JP4038123B2 - 含有酸素分析装置および含有酸素分析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は含有酸素分析装置に関するものであり、より詳細には測定対象試料として例えば金属(特に鉄鋼)の微量酸素の測定における試料表面の酸化膜を除去することにより、極く微量の含有酸素を測定可能とする含有酸素分析装置および含有酸素分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平6−148170号公報
例えば、鉄鋼中に含まれる酸素の定量分析法としては、不活性ガス中の融解抽出法と赤外線吸収法および熱伝導度法とを組み合わせたものが一般に用いられている。この不活性ガス中融解抽出法と赤外線吸収法および熱伝導度法は、加熱炉内に測定対象試料を入れた黒鉛るつぼを配置し、不活性ガスを供給しながら測定対象試料としての鉄鋼を加熱融解し、そのとき発生する一酸化炭素または二酸化炭素を例えば赤外線ガス分析計において分析するものである。
【0003】
ところで、鉄鋼のような測定対象試料中に微量に含まれる酸素を精度よく検出するためには、測定対象試料の表面に付着している油分や汚れなど(以下、付着物という)や酸化膜を予め除去する必要がある。そして、測定対象試料の表面に付着している付着物を除去するためには、試料を400℃〜600℃で10分間程度加熱するなどの手段によって前処理を行っていた。
【0004】
図8は従来から行われている含有酸素分析方法の一例を示している。図8に示す酸化膜の除去方法は、前記特許文献1に記載されている方法であって、図8(A)は含有酸素分析の進行に伴う炭素炉(黒鉛るつぼ)内の温度変化を示し、図8(B)は赤外線ガス分析計によって検出される信号量の変化を示している。
【0005】
図8において、まず、時点Tp11〜Tp12の間、例えば3000℃等の高温で炭素炉を予備加熱する。次いで、時点Tp13において、予備加熱が終了した黒鉛るつぼ内に測定対象試料を投下し、時点Tp14〜Tp15の間に、測定対象試料を融点以下の温度(例えば900℃〜1400℃の範囲)に加熱することで表面酸化膜を還元する。そして、その後炭素炉の温度を例えば1400℃以上(具体的には2400℃)に上げてこの測定対象試料の含有酸素量を分析する。
【0006】
図9は別の含有酸素分析方法の別の例を示すものであって、図9(A)は含有酸素分析の進行に伴う炭素炉内の温度変化を示し、図9(B)は赤外線ガス分析計によって検出される信号量の変化を示している。
【0007】
図9に示す方法では、まず、時点Tp21〜Tp22の間、黒鉛るつぼの予備加熱を行った後、時点Tp23において黒鉛るつぼ内に測定対象試料を投入する。次いで、時点Tp24〜Tp25において、黒鉛不活性ガスの中で、測定対象試料を例えば1050℃に加熱することでその表面酸素を除去する。そして、この不活性ガスの中で測定対象試料をほゞ常温なるまで冷却し、時点Tp26において、この測定対象試料を大気中に取出しこれを酸化させる。
【0008】
次に、時点Tp27〜Tp28の間、再び黒鉛るつぼの予備加熱を行った後、時点Tp29において黒鉛るつぼ内に測定対象試料を投入する。次いで、時点Tp30〜Tp31において、黒鉛不活性ガスの中で、測定対象試料を例えば1050℃に加熱することでその表面酸素を再び除去すると共に、この時の信号量Sp21から、酸化膜の酸化量を測定する。そして、この不活性ガスの中で測定対象試料をほゞ常温なるまで冷却し、時点Tp32において、この測定対象試料を大気中に取出しこれを再び酸化させる。
【0009】
さらに、時点Tp33〜Tp34の間、三度目の黒鉛るつぼの予備加熱を行った後に、時点Tp35において黒鉛るつぼ内に金属溶剤を投入すると共に、黒鉛るつぼ内を例えば2400℃に加熱して、黒鉛るつぼに金属溶剤の金属浴を作成する。そして、時点Tp36において、測定対象試料を黒鉛るつぼ内に投入して発生したガスの信号量Sp22を測定する。これによって、求められる全酸素量から前記信号量から求めた酸化膜の酸化量を差し引く(Sp22−Sp21)ことにより、これを測定対象試料の含有酸素量(バルク酸素)として求める。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図8に示すような従来の酸素分析方法は、黒鉛るつぼの温度を900〜1400℃の予備加熱温度から1400℃以上(具体的には2400℃)に上げたときに、黒鉛るつぼから発生する一酸化炭素ガスに起因する信号Sp11が増加するので、測定した信号量Sp13には、信号Sp11の変動の影響が加算されることになり、測定対象試料の含有酸素に起因する信号Sp12の大きさが正確に求められないという問題があった。
