JP4030752B2 - 二層管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端部に配管接続用の受け口を備える内管と、その内管の周囲を覆う外管とから構成される二層管の伸縮対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の二層管の一例が図8に示されている。この二層管は、集合住宅における排水経路に使用される耐火構造の継手管50であり、硬質塩化ビニル製の内管51を備えている。内管51の上部には、排水管継手の下部配管(図示されていない)が挿入される上受け口51wが拡開状態で形成されている。また、内管51の下部には、立て管の上端(図示されていない)が挿入される下受け口51dが同じく拡開状態で形成されている。
内管51の周囲は、耐火性の外管53によって覆われている。外管53は、不燃材をモルタルで固めて成形したものであり、一般的にその内管51を型(図示されていない)内にセットした状態でその型内にモルタル等を流し込むことにより成形される。このため、内管51の外周面に形成された段部d1,d2には外管の内周面に形成された段部n1,n2が接触している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した継手管50の内管51は硬質塩化ビニル製であるため熱膨張率が大きい。これに対して、内管51を覆う外管53は不燃材をモルタルで固めて成形したものであるため、内管51と比較して熱膨張率が小さい。このため、温度変化により内管51が外管53に対して伸縮しようとするが、内管51の外周面の段部d1,d2が外管53の内周面の段部n1,n2に接触しているため、その内管51の伸縮が妨げられる。即ち、内管51の伸縮を吸収する部分が存在しないため、内管51と外管53との間に無理な力が働き、経時的に内管51に傷が付いたり、外管53のモルタルにヒビが入ることがある。
【0004】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、温度変化に起因した内管と外管との伸縮差を吸収できるようにし、内管及び外管の損傷を防止することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、端部に配管接続用の受け口を備える内管と、その内管の周囲を覆う外管とを備え、前記内管と前記外管とが熱膨張率の異なる材料で成形されている二層管であって、前記内管は、直管部と前記受け口の本体部との間にその受け口側で拡開する境界拡開部と、前記受け口の本体部と前記受け口の先端の大径部との間にその大径部側で拡開する先端拡開部とを備えており、前記外管は、前記内管の境界拡開部、受け口の本体部を覆う受け口被覆部と、その受け口被覆部の先端部から前記内管の受け口の大径部を覆う耐火カバーとを備えており、前記耐火カバーは、円筒部で前記受け口被覆部の先端部及び前記内管の受け口の大径部を覆う構成で、その円筒部の先端に半径方向内側に突出する内鍔部を備え、その内鍔部により前記受け口の大径部に装着されたシール材の周縁部を覆う構成であり、前記耐火カバーは前記受け口の大径部に接続されて、前記外管の受け口被覆部に対して軸方向に変位可能な状態に保持されている。
【0006】
本発明によると、内管の受け口の大径部に接続された耐火カバーは、外管の受け口被覆部に対して軸方向に変位可能な状態に保持されている。このため、内管が外管の受け口被覆部に対して温度変化により伸縮しても、耐火カバーが外管の受け口被覆部に対して軸方向に変位することで、内管の伸縮分を吸収できる。したがって、内管と外管との熱膨張率が異なっていても、内管及び外管の損傷を防止できる。
ここで、耐火カバーは、受け口(内管)の先端部のみを覆う構造のため、内管との接触面積が小さく、内管の伸縮による影響をほとんど受けない。
なお、外管の受け口被覆部に対する受け口の半径方向の伸縮は軸方向の伸縮と比べて非常に小さいため、ほとんど無視できる。
【0007】
請求項2の発明によると、耐火カバーの円筒部に覆われている部分であって、内管の先端拡開部と外管の受け口被覆部の端面との間には空間が形成されている。
