JP4030860B2 - 絶縁膜形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハやFPD基板(フラットパネルディスプレイ用基板)等の基板に層間絶縁膜を形成するための絶縁膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程において、例えばSOD(Spin on Dielectric)システムにより層間絶縁膜を形成する場合がある。このSODシステムでは、例えば半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)上に塗布材料をスピンコートし、加熱等の物理的処理や化学的処理を施して層間絶縁膜を形成している。例えばシロキサン系ポリマーや有機ポリマーの層間絶縁膜を形成する場合、有機溶媒を混ぜ、液状にした塗布材料をウエハ表面に吐出し、スピンコータにより塗布する。次に、段階的に目的に応じた環境下にて熱処理等を行う。また、塗布材料によっては、塗布後にアンモニア雰囲気による処理や溶剤置換処理等の化学的処理を追加する必要がある。
【0003】
このような処理を行うシステムとしては、例えば図17に示す構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、第1の処理ゾーン1Aに、ウエハを所定の温度に調整するための温調ユニット、ウエハに塗布液を塗布するための塗布ユニット11、塗布液が塗布されたウエハを加熱して前記塗布液の乾燥処理を行うための低温加熱ユニットを設け、第1の処理ゾーン1Aに隣接する第2の処理ゾーン1Bに、塗布液が塗布されたウエハを加熱して所定のベーク処理を行うためのベークユニットと、塗布液が塗布されたウエハを加熱して塗布膜を硬化させる処理を行うためのキュアユニットと、を配設したものである。
【0004】
第1の処理ゾーン1Aには、塗布ユニット11が複数段に積層されていると共に、温調ユニット、受け渡しユニット、低温加熱ユニット等を多段に積層した棚ユニット12a,12bが設けられていて、搬送手段13aによりこれらの各ユニットに対してウエハの受け渡しが行われるようになっている。また、第2の処理ゾーン1Bには、ベークユニットやキュアユニットを多段に積層して構成された2個の加熱系の棚ユニット14a,14bが設けられており、搬送手段13bにより、これらの各ユニットに対してウエハの受け渡しが行われるようになっている。図中1Cは多数枚のウエハWを収納するキャリア15の載置部16と、キャリア15と第1の処理ゾーン1Aとの間でウエハを搬送するための受け渡しアーム17とを備えたキャリアステーションである。
【0005】
また、塗布ユニット11では、スピンチャックに保持されたウエハのほぼ回転中心にノズルから塗布液を供給した後、スピンチャックを回転させることにより、前記塗布液をウエハ表面に広げ、こうして塗布液をウエハ表面に塗布する処理が行われる。
【0006】
【特許文献1】
特願平2001−297279号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の構成では、塗布ユニット11や温調ユニット等と、ベークユニットやキュアユニットとは別の処理ゾーンに配設されており、また、1つの処理ゾーンにおいても、塗布ユニット11や温調ユニットが分散して設けられているので、装置のフットプリントが大きくなってしまう。さらに、各ユニットが分散して設けられていることから、ウエハの搬送効率が悪化して、スループットが低下してしまう。
【0008】
また、従来のSODシステムでは、スループットの向上を図るために、複数の塗布ユニット11が同じ棚ユニットに多段に積層されて配列されている。このため、塗布ユニット11のドレイン管18は図18に示すように、水平に引きまわされる箇所が存在するが、前記ドレイン管18の水平部分では、塗布ユニット11からのドレインが流れて行きにくく、溜まってしまいやすい。ここで、SODの塗布液は固化しやすいので、既述のように塗布液のドレインが溜まる部分ではドレイン管18が詰まりやすくなるという問題がある。
【0009】
さらに、塗布ユニット11が、左右、上下段に夫々配置されることから、夫々の塗布ユニット11のドレイン管18等の配管構成を変える必要があり、配管仕様が分散することにより装置製造が複雑化し、その結果生産効率も悪くなるという問題がある。
【0010】
さらにまた、塗布液を貯留するための塗布液タンクが、塗布ユニット11が設けられている領域とは別の領域に設けられているので、塗布液の供給路が長くなる。ここで、塗布ユニット11は所定のロットの処理が終了した後、所定の洗浄処理を行うが、この処理の間、塗布液はノズルから吐出しないようになっており、供給路内に塗布液が残ったままの状態で洗浄処理が行われることになる。ところで、次のロットの処理を開始するときには、供給路内に残存する塗布液を供給ノズルから全て排出するというダミーディスペンスが行われるが、供給路が長いと当該供給路内に残存する塗布液の量が多いので、ダミーディスペンスの際に廃棄する塗布液が多くなり、無駄が多いという問題もある。
【0011】
さらにまた、塗布液タンク内の塗布液が無くなり、塗布液タンクを交換する場合や、塗布液配管に接続されている薬液フィルタ等を交換する場合等、配管中に薬液の泡が発生するため、使用前にこの泡を抜く必要があり、配管が長いと泡抜きの際、多量の薬液を捨てなくてはならないという問題もある。
【0012】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、一の絶縁膜を形成するための処理ユニットを一の処理タワー内に集約して設けることにより、装置の占有面積を小さくすると共に、塗布ユニットと、塗布ユニットからの排液を貯留する排液タンクと、塗布ユニットと排液タンクとを結ぶ排液路と、塗布液を貯留する塗布液タンクと、塗布液タンク内の塗布液を供給ノズルに送り出すポンプと、の配置位置の最適化を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の絶縁膜形成装置は、絶縁膜の形成材料を含む塗布液を基板に塗布するための塗布ユニットと、前記塗布液を塗布する前の基板を所定の温度に調整するための温調ユニットと、前記塗布液を塗布した基板を加熱するための加熱ユニットと、を含む複数の処理ユニットを、前記塗布ユニット、温調ユニット、加熱ユニットの順序で下段側から上段側に向かって互いに積層して構成した処理タワーと、
