JP4032398B2 - ターボ過給機付エンジン及びターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボ過給機を備えるとともに、気筒毎の排気通路を分割してその一部の排気通路を通る排気ガスのみがタービンに導かれるようにしたターボ過給機付エンジンと、これを用いたパワーユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、排気通路に設けられたタービンと、吸気通路に設けられて上記タービンに連結されたコンプレッサとで構成されるターボ過給機により、吸気の過給を行うようにしたターボ過給機付エンジンは一般に知られており、この種のターボ過給機において燃費改善等を図る構造は種々提案されている。
【0003】
例えば特公昭63−44936号公報には、ターボ過給機のタービンに排気を導く第1の排気通路に加え、上記タービンを通らない下流側排気通路に排気を導く第2の排気通路を形成し、第1の排気通路を開閉する排気弁を通常の排気弁開閉タイミングで開閉させるとともに、第2の排気通路を開閉する第3弁を排気行程の後期に開くようにしたターボ過給機付エンジンが示されている。
【0004】
この過給機付エンジンは、比較的高速側の運転域で過給能力が高くなるような通常のターボ過給機を用いた場合の高速高負荷域での排圧上昇を抑制するものであって、一般の過給機付エンジンに設けられているウエストゲートバルブを用いた過給圧制御手段の代りに、上記第3弁により排気行程後期に排気ガスの一部を上記第2の排気通路に流出させて、タービンを通さずに排出させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示されている従来の過給機付エンジンにおいては、第1の排気通路を開閉する排気弁が一般のエンジンの排気弁と略同様に排気行程の期間中開いているのに対し、上記第3弁は排気行程後期に開かれ、かつ、開弁期間及びバルブリフト量が上記排気弁と比べてかなり小さく設定されている。なお、上記第3弁は開閉時期が進角装置により遅進されて、高速もしくは高負荷運転時ほど進角されるようになっているが、その進角状態のときでも排気行程後期に開弁し、かつ開弁期間及びバルブリフト量が上記排気弁と比べてかなり小さいことに変りはない。
【0006】
このような過給機付エンジンによると、低速域での出力向上に有利な小型ターボ過給機を用いた場合等に、高速出力等の面で課題が残されていた。
【0007】
すなわち、一般に用いられているターボ過給機では低速域で過給性能が低下し易く、これと比べ、タービンの厚さや径を小さくした小型ターボ過給機を用いれば、排気流量の少ない低速域でもタービンに流入する排気ガスの圧力が高められることにより過給性能が高められる。ところが、このように低速域で過給性能が高い小型ターボ過給機を用いると、排気流量の多い高速域で排圧の上昇により排気ポンピングロスの増大を招き易く、上記従来装置のようにタービンを通らない第2の排気通路及びこの通路を開閉する第3弁を設けた構造による場合でも、第3弁の開弁時期が排気行程後半で、かつ、開弁期間及びバルブリフト量が上記排気弁と比べてかなり小さいため、排圧の上昇を充分に抑制できない。このため、結局、ウエストゲートバルブを多用せざるを得なくなり、ウエストゲートバルブから高圧の排気のエネルギーが排出されることによるロスが増大し、高速出力の向上があまり期待できなくなる。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、低速過給性能向上に有利な小型ターボ過給機を用いた場合等でも、高速域における排気ポンピングロスを抑制して高速出力性能を向上することができるターボ過給機付エンジンを提供し、またこのターボ過給機付エンジンを用いて出力性能及び燃費性能等の向上に有利なパワーユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、気筒毎の排気通路が、ターボ過給機のタービンに通じる第1排気通路と上記タービンを通らない下流側排気通路に通じる第2排気通路とに分けられ、第1排気通路を開閉する第1排気弁の開弁時期が第2排気通路を開閉する第2排気弁の開弁時期よりも早くなるように設定されているターボ過給機付エンジンであって、エンジンの最高出力回転数域を含む高速域では、上記各排気弁の開閉タイミングを、第1排気弁がピストン下死点前に開いて排気行程後半に閉じ、第2排気弁が排気行程前半に開いてピストン上死点以後に閉じ、両排気弁の開弁期間がオーバラップする開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中期となるようにし、エンジンの低速域では高速域と比べて第1排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を大きく、かつ第2排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を小さくするように、上記各排気弁のバルブリフト特性を運転状態に応じて変更するバルブリフト特性可変手段を設けたものである。
【0010】
