JP3173708B2 - スパツタ装置 - Google Patents

スパツタ装置

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JP3173708B2
JP3173708B2 JP06680395A JP6680395A JP3173708B2 JP 3173708 B2 JP3173708 B2 JP 3173708B2 JP 06680395 A JP06680395 A JP 06680395A JP 6680395 A JP6680395 A JP 6680395A JP 3173708 B2 JP3173708 B2 JP 3173708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図7〜図9) 発明が解決しようとする課題(図7〜図9) 課題を解決するための手段 作用 実施例(図1〜図6) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明はスパツタ装置に関し、例
えば光デイスクの反射膜の形成工程に使用するスパツタ
装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、コンパクトデイスク(CD)やレ
ーザデイスク(LD)などの光デイスクは、一面(以
下、これを信号記録面と呼ぶ)に記録信号に応じた凹凸
パターンが形成されてなる円盤形状の基板をポリカーボ
ネイト等の透明な合成樹脂材を用いて作成し、当該凹凸
パターンの表面上に反射膜を形成した後、当該反射膜上
に保護膜を積層形成するようにして製造されている。
【0004】かくしてこの種の光デイスクでは、基板の
他面側から光ビームを照射したときに当該光ビームが反
射膜において基板(及び反射膜)の凹凸パターンに応じ
た反射光となつて反射するため、この反射光に基づいて
記録信号を再生し得るようになされている。
【0005】ところでこのような光デイスクの製造工程
において、反射膜の形成作業は、通常、専用のスパツタ
装置を用いて基板の信号記録面上に高反射物質(通常は
アルミニウム)をスパツタリングにより堆積させること
により行われている。
【0006】図7はこのようなスパツタ装置のうち、従
来提案されているマグネトロン方式のスパツタ装置1を
示すものであり、このスパツタ装置1では、ハウジング
2の内部にスパツタリングを行うための空間領域(以
下、これをスパツタリング領域と呼ぶ)2Aが設けら
れ、当該スパツタリング領域2A内にガス導入部3を介
してアルゴン(Ar )ガスを導入し得るようになされて
いる。
【0007】このハウジング2の上部にはスパツタリン
グ領域2Aを上側から閉塞するように絶縁材4を介して
バツキングプレート5が固定されており、バツキングプ
レート5の下面には高反射物質(通常はアルミニウム)
からなるターゲツト6が取り付けられている。
【0008】またターゲツト6の中央部には、加工対象
の基板7のセンター部に反射膜が形成されるのを防止す
るための棒状のセンターマスク8が取り付けられている
と共に、ハウジング2の内部下端にはこの基板7の外周
部に反射膜が形成されるのを防止するためのリング状の
外周マスク9が取り付けられている。
【0009】さらにターゲツト6はバツキングプレート
5及び絶縁体10に嵌め込まれたボルト11を順次介し
て陰極電源(図示せず)に接続される一方、ハウジング
2はボルト12を介してアース接地されており、動作時
にはターゲツト6及びセンターマスク8がアノードとし
て作動し、その他のスパツタリング領域2Aの周囲がカ
ソードとして作動することにより、ターゲツト6及びセ
ンターマスク8とこれ以外のスパツタリング領域2Aの
周囲との間に放電を生じさせて当該スパツタリング領域
2A内にプラズマを発生させ得るようになされている。
【0010】一方ハウジング2の下方には搬送テーブル
13と、プツシヤ部14と、プツシヤ部14の先端に取
り付けられた基板受部15とが配設されており、搬送テ
ーブル13により搬送されてきた加工対象の基板7を基
板受部15で支持してプツシヤ部14で押し上げること
により、この基板7をターゲツト6の下面と平行で、か
つその信号記録面がセンターマスク8及び外周マスク9
の各下面にそれぞれ密着するような所定位置(以下、こ
