JP2004257523A - 耐火二層管 - Google Patents
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Abstract
【課題】火災時に耐火二層管内に充満する煙が外部に漏れ出ないようにする。
【解決手段】本発明に係る耐火二層管10は、配管が挿入される受け口13を端部に備える内管11と、その内管11の周囲を覆う耐火性の外管50とを備える耐火二層管10であって、受け口13の先端部には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する煙漏出防止部材30が装着されており、煙漏出防止部材30は、受け口13の先端面13fとその受け口13に挿入される配管の被覆用外管の端面との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と受け口13の周囲を覆う外管50との間をシール可能な構成である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る耐火二層管10は、配管が挿入される受け口13を端部に備える内管11と、その内管11の周囲を覆う耐火性の外管50とを備える耐火二層管10であって、受け口13の先端部には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する煙漏出防止部材30が装着されており、煙漏出防止部材30は、受け口13の先端面13fとその受け口13に挿入される配管の被覆用外管の端面との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と受け口13の周囲を覆う外管50との間をシール可能な構成である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管が挿入される受け口を端部に備える内管と、その内管の周囲を覆う耐火性の外管とを備える耐火二層管に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンション等の集合住宅における排水経路の立て管に使用される耐火二層管150は、一般的に、図3に示すように、硬質塩化ビニル製の内管151を備えており、その内管151の上部に受け口151wが形成されている。内管151の直管部の周囲は、不燃材をモルタルで固めて成形した耐火性の直管部外管152によって覆われており、その内管151の受け口151wの周囲及び直管部外管152の上端が同じく不燃材をモルタルで固めて成形した受け口部外管153によって覆われている(特許文献1参照)。
下側の耐火二層管150の受け口151wには、上側の耐火二層管250の内管252(二点鎖線参照)が挿入されることで、上下の耐火二層管150,250の接続が行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−187985号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した耐火二層管150,250の接続構造は、排水の漏れ防止を目的としており、火災時における煙の漏出防止対策についてはほとんど考慮されていない。このため、火災の熱で耐火二層管150,250内のシール材160等が燃焼して煙りが発生すると、その煙が内管251と受け口151wとの隙間を通過し、さらに直管部外管252と受け口部外管153との隙間Sから外部に漏れ出る恐れがある。
【0005】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、火災が発生しても、耐火二層管内の煙が外部に漏れ出ないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、配管が挿入される受け口を端部に備える内管と、その内管の周囲を覆う耐火性の外管とを備える耐火二層管であって、前記受け口の先端部には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する煙漏出防止部材が装着されており、前記煙漏出防止部材は、前記受け口の先端面とその受け口に挿入される配管の被覆用外管との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と前記受け口の周囲を覆う前記外管との間をシール可能な構成であることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、煙漏出防止部材は、耐火性、非通気性かつ弾力性を有しており、受け口の先端面とその受け口に挿入される配管の被覆用外管の端面との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と受け口の周囲を覆う前記外管との間をシールする。即ち、一方の耐火二層管の外管と他方の耐火二層管の外管との突き合わせ部分が煙漏出防止部材によってシールされるようになる。このため、火災時に耐火二層管内に煙が充満してもその煙がほとんど外部に漏れ出ることがない。