このエンジンによると、最高出力回転数域を含む高速域では、排気行程で上記第1排気弁のみが開弁している期間、及び開弁オーバラップ期間の途中までの期間に、排気ガスが主に第1排気通路からタービンに導かれ、ブローダウンエネルギーが有効にタービンに与えられる一方、開弁オーバラップ期間の途中から第2排気弁が閉じるまでの間は排気ガスが主に第2排気通路からタービンを通らない下流側排気通路に導かれる。このため、最高出力回転数域でも充分に排気ポンピングロスが低減され、過給による出力向上が有効に達成される。
【0011】
また、各排気弁のバルブリフト特性を運転状態に応じて変更するバルブリフト特性可変手段を設け、エンジンの低速域では高速域と比べて第1排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を大きく、かつ第2排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を小さくするようにしていることにより、低速域での過給作用が高められる。
【0012】
とくに、ターボ過給機が、最高過給圧規制用のウエストゲートバルブがエンジンの最高出力回転数の1/2以下の低速側で開弁する低速過給性能の高い小型過給機であると(請求項2)、この過給機によって低速出力が高められるとともに、上記のように最高出力回転数域において排気ポンピングロスが低減され、高速出力も充分に高められる。
【0013】
この発明のエンジンにおける各排気弁の開閉タイミングの好ましい設定としては、少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総排気期間に対して上記開弁オーバラップ期間が1/3以上となるように設定する(請求項3)。
【0014】
また、少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁の開弁期間が上記開弁オーバラップ期間の2倍よりも短くなるように設定する(請求項4)。
【0015】
また、少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁のみが開いている期間と上記開弁オーバラップ期間と上記第2排気弁のみが開いている期間とが、いずれも、上記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総排気期間に対して30%以上となるように設定する(請求項5)。
【0016】
このような設定によると、燃焼室内の排気ガスが第1排気通路に流出する状態から第2排気通路に流出する状態への移行がスムーズに行われ、排気ポンピングロスの低減等の作用が良好に得られる。
【0017】
各気筒に対して上記第1,第2の2つの排気弁と2つの吸気弁とを設け、上記第1,第2排気弁をともに吸気弁の弁径よりも大径としておけば(請求項6)、第1排気弁のみが開いている期間や第2排気弁のみが開いている期間にも、燃焼室からの排気ガスの流出が良好に行われる。
【0018】
本発明のターボ過給機付エンジンをディーゼルエンジンに適用すれば(請求項7)、ディーゼルエンジンは拡散燃焼が行われることによりガソリンエンジンと比べて低速高負荷域でノッキングが生じにくいことから、小型ターボ過給機を用いること等による低速高負荷域での高過給化が有効に達成される。そして、低速高負荷域での高過給化により、スモークが低減され、出力向上とともに燃費及びエミッションが改善される。
【0019】
また、本発明のターボ過給機付エンジンを直噴式ガソリンエンジンに適用し、少なくとも低速低負荷域及び低速高負荷域でリーンバーン運転を行うようにすれば(請求項8)、燃費が改善されるとともに、リーン化によりノッキングが抑制されて、とくに低速高負荷域で高過給が行われつつリーンバーン運転されることで出力及び燃費性能が向上される。
【0020】
さらにこのエンジンにおいて、排気通路の下流側に触媒装置を備え、第2排気通路からタービンに通らずに下流側へ流れる排気ガス及びタービンをバイパスするウエストゲート通路に流れる排気ガスが上記触媒装置に導かれるように構成すれば(請求項9)、触媒装置が暖機しにくいリーン運転状態でも、上記第2排気通路及びウエストゲート通路から、タービンに熱が奪われない排気ガスが触媒装置へ導かれ、触媒装置の暖機が促進される。
【0021】
上記のようなターボ過給機付エンジンと無段変速機とを備え、定常走行ラインが低速高負荷側の過給域を通るように上記無段変速機の変速制御特性を設定したターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニットによると(請求項10)、過給等により低速高負荷域の低燃費化が促進され、かつ、その低速高負荷側の低燃費領域の使用頻度が高められる。
【0022】
このパワーユニットにおいて、少なくとも低速高負荷側の過給域でリーンバーン運転を行うようにすれば(請求項11)、燃費がより一層改善される。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態によるターボ過給機付エンジンとこれを用いたパワーユニットを示している。当実施形態のエンジンはディーゼルエンジンであり、最高出力回転数は4000rpm程度となっている。
【0025】