【0011】
とりわけ、測定対象試料の含有酸素が極く微量であればあるほど、黒鉛るつぼから発生する一酸化炭素ガスに起因する信号Sp11の増加が大きな影響を与えるので例えば、2.9ppmの表示値に対して分析結果は最大0.5ppm以下のばらつきに抑えることができない。すなわち、図8に示すような従来の酸素分析方法では極く微量の含有酸素量を分析することはできなかった。
【0012】
また、図9に示すような従来の酸素分析方法は、2回の表面酸化酸素を測定しなければならず、測定に多大の時間がかかることは避けられなかった。これに加えて、この酸素分析方法は、1回目の表面酸化酸素の量が2回目の表面酸化酸素の量と同じであるという前提のもとに減算(Sp22−Sp21)が行われるが、両者は大気に触れる時間その他の条件で変動することは避けられなかった。つまり、本例においても、表面酸化のばらつきは2.9μg/g程度の極く微量の含有酸素量を測定する場合の分析値に対しては最大0.5ppm以下に抑えることはできなかった。
【0013】
本発明は、上述の事柄を考慮に入れてなされたものであって、その目的は測定対象試料として金属(特に鉄鋼)に含有するの微量酸素量の測定を精度良く行うことができる含有酸素分析装置および含有酸素分析方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明の含有酸素分析装置は、分析炉内の黒鉛るつぼに測定対象試料および金属浴剤を投入してこれらを加熱溶解することで、測定対象試料の含有酸素量を分析する酸素分析装置であって、大気から隔離した状態で測定対象試料を融点以下の温度に加熱することでその表面の酸化膜を予備還元する予備還元炉と、この測定対象試料を大気から隔離した連通路を介して前記黒鉛るつぼ内に投入するための試料投入手段とを有することを特徴としている(請求項1)。
【0015】
したがって、前記含有酸素分析装置を用いることにより、測定対象試料の表面に付着してる酸化膜を完全に還元すると共に、この測定対象試料の表面における酸化膜の再形成を防止し、後に、この酸化膜を取り除いた測定対象試料を溶解させることで、この測定対象試料の内部における含有酸素(バルク酸素)を正確に測定することができる。
【0016】
また、測定対象試料の溶解時には、すでに酸化膜は除去されているから、従来は測定対象試料の酸化膜を除去するために行っていた黒鉛るつぼの段階的な加熱を行う必要がなく、分析炉内は常に一定の温度を保った状態で含有酸素量の測定を行うことができる。すなわち、その温度に応じた量だけ黒鉛るつぼから常時発生するガスに起因する信号をベースライン(基準値)として完全に除去することができ、それだけ精度を向上することができる。
【0017】
さらに、予備還元炉を分析炉と別に設けることで、黒鉛るつぼ内に金属浴剤を投入してこの金属浴剤を加熱溶解する動作に並行して測定対象試料の予備加熱を行うことができ、測定にかかる時間を短縮できる。
【0018】
前記予備還元炉が、前記黒鉛るつぼの上部に連通連結するように水平方向に配置された予備還元るつぼと、このるつぼ内における測定対象試料の水平方向への移動を阻止することで測定対象試料をるつぼ内に保持する段部とを有し、前記試料投入手段が、測定対象試料を段部に抗じて水平方向へ移動させることで測定対象試料を分析炉内に導くアクチュエータを有する場合(請求項2)には、表面酸化膜を取り除いた測定対象試料を簡単な構成で予備還元炉内から分析炉内に搬送できると共に、この連通路内を不活性ガスによって満たしたり真空引きすることにより、測定対象試料に対する酸化膜の再形成を容易かつ確実に阻止することができる。
【0019】
第2発明の含有酸素分析装置は、分析炉内の黒鉛るつぼに測定対象試料および金属浴剤を投入してこれらを加熱溶解することで、測定対象試料の含有酸素量を分析する酸素分析装置であって、酸素分析装置の本体とは別に形成された予備還元炉と、測定対象試料を保持した状態でこの予備還元炉内に挿入可能に構成された試料保持体と、前記分析炉に連通すると共に、内部に不活性ガスを流すことで大気から隔離した状態を保つことができ、かつ、前記試料保持体を導入可能である酸素分析装置の本体側に設けられた開口部と、この開口部の蓋体とを有し、前記試料保持体が、一端側に不活性ガスの流入口を有し他端側に同ガスの排出口を有する予備還元るつぼと、このるつぼの他端側に測定対象試料をるつぼ内に保持させる段部とを有し、前記予備還元炉内に試料保持体を挿入した状態で、測定対象試料を融点以下の温度に加熱してその表面の酸化膜を予備還元した後に、この試料保持体を前記開口部に挿入することで予備還元後の測定対象試料を大気から隔離した状態で前記黒鉛るつぼ内に投入可能としたことを特徴としている。(請求項3)
