WO2014065137A1

WO2014065137A1 - 複合加工機及び加工方法

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Publication number: WO2014065137A1
Application number: PCT/JP2013/077794
Authority: WO
Inventors: 新土井　英雄; 則明中山
Original assignee: 株式会社アマダマシンツール
Priority date: 2012-10-24
Filing date: 2013-10-11
Publication date: 2014-05-01
Also published as: JP6059947B2; US20150239081A1; JP2014083633A; CN104640670A; CN104640670B; US9895780B2

Abstract

　複合加工機は、傾斜面を有するベースフレームと、傾斜面に装着された第１主軸台と、第１主軸台に回転可能に設けられた第１主軸と、第１主軸台に対向して傾斜面に装着された第２主軸台と、第２主軸台に設けられた第２主軸と、第１主軸台の一側で前記傾斜面に装着された刃物台と、刃物台に設けられ、切削工具が取り付けられる工具取付台を有する刃物台本体と、第１主軸台の他側で傾斜面に装着された砥石台と、砥石台に設けられ、回転可能な回転軸支持する砥石台本体、とを備えている。砥石台の回転軸には、研削加工を行う砥石車が交換可能に取り付けられている。上記複合加工機によれば、切削加工及び研削加工を同時に行える。

Description

複合加工機及び加工方法

　本発明は、主軸台[headstock]の回転可能な主軸[main spindle]によって把持されているワーク[workpiece]を切削加工[cutting]する旋盤[lathe]と、前記ワークを研削加工[grinding]する研削盤[grinder]とが複合化された複合加工機[combined working machine]及び複合加工方法[combined working method]に関する。

　ワークが、旋盤によって切削加工されると共に、研削盤によって研削加工されることがある。この場合、旋盤から研削盤へのワークの移送が必要になると共に、旋盤でのワークの把持と研削盤でのワークの把持とが別々に必要となる。従って、複数の加工機でワークが加工されるので、工程間の滞留時間が長くなる。また、各加工機での把持が別々に行われるので加工基準を統一させ難く、加工精度が低下しやすい。

　そこで、下記特許文献１は、把持されたワークを切削加工すると共に研削加工することのできる複合加工機を開示している。

日本国実開平５－１２０５１号公報

　特許文献１に開示された複合加工機では、回転可能な左側主軸が水平に設けられた主軸台が、Ｚ軸方向（主軸の軸方向）に移動可能にベッドの傾斜面に設けられている。また、左主軸台に対向する右側主軸台も、Ｚ軸方向に移動可能に前記ベッドの傾斜面に設けられている。傾斜面上の左側主軸台の上方及び下方には、それぞれ、Ｚ軸方向に移動可能な刃物台[tool head]が設けられている。同様に、傾斜面上の右側主軸台の上方及び下方には、それぞれ、Ｚ軸方向に移動可能な砥石台[grinding head]が設けられている。また、刃物台の加工領域と砥石台の加工領域とを区画するために、左側主軸台と右側主軸台との間に仕切板が設けられている。

　上記複合加工機では、ワークは、刃物台の加工領域で切削加工された後、砥石台の加工領域へと移動される。そして、ワークは、砥石台の加工領域で研削加工される。従って、上記複合加工機では、ワークを同時に[concurrently]切削加工及び研削加工することはできず、仕上加工の効率を向上させにくい。

　本発明の目的は、ワークを同時に切削加工及び研削加工することができ、仕上加工の効率を向上させることのできる複合加工機及び複合加工方法を提供することにある。

　本発明の第１の特徴は、切削加工及び研削加工を行える複合加工機であって、傾斜面を有するベースフレームと、前記傾斜面に装着された第１主軸台と、前記第１主軸台に水平かつ回転可能に設けられ、ワークの基端を把持する第１主軸と、前記第１主軸台に対向して前記傾斜面に装着された第２主軸台と、前記第１主軸の軸方向であるＺ軸方向、及び、該Ｚ軸方向に直交し、かつ、前記傾斜面に平行なＸ軸方向に移動可能に前記第２主軸台に設けられ、前記ワークの先端又は別のワークの基端を把持可能な第２主軸と、前記第１主軸台の一側で前記前記傾斜面に装着された刃物台と、前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向に移動可能に前記刃物台に設けられ、切削工具が交換可能に取り付けられる工具取付台を有する刃物台本体と、前記第１主軸台の他側で前記傾斜面に装着された砥石台と、前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向に移動可能に前記砥石台に設けられ、前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向の双方に対して傾斜された回転可能な回転軸支持する砥石台本体、とを備えており、前記砥石台の前記回転軸に、研削加工を行う砥石車が交換可能に取り付けられている、複合加工機を提供する。

