JP2688243B2 - 電極構造体 - Google Patents

電極構造体

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JP2688243B2 JP1030648A JP3064889A JP2688243B2 JP 2688243 B2 JP2688243 B2 JP 2688243B2 JP 1030648 A JP1030648 A JP 1030648A JP 3064889 A JP3064889 A JP 3064889A JP 2688243 B2 JP2688243 B2 JP 2688243B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、スパッタ装置のターゲット,X線源,イオン
源,プラズマ源等の電極等として用いられ、使用時に冷
却が不可欠な電極構造体に関する。
(従来の技術) 一般に、スパッタ装置はイオン化するスパッタガスを
導入した気密容器内で、プラズマ中のイオンが負電圧の
電極であるターゲットに衝突してスパッタが行われ、陽
極側に設けられた半導体ウエハ等の試料の表面に薄膜を
形成するものである。
この種のスパッタ装置では、電極であるターゲットの
母材の種類によっても相違するが、プラズマ発生時の昇
温によりターゲットが例えば150℃を越えると、ターゲ
ット等に種々の弊害が発生し、適正な薄膜の形成を阻害
することになっていた。特に、生産性の向上を目的とし
て、スパッタリングスピードを上げるため、より多くの
電力をターゲットに供給しようとする時の大きな障害と
なっていた。
そこで、従来より前記ターゲットが所定温度例えば10
0℃を越えないように、ターゲットを冷却することが行
われている。
このターゲットの冷却方法としては、従来よりターゲ
ットを支持する熱伝導性の良好な保持部材に沿って冷却
媒体を循環させる直接冷却法と、ターゲット側部にクー
リングジャケットを配置し、この中に冷水管を設けた間
接冷却法等があった。
(発明が解決しようとする課題) プラズマエロージョンエリアでターゲットには保持部
材と締結される。
この締結状態で、ターゲットのスパッタが進行するに
従い加熱されるため、その際の熱膨張によってターゲッ
トに反りが発生し、ターゲット裏面と保持部材の対向す
る面との間の密着性が悪化することがあった。この密着
性の悪化は、ターゲットの冷却が保持部材との熱伝導を
利用するため効率良く放熱することができず、したがっ
てターゲットの有効な冷却を実施することができなかっ
た。
この種の問題はスパッタ装置における電極であるター
ゲットに限らず、特に電極自体が消耗し、保持部材に対
して着脱自在に電極を支持するものであって、かつ使用
時の温度上昇を抑制するための冷却を保持部材を介して
行うタイプの種々の電極にも同様に問題となっていた。
そこで、本発明の目的とするところは、電極とこれを
保持する保持部材との間の熱交換を良好とし、電極内部
の温度勾配を著しく減少させることができる電極構造体
を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 請求項1の発明は、電極を保持部材によって冷却可能
に支持する電極構造体において、 前記電極は、その少なくとも中央領域と対向する裏面
より突出する突出部を有し、 前記保持部材は、前記電極を収容保持する凹部を有
し、前記凹部は、前記電極の最外周縁部と対向する第1
の内側壁と、前記電極の前記突出部の周縁部と対向する
第2の内側壁とを有する。
そして、電極の熱膨張によって、前記電極の前記最外
周縁部及び前記突出部の周縁部を、前記保持部材の前記
第1,第2の内側面にそれぞれ密着させて、前記電極を冷
却する。
従って、スパッタなどの実行中に伴い電極温度が上昇
する電極使用時にあっては、上述の電極の中央領域と最
外周領域との2領域が保持部材と密着するので、電極の
中央領域と周縁領域との温度勾配を緩和させることがで
きる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記電極と前