【0020】
したがって、前記含有酸素分析装置を用いることにより、測定対象試料の表面に付着してる酸化膜を完全に還元して、この測定対象試料の内部における含有酸素(バルク酸素)のみを正確に測定することができる。また、黒鉛るつぼの段階的な加熱を行わないので、分析炉内は常に一定の温度を保った状態で微量含有酸素量の測定を行うことができ、黒鉛るつぼから発生するガスをベースラインとして完全に除去することで精度を向上することができる。
【0021】
さらに、予備還元炉が分析炉を設けた含有酸素分析装置本体とは別体に設けられていることで、黒鉛るつぼ内に金属浴剤を投入してこの金属浴剤を加熱溶解する動作に並行して測定対象試料の予備加熱を行うことができ、測定にかかる時間を短縮できる。また、従来の含有酸素分析装置に前記開口部を形成することで、予備還元を行った後の測定対象試料を大気から隔離した状態で分析炉内に移送することができ、微量含有酸素量の分析を行うことが可能となる。
【0022】
そして、大気から隔離した状態は不活性ガスの流れによって形成されるので、試料保持体に大気の侵入経路となりうる隙間があったとしても、大気の侵入を不活性ガスの流れ(圧力)によって確実に抑えることができ、それだけ確実に大気から隔離した状態を保つことができる。つまり、前記試料保持体の構造は、予備還元るつぼが収納できる大きさで、不活性ガスによるパージができる構造である。また、前記開口部には蓋体が形成されているので、開口部から排出させる不活性ガスのガス量を抑えることができ、それだけ、ランニングコストを引き下げることができる。
【0023】
前記試料保持体の他端側における不活性ガスの排出口をその一端側から開閉操作可能とする蓋体を有する場合(請求項4)には、試料保持体から排出させる不活性ガスのガス量を抑えることができ、それだけ、ランニングコストを引き下げることができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
第3発明の含有酸素分析方法は、測定対象試料を融点以下の温度に加熱してその表面の酸化膜を予備還元する一方で、黒鉛るつぼ内に金属浴剤を投入してその融点以上かつ沸点以下に加熱し、金属浴剤を溶解することでこれに含まれる酸素を還元し、加熱された黒鉛るつぼから発生するガス量が安定した状態で、このガス量を基準値として求め、このときの黒鉛るつぼの温度を一定に保った状態で、前記予備還元後の測定対象試料を黒鉛るつぼ内に投入し、これによって増加する発生ガス量から測定対象試料の含有酸素量を分析する一連の分析動作を、大気から隔離した状態で連通する空間内で行なうことを特徴としている。(請求項5)
【0032】
第4発明の含有酸素分析方法は、測定対象試料を融点以下の温度に加熱してその表面の酸化膜を予備還元する一方で、黒鉛るつぼ内に金属浴剤を投入してその融点以上かつ沸点以下に加熱し、金属浴剤を溶解することでこれに含まれる酸素を還元し、加熱された黒鉛るつぼから発生するガス量が安定した状態で、このガス量を基準値として求め、このときの黒鉛るつぼの温度を一定に保った状態で、前記予備還元後の測定対象試料を黒鉛るつぼ内に投入し、これによって増加する発生ガス量から測定対象試料の含有酸素量を分析する一連の分析動作を、不活性ガスの流れによって大気から隔離した状態で行なうことを特徴としている。(請求項6)
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は、第1の発明の含有酸素分析装置1の構成を示すものである。本例の測定対象試料Sは例えば鉄鋼であり、本発明の含有酸素分析装置1はこの内部に含まれる微量の含有酸素量を測定するものである。また、図4は図2の変形例を示す図である。
【0036】
図1に示すように、本例の含有酸素分析装置1は内部に測定対象試料Sを挿入するための黒鉛るつぼ2(以下、炭素炉2ともいう)を有する分析炉3と、測定対象試料Sをその融点以下の温度にて加熱することでその表面の酸化膜を予備還元する予備還元炉4と、この予備還元炉4を分析炉3に連通連結するための連通路5と、分析炉3にヘリウム(He)などの不活性ガスを供給するガスボンベ6と、分析炉3を通った不活性ガスを分析することにより、発生したガスの量を測定する赤外線ガス分析計7とを有している。また、3pは分析炉3の電力制御部である。
【0037】
図2は前記含有酸素分析装置1のより具体的な構成を示しており、図2において、黒鉛るつぼ2は断面略U字状の有底筒体であり、前記分析炉3を構成する上部電極3aと下部電極3bに挟まれるようにして外気からは遮断された空間A内に設置されるものである。3cは前記電力制御部3pによって制御された電流を両電極3a,3b間に流すことにより、黒鉛るつぼ2を加熱する電源であり、3dは分析炉3の上部において測定対象試料Sおよび金属溶剤Fを導入し、前記ヘリウムガス(He)を導入する導入部、3eは黒鉛るつぼ2を通ったヘリウムガス(He)の排出部である。