ここで、耐火二層管には、耐火二層立て管、耐火二層横枝管のみならず、耐火二層管継手等も含むものとする。
また、非通気性の部材には、全く気体を通過させない部材のみならず、気体が通過し難い部材であって、煙の漏出をほぼ防止できる部材も含むものとする。
【0008】
請求項2の発明によると、外管の先端部が受け口の先端面よりも一定寸法だけ突出する構成であり、前記外管の突出部分の内側に煙漏出防止部材が嵌め込まれていることを特徴とする。
このため、煙漏出防止部材を耐火二層管の受け口部分に装着し易くなる。
【0009】
請求項3の発明によると、煙漏出防止部材は、受け口の先端面、外管の先端面及びその外管の先端外周面を覆えるように構成されていることを特徴とする。
このため、煙漏出防止部材を耐火二層管の受け口部分に装着し易くなると共に、その煙漏出防止部材で外管の角部の欠け防止を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、図1、図2に基づいて本発明の実施形態1に係る耐火二層管の説明を行う。本実施形態に係る耐火二層管はマンション等の集合住宅における排水経路に使用される耐火二層管継手(伸縮両受けソケット)であり、図1はその伸縮両受けソケットの縦断面図等、図2は伸縮両受けソケットを使用した施工例を表す縦断面図である。
伸縮両受けソケット10は、図2に示すように、下部立て管80と上部立て管70とを接続するためのソケットであり、内管11と、外管50と、シール材20及び煙漏出防止部材30等を備えている。
【0011】
伸縮両受けソケット10の内管11は、例えば、硬質塩化ビニルにより成形されており、図1に示すように、上部立て管70の内管72(以下、上部内管72という)が挿入される上部受け口13と、下部立て管80の内管82(下部内管82)が挿入される下部受け口14とを備えている。さらに、内管11の上部受け口13と下部受け口14との間には、内管11の内周面13e,14eから半径方向内側に張り出したリング状の段差部15が形成されている。
【0012】
段差部15は、上部内管72及び下部内管82の挿入ストッパとして働く部分であり、上部受け口13側の上面15uと、内周面15eと、下部受け口14側の下面15dとから構成されている。段差部15の上面15uは上部受け口13の内周面13eに対してほぼ直角に形成されており、その上面15uの内周端縁には突条15tが円周方向に設けられている。また、段差部15の下面15dは下部受け口14の内周面14eに対してほぼ直角に形成されている。
【0013】
内管11の上部受け口13、下部受け口14及び段差部15はほぼ等しい肉厚寸法で形成されている。また、内管11は、上部受け口13が下部受け口14よりも所定寸法だけ大径に形成されている。このため、内管11の外周面には上部受け口13と下部受け口14との境界部分に段部16が形成されている。
【0014】
内管11の上部受け口13の底部、即ち、段差部15の上面15uの位置には、干渉防止材40がセットされている。干渉防止材40は、上部受け口13に挿入される上部内管72の先端面72d(下端面72d)と段差部15の上面15uとの間の距離を規定値に保持するとともに、配管の温度変化に起因する熱膨張分を吸収する働きをする。
干渉防止材40は、断面略横U字形状に形成されたゴム製のリング状部材であり、外周面42、内周面43、上面44、下面45から構成されている。そして、外周面42に断面U字形の深溝42mが円周方向に形成されており、内周面43に断面台形状の浅溝43mが同じく円周方向に形成されている。
【0015】
干渉防止材40の外径寸法は、上部受け口13の内径寸法とほぼ等しく設定されている。このため、干渉防止材40が段差部15の上面15uにセットされた状態で、その干渉防止材40の外周面42は上部受け口13の内周面13eに面接触する。また、干渉防止材40の下面45の幅寸法は、突条15tを除く段差部15の上面15uの幅寸法にほぼ等しく設定されている。このため、干渉防止材40は、上部受け口13の内周面13eと段差部15の突条15tとの間にセットされ、干渉防止材40の下面45が段差部15の上面15uに面接触するようになる。ここで、干渉防止材40の下面45と段差部15の上面15uとは接着剤によって接着される。
【0016】
干渉防止材40の上面44には、上部受け口13に挿入された上部内管72の先端面72dが当接可能となっている(図2参照)。ここで、干渉防止材40の上面44から下面45までの寸法は、配管の伸縮代(11mm)よりも大きく設定されている。
配管の熱膨張等により、上部内管72の先端面72dが上部受け口13における段差部15の上面15uに接近すると、上部内管72の先端面72dが干渉防止材40の上面44を押圧する。これによって、干渉防止材40は、上部内管72の先端面72dと段差部15の上面15uとに挟まれて弾性変形する。これによって、配管の熱膨張分が干渉防止材40の弾性変形により吸収される。