このため、内管が空間のスペース分だけ外管の受け口被覆部に対して軸方向に相対変位可能になる。
請求項3の発明によると、外管は、内管の直管部を覆う直管被覆部を備え、その直管被覆部の先端部が前記内管の受け口の本体部を覆う受け口被覆部よって覆われる構成であり、前記受け口被覆部に覆われている部分であって、前記内管の境界拡開部と前記外管の直管被覆部の端面との間には空間が形成されている。
このため、内管が空間のスペース分だけ外管の直管被覆部に対して軸方向に相対変位可能になる。
【0008】
請求項4の発明によると、内管は、直管部の両側に受け口を備えており、前記受け口の片方は、挿し込まれた配管が接着により固定される構成である。
請求項5の発明によると、内管の先端拡開部と外管の受け口被覆部間の空間、及び前記内管の境界拡開部と前記外管の直管被覆部間の空間には、潰れ易い素材が介在していることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図6に基づいて本発明の実施形態1に係る二層管の説明を行う。本実施形態に係る二層管はマンション等の集合住宅における排水経路で使用される継手管であり、図1にその継手管の縦断面図及び外形図等が示されている。また、図2は継手管の上受け口部の拡大縦断面図であり、図3は継手管の使用状態を表す側面図である。
【0010】
継手管10は耐火構造の二層管であり、例えば硬質塩化ビニル製の内管11を備えている。内管11は、図1(A)に示すように、直管部12と、その直管部12の上端に形成された上受け口13と、前記直管部12の下端に形成された下受け口14とから構成されている。そして、内管11の上受け口13に後記する排水管継手70(図3参照)の下部配管71が挿入され、内管11の下受け口14に後記する立て管80の内管上端部81が挿入される。
【0011】
内管11の直管部12と上受け口13との間にはその上受け口13側で拡開するテーパ状の境界拡開部13wが形成されており、その境界拡開部13wの上に上受け口13の本体部13pが形成されている。また、上受け口13の本体部13pの上には先端側で拡開するテーパ状の先端拡開部13rが形成されており、その先端拡開部13rの上に上受け口13の大径部13sが形成されている。
また、内管11の直管部12と下受け口14との間にはリング状境界部14wが形成されており、そのリング状境界部14wの下方に下受け口14の本体部14pが形成されている。
なお、下受け口14の構造は、図6(A),(B)に示すように、二体構造であっても良い。
【0012】
内管11の下受け口14、直管部12及び上受け口13の本体部13pの周囲は、厚肉の主外管40によって覆われている。主外管40は、不燃材及び繊維等をモルタルで固めて成形した管であり、内管11の下受け口14を覆う下受け口被覆部46、内管11の直管部12を覆う直管被覆部42及び内管11の上受け口13の本体部13pを覆う上受け口被覆部44とから構成されている。ここで、主外管40の上受け口被覆部44の外径寸法は、内管11の大径部13sの外径寸法とほぼ等しい値に設定されている。また、上受け口被覆部44の上端面44uは内管11の先端拡開部13rから軸方向(下方)に所定寸法だけ離れている。
【0013】
主外管40の直管被覆部42の上端面42u(上部段差42u)は、図1(B)に示すように、内管11の境界拡開部13wから軸方向(下方)に所定寸法だけ離れており、その上部段差42uと境界拡開部13wの外周面及び上受け口被覆部44の内周面44eとによって空間S1がリング状に画成される。なお、図1(B)中の図番42tは、空間S1を形成する際に使用されるビニルテープ等である。
【0014】
また、主外管40の直管被覆部42の下端面42d(下部段差42d)は、図1(C)に示すように、内管11のリング状境界部14wから軸方向(上方)に所定寸法だけ離れており、その下部段差42dとリング状境界部14wの上面及び下受け口被覆部46の内周面46eとによって空間S2がリング状に画成される。
【0015】
