JP4033702B2 - スクリーン印刷版清浄用粘着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーン印刷の際にスクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペースト(インキ)を除去する清浄用粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン印刷において、一定の印刷回数を経ると、スクリーン印刷版にペースト(インキ)が裏回りして被印刷物を汚染したり、印刷画像に滲みが生じて、正確で美麗な印刷ができない状態となる。従来、このようなスクリーン印刷時の滲み等を防止するために、版の裏側に裏回りしたペーストを粘着シートを用いて除去する方法が知られている。
【0003】
例えば、特開2000−177110号公報には、スクリーン版の乳化剤などを脱離させることなく、スクリーン版の裏側に裏回りしたペーストを確実に付着させて除去できるクリーニング効果の高いスクリーン印刷版清浄用粘着シートが開示されている。
【0004】
スクリーン印刷版清浄用粘着シートは、通常、長尺のシートをロール状に巻回して提供されており、使用時に粘着シートの必要量を巻き戻しながらスクリーン印刷版に適用されている。この時、巻回体からの粘着シートの巻戻し性が不安定であると、巻戻し時に粘着シートにシワ(皺)が生じ、このシワにより、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを綺麗に除去することができないという問題が発生する場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、粘着シートにおけるシワの発生を抑制又は防止して、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを確実に付着させて除去できるクリーニング効果の高いスクリーン印刷版清浄用粘着シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、ロール状に巻回された粘着シートにおける自背面粘着力の最大平均値(最大値の平均)と最小平均値(最小値の平均)との差を特定の範囲内にすると、粘着シートの巻戻し性が向上して、粘着シートにおけるシワの発生を抑制又は防止することができ、その結果、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを確実に且つ速やかに付着させて除去できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、基材と、該基材の一方の面に形成された粘着剤層とで構成され、且つ基材の他方の面が剥離面となっているスクリーン印刷版清浄用粘着シートであって、前記剥離面に対する粘着剤層の粘着力における最大平均値と最小平均値との差が、JIS Z 0237に準拠した測定法で、1.0N/50mm以下であることを特徴とするスクリーン印刷版清浄用粘着シートを提供する。
【0008】
前記基材の他方の面における剥離面が、背面処理剤により背面処理が施された面であってもよい。また、前記アクリル系粘着剤は、(1)アクリル酸C 2-10 アルキルエステルである主モノマー及び(2)カルボキシル基又は酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマーから選ばれた少なくとも1つの官能基含有モノマー、又は(1)、(2)及び(3)アクリル酸メチル、メタクリル酸アルキルエステル、ビニルエステル類、スチレン系モノマー、アクリロニトリルから選ばれた少なくとも1つのコモノマーより形成されていることが好ましい。さらに、アクリル系粘着剤を形成する全モノマー成分に対して、主モノマーの割合が40〜98重量%、コモノマーの割合が0〜50重量%、官能基含有モノマーの割合が0.5〜15重量%であることが好ましい。さらにまた、粘着剤層には、架橋剤が、粘着剤ポリマー(ベースポリマー)100重量部に対して1〜30重量部含まれていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のスクリーン印刷版清浄用粘着シート(単に「粘着シート」と称する場合がある)では、基材の片面に粘着剤層が形成され、且つ基材の他方の面が剥離面としての機能を有しており、背面の剥離面に対する粘着剤層の粘着力(自背面粘着力)における最大平均値と最小平均値との差が、JIS Z 0237に準拠した測定法で、1.0N/50mm以下であることが重要なポイントである。