この図において、1はエンジン本体であって、複数の気筒(図示の例では4気筒)を備えており、このエンジン本体1と吸気系及び排気系等でエンジンが構成されている。また、10はターボ過給機であって、排気通路中に介設されたタービン11と、このタービン11にシャフト13を介して連結されて吸気通路中に介設されたコンプレッサ12とで構成されている。
【0026】
上記エンジン本体1の各気筒の燃焼室2には、燃料噴射ポンプから供給される燃料を噴射する噴射ノズル(図示省略)が具備されるとともに、気筒毎の排気通路3A,3Bの上流端側の排気ポート4A,4B及び気筒毎の吸気通路6の下流端側の吸気ポート7が燃焼室2に開口している。気筒毎の排気通路は、第1排気通路3Aと第2排気通路3Bとに分けられ、これら第1,第2排気通路3A,3Bの各上流端側の第1,第2排気ポート4A,4Bが燃焼室2に開口し、この第1,第2排気ポート4A,4Bに第1,第2排気弁5A,5Bが配設されている。また、当実施形態では吸気ポート7も各気筒に2つずつ配設され、各吸気ポート7にそれぞれ吸気弁8が配設されている。
【0027】
排気系において、気筒毎の各第1排気通路3Aは集合され、その集合部下流の第1集合排気通路15Aが上記タービン11の排気入口側に接続されている。上記タービン11の排気出口側には、タービン下流側排気通路16が接続されている。また、気筒毎の各第2排気通路3Bは集合され、その集合部下流の第2集合排気通路15Bは、上記タービン11を通らずに、下流端部が上記タービン下流側排気通路16に合流している。
【0028】
上記タービン11の排気入口側の上流と排気出口側の下流との間には、タービン11をバイパスするウエストゲート通路17が形成され、このウエストゲート通路17に最高過給圧規制用のウエストゲートバルブ18が介設されている。このウエストゲートバルブ18はダイヤフラム装置等からなるアクチュエータ19により過給圧等に応じて作動されるようになっている。
【0029】
一方、吸気系においては、エアクリーナ22を介して吸気を導入する上流側吸気通路21がターボ過給機10のコンプレッサ12の吸気入口側に接続されるとともに、ターボ過給機10のコンプレッサ12の吸気出口側に接続された吸気通路23がインタークーラ24を経てサージタンク25に達しており、サージタンク25の下流側に気筒毎の吸気通路6が配設されている。
【0030】
また、当実施形態のエンジンにおいて用いられているターボ過給機10は低速過給性能の高い小型ターボ過給機からなっており、この小型ターボ過給機は、高速側で過給性能が高くなる通常のターボ過給機と比べ、タービン11の径もしくは厚さまたはその両方が小さくされることにより、比較的排気量の少ない低速域でもタービン上流側の排気圧力が上昇して排気エネルギーが与えられ易い構造となっている。このような小型ターボ過給機によると、エンジンの最高出力回転数の1/2以下の低速域で過給圧の上昇に応じてウエストゲートバルブ18が開かれ、典型的なものでは最高出力回転数の40%以下(最高出力回転数が4000rpmのディーゼルエンジンでは1600rpm程度)でウエストゲートバルブ18が開かれ始める。
【0031】
上記エンジンの出力軸には変速機が接続されて、エンジンと変速機とでパワーユニットが構成される。当実施形態ではこのパワーユニットにおける変速機が無断変速機30からなっている。この無断変速機30は、例えば入力側プーリ31と出力側プーリ32とこれらのプーリ31,32間に懸け渡されたベルト33とを備えるとともに、上記両プーリ31,32のプーリ比の変更によって変速比を無段階に変更し得るようになっている。無断変速機30の出力側には終減速機35が接続され、この終減速機35に車軸36を介して車輪37が連結されている。なお、無断変速機30は、上記のような構造のものに限らず、例えばトロイダル型変速機等も採用し得る。
【0032】
図2は燃焼室2に対する吸・排気ポートの開口部分及び吸・排気弁を示しており、この図のように、当実施形態では、第1排気弁5Aと第2排気弁5Bの弁径が略同一(両排気ポート4A,4Bの開口面積が略同一)とされるとともに、各排気弁5A,5Bの弁径が各吸気弁8の弁径よりも大(排気ポート4A,4Bの開口面積が吸気ポート7の開口面積よりも大)となっている。
【0033】
上記ターボ過給機付エンジンにおける第1排気弁5A、第2排気弁5B及び吸気弁8の開閉タイミング(高速域での開閉タイミング)を、図3によって説明する。なお、以下の説明において、BDCはピストン下死点、TDCはピストン上死点をそれぞれ意味し、またBBDCは下死点前、ABDCは下死点後、BTDCは上死点前、ATDCは上死点後をそれぞれ意味する。また開弁時期、閉弁時期、開弁期間、開弁オーバラップ期間などをいうときの角度はクランク角である。
【0034】
上記第1排気弁5Aは、BDCより前に開かれて、排気行程後半(ABDC90°からTDCまでの間)に閉じられ、第2排気弁5Bは、排気行程前半(BDCからABDC90°までの間)に開かれてTDCまたはそれより後に閉じられる。上記各排気弁5A,5Bは、開弁期間及びリフト量が略同一とされることにより、開口面積比が略同一とされている。そして、第1排気弁5Aの開弁から第2排気弁5Bの閉弁までの総排気期間に対して上記開弁オーバラップ期間が1/3以上となり、また、第1排気弁5Aの開弁期間が開弁オーバラップ期間の2倍よりも短くなるように設定されている。あるいは、第1排気弁5Aのみが開いている期間と、上記開弁オーバラップ期間と、第2排気弁5Bのみが開いている期間とが、いずれも、上記総排気期間の30%以上となるように設定されている。
