JP4036646B2 - 工作機械装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、工作機械装置およびその加工液供給装置に関し、特に、工具によってワークに機械加工を施す場合に、常に加工液を加工部に対して最適な位置および方向から噴射することによって、加工液による加工屑の除去および冷却作用を最適に達成する工作機械装置に関する。本願発明は、研削砥石、種々のフライス工具等の外周面に加工作用部を有した工具によってワークに機械加工を施すときに、工具の径や加工条件、並びに工具とワークとの位置関係の変化に応じて加工部に対して加工液を最適の供給状態で噴出することが可能な工作機械装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】
工作機械装置の工具により特に金属ワークを加工する場合には、加工部の発生熱を除去する冷却作用と加工で生じた加工屑を除去して工具の円滑な加工作用を促進するために加工液を加工部に供給することが必須となる。
【0003】
従来から用いられる工作機械における加工液の供給装置としては例えば、第1の従来技術として実開昭61−124366号に開示の研削液供給装置がある。これは、砥石の接線方向に向いて配設された加工液ノズルを、当該接線方向に対して直交する方向に移動可能な支持方法で砥石フードに取着して、砥石径の変化にかかわらず、作業者が調整ハンドルを操作することによって砥石の接線方向に沿って加工液を供給するようにした言わば手操作型の加工液供給装置を開示している。然しながら、第1の従来技術による加工液供給装置では、砥石によるワークの研削加工の過程で、加工点が移動した場合にも加工液が移動後の加工点に対して接線方向に加工液を噴射することが可能なまでには構成されていないと言う点で未だ満足のゆく加工液供給装置とは言いがたい。
【0004】
また、第2の従来技術として特開平1−146662号に開示の研削液噴射ノズルの位置制御方法がある。これは、加工輪郭に沿って研削砥石による研削加工を遂行する過程で、研削砥石を保持する主軸の周囲に割出旋回が可能に研削液噴射ノズルを設け、砥石の研削工程における移動制御プログラムに基づいて、同研削液噴射ノズルを研削点に向けて位置決め制御する方法を開示している。然しながら、第2の従来技術による研削液噴射方法は、研削砥石によるワークの加工点が変位した場合に、研削液噴射ノズルを、主軸の周囲に旋回移動させて研削液の噴射方向の調節を行うものであり、故に、砥石の中心に対して径方向には移動可能に設けられてないために、径が異なる砥石を主軸に保持して研削加工を行う場合には、研削液噴射ノズルによる研削液の噴射方向を適正な方向に調節する方法については開示がない。
【0005】
更に、第3の従来技術として特開平6−31582号に開示のマシニングセンタ用注水装置がある。このマシニングセンタ用注水装置は、マシニングセンタの工具による加工点に対して注水ノズルを用いた注水が、水平方向および上下方向に変化自在に行われ、常に加工点に向かって注水ができるようにした構成を有している。この注水装置は、工具を保持した主軸の周囲にギアリングの回動に従って注水ノズルが移動可能に設けられて加工点が水平方向に移動する場合にも移動角度に合わせて注水ノズルも移動し、加工点を狙って注水が行われるように構成され、また、加工点が高さ方向に変化する場合には、注水ノズルの根元部が回動してノズル先端が上下し、注水位置が加工点からずれないようにしている。
【0006】
然しながら、第3の従来技術のマシニングセンタの注水装置は、主軸に装着された工具の中心に対して半径方向には移動可能に構成されていないために、工具径が変化した場合には、加工点に対して充分に正確に注水方向を調節し得なくなると言う難点を有している。
【0007】
更に、第4の従来技術として米国特許第4,619,078号に開示の研削砥石用保護フードを備えた研削盤がある。この研削盤は、主軸に装着される研削砥石を覆うフードが設けられ、このフードが加工液供給ノズルを担持し、この加工液供給ノズルがフードと共に主軸まわりの周回方向へ回転移動可能に構成され、かつ、同加工液供給ノズルは研削砥石の径に応じて主軸のラジアル方向に移動可能に構成され、研削砥石とワークとの接触点に加工液を供給するものである。つまり、フードとワークとが干渉しないように加工液供給ノズルがフードと共に回転移動され、研削砥石の磨耗に応じた縮径に従って、ノズルをフードに対してモータ駆動により調整し、加工液供給方向の調整を図る構成又はフードを研削砥石の半径方向に移動する構成をとるものである。
【0008】
しかしながら、第4の従来技術は、平面研削盤等の研削専用の工作機械で、かつ研削砥石用保護フードを有する構造を基礎的構成要件にしている。この結果、マシニングセンタのように自動工具交換によって主軸に工具を着脱自在に装着しようとすると、フードがじゃまになって自動工具交換は行えないという問題点があり、平面研削以外の種々の工作機械における加工部に適用可能とする多様性に欠ける欠点がある。またワークの回転送り軸を有さず、X,Y,Z軸の直動3軸送りしか有さない研削盤のために、ワークの形状によってはワークとフードとの干渉がさけられなかったり、干渉をさけると加工液が適正に加工領域に供給できなくなるという問題点を有しており、かつフードやそれに付属した加工液供給ノズルをモータからの駆動力に応じて回転移動やラジアル方向に移動させる構造や配置に関しては何らの具体的な開示がないため、実用の観点からは利用性に乏しい。