このように、本発明の粘着シートは、最大平均値と最小平均値との差が1.0N/50mm以下となっている自背面粘着力を有しているので、粘着剤層側の表面をシート背面の剥離面から剥離させて粘着シートを使用する際の剥離性(例えば、ロール状に巻回された粘着シートの巻戻し性)が優れており、そのため、例えば、粘着剤層の表面がシート背面(背面処理層の面など)と重ね合わされて、ロール状に巻回された状態で保存や運搬等が行われていても、粘着シートを巻き戻す際のシワの発生を抑制又は防止することができる。従って、粘着シートをスクリーン印刷版に接着させてスクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを除去する際に、粘着シートの粘着剤層側の表面をシート背面の剥離面から剥離させても(例えば、粘着シートを巻き戻しても)、粘着シート(特に、粘着剤層の表面)にシワが生じていないので、スクリーン印刷版との密着性が優れて、前記ペーストの除去性の低下を抑制又は防止することができ、ペーストを確実に粘着シートに付着させて綺麗に除去することができる。
【0010】
このような粘着シートの自背面粘着力における最大平均値と最小平均値との差としては、1.0N/50mm以下であれば特に制限されないが、0.5N/50mm以下であることが好ましく、さらに0.1N/50mm以下であることが最適である。粘着シートの自背面粘着力における最大平均値と最小平均値との差の下限には、特に制限はないが、例えば、0.005N/50mm以上(好ましくは0.01N/50mm以上)とすることができる。
【0011】
なお、自背面粘着力における最大平均値と最小平均値との差が、1.0N/50mmを超えると、粘着剤層表面を剥離面から剥離させる際の粘着シートの剥離性(特に、巻戻し性)が低下して不安定になり、前記剥離時(特に、巻戻し時)に粘着シート(例えば、粘着剤層の表面)にシワが生じやすくなる。
【0012】
粘着シートの自背面粘着力における最大平均値と最小平均値との差としては、JIS Z 0237に準拠した測定法により測定することができる。粘着シートを剥離させる際の引張速度としては、特に制限はないが、例えば、300mm/minを採用することができる。また、粘着シートを剥離する長さとしては、特に制限されないが、例えば、1〜15cm(好ましくは3〜10cm)程度の範囲から選択することができる。例えば、50mm幅の粘着シートを、ステンレス板等の被着体に貼り、この粘着シートの背面の剥離面(例えば、背面処理層の面)上に同種の粘着シート(50mm幅)をラミネーターにより2.6kg/cm2の貼り合わせ条件にて貼り合わせ、室温(例えば、20〜25℃程度)で30分間放置した後、引張試験機を使用して、上側(剥離面上に貼り合わせた側)の粘着シートを引張速度300mm/minで6cm剥離し、この剥離時のチャート(「剥離チャート」と称する場合がある)を記録して、得られた剥離チャートから、最大平均値と最小平均値とを求め、さらに、この得られた最大平均値から最小平均値を減することにより、粘着シートの自背面粘着力における最大平均値と最小平均値との差を求めることができる。
【0013】
なお、前記最大平均値及び最小平均値としては、それぞれ、得られた剥離チャートの山部分(ピーク部分)の頂点をすべて又は一部を平均した平均値を最大平均値とし、また、得られた剥離チャートの谷部分の頂点をすべて又は一部を平均した平均値を最小平均値としてもよい。本発明では、図1に示されるように、得られた剥離チャート(X)の山部分(ピーク部分)の頂点のうち、最も高い最大山部の頂点(A1)と、最も低い最小山部の頂点(A2)とを平均した平均値を最大平均値とし、得られた剥離チャート(X)の谷部分の頂点のうち、最も低い最小谷部の頂点(B1)と、最も高い最大谷部の頂点(B2)とを平均した平均値を最小平均値とすることが好ましい。なお、山部分の頂点又は谷部分の頂点のうち一部を選択して平均値を算出する際には、その一部は、任意に選択してもよく、あるいは、ばらつきが大きい上下部分の頂点を選択せずにばらつきが小さい中央部分の頂点を選択してもよい。
【0014】
本発明の粘着シートは、前述のように、基材と、該基材の一方の面に形成された粘着剤層とで構成され、且つ基材の他方の面が剥離面となっている。このような剥離面としては、前記自背面粘着力の特性を有していれば、基材自体の表面をそのまま使用してもよいが、背面処理剤により背面処理が施された面(背面処理面)であることが好ましい。すなわち、基材の剥離面(他方の面)側には、前記自背面粘着力の特性が発揮されるように、背面処理剤により構成された剥離処理層を形成することができる。従って、本発明の粘着シートは、図2で示されるように、基材2と、前記基材2の一方の面に形成された粘着剤層3と、前記基材2の他方の面に形成された剥離処理層4とで構成された粘着シート1であってもよい。
【0015】