【0035】
要するに、第1排気弁5Aのみが開いている期間と、上記開弁オーバラップ期間と、第2排気弁5Bのみが開いている期間とが略同等となるように、第1,第2排気弁5A,5Bの開閉タイミングが設定されている。具体的に一例を示すと、第1排気弁5Aの開弁時期VO1がBBDC50°、同閉弁時期VC1がBTDC60°、第2排気弁5Bの開弁時期VO2がABDC30°、同閉弁時期VC2がATDC10°となっている。従って、第1排気弁5Aの開弁期間は170°、第2排気弁5Bの開弁期間は160°、開弁オーバラップ期間は90°である。そして、当実施形態では、上記各排気弁5A,5Bのバルブリフト特性が一定となっている。
【0036】
吸気弁8の開閉タイミングは一般のエンジンと同程度であり、例えば開弁時期IOがTDC付近、閉弁時期ICがABDC40°に設定されている。
【0037】
また、上記パワーユニットにおける無段変速機30の変速比制御特性は、低速高負荷側の過給域で定常走行が行われるように設定されている。すなわち、無段変速機30の制御においては、出力回転数及びスロットル開度等に応じた変速比制御のマップが設定され、このマップに基づいて変速比の制御が行われ、この場合に、無段変速機30は変速比制御特性の設定の自由度が比較的高い。そして、後に詳述するように、低速高負荷側の過給領域では燃費率が低くなることから、図8に示すように、定常走行ラインが低速低負荷側から低速高負荷側の過給領域を通って高速高負荷側に至るように、変速比制御特性が設定されている。
【0038】
以上のような当実施形態による作用を、次に説明する。
【0039】
排気行程では、先ずBDC以前に第1排気弁5Aが開弁し、総排気期間のうちの最初の1/3程度の期間(上記具体例によるとBBDC50°〜ABDC30°の期間)は第1排気弁5Aのみが開いていて、この期間に燃焼室2から流出する排気ガスは全て第1排気通路3Aを通ってタービン10に送られる。次いで、排気行程前半に第2排気弁5Bが開弁し、さらに排気行程後半に第2排気弁5Aが閉弁し、その間の開弁オーバラップ期間(上記具体例によるとABDC30°〜BTDC60°の期間)は両排気弁5A,5Bが開いていて、排気ガスが第1排気通路3Aと第2排気通路3Bとに分流する状態となる。ただし、開弁オーバラップ期間の途中までは第1排気弁5Aに比べて第2排気弁5Bのバルブリフト量が小さいために排気ガスが第1排気通路3Aに多く流れる。
【0040】
こうして、排気行程初期から上記開弁オーバラップ期間の途中までの期間に燃焼室2から流出する排気ガスは主にタービン11に導かれ、排気ガスのブローダウンエネルギーが有効にタービン11に与えられる。
【0041】
上記開弁オーバラップ期間の途中からは第2排気弁5Bのバルブリフト量が大きくなることにより排気ガスが第2排気通路3Bに多く流れ、また、第1排気弁5Aが閉弁してからTDCもしくはそれより後の時期までの期間(上記具体例によるとBTDC60°〜ATDC10°の期間)は、第2排気弁5Bのみが開いていて、この期間に燃焼室2から流出する排気ガスは全て第2排気通路3Bに流れる。こうして、開弁オーバラップ期間の途中から排気行程終期までの期間には、排気ガスが主に第2排気通路3Bから第2集合排気通路15Bを経て、タービン11を通らずにその下流の排気通路16へ流れる。
【0042】
このようにして、ターボ過給機10に排気エネルギーが与えられつつ、排圧上昇が抑制され、とくに、上記ターボ過給機10として、ウエストゲートバルブがエンジンの最高出力回転数の1/2以下の低速側で開弁するような低速過給性能の高い小型過給機が用いられるとともに、各排気弁5A,5Bの開閉タイミングが上記のように設定されていることにより、低速出力が向上されるとともに、高速域でも排気ポンピングロスが充分に抑制されて高速出力が確保される。
【0043】
このような作用を、図4〜図8を参照しつつ、より詳しく説明する。
【0044】
図4は排気行程中の筒内圧力の変化を示している。この図において、θ1は排気弁開時期であり、この時期から排気流出に伴って筒内圧力が低下し、排気行程終期に排気通路内の排気圧力P2(約2Kgf/cm2)と同程度にまで下がる。この筒内圧力変化の過程において、筒内圧力が上記排気圧力P2の2倍程度の臨界圧P1(約4Kgf/cm2)以上である間は、排気通路側の圧力変動がピストンに与える排気抵抗に殆ど影響を及ぼさず、つまりこの期間に排気通路側の圧力が上昇しても排気ポンピングロスは殆ど増加しない。そして、当実施形態のようなターボ過給機付エンジンにおいて、最高出力回転数域(4000rpm程度)では、排気弁開時期から約120°で上記臨界圧P1となる。
【0045】
