JP4037493B2 - 基板冷却手段を備えた成膜装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空下において被処理基板を成膜処理するための成膜装置であって、特に、被処理基板を冷却するための基板冷却手段を備えた成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造工程、液晶表示パネル製造工程、或いはディスク製造工程等の各種の製造工程において、シリコンウエハ、液晶表示基板、光ディスクやミニディスク等の被処理基板の成膜処理を行うために成膜装置が使用されている。
【0003】
成膜装置には各種のタイプがあるがその代表的なものとして、被処理基板を真空下において処理するための真空処理室の内部にプラズマを形成し、このプラズマによってターゲットをスパッタリングし、ターゲットから放出されたターゲット原子によって被処理基板の表面に薄膜を形成するようにしたスパッタリング装置がある。
【0004】
また、プラズマを利用するスパッタリング装置にもいろいろなタイプのものがあるが、そのうちの1つに磁場を利用して真空処理室の内部にプラズマを形成するタイプがある。
【0005】
図7は、このタイプのスパッタリング装置の真空処理室部分を示した側断面図であり、図7において符号2Aは真空処理室を示し、この真空処理室2Aは真空ポンプ(ターボ分子ポンプ)12によって真空排気可能である。真空処理室2Aは開口部2aを備えており、この開口部2aは、バルブ開閉機構27によって開閉駆動されるバルブ円板よりなる可動蓋26によって閉塞されている。
【0006】
また、可動蓋26の内面26aの下部には可動蓋側電気接続部30が取り付けられている。また、真空処理室2Aには、可動蓋側電気接続部30に対向する位置に処理室側電気接続部31が取り付けられている。
【0007】
これらの可動蓋側及び処理室側電気接続部30、31は、被処理基板Dの処理中に膜付着等の汚損を受けないようにリフレクター36によって保護されている。また、処理室側電気接続部31は、電源32及びスパッタリング装置の制御部33に電気的に接続されている。
【0008】
そして、図7から分かるように、可動蓋26が真空処理室2Aの開口部2aを閉塞した状態においては、可動蓋側電気接続部30と処理室側電気接続部31とが接触して電気的に接続されている。
【0009】
可動蓋26は内面26aを有し、この内面26aには被処理基板(ディスク)Dを保持するための4個の基板ホルダー28が回転可能に設けられている。また、真空処理室2Aには、所定の成膜処理を行うためのスパッタ源14Aが設置されている。このスパッタ源14Aは、被処理基板Dに対向するようにして配置されたターゲットTと、真空処理室2Aの内部にプラズマを生成するためのマグネット(図示せず)とを備えている。
【0010】
そして、このスパッタリング装置において被処理基板Dの成膜処理を実施する際には、真空排気された真空処理室2Aの内部に所定のガスを導入すると共に、マグネットによる磁場を利用しながら真空処理室2Aの内部に導入されたガスをプラズマ化する。
【0011】
真空処理室2Aの内部にプラズマが形成されると、このプラズマによってターゲットTの表面からターゲット原子がスパッタされ、被処理基板Dに向かってターゲット原子が放出される。被処理基板Dに向かって放出されたターゲット原子は被処理基板Dの表面に付着して堆積し、これによって被処理基板Dの表面に所望の膜が形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の成膜装置、特にスパッタリング装置においては、成膜処理中に輻射及び凝縮熱によって被処理基板の温度が上昇し、例えば被処理基板がポリカーボネート製ディスクの場合には熱によってディスクにソリ等の熱変形が生じてしまう恐れがある。
【0013】
被処理基板の過熱を防止するためには、被処理基板に冷却治具を接触させて熱を逃がす方法が考えられるが、例えばディスクの場合には接触可能な範囲がその内外周部分に限られてしまい、十分な冷却を行うことができない。
【0014】
そこで、従来の成膜装置においては被処理基板に対する加熱率自体を下げることによって被処理基板の熱変形を防止するようにしており、例えばスパッタリング装置においてはスパッタ電力を低く設定することによって被処理基板の温度上昇を抑えるようにしていた。
【0015】
しかしながら、このように成膜装置の出力、例えばスパッタ電力を低く設定すると被処理基板に対する成膜速度が小さくなってしまうので、成膜装置による基板の処理効率の低下を招いてしまうという問題があった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、被処理基板の過熱を防止できると共に処理効率の向上を図ることができる、基板冷却手段を備えた成膜装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による基板冷却手段を備えた成膜装置は、真空処理室の内部で被処理基板を保持するための基板ホルダーと、前記基板ホルダーを回転駆動するための回転駆動手段と、を備え、前記基板ホルダーは、前記被処理基板の裏面と前記基板ホルダーの表面との間に所定の間隔を形成するようにして前記被処理基板を保持する成膜装置において、前記被処理基板を冷却するための