【0017】
内管11の上部受け口13の先端には、その上部受け口13と上部内管72との間をシールするシール材20が装着されている。
シール材20は、ゴム状弾性を有する材質でリング状に形成されており、シール本体部22と周縁部21とから構成されている。そして、シール材20の周縁部21が、図1に示すように、上部受け口13の先端面13fを覆えるように形成されている。シール材20の周縁部21はネジ部材23によって上部受け口13の先端に固定される。
【0018】
また、シール材20のシール本体部22は、縦断面形状が略楔形に形成されており、周縁部21が上部受け口13に固定された状態で、その上部受け口13の内周面13eよりも半径方向内側に配置される。さらに、シール本体部22は周縁部21に対して所定の傾斜角度で形成されており、その周縁部21が上部受け口13に固定された状態で、シール本体部22は上部受け口13の奥側に傾斜するようになる。
【0019】
内管11の周囲は、図1に示すように、不燃材及び繊維等をモルタルで固めて成形した外管50によって覆われている。外管50は、内管11の上部受け口13を覆う上側被覆部52と、下部受け口14を覆う下側被覆部54とから構成されており、両被覆部52,54がほぼ等しい肉厚で成形されている。また、外管50の内周面には、上側被覆部52と下側被覆部54との境界部分に、内管11の段部16と面接触可能な段受け面56が形成されている。このため、内管11の段部16と外管50の段受け面56とが面接触した状態で、外管50に対する内管11の軸方向(図1において下方向)の移動が規制される。
【0020】
ここで、外管50の段受け面56が内管11の段部16と面接触した状態で、外管50の上側被覆部52は内管11の上部受け口13を全て覆い、さらにその先端部52fが上部受け口13の先端面13fから所定寸法だけ突出するようにその軸長寸法が設定されている。外管50の先端部52f(突出部分)及びその近傍は他の部分よりも若干薄肉に形成されており、その先端部52fの内径寸法が、図2に示すように、上部立て管70の外管74の外径寸法よりも若干大きく設定されている。このため、上部立て管70の外管74の下端面74dと外管50の先端面52uとが当接することがない。
また、外管50の下側被覆部54は内管11の下部受け口14を全て覆えるように、その軸長寸法が設定されている。
【0021】
シール材20が装着された内管11の上部受け口13と外管50の先端部52f(突出部分)の内周面により画成された空間には、リング状の煙漏出防止部材30が嵌め込まれている。
煙漏出防止部材30は、火災時に立て管70,80内を上昇する煙が外に漏れ出ないようにするための部材である。
【0022】
煙漏出防止部材30は、断面角形に形成されており、その高さ寸法が上部受け口13に装着されたシール材20の周縁部21から外管50の上側被覆部52の先端面52uまでの距離にほぼ等しく設定されている。また、煙漏出防止部材30の幅寸法は、図2に示すように、上部内管72の外周面と外管50の上側被覆部52の内周面との間を埋めることができる寸法に設定されている。
【0023】
煙漏出防止部材30は接着剤によって外管50の上側被覆部52及びシール材20の周縁部21に接着される。
煙漏出防止部材30の材料には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する材料が使用される。ここで、非通気性の材料には、全く気体を通過させない材料のみならず、気体が通過し難い材料であって、煙の漏出をほぼ防止できる材料も含むものとする。
【0024】
次に、伸縮両受けソケット10の組立て手順を簡単に説明する。
先ず、内管11の上部受け口13の底部、即ち、段差部15の上面15uの位置に干渉防止材40がセットされ、接着剤によって固定される。
次に、予め筒状に成形された外管50に対し、内管11が図1において上方から挿入される。内管11の挿入は、その内管11の段部16が外管50の段受け面56に当接するまで行う。この状態で、内管11の下端面14dと外管50の下端面54dとが揃えられるとともに、外管50の上側被覆部52の先端部52fが内管11の先端面から所定寸法だけ突出するようになる。
【0025】
次に、内管11の上部受け口13の先端に、シール材20の周縁部21が被せられ、ネジ部材23により固定される。なお、内管11を外管50に挿入する前に、シール材20を内管11の上部受け口13に取付けることも可能である。
次に、煙漏出防止部材30が外管50の先端部52f(突出部分)の内側に嵌め込まれ、接着固定されることで、伸縮両受けソケット10が完成する。
【0026】
次に、図2に基づいて、上記した伸縮両受けソケット10を利用して排水経路を施工する例を説明する。