【0009】
加えて、第4の従来技術には、研削砥石の径を測定する工具測定手段を具備しておらず、研削砥石の磨耗時やドレッシング、ツルーイング後の径変化時に工具径の測定結果を得て自動的に加工液供給ノズルのラジアル方向位置を調節する技術についても開示されていない。また、加工液供給ノズルの研削砥石の周りの周方向位置を調節しようとすると、フードがじゃまになって研削砥石の周りの全周にわたる位置決めが行えないという問題点もある。
【0010】
依って、本願発明の主たる目的は、特殊な機種に限ることなく、各種の工作機械の主軸に着脱自在に装着される工具の径変化、加工点の変動に対応して工具とワークとの係合域に対して加工屑除去と冷却の観点から最も適切な位置に加工液供給装置の加工液ノズルを位置決めして加工液を供給しつつ加工が行える工作機械装置およびその加工液供給装置を提供することにある。
【0011】
本願発明の他の目的は、工具とワークとの係合域に対して加工液供給装置の加工液ノズルを最適の加工液供給位置に位置決めするに当たって主軸周りに全く死角のない回転機構によって加工液供給装置を所望の加工液供給位置まで移動させ、更にラジアル方向へ加工液ノズルを直線移動させる直線移動機構または加工液ノズルを旋回移動させる旋回移動機構との協動により上記最適の加工液供給位置へ位置決めされうる工作機械装置およびその加工液供給装置を提供することにある。
【0012】
本願発明の更に他の目的は、工具に修整処理を施した場合に、修整前後の工具径の変化に追随して加工液ノズルを自動的に再位置決めして加工を開始することが可能な工作機械装置およびその加工液供給装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願発明の第一のアスペクトによると、主軸に装着された工具とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、
前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、前記円筒部材に支持され、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、
前記主軸頭に設けられた第1の駆動モータを有し、前記第1の駆動モータの駆動力を前記円筒部材に伝達して前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させる円周方向移動手段と、前記主軸頭に設けられた第2の駆動モータと、前記円筒部材に対して円周方向に回転移動可能に設けられた環状部材とを有し、前記第2の駆動モータの駆動力を前記環状部材に伝達して前記環状部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に移動させる半径方向移動手段とを具備する工作機械装置が提供される。
【0014】
本願発明の第二のアスペクトによると、主軸に装着された工具とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、前記円筒部材に支持され、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、前記主軸頭に設けられた第1の駆動モータを有し、前記第1の駆動モータの駆動力を前記円筒部材に伝達して前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させる円周方向移動手段と、前記主軸頭に設けられた第2の駆動モータと、前記円筒部材に対して円周方向に回転移動可能に設けられた環状部材とを有し、前記第2の駆動モータの駆動力を前記環状部材に伝達して前記環状部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に移動させる半径方向移動手段と、前記円周方向移動手段により前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させるとき前記加工液ノズル手段の開口部が前記工具の半径方向に移動し ないように、前記第 1 の駆動モータと前記第2の駆動モータとを同期制御する制御手段とを具備する工作機械装置が提供される。
【0015】
本願発明の第三のアスペクトによると、主軸に装着された工具とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、前記円筒部材に設けられたガイドと、前記ガイドに直線移動可能に装着された直進棹とを有し、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、前記円筒部材の外周に設けられた第1のウォームホイールと、前記第1のウォームホイールと噛み合う第1のウォームと、前記主軸頭に設けられ前記第1のウォームを回転させる第1の駆動モータとで成り、前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させる円周方向移動手段と、前記加工液ノズル手段の前記直進棹に設けられたラックと、前記円筒部材の周りを円周方向に回転移動可能に設けられ前記ラックと噛み合うピニオンと、前記ピニオンと結合された第2のウォームホイールと、前記第2のウォームホイールと噛み合う第2のウォームと、前記主軸頭に設けられ前記第2のウォームを回転させる第2の駆動モータとで成り、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に直線移動させる半径方向移動手段とを具備する工作機械装置が提供される。