基板冷却手段を備え、前記基板冷却手段は、前記所定の間隔によって形成された基板裏面側空間に基板冷却用ガスを供給するための基板冷却用ガス供給機構を有し、前記回転駆動手段は、前記基板ホルダーが固設された筒状の回転出力軸と、前記回転出力軸を内側から軸支する回転中心軸とを有するモータを備え、前記基板冷却用ガス供給機構は、前記回転中心軸をその長手方向に貫通するガス流路と、前記回転出力軸の頂部に形成され、前記ガス流路の出口端が露出するガス受入空間と、前記ガス受入空間と前記基板裏面側空間とを連通するように前記基板ホルダーに形成されたガス導入孔と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明による基板冷却手段を備えた成膜装置は、前記基板冷却手段は、さらに、前記基板ホルダーを冷却するためのホルダー冷却手段を有することを特徴とする。
【0023】
本発明による基板冷却手段を備えた成膜装置は、前記ホルダー冷却手段は、前記基板ホルダーの裏面に対して離間して対向する冷却面を有するホルダー冷却部と、前記基板ホルダーの裏面と前記ホルダー冷却部の前記冷却面との間にホルダー冷却用ガスを供給するためのホルダー冷却用ガス供給機構と、前記ホルダー冷却部を冷却するための主冷却機構と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明による基板冷却手段を備えた成膜装置は、前記基板ホルダーの裏面及び前記ホルダー冷却部の前記冷却面には、非接触にて互いに相補的にはまり合う同心状の凹凸形状がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明による基板冷却手段を備えた成膜装置は、前記基板冷却用ガスのガス分子の平均自由行程と前記所定の間隔とが等しくなるときの前記基板冷却用ガスの圧力をP1とおき、前記基板冷却用ガスの前記基板裏面側空間への導入圧力をPとおいた場合に、P>P1となるようにしたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明の参考例の第1実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置について図1乃至図4を参照して説明する。
【0027】
まず初めに、本実施形態による成膜装置であるスパッタリング装置の全体構成について図1を参照して説明する。
【0028】
図1はスパッタリング装置の平断面図であり、平面形状がほぼ八角形のハウジング10の内側には、内部を真空排気可能な真空搬送室3が形成されている。この真空搬送室3の一辺には、真空搬送室3の内部に被処理基板Dを搬入し又は搬出するためのロードロック室1が形成され、残りの7辺には7個の真空処理室2A、2B…2Gが等角度間隔で配置形成されている。
【0029】
そして、これらの真空処理室2A、2B…2Gの内部で、被処理基板Dに対してスパッタリングによる成膜処理が施される。なお、本実施形態による成膜装置によって処理される被処理基板Dはコンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)等の円形基板であり、中央部に円形開口が形成されたものである。
【0030】
ロードロック室1及び真空処理室2A、2B…2Gの真空搬送室3に面する側には、被処理基板Dを出し入れするための同形同大の開口部1a、2aがそれぞれ形成されている。また、各真空処理室2には、真空ポンプであるターボ分子ポンプ12(図2参照)が接続されて内部を真空排気できると共に、所定の成膜処理を行うためのスパッタ源14A、14B…14Gが設置されている。
【0031】
真空搬送室3の底部には、環状の回転テーブル15が回転可能に配置され、この回転テーブル15の外周には大歯車18が形成されている。この大歯車18には駆動小歯車19が噛み合っている。
【0032】
回転テーブル15の上面には8台のバルブ機構25が回転テーブル15の円周方向に沿って配設されており、これらのバルブ機構25はロードロック室1と7個の真空処理室2A、2B…2Gに対応するように配置されている。各バルブ機構25は、ロードロック室1及び真空処理室2A、2B…2Gのそれぞれの開口部1a、2aを閉塞可能なバルブ円板よりなる可動蓋26と、この可動蓋26を開閉駆動するバルブ開閉機構27とを備えている。
【0033】
各可動蓋26は、ロードロック室1及び真空処理室2A、2B…2Gの各開口部1a、2aを閉塞したときにロードロック室1及び真空処理室2A、2B…2Gの内部に面する内面26aを有し、この内面26aには、被処理基板Dを回転保持するための4個の基板ホルダー120が回転(自転)可能に設けられている。
【0034】
また、ロードロック室1の搬入側には、被処理基板Dをロードロック室1内に搬入するための搬送装置29が設けられており、この搬送装置29によってロードロック室1の内部に4枚一組で被処理基板Dが搬入され又は搬出される。
【0035】
図2は、可動蓋26によって真空処理室2Aを閉塞した状態を示した側断面図である。図2に示したように可動蓋26の内面26aの下部には可動蓋側電気接続部30が取り付けられている。また、真空処理室2Aの真空搬送室3に面した側には、可動蓋側電気接続部30に対向する位置に処理室側電気接続部31が取り付けられている。
【0036】