本発明の粘着シートにおける基材としては、特に制限はないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムが紙粉の発生のおそれがなく好適に使用される。なお、用途によっては、基材として、紙、発泡体、不織布、布、金属箔などを用いることもできる。
【0016】
基材の厚みも特に制限されず、強度や作業性などを考慮して適宜設定できるが、一般には10〜500μm、好ましくは12〜200μm、更に好ましくは15〜100μm程度である。
【0017】
なお、基材は単層の形態を有していてもよく、また、複層の形態を有していてもよい。
【0018】
本発明では、基材として、剥離性を有している基材を用いることもできる。
【0019】
本発明の粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤としては、ペースト(インキ)の除去機能を有するものであり、アクリル系粘着剤が使用できる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】
アクリル系粘着剤は、一般に、粘着性を与える主モノマー、凝集性を与えるコモノマー、及び粘着性を向上させたり架橋点を形成するための官能基含有モノマーより形成される。前記主モノマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシルなどのアクリル酸C2-10アルキルエステルなどが挙げられる。
【0021】
前記凝集性を与えるコモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピルなどのメタクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリルなどが挙げられる。これらの中でも、ビニルエステル類、アクリロニトリルなどが好ましい。
【0022】
前記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。これらの中でも、官能基含有モノマーとして、アクリル酸などのカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマーなどが好ましい。
【0023】
アクリル系粘着剤を形成する前記主モノマー、コモノマー及び官能基含有モノマーの割合は、除去対象となるペースト(インキ)の種類(固形分の種類及び溶剤の種類)等により適宜選択できるが、例えば、全モノマー成分に対する割合として、前記主モノマーは、40〜98重量%程度、好ましくは50〜95重量%程度であり、前記コモノマーは、0〜50重量%程度、好ましくは2〜40重量%程度であり、前記官能基含有モノマーは0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%程度である。
【0024】
粘着剤層には、粘着剤ポリマー(ベースポリマー)に加えて、種々の添加剤、例えば、架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、ウレア系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボン酸又は酸無水物系架橋剤、金属化合物系架橋剤など)、粘着付与剤[例えば、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂など)、石油樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環式系)、ロジン系樹脂(ロジン、水添ロジンエステルなど)、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂等]、界面活性剤(リン酸エステル系、硫酸エステル系、スルホン酸系、カルボン酸系などのアニオン系界面活性剤;アミン塩系、第4級アンモニウム塩系などのカチオン系界面活性剤;エステル系、エーテル系、エステルエーテル系、アルカノールアミド系などのノニオン系界面活性剤;カルボキシベタイン系、グリシン系などの両性界面活性剤)、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、充填剤、発泡剤などが含まれていてもよい。好ましい架橋剤には、イソシアネート系架橋剤などが含まれ、好ましい粘着付与剤には、テルペンフェノール樹脂などのテルペン系樹脂等が含まれる。
【0025】
これらの添加剤の使用量は、粘着性等を損なわない範囲で適宜選択できる。例えば、架橋剤の使用量は、粘着剤ポリマー(ベースポリマー)100重量部に対して、例えば1〜30重量部程度、好ましくは2〜15重量部程度である。
【0026】