【0016】
好ましくは、前記加工液ノズル手段は、前記円筒部材に設けられたノズル支持部材を有し、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に構成され、前記半径方向移動手段は、前記加工液ノズル手段に取り付けられたピニオンと、前記円筒部材の周りを円周方向に回転移動可能に設けられ前記ピニオンと噛み合う歯車と、前記歯車と結合された第2のウォームホイールと、前記第2のウォームホイールと噛み合う第2のウォームと、前記主軸頭に設けられ前記第2のウォームを回転させる第2の駆動モータとで成り、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に旋回移動可能に構成される。
【0017】
本願発明の第四のアスペクトによると、主軸に装着された研削砥石とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、前記主軸頭と相対移動する構成部材に設けられ、前記研削砥石の外周部をツルーイング又はドレッシングする砥石修整手段と、前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、前記円筒部材に支持され、前記研削砥石の外周部に向けて加工液を噴射する開口部を前記研削砥石の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、前記主軸頭に設けられた第1の駆動モータを有し、前記第1の駆動モータの駆動力を前記円筒部材に伝達して前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させる円周方向移動手段と、前記主軸頭に設けられた第2の駆動モータと、前記円筒部材に対して円周方向に回転移動可能に設けられた環状部材とを有し、前記第2の駆動モータの駆動力を前記環状部材に伝達して前記環状部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に移動させる半径方向移動手段とを具備する工作機械装置が提供される。
【0018】
本願発明の作用は、円周方向に回転移動可能に主軸頭に設けられた円筒部材で加工液ノズル手段を支持し、主軸頭に設けられた第1の駆動モータにより駆動される円周方向移動手段と、主軸頭に設けられた第2の駆動モータにより駆動される半径方向移動手段とが協動して加工液ノズル手段を工具の円周方向及び半径方向へ移動して、加工液ノズル手段の開口部を所望の位置へ位置決めし、加工液を噴射するようにした。
【0019】
上述した構成及び作用により、本願発明による工作機械装置によれば、工作機械MTの研削砥石やフライス工具等の加工工具TによってワークWに研削加工や切削加工等の機械加工を遂行する過程で、予め加工液ノズル手段から工具Tによる加工領域又は接触域Pに対して最も適正な加工液供給位置、つまり、加工屑の排除、冷却効果を同工具TとワークWとの両者に付与するという2つの観点から最も適正な位置から加工液を供給、噴出することが可能となり、しかも加工液ノズル手段の開口部を最も適正な加工液供給位置に位置決めして姿勢を設定する際に、主軸の回転軸心周りに第1の駆動モータ及び第2の駆動モータを除く円周方向移動手段及び半径方向移動手段、並びに円筒部材及び加工液ノズル手段で成る加工液供給装置部分だけを回転移動させ得ることから、ワークWの形状や設置状況上の制限等の種々の条件変化に何らの困難なく位置決め、姿勢設定を遂行し得るのである。
【0020】
なお、上述から理解できるように、本願発明は研削加工を遂行する研削加工機械に限ることなく、フライス工具を用いる切削加工機械からなる工作機械装置にもそのまま適用可能であることが理解できよう。
【0021】
しかも本願発明によれば、工具交換手段を用いた工具T、例えば研削砥石Tの交換を行うことにより、使用工具の工具径が変化した場合や、使用中の工具の工具径が摩耗によって径変化を来した場合にも、工具径を測定することによって、加工液供給装置の加工液供給ノズルの位置決め設定と姿勢設定とを適正に調整移動させることにより、常時、最適な位置から工具の加工領域に加工液の供給を行うことが可能となるのである。
【0022】
このように、工作機械装置の工具の加工領域に常に加工液の供給を最適な冷却と加工屑排除機能位置に設定できることにより、ワークWに対して工具Tにより遂行される加工作用においても加工精度、面粗度等の観点から著しい改善を望むことが可能となる。しかも、加工工具に対して常に適正な冷却効果を付与し、かつ加工屑を排除することから、工具自体の摩耗も減少して加工コストを低減させることが可能となる。
【0023】