記保持部材との間にガスを導入したことを特徴とする。
請求項2の発明では、電極と保持部材との間にガス例
えば不活性ガスを導入することにより、この間のスペー
スを比較的高圧にすることができる。換言すれば、この
間のスペースの真空度を低くできるので、ガスの熱循環
を利用することによって、電極内で発生した熱を保持部
材に伝達することができ、この結果電極と保持部材との
熱交換を促進することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記電
極の前記突出部を前記保持部材にクランプするクランプ
部材を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明では、温度上昇が特に著しく反りが発
生し易い電極の中央領域をクランプしているので、該電
極の中央領域と保持部材との密着性又はその間のギャッ
プを常時維持でき、電極の中央領域での反り発生をクラ
ンプ部材により機械的に防止できる。
請求項4の発明は、請求項3において、前記クランプ
部材は、 前記電極の前記突出部の前記周縁部より外方に突出す
るピンと、 前記保持部材の前記第2の内側面に形成されて前記ピ
ンと係合される孔部と、 を有し、前記ピンと前記孔部との係合により前記電極の
中央領域の反りを防止することを特徴とする。
請求項4の発明では、ピンと孔部との係合により、電
極の中央領域での反り発生を機械的に防止できる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおい
て、電極の前記最外周縁部の肉厚を、前記突出部と前記
最外周縁部との間の肉厚よりも厚く形成したことを特徴
とする。
請求項5の発明によれば、電極の最外周縁部が保持部
材と接触する接触面積が増大して、熱交換効率を増大で
きる。
(実施例) 以下、本発明をスパッタ装置に適用した一実施例につ
いて図面を参照して具体的に説明する。
第1図は、スパッタ装置の一例としてプレートマグネ
トロン形スパッタ装置を示すもので、図示しない真空容
器内には、半導体ウエハ1とターゲット2とが対向して
配置されている。前記半導体ウエハ1は、ウエハ加熱機
構3を含む試料台4に支持されている。
前記ウエハ1の上方に配置される前記ターゲット2
は、保持部材5によって保持されている。このターゲッ
ト2は、ウエハ1に形成すべき材料に応じてその母材が
選択され、例えばアルミニウム,シリコン,タングステ
ン,チタン,モリブデン,クロム,コバルト,ニッケル
等、あるいはこれらを素材とする合金で形成され、場合
によっては焼結金属等の熱伝導性の悪い材料も用いられ
る。その形状も、断面段付形状,円板状,円錘状,角板
状,角錘状等何れでもよい。このターゲット2には、負
の直流電圧が印加され、カソード電極を構成するもので
ある。
前記保持部材5のさらに上方には、この保持部材5を
支持し、かつ、後述するマグネット10を回転自在に支持
するための基台6が設けられている。この基台6の中央
部には、中空筒状の円筒部6aが形成され、その最下端が
前記保持部材5と接面している。そして、前記円筒部6a
の周囲にはベアリング7が配置され、このベアリング7
によって回転円盤8が回転自在に支持されている。そし
て、この回転円盤8の偏心した位置に前記マグネット10
が固着されている。一方、前記基台6の上面にはマグネ
ット回転用モータ11が固定され、このモータ11の出力軸
には第1のギア12が固着されている。また、前記回転円
盤8と同心にて第2のギア13が固着され、この第1,第2
のギア12,13が噛合するようになっている。この結果、
前記マグネット回転用モータ11を駆動することで、この
回転出力は第1のギア12,第2のギア13を介して前記回
転円盤8に伝達され、前記マグネット10を回転駆動する
ことが可能なる。
前記保持部材5は、ターゲット2を冷却可能に保持す
るものであり、このために、保持部材5の内部には複数
の冷却ジャケット15が配置されている。そして、この冷
却ジャケット15内に冷却媒体例えば冷却水を循環させる
ことで、保持部材5を冷却し、この保持部材5とターゲ