なお、本発明では、粘着剤層を構成する粘着剤が、除去対象物であるスクリーン印刷用ペーストに含まれる溶剤に対して不溶性の成分のみで構成されていてもよい。例えば、架橋剤以外の添加剤、特に可塑剤や界面活性剤などは、スクリーン印刷用ペーストに含まれる溶剤に溶出しやすいので、必要最小量にとどめるのが好ましく、さらには、前記ペーストに含まれる溶剤に対して可溶性のもの(該溶剤により溶出されうるもの)は添加しないのが良い。
【0027】
粘着剤層の厚みは、本発明の上記特性が得られる範囲で任意に設定でき、例えば5〜5000μm程度、好ましくは10〜2000μm程度である。
【0028】
本発明の粘着シートにおいて、剥離面が背面処理剤による背面処理面である場合(すなわち、背面処理層が形成されている場合)、背面処理剤(剥離剤)としては、前記自背面粘着力の特性を満足することができるものであれば、特に制限されず、粘着剤の種類等に応じて、公知乃至慣用の背面処理剤から適宜選択して使用することができる。具体的には、背面処理剤としては、例えば、長鎖アルキル系背面処理剤(例えば、アルキルアクリレート重合物や長鎖アルキル変性高分子等からなる長鎖アルキル系背面処理剤など)、アルキルペンダント系背面処理剤、シリコーン系背面処理剤、フッ素系背面処理剤などが挙げられる。背面処理剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0029】
背面処理層の厚みは、本発明の上記特性が得られる範囲で任意に設定でき、例えば0.01〜5μm程度、好ましくは0.03〜3μm程度である。
【0030】
このように、本発明の粘着シート(スクリーン印刷版清浄用粘着シート)は、基材と、前記基材の一方の面に形成された粘着剤層と、前記基材の他方の面に形成された背面処理層とで構成されている場合、粘着シートは、コーティング法などの慣用の方法を用いて、基材の一方の面上に粘着剤層を形成し、他方の面上に背面処理層を形成することにより、製造できる。もちろん、背面処理層が形成されていない場合は、コーティング法などの慣用の方法を用いて、基材の一方の面上に粘着剤層を形成することにより、粘着シートを製造できる。
【0031】
本発明の粘着シートは、粘着剤層の表面が、同種の他の粘着シートのシート背面(例えば、背面処理層の面)と重ね合わせられて、平面状に積層された状態又は形態を有していてもよいが、粘着剤層の表面がシート背面(例えば、背面処理層の面)と重ね合わせられて、ロール状に巻回された状態又は形態を有していることが好ましい。粘着シートは、前記特性の自背面粘着力を有しているので、粘着剤層がシート背面の剥離面(例えば、背面処理層の表面)と重ねられていても(例えば、ロール状に巻回されていても)、粘着剤層をシート背面の剥離面から剥離させる際の粘着シートの剥離性(例えば、ロール状に巻回された粘着シートを巻き戻す際の巻戻し性)が優れており、前記剥離時(例えば、巻戻し時)に粘着シートに(特に、粘着シートの粘着剤層の表面に)シワを生させず、スクリーン印刷版との密着性を高めることができる。そのため、粘着シートをスクリーン版の裏側に貼り付けることにより、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペースト(インキ)を確実に付着させて、該ペーストをスクリーン印刷版から効率よく除去することができる。すなわち、本発明の粘着シートはクリーニング効果が高く、スクリーン印刷時における滲み等よる印刷不良を軽減することができる。従って、本発明の粘着シートは、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペースト(インキ)を除去し、スクリーン印刷版を清浄するのに適している。
【0032】
本発明のスクリーン印刷版清浄用粘着シートの自背面粘着力は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類(例えば、粘着剤を構成するベースポリマーの種類やその割合、前記ベースポリマーのガラス転移温度や重量平均分子量、架橋剤の種類やその割合など)、粘着剤層の厚みなどを適宜選択することにより、また背面処理層が形成されている場合は、さらに背面処理剤の種類やその塗布量などを適宜選択することにより、目的とする大きさに調整する(コントロールする)ことができる。
【0033】