また、本願発明によれば、加工液供給装置における加工液供給ノズルの設定、位置決めは主軸の軸心に対してラジアル方向と周方向との2方向において夫々、サーボモータを駆動源とした駆動モータを用いる回転、直線または旋回移動手段によって自動的に達成する構成を有するから、マシニングセンタ等の自動工作機械に適用することによって、自動的な加工液供給の最適化にも寄与することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
まず、図1および図2を参照すると、研削加工機械を一実施形態とする工作機械MTが図示され、この工作機械MTは、主軸頭10を有し、この主軸頭10の内部に高速回転が可能に主軸12が備えられ、この主軸12が有する工具装着部12aに工具Tとしての研削砥石を装着するようになっている。そして、上記主軸頭10は、機械コラム14に搭載されて、同機械コラム14と共に図示されていない基台に対して、また機械コラム14に対して相対的に、図示のように直交する二軸(X軸方向、Y軸方向)に移動可能に設けられており、同二軸方向における主軸頭10および同主軸頭10が保持した主軸12の移動は、機械に設けられた各軸のスケール等の位置検出器(図示なし)を介して検出される構成になっている。
【0025】
また、本実施形態に係る研削加工機械としての工作機械MTは、主軸12に工具装着部12aを介して装着された研削砥石に対してツルーイングやドレッシング等の工具修整処理を研削加工途次に施すことができる工具修整装置Dを有し、この工具修整装置Dの最前部にドレッサ具DTを装着、具備している。
【0026】
工作機械MTは更に、上記主軸頭10の外周域に後述する軸受装置を介して回転可能に設けられた円筒支持体16(円筒部材)を備え、この円筒支持体16に加工液供給装置18が担持され、円筒支持体16の回転に従って主軸頭10の中心軸周り、従って主軸12の回転軸心周りに回転可能に設けられている。
この加工液供給装置18は、加工液供給源(図示なし)に接続した加工液受承部18aと、配管部18bと、配管部18bの先端18cに適宜の回転形の接続具18d(図2参照)を介して取付けられた加工液供給ノズル20を備えている。そして、この加工液供給ノズル20の開口端から工具TとワークW(図2参照)との加工部、つまり研削砥石TとワークWとの接触域Pに向けて加工液を吐出、供給する構成がとられている。
【0027】
次に、上記工作機械MTの加工液供給装置18における加工液供給ノズル20をワークWの研削加工作業の進捗時に常に上記接触域Pに最適の供給条件、つまり研削加工の進展と研削砥石Tの磨耗等に伴って研削砥石TとワークWとの接触域Pは時々刻々と変位するが、この変位に追従してノズル開口端をその接触域Pに正しく指向させるように、上記円筒支持体16を介して加工液供給ノズル20を移動させ、位置決めと姿勢設定とを行う回転移動機構(回転移動手段)と直線移動機構(直線移動手段)とに就いて、図1、図2とともに図3および図4を参照して説明する。
【0028】
さて、加工液供給装置18を担持する円筒支持体16は、既述のように主軸頭10および主軸12の軸心の周りに360度、すなわち全周に渡って回転可能なように、周知のボールベアリング等からなる回転軸受22a、22b(図4参照)を介して取付けられている。従って、円筒支持体16の回転に従って加工液供給装置18も主軸頭10および主軸12の軸心の周りに360度の全周に渡って回転移動することが可能に構成されている。
【0029】
他方、円筒支持体16の前縁側の一部にはラジアル方向の外向きにL字状に突出、形成された直線案内部16a(ガイド)が形成され、この直線案内部16aの案内ブロック16bに形成された直線案内溝16cに直線摺動が可能に嵌着された直進棹17に加工液供給装置18が一体に結合されることによって、加工液供給装置18も直線移動が可能に構成され、この加工液供給装置18の直線移動は、加工液供給ノズル20を主軸12の軸心に対してラジアル方向に遠近移動させるように予め設計、設定されている。この結果、図1において加工液供給ノズル20の開口端は主軸12に装着された研削砥石Tの回転軸心に対してラジアル方向に遠近移動可能に構成されているものである。
【0030】
ここで、円筒支持体16は、直線案内部16aを有した前縁側とは軸方向に隔たる後縁側に回転移動機構30を構成する第1のウォームホイール32が適宜の固定手段を介して固着されており、この第1ウォームホイール32に第1ウォーム34が噛合されている。そして、この第1ウォーム34が回転駆動されることにより、第1ウォームホイール32に回転力が付与され、この結果、円筒支持体16が回転軸受22a、22bを介して主軸頭10および主軸12の軸心の周りに360度の回転が可能となる構成が設けられている。このとき、第1ウォーム34は、図3に明示するように主軸頭10に取り付けられたブラケット38に設けられた1対の回転保持部38a、38bの間に軸36が適宜の回転軸受を介して回動可能に保持されており、また、同第1ウォーム34の軸36の一端にはプーリ36aが装着されている。他方、上記ブラケット38にはサーボモータ等から成る第1の駆動モータとしての駆動モータ40が保持されており、その出力軸40aの先端にはプーリ42aが装着され、この駆動モータ40側のプーリ42aと上記第1ウォーム34側のプーリ36aとが周知のタイミングベルト44によって接続されることにより、第1ウォーム34は駆動モータ40の回転駆動力を受けて回動する構成を有している。