　前記刃物台の前記工具取付台が、工具取付ホイールであり、
　前記工具取付ホイールが、前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向の双方に直交するＹ軸方向に移動可能に前記刃物台本体に設けられている、ことが好ましい。

　また、前記第２主軸台が、心押台を備えており、前記心押台が、前記ワークの先端を支持するセンタを有している、ことが好ましい。

　ここで、前記心押台が、Ｚ軸方向へ移動可能で、かつ、前記センタホルダが交換可能に取り付けられてるセンタホルダを有し、前記センタホルダが、前記センタを前記センタホルダから押し出す、Ｚ軸方向にスライド可能な押棒を有し、前記心押台が、前記押棒をスライドさせるアクチュエータを有している、ことがさらに好ましい。

　また、前記第１主軸台が、前記砥石車のドレッシングのためのドレッサと、前記刃物台に取り付けられた研削ユニットの砥石のドレッシングのためのドレッサと、を有している、ことが好ましい。

　また、前記第２主軸台が、前記刃物台に取り付けられた研削ユニットの砥石のドレッシングのためのドレッサを有している、ことが好ましい。

　また、前記砥石台本体が、前記砥石車の一部を露出させる切欠部が形成された安全カバーを有し、前記安全カバーが、前記切欠部を閉じるシャッターを有している、ことが好ましい。

　本発明の第２の特徴は、上記第１の特徴の複合加工機を用いたワークの加工方法であって、前記第１主軸に把持された前記ワークを前記刃物台に取り付けられた切削工具で切削加工すると同時に、前記ワークを前記砥石車で研削加工する、加工方法を提供する。

実施形態に係る複合加工機の斜視図である。前記複合加工機の心押台の断面図である。前記複合加工機の刃物台の斜視図である。前記複合加工機の第１主軸台、第２主軸台、刃物台及び砥石台を示す配置平面図である。前記砥石台の砥石車[grinding wheel]の安全カバーが開かれた状態を示す平面図である。刃物台の加工工具及び砥石台の砥石車による同時加工を示す側面図である。前記加工工具によるワークの加工と前記砥石車によるワークの加工の第１形態を示す平面図である。前記加工工具によるワークの加工と前記砥石車によるワークの加工の第２形態を示す平面図である。前記加工工具によるワークの加工と前記砥石車によるワークの加工の第３形態を示す平面図である。前記加工工具によるワークの加工と前記砥石車によるワークの加工の第４形態を示す平面図である。前記複合加工機の第２主軸台の変形例を示す斜視説明図である。

　図面を参照しつつ実施形態に係る複合加工機１を説明する。図１に示されるように、複合加工機１は、ベースフレーム３を備えている。ベースフレーム３は、水平面に対してほぼ７５°傾斜された傾斜面３Ｓを有している。傾斜面３Ｓは、主軸台などを装着する装着面[installation surface]である。装着面（傾斜面）３Ｓの高さ方向の中間には、第１主軸台５が固定されている。第１主軸台５は、回転可能な第１主軸９を備えている。第１主軸９の回転軸方向（Ｚ軸方向）は水平方向である。第１主軸９のＺ軸方向の一端には、チャック７（例えば、スクロールチャック）が設けられている。

　第１主軸９は、第１主軸台５に装着されたモータ１１（例えば、サーボモータやスピンドルモータ）によって回転される。従って、第１主軸９は、回転基準位置から回転され、回転基準位置に対して所望の回転位置で停止され得る。即ち、第１主軸９に把持されたワークの加工位置は、所望位置に設定可能である。

