溶出を防止するものとして、少なくとも鉛とカドミウムを同時に含有する廃棄物に鉄塩を添加して加熱することなく混練し、含湿状態ないしペースト状を呈する湿潤状態とするものがある(例えば特許文献4参照)。
特開平10−128275号公報 特開2001−246348公報 特開2003−62539公報 特開平08−39038号公報
しかし、溶融や焼成では重金属含有灰を1000℃以上に加熱するため、燃料費が高くなり、低融点重金属類が揮発する。消石灰を添加する方法は、ヒ素とセレンのアルカリ土類金属との塩(ヒ酸カルシウムやセレン酸カルシウム等)がアルカリ性側で溶解度が低くなる特性を利用してヒ素とセレンの溶出を抑制するものである。この方法では現行の環告46号法による溶出試験では土壌環境基準を満足するが、酸性条件下や酸性溶液による溶出試験(例、炭酸飽和法、炭酸連続法)ではヒ素とセレンの溶出を抑えられない。鉄化合物の溶液を添加して混練した後、所定期間放置し、その後加熱処理する方法では、環告46号法や酸性溶液による溶出試験でもヒ素とセレンの溶出を抑えられるが、性状の悪い重金属含有灰ではこの処理により新たにカドミウムが溶出してきてしまう。
本発明は上記した課題を解決するものであり、環告46号法による溶出試験および酸性条件下において土壌環境基準値を満たすように、簡易に効率よく安いコストで重金属類含有灰中の重金属類を不溶化処理してその溶出を防止する重金属類含有灰の不溶化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明の重金属類含有灰の不溶化装置は、下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、石炭灰、汚染土壌の少なくとも何れかで重金属類化合物を含む重金属類含有灰を一定量で連続的に切り出す灰供給フィーダと、灰供給フィーダの切り出し部で灰に薬剤としてチオ硫酸化合物と2価鉄化合物もしくは3価鉄化合物とを添加する薬剤添加手段と、灰供給フィーダから投入する湿潤状態の重金属類含有灰を加熱処理する加熱機とを備えたものである。
上記した構成において、2価鉄化合物、3価鉄化合物は重金属類含有灰中の重金属類と難溶性化合物を形成する不溶化剤として作用し、チオ硫酸化合物は重金属類の溶出形態の化合物を難溶性形態にまで還元する還元剤として作用する。
本発明は、重金属類含有灰に含まれる重金属類中がヒ素、セレン、カドミウム、6価クロム、水銀である場合に特に有効であり、例えば2価鉄化合物である硫酸第一鉄は、ヒ素、セレン、6価クロムの溶出形態であるヒ酸イオン、亜ヒ酸イオン、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン、クロム酸イオンと難溶性の化合物を形成し、ヒ素、セレン、6価クロムの不溶化剤として作用する。
チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸化合物は、その加熱分解により生じる二酸化硫黄や硫化水素により重金属類が還元されて不溶化可能な形態となる。セレンは鉄による不溶化効果が弱い6価のセレン酸イオンが4価の亜セレン酸イオンに還元されることで鉄により不溶化され易い形態となり、鉄化合物の添加率を減らすことができる。4価の亜セレン酸イオンはさらに0価のセレンまで還元されてそのものが不溶態となる。
6価クロムは還元されて6価より低酸化数のクロムとなり、6価クロムの溶出が抑えられる。水銀はチオ硫酸化合物の加熱分解により生じた硫化水素と反応して不溶態の硫化水銀となる。
硫酸第一鉄のみを添加しただけでチオ硫酸化合物を添加しない場合、焼却灰中のカドミウムは易溶性の硫酸カドミウムに変化して新たにカドミウムが溶出する場合があるが、チオ硫酸化合物を添加してその後加熱処理することで、その分解により生じる亜硫酸イオンや水分共存下での加熱分解で生じる硫化水素により、硫酸カドミウムが難溶性の亜硫酸カドミウムに変化し、カドミウムの溶出を抑えることができる。
請求項2に記載の本発明の重金属類含有灰の不溶化装置は、下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、石炭灰、汚染土壌の少なくとも何れかで重金属類化合物を含む重金属類含有灰を一定量で連続的に切り出す灰供給フィーダと、灰供給フィーダの切り出し部で灰に薬剤として2価鉄化合物もしくは3価鉄化合物を添加する薬剤添加手段と、灰供給フィーダから投入する湿潤状態の重金属類含有灰を加熱処理する加熱機と、加熱機に還元性ガスを供給する還元性ガス供給手段とを備えたものである。