先ず、伸縮両受けソケット10の内管11の下部受け口14に接着剤が塗布された状態で、下部立て管80の内管82(下部内管82)の上端部がその伸縮両受けソケット10の下部受け口14に挿入される。下部内管82は、その先端面82f(上端面82f)が伸縮両受けソケット10の段差部15の下面15dに当接するまで、下部受け口14に挿入される。これによって、伸縮両受けソケット10の内管11と下部内管82とが堅固に接続される。
【0027】
また、伸縮両受けソケット10の下端面14d,54dと下部立て管80の外管84の上端面84fとの間には、可撓性を有するリング状の耐火目地材88がセットされる。なお、耐火目地材88は、伸縮両受けソケット10と下部立て管80との接続を行う前に、下部内管82の先端部に予め装着されている。
【0028】
次に、伸縮両受けソケット10の上部受け口13に上部立て管70の内管72(上部内管72)が挿入される。上部内管72が上部受け口13に挿入される際に、その上部内管72がシール材20のシール本体部22を拡開させながらその位置を通過するため、シール材20によって上部内管72と上部受け口13との間がシールされる。上部内管72は、その下端面72dが伸縮両受けソケット10の干渉防止材40に当接するまで、その伸縮両受けソケット10の上部受け口13に挿入される。
【0029】
このとき、上部立て管70の外管74の下端面74dが伸縮両受けソケット10の煙漏出防止部材30に当接してその煙漏出防止部材30を押圧する。これによって、煙漏出防止部材30が上部立て管70の外管74の下端面74dと伸縮両受けソケット10の上部受け口13の先端面13fとの間に挟まれて変形し、両者74d,13f間をシールする。さらに、煙漏出防止部材30が縦方向に潰されることで横方向に膨張するため、その煙漏出防止部材30が伸縮両受けソケット10の外管50の内周面と上部内管72の外周面とに密着し、外管50と上部内管72との間をシールする。
【0030】
即ち、煙漏出防止部材30は、上部立て管70の外管74、伸縮両受けソケット10の上部受け口13、上部立て管70の内管72及び伸縮両受けソケット10の外管50によって上下左右から押圧されることで、結果的に上部立て管70の外管74と伸縮両受けソケット10の外管50との間をシールするようになる。
この状態で、縮両受けソケット10と排水管継手70との接続が完了する。
即ち、上部立て管70の外管74が本発明の被覆用外管に相当する。
【0031】
このように、本実施形態に係る伸縮両受けソケット10に使用される煙漏出防止部材30は、その伸縮両受けソケット10の外管50と上部立て管70の外管74との突き合わせ部分をシールできるようになる。このため、火災時に耐火二層管70,10,80内に煙が充満しても、煙漏出防止部材30の働きでその煙がほとんど外部に漏れ出ることがない。
【0032】
また、外管50の先端部52fが上部受け口13の先端面13fよりも一定寸法だけ突出する構成であり、外管50の突出部分の内側に煙漏出防止部材30が嵌め込まれる構造のため、煙漏出防止部材30を耐火二層管の受け口部分に装着し易くなる。
ここで、図1(B)に示すように、リング状の煙漏出防止部材30及び外管50の先端面52u及びその外管50の先端外周面52rをカバー状の煙漏出防止部材34で覆うようにしても良い。このようにすることで、煙漏出防止部材34で外管50の角部の欠け防止を図ることもできる。
【0033】
なお、本実施形態では、上下の耐火二層管(立て管70,80)を接続する伸縮両受けソケット10に本発明を適用する例を示したが、立て管の受け口に本発明を適用することも可能である。また、耐火二層横枝管の受け口に本発明を適用することも可能である。
また、本実施形態では、煙漏出防止部材30を火災時の煙漏出防止のために使用する例を示したが、煙漏出防止部材30は弾力性を有しているため、地震等における配管の損傷防止材として応用することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、一方の耐火二層管の外管と他方の耐火二層管の外管との突き合わせ部分が煙漏出防止部材によってシールされるため、火災時に耐火二層管内に煙が充満してもその煙がほとんど外部に漏れ出ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る耐火二層管である伸縮両受けソケットの縦断面図(A図)及び部分縦断面図(B図)である。
【図2】伸縮両受けソケットを使用した施工例を表す縦断面図である。
【図3】従来の耐火二層管を表す縦断面図及び外形図である。
【符号の説明】
10 伸縮両受けソケット(耐火二層管)
11 内管
13 上部受け口
13f 先端面
14 下部受け口
15 段差部
30 煙漏出防止部材
40 干渉防止材
50 外管
70 上部立て管
72 上部内管(配管)
74 外管(被覆用外管)