　ベースフレーム３の傾斜面（装着面）３Ｓには、第１主軸台５と対向するように第２主軸台１５が装着されている。第２主軸台１５は、回転可能な第２主軸１３を備えている。即ち、第２主軸１３は、第１主軸台５の第１主軸９と対向している。第２主軸台１５は、傾斜面３Ｓ上の第１主軸台５に対向する位置に固定されたＸ軸ガイド部材（ガイドレール：図示せず）と、Ｘ軸ガイド部材上にＺ軸方向にスライド可能に設けられたＺ軸スライダ１９と、Ｚ軸スライダ１９に固定的に設けられたＸ軸ガイド部材（ガイドレール）２１と、Ｘ軸ガイド部材２１上にＸ軸方向（Ｚ軸方向に直交し、かつ、傾斜面３Ｓに平行な方向）にスライド可能に設けられたＸ軸スライダ２３とを備えている。Ｚ軸スライダ１９の底面には、Ｚ軸ガイド部材（ガイドレール）に沿ってスライドするガイドキャリッジ１７が取り付けられている。

　上述した第２主軸１３は、Ｘ軸スライダ２３に設けられており、Ｘ軸スライダ２３に装着されたモータ２５（例えば、サーボモータやスピンドルモータ）によって回転される。第２主軸１３の第１主軸９との対向端には、第１主軸９のチャック７と同様のチャック２７が設けられている。なお、Ｚ軸スライダ１９のＺ軸方向位置やＸ軸スライダ２３のＸ軸方向位置は、サーボモータやボールネジなどで構成されたサーボ機構（図示せず）によって設定される。従って、第２主軸１３の位置は、Ｚ軸方向及びＸ軸方向に沿って任意に設定可能である。

　また、Ｘ軸スライダ２３には、心押台[tailstock]２９が固定されている。心押台２９は、第１主軸９によって把持されている長いワークの端面を支持するものである。図２に示されるように、Ｘ軸スライダ２３には、心押台２９の心押台本体[tailstock body]３１が固定されている。心押台本体３１には、中空軸[quill]３３がＺ軸方向にスライド可能に設けられている。心押台本体３１は第２主軸１３とＸ軸方向に離間されているが、中空軸３３のＹ軸方向の高さは第２主軸１３のＹ軸方向の高さと等しい。

　中空軸３３の第１主軸９との対向端にはテーパスリーブ[tapered sleeve]（センタホルダ[center holder]）３５が固定されている。テーパスリーブ３５には、センタ３７のテーパシャンク[tapered shank]３７Ｔがテーパ嵌合されている。テーパスリーブ３５の基端には、センタ３７をテーパスリーブ３５から押し出す押棒[push rod]３９がＺ軸方向にスライド可能に設けられている。

　テーパスリーブ３５の基端にはガイド筒[guide sleeve]４１が取り付けられており、ガイド筒４１内に押棒３９がＺ軸方向にスライド可能に挿入されている。押棒３９は、ガイド筒４１内の弾性部材（コイルスプリング）４３によって、センタ３７の基端面３７Ｅから離反されるように常に付勢されている。また、押棒３９のガイド筒４１からの抜け防止のために、溝[slot]３９Ｇが押棒３９に形成されると共に、ストッパネジ４５がガイド筒４１に取り付けられている。

　中空軸３３をＺ軸方向にスライドさせると共に押棒３９でセンタ３７をテーパスリーブ３５から押し出すために、スライド機構４７が心押台本体３１に設けられている。スライド機構４７は、アクチュエータ（モータ６３）によって駆動される。スライド機構４７は、Ｚ軸方向延在された、回転可能なねじ棒[screw spindle]４９を備えている。ねじ棒４９は、中空軸３３に固定されたナット[spindle nut]５１と螺合されている。ねじ棒４９の先端には、鋼球５３が取り付けられている。

　ねじ棒４９の先端には、鋼球５３を中心に有するキャップ５５が固定されている。押棒３９の基端面には、鋼球５３と当接する窪み５７が形成されている。従って、ねじ棒４９が回転していても、鋼球５３（ねじ棒４９）と窪み５７（押棒３９）との接触抵抗が低減される。なお、ねじ棒４９と押棒３９との接触抵抗を低減するために、ねじ棒４９の先端又は押棒３９の基端にスラスト軸受が設けられてもよい。