従って、図3に示すように各排気弁5A,5Bの開閉タイミングが設定されていると、最高出力回転数域では、筒内圧力が上記臨界圧P1となる時期θ2が開弁オーバラップ期間の途中となり、この時期θ2までの期間は排気ガスが主にタービン11に送られて、タービン11の抵抗により排気通路の圧力が上昇するものの筒内圧力が上記臨界圧よりも高いためピストンに与える排気抵抗の増加を招かず、またこの時期θ2以後の、筒内圧力が臨界圧よりも低くなる期間は排気ガスが主に第2排気通路3Bに流れてタービン11を通らないため排気通路の圧力が低くなり、排気ポンピングロスが低減される。なお、前記の特公昭63−44936号公報に示されている排気弁開閉タイミングによると、第2排気通路を開閉する弁の開時期が、最高出力回転数域で筒内圧力が上記臨界圧P1となる時期θ2よりもかなり遅いため、高速域で排気ポンピングロスの増大を招くこととなる。
【0046】
また、図5は上記第1排気弁5Aの開弁期間Aと第2排気弁5Bの開弁期間Bとの比(A/B)と、ポンピングロス(Pfp)、過給圧(Pin)及び平均有効圧(Pe)との関係を示している。このデータは、開弁オーバラップ期間は90°とし、最高出力回転数域(4000rpm程度)での全負荷の場合について、シミュレーションで求めたものである。
【0047】
この図のように、上記比(A/B)が大きくなる(第1排気弁5Aの開弁期間の割合が大きくなる)につれ、過給圧(Pin)及びポンピングロス(Pfp)が大きくなるが、A/B=1を越えるあたりから、ウエストゲートバルブ18の開度が大きくなって過給圧(Pin)は横ばいとなり、平均有効圧(Pe)は緩やかに低下する。従って、上記比(A/B)を1付近とし、つまり第1排気弁5Aの開弁期間と第1排気弁5Bの開弁期間とを同程度とすることが、高速出力向上に有利となる。
【0048】
図6は、両排気弁5A,5Bの開弁オーバラップ期間の大きさと、ポンピングロス(Pfp)、過給圧(Pin)及び平均有効圧(Pe)との関係を、最高出力回転数域(4000rpm程度)での全負荷の場合について示している。
【0049】
この図のように、開弁オーバラップ期間が小さくなると、燃焼室2内の排気ガスが第1排気通路3Aに流出する状態から第2排気通路3Bに流出する状態への移行がスムーズに行われないため筒内圧力が上昇してポンピングロス(Pfp)が増加するとともに、第1排気弁5Aの開弁期間が相対的に小さくなるため過給圧(Pin)も上昇しない。そして、開弁オーバラップ期間を大きくしていくと、90°程度で過給圧(Pin)が最も高くなる。開弁オーバラップ期間が90°よりもさらに大きくなれば、第2排気通路3Bへ排気ガスが流出し易くなるので過給圧(Pin)が次第に低下するが、ポンピングロス(Pfp)も低下するので、平均有効圧(Pe)の急激な落ち込みはない。
【0050】
図7はエンジン回転数に応じた全負荷時の平均有効圧の変化の特性を、上記第1排気弁5Aの開弁期間割合(総排気期間に対する第1排気弁5Aの開弁期間の割合)を種々変えた場合について示している。この図において、Pe1は上記開弁期間割合が60%の場合の特性、Pe2は上記開弁期間割合が70%の場合の特性、Pe3は上記開弁期間割合が80%の場合の特性であり、これらの場合のいずれにおいても開弁オーバラップ期間は90°としている。また、Pe0は高速側で過給性能が高くなる通常のターボ過給機を用いた一般的なターボ過給機付エンジンによる特性である。
【0051】
この図のように、通常のターボ過給機を用いた一般的なターボ過給機付エンジンによると、低速域での出力が低い(Pe0)。また、小型ターボ過給機を用いて図1のように排気系を構成したエンジンにおいては、上記開弁期間割合を小さくするとタービン11への排気エネルギーの供給が少なくなるため過給性能が充分に高められず(Pe1)、一方、上記開弁期間割合を大きくし過ぎると低速出力は高められるが高速域では排気ポンピングロスが増大するために出力が低下する(Pe3)。そして、この図によると上記開弁期間割合を70%程度とすることにより、低速から高速までにわたって出力を高めることができるような最適な特性が得られる(Pe2)。
【0052】
これら図4〜図7に示すデータから理解されるように、両排気弁5A,5Bの開閉タイミングを図3のように設定し、つまり両排気弁5A,5Bの開弁期間を同程度とするとともに、第1排気弁5AがBDC前に開いて排気行程後半に閉じ、第2排気弁5Bが排気行程前半に開いてTDC以後に閉じるようにして、開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中期となり、かつ、開弁オーバラップが総排気期間の30%以上(好ましくは90°程度)となるように設定すれば、小型ターボ過給機の特質を生かして低速出力を高めつつ、高速域でも充分に出力を高めることができる。
【0053】
この場合、上記のようなバルブ開閉タイミングの設定とともに、上記両排気弁5A,5Bの弁径が同程度とされ、かつ、各排気弁5A,5Bの弁径が吸気弁8の弁径よりも大きくされることにより、第1排気弁5Aのみが開いている期間や第2排気弁5Bのみが開いている期間にも燃焼室2からの排気の流出が良好に行われ、過給性能の向上及び排気ポンピングロス低減等の作用が有効に発揮される。
【0054】