ット2との間の熱交換によってプラズマ発生時のターゲ
ット2の昇温を抑制するようになっている。
尚、前記ターゲット2の周囲には、絶縁体16を介して
アノード電極17が設けられ、さらに、ウエハ1とターゲ
ット2との間を必要に応じて遮ぎることが可能なように
シャッタ18が設けられ、このシャッタ18をシャッタ駆動
機構19によって駆動可能としている。
本実施例装置では前記基台6の円筒部6aの中心を貫通
し、さらに保持部材5の中心部を貫通してターゲット2
の裏面側に臨み1本又は複数本例えば1本のガス導入管
20を有している。このガス導入管20は、前記保持部材5
とターゲット2の裏面との間に密閉間隙部を、アルゴ
ン,ヘリウム等の不活性ガスによって、例えば数100mTo
rr以上の圧力に設定するものである。
次に、ターゲット2の形状について、第2図をも参照
して説明する。
前記ターゲット2は、一段又は複数段例えば一段の段
付きの円板状に形成され、スパッタリング面を有する大
径部21と、この大径部21の裏面側中央にて突出形成され
た突出部としての小径部22とから構成されている。この
小径部22は凸状にしたが凹状に形成してもよい。尚。上
記大径部21の周縁部21aの直径をl1とし、小径穴22aの内
周面24aの直径をl2とする。一方、前記ターゲット2を
保持するための保持部材5は段付き穴形状となってい
て、前記ターゲット2の大径部21に対応する大径穴24
と、前記小径部22に対応する小径穴25とから成る凹部を
有している。尚、大径穴24の内周面(第1の内側面)24
aの直径をl3とし、小径穴25の内周面(第2の内側面)2
5aの直径をl4とする。そして、上記ターゲット2及び保
持部材5の大きさについては、常温下にあってはl1〜l4
の関係が以下のようになっている。
l1<l3,l2<l4 ここで、前記大径部21と大径穴24との直径方向のギャ
ップ及び小径部22と小径穴22との直径方向のギャップ
は、それぞれ以下のように設定されている。
すなわち、ターゲット2はプラズマ発生時の昇温によ
り熱膨張するため、前記大径部21の直径方向の熱膨張長
さが、前記大径部21,大径穴24の直径方向の間隙とほぼ
同一となっている。同様に、ターゲット2の熱膨張によ
る前記小径部22の熱膨張長さは、この小径部22,小径穴2
5の直径方向の間隙とほぼ同一となっている。したがっ
て、ターゲット2の熱膨張により、大径部21の周縁部21
a及び小径部22の周縁部22aがそれぞれ膨張し、前記大径
穴24,小径穴25のそれぞれの内周面24a,25aにほぼ同様の
密閉度で密着することになる。尚、同一温度の下にあっ
ては、前記大径部21と小径部22の膨張長さが相違するた
め、これらの周縁部21a,22aとこれに対向する穴部の内
周面24a,25a間のギャップ距離はそれぞれ相違してい
る。
次に、ターゲット2のクランプについて説明する。
本実施例では、昇温の激しいターゲット2の中央部裏
面側を保持部材5にクランプするものである。このクラ
ンプは例えば、ターゲット2の前記小径部22の周縁部22
aに、それぞれ相対向する位置にて直径方向で外側に突
出する係止用ピン23,23が形成されて構成されている。
上記クランプは第4図の如く螺合結合でもよい。一方、
保持部材5の前記大径穴24の底面24bには、小径穴25の
相対向する位置に連通し前記係止用ピン23,23を挿入可
能な所定深さの挿入用スリット26,26が設けられ、さら
にこの挿入用スリット26,26の下端側にて連通し、同一
回転方向に延びる横溝から構成される係止用溝27,27を
有している。この結果、前記ターゲット2の小径部22を
保持部材5の小径穴25に対して前記係止用ピン23,23が
挿入用スリット26,26に挿入されるように配置し、この
後、このターゲット2を回転が許容される方向に所定角
度回転することにより、前記係止用ピン23,23を保持部
材5の係止用溝27,27の末端に配置することができる。
次に、作用について説明する。
このスパッタ装置にてスパッタリングを行うために、
ウエハ1及びターゲット2をそれぞれ支持した状態で、
これらが配置される真空容器(図示せず)内の真空度を