請求項3に記載の本発明の重金属類含有灰の不溶化装置は、請求項1又は2記載の重金属類含有灰の不溶化装置において、加熱機から排出する処理灰を貯留する灰貯留槽と、加熱機から排出する排ガスを処理する排ガス処理装置を備えたものである。
加熱機における加熱温度は55〜250℃が有効である。
灰供給フィーダは、テーブルフィーダ、サークルフィーダ、又はスクリューフィーダの何れかが好ましい。
薬剤添加手段は、連続注入するような制御手段付きの薬注ポンプと、灰供給フィーダの切り出し部に接続した薬品添加ノズルとからなるものが好ましく、灰供給フィーダにおいて重金属類含有灰と薬剤との混練を行うことが好ましい。
灰供給フィーダは、加熱機の炉入口に設置することが好ましく、加熱機の排ガス換気により炉入口と灰供給フィーダの隙間には吸引作用が働くのでダストリークがなくなる。
加熱機は、間接加熱式が好ましく、直接加熱式の場合には外部加熱空気とリーク空気で発生還元ガスが希釈されるが、間接加熱式の場合には加熱機内で発生した還元ガスとリーク空気であるので、重金属類の還元効果が薄められることがない。
加熱機は、内面にねじり(螺旋状)羽根を設置することが好ましく、重金属類含有灰と発生した還元ガスとの接触効率が増すとともに、処理灰を出口側に運ぶ効果がある。通常は、加熱機を斜めに設置することにより重金属類含有灰が出口側に移動する。
加熱機は、排ガスの一部を炉内還元雰囲気測定器の信号により炉内に循環するルートを持つことが好ましく、炉内が還元雰囲気が弱い場合に排ガスを循環することで還元雰囲気を増加させる。
加熱機から排出する処理灰は、植栽基盤土壌、建設用埋め戻し土、またはアスファルトフィラー、コンクリート骨材に利用することができる。
以上のように本発明によれば、重金属類含有灰に2価鉄化合物、3価鉄化合物とチオ硫酸化合物の溶液を添加して混練した後、加熱処理することにより、ヒ素、セレンの溶出を抑え、新たにカドミウム等他の重金属の溶出も抑えられる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1〜図2において、下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、石炭灰、汚染土壌の少なくとも何れかである重金属類含有灰1を貯留する灰ホッパ2は空気輸送管路3を介して灰定量フィーダ4に連通し、灰定量フィーダ4は移送管路5を介して加熱機6の灰供給フィーダ7に連通している。
加熱機6は間接加熱式のキルン炉であり、重金属類含有灰1を投入する炉体6aと熱風を供給する加熱ジャケット部6bからなり、加熱ジャケット部6bには熱風発生器6cおよびファン6dが接続している。炉体6aの内部にはねじり(螺旋状)羽根6eを設置している。
図5および図6に示すように、加熱機6は、炉体6aの炉入口6fおよび炉出口6gをそれぞれローラ6hで回転自在に保持し、モータ6iを接続した減速機6jの駆動スプロケット6kと炉体6aに設けた従動スプロケット6lとをチェーン6mで連結している。
また、図7および図8に示すように、加熱機6は、モータ6iを接続した減速機6jに設けた駆動ギヤ6nと炉体6aに設けた従動ギヤ6oと噛合させる構成も可能である。
さらに、図9および図10に示すように、加熱機6は、炉体6aの炉入口6fおよび炉出口6gをそれぞれローラ6hで回転自在に保持し、モータ6iを接続した減速機6jの駆動スプロケット6kとローラ6hに設けた従動スプロケット6lとをチェーン6mで連結する構成も可能である。
加熱機6は直接加熱式の場合にリーク空気と外部加熱空気で発生還元ガスが希釈されるが、間接加熱式であることで加熱機6の炉体6aの内部は発生した還元ガスとリーク空気であるので、重金属類の還元効果が薄められることがない。ねじり(螺旋状)羽根6eは、重金属類含有灰と発生した還元ガスとの接触効率が増すとともに、処理灰を出口側に運ぶ効果を発揮する。