これらの可動蓋側及び処理室側電気接続部30、31は、被処理基板Dの処理中に膜付着等の汚損を受けないようにリフレクター36によって保護されている。また、処理室側電気接続部31は、電源32及びスパッタリング装置の制御部33に電気的に接続されている。
【0037】
そして、図2から分かるように、可動蓋26が真空処理室2Aの開口部2aを閉塞した状態においては、可動蓋側電気接続部30と処理室側電気接続部31とが接触して電気的に接続されている。
【0038】
また、図2に示したようにスパッタ源14Aは、被処理基板Dに対向するようにして配置されたターゲットTと、真空処理室2Aの内部にプラズマを生成するためのマグネット(図示せず)とを備えている。
【0039】
なお、図2は1つの真空処理室2A及び1つの可動蓋26を例示したものであり、他の真空処理室2B、2C…2G及び他の可動蓋26、26…26についても同様に、可動蓋側電気接続部30及び処理室側電気接続部31がそれぞれ取り付けられている。
【0040】
このスパッタリング装置において被処理基板Dの成膜処理を実施する際には、真空排気された真空処理室2Aの内部に所定のガスを導入すると共に、マグネットによる磁場を利用しながら真空処理室2Aの内部に導入されたガスをプラズマ化する。
【0041】
真空処理室2Aの内部にプラズマが形成されると、このプラズマによってターゲットTの表面からターゲット原子がスパッタされ、被処理基板Dに向かってターゲット原子が放出される。被処理基板Dに向かって放出されたターゲット原子は被処理基板Dの表面に付着して堆積し、これによって被処理基板Dの表面に所望の膜が形成される。
【0042】
次に、本実施形態による成膜装置の特徴部分である基板冷却手段について説明する。
【0043】
図3は、本実施形態による成膜装置の要部を示した側断面図である。図3において符号41は可動蓋26に設けられたベースプレートを示し、このベースプレート41には回転軸80が挿通された開口部81が形成されている。
【0044】
回転軸80には基板ホルダー120が設けられており、この基板ホルダー120は、回転軸80に固設されたベース部53と、このベース部53に被処理基板Dを固定するためのインナーマスク58及びアウターマスク59を備えている。また、ベース部53には段部60を有する基板受入凹部61が形成されており、段部60で被処理基板Dの外周裏面を支持することによって、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー120のベース部53の表面62との間に所定の間隔dが形成されている。
【0045】
ベースプレート41の開口部81の裏面側の周囲には、回転軸80を軸支する軸受け部82が固設されており、この軸受け部82は複数のベアリング83を介して回転軸80を軸支している。また、回転軸80と軸受け部82との間には複数のOリング84が設けられて気密性が保たれている。なお、ベースプレート41と軸受け部82との間にもOリング85が設けられて気密性が保たれている。
【0046】
回転軸80にはギヤ部86が設けられており、このギヤ部86は図示を省略した回転駆動機構に連結され、この回転駆動機構からギヤ部86に動力を伝達することによって回転軸80及び基板ホルダー120が回転駆動される。
【0047】
回転軸80の下端には延長部材87が固設されており、この延長部材87は複数のベアリング88を有するロータリージョイント89によって軸支されている。また、ロータリージョイント89と延長部材87との間には複数のOリング90が設けられて気密性が保たれている。
【0048】
さらに、本実施形態による成膜装置は基板冷却手段91を備えており、この基板冷却手段91は、所定の間隔dによって形成された基板裏面側空間75に基板冷却用ガスを供給するための基板冷却用ガス供給機構92を備えている。
【0049】
この基板冷却用ガス供給機構92は、軸受け部82を貫通する第1ガス流路93、回転軸80を貫通する第2ガス流路94、第1ガス流路93と第2ガス流路94とを連通させるために回転軸80に周設された環状溝からなる第3ガス流路95、及び基板ホルダー120のベース部53に形成された貫通孔からなる第4ガス流路96を備えており、これらの第1、第2、第3、第4ガス流路93、94、95、96によって、回転軸80及び基板ホルダー120を貫通して基板裏面側空間75に達するガス流路が形成されている。
【0050】
ここで、基板冷却用ガスには、熱伝導率が高く且つ被処理基板Dの成膜プロセスに影響しない不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガスを使用する。
【0051】
また、基板冷却手段91は、さらに、基板ホルダー120を冷却するためのホルダー冷却手段97を備えている。このホルダー冷却手段97は、基板ホルダー120を冷却するために基板ホルダー120の内部に広範囲に形成された冷却媒体流通空間98と、この冷却媒体流通空間98に冷却媒体を供給するための冷却媒体流路99とを備えている。
【0052】
冷却媒体流路99は、回転軸80及びその延長部材87の内部に軸方向に設けられた外管100及び内管101からなる二重管によって形成された往路側冷却媒体流路102及び復路側冷却媒体流路103、並びに基板ホルダー120のベース部53に形成された導入孔104及び排出孔105によって構成されている。