前記塗布ユニットの下方側に設けられ、前記塗布ユニットから排出された排液を貯留するための排液タンクと、
外部から基板を搬入するための基板搬入部と、
基板搬入部と前記処理タワーの各処理ユニットとの間で基板を搬送するための基板搬送手段と、
前記塗布ユニットの下方側に設けられ、塗布液を貯留するための塗布液タンクと、
前記塗布ユニットの下方側または側方側に、前記塗布液タンクから供給ノズルに塗布液を供給するためのポンプと、
を備え、
前記塗布ユニットは、基板を略水平に保持する基板保持部と、基板に塗布液を供給するノズルと、塗布液の飛散を抑えるために基板保持部に保持された基板の側方の周囲を囲むカップと、このカップに上端側が接続されると共に下端側が前記排液タンクと水平部分が存在しないように接続された排液路と、を有し、
前記処理タワーは複数の処理ユニットの各々の周囲を壁部にて区画するように設けられ、少なくとも温調ユニットと加熱ユニットとが設けられている領域の壁部の内部には通気路が形成され、当該通気路に断熱用の気体を通流させることにより、各処理ユニット同士の間を断熱するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成では、一の絶縁膜を形成するための処理ユニットが一の処理タワー内に集約して設けられているので、装置の占有面積を小さくすることができる。また、排液路に略水平部分を設けないように排液タンクに接続しているので、塗布ユニットからの排液が排液路内を通流しやすく、排液路内の詰まりを抑えることができる。
【0015】
本発明によれば、塗布液タンクと供給ノズルとを結ぶ供給路の短縮化を図ることができるので、塗布液の無駄を抑えることができる。この際前記排液管は、略垂直に設けられることが好ましい。
【0016】
本発明では、前記塗布ユニットの内部に、温度が調整された空気を通流させて当該塗布ユニット内の温度を調整し、この塗布ユニットから排気された温度が調整された空気を前記処理タワーの通気路に通流させるようにしてもよい。
【0017】
前記加熱ユニットにて所定の加熱処理が行われて絶縁膜が形成された基板を加熱して、前記絶縁膜の硬化処理を行うキュアユニットを更に備えるようにしてもよく、この場合、キュアユニットは、熱影響を考慮し、前記処理タワーの最上段に設置することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の絶縁膜形成装置の一実施の形態について、層間絶縁膜をSOD法によって形成するシステムに適用し、例えば商品名「LKD」よりなる塗布液を用いる場合を例にして説明する。ここで、図1は本発明の絶縁膜形成装置の一実施の形態に係る全体構成を示す平面図であって、図2はその概略斜視図、図3はその側部断面図である。
図中B1は、例えば25枚の基板であるウエハWが収納された基板キャリアC(以下[キャリア]という)を搬入出するためのキャリアブロックであり、このキャリアブロックB1は、前記キャリアCを載置するキャリア載置部21と、受け渡し手段22と、を備えている。前記受け渡し手段22は、キャリアCからウエハWを取り出し、この取り出したウエハWをキャリアブロックB1に隣接して設けられている処理ブロックB2へと受け渡すように、左右、前後に移動自在、昇降自在、鉛直軸まわりに回転自在に構成されている。そしてこの受け渡し手段22の搬送領域の上部側には、例えばフィルタユニット(FFU)23が設けられていて、当該搬送領域内に清浄な空気がダウンフロ−として供給されるようになっている。この例ではキャリアブロックB1と処理ブロックB2とにより絶縁膜形成装置100が構成されている。
前記処理ブロックB2には、複数の処理タワー例えば4個の処理タワー(第1の処理タワーT1,第2の処理タワーT2,第3の処理タワーT3,第4の処理タワーT4)と、この処理ブロックB2とキャリアブロックB1との間でウエハの受け渡しを行うための受け渡しステージ23と、前記受け渡しステージ23と第1〜第4の処理タワーT1〜T4の後述する各処理ユニット同士の間でウエハの搬送を行うための基板搬送手段24とが設けられている。
これらは前記受け渡しステージ23に対して、例えばキャリアブロックB1の受け渡し手段22と基板搬送手段24とがアクセスでき、第1〜第4の処理タワーT1〜T4の各処理ユニットに対して基板搬送手段24がアクセスできるように、夫々配置されている。前記受け渡しステージ23は、受け渡し手段22と前記基板搬送手段24とがウエハの受け渡しを行うことができるウエハの受け渡し台23aを備えている。この例ではキャリアブロックB1と処理ブロックB2の受け渡しステージ23とが基板搬入部を構成している。
【0019】
前記処理タワーT(T1〜T4)は、複数の処理ユニットを上下方向に多段に積層して配列して構成したものであり、例えば各処理タワーT1〜T4にSOD法で絶縁膜を形成するために必要な全ての処理ユニットが設けられている。ここでSOD法で絶縁膜を形成するために必要な全ての処理ユニットの一例を挙げると、例えば絶縁膜の形成材料を含む塗布液の塗布前にウエハを所定温度に温調するための温調ユニット(CPL)25、ウエハ表面に前記塗布液を塗布する処理を行う塗布ユニット(SCT)26、ウエハ表面に塗布された前記塗布液の溶剤を熱により乾燥させる処理を行う低温加熱ユニット(LHP)27、ウエハを加熱して塗布膜(絶縁膜)の化学反応を進行させる処理を行うベークユニット(DLB)28であり、前記低温加熱ユニット27、ベークユニット28が本発明の加熱ユニットに相当する。本発明では、塗布液が塗布されたウエハに対して所定の温度でベーク処理を行うことにより、一連の処理が終了する。
【0020】