また、ディーゼルエンジンに適用した当実施形態によると、ディーゼルエンジンは拡散燃焼が行われることによりガソリンエンジンと比べて低速高負荷域でノッキングが生じにくいことから、低速高負荷域での高過給化に有利であり、このような低速高負荷域での高過給化により、スモークが低減され、燃費及びエミッションも改善される。しかも、ディーゼルエンジンは最高出力回転数が4000rpm程度とガソリンエンジンと比べて低いので、小型ターボ過給機を用いた場合の最高出力回転域での排気ポンピングロス抑制にも有利である。
【0055】
さらに、このエンジンと無段変速機とが組み合わされて、無段変速機の変速比制御特性が図8のように設定されることにより、燃費性能がより一層向上される。具体的に説明すると、同図中に細い実線で示した曲線は等燃費率ラインであって、この図のように燃費率の低い領域(bmin )は低速高負荷域にあり、とくに、等実施形態のエンジンでは上記のように低速高負荷域での高過給化によりこの領域でのより一層の低燃費化が図られる。そして、このように低速高負荷域での低燃費化が図られつつ、定常走行ラインがこの領域を通るように無段変速機の変速比制御特性が設定されていることにより、低燃費領域での運転の頻度が高められる。
【0056】
なお、実施の形態における以上の説明では、第1排気弁5A及び第2排気弁5Bのバルブリフト特性については図3に示す設定のみを説明しているが、次に説明する実施形態では、図9に示すように、バルブリフト特性可変手段40を設け、運転状態に応じて第1排気弁5A及び第2排気弁5Bのバルブリフト特性を変更するようにしている。
【0057】
すなわち、上記バルブリフト特性可変手段40は、例えば第1排気弁5Aに対して高速用及び低速用の2種のカム41,42をカムシャフトに配設し、カム41,42と排気弁5Aとの間のロッカーアーム等に、一方のカム41で排気弁5Aを駆動する状態と他方のカム42で排気弁5Aを駆動する状態とに切換える連係切換機構を設け、また、同様に第2排気弁5Bに対して高速用及び低速用の2種のカム43,44をカムシャフトに配設し、カム43,44と排気弁5Bとの間のロッカーアーム等に、連係切換機構を設けている。
【0058】
そして、図11に示すように、所定境界ラインより高速側の領域では高速用のカム41,43により高速用バルブリフト特性で排気弁5A,5Bが駆動され、所定境界ラインより低速側の領域では低速用のカム42,44により低速用バルブリフト特性で排気弁5A,5Bが駆動される。
【0059】
上記高速用バルブリフト特性は図10中に実線(V1H,V2H)で示すように設定され、つまり、前記の実施形態のバルブリフト特性(図3)と同様に、第1排気弁5AがBDC前に開いて排気行程後半に閉じ、第2排気弁5Bが排気行程前半に開いてTDC以後に閉じ、かつ、開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中期となるように設定されている。一方、上記低速用バルブリフト特性は図10中に破線(V1L,V2L)で示すように設定され、つまり、第1排気弁5AがBDC前からTDC以後までにわたる総排気期間だけ開かれる一方、第2排気弁5Bは実質的に開かず、バルブの閉固着を避けるための作動だけを行うようになっている。
【0060】
なお、ターボ過給機、排気通路及び吸気通路等の構成は図1に示す実施形態と同様であるため、図9ではこれらの図示を省略する。
【0061】
当実施形態によると、高速域では第1排気弁5A及び第2排気弁5Bが上記高速用バルブリフト特性で作動され、前記実施形態と同様の作用で過給が行われつつ排気ポンピングロスが低減される。また、低速域では、第1排気弁5Aが総排気期間だけ開かれる一方、第2排気弁5Bが実質的に開かれないため、総排気期間中に燃焼室2から流出する排気ガスはタービンに導かれ、低速域での過給作用が高められる。
【0062】
図12は本発明のさらに別の実施形態を示し、この実施形態では本発明を直噴式のガソリンエンジンに適用している。すなわち、エンジンの各気筒の燃焼室には、点火プラグ51が設けられるとともに、燃焼室内に直接燃料を噴射供給するインジェクタ52が設けられている。上記インジェクタ52からの燃料噴射量はコントロール(ECU)53により制御される。このECU53は、吸入空気量を検出するエアフローメータ54、エンジン回転数を検出する回転数センサ55、空燃比を検出するリニアO2 センサ56等からの信号を受け、運転状態に応じた目標空燃比となるようにインジェクタ52からの燃料噴射量を制御する。
【0063】
上記ECU53による空燃比制御は、少なくとも低速高負荷時にリーンバーン運転を行うようにし、具体的には、低回転低負荷側の領域で成層燃焼を行わせることにより空燃比を大幅にリーンとする一方、低回転高負荷域でも過給により出力性能を満足し得るようにしながら空燃比を理論空燃比よりリーンに設定している。
【0064】
ターボ過給機10、排気通路及び吸気通路等の構成は図1に示した実施形態とほぼ同様であって、気筒別に第1,第2排気通路3A,3Bが形成されてその上流側の第1,第2排気ポート4A,4Bに第1,第2排気弁5A,5Bが設けられるとともに、各第1排気通路3Aが集合した第1集合排気通路15Aがタービン11に接続され、各第2排気通路3Bが集合した第2集合排気通路15Bはタービン11を通らずに下流端がタービン下流側排気通路16に接続されており、また、最高過給圧規制のため、タービン11をバイパスするウエストゲート通路17及びウエストゲートバルブ18が設けられている。