例えば10-1〜10-3Torrに荒引きする。次に、上記真空容
器内の真空度を10-5〜10-7Torr台に高真空引きし、その
後この真空容器内にスパッタガス例えばArガスを導入
し、真空容器内を10-2〜10-3Torr台に設定する。ここ
で、ターゲット2に負電圧を印加すると、このターゲッ
ト2のスパッタリング面側にプラズマが形成され、さら
にこのターゲット2の裏面側にてマグネット10を回転駆
動することにより、このプラズマを磁界によって閉込め
たプラズマリング30を形成することができる。このプラ
ズマリング30の形成によりイオン化率が向上し、ターゲ
ット2のスパッタリング面での所定エロージョンエリア
にてスパッタが実行されることになる。
ここで、ウエハ1に対する付着速度(デポジションレ
ート)を上げると、ターゲット2の表面温度が著しく上
昇し、所定温度を越えると適正な薄膜形成に支障が生じ
てしまう。そこで、このターゲット2を有効に冷却する
必要があり、本実施例装置では3つの方向に作用してこ
のターゲット2の有効な冷却を行うことができるように
なっている。
まず、ガス導入管20の作用について説明する。
ターゲット2の冷却は、保持部材5を介してこの保持
部材5に内蔵された冷却ジャッケト15に放熱することに
よって実施されるが、この際ターゲット2の裏面側とこ
れに対向する保持部材5の対向面とがもっとも接触面積
が大きく、この大きな接触面積を利用してターゲットの
熱を保持部材5側に放熱するものが好ましい。ところ
が、ターゲット2のほぼ全面をエロージョンエリアに確
保するためには、上記の接触面を強固に密着させるよう
な締結方法を採用することがむずかしく、このため上記
の広い接触面を有効な放熱面として利用することが困難
となっていた。
そこで、本実施例ではこのターゲット2の裏面と保持
部材5の対向する面との間に臨むガス導入管20よりアル
ゴンガス等の不活性ガスをターゲット2の裏面及び保持
部材5の対向面間に導入している。この結果、上記両部
材間に形成されるスペース内にアルゴンガスを充填する
ことによって、このスペース内の圧力を比較的高圧とす
ることができる。換言すれば、この内部スペースの真空
度が低くなることを意味し、この結果もし両部材間に温
度差があれば、この内部スペース内に充填されたガスの
熱循環によってターゲット2の熱を保持部材5に効率よ
く伝達することが可能となる。
このように、ガス導入管20にて不活性ガスをターゲッ
ト2,保持部材5の空間に充填することによって、両者間
の密着性を確保しなくても、この両者の広い接触面を利
用して効率の良い熱交換を実施することができ、もって
ターゲット2を効率よく冷却することが可能となる。
尚、このような不活性ガスの導入による冷却効果の促進
は、特にターゲット2の材料として熱伝導性の悪い高融
点材料(例えば、タングステンシリサイド、モリブデン
シリサイド、タンタルシリサイド、チタンシリサイド
等)を用いる場合にも有効となる。
次に、ターゲット2の冷却作用について説明する。
ターゲット2を構成する大径部21及び小径部22のそれ
ぞれの周縁部21a,22aの直径l1,l2は、これに対向する保
持部材5の大径穴24,小径穴25の内周面24a,25aの直径
l3,l4よりも常温下で小さくなっているが、ターゲット
2に負電圧を印加し、プラズマの生成を行うことにより
ターゲット2が昇温すると、上記大径部21,小径部22が
熱膨張し、それぞれの周縁部21a,22aが保持部材5の対
向する内周面24a,25aに密着することになる。この領域
の密着性は、スパッタリング実行中にあってはターゲッ
ト2の温度が所定温度以上を維持するため損われること
がなく、従ってターゲット2の周縁部21a,22aと保持部
材5の内周面24a,25aとの接触面にて効率の良い熱交換
を実施することが可能となる。しかも、ターゲット2の
大径部21が保持部材5と接触する領域は、ターゲット2
の比較的外周領域に近い領域の熱を放熱することに利用
され、一方、ターゲット2の小径部22の接触部分は、タ
ーゲット2の中心領域の熱を保持部材5に放熱すること
に利用されることになる。したがって、ターゲット2の