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管が挿入される受け口を端部に備える内管と、その内管の周囲を覆う耐火性の外管とを備える耐火二層管に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンション等の集合住宅における排水経路の立て管に使用される耐火二層管150は、一般的に、図3に示すように、硬質塩化ビニル製の内管151を備えており、その内管151の上部に受け口151wが形成されている。内管151の直管部の周囲は、不燃材をモルタルで固めて成形した耐火性の直管部外管152によって覆われており、その内管151の受け口151wの周囲及び直管部外管152の上端が同じく不燃材をモルタルで固めて成形した受け口部外管153によって覆われている(特許文献1参照)。
下側の耐火二層管150の受け口151wには、上側の耐火二層管250の内管252(二点鎖線参照)が挿入されることで、上下の耐火二層管150,250の接続が行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−187985号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した耐火二層管150,250の接続構造は、排水の漏れ防止を目的としており、火災時における煙の漏出防止対策についてはほとんど考慮されていない。このため、火災の熱で耐火二層管150,250内のシール材160等が燃焼して煙りが発生すると、その煙が内管251と受け口151wとの隙間を通過し、さらに直管部外管252と受け口部外管153との隙間Sから外部に漏れ出る恐れがある。
【0005】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、火災が発生しても、耐火二層管内の煙が外部に漏れ出ないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、配管が挿入される受け口を端部に備える内管と、その内管の周囲を覆う耐火性の外管とを備える耐火二層管であって、前記受け口の先端部には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する煙漏出防止部材が装着されており、前記煙漏出防止部材は、前記受け口の先端面とその受け口に挿入される配管の被覆用外管との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と前記受け口の周囲を覆う前記外管との間をシール可能な構成であることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、煙漏出防止部材は、耐火性、非通気性かつ弾力性を有しており、受け口の先端面とその受け口に挿入される配管の被覆用外管の端面との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と受け口の周囲を覆う前記外管との間をシールする。即ち、一方の耐火二層管の外管と他方の耐火二層管の外管との突き合わせ部分が煙漏出防止部材によってシールされるようになる。このため、火災時に耐火二層管内に煙が充満してもその煙がほとんど外部に漏れ出ることがない。
ここで、耐火二層管には、耐火二層立て管、耐火二層横枝管のみならず、耐火二層管継手等も含むものとする。
また、非通気性の部材には、全く気体を通過させない部材のみならず、気体が通過し難い部材であって、煙の漏出をほぼ防止できる部材も含むものとする。
【0008】
請求項2の発明によると、外管の先端部が受け口の先端面よりも一定寸法だけ突出する構成であり、前記外管の突出部分の内側に煙漏出防止部材が嵌め込まれていることを特徴とする。
このため、煙漏出防止部材を耐火二層管の受け口部分に装着し易くなる。
【0009】
請求項3の発明によると、煙漏出防止部材は、受け口の先端面、外管の先端面及びその外管の先端外周面を覆えるように構成されていることを特徴とする。
このため、煙漏出防止部材を耐火二層管の受け口部分に装着し易くなると共に、その煙漏出防止部材で外管の角部の欠け防止を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、図1、図2に基づいて本発明の実施形態1に係る耐火二層管の説明を行う。本実施形態に係る耐火二層管はマンション等の集合住宅における排水経路に使用される耐火二層管継手(伸縮両受けソケット)であり、図1はその伸縮両受けソケットの縦断面図等、図2は伸縮両受けソケットを使用した施工例を表す縦断面図である。
伸縮両受けソケット10は、図2に示すように、下部立て管80と上部立て管70とを接続するためのソケットであり、内管11と、外管50と、シール材20及び煙漏出防止部材30等を備えている。
【0011】