続いて前記処理タワーT1〜T4について説明するが、この例では4個の処理タワーT1〜T4は全て同様に構成されているので、第1の処理タワーT1を例にとって説明する。先ず処理タワーT1には、既述のように1個の塗布ユニット26、1個の温調ユニット25、1個の低温加熱ユニット27、2個のベークユニット28が、下側から上側に向けてこの順序で互いに積層されて配列されている。また前記塗布ユニット26の下方側は、後述するように塗布液を貯留するための塗布液タンクや、塗布ユニット26からの排液を貯留するための排液タンクなどを配置するタンクエリア(TA)29として利用されており、ベークユニット28の上部側は、用力系の装置例えばモータや電気系統等を収納するスペースや、排気管などを収納する排気エリアとして利用されている。
【0021】
ここで処理タワーTは図4に示すように、塗布ユニット26を備えた第1のエリアA1と、タンクエリア29よりなる第2のエリアA2とからなる塗布エリアCAと、この塗布エリアCAの上方側に設けられ、温調ユニット25と低温加熱ユニット27とベークユニット28とをこの順序で下段側から上段側に向けて配列してなる加熱温調エリアHAとに、割り当てられている。
【0022】
続いて前記塗布エリアCAについて図5により説明する。前記第1のエリアA1には、既述のように塗布ユニット26と、ポンプ31とが配置され、第2のエリアA2には、塗布液を貯留するための塗布液タンク32と、塗布ユニット26からの排液を貯留するための排液タンク33と、塗布ユニット26からの排液を回収するための回収部34と、が設けられている。
【0023】
先ず塗布ユニット26について説明すると、当該ユニット26はウエハの表面に前記塗布液を塗布する処理を行なうものである。図5中35は基板保持部であるスピンチャックであり、真空吸着によりウエハWを略水平に保持するように構成されている。スピンチャック35の周囲にはウエハWからスピンチャック35に跨る側方部分を囲い、飛散した塗布液を回収するためのカップ36が設けられている。このカップ36の下面には略垂直に下方側に伸びるドレイン管37が接続されており、ドレイン管37の下端側は第1のエリアA1の底壁100に接続され、第2のエリアA2に向けて開口している。前記スピンチャック35はモータ及び昇降部を含む駆動部38により駆動軸を介して鉛直軸まわりに回転でき、且つ昇降できるようになっている。図中39はベースプレートである。
【0024】
前記カップ35の上方側には、例えばウエハWのほぼ回転中心に塗布液を供給するための供給ノズル4が設けられている。前記供給ノズル4は、供給路41により塗布液タンク32とポンプ31を介して接続されている。また供給ノズル4は、ウエハに塗布液を供給する供給位置とカップ36の外側のダミーディスペンス位置との間で移動できるように構成されており、前記ダミーディスペンス位置には、供給ノズル4のダミーディスペンスを行うためのダミーディスペンスポート42が設けられている。
【0025】
このダミーディスペンスポート42は、図6に示すように、供給ノズル4から吐出される塗布液を受けるための液受け部42aと、この液受け部42aに続く排出管42bと、を備え、ダミーディスペンス時には供給ノズル4の先端が液受け部42aの上部側に入り込んだ状態で保持されるようになっている。また前記排出管42bの他端側は第1のエリアA1の底壁100に接続され、第2のエリアA2に向けて開口している。さらにダミーディスペンスポート42は、液受け部42aに供給ノズル4の先端が入り込むように保持されたときに、当該ノズル4の先端に塗布液の溶剤であるシンナー液を吹きかけ、これによりノズル4先端に付着した塗布液を洗浄するように、シンナー液吐出部42cが設けられている。
【0026】
さらにカップ36の外側のダミーディスペンスポート42の近傍には、ソルベントバス43が設けられている。このソルベントバス43は、図7に示すように、塗布液の供給を停止しているときに、供給ノズル4の先端が乾燥しないように当該ノズル4先端を溶剤雰囲気にさらすためのものである。ソルベントバス43では、例えば密閉容器43aの内部に塗布液の溶剤であるシンナー液の揮発成分を満たして、前記密閉容器43a内を所定の溶剤雰囲気に設定し、この密閉容器43aの内部にノズル4の先端が突入する状態で当該ノズル4が保持されるようになっている。図中43bは前記溶剤など液体成分の排出管であり、この排出管43bの他端側は第1のエリアA1の底壁100に接続され、第2のエリアA2に向けて開口している。また、図中43cはシンナー液の貯留部である。
【0027】
このように構成された塗布ユニット26においては、前記基板搬送手段24によりウエハWが搬入されてスピンチャック35に受け渡される。そして供給ノズル4からウエハW表面のほぼ中央部に絶縁膜の塗布液を供給すると共に、予め設定された回転数でスピンチャック35を回転させる。これにより塗布液はその遠心力によりウエハWの径方向に広がっていき、こうしてウエハW表面に絶縁膜の液膜が形成される。そして供給ノズル4は、塗布液の吐出を行わないときにはソルベントバス43にノズル先端を突入した状態で保持され、ダミーディスペンス時には、ダミーディスペンスポート42に移動して液受け部42aにノズル4先端を突入させて所定のダミーディスペンスを行う。
【0028】
前記第2のエリアA2には、カップ36のドレイン管37やダミーディスペンスポート42やソルベントバス43の排出管42b,43bの開口部を覆うように回収部34が設けられている。この回収部34の底部には、略垂直に伸びる配管44が接続されており、回収部34は、配管44が接続された部分が最も下方側に位置し、当該回収部34の内面が回収部34の外周側から配管44に向けて徐々に下向きに傾斜するように形成されている。
【0029】
前記配管44は、当該配管44の下端側近傍領域を覆うカバー体46aと、このカバー体46aに続く排液部46bと、を組み合わせて構成されており、前記配管44から排出される排液がカバー体46aの内面を伝わって排液部46bに向かって流れ、排液部46bから下方側に排出されるようになっている。前記カバー体46aは昇降機構45にて昇降され、これにより排液部46bの先端が前記排液タンク33の供給口33a近傍に位置する前記排液を供給する供給位置と、前記供給口33aの上方側に位置する位置との間で昇降自在に移動されるように構成されている。排液タンク33を第2のエリアA2に対して搬入出するときには、排液部46bは前記供給口33aの上方側の位置に保持される。この際排液部46bは略水平部分がない状態で排液タンク33に接続されるように、排液タンク33や供給口33aの位置と、回収部34の配管44や排液部46bの取り付け位置とが決定されている。こうして塗布ユニット26からの排液を排液タンク33に排出する排液路は、ドレイン管37と配管44、排液部46bとにより構成され、これらは略水平部分がない状態、例えばドレイン管37と配管44、排液部46bとが共に略垂直な状態で排液タンク33に接続される。