【0031】
つまり、加工液供給装置18の加工液供給ノズル20を円筒支持体16を介して回転移動させる回転移動機構30は、駆動モータ40、タイミングベルト44、プーリ36a、42aを有したベルト・プーリ機構、第1ウォーム34、第1ウォームホイール32等を含んで構成されている。すなわち、駆動モータ40と駆動モータ76との回転駆動を同期制御することにより、円筒支持体16の主軸軸心周りの全周にわたる回転移動量を制御して所望の周方向位置に位置決め、設定することが可能になっているのである。
【0032】
一方、円筒支持体16において、その前後端の中間部位には円筒形状をした歯車担持体50がボールベアリング52a、52bを介して主軸頭10および主軸12の軸心周りに回転可能に設けられている。そして、この歯車担持体50の外周には上記の第1ウォームホイ−ル32と並列配置で第2ウォームホイール54が固着されている。つまり、第2ウォームホイール54は歯車担持体50と一体に回転可能に取付けられているものである。また、歯車担持体50には第2ウォームホイール54と並列にピニオン56が固着されており、このピニオン56に図4に明示のようにラック60の内面に形成されたラック歯58が噛合し、かつ同ラック60は既述した直進棹17とボルト等の適宜固定手段を用いて結合され、故に加工液供給装置18と一体化されている。歯車担持体50、第2ウォームホイール54、及びピニオン56が請求項に記載の半径方向移動手段の環状部材である。このため、歯車担持体50が回転すると、ピニオン56とラック60の噛合により後者のラック60はその長尺方向に直線移動を行う。この結果、直進棹17を介してラック60と一体化された加工液供給装置18が直線移動され、故に加工液供給ノズル20が主軸頭10、主軸12の軸心に対してラジアル方向に直線移動を行うものである。ここで、上述した第2ウォームホイール54には図3に明示のごとく、第2ウォーム66が噛合されており、この第2ウォーム66は、軸68を有し、主軸頭10に取付けられたブラケット70に設けられた一対の回転保持部72a、72bに回転軸受(図示略)を介して回転可能に取付けられている。そして、第2ウォーム66の軸68の一端にはプーリ74が固着され、他方、ブラケット70に保持されたサーボモータからなる第2の駆動モータとしての駆動モータ76の出力軸76aの先端にはプーリ78aが取着され、このプーリ78aと第2ウォーム66のプーリ74との間にタイミングベルト78bが張設されている。このため、駆動モータ76の回転駆動を制御することにより、タイミングベルト78b、プーリ74、78aから成るベルト・プーリ機構、第2ウォーム66、第2ウォームホイール54、ピニオン56、ラック60等から成る直線移動機構80によって加工液供給装置18の加工液ノズル20が既述のように、主軸頭10、主軸12の軸心に対してラジアル方向に移動するものである。このときには、駆動モータ40を停止させて第1ウォームホイール32が回転しないようにして、円筒支持体16を固定しておく必要がある。この際に第2ウォームホイール54、ピニオン56の回転方向を正逆変更することによって加工液ノズル20はラジアル方向において軸心側へ接近する移動と遠ざかる移動を行いえることは言うまでもない。
【0033】
なお、加工液供給ノズル20を主軸12等の軸心に対して遠近直線移動させる場合に、使用される研削砥石Tの径の最大値に応じて必要とされる最大直線移動量や最小直線移動単位量等に従ってラック60の長さ、ラック歯58及びピニオン56の歯の大きさ、歯数等を適宜、選定設計すればよく、所要に応じてピニオン56は部分歯を有した歯車として形成しても良い。
【0034】
上述した加工液供給装置18の加工液供給ノズル20を回転移動させる回転移動機構30、直線移動させるための直線移動機構80は、いずれも円筒支持体16を回転可能に装着した主軸頭10の周辺の外側領域に設けられたブラケット38、70によって駆動モータ40、76を担持し、かつ比較的小さな第1、第2のウォーム34、66を介して円筒支持体16とそれに取り付けた第1、第2のウォームホイール42、54とを回転駆動する構成としたことから、円筒支持体16の回転に対して機械的な干渉を与える部材や機械部品がなく、この結果、加工液供給装置18および加工液供給ノズル20が主軸12の軸心周りに全周に渡って360度の回転が可能となり、ラジアル方向の直線移動と組み合わせて加工液供給ノズル20の開口端を研削砥石TとワークWとの接触域Pに対して最適の加工液供給位置と姿勢に位置決め、設定することができるのである。
【0035】
上述した実施形態とは別の実施形態を図5を参照して説明する。なお、上述した図1から図4に示した実施形態と同様の参照番号はその説明を省略する。