【0038】
3fは上部電極3aの内部空間であり、この内部空間3f内に例えば冷却水を流すことにより、黒鉛るつぼ2を急速に冷却させることができる。また、分析炉3と分析計7との間には流路切換弁7aを形成することにより、排出部3eからのガスを分析計7に供給するか排気するかを選択可能としている。
【0039】
前記予備還元炉4は例えばヒータ4aを巻き付けるように水平方向に配置したほゞ筒状の予備還元るつぼ4bと、ヒータ4aの電源4cと、るつぼ4b内において測定対象試料Sの水平方向への移動を阻止することで測定対象試料Sをるつぼ4b内に保持するための段部4dとを有している。また、この分析炉3の一端側は前記連通路5に連通連結されており、他端側には前記ヘリウムガス(He)の排出孔4eを形成している。
【0040】
なお、予備還元炉4の熱源はヒータ4aを用いた電気炉に限られるものではなく、インパルス炉、誘導加熱炉など種々の形式をの熱源を用いることができる。さらに、還元に用いるガスはヘリウム(He)に限られるものではなくアルゴンArなど、その他の不活性ガスを用いてもよい。加えて、不活性ガス以外であっても、水素などのように酸素と結合しやすい物質を用いたものであってもよい。何れにしても、測定対象試料Sは大気と隔離された状態で加熱されることにより、その表面層の酸化膜を還元できるように構成されている。
【0041】
8は予備還元炉4内に位置する測定対象試料Sを前記黒鉛るつぼ2内に投入するための試料投入手段であり、本例では磁力を用いた吸引力によって測定対象試料Sを吸着する電磁石8aと、その電源8bと、より小さい磁力を測定対象試料Sに作用させるための磁性体からなる棒体8cと、この棒体8cを水平方向に移動させることで測定対象試料Sを段部4dに抗じて水平方向へ移動させる摺動駆動部8dとを有している。すなわち、各部8a〜8dが測定対象試料Sを段部4dに抗じて水平方向へ移動させることで測定対象試料Sを分析炉3内に導くアクチュエータを構成する。
【0042】
なお、本例では試料投入手段8に電磁石を用いることで、この試料投入手段8を用いた測定対象試料Sの移送を電気的に制御可能としており、かつ、磁性体の棒体8cを用いることで、弱い磁力を効率よく測定対象試料Sに作用させることができるが、本発明はこの構成を限定するものではない。すなわち、試料投入手段8に永久磁石を用いてもよく、棒体8cを用いることなく、磁力を測定対象試料Sに直接的に作用させてもよい。
【0043】
さらには、測定対象試料Sが磁性体でない場合には、図4に変形例にして示すように、予備還元炉4の他端側から棒体8eによって押し出すことで測定対象試料Sを段部4dに抗じて水平方向へ移動させることも可能である。つまり、本発明の測定対象試料Sは鉄鋼などの磁性体だけに限られるものではなく、銅などの非鉄金属であってもよく、この場合に試料投入手段8には種々の変形が考えられる。
【0044】
前記連通路5は試料投入手段8によって投入された測定対象試料Sを一旦受け止めた後に黒鉛るつぼ2内に投入するための円柱状試料ホルダ5aと、金属浴剤Fとして例えばスズ(Sn)を同様に一時的に受け止めて黒鉛るつぼ2内に投入するための円柱状試料ホルダ5bとを有している。なお、これらの試料ホルダ5a,5bの詳細な構成は、本発明者らが提案している特開2000−55794号公報に示すとおりであるから、その詳細な説明は省略する。
【0045】
前記分析計7は酸素の濃度を精度良く分析できる濃度分析計の例として、例えばNDIR(非分散型赤外線ガス分析計)を挙げることができるが、測定対象である酸素を精度良く分析できるものであれば、その種類を限定するものではない。すなわち、NDIRに代えて質量分析計を用いてもよい。さらには、FTIR(フーリエ変換赤外線ガス分析計)などの多成分分析計を用いて、測定対象試料Sに含まれる酸素以外の含有量も同時に分析可能としてもよい。
【0046】
図3は前記含有酸素分析装置1を用いた測定対象試料Sの含有酸素分析方法を説明する図である。図3中の上半分は予備還元炉4内における動作を示しており、下半分は分析炉3内における動作を示している。いずれの場合にも、炉内の温度の時間変化と、これによって還元される還元酸素量の時間変化を対応させて示している。
【0047】
本例では時点T11において測定対象試料Sを予備還元炉4内に投入し、時点T12において前記予備還元炉4内を鉄の沸点(1540℃)以下の例えば900〜1400℃の温度で加熱し、その表面の酸化膜を除去するための脱ガスを行なう。このとき、測定対象試料Sの表面の酸化膜から酸素が還元されることで、S11に示すように、一酸化炭素(CO)などのガスに変換されて、排出孔4eから排出される。