れをスパツタリング位置と呼ぶ)に位置させるようにな
されている。
【0011】かくしてこのスパツタ装置では、動作時、
スパツタリング領域2A内に発生されるプラズマによつ
て、スパツタリング領域2A内にAr ガスとして供給さ
れたAr 原子がイオン化してターゲツト6に衝突するこ
とによりターゲツト6表面からアルミニウム原子が飛び
出し、これがスパツタリング位置にある基板7の信号記
録面上に堆積する。これによりこのスパツタ装置1で
は、スパツタリング時間等の種々の条件を選定してAr
原子の堆積量を調整することで加工対象の基板7上に所
望厚の反射膜を形成し得るようになされている。
【0012】この場合このような構成のスパツタ装置1
では、Ar 原子の衝突により当該Ar 原子のもつ運動エ
ネルギーがターゲツト6の表面に与えられることによ
り、当該表面が発熱する問題がある。
【0013】このためこの種のスパツタ装置1では、通
常、バツキングプレート5の内部に図8(A)及び
(B)に示すような所定形状の水路5Aが設けられてい
ると共に、当該水路5A内には給水器16(図7)及び
図示しない排水器をそれぞれ介して入口5B又は出口5
Cからそれぞれ冷却水を供給し又は排出し得るようにな
されている。
【0014】これによりこの種のスパツタ装置1では、
この冷却水によつてバツキングプレート5を介してター
ゲツト6を冷却し得、かしくてスパツタリング時におけ
るターゲツト6表面の温度上昇を抑え得るようになされ
ている。またこの種のスパツタ装置1では、通常、バツ
キングプレート5の上方に、例えば図9(A)及び
(B)に示すような板状のヨーク20の一面にリング状
の第1の磁石21と円柱状の第2の磁石22とが同心状
に固定されてなる磁界装置23が、図7のようにモータ
(図示せず)の出力軸24に偏心をもつて連結されるよ
うにして配設されている。
【0015】かくしてこの種のスパツタ装置1では、こ
の磁界装置23によつてスパツタリング領域2A内に磁
界を形成してイオン化されたAr 原子をこの磁界内に閉
じ込めることにより、当該Ar 原子を効率良くターゲツ
ト6表面に衝突させ得る一方、発生させた磁界を偏心を
もつて回転させることにより効率良くターゲツト6を利
用し得るようになされている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの種のスパ
ツタ装置1に用いられている磁界装置23は、上述のよ
うにリング状に形成された外側の磁石21(以下、これ
を外磁21と呼ぶ)と円柱状に形成された内側の磁石2
2(以下、これを内磁22と呼ぶ)とで形成されてお
り、このような磁界装置23では発生させる磁力ピーク
が図9(C)に示すようにX方向及びY方向にそれぞれ
1点ずつの合わせて2点しかない。
【0017】このためこのような磁界装置23を用いた
スパツタ装置1では、上述のように磁界装置23を偏心
をもつて回転させてもスパツタリング領域2Aの中央部
には常に磁力ピークが通るため、この場所にプラズマが
集中し易く、過酷な運転条件(例えば短サイクルでの運
転や放電出力がハイパワーな場合)になるとセンターマ
スク8や基板7が加熱されるために、オーバーヒートし
てセンターマスク8及び基板7間にプラズマのアーキン
グ(異常放電)が発生したり、基板7に傷が生じ又は不
純物が付着するなどのトラブルが生じる問題があつた。
【0018】かかる問題を解決するための1つの方法と
しては、例えばバツキングプレート5と同様にセンター
マスク8の内部にも冷却水を供給することにより当該セ
ンターマスク8や当該センターマスクを介して基板7を
冷却してオーバーヒートを防止する方法が考えられる。
【0019】しかしながら通常この種のスパツタ装置1
では、バツキングプレート5の水路5A(図8)はター
ゲツト6の冷却のみを目的として形成されているために
当該バツキングプレート5を介して冷却水をセンターマ
スク8に供給するようなことは難しく、またこの種のス
パツタ装置1では、通常、上述のようにバツキングプレ
ート5のすぐ上側に磁界装置があるためにセンターマス
ク8用の特別の水路を設けることも難しい問題があつ
た。
【0020】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、アーキングや皮膜形成対象物に不良が発生するのを