【0030】
また、第2のエリアA2には、排液タンク33に隣接して塗布液タンク32が設けられており、さらに、第1のエリアA1には、塗布ユニット26に隣接すると共に、塗布液タンク32の上段側に塗布液タンク32からの塗布液を供給ノズル4に送り出すための供給ポンプ31が設けられている。このように配置することにより、前記供給路41が余計な経路を通ることなく、塗布液タンク32と供給ポンプ31と供給ノズル4とを接続することになり、供給路41が最短長になるように供給路41の短縮化を図ることができる。このような塗布エリアCAには、図8に示すように、温湿度調整部47により所定の温度及び湿度に調整された空気が供給部48を介して供給され、これによりこれらのエリアは所定の温度及び湿度に調整されている。
【0031】
前記塗布ユニット26では第1のエリアA1にポンプ31を配置したが、第2のエリアA2に配置した塗布液タンク32と排液タンク33の配置場所を変えることにより、塗布液タンク32の側方である第2のエリアA2内にポンプ31を設けるようにしてもよい。
【0032】
続いて加熱温調エリアHAについて説明する。先ず低温加熱ユニット27は、絶縁膜の液膜(塗布膜)が塗布された基板を加熱して、塗布膜に残った溶剤を熱により乾燥させるための、低温の加熱処理が行われる処理ユニットである。このユニット27は、図9に示すように、基板載置台を兼ねる加熱プレート51上に、図示しないウエハ搬送口を介して基板搬送手段24と昇降ピン52との協働作業によりウエハが受け渡され、加熱プレート51と蓋体53とにより形成される処理容器内に、不活性ガス供給機構54から不活性ガス例えば窒素ガスを供給する。
【0033】
この状態で加熱プレート51にて、ウエハWを所定温度例えば100℃程度に加熱することにより、前記塗布膜に含まれる溶剤の乾燥が行われる。一方、蓋体53の排気機構53aを介して不活性ガスを排気させることにより前記処理容器内で発生した昇華物を排出する。図中51aは加熱手段をなすヒータであり、52aは昇降ピン52の昇降機構である。
【0034】
また、ベークユニット28は、低酸素雰囲気にてウエハを加熱して縮重合反応を起こさせ、化学的に塗布膜を硬化させるための低酸素加熱処理(ベーク処理)が行われる処理ユニットである。図10中55はウエハを加熱するための、例えば加熱手段をなすヒータ55aにより50℃〜350℃に設定可能な加熱プレートであり、この加熱プレート55はケーシング56内に設けられている。
【0035】
前記ケーシング56は、上面に開口部56aが形成され、側面に当該ユニットの排気を行うための排気口56bが形成されており、開口部56aを塞ぐための昇降可能な蓋体57が設けられている。また蓋体57の周縁部には、不活性ガス例えば窒素ガスが内周面から吐出可能な不活性ガス供給機構58が設けられている。57aは蓋体57に設けられた排気機構である。
【0036】
このようなベークユニット28では、ケーシング56の図示しないウエハ搬送口を介して基板搬送手段24と昇降ピン59との協働作業により加熱プレート55に対してウエハが受け渡される。そして、ケーシング56と蓋体57とにより形成される加熱処理室内に、不活性ガス供給機構58から不活性ガスを供給する一方、蓋体57の排気機構57a及びケーシング56の排気口56bから不活性ガスを排気させることにより、加熱処理室内を低酸素状態にして、加熱プレート55にてウエハを所定温度に加熱し、こうして所定のベーク処理が行われる。図中55aは加熱手段をなすヒータ、図中59aは昇降ピン59の昇降機構である。
【0037】
また前記温調ユニット25は、基板載置台の内部に、ヒータ51aに替えて冷却手段が設けられたことを除いて、概ね前記低温加熱ユニット27と同様に構成されており、基板載置部(冷却プレート)の表面にウエハを所定時間載置することにより、ウエハを所定温度に調整する処理が行われる。
【0038】
そして処理タワーTでは、図8に示すように断熱機構となっている。つまり処理タワーTは、各処理ユニットの周囲を壁部6により囲むと共に、各処理ユニット同士の間を壁部6にて区画するようになっているが、これら壁部6の内部に通気路61を形成し、この通気路61に塗布エリアCAの温湿度調整された空気が通流されるようになっている。この通気路61内の空気は、例えば処理タワーTの上部に接続される排気路62を介して排気手段63により排気され、これにより通気路61内に温湿度調整された空気が通流される。こうして、処理タワーTが断熱機構を有し、処理ユニット同士の間が断熱されることになる。
【0039】
以上のように、本発明では処理タワーTが標準化されている。ここで標準化とは、塗布エリアCAの上方側に加熱温調エリアHAを配列し、さらに加熱温調エリアHAにおいて、温調ユニット25と、加熱ユニットとを、処理温度が低いユニットを下段側に、処理温度が高いユニットを上段側に、処理温度の順序に沿って多段に積層すると共に、塗布エリアCAでは、塗布ユニット26からの排液路が略水平部分がないように排液タンクに接続され、塗布液タンクとポンプと供給ノズルとを結ぶ供給路ができるだけ短縮されるように、これらの位置が決定されているということである。
続いて、基板搬送手段24について図11に基づいて簡単に説明する。基板搬送手段24は、ウエハWを保持するための夫々ウエハを保持し得るように3段に構成されたアーム64と、このアーム64を進退自在に支持する基台65と、この基台65を昇降自在に支持する一対の案内レール66a,66bと、これら案内レール66a,66bの上端及び下端を夫々連結する連結部材67a,67bと、案内レール66a,66b及び連結部材67a,67bよりなる枠体を鉛直軸周りに回転自在に駆動するために案内レール下端の連結部材67bに一体的に取り付けられた回転駆動部68と、を備えている。これにより基板搬送手段24の3本のアーム64は、夫々独立して昇降自在、略鉛直軸まわりに回動自在、進退自在に構成されることとなる。