直径方向の熱勾配を効率良く除去することができ、従来
困難であったターゲット2の中心部の熱を効率良く放熱
することができるので、この部分の反りの発生を確実に
防止することができる。したがって、ターゲット2の平
面部を保持部材5に対して接触維持することが可能とな
り、上述した第1の発明の構成例を併せて採用すること
によって、ターゲット2のより有効な冷却が期待でき
る。尚、本実施例のターゲット2の構成のように、段部
を形成することによってターゲット2の中央領域の放熱
効果を増大させる効果があるが、さらに加えて従来の平
板形状のターゲットと比べれば段部の周縁の接触面積を
確保することにより、より広い冷却面を確保できる点で
も優れている。
また、上記のようにターゲット2を段付き形状とする
ことにより、下記のような効果を奏することも可能であ
る。すなわち、ターゲット2の大径部21,小径部22の周
縁部21a,22aでの冷却を促進することによって、上記大
径部21の裏面と接触する前記保持部材5の冷却領域5a
(第1図参照)の厚さを薄くすることができる。従っ
て、ターゲットスパッタ面とマグネット10との距離を変
えることなく、ターゲット2の上記大径部21の肉厚を前
記冷却領域5aの厚さを薄くした分だけ厚く確保すること
が可能となり、このためターゲット2の寿命を延ばすこ
とが可能となる。
さらに、第1図に示すようにターゲット2の中心部裏
面側に位置する箇所と、ターゲット2の周縁部に対応す
る位置に冷却ジャケットを設けることにより効果的に冷
却できる。従来はターゲットの裏面全域に亘って冷却媒
体を循環させ、マグネット10を冷却媒体中で回転させる
構成を採用せざるを得なかった。本実施例では、第1図
のように配置するのみでよいので、ターゲット2の裏面
に近接したマグネット10及びこのマグネット10を回転駆
動するための構造体を大気中にさらすことが可能とな
り、このため、冷却水等による腐蝕が発生することなく
信頼性を向上することができる。
次に、ターゲット2の他の冷却作用について説明す
る。
本実施例ではターゲット2の裏面中央側を保持部材5
に対してクランプすることによって上記の密着性をさら
に確保している。すなわち、ターゲット2の小径部22に
形成した係止用ピン23,23が、保持部材5の係止用溝27,
27に係止されている場合には、ターゲット2が所定方向
に回転しない限りこのクランプを常時維持することがで
きる。このように、ターゲット2の裏面中央側を保持部
材5に対して常時保持することによって、特に昇温の著
しいターゲット2の中央部の反りを、このクランプによ
って機械的に防止することが可能である。特に、本実施
例の場合にはターゲット2の周縁部はその熱膨張によっ
て保持部材5の対向する内周面に密着する構成を採用し
ているので、ターゲット2がさらに熱によって膨張しよ
うとする場合の逃げ場は、ターゲット2の中央部分のみ
になるが、この部分を上記のクランパによって保持する
ことで、保持部材5との密着性を損うようなターゲット
2の変形を全て防止することが可能となる。
尚、上記クランパ手段は、ターゲット2のスパッタ面
側に露出することがないので、ターゲット2上のエロー
ジョンエリアを縮小しない点でも優れている。
以上、各構成例によるターゲット2の冷却作用につい
て個別的に説明したが、これら各構成例の相乗作用によ
ってもターゲット2のより有効な冷却を確保できること
は言うまでもない。そして、このようにターゲット2を
有効に冷却できる結果、従来と同様の冷却能力を有する
設備でありながら、ターゲット2のデポジションレート
をより向上することが可能となる。
次に、上記実施例装置でのターゲット2の保持部材5
に対する交換について説明する。
このターゲット2は、スパッタにより寿命がくると、
交換する必要がある。ターゲット2が所定温度以下に達
すると、熱収縮するためその周縁部21a,22aが保持部材
5の対向する内周面24a,25aより離れることになる。こ
の後、ターゲット2を回転させると、ターゲット2の小
径部22より突出した係止用ピン23,23は、保持部材5の