　スライド機構４７は、ねじ棒４９を回転させるアクチュエータ（モータ６３）も備えている。ねじ棒４９の基端にはプーリ５９Ａが固定されている。また、心押台本体３１に固定さられたモータブラケット６１に装着されたモータ６３（サーボモータ：ロータリーアクチュエータ）の出力軸にはプーリ５９Ｂが固定されている。スライド機構４７の一対のプーリ５９Ａ及び５９Ｂには、無端ベルト[endless belt]６５（タイミングベルト）が巻回されている。

　従って、モータ６３によってねじ棒４９を回転させると、中空軸３３はＺ軸方向にスライドされる。ねじ棒４９を正回転させると、中空軸３３はナット５１を介して、図２の左方にスライドされる（中空軸３３を心押台本体３１から突出させる）。従って、中空軸３３に取り付けられたセンタ３７を第１主軸９に把持されたワークの端面の中心に押し付けることで、ワークの端部はセンタ３７によって回転可能に支持される。

　一方、ねじ棒４９を逆回転させると、中空軸３３はナット５１を介して、図２の右方にスライドされる（中空軸３３を心押台本体３１の内部に格納する）。ねじ棒４９の先端と押棒３９の基端とが当接した後もねじ棒４９を逆回転させると、中空軸３３はさらに右方にスライドされ、押棒３９はねじ棒４９によってセンタ３７に向けてスライドされる。この結果、センタ３７は押棒３９によってテーパスリーブ３５から押し出される（取り外される）。

　従って、心押台２９では、センタ３７を第１主軸９から遠ざけるように移動させると、その移動終端でセンタ３７はテーパスリーブ３５から押し出される。即ち、センタ３７を簡単に取り外すことができる。なお、中空軸３３をＺ軸方向にスライドさせるスライド機構４７は、上述した構成に限定されない。例えば、流体圧シリンダを用いてスライド機構４７が構成されてもよい。また、テーパスリーブ３５には、センタ３７ではなく切削工具（例えば、ドリル）が装着されてもよい。この場合、第１主軸９に把持されたワークを切削加工できる。

　また、ベースフレーム３の装着面（傾斜面）３Ｓには、図１に示されるように、第１主軸台５の第１主軸９（又は、第２主軸台１５は第２主軸１３）に把持されているワークを切削加工するための切削工具[cutting tools]が取り付けられる刃物台６７も装着されている。さらに、装着面（傾斜面）３Ｓには、ワークを研削加工するための砥石台６９も装着されている。刃物台６７は、第１主軸台５の一側（上側）に配置されており、砥石台６９は、第１主軸台５の他側（下側）に配置されている。なお、刃物台６７と砥石台６９とは逆に配置されてもよい。

　図１及び図３に示されるように、本実施形態の刃物台６７は、タレット刃物台[turret tool head]である。刃物台６７は、装着面３Ｓに固定されたＺ軸ガイド部材（ガイドレール：図示せず）と、Ｚ軸ガイド部材上にＺ軸方向にスライド可能に設けられたＺ軸スライダ７３と、Ｚ軸スライダ７３上に固定的に設けられたＸ軸ガイド部材（ガイドレール）７５と、Ｘ軸ガイド部材７５上にＸ軸方向にスライド可能に設けられたＸ軸スライダ７７とを備えている。Ｚ軸スライダ７３の底面には、Ｚ軸ガイド部材（ガイドレール）に沿ってスライドするガイドキャリッジ７１が取り付けられている。Ｚ軸スライダ７３の位置は、サーボモータやボールネジで構成されたサーボ機構（図示せず）によって設定される。従って、Ｚ軸スライダ７３の位置は、Ｚ軸方向に沿って任意に設定可能である。