前記回転駆動部68は支持台69に取り付けられており、前記支持台69はキャリアステーションのキャリアCの配列方向と略直交する方向に設けられたレールRに沿って、前記キャリアCの配列方向と略直交する方向に移動でき(図1参照)、これにより受け渡しステージ23と、4個の処理タワー1〜T4の各処理ユニットに対してウエハの受け渡しを行うことができるように構成される。
【0040】
ここで前記処理ブロックB2は図示しない筐体内に収納されており、例えば処理ブロックB2の上部側には図示しないフィルタユニットが設けられていて、当該領域内に清浄な空気がダウンフロ−として供給されるようになっている。また例えば各処理ユニット25〜29は、例えば図12に示すように、処理容器101〜106内に収納され、これら処理容器101〜106が多段に積層されるようになっており、処理容器102〜106には、基板搬送手段24と対向する面に、ウエハの搬送口102a〜106aが夫々形成されている。
【0041】
このような絶縁膜形成装置におけるウエハの流れについて説明すると、自動搬送ロボット(あるいは作業者)により例えば25枚のウエハWを収納したキャリアC1〜C4が、外部からキャリアブロックB1のキャリア載置部21に搬入される。次いで受け渡し手段22によりこれらキャリアC1〜C4内からウエハWが取り出され、処理ブロックB2の受け渡しステージ23を介して基板搬送手段24に受け渡される。
【0042】
そして例えばキャリアC1内のウエハWは第1の処理タワーT1の各処理ユニットに、キャリアC2内のウエハWは第2の処理タワーT2の各処理ユニットに、キャリアC3内のウエハWは第3の処理タワーT3の各処理ユニットに、キャリアC4内のウエハWは第4の処理タワーT4の各処理ユニットに、基板搬送手段24により夫々搬送される。具体的に第1の処理タワーT1を例にして説明すると、ウエハWは基板搬送手段24により温調ユニット25に搬送され、ここで所定の温度例えば23℃に調整された後、塗布ユニット26に搬送され、当該ユニット26にて例えば商品名「LKD」よりなる塗布液の塗布処理が行われる。
【0043】
続いてウエハWは基板搬送手段24により低温加熱ユニット27に搬送され、ここで約100℃程度に加熱されることにより、塗布液に含まれる溶媒を熱により揮発させて乾燥させる低温加熱処理が行われる。次いでウエハWは基板搬送手段3Bによりベークユニット28に搬送されて、ここで窒素ガスの導入により、所定の低酸素状態例えば許容酸素濃度100ppm以下の雰囲気に設定され、約200℃の下、所定のベーク処理が行われる。ベーク処理が行われたウエハWは、基板搬送手段24により受け渡しステージ23に搬送され、受け渡し手段22を介して例えば元のキャリアC1内に戻される。この後例えば絶縁膜形成装置の外部に設けられたキュア装置にて所定のキュア処理が施され、所定の絶縁膜が形成される。前記キュア処理とは塗布膜を焼成するための加熱処理であり、塗布膜が加熱されることにより、架橋またはポロジェンの離脱を行ない塗布膜の硬化を図る処理である。
【0044】
このような構成では、ウエハ表面に絶縁膜を形成するにあたり、1個の処理タワーTに、絶縁膜を形成するために必要な全ての処理ユニットを多段に配列しているので、1つの処理タワーT内の各処理ユニットにウエハを搬送することにより絶縁膜を形成することができる。このため処理ユニットが処理ブロックB2内に分散して配列されている場合に比べて、処理ブロックB2の占有面積を小さくすることができる。これによりこの絶縁膜形成装置が配設されるクリーンルームや、処理ブロックB2の上部に設けられるフィルタユニットが小型化され、コスト的に有利となる。
【0045】
また1つの処理タワーT1(T2)に絶縁膜を形成するための複数の処理ユニットが集約して設けられているので、搬送エリアが集約される。このためウエハの搬送効率が高まって搬送のスループットが向上し、処理全体として高いスループットを得ることができる。さらにこの例では処理ブロックB2内に所定の絶縁膜を形成する4個の処理タワーT1〜T4を設け、これらタワーT1〜T4に共通の基板搬送手段24によりウエハWの搬送を行うようにしたので、フットプリントの増大を抑えながら、処理効率を高めることができる。
【0046】
さらに処理タワーTは既述のように標準化されている。このため4個の処理タワーT1〜T4にてウエハ表面に夫々同じ絶縁膜を形成する場合、処理タワーT1〜T4間の膜質のバラツキが抑えられ、処理タワーT1〜T4の間差を低減して、安定した膜質の絶縁膜を得ることができ、膜質を安定して管理することができる。また処理タワーTを標準化することにより、1つの処理タワーTが故障したときに、他の処理タワーTと速やかに交換することができ、有効である。
【0047】
さらにまた塗布エリアCAにおいて、塗布ユニット26と排液タンクとの間を略垂直な排液路にて接続するようにしているので、排液路に略水平部分がなく、排液が速やかに排液タンク32に通流していく。これにより固化しやすいという特徴を有するSOD液を排出する場合でも、排液路内部で液が流れにくくなって液詰まりが発生するという状態が抑えられ、排液路の洗浄やメンテナンスが容易となる。
【0048】
さらにまた塗布液タンク32と、ポンプ31と、排液タンク33と、塗布ユニット26との配置位置の最適化を図ることにより、供給路42を出来る範囲で短くすることができる。これにより塗布液タンク32を装置の外部に設けている場合に比べて、大幅に供給路41を短縮することができるので、塗布液の無駄を抑えることができる。つまり塗布液タンク内の塗布液が無くなり、塗布液タンクを交換する場合や塗布液の供給路に接続されている薬液フィルタ等を交換する場合には、供給路41に溜まっている前回の塗布液を全て排出しなくてはならないが、供給路41が短ければ当該供給路41中の塗布液が少なくなるので、その分塗布液の無駄を抑えることができる。
【0049】