実用上十分に防止し得るスパツタ装置を提案しようとす
るものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、スパツタ装置において、ターゲツ
トと皮膜形成対象物とで挟まれる空間領域内に磁界を発
生させる、リング状の第1の磁石の内側にリング状の第
2の磁石が配置されてなる磁界発生手段の第1及び第2
の磁石をリング状に形成するようにした。
【0022】
【作用】磁界発生手段の第1及び第2の磁石をリング状
に形成するようにしたことにより、ターゲツトと皮膜形
成対象物とで挟まれる空間領域物内には複数の磁力ピー
クを有する磁界が形成される。従つて磁界の磁力ピーク
が空間領域内のセンターを常に通るのを防止することが
できる。
【0023】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0024】図1において、30は全体として実施例に
よるマグネトロン方式のスパツタ装置を示し、ハウジン
グ31、第1の外枠ブロツク32、第2の外枠ブロツク
33、外周器34、第3の外枠ブロツク35、上壁ブロ
ツク36、モータ取付けプレート37及び上面プレート
38をそれぞれ順次積み重ねることにより形成された容
器39内部に、バツキングプレート40、ターゲツト4
1、センターマスク42、外周マスク43及び磁界装置
44がそれぞれ収納されている。
【0025】実際上このスパツタ装置の場合、バツキン
グプレート40は外周器34の下面に絶縁材50を介し
て固定されており、その下面に高反射物質からなるドー
ナツ状のターゲツト41が支持ブロツク51を介してね
じ52により固定されている。
【0026】またバツキングプレート40の下面中央部
には、特に図2において明らかなように、ターゲツト4
1のセンターホールを嵌通するように、かつターゲツト
41及びバツキングプレート40と導通しないように冷
却ブロツク60がテフロンからなる絶縁材61を介して
止めねじ62により固定されており、この冷却ブロツク
60の下面にセンターマスク42が止めねじ43を用い
て固定されている。
【0027】一方図1に示すように、外周マスク43は
ハウジング31の内部下端にねじ止めされており、この
外周マスク43上にはハウジング31の内周面と外周マ
スク43の上面とを一体に覆うように防着シールド64
が固定され、ハウジング31の内部上端にはターゲツト
41を避けて当該ハウジング31を覆うように防壁ブロ
ツク65が固定されている。
【0028】さらにハウジング31及び外周マスク43
の下方には、搬送テーブル66と、プツシヤ部67と、
プツシヤ部67の先端に取り付けられた基板受部68と
が配設されており、搬送テーブル66により順次搬送さ
れてくる加工対象の基板70を基板受部68で支持して
プツシヤ部67で押し上げることにより当該基板70を
スパツタリングセツト状態にセツトし得るようになされ
ている。
【0029】従つてこのスパツタ装置30では、ターゲ
ツト41、防壁ブロツク65、防着シールド64、内周
マスク43及び基板70に囲まれるようにしてスパツタ
リング領域71が形成される。このためハウジング31
の周側壁にはガス導入部72が設けられていると共に、
外周マスク43には排気口43Aが設けられており、か
しくて動作時にスパツタリング領域71内にガス導入部
72を介してAr ガスを供給し得る一方、不要なAr ガ
スを排気口43Aを介してスパツタリング領域71外に
排出し得るようになされている。
【0030】またターゲツト41はバツキングプレート
40と、絶縁体73により容器39から絶縁されたボル
ト74とを順次介して陰極電源に接続されていると共
に、容器39は上壁ブロツク36に固定されたボルト7
5を介してアース接地されており、かくして動作時には
ターゲツト41がカソードとして作動し、かつスパツタ
リング領域71の他の周囲がアノードとして作動し得る
ようになされている。
【0031】かくしてこのスパツタ装置30では、動作
時、ターゲツト41にマイナス電圧が与えられられたと
きに、ターゲツト41と、スパツタリング領域71のそ
の他の周囲との間で放電が生じてスパツタリング領域7
1内にプラズマが生じ、この結果図7のスパツタ装置1
の場合と同様にして、スパツタリング状態にセツトされ
た基板70上に反射膜を形成し得るようになされてい