伸縮両受けソケット10の内管11は、例えば、硬質塩化ビニルにより成形されており、図1に示すように、上部立て管70の内管72(以下、上部内管72という)が挿入される上部受け口13と、下部立て管80の内管82(下部内管82)が挿入される下部受け口14とを備えている。さらに、内管11の上部受け口13と下部受け口14との間には、内管11の内周面13e,14eから半径方向内側に張り出したリング状の段差部15が形成されている。
【0012】
段差部15は、上部内管72及び下部内管82の挿入ストッパとして働く部分であり、上部受け口13側の上面15uと、内周面15eと、下部受け口14側の下面15dとから構成されている。段差部15の上面15uは上部受け口13の内周面13eに対してほぼ直角に形成されており、その上面15uの内周端縁には突条15tが円周方向に設けられている。また、段差部15の下面15dは下部受け口14の内周面14eに対してほぼ直角に形成されている。
【0013】
内管11の上部受け口13、下部受け口14及び段差部15はほぼ等しい肉厚寸法で形成されている。また、内管11は、上部受け口13が下部受け口14よりも所定寸法だけ大径に形成されている。このため、内管11の外周面には上部受け口13と下部受け口14との境界部分に段部16が形成されている。
【0014】
内管11の上部受け口13の底部、即ち、段差部15の上面15uの位置には、干渉防止材40がセットされている。干渉防止材40は、上部受け口13に挿入される上部内管72の先端面72d(下端面72d)と段差部15の上面15uとの間の距離を規定値に保持するとともに、配管の温度変化に起因する熱膨張分を吸収する働きをする。
干渉防止材40は、断面略横U字形状に形成されたゴム製のリング状部材であり、外周面42、内周面43、上面44、下面45から構成されている。そして、外周面42に断面U字形の深溝42mが円周方向に形成されており、内周面43に断面台形状の浅溝43mが同じく円周方向に形成されている。
【0015】
干渉防止材40の外径寸法は、上部受け口13の内径寸法とほぼ等しく設定されている。このため、干渉防止材40が段差部15の上面15uにセットされた状態で、その干渉防止材40の外周面42は上部受け口13の内周面13eに面接触する。また、干渉防止材40の下面45の幅寸法は、突条15tを除く段差部15の上面15uの幅寸法にほぼ等しく設定されている。このため、干渉防止材40は、上部受け口13の内周面13eと段差部15の突条15tとの間にセットされ、干渉防止材40の下面45が段差部15の上面15uに面接触するようになる。ここで、干渉防止材40の下面45と段差部15の上面15uとは接着剤によって接着される。
【0016】
干渉防止材40の上面44には、上部受け口13に挿入された上部内管72の先端面72dが当接可能となっている(図2参照)。ここで、干渉防止材40の上面44から下面45までの寸法は、配管の伸縮代(11mm)よりも大きく設定されている。
配管の熱膨張等により、上部内管72の先端面72dが上部受け口13における段差部15の上面15uに接近すると、上部内管72の先端面72dが干渉防止材40の上面44を押圧する。これによって、干渉防止材40は、上部内管72の先端面72dと段差部15の上面15uとに挟まれて弾性変形する。これによって、配管の熱膨張分が干渉防止材40の弾性変形により吸収される。
【0017】
内管11の上部受け口13の先端には、その上部受け口13と上部内管72との間をシールするシール材20が装着されている。
シール材20は、ゴム状弾性を有する材質でリング状に形成されており、シール本体部22と周縁部21とから構成されている。そして、シール材20の周縁部21が、図1に示すように、上部受け口13の先端面13fを覆えるように形成されている。シール材20の周縁部21はネジ部材23によって上部受け口13の先端に固定される。
【0018】
また、シール材20のシール本体部22は、縦断面形状が略楔形に形成されており、周縁部21が上部受け口13に固定された状態で、その上部受け口13の内周面13eよりも半径方向内側に配置される。さらに、シール本体部22は周縁部21に対して所定の傾斜角度で形成されており、その周縁部21が上部受け口13に固定された状態で、シール本体部22は上部受け口13の奥側に傾斜するようになる。
【0019】
内管11の周囲は、図1に示すように、不燃材及び繊維等をモルタルで固めて成形した外管50によって覆われている。外管50は、内管11の上部受け口13を覆う上側被覆部52と、下部受け口14を覆う下側被覆部54とから構成されており、両被覆部52,54がほぼ等しい肉厚で成形されている。また、外管50の内周面には、上側被覆部52と下側被覆部54との境界部分に、内管11の段部16と面接触可能な段受け面56が形成されている。このため、内管11の段部16と外管50の段受け面56とが面接触した状態で、外管50に対する内管11の軸方向(図1において下方向)の移動が規制される。
【0020】