さらに塗布液タンク32の交換後、新に供給路41に塗布液を供給する際、供給路41内の塗布液に泡が入ってしまい、この泡が塗布処理の均一性を悪化させてしまうため、ダミーディスペンスを行って塗布液中の泡を除去する必要があるが、供給路42が短いと、このときに排出される塗布液が少なくなるので、この場合も塗布液の無駄を抑えることができる。
【0050】
さらにまた処理タワーTでは塗布ユニット26の上方側に温調ユニット25を配設し、この温調ユニット25の上方側に加熱ユニット(低温加熱ユニット27、ベークユニット28)を設けるように標準化されているので、加熱ユニットと塗布ユニット26とが熱的に分離され、加熱ユニットからの放熱による塗布ユニット26への熱影響を抑えることができる。このため塗布ユニット26では温度変化による塗布膜の膜質のバラツキが抑えられ、安定した膜質の塗布膜を得ることができる。
【0051】
さらにまた加熱温調エリアHAにおいて、処理タワーTを構成する壁部6の内部に通気路61を形成し、この通気路61に塗布エリアCAから排気される温湿度調整した空気を通流させるようにしているので、高温で処理が行われる加熱ユニットからの放熱をさらに緩和できる。このため隣接するユニット同士の間での熱影響を抑えることができて有効である。この際処理タワーTの壁部6の通気路61内に前記塗布ユニット26からの空気を供給する一方、他方では前記通気路61から空気を排気させているので、前記通気路61では常に温湿度調整された空気が通流していることになり、高い断熱効果を確保することができる。
【0052】
以上において、処理タワーTの標準化とは既述の通りであるが、SOD法では、塗布液の種類が多く、これに対応して処理工程や処理雰囲気などプロセスが異なるので、目的とするプロセスに応じて、加熱ユニットとして低温加熱ユニット27とベークユニット28の両方を設けてもよいし、ベークユニット28のみを設けてもよい。
【0053】
具体的に、上述の商品名「LKD」という塗布液以外の塗布液を用いる場合のプロセスの一例を挙げると、例えば商品名「シルク」という塗布液を用いる場合、先ず温調ユニット25にてウエハの温度を所定温度に調整する→塗布ユニット26にて前記塗布液を塗布する→ベークユニット28にて、約300℃の下、ベーク処理を行うという手順で絶縁膜を形成する。また、商品名「AlCap」という塗布液を用いる場合、先ず温調ユニット25にてウエハの温度を所定温度に調整する→塗布ユニット26にて前記塗布液を塗布する→低温加熱27ユニットにてウエハを所定温度に加熱して加熱処理を行う→ベークユニット28にて、約240℃の下、ベーク処理を行うという手順で絶縁膜を形成する。
【0054】
さらに上述の実施の形態においては、第1の処理タワーT1と第2の処理タワーT2と第3の処理タワーT3と第4の処理タワーT4とにて同じ絶縁膜を形成しても、異なる絶縁膜を形成してもよく、各処理タワーT1〜T4には夫々の絶縁膜を形成するための適切な処理ユニットが配列される。
【0055】
また先ず第1の処理タワーT1で第1の絶縁膜を形成し、次いで第2の処理タワーT2において、この第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を形成し、続いて第3の処理タワーT3において、この第2の絶縁膜の上に第3の絶縁膜を形成し、この後、第4の処理タワーT4において、この第3の絶縁膜の上に第4の絶縁膜を形成することにより、4層の絶縁膜を連続して形成するようにしてもよい。この場合には、先ず第1の処理タワーT1の各処理ユニットに基板搬送手段24より順次ウエハWを搬送して、ウエハWの表面に第1の絶縁膜を形成し、次いで第2の処理タワーT2の各処理ユニットに順次ウエハWを搬送して、ウエハ表面の第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を形成し、さらに第3の処理タワーT3の各処理ユニットに順次ウエハWを搬送して、ウエハWの表面に第3の絶縁膜を形成し、次いで第4の処理タワーT4の各処理ユニットに順次ウエハWを搬送して、ウエハ表面の第3の絶縁膜の上に第4の絶縁膜を形成する。
【0056】
さらにまた4個の処理タワーTの内の2個の処理タワーT、例えば第1の処理タワーT1と第2の処理タワーT2とで第1の絶縁膜を形成し、次いで残りの処理タワーT例えば第3の処理タワーT3と第4の処理タワーT4とにおいて前記第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を形成することにより、2層の絶縁膜を2枚のウエハに形成するようにしてもよい。この場合には、先ず第1の処理タワーT1,第2の処理タワーT2の各処理ユニットに夫々順次ウエハWを搬送して、ウエハWの表面に第1の絶縁膜を形成し、次いで第3の処理タワーT3,第4の処理タワーT4の各処理ユニットに夫々順次ウエハWを搬送して、ウエハ表面の第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を形成する。
【0057】
このようにこの実施の形態の絶縁膜形成装置では、1台の絶縁膜形成装置において、4枚のウエハに1層の絶縁膜を形成する処理と、2枚のウエハに2層の絶縁膜を形成する処理と、1枚のウエハに4層の絶縁膜を形成する処理とを行うことができ、多様な処理に対応することができる。
【0058】
以上において上述の実施の形態では、図13,図14に示すように、各処理タワーT1〜T4に、ウエハの表面に絶縁膜を形成するための最終工程であるキュア処理を行うキュアユニット7をさらに設けるようにしてもよい。この例の処理タワーT1〜T4の加熱温調エリアHAには、処理温度の順番に下段側から上段側に向けて各ユニットが多段に積層され、例えば1個の低温加熱ユニット27、1個のベークユニット28、1個のキュアユニット7がこの順序で下段側から上段側に向けて夫々積層して設けられている。
【0059】
前記キュアユニット7について、図15に基づいて簡単に説明すると、図中71はウエハを加熱するための、例えば200℃〜450℃に設定可能な加熱プレート70を備えた加熱室であり、加熱プレート70は加熱手段をなすヒータ70aにより所定の温度に加熱されるようになっている。この加熱室71には、不活性ガス供給機構72により不活性ガス例えば窒素ガスが供給されるようになっている一方、当該加熱室71の内部雰囲気は図示しない真空ポンプより排気されるようになっている。