【0053】
また、ロータリージョイント89には短管106が設けられており、この短管106と往路側冷却媒体流路102とを連通させるために、延長部材87には往路側冷却媒体流路102に連通する環状の流路107が形成されている。
【0054】
なお、冷却媒体流路99に流すための冷却媒体としては、水等の液体、或いは不活性ガス(例えばAr)等の気体を使用することができる。
【0055】
次に、本実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置の作用について説明する。
【0056】
ロータリージョイント89に設けられた短管106を経由して、延長部材87に形成された環状の流路107に冷却媒体が供給される。ここで、延長部材87は回転軸80と共に回転しているが、流路107は環状であるのでこの流路107と短管106とは常に連通状態が維持されている。
【0057】
環状の流路107に供給された冷却媒体は往路側冷却媒体流路102内を流れて導入孔104に達し、この導入孔104を介して冷却媒体流通空間98内に導入される。冷却媒体流通空間98内に導入された冷却媒体は、この冷却媒体流通空間98の内部を流れた後に排出孔105に達し、この排出孔105を介して復路側冷却媒体流路103内に流れ込み、排出される。
【0058】
また、回転軸80と軸受け部82とは一部において機械接触しているので、基板ホルダー120の熱の一部は回転軸80に伝達された後にこの機械接触部分を介して放熱される。
【0059】
このように基板ホルダー120のベース部53の内部の冷却媒体流通空間98内に冷却媒体を流通させることによって、基板ホルダー120の熱が冷却媒体を介して除去されるので、真空下であり、しかも高速回転状態であるにもかかわらず基板ホルダー120が十分に冷却される。
【0060】
なお、冷却媒体流通空間98の内部に、冷却媒体が冷却媒体流通空間98内を満遍なく流れるようにするための仕切を設けることによって、基板ホルダー120のベース部53の全体を満遍なく冷却することができる。
【0061】
また、第1ガス流路93、第2ガス流路94、第3ガス流路95、及び第4ガス流路96よりなる基板冷却用ガス供給機構92を介して、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー120のベース部53の表面62との間に形成された基板裏面側空間75に基板冷却用ガスが供給される。基板裏面側空間75に導入された基板冷却用ガスのガス分子は被処理基板Dの裏面Daとベース部53の表面62とを衝突往復する。
【0062】
そして、上記の如く基板ホルダー120は冷却されているので、被処理基板Dの裏面Daとベース部53の表面62との間で基板冷却用ガスを媒介として非接触形式の熱伝達が行われ、これによって被処理基板Dが十分に冷却される。
【0063】
次に、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー120のベース部53の表面62との間の所定の間隔dの最適化方法について説明する。
【0064】
基板裏面側空間75への基板冷却用ガスの導入圧力をP[Pa]とおき、導入された基板冷却用ガスのガス分子の平均自由行程をλ[ mm] とおくと、
λ〓1/P ・・・(1)
となる。
【0065】
また、被処理基板Dの裏面Da及び基板ホルダー120のベース部53の表面62に対するガス分子の入射頻度をΓ[個/s]とおくと、
Γ〓P ・・・(2)
となる。
【0066】
基板裏面側空間75に導入された基板冷却用ガスのガス分子は、冷却されているベース部53の表面62に衝突、吸着し、冷却される。冷却されたガス分子はベース部53の表面62から離脱し、被処理基板Dの裏面Daに衝突、吸着することによって被処理基板Dの熱が奪われて冷却が行われる。
【0067】
ガス分子の平均自由行程λがディスク〜ホルダー間の所定の間隔dと等しくなるときの導入圧力をP1[Pa]とすると、導入圧力PがP1よりも低い場合には導入されたガスは分子流(λ>d)となる。この場合には上式(2)のようにΓ〓Pであり、導入圧力Pの増加に伴って入射頻度Γが増加し、熱伝達が促進されて冷却効率も増加する。
【0068】
一方、導入圧力PがP1よりも高い場合には、導入されたガスは粘性流(λ<d)となる。この場合には分子同士の衝突により熱伝達は導入圧力Pに依存せず一定となる。
【0069】
上記考察から分かるように、導入圧力Pが変動した場合においてもなお高い冷却効率を実現するためには、P>P1とすれば良い。このようにP>P1とすることによって被処理基板Dを安定的に且つ高い冷却効率の下で冷却することができる。
【0070】
また、P1が大きくなるほど入射頻度Γが大きくなり、被処理基板Dの冷却効果が大きくなる。そこで、ディスク〜ホルダー間の所定の間隔dを狭めることによってP1を増加させ、これによって入射頻度Γを増加させて被処理基板Dの冷却効果を増加させることができる。
【0071】
図4は、基板裏面側空間75への基板冷却用ガス(Ar)の導入流量と被処理基板Dの温度上昇との関係を示したグラフであり、ディスク〜ホルダー間の所定の間隔dを変えた場合の2種類の結果を示している。なお、基板ホルダー120はアルミ合金によって形成されている。
【0072】