る。このときターゲツト41の表面は、上述のようにイ
オン化されたAr 原子が衝突するときに当該Ar 原子か
ら与えられる運動エネルギーによつて発熱する。
【0032】このためこのスパツタ装置30では、バツ
キングプレート40を銅等の熱伝導率の高い材料を用い
て形成すると共に、その内部に図3に示すような所定形
状の第1の水路40Aを設け、当該第1の水路40A内
に給水器80(図1)及び図示しない排水器をそれぞれ
介して入口40B又は出口40Cからそれぞれ冷却水を
供給し又は排出し得るようになされている。これにより
このスパツタ装置30では、給水器80(図1)からバ
ツキングプレート40に順次供給される冷却水によつて
当該バツキングプレート40を介してターゲツト41を
冷却することができ、かくしてスパツタリング時におけ
るターゲツト41表面の温度上昇を抑え得るようになさ
れている。
【0033】一方上壁ブロツク36の内周部には環状の
ベアリング保持ブロツク81及びモータ取付けブロツク
37とによつて外輪を固定保持されるようにしてベアリ
ング82が取り付けられていると共に、当該ベアリング
82の内輪には中央部に楕円形状の凹部83Aを有する
マグネツト取付けプレート83が取り付けられ、このマ
グネツト取付けプレート83の下面に磁界装置44が当
該マグネツト取付けプレート83の回転中心に対して偏
心をもつように取り付けられている。
【0034】この場合モータ取付けブロツク37上には
モータ85がその出力軸の先端をマグネツト取付けプレ
ート83の凹部83A内に差し込むようにして固定され
ていると共に、当該モータ85の出力軸の先端部には両
端部に丸みが形成されてなた直方体形状の回転力伝達板
86が固定されており、かくしてモータ85が駆動した
ときに当該モータ85の出力軸の回転に伴つて回転力伝
達板86の先端部がマグネツト取付けプレート83の凹
部83Aの内周面に当接し、当該マグネツト取付けプレ
ート83に対して回転力を与えることにより、このマグ
ネツト取付けプレート83と一体に磁界装置44を偏心
をもつて滑らかに回転駆動させ得るようになされてい
る。
【0035】従つてこのスパツタ装置30では、動作
時、モータ85が駆動して磁界装置44を回転させるこ
とにより、この磁界装置44がスパツタリング領域71
内に生じさせる磁界を当該スパツタリング領域71内に
おいて回転させ得るようになされ、これによりスパツタ
リング領域71内の磁界を平均化させ得ると共に、ター
ゲツト41の利用効率を向上させ得るようになされてい
る。
【0036】なおこの実施例の場合には、ハウジング3
1にその内部を一周するように水路31Aが設けられて
いると共に、当該水路31Aには注水口31B及び図示
しない排水口をそれぞれ介して冷却水を供給し、又は排
出し得るようになされており、これにより必要に応じて
ハウジング31を冷却し得るようになされている。
【0037】かかる構成に加えこの実施例のスパツタ装
置の場合、図3からも明らかなように、バツキングプレ
ート40の内部には第1の水路40Aとは独立して、バ
ツキングプレート40の外周部から中心部に延びる第2
及び第3の水路40D、40Eがそれぞれ個別に設けら
れている。
【0038】この場合これら第2及び第3の水路40
D、40Eの外周部に位置する各一端にはそれぞれ図示
しない給水器及び排水器と連結される入口40F、40
Gが設けられていると共に、中心部に位置する各他端に
はバツキングプレート40の下面に通じる貫通孔40
J、40Jがそれぞれ設けられている。またこれら貫通
孔40H、40Jは、特に図3において明らかなよう
に、絶縁材61に独立して設けられた貫通孔61A、6
1Bをそれぞれ介して冷却ブロツク60内部の水溜部6
0Aに連結されている。
【0039】従つてこのスパツタ装置30においては、
冷却ブロツク60の水溜部60Aに対してバツキングプ
レート40に設けられた第2の水路40D及び貫通孔4
0Hと、絶縁材61に設けられた貫通孔61Aとを順次
介して冷却水を順次供給し得る一方、この水溜部61A
に供給された冷却水を絶縁材61の貫通孔61Bと、バ
ツキングプレート40の貫通孔40J及び第3の水路4
0Eとを順次介して水冷ブロツク60から及びバツキン
グプレート40の外部に排出し得るようになされ、これ
により冷却ブロツク60介して当該冷却ブロツク60と