【0048】
この予備還元は例えば5分間行って、時点T13においてヒータ4aによる加熱を止めることにより、測定対象試料Sを冷却する。なお、上述の予備還元は、ヘリウムガス(He)を供給しながら行われるので、測定対象試料Sの周囲はヘリウムガス(He)の流れによって、大気から確実に隔離した状態となる。特に、たとえ連通路5および予備還元炉4内が完全に機密ではなく、小さな隙間があったとしても、この隙間を介して連通路5または予備還元炉4の内側から外側にヘリウムガス(He)の流れが生じ、内側の圧力が外側の圧力よりも高くなるので、外気がこれに逆送して内側に流れ込むことがない。
【0049】
そして、測定対象試料S(鉄鋼)がキュリー温度以下に下がった時点T14で電磁石8aによって磁気を発生させ、摺動駆動部8dによって棒体8cを摺動させる。これにより、磁力による吸引力を用いて鉄鋼Sを吸着し、段部4dを越えて連通路5の直上に移動させることができ、電磁石8aへの通電を止めることにより、鉄鋼Sを試料ホルダ5aに投入することができる。
【0050】
一方、分析炉3内においては、時点T15において分析炉3内を例えば3000℃近くまで加熱し、その中の酸素を脱ガスし、時点T16において分析炉3内の温度を分析温度(例えば2400℃)に温調する。このとき分析炉3内で発生する一酸化炭素(CO)は曲線S12に示すように、一旦増加して再び減少する。なお、黒鉛るつぼ2からは脱ガス後において、分析温度に温調された状態でも定常的にガス(CO)が発生する。
【0051】
次に、時点T17において粉体または顆粒の金属浴剤FとしてのスズSnを試料ホルダ5bを用いて黒鉛るつぼ2内に投入すると、これに伴ってスズSnが溶解して、浴剤F中の酸素が放出されることで一酸化炭素(CO)が発生する。
【0052】
なお、符号S13はスズSnの投入によって生じた一酸化炭素(CO)の量を示している。本例に示すように金属浴剤Fを用いることにより、熱酸化物の分解を確実に行うことができ、発生した一酸化炭素(CO)ガスの捕獲を防止することができる。
【0053】
さらに、分析炉3内を前記分析温度にて安定させると、やがて浴剤F中の酸素が全部放出されて、分析計7によって検出される一酸化炭素(CO)の濃度が安定する。そして、黒鉛るつぼ2内には、溶解したスズSnの金属浴F’(図2参照)が形成される。
【0054】
なお、前記分析炉3内における黒鉛るつぼ2の脱ガスやスズSnによる金属浴F’の形成は前記予備還元炉4内における測定対象試料Sの酸化膜の還元と同時に並行して行われてもよく、これによって測定時間を短縮することができる。
【0055】
次いで、前記一酸化炭素(CO)の濃度が安定した段階で、このとき検出される一酸化炭素(CO)の濃度を、測定の基準値(ベースライン)Bとして記憶し、黒鉛るつぼ2の温度を分析温度に安定させた状態で、時点T18において試料ホルダ5aを用いて前記予備還元後の測定対象試料Sを黒鉛るつぼ2内に投入する。符号S14は測定対象試料Sの投入に伴って生じた一酸化炭素(CO)の量を示している。
【0056】
そして、前記ベースラインBから上の部分(増加部分)における測定値を積分することにより、この測定対象試料Sに含まれる酸素の量を正確に求めることができる。前記測定対象試料Sの表面酸化は0.3μg/gで分析目的レベルが3μg/g程度であるから、この酸化膜に含まれる酸素を分析結果に加算してしまうと、その測定バラツキの影響は大きく、結果としてR=0.5となるが、本発明では表面酸化膜を完全に除去して測定することができるので、その分析精度を向上することができる。
【0057】
ここで、測定対象試料Sの全体の重量が1gであるとすると、前記酸化膜の重量は極めて薄く、例えば150nm程度である。すなわち、半径3.15mmの試料に対して、0.000015/3.15で全体の重量に対して無視できるものである。換言すれば、酸化膜は非常に濃度が濃い状態で酸素が、
0.3μg/(5.1×π×4/3×0.0004465×1000μg)
≒0.3/9.54≒0.03であり、
O2 /Fe2 O3 =32/(55.8×2+16×3)=0.2である。
したがって、150nmの薄膜に含まれるFe2 O3 の平均濃度は、
0.2×15%=0.03であるから、分析精度は分析値3μg/gに対して、R=0.1となり、向上する。
【0058】