　Ｘ軸スライダ７７の位置も、サーボモータＭＸやボールネジ（図示せず）によって構成されたサーボ機構によって設定される。従って、Ｚ軸スライダ７３に対するＸ軸スライダ７７の位置は、Ｘ軸方向に沿って任意に設定可能である。また、Ｘ軸スライダ７７には、Ｙ軸方向に延設されたガイドポスト７９が設けられている。ガイドポスト７９に設けられたガイドレール７９Ｇには、Ｙ軸方向にスライド可能な刃物台本体[tool head body]８１が取り付けられている。刃物台本体８１のＹ軸方向の位置は、サーボモータＭＹを備えたサーボ機構によって任意に設定可能である。

　刃物台本体８１には、Ｚ軸方向に延在するタレット軸[turret shaft]が回転可能に設けられている。タレット軸は、刃物台本体８１に設けられたサーボモータＭＫによって回転される。タレット軸の端部には、工具取付ホイール[tool attachment wheel]（工具取付台[tool attachment base]）８３が固定されている。この工具取付ホイール８３の外周面には、複数の工具装着部[tool mounts]８５が設けられている。各工具装着部８５には、切削工具（ドリルやフライス[milling cutter]など）や研削工具（軸付き砥石を備えた砥石ユニットなど）を装着できる。

　従って、刃物台６７では、第１主軸９（及び／又は第２主軸１３）に把持されたワークを切削加工又は研削加工するために、工具取付ホイール８３に取り付けられた工具が、ワークを加工するための位置に設定され得る。そして、刃物台６７の工具は、Ｘ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向に移動可能である。刃物台６７の工具をＹ軸方向に移動することで、第１主軸９に把持された丸棒[round shaft]（ワーク）の外周面にＤカット加工[D-cutting]を行える（図６に示される断面がＤ形状の平坦部Ｄ参照）。

　なお、Ｄカット加工とは、丸棒の外周面上に丸棒の軸心に平行な平面を形成する加工（断面がＤ形状の平坦部を形成する加工）である。例えば、上述した特許文献１に開示された複合加工機では、刃物台及び砥石台は、Ｚ軸方向及びＸ軸方向に移動可能であるが、Ｙ軸方向には移動できない。従って、特許文献１に開示された複合加工機では、Ｄカット加工を行うことはできないか、非常に困難である。

　上述したように、砥石台６９は、第１主軸台５の他側に配置されている。図１及び図４に示されるように、砥石台６９は、装着面３Ｓに固定されたＺ軸ガイド部材（ガイドレール：図示せず）と、Ｚ軸ガイド部材上にＺ軸方向にスライド可能に設けられたＺ軸スライダ８７と、Ｚ軸スライダ７３上に固定的に設けられたＸ軸ガイド部材（ガイドレール：図示せず）と、Ｘ軸ガイド部材上にＸ軸方向にスライド可能に設けられたＸ軸スライダ（移動台）８９とを備えている。Ｚ軸スライダ８７の底面には、Ｚ軸ガイド部材（ガイドレール）に沿ってスライドするガイドキャリッジ８６が取り付けられている。Ｚ軸スライダ８７の位置は、サーボモータやボールネジで構成されたサーボ機構（図示せず）によって設定される。従って、Ｚ軸スライダ８７の位置は、Ｚ軸方向に沿って任意に設定可能である。

　Ｘ軸スライダ８９の位置も、サーボモータやボールネジによって構成されたサーボ機構（図示せず）によって設定される。従って、Ｚ軸スライダ８７に対するＸ軸スライダ８９の位置は、Ｘ軸方向に沿って任意に設定可能である。また、Ｘ軸スライダ８９には、Ｙ軸方向に延設されたガイドポスト９１が設けられている。ガイドポスト９１には、Ｙ軸方向にスライド可能な砥石台本体[grinding head body]９３が取り付けられている。砥石台本体９３のＹ軸方向の位置は、サーボモータＭＹを備えたサーボ機構によって任意に設定可能である。また、砥石台本体９３には、Ｘ軸方向及びＺ軸方向の双方に対して傾斜された回転軸[rotary shaft]９５が設けられている。回転軸９５の先端には砥石車９７が交換可能に取り付けられている。

　砥石台本体９３には、回転軸９５を回転可能に支持する軸支持筒[shaft support cylinder]９９も設けられている。砥石台本体９３には、砥石車用のサーボモータＭＷも装着されており、サーボモータＭＷの出力軸と回転軸９５とは連結されている。軸支持筒９９の先端には、砥石車９７を覆う安全カバー１０３が設けられている。