図4から分かるように、基板裏面側空間75に基板冷却用ガスを流すことによって被処理基板Dの温度上昇を抑制することが可能であり、また、ディスク〜ホルダー間の所定の間隔dを0.8mmから0.4mmに短縮することによって被処理基板Dの冷却効果が増大している。
【0073】
例えば、ディスク〜ホルダー間の所定の間隔dを0.4mmとし、Arガス流量を30sccmとすることによって、ガスをまったく流さない場合には70℃であったものが30℃低下して40℃となっている。
【0074】
以上述べたように本実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置によれば、処理中或いは処理前後において被処理基板Dを基板冷却手段91によって十分に冷却することができるので、スパッタ電力を従来よりも高く設定した場合でも過熱によって被処理基板Dにソリ等の熱変形が生じることがない。このため、スパッタ電力を高く設定して成膜速度を大きくすることができ、これによって成膜装置による基板の処理効率を大幅に高めることができる。
【0075】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置について図5を参照して説明する。なお、本実施形態の全体構成は、図1及び図2に示した上記第1実施形態の全体構成と共通するので、以下では上記第1実施形態と相違する部分について詳細に説明する。
【0076】
図5は、本実施形態による成膜装置の要部を示した側断面図であり、図5において符号40は被処理基板Dを冷却するための基板冷却手段40を示し、符号35は基板ホルダー121を回転駆動するための回転駆動手段である真空モータを示している。
【0077】
図5において符号41は可動蓋26に設けられたベースプレートを示し、このベースプレート41にはフランジ部材42が填め込まれ、このフランジ部材42には冷却槽形成部材43が填め込まれている。冷却槽形成部材43には冷却水を貯留するための冷却槽44が形成されており、この冷却槽44には冷却水流入口45及び冷却水流出口46を介して冷却水が循環供給されている。
【0078】
冷却槽形成部材43には冷却用ハウジング部材47が連接されており、この冷却用ハウジング部材47の底面48は冷却槽44の内壁面の一部を構成し、冷却水に接触している。冷却用ハウジング部材47の端部には鍔状部49が形成されており、この鍔状部49を押さえ具50及び取付ボルト51によってベースプレート41に締結固定することによって、冷却用ハウジング部材47と共に冷却槽形成部材43及びフランジ部材42がベースプレート41に固設されている。
【0079】
冷却槽形成部材43、冷却槽44、冷却水流入口45、冷却水流出口46、及び冷却用ハウジング部材47は、真空モータ35を冷却するための主冷却機構113を構成している。
【0080】
なお、ベースプレート41、フランジ部材42、冷却槽形成部材43、及び冷却用ハウジング部材47のそれぞれの間の気密性は各Oリング52によって確保されている。
【0081】
冷却用ハウジング部材47の内部には真空モータ35が固定収納されており、この真空モータ35と冷却用ハウジング部材47との間にはカーボンシート63が介装されている。真空モータ35は、基板ホルダー121のベース部53が固設された回転出力軸54と、この回転出力軸54をベアリング55を介して軸支する回転中心軸56と、ステーター部57とを備えている。
【0082】
基板ホルダー121は、回転出力軸54に固設されたベース部53と、このベース部53に被処理基板Dを固定するためのインナーマスク58及びアウターマスク59を備えている。また、ベース部53には段部60を有する基板受入凹部61が形成されており、段部60で被処理基板Dの外周裏面を支持することによって、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー121のベース部53の表面62との間に所定の間隔dが形成されている。
【0083】
また、冷却用ハウジング部材47の頂部にはリング状部材114がボルト65によって固設されており、リング状部材114と冷却用ハウジング部材47との間にはカーボンシート66が介装されている。
【0084】
そして、冷却槽44に循環供給される冷却水によって冷却用ハウジング部材47が、特にその底面48を介して冷却され、冷却用ハウジング部材47が冷却される。冷却された冷却用ハウジング部材47は真空モータ35に対する冷却手段として機能し、真空中であるにもかかわらず真空モータ35を十分に冷却することができる。
【0085】
また、真空モータ35の回転中心軸56には、この回転中心軸56をその長手方向に貫通するようにしてガス流路71が形成されており、このガス流路71の入口端72は冷却用ハウジング部材47に形成されたガス流路78に連通している。
【0086】
また、真空モータ35の回転出力軸54の頂部にはガス受入空間73が形成されており、このガス受入空間73にはガス流路71の出口端74が露出している。
【0087】
さらに、基板ホルダー121のベース部53には、所定の間隔dによって形成された基板裏面側空間75とガス受入空間73とを連通するようにしてガス導入孔76が貫通形成されている。
【0088】
ガス流路71、ガス流路78、ガス受入空間73、ガス導入孔76は、基板冷却用ガスを供給するための基板冷却用ガス供給機構110を構成し、この基板冷却用ガス供給機構110によって基板裏面側空間75に基板冷却用ガスが供給される。