つまり、本発明によれば、金属浴剤Fの投入と測定対象試料Sの投入との間に時間差を持たせることができるので、前記金属浴F’に含まれる酸素および黒鉛るつぼ2から定常的に発生する一酸化炭素(C0)が安定するまで一定の分析温度で加熱し、これが安定した時点でこれをベースラインBとして設定してから測定対象試料Sを投下することができるので、ベースラインBの補正が確実に行うことができる。これによって、分析精度を飛躍的に向上することができる。加えて、本発明によれば、表面酸化膜の除去を1回だけ行なうものであるから、図9に示したような従来技術に比べて、測定が迅速に行うことができる。
【0059】
図5〜7は本発明の第2実施例を示す図であって、図5(A)は前記予備還元炉4に対応する予備還元炉10の構成を示し、図5(B)は含有酸素分析装置1の本体1’の構成を示し、図7(A)〜図7(C)は酸素分析装置本体1’に測定対象試料Sを投入する方法を説明する図である。図5〜7に示す例において、図1〜図4と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明は省略する。
【0060】
図5(A)に示すように、本例の予備還元炉10は酸素分析装置本体1’とは別に設けられるものであり、その内部に試料保持体11を挿入することにより測定対象試料Sを加熱し、その表面に形成された酸化膜を還元するものである。
【0061】
予備還元炉10は例えば内部に試料保持体11を挿入可能とするガイド筒10aと、このガイド筒10aの外周に巻き付けてなるヒータ10bと、このヒータ10bに電力を供給する電源10cとを有している。
【0062】
一方、試料保持体11は例えば測定対象試料Sを内部に位置させた状態でこれを加熱する予備還元るつぼ11aと、この予備還元るつぼ11aの外周に接することでこれを内部に保持する筒体11bと、この筒体11bを被覆するように回動自在に取り付けられる有底の筒体11cと、筒体11bの一端側を封鎖する戸とともに不活性ガスとしてのヘリウムガス(He)の流入口11dを形成する蓋体11eと、このヘリウムガス(He)の流量調整弁11fとを有している。
【0063】
また、前記筒体11cの底面には試料保持体11の他端側には、その中心から外れた位置に前記ヘリウムガス(He)の排出口11gを形成しており、一端側にはこの筒体11cを回動させるためのフランジ11hを形成している。一方、予備還元るつぼ11aの他端側には、前記排出口11gを塞ぐ位置において内部に突出して測定対象試料Sを内部に保持させるための段部11hを形成し、この段部11hには幾らかのヘリウムガス(He)を排出させるための排出口11jを形成している。
【0064】
そして、前記筒体11cの底面が、この筒体11cの回動に伴って試料保持体11の他端側を開閉する蓋体11kとなるように構成している。
【0065】
したがって、前記試料保持体11の他端側をガイド筒10a内に挿入した状態でヘリウムガス(He)を流しながらヒータ10bに対する通電を行うことで、試料保持体11内をヘリウムガス(He)によってパージしながら測定対象試料Sを加熱することができ、大気から隔離した状態を保ったままで測定対象試料Sの酸化膜を還元することができる。
【0066】
一方、図5(B)に示すように、分析装置本体1’は大気から隔離した状態を保ちながら前記試料保持体11内の測定対象試料Sを投入可能とするホッパー12を形成している。
【0067】
前記ホッパー12の構成は、例えば前記分析炉3に連通すると共に内部に不活性ガスの一例としてのヘリウムガス(He)を流すことで大気から隔離した状態を保つことができる開口部12aと、この開口部12aの開放端部を開閉する蓋体12bと、この蓋体12bの閉状態を保持するためのフック12cと、蓋体12bを閉じた状態で開口部12aを外部から気密に保つためのシール12d(Oリング)とを有している。
【0068】
したがって、前記金属浴剤Fの投入時も、測定対象試料Sの投入時もこの同じ開口部12aを介して行なえると共に、開口部12a内をヘリウムガス(He)によってパージして大気から隔離した状態に保つことが可能である。また、蓋体12bを閉じることにより、ヘリウムガス(He)の消費量を抑えることも可能であるから、ランニングコストを抑えることができる。
【0069】
なお、本例においては金属浴剤Fと測定対象試料Sの何れもが同じ開口部12aを介して投入できる構成としているので、試料ホルダ5bに金属浴剤Fを保持させるときには試料ホルダ5aを図示しているように摺動させて、連通路5を開放することが望ましい。同様に、試料ホルダ5aに保持させた測定対象試料Sを黒鉛るつぼ2内に投入するときは、試料ホルダ5bを後述の図7(C)に示すように摺動させて、連通路5を開放することが望ましい。さらには、試料ホルダ5aと試料ホルダ5bを一つにまとめた試料ホルダを形成する変形も考えられる。
【0070】