灰供給フィーダ7は重金属類含有灰1を貯留するホッパ部8と重金属類含有灰1を一定量で連続的に切り出すフィーダ部9からなり、フィーダ部9が加熱機6の炉入口6fに連通している。図3〜図4に示すように、灰供給フィーダ7は台車7aの上にホッパ部8およびフィーダ部9を搭載して炉体6aの軸心方向へ往復移動自在に設けている。フィーダ部9は内部にフィードスクリュー9aを有し、モータ9bによってフィードスクリュー9aを回転駆動し、ホッパ部8の重金属類含有灰1を一定量で連続的に切り出す。灰供給フィーダ7としては、テーブルフィーダ、サークルフィーダ、又はスクリューフィーダの何れかが好ましい。灰供給フィーダ7のフィーダ部9が加熱機6の炉入口6fに連通することで、加熱機6の後述する排ガス換気により炉入口6fと灰供給フィーダ7の隙間には吸引作用が働きダストリークがなくなる。
加熱機6には、加熱機6から排出する処理灰を貯留する灰貯留槽10が搬送コンベア10aで接続し、加熱機6から排出する排ガスを処理する排ガス処理装置としてミストトラップ11aおよび誘引ファン11bが接続しており、誘引ファン11bによって炉体6aの内部の排ガス換気を行い、ミストトラップ11aを通過した排ガスを焼却設備等の排ガス処理設備へ導く。
また、排ガスの一部を炉内に循環するルートとなる排ガス返送路系11cを有し、炉内還元雰囲気測定器(図示省略)の信号により排ガスの一部を排ガス返送路系11cを通して炉内へ循環させる。
フィーダ部9には、薬剤としてチオ硫酸化合物を添加する第1薬剤添加装置12と、薬剤として2価鉄化合物もしくは3価鉄化合物を添加する第2薬剤添加装置13とが接続している。第1薬剤添加装置12および第2薬剤添加装置13は、それぞれ薬剤定量供給機14と、攪拌機15と、連続注入するための制御手段付きの薬注ポンプ16と、灰供給フィーダ7のフィーダ部9に接続した薬品添加ノズル17とからなり、灰供給フィーダ7において重金属類含有灰1と各薬剤との混練を行う。
以下、上記した構成における作用を説明する。灰ホッパ2から空気輸送管路3で灰定量フィーダ4に供給した重金属類含有灰1は、移送管路5を通して灰供給フィーダ7のホッパ部8に定量供給する。
灰供給フィーダ7はホッパ部8の重金属類含有灰1をフィーダ部9により一定量で連続的に切り出して加熱機6に投入する。このとき、第1薬剤添加装置12および第2薬剤添加装置13はそれぞれの薬注ポンプ16を駆動してそれぞれの薬品添加ノズル17から薬品をフィーダ部9に供給し、第1薬剤添加装置12はチオ硫酸化合物としてチオ硫酸ナトリウムの所定濃度の溶液を定量供給し、第2薬剤添加装置13は2価鉄化合物として硫酸第一鉄もしくは3価鉄化合物として硫酸第二鉄の予定濃度の溶液を定量供給する。
チオ硫酸化合物としては他にチオ硫酸、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等がある。また、2価鉄化合物、3価鉄化合物としては他に、塩化第一鉄、塩化第二鉄、酢酸第一鉄、臭化第一鉄、臭化第二鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム、硫酸アンモニウム第一鉄、水酸化第二鉄、ヨウ化第一鉄、硝酸第二鉄、酸化第一鉄、酸化第二鉄、シュウ酸第一鉄、硫化第二鉄等がある。
フィーダ部9は添加した薬品を重金属類含有灰1と混練して湿潤状態の重金属類含有灰1を加熱機6に投入する。加熱機6はフィーダ部9から供給する湿潤状態の重金属類含有灰1を55〜250℃の温度範囲で間接加熱処理する。加熱温度が300℃以上となるとチオ硫酸化合物によるセレンやカドミウムの溶出抑制効果が弱くなるので好ましくない。加熱機6の反応場における作用については後述する。
加熱機6で間接加熱を行うことで反応時に発生する還元ガスが外部から流入する加熱用の空気で希釈されることがなく、加熱機6の内部にはリーク空気と発生した還元ガスのみが存在するので、重金属類の還元効果が薄められることがない。また、加熱機6は内部のねじり(螺旋状)羽根によって重金属類含有灰1を攪拌しながら出口側に運ぶことで、重金属類含有灰1と発生した還元ガスとの接触効率を高める。
加熱機6から排出する処理灰は灰貯留槽10に貯留して後に車両等によって搬出し、植栽基盤土壌、建設用埋め戻し土、またはアスファルトフィラー、コンクリート骨材等に利用する。加熱機6から排出する排ガスは排ガス処理装置で処理する。
以下に加熱機6の加熱処理における作用を説明する。硫酸第一鉄もしくは硫酸第二鉄は、ヒ素、セレン、6価クロムの溶出形態であるヒ酸イオン、亜ヒ酸イオン、セレン酸イオン、亜セレン酸イオン、クロム酸イオンと難溶性の化合物を形成し、ヒ素、セレン、6価クロムの不溶化剤として作用する。