前述のように、主外管40は不燃材及び繊維等をモルタルで固めて成形したものであり、熱膨張率は小さい。これに対して、内管11は硬質塩化ビニル製であるため、主外管40に比べて熱膨張率は大きい。このため、温度変化により、内管11は主外管40に対して軸方向に伸縮する。しかし、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13w及びリング状境界部14wは主外管40の上端面44u、上部段差42u及び下部段差42dとそれぞれ軸方向に離隔している。このため、内管11が主外管40に対して軸方向に伸縮しても、その内管11の軸方向における伸縮分が後記するように空間S1,S2等で吸収される。なお、主外管40に対する内管11の半径方向の伸縮は軸方向の伸縮と比べて非常に小さいため、ほとんど無視できる。
【0016】
次に、内管11の周囲を主外管40で覆う手順を簡単に説明する。
先ず、内管11の直管部12が直管被覆部成形用の型(図示されていない)内にセットされ、その型内に不燃材及び繊維等を含むモルタルが流し込まれて、主外管40の直管被覆部42が成形される。次に、直管被覆部42の上部から内管11の上受け口13の本体部13pまで、その内管11の境界拡開部13wを跨いで例えばビニルテープ42tが巻かれる。これによって、内管11の境界拡開部13wと直管被覆部42の上部段差42uとの間であって、ビニルテープ42tの内側には空間S1が形成される(図1(B)参照)。
【0017】
同様に、直管被覆部42の下部から内管11の下受け口14の本体部14pまでビニルテープ42tが巻かれる。これによって、内管11のリング状境界部14wと直管被覆部42の下部段差42dとの間であって、ビニルテープ42tの内側には空間S2が形成される(図1(C)参照)。
次に、内管11が受け口被覆部成形用の型(図示されていない)内にセットされ、その型内に前記モルタルが流し込まれて、上受け口被覆部44及び下受け口被覆部46が成形される。なお、ビニルテープ42tの働きで空間S1,S2内にモルタルが入り込むことはない。
【0018】
ここで、上受け口被覆部44及び下受け口被覆部46を予め筒状に成形しておき、その上受け口被覆部44及び下受け口被覆部46を軸方向から内管11の上受け口13及び下受け口14にそれぞれ覆せるようにしても良い。このようにすれば、ビニルテープ42t等を巻く作業が省略できる。
【0019】
内管11の上受け口13における先端拡開部13r、大径部13s及び本体部13pの上部は、前述のように、主外管40から突出しており、その内管11の上受け口13にシール材20が装着される。シール材20は、上受け口13と排水管継手70の下部配管71との間をシールする部材であり、例えば、ゴムによりリング状に形成されている。図1(A)、図2に示すように、シール材20の外周側には、上受け口13に嵌め込まれる被保持部21が形成されている。また、シール材20の内周側には、上受け口13と排水管継手70の下部配管71との間とのシールに使用されるシール本体部22が形成されている。
【0020】
シール材20の被保持部21は縦断面形状が略逆L字形に形成されており、その被保持部21の外周下側に、図2に示すように、下面21dと縦面21tとが直角に形成されている。そして、被保持部21の下面21dが上受け口13の先端面13fに面接触し、その被保持部21の縦面21tが上受け口13の大径部13sの内壁面に面接触することで、シール材20は上受け口13に対して一定の位置関係に保持される。
【0021】
また、シール材20の被保持部21における縦面21tの幅寸法(図2では高さ寸法)は上受け口13の大径部13sの軸方向における長さ寸法とほぼ等しく設定されている。このため、被保持部21は上受け口13の先端拡開部13rによって下方から支持される。さらにその被保持部21の縦面21tには上受け口13との間のシール性を考慮して円周方向に溝21mが形成されている。
シール材20は、被保持部21の下面21d及び縦面21tが接着剤により上受け口13の先端面13f及び上受け口13の大径部13sの内壁面に接着されることで、その上受け口13に固定される。
【0022】