本発明において、粘着シートの使用前の粘着力としては、JIS Z 0237に準拠した方法(試験板としてSUS430BAを用い、粘着シートを試験板に圧着して1分後に測定)で、4N/25mm(400gf/25mm)以下(例えば、0.01〜4N/25mm程度)が好ましく、より好ましくは3N/25mm(300gf/25mm)以下(例えば、0.03〜3N/25mm程度)である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の粘着シートによれば、粘着シートの自背面粘着力における最大平均値と最小平均値との差が特定の範囲であるため、粘着剤層表面を剥離面から剥離させる際の粘着シートの剥離性が優れており、該剥離時に粘着シートにシワを生させず、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペースト(インキ)を確実に付着させて、除去することができる。そのため、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストの除去不良を低減することができ、生産性を向上できる。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0036】
実施例1
片面にシリコーン系背面処理剤(剥離剤)による背面処理が施された厚さ0.038mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(基材)(商品名「DIAFOIL MRN−38」三菱化学ポリエステル(株)社製)の未処理面(背面処理が施されていない面)に、アクリル系粘着剤[ブチルアクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸(重量比:90/10/2)の共重合体100重量部+イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業株式会社製)15重量部]を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成して、粘着シートを形成した後、粘着剤層の表面が背面の背面処理層と重なるようにロール状に巻回して、ロール状に巻回された粘着シートを作製した。
この粘着シートの自背面粘着力を、JIS Z 0237に準拠した測定法(により測定し、得られた剥離時の粘着力のチャートから、最大平均値と、最小平均値とを求め、さらに、最大平均値と最小平均値との差を求めたところ、0.03N/50mmであった。
【0037】
より具体的には、50mm幅の粘着シートを、ステンレス板に貼付し、この粘着シートの背面の背面処理層上に粘着シート(50mm幅)をラミネーターにより2.6kg/cm2の貼り合わせ条件にて貼り合わせ、室温(約23℃)で30分間放置した後、引張試験機(装置商品名「引張試験機 TCM−1kNB」ミネベア(株)社製)を使用して、上側(背面処理層上に貼り合わせた側)の粘着シートを引張速度300mm/minで6cm剥離して、この剥離時の粘着シートの粘着力のチャート(剥離チャート)を記録した。そして、この得られた剥離チャートにおいて、山部分(ピーク部分)の頂点のうち、最も高い最大山部の頂点と最も低い最小山部の頂点との2点を平均した平均値を最大平均値とし、得られた剥離チャートの谷部分の頂点のうち、最も低い最小谷部の頂点と最も高い最大谷部の頂点との2点を平均した平均値を最小平均値として求め、この最大平均値及び最小平均値の差を求めた。
【0038】
実施例1により得られた粘着シートを、ロール状に巻き取った状態で、温度:23℃、湿度:65%RHの条件で、10日間保管した後、巻き戻したところ、巻戻し性は安定しており、粘着剤層の表面にシワを生じさせることなく巻き戻すことができた。そして、実際のスクリーン印刷工程で、スクリーン印刷版の裏側に貼り付けたところ、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを確実に付着させて除去することができ、ペーストの除去性は良好であった。
【0039】
実施例2
厚さ0.10mmのポリエチレンフィルム(基材)の一方の面に、長鎖アルキル系背面処理剤(商品名「ピーロイル1010」一方社油脂工業(株)社製)を乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布し、乾燥して背面処理層を形成し、他方の面に、アクリル系粘着剤[ブチルアクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸(重量比:90/10/2)の共重合体100重量部+イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業株式会社製)10重量部]を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成して、粘着シートを形成した後、粘着剤層の表面が背面の背面処理層と重なるようにロール状に巻回して、ロール状に巻回された粘着シートを作製した。
【0040】
このロール状に巻回された粘着シートについて、実施例1と同様にして、自背面粘着力の最大平均値と最小平均値との差を求めたところ、0.38N/50mmであった。