チオ硫酸ナトリウムの溶液は、その加熱分解により生じる二酸化硫黄や硫化水素によりセレンの溶出形態であるセレン酸イオン、亜セレン酸イオンを難溶性の0価のセレンまで還元してセレンの溶出を抑える。もしくは、鉄化合物による不溶化効果が弱いセレン酸イオンを鉄化合物により不溶化容易な亜セレン酸イオンに還元してセレンの溶出を抑える。
硫酸第一鉄とチオ硫酸ナトリウムの溶液の両者を合わせた添加率は重金属含有灰に対し10〜30%程度が適当である。溶液の添加率が少なすぎると均一な混練が難しくなり、多すぎるとその後の加熱・乾燥処理コストがかかる。
硫酸第一鉄の添加率は、重金属含有灰の性状にもよるが、無水物試薬として0.2重量%以上が効果的で、より効果の高い範囲は0.5〜5.0重量%の範囲が好ましい。添加率が低すぎるとヒ素、セレンが十分に不溶化されず、添加率が多すぎるとコスト的に不利となる。チオ硫酸化合物としてチオ硫酸ナトリウムを添加する場合、その添加率が0.1%でもヒ素、セレン、カドミウムの溶出を土壌環境基準値以下に抑えることができた。しかし、添加率が多すぎるとコスト的に不利となる。
硫酸第一鉄のみを添加しただけでチオ硫酸化合物を添加しない場合、重金属含有灰中のカドミウムは易溶性の硫酸カドミウムに変化して新たにカドミウムが溶出する場合があるが、チオ硫酸化合物を添加してその後加熱処理することで、その分解により生じる亜硫酸イオンや水分共存下での加熱分解で生じる硫化水素により、硫酸カドミウムが難溶性の亜硫酸カドミウムや硫化カドミウムに変化し、カドミウムの溶出を抑えることができる。
Figure 2006000745
表1は本発明の重金属類含有灰の不溶化装置により重金属含有灰からのヒ素、セレン、カドミウムの溶出を土壌環境基準値以下に抑えることができることを示もので、ヒ素、セレン、カドミウムを含む3種類の下水汚泥焼却灰(高分子系流動焼却灰)を対象に、硫酸第一鉄とチオ硫酸ナトリウムの混合溶液を添加して加熱処理を行った効果を示す。
表1の硫酸第一鉄およびチオ硫酸ナトリウム添加率は夫々無水物としての添加率を示しており、加熱処理は55℃以外は全て1時間で加熱処理し、加熱温度55℃の場合は、十分に水分が蒸発するために18時間かけて加熱処理を行った。
実施例1〜11では、硫酸第一鉄添加率2.8%に固定して、チオ硫酸ナトリウム添加率、加熱温度を変えて影響を調べた。チオ硫酸ナトリウム添加率は0.1〜3.2%、加熱温度は55〜250℃の条件で、ヒ素、セレン、カドミウムの溶出量を土壌環境基準の0.01mg/L以下に抑えることができた。なお、チオ硫酸ナトリウム添加後に加熱処理を行わない場合、あるいは300℃以上で加熱処理を行う場合は、ヒ素、セレンまたはカドミウムの溶出が抑制できなかった。
実施例12、13は実施例1〜11で用いたA焼却灰よりも性状の良いB焼却灰またはC焼却灰を対象に処理を行ったが、A焼却灰の場合よりもさらに低い薬剤添加率で、ヒ素、セレン、カドミウムの溶出を抑えることができた。B焼却灰では硫酸第一鉄添加率0.5%、C焼却灰では硫酸第一鉄添加率1.1%まで、硫酸第一鉄添加率を下げることができた。
Figure 2006000745
表2は本処理により焼却灰からの6価クロム、水銀の溶出を土壌環境基準値以下に抑えることができることを示もので、6価クロム、水銀を含む2種類の焼却灰を対象に、硫酸第一鉄とチオ硫酸ナトリウムの混合溶液を添加した後、加熱処理を行った効果を示す。
表2の硫酸第一鉄およびチオ硫酸ナトリウム添加率は夫々無水物としての添加率を示しており、加熱処理は全て1時間で加熱処理を行った。
実施例14、15においてD焼却灰、E焼却灰を対象に処理を行ったが、どちらも6価クロム、水銀の溶出を土壌環境基準値以下に抑えることができた。
Figure 2006000745
表3は本処理により、焼却灰からのヒ素、セレン等の重金属類の溶出を環告46号法でも酸性溶液による溶出試験(炭酸飽和法、炭酸連続法)でも、土壌環境基準値以下に抑えることができることを示すもので、表1で用いたA焼却灰に対し、硫酸第一鉄2.8%とチオ硫酸ナトリウム1.0%を混合溶液として添加・混練し、200℃加熱処理したものについて、環告46号法、炭酸飽和法、炭酸連続法の3種類の溶出試験方法によりヒ素、セレンおよび土壌環境基準で定められている重金属類の溶出量を測定した。