図5に示す実施形態と図1から図4に示した実施形態との相違点は、直線移動機構80に代わり旋回移動機構120が設けられていることである。旋回移動機構120は、円筒支持体16を回転可能に装着した主軸頭10の周辺の外側領域に設けられたブラケット70によって第2の駆動モータとしての駆動モータ122を担持し、第3ウォーム124を介して円筒支持体16に取り付けた第3ウォームホイール125を回転駆動する構成となっている。駆動モータ122の駆動力を第3ウォーム124に伝達するのは、直線移動機構80と同様に、ベルト・プーリ機構である。第3ウォームホイール125と一体的にピニオン126(歯車)が設けられ、ピニオン126にピニオン128が噛合しており、ピニオン128と一体的に加工液供給ノズル20を先端部に有する軸部130が設けられ、軸部130は加工液供給装置18(ノズル支持手段)の内部で周知のベアリング等により回転可能に支持されている。すなわち駆動モータ122を駆動することにより、第3ウォーム124、第3ウォームホイール125、ピニオン126、ピニオン128を介して加工液供給ノズル120を有した軸部130がその軸線回りに旋回可能になっている。
【0036】
本実施形態では、旋回移動機構120による旋回移動、回転移動機構30による回転移動の2つの移動の組み合わせにより、研削工具TとワークWとの接触域Pに対する加工液供給ノズル20の位置決めを行うものである。上述の実施形態との相違点は、旋回移動機構120により加工液供給ノズル20の研削工具Tのラジアル方向への位置決めを行うことである。すなわち、回転移動機構30と旋回移動機構120とを同期動作させる等によって、研削工具TとワークWとの接触域Pに対する加工液供給ノズル20の位置決めを行うことができる。
【0037】
ここで、回転移動機構30の回転動作による加工液供給ノズル20の研削工具Tの周方向への位置決めと旋回移動機構120の旋回動作による加工液供給ノズル20の研削工具Tのラジアル方向への位置決めとを別々に行うこともできる。また、このときの各動作の順序については特に制限はない。旋回移動機構120を設けたとしても、加工液供給ノズル20が何らの干渉を発生せずに主軸12の軸心周りに全周にわたって360度の回転が可能であることは、上述した実施形態と変わりない。
【0038】
さて、ここで、工作機械(研削加工機械)MTに具備された上述の加工液供給装置18から加工液の供給を受けてワークWを研削加工する場合に、主軸頭10がコラム14に対して直交二軸方向に移動可能であることはもちろん、ワークWを平面内で上記直交二軸(X軸、Y軸)方向と直交した他の一軸、すなわちZ軸方向に移動するワークテーブル(図示なし)を設け、このワークテーブル上に設置したワークWに研削砥石Tを用いて研削加工を施す構成とすれば、主としてワークWに最適な加工液の供給下で平面研削を遂行可能となる。
【0039】
他方、ワークWをZ軸方向の一軸方向にのみ送り移動させ得るワークテーブルに代えて、ワークWを搭載、設置して平面内でZ軸に送り移動するとともに例えば水平軸線周りにワークWに対して回転送りをも付与できるロータリテーブルを設け、このロータリテーブルにワークWを装着して工具格納手段に予め収納した種々径が異なる研削砥石Tを選択的に主軸12に交換、装着しながら所望の研削加工を遂行する構成とした工作機械MTの実施例が図6、図7に図示されている。この実施例において、図1〜図5に示した工作機械MTの構造要素と同じ構造要素は同じ参照番号で示してある。
【0040】
図6、図7を参照すると、工作機械MTは、例えば周知の工具マガジン等からなる後述の工具格納装置90を備え、この工具格納装置90に格納された工具(研削砥石)Tおよび後述のワークWの外形寸法、形状を接触、測定可能なワーク測定装置MR を周知の工具交換アーム等の工具交換手段(図示なし)を用いて主軸頭10の主軸12に対して着脱自在に装着可能に構成されている。かくして図6の上段側に実線で示す場合には、工具格納装置90から工具交換手段によって主軸12に工具Tの一例として研削砥石Tが装着された様子を示し、また、下段に破線で示す場合は、主軸12にワーク測定装置MR が装着された様子を示している。
【0041】
他方、上記の主軸頭10と対向した位置には基台92上において上述の二軸方向と直交した他の一軸方向(Z軸方向)に移動可能にテーブル94が搭載されている。このテーブル94の上方にはロータリヘッド98がロータリヘッドベース96を介して搭載されており、このロータリヘッド98の中心部に設けられた割出回転可能なワーク把持具100に被加工対象としてのワークWが取着されるようになっている。なお、ワーク把持具100はロータリヘッド98の内部に収納されたサーボモータからなる駆動モータ(図示なし)によって割り出し回転自在に設けられている。
【0042】
また、工作機械MTには機械制御装置102が接続されており、この機械制御装置102からの指令に応じて既述した加工液供給装置18の位置決め、姿勢設定を始めとする機械の全ての可動部の動作制御が遂行される構成となっている。
【0043】