接触するセンターマスク42を冷却し得るようになされ
ている。
【0040】このためこのスパツタ装置30では、冷却
ブロツク60が銅等の熱伝導率の高い材料を用いて形成
されており、これにより効率良くセンターマスク42を
冷却し得るようになされている。
【0041】またこの実施例のスパツタ装置30の場
合、磁界装置44は図4(A)及び(B)に示すよう
に、楕円形のリング状に形成された外磁90と、円形の
リング状に形成された内磁91とをヨーク92に同心に
一体に取り付けることにより構成されており、これによ
り図4(C)及び(D)に示すようにX方向及びY方向
にそれぞれ2点ずつ、合わせて4点の強弱のある磁界ピ
ークを生じさせることができるようになされている。
【0042】これよりこのスパツタ装置30では、磁界
装置44の回転時にスパツタリング領域71内により均
一的な磁界空間を形成することができるため、プラズマ
がスパツタリング領域71の中央部に集中するのを防止
でき、かくしてセンターマスク42がオーバーヒートす
るのを未然に防止し得るようになされている。
【0043】以上の構成において、このスパツタ装置3
0では、動作時にバツキングプレート40と冷却ブロツ
ク60とにそれぞれ冷却水が供給されることによりター
ゲツト41に加えてセンターマスク42も冷却される。
従つてこのスパツタ装置30ではセンターマスク42が
オーバーヒートするのを未然に防止することができる。
【0044】この場合センターマスク42はバツキング
プレート40及びターゲツト41のいずれもと絶縁され
た状態でアノードとして冷却されるため、センターマス
ク41及び基板70間においてアーキングも発生せず、
従つて基板70が傷つくことも加熱することも防止でき
る。
【0045】さらにこのスパツタ装置30では、これに
加えて磁界装置44の外磁90(図4(A))が楕円形
のリング状に選定されると共に内磁91が円形のリング
状に選定されているため、当該磁界装置44が回転して
いるときにスパツタリング領域71内に均一的な磁界を
形成することができる。従つてプラズマの局部集中を効
果的に防止でき、かくしてセンターマスク42のオーバ
ーヒートをより確実に防止できる。
【0046】従つてこのスパツタ装置30によれば、従
来のスパツタ装置1(図7)において、センターマスク
8のオーバーヒートに起因して発生し易かつたプラズマ
のアーキングや加工対象の基板70の不良などのトラブ
ルを未然に防止でき、かくして加工対象の基板70に対
して良好な反射膜を形成することができる。
【0047】実際上、サイクルタイムを2.0 〔sec 〕と
し、スパツタタイムを1.5 〔sec 〕として基板を順次連
続してスパツタする実験を行つたところ、センターマス
ク42を従来の冷却方法で冷却しながら行つた場合には
センターマスク42の先端部の温度が90〜120 〔°
C〕、基板の表面が70〔°C〕になつたのに対して、セ
ンターマスク42を実施例による冷却方法で冷却しなが
ら行つた場合にはセンターマスク42の先端部の温度が
40〜50〔°C〕、基板の表面が40〔°C〕であつた。
【0048】またこのとき10000 枚の基板に対する連続
スパツタ時にもアーキングが発生せず(従来の方法では
0.1 〜0.2 〔%〕程度発生)、膜の均一性も600 〔Å〕
±5〔%〕に向上(従来の方法では600 〔Å〕±10
〔%〕)することが確認できた。さらにターゲツトライ
フも従来の方法に比べて20〔%〕向上させることがで
き、1.5 〔sec 〕のスパツタタイムで10万回のシヨツト
が可能であつた。
【0049】以上の構成によれば、マグネトロン方式の
スパツタ装置30において、センターマスク42を内部
に水溜部60Aを有する冷却ブロツク60を介してバツ
キングプレートに取り付けると共に、当該冷却ブロツク
60内部にバツキングプレート42を介して冷却水を順
次供給するようにしたことにより、センターマスク42
のオーバーヒートを未然に防止でき、かくしてアーキン
グや基板の不良の発生を実用上十分に防止し得るスパツ
タ装置を実現できる。
【0050】またマグネトロン方式のスパツタ装置30
において、磁界装置44の外磁90を楕円形のリング状
に形成すると共に、内磁91を円形のリング状に形成す
るようにしたことにより、スパツタリング領域71内に