　安全カバー１０３には、ヒンジ１０５を介して開閉される保護カバー１０７が取り付けられている。安全カバー１０３には、砥石車９７を露出させるための切欠部[cutout]が形成されており、保護カバー１０７にも、図６に示されるように、砥石車９７を露出させるための切欠部１０９が形成されている。また、安全カバー１０３の切欠部及び保護カバー１０７の切欠部１０９によって形成される開口を閉じるシャッター１１１も設けられている。図５は、保護カバー１０７が開かれた状態を示している。保護カバー１０７は、砥石車９７の交換時に開かれる。砥石車９７による研削加工時には、保護カバー１０７は閉じられ、シャッター１１１のみが開かれる。

　保護カバー１０７には、回転軸９５からＹ軸方向に偏心された回動中心を有する回動カバー１１３が設けられている。回動カバー１１３は、扁平状の上述したシャッター１１１を備えている。シャッター１１１の端縁からは、安全カバー１０３の切欠部を閉じるフランジ１１１ＡがＺ軸方向に向けて延出されている。回動カバー１１３の回動は、アクチュエータ（図示せず）によって行われる。

　図４に示されるように、第１主軸９に把持されたワークＷを、刃物台６７の工具１１５での加工時の切粉[swarf]が砥石車９７に降り掛かる場合には、安全カバー１０３及び保護カバー１０７の開口（切欠部１０９）がシャッター１１１によって閉じられ、砥石車９７への切粉の付着が防止される。従って、タレット刃物台８３の工具１１５によって生じる切粉から、砥石車９７を保護することができる。

　図４は、第１主軸台５、第２主軸台１５、刃物台６７及び砥石台６９のＸ－Ｚ平面上の配置を示している。第１主軸台５の位置は固定されており、第１主軸９に把持されたワークＷは定位置で回転される。第２主軸台１５の第２主軸１３及びセンタ３７はＸ軸方向及びＺ軸方向に移動可能であり、第２主軸１３及びセンタ３７の位置は、ワークＷの位置に対して任意に設定できる（Ｘ－Ｚ二次元座標）。従って、第１主軸９に把持されているワークＷの先端は、第２主軸１３によって把持されたり、又は、センタ３７によって支持され得る。

　刃物台６７の工具取付ホイール８３は、Ｘ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向に移動可能である。工具取付ホイール８３の工具装着部８５に装着された工具の位置は、ワークＷの位置に対して任意に設定できる（ＸＹＺ三次元座標）。従って、第１主軸９（及び／又は第２主軸１３）に把持されているワークＷは、工具装着部８５に装着された工具で加工される。砥石台６９の砥石車９７も、Ｘ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向に移動可能である。従って、第１主軸９（及び／又は第２主軸１３）に把持されているワークＷは、砥石車９７によって研削加工され得る。

　なお、工具取付ホイール８３に装着された研削ユニット（図示せず）の砥石や砥石車９７には、定期的にドレッシング[dressing]が必要である。そこで、研削ユニットの砥石や砥石車９７のドレッシングを容易かつ迅速に行えるように、第１主軸台５及び第２主軸台１５は、それぞれ、ドレッサ[dresser]を備えている。

　図４及び図６に示されるように、第１主軸台５は、第１主軸９の軸心（チャック７）に対してＸ軸方向の一側（上側）にドレッサ１１７を有するドレッサホルダ１１９を備えていると共に、他側（下側）にもドレッサ１１７を有するドレッサホルダ１１９を備えている。各ドレッサホルダ１１９は、第１主軸台５に取り付けられたブラケット５Ｂに固定されている。各ドレッサ１１７の位置は、第１主軸９の軸心よりもＹ軸方向に高く、かつ、チャック７よりも外側である。各ドレッサ１１７の先端は、Ｚ軸方向に沿ってチャック７の端面の位置にほぼ等しい位置にある。また、各ドレッサ１１７は、図４に示されるように、第１主軸９の軸心（チャック７）から離れるように、Ｘ軸方向の外側に向けられている。