図6は図5(B)に示したホッパー12の変形例を示すものであり、12eは開口部12aに対して水平方向に摺動する蓋体である。本例のように構成することにより、開口部12aの容積を小さくすることができる。つまり、蓋体の構成は開口部12aを上から押さえるように回動してこれを閉じるものであっても、左右に摺動することで開閉するものであってもよいが、蓋体12eを左右方向に摺動させることにより、開口部12aの容積を小さくして蓋体12eの開閉動作に伴って消費する不活性ガス(He)の消費量をさらに少なくすることができる。
【0071】
次に、前記ホッパー12を用いて、前記予備還元炉10内で予備還元を行った後の測定対象試料Sを、開口部12aを介して投入する時の動作を説明する。なお、以下の図7においては、主に上下方向の回動によって開閉する蓋体12bを形成したホッパー12の例を示すが、摺動によって開閉する蓋体12eを形成したホッパー12においてもほゞ同様の方法で、測定対象試料Sを投入することができる。
【0072】
まず、図7(A)に示すように、蓋体12bを開いて前記試料保持体11を挿入可能とする。このとき、開口部12aおよび排出口11gの両方からヘリウムガス(He)が流出し続けており、測定対象試料Sは試料保持体11内で大気から隔離された状態を保っている。そして、試料保持体11を少し傾けることにより、測定対象試料Sを前記段部11iから外れた位置に移動させる。なお、試料保持体11を挿入しやすくするためにはその外径を開口部12aの内径に比べて幾らか小さく成形することが望ましい。
【0073】
次に、図7(B)に示すように、開口部12a内に試料保持体11を挿入する。このとき試料保持体11とホッパー12の両方に供給されるヘリウムガス(He)が開口部12aの内周と試料保持体11の外周との間に形成される隙間を通って外部に排出されるので、その流れが速くなっており、これに逆流して大気が入り込むことはない。すなわち、開口部12a内の空間A’は確実に大気から隔離された状態となる。なお、前記試料保持体11の外径を開口部12aの内径に比べてあまりに小さくしすぎると、前記隙間が広くなるので大気が入り込むことがないように十分な流量のヘリウムガス(He)を排出させる必要がある。
【0074】
そして、図7(C)に示すように試料保持体11の一端側からのフランジ11hの回動操作を行なうことにより、排出口11gの位置を測定対象試料Sの位置に合わせることで、前記蓋体11kを開き、測定対象試料Sを大気から隔離した状態で試料ホルダ5aに移すことができる。すなわち、試料保持体11を用いて測定対象試料Sを移送する時にも不活性ガス(He)の流れによって大気から完全に隔離した状態を保つことが可能となる。
【0075】
本例のように構成することにより、図1〜4に示した第1実施例と同様の効果が得られるとともに、予備還元炉10を敢えて別体として形成することにより、含有酸素分析装置1の本体1’側の構成を簡素にすることができる。また、既存の含有酸素分析装置1に対してホッパー12を取付けるだけで実施可能となる。なお、測定手順については、第1実施例と同様である。
【0076】
また、上述した詳細な構成は、本発明を説明しやすいように例示したものであるから、本発明の内容を限定するものではないことはいうまでもない。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
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【0094】
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【0096】
【0097】
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【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
上述した各例では、測定対象試料Sを加熱溶解させるために金属浴剤Fを用いた例を示しており、これによって測定対象試料Sの酸素濃度が高い場合においても、耐熱酸化物の分解を確実に行うことが可能となるが、本発明は金属浴剤Fを用いることを限定するものではない。また、不活性ガスの例としてヘリウムガス(He)を用いる例を示しているが、このヘリウムガス(He)に代えてアルゴンガス(Ar)その他の不活性ガスを用いることが可能であることは言うまでもない。
【0109】
【発明の効果】
本発明の含有酸素分析装置および含有酸素分析方法によれば、簡単な構成でありながら、測定対象試料の表面に生じる酸化膜の影響を受けることなく、測定対象試料内に存在する微量の含有酸素量を精度よく定量分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の含有酸素分析装置の要部の構成を概略的に示す図である。