おけるプラズマの局部集中を防止でき、かくしてアーキ
ングや基板の不良の発生を実用上十分に防止し得るスパ
ツタ装置を実現できる。
【0051】従つてスパツタ装置をこのように構成する
ことによつて、シンプルな構造で複数部分の冷却が可能
である。またデイスク(プラスチツク)のような熱変形
物の成膜にも有効であり、さらに加熱防止によつてシー
ル部分の耐久性を向上させる効果を得ることもできる。
【0052】なお上述の実施例においては、磁界装置4
4の外磁90を楕円形のリング状に形成すると共に、内
磁91を円形のリング状に形成するようにした場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図5
(A)のように磁界装置の外磁100及び内磁101と
もに楕円形のリング状に選定するようにしたり、又は図
5(B)のように外磁102を楕円形のリング状に選定
する一方、内磁103を独立した2個の円形のリング状
の磁石103A、103Bで構成するようにしても良
く、要は、X方向及びY方向にそれぞれ複数点の磁力ピ
ークをもち、できる限りセンターマスク42を避けてス
パツタリング領域71内に磁界を発生させることができ
るように磁界装置44を形成することができるのであれ
ば、外磁90及び内磁91の外形形状としてはこの他種
々の外形形状を適用できる。
【0053】また上述の実施例においては、絶縁体61
をテフロンで形成するようにした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、この他セラミツク、プラス
チツク又はポリエチレン等の他の絶縁材を用いて絶縁体
61を形成するようにしても良い。
【0054】さらに上述の実施例においては、磁界装置
44を図4のように形成し、この磁界装置44を偏心を
もつて回転させることによりスパツタリング領域71内
に均一的な磁界を発生させ得るようにした場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、例えば内磁91をバ
ツキングプレート40上に絶縁体を介して固定し、外磁
90のみをマグネツト取付けプレート83に取り付ける
ことによりモータ85から与えられる回転力に基づいて
偏心をもつて回転するように磁界装置を構成するように
しても良く、このようにしても実施例の場合と同様の効
果を得ることができる。
【0055】さらに上述の実施例においては、バツキン
グプレート40を図3のように形成するようにした場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、バツ
キングプレート内部に複数の水路をそれぞれ独立に形成
し、各水路を介してそれぞれ所定の冷却対象に対して冷
却水を供給するようにするのであれば、バツキングプレ
ートの構造としてこの他種々の構造を適用できる。
【0056】ここで例えば図6(A)及び(B)は、複
数の水路がそれぞれ互いに独立して設けられたバツキン
グプレートの一構成例を示すものであり、このバツキン
グプレート120は下面に取り付けられる図示しないタ
ーゲツトと、3つの水冷ブロツク130〜132とを同
時に冷却し得るようになされている。
【0057】すなわちこのバツキングプレート120で
は、その内部にターゲツトを冷却する冷却水が流れるた
めの第1の水路120Aが設けられ、当該第1の水路内
に入口120Bを介して冷却水を供給し、この冷却水を
出口120Cを介してバツキングプレート120外部に
排出し得るようになされている。
【0058】またバツキングプレート120の内部には
この第1の水路120Aとは独立に第2及び第3の水路
120D、120Eが設けられており、これら第2及び
第3の水路120D、120Eには入口120Fを介し
て冷却水を供給し得るようになされている。
【0059】この場合第2の水路120の入口120F
側とは異なる端部は、貫通孔120Gを介して当該バツ
キングプレート120の下面に取り付けられた第1の水
冷ブロツク130内部の水溜130Aと連結されている
ことにより、入口120Fから供給される冷却水をこの
第1の水冷ブロツク130の水溜130Aに供給し得る
ようになされていると共に、当該第1の水冷ブロツク1
30の水溜130Aに供給される冷却水は、バツキング
プレート120に設けられた貫通孔120H及び水路1