底面24bに形成された挿入用スリット26,26に対向する位
置にて停止されることになる。この結果、このターゲッ
ト2を前記保持部材5より容易に離脱することが可能と
なる。このように、本実施例の構成によれば、ターゲッ
ト2の冷却効果を維持しながらも、ネジ等による締結方
法を採用せずに容易にターゲット2の着脱が可能とな
る。
保持部材5に取付けられるターゲット2として高融点
材料のものを使用する場合には、このターゲットを第3
図に示す構成とすることが好ましい。
すなわち、このターゲット2は、高融点のスパッタ材
41と熱伝導性が良好でかつ加工性の良好な例えばアルミ
ニウム,銅等で構成されるバッキングプレート材42と
を、2層に積層して一体形成している。そして、このス
パッタ材41とバッキングプレート材42との接合について
は、例えばスパッタ材41の裏面側にアンダーカット形状
の突起41aを形成し、一方バッキングプレート材42には
上記突起41aを嵌合可能な穴部42aを形成し、両者を嵌合
することによって接合するものを挙げることができる。
この際、バッキングプレート材42をスパッタ時の温度よ
りも高い温度に昇温して前記穴42aを膨張しておき、こ
の状態で前記スパッタ材41を上記穴42aに嵌入し、その
後の熱収縮によって両者を確実に接着することができ
る。尚、この両者の接合については、例えばインジウム
層等によってボンディングするものであってもよい。そ
して、このスパッタ材41とバッキングプレート材42とか
らなる外形形状を、上記の実施例と同様な形状とするこ
とによって、スパッタ材41の効率のよい冷却が実施で
き、かつ、その着脱作業も極めて容易となる。
次に、第3の発明について説明すれば、上記実施例の
ようにターゲット2を水平に配置するものの他に、サイ
ドスパッタと称されるようにターゲット2を垂直に立て
掛けて使用するものがあり、この場合にはターゲット2
の中央側でのクランプのみではターゲット2の傾き等に
よる垂直度の悪化が考えられる。ターゲット2が傾くと
マグネットとの位置関係が回転位置により相違し、均一
なスパッタが不可能となってしまい。
これを確実に防止するために、第5図に示すように、
ターゲット2の周縁部の端面と保持部材5の対向面との
間でクランプする部材を設けるものが良い。このため
に、第6図に示すようにターゲット2の周縁部端面に例
えば90゜間隔で4本の係止用ピン23を外方に突出するよ
うに形成固着している。
そして、この係止用ピン23を挿入,係止するために、
第7図に示すように保持部材5の大径穴24に臨んで4箇
所に挿入用スリット26と係止用溝27とが形成されてい
る。
このように、ターゲット2の周縁をも4箇所にてクラ
ンプすることによって、第5図に示すようにターゲット
2が垂直に立て掛けられて保持される場合にあっても、
たとえ熱によって膨張が生じてもその垂直度を保ことが
でき、マグネット10との位置関係をその回転時の各位置
で一定に維持することができる。特に、ターゲット2の
中央部のみをクランプした場合と比較すれば、ターゲッ
トの傾きを防止する作用はターゲット2の周縁側でのク
ランプ程より大きいので、より均一なスパッタを確保す
ることができる。
なお、上記作用は、ターゲット2の周縁側の3箇所以
上の箇所でクランプするものであれば、同様に達成可能
である。
ここで、上記実施例ではターゲット2の周縁端面に係
止用ピン24を立てることからも、ターゲット2の周縁部
の肉厚t1を、その内側領域の肉厚t2よりも厚くしている
(第5図参照)。そして、この肉厚の厚いターゲット2
の周縁部は、保持部材5の対向面に密着することになる
ので、冷却面をより広く確保でき、冷却効率を向上でき
る点でも効果がある。なお、上記のようにターゲット2
の周縁部のみを厚くしているのは、回転マグネット10の
移動軌跡と対向する面をも厚くしてしまうと、回転マグ
ネット10の磁場を強くしなければならず、また、このよ
うな領域をも厚くする必要性が無いからである。
さらに好ましくは、第5図の破線で示すように、保持
部材5の大径穴24の底面の中心部角部を、所定領域に亘
って例えばテーパ状に切り欠いた切欠部50を設けておく