シール材20のシール本体部22は縦断面形状が略楔形をしており、上受け口13の奥側に傾斜した状態で形成されている。シール本体部22は楔状の先端部分が上受け口13の本体部13pの内壁面よりも半径方向内側に位置している。このため、排水管継手70の下部配管71が上受け口13に挿入される際に、その下部配管71の先端がシール本体部22の先端部分に当接する。そして、下部配管71が上受け口13に押込まれる際に、その下部配管71に押されてシール本体部22の先端部分が下方に移動しながら半径方向外側に弾性変形し、下部配管71と上受け口13との間がシールされる。
【0023】
上受け口13の先端には耐火カバー30が覆せられる。
耐火カバー30は、シール材20を上受け口13に保持するとともに、シール材20及びその上受け口13を火災から守るためのカバーであり、図1、図2等に示すように、円筒部32と内鍔部34とによって、縦断面形状が略逆L字形に形成されている。
【0024】
耐火カバー30の円筒部32の内径寸法は、上受け口13の製作精度を考慮してその上受け口13の大径部13sの外径寸法よりも約3mm程度大きい値に設定されている。このため、耐火カバー30が上受け口13に覆せられた状態で、その耐火カバー30の内周面と上受け口13の大径部13sの外周面との間には隙間が形成される。また、耐火カバー30の円筒部32の長さ寸法は、上受け口13の本体部13pの中央部分までを覆える寸法に設定されている。このため、主外管40の上受け口被覆部44の上部が耐火カバー30の円筒部32によって覆われるとともに、その耐火カバー30の内周面と上受け口被覆部44の外周面との間に隙間Tが形成される(図2参照)。さらに、耐火カバー30の円筒部32の内側であって、上受け口被覆部44の上端面44uと内管11の先端拡開部13rとの間には、空間SS1がリング状に形成される。
【0025】
内鍔部34は、円筒部32の先端から半径方向内側に突出することによりリング状に形成されている。内鍔部34は、縦断面形状が略凸円弧形に若干湾曲した状態で形成されており、その内鍔部34の幅寸法(突出寸法)がシール材20の被保持部21を覆える寸法に設定されている。このため、上受け口13の先端に耐火カバー30が覆せられた状態で、シール材20の被保持部21が断面略凸円弧形の内鍔部34と上受け口13の先端面13fとの間に挟まれる。
【0026】
耐火カバー30は、内鍔部34の内側がシール材20の被保持部21に接着されることにより、上受け口13に接続される。
ここで、シール材20の被保持部21の上面形状を内鍔部34の形状に合わせて断面略凸円弧形に成形し、両者21,34を接着しても良いし、シール材20と耐火カバー30とを一体に成形しても良い。
なお、火災時の上受け口13の加熱を防止するため、その上受け口13の外周に、例えば、セラミック繊維等の耐火性の材料、あるいはそれ以外の材料で耐火性、かつ断熱効果の高い材料を若干巻いた上で、耐火カバー30を覆せても良い。また、耐火カバー30は外周に複数箇所切込みを設けたものでも良い。
【0027】
耐火カバー30は、例えば肉厚0.6mm以上のステンレス板をプレス成形することにより形成される。また、ステンレス板以外に、例えば、厚み寸法0.6mm以上の塗装鋼板、メッキ鋼板、制振鋼板あるいはアルミ合金板等を使用することも可能である。さらに、セラミック、あるいはセラミックを蒸着させたカーボン繊維等を含む材料を使用することも可能である。即ち、耐火カバー30の材料としては、可燃性でなく、かつシール材20を上受け口13に保持できる強度、弾力性あるいは靭性を有する材料であれば、如何なる材料でも使用可能である。
このように上記した耐火カバー30が本発明の第一の外管に相当する。
ここで、耐火カバー30に覆われた継手管10の上受け口13を、以後、上受け口部Mと呼ぶ。
【0028】
次に、図3(A)に基づいて、上記した継手管10を利用して排水経路を施工する手順を説明する。
先ず、A階(下階)に使用される立て管80の内管上端部81を継手管10の下受け口14に挿入し、接着することで、立て管80と継手管10とを接続する。なお、立て管80は、継手管10とほぼ同じ材質、同じ呼び径の耐火二層管であり、直管部のみから構成されている。
【0029】
次に、継手管10の上受け口部MをB階(上階)のコンクリートスラブSBの貫通孔SBh内に挿入し、上昇させながらその継手管10及び立て管80を直立させる。次に、継手管10及び立て管80を真っ直ぐ降ろし、その立て管80の下端(図示されていない)をA階の排水管継手(図示されていない)の上部受け口に挿入する。これによって、立て管80の下端がA階の排水管継手に接続される。