20Jを順次介して第1の水路120A内に排水し得る
ようになされ、これにより第1の冷却ブロツク130を
冷却し得るようになされている。
【0060】これと同様にして第2の冷却ブロツク13
1を冷却するため、バツキングプレート120には貫通
孔120K、120Lと水路120Mとがそれぞれ設け
られている。
【0061】さらにバツキングプレート120には同様
にして第4の水路120Nと、貫通孔120P、120
Qと水路120Rと、第4の水路120Nに冷却水を供
給するための入口120Sとが設けられている。従つて
バツキングプレートをこのように構成することによつ
て、例えば3枚の基板を同時に成膜処理し得るようなス
パツタ装置にも本発明を適用することができる。
【0062】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、マグネト
ロン方式のスパツタ装置において、ターゲツトと皮膜形
成対象物とで挟まれる空間領域内に磁界を発生させる、
リング状の第1の磁石の内側にリング状の第2の磁石が
配置されてなる磁界発生手段の第1及び第2の磁石をリ
ング状に形成するようにしたことにより、ターゲツトと
皮膜形成対象物とで挟まれる空間領域物内には複数の磁
力ピークを有する磁界を形成することができる。従つて
空間領域内に発生するプラズマの局部集中を回避できる
ことによりアーキングや皮膜形成対象物に不良が発生す
るのを実用上十分に防止できるスパツタ装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例によるスパツタ装置の全体構成を示す断
面図である。
【図2】バツキングプレート及び冷却ブロツクの構成を
示す断面図である。
【図3】バツキングプレートを上面側から透視して見た
ときの様子を示す平面図である。
【図4】実施例の磁界装置の構成を示す上面図及び断面
図と、この磁界装置の磁力分布を示す特性曲線図であ
る。
【図5】磁界装置の他の構成例を示す略線図である。
【図6】バツキングプレートの他の構成例を示す略線図
である。
【図7】従来のスパツタ装置の構成を示す断面図であ
る。
【図8】従来のバツキングプレートの構成を示す上面図
及び断面図である。
【図9】従来の磁界装置の構成を示す上面図及び断面図
と、この磁界装置の磁力分布を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
30……スパツタ装置、39……容器、40……バツキ
ングプレート、40A、40D、40E……水路、41
……ターゲツト、42……センターマスク、43……外
周マスク、44……磁界装置、60……冷却ブロツク、
70……基板、71……スパツタリング領域、90……
外磁、91……内磁、92……ヨーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317 C23C 14/35 G11B 7/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のガスが導入される容器と、 上記容器内に固定されたターゲツトと、 皮膜形成対象物を上記ターゲツトと対向するように支持
    する支持手段と、 上記ターゲツトに負電圧を印加することにより、上記タ
    ーゲツト及び上記皮膜形成対象物間のイオン化された上
    記ガスの構成成分を加速させて上記ターゲツトに衝突さ
    せる負電圧印加手段と、 リング状の第1の磁石の内側にリング状の第2の磁石が
    配置されてなり、上記ターゲツト及び上記皮膜形成対象
    物で挟まれる空間領域内にリング状の磁界を発生させて
    当該磁界内に上記イオン化された上記ガスの構成成分を
    閉じ込める磁界発生手段と、 上記磁界発生手段を上記磁界と垂直な平面内で回転駆動
    させることにより上記磁界を平行に回転移動させる駆動
    手段とを具え、 上記磁界発生手段は、上記第1及び第2の磁石がリング
    状に形成されたことを特徴とするスパツタ装置。
  2. 【請求項2】上記駆動手段は、上記磁界発生手段を上記
    磁界と垂直な平面内で偏心をもつて回転させることを特
    徴とする請求項1に記載のスパツタ装置。
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