【図2】 前記含有酸素分析装置の構成を示す図である。
【図3】 前記含有酸素分析装置の動作を説明するための図である。
【図4】 前記含有酸素分析装置の変形例を示す図である。
【図5】 第2実施例の含有酸素分析装置の構成を示す図である。
【図6】 前記含有酸素分析装置の変形例を示す図である。
【図7】 前記含有酸素分析装置の動作を説明するための図である。
【図8】 従来の含有酸素分析装置の動作の一例を説明する図である。
【図9】 従来の含有酸素分析装置の動作の別の例を説明する図である。
【符号の説明】
1…含有酸素分析装置、1’…酸素分析装置本体、2…黒鉛るつぼ、3…分析炉、4…予備還元炉、4b…予備還元るつぼ、4d…段部、8,8e…アクチュエータ、5…連通路、10…予備還元炉、11…試料保持体、11a…予備還元るつぼ、11d…不活性ガスの流入口、11g,11j…不活性ガスの排出口、11i…段部、11e…蓋体、12a…開口部、12b…蓋体、B…基準値、F…金属浴剤、S…測定対象試料。
Claims (6)
- 分析炉内の黒鉛るつぼに測定対象試料および金属浴剤を投入してこれらを加熱溶解することで、測定対象試料の含有酸素量を分析する酸素分析装置であって、大気から隔離した状態で測定対象試料を融点以下の温度に加熱することでその表面の酸化膜を予備還元する予備還元炉と、
この測定対象試料を大気から隔離した連通路を介して前記黒鉛るつぼ内に投入するための試料投入手段とを有することを特徴とする含有酸素分析装置。 - 前記予備還元炉が、前記黒鉛るつぼの上部に連通連結するように水平方向に配置された予備還元るつぼと、このるつぼ内における測定対象試料の水平方向への移動を阻止することで測定対象試料をるつぼ内に保持する段部とを有し、
前記試料投入手段が、測定対象試料を段部に抗じて水平方向へ移動させることで測定対象試料を分析炉内に導くアクチュエータを有する請求項1に記載の含有酸素分析装置。 - 分析炉内の黒鉛るつぼに測定対象試料および金属浴剤を投入してこれらを加熱溶解することで、測定対象試料の含有酸素量を分析する酸素分析装置であって、酸素分析装置の本体とは別に形成された予備還元炉と、
測定対象試料を保持した状態でこの予備還元炉内に挿入可能に構成された試料保持体と、前記分析炉に連通すると共に、内部に不活性ガスを流すことで大気から隔離した状態を保つことができ、かつ、前記試料保持体を導入可能である酸素分析装置の本体側に設けられた開口部と、
この開口部の蓋体とを有し、
前記試料保持体が、一端側に不活性ガスの流入口を有し他端側に同ガスの排出口を有する予備還元るつぼと、このるつぼの他端側に測定対象試料をるつぼ内に保持させる段部とを有し、
前記予備還元炉内に試料保持体を挿入した状態で、測定対象試料を融点以下の温度に加熱してその表面の酸化膜を予備還元した後に、この試料保持体を前記開口部に挿入することで予備還元後の測定対象試料を大気から隔離した状態で前記黒鉛るつぼ内に投入可能としたことを特徴とする含有酸素分析装置。 - 前記試料保持体の他端側における不活性ガスの排出口をその一端側から開閉操作可能とする蓋体を有する請求項3に記載の含有酸素分析装置。
- 測定対象試料を融点以下の温度に加熱してその表面の酸化膜を予備還元する一方で、
黒鉛るつぼ内に金属浴剤を投入してその融点以上かつ沸点以下に加熱し、金属浴剤を溶解することでこれに含まれる酸素を還元し、
加熱された黒鉛るつぼから発生するガス量が安定した状態で、このガス量を基準値として求め、
このときの黒鉛るつぼの温度を一定に保った状態で、前記予備還元後の測定対象試料を黒鉛るつぼ内に投入し、
これによって増加する発生ガス量から測定対象試料の含有酸素量を分析する
一連の分析動作を、大気から隔離した状態で連通する空間内で行なうことを特徴とする含有酸素分析方法。 - 測定対象試料を融点以下の温度に加熱してその表面の酸化膜を予備還元する一方で、
黒鉛るつぼ内に金属浴剤を投入してその融点以上かつ沸点以下に加熱し、金属浴剤を溶解することでこれに含まれる酸素を還元し、
加熱された黒鉛るつぼから発生するガス量が安定した状態で、このガス量を基準値として求め、
このときの黒鉛るつぼの温度を一定に保った状態で、前記予備還元後の測定対象試料を黒鉛るつぼ内に投入し、
これによって増加する発生ガス量から測定対象試料の含有酸素量を分析する
一連の分析動作を、不活性ガスの流れによって大気から隔離した状態で行なうことを特徴とする含有酸素分析方法。
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