【0030】
この状態で、継手管10の上受け口部Mの上端、即ち、耐火カバー30の内鍔部34が、図1、図3(A)に示すように、B階のコンクリートスラブSBの上面とほぼ等しい高さ位置になる。ここで、立て管80の長さ寸法は、例えばA階の排水管継手の高さ位置とB階のコンクリートスラブSBの上面の高さ位置とに合わせて予め調整されている。
なお、横枝管75のレベルによって継手管10の上受け口部Mを、図3(B)に示すように、コンクリートスラブSBの上面から突出させることも可能である。
【0031】
次に、B階の排水管継手70の下部配管71を継手管10の上受け口13に挿入する。前述のように、継手管10の上受け口13に設けられたシール材20は、その被保持部21が耐火カバー30の内鍔部34に押えられた状態で上受け口13の先端面13f等に接着されている。このため、仮に排水管継手70の下部配管71の先端がシール材20に引っ掛かったとしても、その下部配管71の挿入過程でシール材20が上受け口13から外れることがない。
【0032】
また、上受け口13の先端面13fがシール材20の被保持部21と耐火カバー30とによって覆われているため、耐火カバー30と緩衝材としてのシール材20との相乗効果により上受け口13が破損し難くなる。このため、排水管継手70の下部配管71の端面が上受け口部Mに衝突しても、上受け口部Mが破損するような不都合がない。
【0033】
B階の排水管継手70の下部配管71を継手管10の上受け口13に挿入することにより、排水管継手70の下部配管71と継手管10の上受け口13との間はシール材20によってシールされる。この状態で、コンクリートスラブSBの貫通孔SBhがモルタル(図示されていない)で埋め戻され、継手管10の上受け口部M及びその近傍がコンクリートスラブSBに固定される。
以後、同様の作業が繰り返されることで、さらに上階の立て管80及び継手管10が順次接続される。
【0034】
図3(A)に示すように、継手管10の上受け口部Mが貫通孔SBhに収納されている状態では、その継手管10の耐火カバー30及び主外管40は埋め戻し用のモルタルによってコンクリートスラブSBに固定されている。この状態で、温度変化により内管11が主外管40に対して膨張すると、図1に示すように、内管11の先端面13fが耐火カバー30等によって押えられるため、その内管11は下方に伸びる。即ち、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13w及びリング状境界部14wとは下方に変位する。このため、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13wは主外管40の上端面44u、上部段差42uにそれぞれ接近するが、空間SS1,S1の存在により、その境界拡開部13wが上部段差42uに当接することはない。また、内管11のリング状境界部14wは下方に変位することで主外管40の下部段差42dから離れる。即ち、内管11の膨張は空間SS1,S1によって吸収される。
【0035】
逆に、温度変化で内管11が主外管40に対して収縮すると、内管11は上下方向にほぼ等しく縮む。即ち、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13wは下方に、またリング状境界部14wは上方に変位する。このため、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13w及びリング状境界部14wは共に主外管40の上端面44u、上部段差42u及び下部段差42dにそれぞれ接近するが、空間SS1,S1,S2の存在により、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13w及びリング状境界部14wと主外管40の上端面44u、上部段差42u及び下部段差42dとが当接することはない。即ち、内管11の収縮は空間SS1,S1,S2によって吸収される。
【0036】