【0060】
図中73は加熱室71に隣接して設けられたロードロック室を兼用する温調処理室であって、加熱室71と温調処理室73との間にはウエハの受け渡しを行うための密閉可能なゲートバルブ74が設けられている。この温調処理室73にはウエハを載置してウエハの温度を調整するための例えば20℃〜35℃に設定可能な移送温調プレート75がガイドレール76aに沿って移動機構76bにより加熱室71に対して進退自在に設けられている。このような温調処理室73にも、加熱室71と同様の雰囲気にするために、不活性ガス供給機構72により当該処理室73内に不活性ガス例えば窒素ガスが供給されるようになっている一方、当該処理室73の内部雰囲気は図示しない真空ポンプより排気されるようになっている。
【0061】
このようなキュアユニット7では、先ず加熱室71内に、不活性ガス供給機構72から不活性ガスを供給する一方、加熱室71内の雰囲気を排気することにより、当該加熱室71内を低酸素状態及び所定の減圧状態に設定する。そして温調処理室73のウエハ搬送口73a(図13参照)を介して基板搬送手段24と、昇降機構77aにより昇降可能な昇降ピン77との協働作業により移送温調プレート75に対してウエハを受け渡す。この後温調処理室73に不活性ガス供給機構72から不活性ガスを供給する一方、当該処理室73内の雰囲気を排気することにより、当該処理室73内を加熱室71と同じ低酸素状態及び所定の減圧状態に設定する。
【0062】
しかる後ゲートバルブ74を開き、ウエハを移送温調プレート75により加熱室71内に搬送して、当該ウエハを移送温調プレート75と昇降機構78aより昇降可能な昇降ピン78との協働作業により加熱プレート70上に受け渡す。そして加熱室71内を所定の低酸素状態及び所定の減圧状態にして、加熱プレート70にてウエハを所定温度に加熱して所定のキュア処理を行う。こうしてキュア処理が行われたウエハは、ゲートバルブ74を介して、当該加熱室71内に進入してきた移送温調プレート75に受け渡され、ゲートバルブ74を閉じて、ここで所定の温度に温調される。次いで温調処理室73内を処理ブロックB2内の搬送領域と同じ雰囲気に設定した後、ウエハ搬送口73aを開いて基板搬送手段24にキュア処理後のウエハを受け渡す。
【0063】
このような構成では、4個の処理タワーT1〜T4では、夫々の処理タワーT1〜T4に設けられた各処理ユニットに基板搬送手段24により順次ウエハWを搬送することにより、絶縁膜を形成するための最終処理であるキュア処理も完了するようになっている。なおキュアユニット7に対しては、基板搬送手段24と温調処理室73の移送プレート75との間でウエハの受け渡しが行われるようになっている。
【0064】
このように本実施の形態では、処理タワーT1〜T4に真空雰囲気で処理を行うキュアユニットを設けることができ、レイアウトの自由度が大きい。また処理タワーTにキュアユニット7を設けることで、キュア装置を装置外部に設ける場合に比べてトータルの装置の占有面積を小さくすることができる。さらにベークユニット28とキュアユニット7との間のウエハの搬送距離が短くなるので、搬送スループットを高めることができて有効である。この実施の形態においては、例えば既述の2層の絶縁膜や4層の絶縁膜を形成する場合などに、所定の処理タワーTのみにキュアユニット7を設け、最後にキュア処理を行うようにしてもよい。
【0065】
さらに処理タワーTに設けられる処理ユニットのレイアウトは、既述のように、処理タワーTが標準化される構成であれば、上述の例に限らない。例えば図16に示すように、第1のエリアA1と、第1のエリアA1の下方側の第2のエリアA2と、第2のエリアA2の下方側の第3のエリアA3の3段のエリアから塗布エリアCAを構成し、第1のエリアA1に塗布ユニット26、第2のエリアA2の塗布ユニット26の下方側に排液タンク32を設けると共に、この排液タンク32の側方側にポンプ31を設け、第3のエリアA3に塗布液タンク33を設けるようにしてもよい。
【0066】
この例においても、塗布ユニット26の下方側に排液タンク32が設けられ、塗布ユニット26の排液路は略水平部分がないように排液タンク32に接続されるので、排液路の詰まりが抑えられる。また塗布液タンク33の上方側にポンプ31が設けられているので、供給路41の短縮化が図られ、塗布液の無駄を抑えることができる。
【0067】
また前記塗布ユニット26の下方側に排液タンク33と塗布液タンク32を設け、前記塗布ユニット26の下方側であって、前記塗布液タンク32の側方側にポンプ31を設けるようにしてもよく、この例においても、排液路は略水平部分がないように排液タンク32に接続されるので、排液路の詰まりが抑えられる。また供給路41の短縮化が図られ、塗布液の無駄を抑えることができる。
【0068】
以上において、本発明では上述の例に限らず、処理タワーTは1個以上であればいくつでもよい。また本発明では所定の処理が行われるものであれば、塗布ユニットやキュアユニット、ベークユニットなどは上述の構成に限らない。さらに加熱温調エリアHAのみならず、塗布エリアCAにも壁部6の内部に通気路61を形成し、この通気路61内に温湿度調整された空気を通流させるようにしてもよいし、通気路61内に通流させる空気として塗布ユニット26からの排気を利用するのではなく、別に温湿度調整した空気を通流させるようにしてもよい。また通気路内61に通流される気体や塗布ユニット26に通流される気体は温度のみを調整したものであってもよい。さらに回収部34や配管44、排液部46b等は第1のエリアA1に設けるようにしてもよい。
【0069】
さらにまた本発明はSOD法による低誘電率層間絶縁膜の形成のみならず、SOG(Spin On Glass)膜の形成や、レジスト膜、ポリイミド膜、強誘電体、他の絶縁膜等の形成に適用することができる。ここで前記SOG膜とは、CVDで形成された膜は表面が凹凸状態であるので、これを平坦化するために、前記CVD法により形成された膜の表面に形成されるSiO2膜であり、SOD法と同様に、塗布液をウエハ表面にスピンコートした後、ウエハに対して加熱処理を施すことにより、塗布液に含まれる溶媒などを蒸発させ、膜を硬化させることにより形成される。