【0089】
ここで、基板冷却用ガスには、熱伝導率が高く且つ被処理基板Dの成膜プロセスに影響しない不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガスを使用する。
【0090】
次に、本実施形態による成膜装置における基板冷却手段40の作用について説明する。
【0091】
ガス流路78、ガス流路71、ガス受入空間73、ガス導入孔76よりなる基板冷却用ガス供給機構110を介して、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー121のベース部53の表面62との間に形成された基板裏面側空間75に基板冷却用ガス(Ar)が供給される。基板裏面側空間75に導入された基板冷却用ガスのガス分子は被処理基板Dの裏面Daとベース部53の表面62とを衝突往復する。
【0092】
そして、被処理基板Dの裏面Daとベース部53の表面62との間で基板冷却用ガスを媒介として非接触形式の熱伝達が行われ、これによって被処理基板Dが十分に冷却される。
【0093】
また、回転出力軸54と回転中心軸56とは一部において接触しており、また、回転中心軸56はステータ部57の構造部材を介して冷却されているので、基板ホルダー121に伝達された熱は、回転出力軸54に伝達された後にこの機械接触部分を介して放熱される。
【0094】
以上述べたように本実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置によれば、処理中或いは処理前後において被処理基板Dを基板冷却手段40によって十分に冷却することができるので、スパッタ電力を従来よりも高く設定した場合でも過熱によって被処理基板Dにソリ等の熱変形が生じることがない。このため、スパッタ電力を高く設定して成膜速度を大きくすることができ、これによって成膜装置による基板の処理効率を大幅に高めることができる。
【0095】
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置について図6を参照して説明する。なお、本実施形態の全体構成は、図1及び図2に示した上記第1実施形態の全体構成と共通するので、以下では上記第1実施形態と相違する部分について詳細に説明する。
【0096】
図6は、本実施形態による成膜装置の要部を示した側断面図であり、図6において符号40は被処理基板Dを冷却するための基板冷却手段40を示し、符号35は基板ホルダー122を回転駆動するための回転駆動手段である真空モータを示している。
【0097】
基板冷却手段40はホルダー冷却手段111を備えており、このホルダー冷却手段111は、後述するホルダー冷却部64、ホルダー冷却用ガス供給機構112、及び主冷却機構113を備えている。
【0098】
図6において符号41は可動蓋26に設けられたベースプレートを示し、このベースプレート41にはフランジ部材42が填め込まれ、このフランジ部材42には冷却槽形成部材43が填め込まれている。冷却槽形成部材43には冷却水を貯留するための冷却槽44が形成されており、この冷却槽44には冷却水流入口45及び冷却水流出口46を介して冷却水が循環供給されている。
【0099】
冷却槽形成部材43には冷却用ハウジング部材47が連接されており、この冷却用ハウジング部材47の底面48は冷却槽44の内壁面の一部を構成し、冷却水に接触している。冷却用ハウジング部材47の端部には鍔状部49が形成されており、この鍔状部49を押さえ具50及び取付ボルト51によってベースプレート41に締結固定することによって、冷却用ハウジング部材47と共に冷却槽形成部材43及びフランジ部材42がベースプレート41に固設されている。
【0100】
冷却槽形成部材43、冷却槽44、冷却水流入口45、冷却水流出口46、及び冷却用ハウジング部材47は、後述するホルダー冷却部64を冷却するための主冷却機構113を構成している。
【0101】
なお、本実施形態においては、主冷却機構113が基板ホルダー122の冷却と真空モータ35の冷却とに兼用されている。
【0102】
ベースプレート41、フランジ部材42、冷却槽形成部材43、及び冷却用ハウジング部材47のそれぞれの間の気密性は各Oリング52によって確保されている。
【0103】
冷却用ハウジング部材47の内部には真空モータ35が固定収納されており、この真空モータ35と冷却用ハウジング部材47との間にはカーボンシート63が介装されている。真空モータ35は、基板ホルダー122のベース部53が固設された回転出力軸54と、この回転出力軸54をベアリング55を介して軸支する回転中心軸56と、ステーター部57とを備えている。
【0104】
基板ホルダー122は、回転出力軸54に固設されたベース部53と、このベース部53に被処理基板Dを固定するためのインナーマスク58及びアウターマスク59を備えている。また、ベース部53には段部60を有する基板受入凹部61が形成されており、段部60で被処理基板Dの外周裏面を支持することによって、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー122のベース部53の表面62との間に所定の間隔dが形成されている。
【0105】