【0041】
また、実施例1と同様にして、ロール状に巻き取った状態で、温度:23℃、湿度:65%RHの条件で、10日間保管した後に巻き戻したところ、巻戻し性は安定しており、粘着剤層の表面にシワを生じさせることなく巻き戻すことができた。そして、実施例1と同様の実際のスクリーン印刷工程で、スクリーン印刷版の裏側に貼り付けたところ、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを確実に付着させて除去することができ、ペーストの除去性は良好であった。
【0042】
比較例1
厚さ0.06mmのポリエチレンフィルム(基材)の片面に、アクリル系粘着剤[ブチルアクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸(重量比:90/10/2)の共重合体100重量部+イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業株式会社製)5重量部]を、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層を形成して、粘着シートを形成した後、粘着剤層の表面が基材の面(背面)と重なるようにロール状に巻回して、ロール状に巻回された粘着シートを作製した。すなわち、この粘着シートでは背面処理層は形成されていない。
【0043】
このロール状に巻回された粘着シートについて、実施例1と同様にして、自背面粘着力の最大平均値と最小平均値との差を求めたところ、1.1N/50mmであった。
【0044】
また、実施例1と同様にして、ロール状に巻き取った状態で、温度:23℃、湿度:65%RHの条件で、10日間保管した後に巻き戻したところ、巻戻し性は不安定であり、巻戻し時に粘着剤層の表面にシワが生じる(入る)場合があった。そして、実施例1と同様の実際のスクリーン印刷工程で、スクリーン印刷版の裏側に貼り付けたところ、スクリーン印刷版の裏側に裏回りしたペーストを確実に付着させて綺麗に除去することができず、ペーストの除去性が不十分であり、印刷不良(にじみ)が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着シートの自背面粘着力の最大平均値及び最小平均値を求める際の引張試験で得られた剥離時のチャートの一例を部分的に示す図である。
【図2】本発明の粘着シートの一例を部分的に示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 基材
3 粘着剤層
4 剥離処理層
X 剥離チャート
A1 剥離チャート(X)の山部分の頂点のうち最も高い最大山部の頂点
A2 剥離チャート(X)の山部分の頂点のうち最も低い最小山部の頂点
B1 剥離チャート(X)の谷部分の頂点のうち最も低い最小谷部の頂点
B2 剥離チャート(X)の谷部分の頂点のうち最も高い最大谷部の頂点

Claims (5)

  1. 基材と、該基材の一方の面に形成されたアクリル系粘着剤により構成される粘着剤層とで構成され、且つ基材の他方の面が剥離面となっているスクリーン印刷版清浄用粘着シートであって、前記剥離面に対する粘着剤層の粘着力における最大平均値と最小平均値との差が、JIS Z 0237に準拠した測定法で、1.0N/50mm以下であることを特徴とするスクリーン印刷版清浄用粘着シート。
  2. 基材の他方の面における剥離面が、背面処理剤により背面処理が施された面である請求項1記載のスクリーン印刷版清浄用粘着シート。
  3. アクリル系粘着剤が、下記(1)と(2)、又は(1)〜(3)より形成されている請求項1または2記載のスクリーン印刷版清浄用粘着シート。
    (1)アクリル酸C 2-10 アルキルエステルである主モノマー
    (2)カルボキシル基又は酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマーから選ばれた少なくとも1つの官能基含有モノマー
    (3)アクリル酸メチル、メタクリル酸アルキルエステル、ビニルエステル類、スチレン系モノマー、アクリロニトリルから選ばれた少なくとも1つのコモノマー
  4. アクリル系粘着剤を形成する全モノマー成分に対して、主モノマーの割合が40〜98重量%、コモノマーの割合が0〜50重量%、官能基含有モノマーの割合が0.5〜15重量%である請求項3記載のスクリーン印刷版清浄用粘着シート。
  5. 粘着剤層に、架橋剤が、粘着剤ポリマー(ベースポリマー)100重量部に対して1〜30重量部含まれる請求項1〜4記載のスクリーン印刷版清浄用粘着シート。
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