【0070】
さらに上述の実施の形態では半導体ウエハを処理する装置について説明したが、FPD(フラットパネルディスプレイ)やマスク等に使用されるガラス基板を処理する装置についても本発明は適用可能である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、一の絶縁膜を形成するための処理ユニットが一の処理タワー内に集約して設けられるので、装置の占有面積を小さくすることができる。また塗布ユニットと、排液路と、排液タンクと、塗布液タンクと、ポンプとの位置の最適化を図ったので、排液路の詰まりや塗布液の無駄が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる絶縁膜形成装置の一実施の形態の全体構成を示す平面図である。
【図2】前記絶縁膜形成装置の全体構成を示す概略斜視図である。
【図3】前記絶縁膜形成装置に設けられる処理タワーとキャリアブロックとを示す側部断面図である。
【図4】前記キャリアブロックと前記処理タワーとの間の基板の搬送経路を示す側面図である。
【図5】前記処理タワーの塗布エリアを示す断面図である。
【図6】塗布ユニットに設けられるダミーディスペンスポートを示す断面図である。
【図7】塗布ユニットに設けられるソルベントバスを示す断面図である。
【図8】前記処理タワーに設けられる断熱機構を示す断面図である。
【図9】前記絶縁膜形成装置に設けられる低温加熱ユニットを示す断面図である。
【図10】前記絶縁膜形成装置に設けられるベークユニットを示す断面図である。
【図11】前記絶縁膜形成装置に設けられる基板搬送手段を示す断面図である。
【図12】前記絶縁膜形成装置に設けられる処理タワーを示す斜視図である。
【図13】本発明の絶縁膜形成装置の他の例を示す平面図である。
【図14】図13に示す絶縁膜形成装置に設けられる処理タワーを示す側面図である。
【図15】図13に示す絶縁膜形成装置に設けられるキュアユニットを示す側部断面図である。
【図16】絶縁膜形成装置に設けられる処理タワーのさらに他の例を示す側面図である。
【図17】 従来のSOD法による塗布膜形成システムを示す平面図である。
【図18】従来の塗布膜形成システムに設けられる塗布ユニットを示す側面図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
T1〜T4 処理タワー
C キャリア
B1 キャリアブロック
B2 処理ブロック
CA 塗布エリア
HA 加熱温調エリア
21 キャリア載置部
22 受け渡し手段
23 受け渡しステージ
24 基板搬送手段
25 温調ユニット
26 塗布ユニット
27 低温加熱ユニット
28 ベークユニット
31 ポンプ
32 塗布液タンク
33 排液タンク
34 回収部
35 スピンチャック
36 カップ
37 ドレイン管
4 供給ノズル
6 壁部
61 通気路
7 キュアユニット

Claims (6)

  1. 絶縁膜の形成材料を含む塗布液を基板に塗布するための塗布ユニットと、前記塗布液を塗布する前の基板を所定の温度に調整するための温調ユニットと、前記塗布液を塗布した基板を加熱するための加熱ユニットと、を含む複数の処理ユニットを、前記塗布ユニット、温調ユニット、加熱ユニットの順序で下段側から上段側に向かって互いに積層して構成した処理タワーと、
    前記塗布ユニットの下方側に設けられ、前記塗布ユニットから排出された排液を貯留するための排液タンクと、
    外部から基板を搬入するための基板搬入部と、
    基板搬入部と前記処理タワーの各処理ユニットとの間で基板を搬送するための基板搬送手段と、
    前記塗布ユニットの下方側に設けられ、塗布液を貯留するための塗布液タンクと、
    前記塗布ユニットの下方側または側方側に、前記塗布液タンクから供給ノズルに塗布液を供給するためのポンプと、
    を備え、
    前記塗布ユニットは、基板を略水平に保持する基板保持部と、基板に塗布液を供給するノズルと、塗布液の飛散を抑えるために基板保持部に保持された基板の側方の周囲を囲むカップと、このカップに上端側が接続されると共に下端側が前記排液タンクと水平部分が存在しないように接続された排液路と、を有し、
    前記処理タワーは複数の処理ユニットの各々の周囲を壁部にて区画するように設けられ、少なくとも温調ユニットと加熱ユニットとが設けられている領域の壁部の内部には通気路が形成され、当該通気路に断熱用の気体を通流させることにより、各処理ユニット同士の間を断熱するように構成されていることを特徴とする絶縁膜形成装置。
  2. 前記排液路は略垂直になるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の絶縁膜形成装置。
  3. 前記塗布ユニットの内部に、温度が調整された空気を通流させて当該塗布ユニット内の温度を調整し、この塗布ユニットから排気された温度が調整された空気を前記処理タワーの通気路に通流させることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁膜形成装置。
  4. 前記加熱ユニットにて所定の加熱処理が行われて絶縁膜が形成された基板を加熱して、前記絶縁膜の硬化処理を行うキュアユニットを更に備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の絶縁膜形成装置。
  5. 前記キュアユニットは、処理タワーの少なくとも1つの、前記加熱ユニットの上方側に設けられていることを特徴とする請求項4記載の絶縁膜形成装置。
  6. 前記一の処理タワー内の複数の処理ユニットにより基板に対して一連の処理を順次行うことにより、当該基板に一の絶縁膜が形成されることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の絶縁膜形成装置。
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