また、冷却用ハウジング部材47の頂部には、リング状部材よりなるホルダー冷却部64がボルト65によって固設されており、ホルダー冷却部64と冷却用ハウジング部材47との間にはカーボンシート66が介装されている。
【0106】
ホルダー冷却部64は、基板ホルダー122のベース部53の裏面67に近接して離間対向する冷却面68を有している。また、ベース部53の裏面67及びホルダー冷却部64の冷却面68には、非接触にて互いに相補的にはまり合う同心状の凹凸形状69、70がそれぞれ形成されている。
【0107】
真空モータ35の回転中心軸56には、この回転中心軸56をその長手方向に貫通するようにしてガス流路71が形成されており、このガス流路71の入口端72は冷却用ハウジング部材47に形成されたガス流路78に連通している。
【0108】
また、真空モータ35の回転出力軸54の頂部にはガス受入空間73が形成されており、このガス受入空間73にはガス流路71の出口端74が露出している。
【0109】
さらに、基板ホルダー122のベース部53には、所定の間隔dによって形成された基板裏面側空間75とガス受入空間73とを連通するようにしてガス導入孔76が貫通形成されている。
【0110】
ガス流路71、ガス流路78、ガス受入空間73、ガス導入孔76は、基板冷却用ガスを供給するための基板冷却用ガス供給機構110を構成し、この基板冷却用ガス供給機構110によって基板裏面側空間75に基板冷却用ガスが供給される。
【0111】
また、ホルダー冷却部64には、ホルダー冷却用ガスを供給するためのホルダー冷却用ガス供給機構112を構成するガス流路77が形成されており、このガス流路77を介してベース部53の裏面67とホルダー冷却部64の冷却面68との間にホルダー冷却用ガスが供給されるようになっている。
【0112】
ここで、基板冷却用ガス及びホルダー冷却用ガスには、熱伝導率が高く且つ被処理基板Dの成膜プロセスに影響しない不活性ガス、例えばアルゴン(Ar)ガスを使用する。
【0113】
次に、本実施形態による成膜装置における基板冷却手段40の作用について説明する。
【0114】
冷却槽44に循環供給される冷却水によって冷却用ハウジング部材47が、特にその底面48を介して冷却され、冷却用ハウジング部材47が冷却されることによって、この冷却用ハウジング部材47に連設されたホルダー冷却部64が冷却される。
【0115】
ホルダー冷却部64が冷却されると、このホルダー冷却部64の冷却面68とこの冷却面68に近接して離間対向する基板ホルダー122のベース部53の裏面67との間で熱交換が行われ、これによって基板ホルダー122が冷却される。
【0116】
ベース部53の裏面67及びホルダー冷却部64の冷却面68には、非接触にて互いに相補的にはまり合う同心状の凹凸形状69、70がそれぞれ形成されているので、これらの凹凸形状69、70によって熱交換に寄与する面積が増大して伝熱効率が向上し、ひいては基板ホルダー122の冷却効率が向上する。
【0117】
さらに、ベース部53の裏面67とホルダー冷却部64の冷却面68との間の間隙には、ホルダー冷却用ガス供給機構112であるガス流路77を介してホルダー冷却用ガス(Ar)が供給され、このホルダー冷却用ガスが熱伝達媒体となって裏面67と冷却面68との間の伝熱効率が向上し、ひいては基板ホルダー122の冷却効率が向上する。
【0118】
このようにして基板ホルダー122は、その裏面67がホルダー冷却部64の冷却面68との間でホルダー冷却用ガスを媒介とした非接触形式の熱伝達を行うことによって、真空下であり、しかも高速回転状態であるにもかかわらず十分に冷却される。
【0119】
なお、冷却用ハウジング部材47は真空モータ35に対する冷却手段としても機能し、真空中であるにもかかわらず真空モータ35を十分に冷却することができる。
【0120】
また、回転出力軸54と回転中心軸56とは一部において接触しており、回転中心軸56はステータ部57の構造部材を介して冷却されているので、基板ホルダー122の熱は回転出力軸54に伝達された後にこの機械接触部分を介して放熱される。
【0121】
また、ガス流路78、ガス流路71、ガス受入空間73、ガス導入孔76よりなる基板冷却用ガス供給機構110を介して、被処理基板Dの裏面Daと基板ホルダー122のベース部53の表面62との間に形成された基板裏面側空間75に基板冷却用ガス(Ar)が供給される。基板裏面側空間75に導入された基板冷却用ガスのガス分子は被処理基板Dの裏面Daとベース部53の表面62とを衝突往復する。
【0122】
そして、上記の如く基板ホルダー122は冷却されているので、被処理基板Dの裏面Daとベース部53の表面62との間で基板冷却用ガスを媒介として非接触形式の熱伝達が行われ、これによって被処理基板Dが十分に冷却される。
【0123】
以上述べたように本実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置によれば、処理中或いは処理前後において被処理基板Dを基板冷却手段によって十分に冷却することができるので、スパッタ電力を従来よりも高く設定した場合でも過熱によって被処理基板Dにソリ等の熱変形が生じることがない。このため、スパッタ電力を高く設定して成膜速度を大きくすることができ、これによって成膜装置による基板の処理効率を大幅に高めることができる。