また、テーブル94上において、所定の位置に搭載された構成で自動工具測定装置110が設けられている。すなわち、テーブル94においてX,Y,Z軸方向における所定の基準位置に自動工具測定装置110が設けられ、その位置データ(X,Y,Z軸方向の座標値)は予め基準位置データとして認識されているものである。そして、図示例においては、図7に示すように、同自動工具測定装置110はテーブル94の内部に格納可能に設けられて損傷を回避するようになっており、格納後は蓋112で閉鎖し得る構成となっている。そして、同自動工具測定装置110は、先端に硬質素材で形成された接触子等からなる測定先端110aを有し、主軸頭10および機械コラム14のX,Y軸の二軸方向の移動とテーブル94のZ軸方向の移動とによって主軸12に装着された工具(研削砥石)Tを同自動工具測定装置110の測定先端110aに当接させることにより、研削砥石Tの外径寸法が測定可能になっている。つまり、自動工具測定装置110における測定先端110aの基台92に対するX,Y,Z軸方向における基準位置データが既知データとして機械制御装置102に予め記憶されていることから、研削砥石Tと測定先端110aとの接触時における機械側の位置検出器から入力されるX,Y,Z軸における位置データを機械制御装置102に入力することにより、研削砥石Tの外径寸法の実測値を演算により求めることが可能になっている。
【0044】
なお、既述したワーク測定装置MR が主軸12に装着された場合にも、主軸12の中心位置は既知データとして機械制御装置102に予め記憶されており、主軸12およびテーブル94が既述の三軸方向(X,Y,Z軸方向)に相対的に接近送り動作されることによって、ワーク把持具100に取着したワークWの外形部位にワーク測定装置MR の測定先端が接触したとき、送り動作量の測定値と主軸12の位置に関する既知データとから機械制御装置102においてワークWの外形寸法を簡単な加減演算によって求めることが可能となるのである。ここで、自動工具測定装置110は、ワークWと接触することなく測定を行うことができる非接触式の測定装置としてもよいことは言うまでもない。
【0045】
さて、本実施形態に係る工作機械においては、主軸12を有した主軸頭10の外周域に加工液供給装置18とツルーイングまたはドレッシング処理用の工具修整装置Dとが常設されており、この加工液供給装置18は、加工液供給ノズル20の開口端を有し、また図6および図7には図示されていない加工液タンク等の加工液供給源と配管、接続された構成を有していることは先の実施形態に関連して記載したとおりである。上記の加工液供給ノズル20は、研削砥石TによってワークWの加工作用が行われる際に、最先端の開口端から加工液を研削砥石TとワークWとが係合して加工を進捗させる接触領域Pに加工液を噴出して加工領域から排出される加工屑を迅速に流し去ると共に冷却作用を研削砥石TとワークWとの両者に付与して適正、かつ円滑な加工作用を進捗させるように設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態として研削砥石による研削加工部に加工液を供給する加工液供給装置を備えた研削加工機械としての工作機械装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す研削加工機械の主軸の正面側から見た加工液供給装置の加工液ノズルと研削砥石によるワーク加工部との関係および同研削砥石とツルーイングまたはドレッシングを行う工具修整手段との配置関係を示した部分正面図である。
【図3】 研削加工機械の主軸頭内で回転可能な主軸の外周域に設けられ、直線移動手段と回転移動手段とにより円周方向とラジアル方向との二方向に、加工液供給ノズルを有した加工液供給装置を移動可能に支持する円筒支持手段を示した要部斜視図である。
【図4】 加工液供給装置を円周方向およびラジアル方向に移動させる回転移動手段および直線移動手段を構成するウォームとウォームホイールの係合状態並びにラックとピニオンとの噛合状態を示した要部断面斜視図である。
【図5】 研削加工機械の主軸頭内で回転可能な主軸の外周域に設けられ、旋回移動手段と回転移動手段とにより円周方向とラジアル方向との二方向に、加工液ノズルを有した加工液供給装置を移動可能に支持する円筒支持手段を示した要部斜視図である。
【図6】 本願発明の実施形態に係る研削加工機械が研削砥石を装着した主軸を有する主軸頭と、ワーク並びに工具測定手段を搭載した基台部とを具備した構成を示す正面図である。
【図7】 図6の基台上にロータリヘッドベースを介して搭載されたワーク装着用のロータリヘッドと工具測定手段の配置を示した側面図である。
Claims (5)
- 主軸に装着された工具とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、
前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、
前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、
前記円筒部材に支持され、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、
前記主軸頭に設けられた第1の駆動モータを有し、前記第1の駆動モータの駆動力を前記円筒部材に伝達して前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させる円周方向移動手段と、
前記主軸頭に設けられた第2の駆動モータと、前記円筒部材に対して円周方向に回転移動可能に設けられた環状部材とを有し、前記第2の駆動モータの駆動力を前記環状部材に伝達して前記環状部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に移動させる半径方向移動手段と、