図3(B)に示すように、継手管10の上受け口部MがコンクリートスラブSBの上面から突出している状態では、継手管10の主外管40のみが埋め戻し用のモルタルを介してコンクリートスラブSBに固定されており、耐火カバー30は上下に変位可能となる。このため、温度変化により内管11が主外管40に対して膨張すると、内管11は上下方向にほぼ等しく伸びるようになる。即ち、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13wは上方に変位し、リング状境界部14wは下方に変位する。このため、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13w及びリング状境界部14wは共に主外管40の上端面44u、上部段差42u及び下部段差42dからそれぞれ離れるようになる。
また、内管11が伸びることにより、耐火カバー30も上方に変位するが、耐火カバー30と主外管40との間には隙間Tが設けられているため、耐火カバー30の動きが主外管40によって妨げられることがない。
【0037】
温度変化により内管11が主外管40に対して収縮すると、前述のように、内管11は上下方向にほぼ等しく収縮し、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13wは下方に、またリング状境界部14wは上方に変位する。しかし、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13wが下方、リング状境界部14wが上方に変位しても、空間SS1,S1,S2の存在により、内管11の先端拡開部13r、境界拡開部13w及びリング状境界部14wが主外管40の上端面44u、上部段差42u及び下部段差42dにがそれぞれ当接することはない。即ち、内管11の収縮は空間SS1,S1,S2によって吸収される。
さらに、内管11の収縮に伴って、耐火カバー30も下方に変位するが、耐火カバー30と主外管40との間には隙間Tが設けられているため、耐火カバー30の動きが主外管40によって妨げられることがない。
【0038】
このように、上記した継手管10では主外管40に対して内管11が軸方向に変位可能に保持されているため、温度変化に起因する内管11と主外管40との伸縮差を吸収でき、内管11及び主外管40の損傷を防止できる。
また、耐火カバー30が主外管40に対して軸方向に変位可能に保持されているため、耐火カバー30と主外管40との熱膨張率が異なっていても、両者30,40間の温度変化に起因した伸縮差を吸収できる。
なお、主外管40に対する内管11の半径方向の伸縮は軸方向の伸縮と比べて非常に小さいため、ほとんど無視できる。
【0039】
また、本実施形態では、本発明を継手管10に使用する例を示したが、図4に示すように、立て管80に応用することも可能である。立て管80は、上端部分に継手管10の上受け口部Mと等しい構造の受け口部Mを備えており、下端部分は直管状に形成されている。さらに、立て管80の下端部では、内管11の直管部12が主外管40から所定寸法だけ軸方向に突出している。そして、主外管40から突出した内管11の直管部12が、図5(B)に示すように、排水管継手70の後記する伸縮継手90に挿入されることにより、両者80,90が接続される。
【0040】
図5(A)は、本発明を伸縮継手90に応用した例を表している。
伸縮継手90は、図5(B)に示すように、排水管継手70の上受け口73と立て管80との間、あるいは排水管継手70の横枝管受け口74と横枝管75との間に取付けられる継手であり、立て管80あるいは横枝管75の軸方向の伸縮を吸収できるように構成されている。
【0041】
伸縮継手90は、継手管10の上受け口部Mと等しい構造の受け口部Mを備えており、内管11の直管部12が排水管継手70の上受け口73あるいは横枝管受け口74に挿入された状態で、それらの受け口73,74に接着される。さらに、伸縮継手90の受け口部Mには、立て管80の内管あるいは横枝管75の内管が軸方向に変位可能な状態で挿入される。これによって、立て管80あるいは横枝管75の軸方向の伸縮を吸収できるようになる。