【0124】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による基板冷却手段を備えた成膜装置によれば、処理中或いは処理前後において被処理基板を基板冷却手段によって十分に冷却することができるので、成膜速度を増加させるために成膜装置の出力を従来よりも高く設定した場合でも過熱によって被処理基板にソリ等の熱変形が生じることがない。このため、成膜装置の出力を高く設定して成膜速度を大きくすることができ、これによって成膜装置による基板の処理効率を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の第1実施形態による基板冷却手段を備えた成膜装置(スパッタリング装置)の全体構成を示した平断面図。
【図2】図1に示した成膜装置の真空処理室を可動蓋によって閉塞した状態を示した側断面図。
【図3】 本発明の参考例の第1実施形態による成膜装置の要部を拡大して示した側断面図。
【図4】 本発明の参考例の第1実施形態による成膜装置の基板冷却手段による基板冷却効果を示したグラフ。
【図5】本発明の第2実施形態による成膜装置の要部を拡大して示した側断面図。
【図6】本発明の第3実施形態による成膜装置の要部を拡大して示した側断面図。
【図7】従来の成膜装置(スパッタリング装置)の真空処理室部分を示した側断面図。
【符号の説明】
2A、2B…2G 真空処理室
35 真空モータ(回転駆動手段)
40、91 基板冷却手段
43 冷却槽形成部材(主冷却機構)
44 冷却槽(主冷却機構)
47 冷却用ハウジング部材(主冷却機構)
54 回転出力軸
56 回転中心軸
62 基板ホルダーのベース部の表面
64 ホルダー冷却部
67 基板ホルダーのベース部の裏面
68 ホルダー冷却部の冷却面
69、70 凹凸形状
71 ガス流路(基板冷却用ガス供給機構)
73 ガス受入空間(基板冷却用ガス供給機構)
74 ガス流路71の出口端
75 基板裏面側空間
76 ガス導入孔(基板冷却用ガス供給機構)
77 ガス流路(ホルダー冷却用ガス供給機構)
78 ガス流路(基板冷却用ガス供給機構)
80 回転軸
86 ギヤ部
89 ロータリージョイント
92、110 基板冷却用ガス供給機構
93 第1ガス流路(基板冷却用ガス供給機構)
94 第2ガス流路(基板冷却用ガス供給機構)
95 第3ガス流路(基板冷却用ガス供給機構)
96 第4ガス流路(基板冷却用ガス供給機構)
97、111 ホルダー冷却手段
98 冷却媒体流通空間
99 冷却媒体流路
100 外管
101 内管
102 往路側冷却媒体流路
103 復路側冷却媒体流路
104 導入孔
105 排出孔
106 短管
107 環状の流路
112 ホルダー冷却用ガス供給機構
113 主冷却機構
120、121、122 基板ホルダー
d ディスク〜ホルダー間の所定の間隔
D 被処理基板
Da 被処理基板の裏面

Claims (5)

  1. 真空処理室の内部で被処理基板を保持するための基板ホルダーと、前記基板ホルダーを回転駆動するための回転駆動手段と、を備え、前記基板ホルダーは、前記被処理基板の裏面と前記基板ホルダーの表面との間に所定の間隔を形成するようにして前記被処理基板を保持する成膜装置において、
    前記被処理基板を冷却するための基板冷却手段を備え、前記基板冷却手段は、前記所定の間隔によって形成された基板裏面側空間に基板冷却用ガスを供給するための基板冷却用ガス供給機構を有し、
    前記回転駆動手段は、前記基板ホルダーが固設された筒状の回転出力軸と、前記回転出力軸を内側から軸支する回転中心軸とを有するモータを備え、
    前記基板冷却用ガス供給機構は、前記回転中心軸をその長手方向に貫通するガス流路と、前記回転出力軸の頂部に形成され、前記ガス流路の出口端が露出するガス受入空間と、前記ガス受入空間と前記基板裏面側空間とを連通するように前記基板ホルダーに形成されたガス導入孔と、を備えていることを特徴とする、基板冷却手段を備えた成膜装置。
  2. 前記基板冷却手段は、さらに、前記基板ホルダーを冷却するためのホルダー冷却手段を有することを特徴とする請求項記載の基板冷却手段を備えた成膜装置。
  3. 前記ホルダー冷却手段は、前記基板ホルダーの裏面に対して離間して対向する冷却面を有するホルダー冷却部と、前記基板ホルダーの裏面と前記ホルダー冷却部の前記冷却面との間にホルダー冷却用ガスを供給するためのホルダー冷却用ガス供給機構と、前記ホルダー冷却部を冷却するための主冷却機構と、を備えたことを特徴とする請求項記載の基板冷却手段を備えた成膜装置。
  4. 前記基板ホルダーの裏面及び前記ホルダー冷却部の前記冷却面には、非接触にて互いに相補的にはまり合う同心状の凹凸形状がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項記載の基板冷却手段を備えた成膜装置。
  5. 前記基板冷却用ガスのガス分子の平均自由行程と前記所定の間隔とが等しくなるときの前記基板冷却用ガスの圧力をP1とおき、前記基板冷却用ガスの前記基板裏面側空間への導入圧力をPとおいた場合に、P>P1となるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の基板冷却手段を備えた成膜装置。
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