ものがよい。そうすると、ターゲット2が熱膨張した場
合には、上記切欠部50がターゲット2の逃げ部として作
用し、ターゲット2は保持部材5に密着する側に膨張す
るので、冷却効率の悪化を防止することができる。
尚、本発明が適用される電極としては、上記実施例の
ようなスパッタ装置におけるターゲットに限らず、少な
くとも保持部材によって冷却可能に保持される他の種々
の電極、例えばX線源における陰極ターゲット,イオン
源におけるターゲット,プラズマエッチング用電極,プ
ラズマCVD等のプラズマ装置等にも同様に適用すること
が可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、請求項1の発明によれば電極の
中央領域から周縁領域に亘る熱勾配を効率よく除去する
ことができる。請求項2〜5の発明では、請求項1の発
明にて得られる熱交換効率をより高めて電極の反りを防
止でき、あるいは昇温の著しい電極中央領域の反りを機
械的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を適用したスパッタ装置の一例を示す
概略断面図、第2図は、ターゲット,保持部材の取付け
構造を説明するための概略斜視図、第3図はターゲット
をターゲット材とバッキングプレート材との2層構造に
て一体化した例を示す概略説明図、第4図は、電極に形
成されたクランプ部材の変形例を説明するための概略説
明図、第5図は本発明をサイドスパッタ装置に適用した
一実施例を説明するための概略断面図、第6図は、第5
図の装置に使用されるターゲットの裏面図、第7図は、
第5図の装置に使用される保持部材の概略断面図であ
る。 2……電極(ターゲット)、 5……保持部材、20……ガス導入管、 21……大径部、21a……周縁部、 22……小径部、22a……周縁部、 23,26,27……クランプ部材、 24……大径穴、25……小径穴、 24a,25a……内周面、 50……切欠部。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を保持部材によって冷却可能に支持す
    る電極構造体において、 前記電極は、その少なくとも中央領域と対向する裏面よ
    り突出する突出部を有し、 前記保持部材は、前記電極を収容保持する凹部を有し、
    前記凹部は、前記電極の最外周縁部と対向する第1の内
    側壁と、前記電極の前記突出部の周縁部と対向する第2
    の内側壁とを有し、 前記電極の熱膨張によって、前記電極の前記最外周縁部
    及び前記突出部の周縁部を、前記保持部材の前記第1,第
    2の内側面にそれぞれ密着させて、前記電極を冷却し、
    かつ、前記電極の中央領域と周縁領域との温度勾配を緩
    和させることを特徴とする電極構造体。
  2. 【請求項2】前記電極と前記保持部材との間にガスを導
    入したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電
    極構造体。
  3. 【請求項3】前記電極の前記突出部を前記保持部材にク
    ランプするクランプ部材を設けたことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の電極構造体。
  4. 【請求項4】前記クランプ部材は、 前記電極の前記突出部の前記周縁部より外方に突出する
    ピンと、 前記保持部材の前記第2の内側面に形成されて前記ピン
    と係合される孔部と、 を有し、前記ピンと前記孔部との係合により前記電極の
    中央領域の反りを防止することを特徴とする特許請求の
    範囲第3項記載の電極構造体。
  5. 【請求項5】前記電極の前記最外周縁部の肉厚を、前記
    突出部と前記最外周縁部との間の肉厚よりも厚く形成し
    た特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項記載
    の電極構造体。
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