なお、炭酸飽和法および炭酸連続法はいずれも酸性溶液による溶出試験で、炭酸飽和法はpH4程度の炭酸飽和水を溶媒に用いて溶出試験を行う(溶出試験の最中は炭酸ガス吹き込みなし)のに対し、炭酸連続法は炭酸飽和水を溶媒に用い、さらに溶出試験の最中もpHを酸性に保つために炭酸ガスを吹き込み続ける溶出試験である。いずれの溶出試験でも、ヒ素、セレンを含む全ての重金属類の溶出は土壌環境基準を満たし、本処理により処理した灰が酸性条件下でも重金属類の溶出が抑制されることがわかる。
図11は本発明の他の実施の形態を示すものであり、先の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。本実施の形態では、第1薬剤添加装置12に代えて加熱機6に硫化水素ガスを供給する硫化水素ガス供給源20およびブロワ21を設けており、灰供給フィーダ7のフィーダ部9に接続して第2薬剤添加装置13を設けている。
この構成においては、硫化水素ガス供給源20およびブロワ21によって供給する硫化水素ガスにより、硫酸カドミウムが難溶性の亜硫酸カドミウムや硫化カドミウムに変化し、カドミウムの溶出を抑えることができる。他の作用効果は先の実施の形態と同様である。
本発明の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化装置を示すフローシート図 同重金属類含有灰の不溶化装置の要部を示す模式図 同重金属類含有灰の不溶化装置の灰供給フィーダを示す正面図 同重金属類含有灰の不溶化装置の灰供給フィーダを示す側面図 同重金属類含有灰の不溶化装置の加熱機を示す正面図 同重金属類含有灰の不溶化装置の加熱機を示す側面図 本発明の他の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化装置の加熱機を示す正面図 同重金属類含有灰の不溶化装置の加熱機を示す側面図 本発明の他の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化装置の加熱機を示す正面図 同重金属類含有灰の不溶化装置の加熱機を示す側面図 本発明の他の実施の形態における重金属類含有灰の不溶化装置の要部を示す模式図
符号の説明
1 重金属類含有灰
2 灰ホッパ
3 空気輸送管路
4 灰定量フィーダ
5 移送管路
6 加熱機
6a 炉体
6b 加熱ジャケット部
6c 熱風発生器
6d ファン
6e ねじり(螺旋状)羽根
6f 炉入口
6g 炉出口
6h ローラ
6i モータ
6j 減速機
6k チェーン
7 灰供給フィーダ
7a 台車
8 ホッパ部
9 フィーダ部
9a フィードスクリュー
9b モータ
10 灰貯留槽
10a 搬送コンベア
11a ミストトラップ
11b 誘引ファン
12 第1薬剤添加装置
13 第2薬剤添加装置
14 薬剤定量供給機
15 攪拌機
16 薬注ポンプ
17 薬品添加ノズル
20 硫化水素ガス供給源
21 ブロワ

Claims (3)

  1. 下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、石炭灰、汚染土壌の少なくとも何れかで重金属類化合物を含む重金属類含有灰を一定量で連続的に切り出す灰供給フィーダと、灰供給フィーダの切り出し部で灰に薬剤としてチオ硫酸化合物と2価鉄化合物もしくは3価鉄化合物とを添加する薬剤添加手段と、灰供給フィーダから投入する湿潤状態の重金属類含有灰を加熱処理する加熱機とを備えたことを特徴とする重金属類含有灰の不溶化装置。
  2. 下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、石炭灰、汚染土壌の少なくとも何れかで重金属類化合物を含む重金属類含有灰を一定量で連続的に切り出す灰供給フィーダと、灰供給フィーダの切り出し部で灰に薬剤として2価鉄化合物もしくは3価鉄化合物を添加する薬剤添加手段と、灰供給フィーダから投入する湿潤状態の重金属類含有灰を加熱処理する加熱機と、加熱機に還元性ガスを供給する還元性ガス供給手段とを備えたことを特徴とする重金属類含有灰の不溶化装置。
  3. 加熱機から排出する処理灰を貯留する灰貯留槽と、加熱機から排出する排ガスを処理する排ガス処理装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の重金属類含有灰の不溶化装置。
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