【0065】
さらに、上記タービン下流側排気通路16には、ウエストゲート通路17及び第2集合排気通路15Bが合流する部分より下流側に、排気浄化用の触媒装置57が設けられている。
【0066】
上記各排気弁5A,5Bは前記の実施形態と同様に図3に示すようなバルブリフト特性で作動され、あるいは、図9〜図11に示すように運転状態に応じて高速用と低速用のバルブリフト特性に変更される。
【0067】
また、当実施形態でもエンジンに接続される変速機は無段変速機30からなり、かつ、図8のように定常走行ラインが低速高負荷域を通るように変速比制御特性が設定されている。
【0068】
この実施形態によっても、小型ターボ過給機10が用いられることによって低速出力が高められるとともに、上記のように各排気弁5A,5Bのバルブリフト特性等が設定されることにより高速域での出力も充分に確保される等の作用は、前記の実施形態と同様である。
【0069】
さらに当実施形態では、低速高負荷域で、高過給化が図られつつリーバーンが行われることにより、燃費性能が大幅に向上される。その上、この低速高負荷の低燃費領域で定常運転が行われるように無段変速機30の変速比制御特性が設定されていることにより、低燃費領域の使用頻度が高められる。
【0070】
また、このように過給が行われるとともに低速の高過給域までリーンバーンが行われるエンジンでは、リーンバーンによって排気温度上昇が妨げられるとともに、タービン通過時に排気ガス温度が低下するため、排気通路中に設けられる触媒装置57の暖機性が阻害され易いという傾向がある。これに対し、当実施形態のように、小型ターボ過給機10を用いることでウエストゲートバルブ18が低速域から開かれるようにするとともに、タービン11を通らないウエストゲート通路17及び第2集合排気通路15Bの合流部分の下流に触媒装置57を設けておけば、低速域でも上記ウエストゲート通路17及び第2集合排気通路15Bから比較的高温の排気ガスが触媒装置57に導かれ、触媒装置57の暖機が促進される。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ターボ過給機のタービンに通じる第1排気通路と、上記タービンを通らない下流側排気通路に通じる第2排気通路と、各排気通路を開閉する第1排気弁及び第2排気弁を備えるとともに、エンジンの最高出力回転数域を含む高速域では、第1排気弁がピストン下死点前に開いて排気行程後半に閉じ、第2排気弁が排気行程前半に開いてピストン上死点以後に閉じ、かつ、両排気弁の開弁期間がオーバラップする開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中期となるように設定しているため、ブローダウンエネルギーを上記タービンに有効に与えるようにしつつ、最高出力回転数域でも排気ポンピングロスを充分に低減し、有効に出力を向上することができる。また、エンジンの高速域では上記各排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を略同一とする一方、エンジンの低速域では高速域と比べて第1排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を大きく、かつ第2排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を小さくするようにしているため、低速域での過給作用を高めることができる。
【0072】
とくに、低速過給性能の高い小型ターボ過給機を用いつつ、排気通路の構成及び第1,第2排気弁の開閉タイミングの設定を上記のようにすれば、上記小型ターボ過給機によって低速域での過給作用が高められるとともに、この小型ターボ過給機を用いる場合に生じ易い高速域での排気ポンピングロス増大による出力低下を有効に防止することができ、高速出力も充分に高めることができる。
【0073】
より具体的には、少なくとも最高出力回転数域において上記開弁オーバラップ期間が総排気期間の1/3以上となるように設定し、あるいは、少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁のみが開いている期間と上記開弁オーバラップ期間と上記第2排気弁のみが開いている期間とが、いずれも、上記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総排気期間に対して30%以上となるように設定することにより、上記効果が充分に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるターボ過給機付エンジンの全体概略図である。
【図2】 第1,第2排気弁と吸気弁の配置及び大きさの関係を示す要部概略平面図である。
【図3】 第1排気弁、第2排気弁及び吸気弁のバルブリフト特性を示す図である。
【図4】 排気弁開弁後の筒内圧力の変化を示す図である。
【図5】 両排気弁の開弁期間の比と過給圧、ポンピングロス及び平均有効圧との関係を示す図である。
【図6】 開弁オーバラップ期間と過給圧、ポンピングロス及び平均有効圧との関係を示す図である。