を具備することを特徴とした工作機械装置。 - 主軸に装着された工具とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、
前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、
前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、
前記円筒部材に支持され、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、
前記主軸頭に設けられた第1の駆動モータを有し、前記第1の駆動モータの駆動力を前記円筒部材に伝達して前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させる円周方向移動手段と、
前記主軸頭に設けられた第2の駆動モータと、前記円筒部材に対して円周方向に回転移動可能に設けられた環状部材とを有し、前記第2の駆動モータの駆動力を前記環状部材に伝達して前記環状部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に移動させる半径方向移動手段と、
前記円周方向移動手段により前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させるとき前記加工液ノズル手段の開口部が前記工具の半径方向に移動しないように、前記第 1 の駆動モータと前記第2の駆動モータとを同期制御する制御手段と、
を具備することを特徴とした工作機械装置。 - 主軸に装着された工具とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、
前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、
前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、
前記円筒部材に設けられたガイドと、前記ガイドに直線移動可能に装着された直進棹とを有し、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、
前記円筒部材の外周に設けられた第1のウォームホイールと、前記第1のウォームホイールと噛み合う第1のウォームと、前記主軸頭に設けられ前記第1のウォームを回転させる第1の駆動モータとで成り、前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させる円周方向移動手段と、
前記加工液ノズル手段の前記直進棹に設けられたラックと、前記円筒部材の周りを円周方向に回転移動可能に設けられ前記ラックと噛み合うピニオンと、前記ピニオンと結合された第2のウォームホイールと、前記第2のウォームホイールと噛み合う第2のウォームと、前記主軸頭に設けられ前記第2のウォームを回転させる第2の駆動モータとで成り、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に直線移動させる半径方向移動手段 と、
を具備することを特徴とした工作機械装置。 - 前記加工液ノズル手段は、前記円筒部材に設けられたノズル支持部材を有し、加工液を噴射する開口部を前記工具の円周方向及び半径方向に移動可能に構成され、前記半径方向移動手段は、前記加工液ノズル手段に取り付けられたピニオンと、前記円筒部材の周りを円周方向に回転移動可能に設けられ前記ピニオンと噛み合う歯車と、前記歯車と結合された第2のウォームホイールと、前記第2のウォームホイールと噛み合う第2のウォームと、前記主軸頭に設けられ前記第2のウォームを回転させる第2の駆動モータとで成り、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に旋回移動可能に構成された請求項3に記載の工作機械装置。
- 主軸に装着された研削砥石とテーブルに取り付けられたワークとを相対移動させて前記ワークを加工する工作機械装置において、
前記主軸を回転可能に支持する主軸頭と、
前記主軸頭と相対移動する構成部材に設けられ、前記研削砥石の外周部をツルーイング又はドレッシングする砥石修整手段と、
前記主軸の軸線周りの円周方向に回転移動可能に前記主軸頭に設けられた円筒部材と、
前記円筒部材に支持され、前記研削砥石の外周部に向けて加工液を噴射する開口部を前記研削砥石の円周方向及び半径方向に移動可能に設けられた加工液ノズル手段と、
前記主軸頭に設けられた第1の駆動モータを有し、前記第1の駆動モータの駆動力を前記円筒部材に伝達して前記円筒部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の円周方向に移動させる円周方向移動手段と、
前記主軸頭に設けられた第2の駆動モータと、前記円筒部材に対して円周方向に回転移動可能に設けられた環状部材とを有し、前記第2の駆動モータの駆動力を前記環状部材に伝達して前記環状部材を前記円周方向に回転移動させ、前記加工液ノズル手段の開口部を前記工具の半径方向に移動させる半径方向移動手段と、
を具備することを特徴とした工作機械装置。
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