なお、伸縮継手90を排水管継手70の横枝管受け口74等に取付ける場合には、スラブ上面Su(図5(B)参照)との接触によって発生するキシミ音防止のため、受け口部Mの耐火カバー30の外周を、例えば、炭素繊維やセラミック繊維で巻いて養生しても良い。勿論、耐火カバー30自体を、例えば、セラミック等、所定の耐火性、弾力性、強度等を有する材料で成形しても良い。
【0042】
また、本実施形態に係る継手管10等では、内管11と主外管40との間に空間S1,S2を形成する際に、ビニルテープ42t等を使用する例を示したが、空間S1,S2内にモルタルの流入を防げるものであれば、特にビニルテープ42tでなくても良い。例えば、防水処理を施した紙テープや布テープ等を使用することも可能である。
また、ナフタリン等の昇華性の物質を空間S1,S2とほぼ等しい形状に成形し、その物質を内管11の外周に装着した後、内管11を主外管成形用の型にセットし、モルタルを流し込んで主外管40を成形しても良い。このようにすれば、主外管40の成形後、その物質(ナフタリン等)が昇華することにより、内管11と主外管40の直管被覆部42、上受け口被覆部44及び下受け口被覆部46との間に空間S1,S2が形成される。
【0043】
また、本実施形態では、空間S1,S2によって、温度変化に起因した内管11と主外管40との伸縮差を吸収するようにしたが、空間S1,S2の代わりに、例えば、発泡スチロールやゴム風船等の潰れ易い素材を内管11と主外管40との間に介在させても良い。
【0044】
また、本実施形態では、図1(C)に示すように、主外管40の直管被覆部42の下部周囲を下受け口被覆部46の上部で覆って空間S2を形成する例を示したが、図6(A)(B)に示すような構成にすることも可能である。即ち、主外管40の直管被覆部42の下端面42dと下受け口被覆部46の上端面46uとを軸方向に離隔させ、その下受け口被覆部46の上端面46uを内管11に接続されたソケットの下受け口14の上部段差14uとほぼ一致させるようにしても良い。
【0045】
この場合、図6(A)に示すように、直管被覆部42の下端面42dと下受け口被覆部46の上端面46u等との間に伸縮性の耐火目地Cを挟み、その周囲を耐火テープ48で巻いても良い。また、図6(B)に示すように、直管被覆部42の下部から下受け口被覆部46の上部まで耐火テープ48を巻いて、その耐火テープ48の内側に空間S2を形成しても良い。なお、伸縮性の耐火目地Cを使用する場合には特に耐火テープ48を巻かなくても良い。
【0046】
また、図7に示すように、立て管80を製造する場合、主外管40を型(図示されていない)で予め筒状に成形しておき、その主外管40を内管11に対して直管部12の方向から覆せるようにしても良い。この場合、上受け口13の先端拡開部13rと主外管40の上端面44uとの間に、例えば、発泡スチロールやゴム風船等のスペーサ44zを介在させることにより、内管11の境界拡開部13wと主外管40の上部段差42uとの間に所定寸法の伸縮吸収空間S1を形成することができる。
また、配管施工時に、主外管40が不都合に移動しないように、主外管40を耐火カバー30にテープ等で止めても良い。
【0047】
また、本実施形態では、継手管10、立て管80及び伸縮継手90等に本発明を適用する例を示したが、エルボー継手等の排水経路に本発明を適用することも可能である。勿論、排水用管継手の横枝管受け口にも利用可能である。
また、本実施形態では、上受け口13にシール材20の被保持部21を接着し、そのシール材20の被保持部21に耐火カバー30の内鍔部34を接着することで、その耐火カバー30を上受け口13に接続する例を示したが、抜け止め用の金具等(爪等)を使用して耐火カバー30を上受け口13に接続することも可能である。
また、耐火カバー30でシール材20の被保持部21を覆う構成のため、継手管10等の受け口部Mが屋外に設置された場合にも、紫外線等によるシール材20の劣化を抑制できる。
【0048】
また、本実施形態では、耐火構造の二層管を例に説明を行ったが、耐火構造の二層管以外にも、例えば、金属製やポリブデン製の内管に防音用、防露用等の外管を備える二層管に本発明を適用することも可能である。