【図7】 エンジン回転数と平均有効圧との関係を、第1排気弁の開弁期間割合等を種々変えた場合について示す図である。
【図8】 無段変速機の変速比制御による定常走行ラインと等燃費率ラインを示す図である。
【図9】 各排気弁のバルブリフト特性を可変とした実施形態を示す要部の概略図である。
【図10】 バルブリフト特性可変とする場合の各排気弁の高速用と低速用のバルブリフト特性を示す図である。
【図11】 バルブリフト特性を運転状態に応じて変更する場合の領域設定を示す図である。
【図12】 本発明のさらに別の実施形態を示すターボ過給機付エンジンの全体概略図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 燃焼室
3A 第1排気通路
3B 第2排気通路
5A 第1排気弁
5B 第2排気弁
10 ターボ過給機
11 タービン
12 コンプレッサ
17 ウエストゲート通路
18 ウエストゲートバルブ
30 無段変速機
40 バルブリフト特性可変手段
57 触媒装置
Claims (11)
- 気筒毎の排気通路が、ターボ過給機のタービンに通じる第1排気通路と上記タービンを通らない下流側排気通路に通じる第2排気通路とに分けられ、第1排気通路を開閉する第1排気弁の開弁時期が第2排気通路を開閉する第2排気弁の開弁時期よりも早くなるように設定されているターボ過給機付エンジンであって、
エンジンの最高出力回転数域を含む高速域では、上記各排気弁の開閉タイミングを、第1排気弁がピストン下死点前に開いて排気行程後半に閉じ、第2排気弁が排気行程前半に開いてピストン上死点以後に閉じ、両排気弁の開弁期間がオーバラップする開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中期となるようにし、
エンジンの低速域では高速域と比べて第1排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を大きく、かつ第2排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を小さくするように、
上記各排気弁のバルブリフト特性を運転状態に応じて変更するバルブリフト特性可変手段を設けたことを特徴とするターボ過給機付エンジン。 - 上記ターボ過給機は、最高過給圧規制用のウエストゲートバルブがエンジンの最高出力回転数の1/2以下の低速側で開弁する低速過給性能の高い小型過給機であることを特徴とする請求項1記載のターボ過給機付エンジン。
- 少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総排気期間に対して上記開弁オーバラップ期間が1/3以上となるように設定したことを特徴とする請求項1または2記載のターボ過給機付エンジン。
- 少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁の開弁期間が上記開弁オーバラップ期間の2倍よりも短くなるように設定したことを特徴とする請求項1または2記載のターボ過給機付エンジン。
- 少なくとも最高出力回転数域において上記第1排気弁のみが開いている期間と上記開弁オーバラップ期間と上記第2排気弁のみが開いている期間とが、いずれも、上記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総排気期間に対して30%以上となるように設定したことを特徴とする請求項1または2記載のターボ過給機付エンジン。
- 各気筒に対して上記第1,第2の2つの排気弁と2つの吸気弁とを設け、上記第1,第2排気弁をともに吸気弁の弁径よりも大径としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のターボ過給機付エンジン。
- エンジンがディーゼルエンジンである請求項1〜6のいずれかに記載のターボ過給機付エンジン。
- エンジンが直噴式ガソリンエンジンであって、少なくとも低速低負荷域及び低速高負荷域でリーンバーン運転を行うようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のターボ過給機付エンジン。
- 排気通路の下流側に触媒装置を備え、第2排気通路からタービンに通らずに下流側へ流れる排気ガス及びタービンをバイパスするウエストゲート通路に流れる排気ガスが上記触媒装置に導かれるように構成したことを特徴とする請求項8記載のターボ過給機付エンジン。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のターボ過給機エンジンと無段変速機とを備え、定常走行ラインが低速高負荷側の過給域を通るように上記無段変速機の変速制御特性を設定したことを特徴とするターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット。
- 少なくとも低速高負荷側の過給域でリーンバーン運転を行うようにしたことを特徴とする請求項10記載のターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット。
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