　第２主軸台１５のドレッサ１１７は、第１主軸台５のドレッサ１１７の一方と対称的に設けられている。従って、第２主軸台１５のドレッサ１１７については、重複する説明を省略する。

　刃物台６７の工具取付ホイール８３に装着された研削ユニットの砥石のドレッシングは、刃物台６７側に設けられた第１主軸台５のドレッサ１１７、又は、第２主軸台１５のドレッサ１１７によって行われ得る。一方、砥石台６９の砥石車９７のドレッシングは、砥石台６９側に設けられた第１主軸台５のドレッサ１１７によって行われ得る。

　上述のように、各ドレッサ１１７の位置は、第１主軸９（第２主軸１３）の軸心よりもＹ軸方向に高く、第１主軸９のチャック７（第２主軸１３のチャック２７）の外側である。このため、砥石や砥石車９７がチャック７（２７）やチャック７（２７）に把持されているワークＷと干渉することがない。

　即ち、チャック７（２７）にワークＷを把持させて加工するとき、ドレッサ１１７を退避させる必要がない。従って、ドレッサ１１７を簡単な構成で設けることができ、砥石や砥石車９７のドレッシングを所望のときに容易に行うことができる。従って、ワークＷを高精度に加工できる。

　図７に示されるように、第１主軸９に把持されたワークＷを砥石車９７で研削加工すると同時に、第２主軸１３に把持されたワークＷを刃物台６７の工具で加工することができる。従って、第１主軸台５によってワークＷの一次加工を行った後にワークＷを第２主軸台１５に移し、第２主軸台１５によってワークＷの二次加工を行うことができる。ワークＷの一次加工及び二次加工を同時に行うことができるので、加工効率を向上させることができる。

　図８に示されるように、第１主軸９（又は第２主軸１３）に把持されたワークＷを刃物台６７の工具によって加工するときには、砥石車９７をシャッター１１１で覆うことができる。従って、第１主軸９（又は第２主軸１３）によるワークＷの加工時に生じる切粉が砥石車９７に降り掛かるのを防止できる。即ち、砥石車９７の加工休止時に砥石車９７を保護できる。

　図９に示されるように、第１主軸９でワークＷの基端を把持すると共に心押台２９のセンタ３７でワークＷの先端を支持することができる。そして、刃物台６７の工具によってワークＷを加工すると同時に、砥石車９７でワークＷを研削することができる。従って、例えば、刃物台６７の工具による切削加工と砥石車９７による仕上（研削）加工とを同時に行うことができるので、加工効率を向上させることができる。

　図１０に示されるように、第１主軸９でワークＷの基端を把持すると共にセンタ３７でワークＷの先端を支持して、砥石車９７によって研削加工を行うと同時に、第２主軸１３で別のワークＷを把持して、刃物台６７に備えた加工工具によって別のワークＷの加工を行うこともできる。従って、長いワークＷと、短いワークＷとを同時に加工することができ、形状や寸法の異なるワークの加工効率を向上させることができる。

　また、本実施形態によれば、第１主軸台５の第１主軸９に把持されたワークＷは所望の回転位置に設定され得る。さらに、刃物台６７の工具による加工と砥石車９７による加工とを同時に行うことができる。従って、図６に示されるように、第１主軸９の回転を固定してワークＷの回転を停止した状態で、刃物台６７の工具取付ホイール８３と砥石台６９の砥石台本体９３とをＹ軸方向に移動してワークＷへのＤカット加工を同時に行うことができる。従って、互いに反対を向く平坦部Ｄ（図６参照）をワークＷに同時に形成することができるので、加工効率を向上させることができる。

　さらに、本実施形態によれば、ベースフレーム３の傾斜面（装着面）３Ｓは約７５°傾斜されているので、傾斜面３Ｓの上部が作業者に近い。従って、上方に位置する刃物台６７の工具取付ホイール８３への工具の取り付けや、工具取付ホイール８３からの工具の取り外しを容易に行える。また、装着面３Ｓの大きさに比較して、ベースフレーム３の奥行き幅（図１中の矢印Ａで示される方向の幅）を抑制でき、省スペース化を図ることができる。

　なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されず、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲も、上述した実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、中空軸３３は心押台２９上にＺ軸方向にスライド可能に設けられた（図２参照）。しかし、中空軸３３は、図１１に示されるように、心押台２９に固定されてもよい。ただし、この場合も、心押台２９が設けられている第２主軸台１５はＺ軸方向にスライド可能である。

　また、上記記実施形態では、砥石台６９の回転軸９５の、Ｘ－Ｚ平面内でのＸ軸方向（又はＺ軸方向）に対する傾斜角は固定されていた。しかし、回転軸９５のＸ軸方向（又はＺ軸方向）に対する傾斜角がＸ－Ｚ平面内で調節できるように、砥石台６９が構成されてもよい。このように構成すれば、砥石車９７の外周面の傾斜を調節でき、ワークＷのテーパ面に砥石車９７の外周面を一致させることができる。この場合、例えば、砥石台本体９３に対して軸支持筒９９を回転軸９５の軸方向に移動可能に構成してもよい。

Claims

　切削加工及び研削加工を行える複合加工機であって、
　傾斜面を有するベースフレームと、
　前記傾斜面に装着された第１主軸台と、
　前記第１主軸台に水平かつ回転可能に設けられ、ワークの基端を把持する第１主軸と、
　前記第１主軸台に対向して前記傾斜面に装着された第２主軸台と、
　前記第１主軸の軸方向であるＺ軸方向、及び、該Ｚ軸方向に直交し、かつ、前記傾斜面に平行なＸ軸方向に移動可能に前記第２主軸台に設けられ、前記ワークの先端又は別のワークの基端を把持可能な第２主軸と、
　前記第１主軸台の一側で前記前記傾斜面に装着された刃物台と、
　前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向に移動可能に前記刃物台に設けられ、切削工具が交換可能に取り付けられる工具取付台を有する刃物台本体と、
　前記第１主軸台の他側で前記傾斜面に装着された砥石台と、
　前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向に移動可能に前記砥石台に設けられ、前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向の双方に対して傾斜された回転可能な回転軸支持する砥石台本体、とを備えており、
　前記砥石台の前記回転軸に、研削加工を行う砥石車が交換可能に取り付けられている、複合加工機。
　請求項１に記載の複合加工機であって、
　前記刃物台の前記工具取付台が、工具取付ホイールであり、
　前記工具取付ホイールが、前記Ｘ軸方向及び前記Ｚ軸方向の双方に直交するＹ軸方向に移動可能に前記刃物台本体に設けられている、複合加工機。
　請求項１又は２に記載の複合加工機であって、
　前記第２主軸台が、心押台を備えており、
　前記心押台が、前記ワークの先端を支持するセンタを有している、複合加工機。
　請求項３に記載の複合加工機であって、
　前記心押台が、Ｚ軸方向へ移動可能で、かつ、前記センタホルダが交換可能に取り付けられてるセンタホルダを有し、
　前記センタホルダが、前記センタを前記センタホルダから押し出す、Ｚ軸方向にスライド可能な押棒を有し、
　前記心押台が、前記押棒をスライドさせるアクチュエータを有している、複合加工機。
　請求項１～４の何れか一項に記載の複合加工機であって、
　前記第１主軸台が、前記砥石車のドレッシングのためのドレッサと、前記刃物台に取り付けられた研削ユニットの砥石のドレッシングのためのドレッサと、を有している、複合加工機。
　請求項１～５の何れか一項に記載の複合加工機であって、
　前記第２主軸台が、前記刃物台に取り付けられた研削ユニットの砥石のドレッシングのためのドレッサを有している、複合加工機。
　請求項１～６の何れか一項に記載の複合加工機であって、
　前記砥石台本体が、前記砥石車の一部を露出させる切欠部が形成された安全カバーを有し、
　前記安全カバーが、前記切欠部を閉じるシャッターを有している、複合加工機。
　請求項１～７の何れか一項に記載の複合加工機を用いたワークの加工方法であって、
　前記第１主軸に把持された前記ワークを前記刃物台に取り付けられた切削工具で切削加工すると同時に、前記ワークを前記砥石車で研削加工する、加工方法。