また、従来、受け口付き耐火二層管の外管の受け口上端外周(角)の部分が作業中等に欠損し易いという問題があったが、本願の上部受け口部Mによってその問題を解決することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によると、内管と外管との熱膨張率が異なっていても、温度変化に起因する内管と外管との伸縮差を吸収でき、内管及び外管の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る継手管の縦断面図及び外形図(A図)、及びA図の部分拡大図(B図、C図)である。
【図2】継手管の上受け口部の拡大縦断面図である。
【図3】継手管の使用状態を表す側面図(A図、B図)である。
【図4】立て管の縦断面図及び外形図である。
【図5】伸縮継手の縦断面図及び外形図(A図)、及び伸縮継手の使用状態を表す側面図(B図)である。
【図6】継手管の下受け口の変更例を表す拡大縦断面図(A図、B図)である。
【図7】立て管の変更例を表す縦断面図及び外形図である。
【図8】従来の継手管の縦断面図である。
【符号の説明】
SS1 空間
S1 空間
S2 空間
10 継手管(二層管)
11 内管
13 上受け口
13r 先端拡開部(段部)
13w 境界拡開部(段部)
14 下受け口
14w リング状境界部(段部)
20 シール材
30 耐火カバー(第一の外管)
32 円筒部
34 内鍔部
40 主外管(第二の外管)
42 直管被覆部
42u 上部段差(段部)
42d 下部段差(段部)
44 上受け口被覆部
44u 上端面(段部)
46 下受け口被覆部
80 立て管(二層管)
90 伸縮継手(二層管)

Claims (5)

  1. 端部に配管接続用の受け口を備える内管と、その内管の周囲を覆う外管とを備え、前記内管と前記外管とが熱膨張率の異なる材料で成形されている二層管であって、
    前記内管は、直管部と前記受け口の本体部との間にその受け口側で拡開する境界拡開部と、前記受け口の本体部と前記受け口の先端の大径部との間にその大径部側で拡開する先端拡開部とを備えており、
    前記外管は、前記内管の境界拡開部、受け口の本体部を覆う受け口被覆部と、その受け口被覆部の先端部から前記内管の受け口の大径部を覆う耐火カバーとを備えており、
    前記耐火カバーは、円筒部で前記受け口被覆部の先端部及び前記内管の受け口の大径部を覆う構成で、その円筒部の先端に半径方向内側に突出する内鍔部を備え、その内鍔部により前記受け口の大径部に装着されたシール材の周縁部を覆う構成であり、
    前記耐火カバーは前記受け口の大径部に接続されて、前記外管の受け口被覆部に対して軸方向に変位可能な状態に保持されていることを特徴とする二層管。
  2. 請求項1記載の二層管であって、
    前記耐火カバーの円筒部に覆われている部分であって、前記内管の先端拡開部と外管の受け口被覆部の端面との間には空間が形成されていることを特徴とする二層管。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の二層管であって、
    前記外管は、前記内管の直管部を覆う直管被覆部を備え、その直管被覆部の先端部が前記内管の受け口の本体部を覆う受け口被覆部よって覆われる構成であり、
    前記受け口被覆部に覆われている部分であって、前記内管の境界拡開部と前記外管の直管被覆部の端面との間には空間が形成されていることを特徴とする二層管。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の二層管であって、
    前記内管は、直管部の両側に受け口を備えており、
    前記受け口の片方は、挿し込まれた配管が接着により固定される構成であることを特徴とする二層管。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の二層管であって、
    前記内管の先端拡開部と外管の受け口被覆部間の空間、及び前記内管の境界拡開部と前記外管の直管被覆部間の空間には、潰れ易い素材が介在していることを特徴とする二層管。
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