ここで、外管50の段受け面56が内管11の段部16と面接触した状態で、外管50の上側被覆部52は内管11の上部受け口13を全て覆い、さらにその先端部52fが上部受け口13の先端面13fから所定寸法だけ突出するようにその軸長寸法が設定されている。外管50の先端部52f(突出部分)及びその近傍は他の部分よりも若干薄肉に形成されており、その先端部52fの内径寸法が、図2に示すように、上部立て管70の外管74の外径寸法よりも若干大きく設定されている。このため、上部立て管70の外管74の下端面74dと外管50の先端面52uとが当接することがない。
また、外管50の下側被覆部54は内管11の下部受け口14を全て覆えるように、その軸長寸法が設定されている。
【0021】
シール材20が装着された内管11の上部受け口13と外管50の先端部52f(突出部分)の内周面により画成された空間には、リング状の煙漏出防止部材30が嵌め込まれている。
煙漏出防止部材30は、火災時に立て管70,80内を上昇する煙が外に漏れ出ないようにするための部材である。
【0022】
煙漏出防止部材30は、断面角形に形成されており、その高さ寸法が上部受け口13に装着されたシール材20の周縁部21から外管50の上側被覆部52の先端面52uまでの距離にほぼ等しく設定されている。また、煙漏出防止部材30の幅寸法は、図2に示すように、上部内管72の外周面と外管50の上側被覆部52の内周面との間を埋めることができる寸法に設定されている。
【0023】
煙漏出防止部材30は接着剤によって外管50の上側被覆部52及びシール材20の周縁部21に接着される。
煙漏出防止部材30の材料には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する材料が使用される。ここで、非通気性の材料には、全く気体を通過させない材料のみならず、気体が通過し難い材料であって、煙の漏出をほぼ防止できる材料も含むものとする。
【0024】
次に、伸縮両受けソケット10の組立て手順を簡単に説明する。
先ず、内管11の上部受け口13の底部、即ち、段差部15の上面15uの位置に干渉防止材40がセットされ、接着剤によって固定される。
次に、予め筒状に成形された外管50に対し、内管11が図1において上方から挿入される。内管11の挿入は、その内管11の段部16が外管50の段受け面56に当接するまで行う。この状態で、内管11の下端面14dと外管50の下端面54dとが揃えられるとともに、外管50の上側被覆部52の先端部52fが内管11の先端面から所定寸法だけ突出するようになる。
【0025】
次に、内管11の上部受け口13の先端に、シール材20の周縁部21が被せられ、ネジ部材23により固定される。なお、内管11を外管50に挿入する前に、シール材20を内管11の上部受け口13に取付けることも可能である。
次に、煙漏出防止部材30が外管50の先端部52f(突出部分)の内側に嵌め込まれ、接着固定されることで、伸縮両受けソケット10が完成する。
【0026】
次に、図2に基づいて、上記した伸縮両受けソケット10を利用して排水経路を施工する例を説明する。
先ず、伸縮両受けソケット10の内管11の下部受け口14に接着剤が塗布された状態で、下部立て管80の内管82(下部内管82)の上端部がその伸縮両受けソケット10の下部受け口14に挿入される。下部内管82は、その先端面82f(上端面82f)が伸縮両受けソケット10の段差部15の下面15dに当接するまで、下部受け口14に挿入される。これによって、伸縮両受けソケット10の内管11と下部内管82とが堅固に接続される。
【0027】
また、伸縮両受けソケット10の下端面14d,54dと下部立て管80の外管84の上端面84fとの間には、可撓性を有するリング状の耐火目地材88がセットされる。なお、耐火目地材88は、伸縮両受けソケット10と下部立て管80との接続を行う前に、下部内管82の先端部に予め装着されている。
【0028】
次に、伸縮両受けソケット10の上部受け口13に上部立て管70の内管72(上部内管72)が挿入される。上部内管72が上部受け口13に挿入される際に、その上部内管72がシール材20のシール本体部22を拡開させながらその位置を通過するため、シール材20によって上部内管72と上部受け口13との間がシールされる。上部内管72は、その下端面72dが伸縮両受けソケット10の干渉防止材40に当接するまで、その伸縮両受けソケット10の上部受け口13に挿入される。
【0029】
このとき、上部立て管70の外管74の下端面74dが伸縮両受けソケット10の煙漏出防止部材30に当接してその煙漏出防止部材30を押圧する。これによって、煙漏出防止部材30が上部立て管70の外管74の下端面74dと伸縮両受けソケット10の上部受け口13の先端面13fとの間に挟まれて変形し、両者74d,13f間をシールする。さらに、煙漏出防止部材30が縦方向に潰されることで横方向に膨張するため、その煙漏出防止部材30が伸縮両受けソケット10の外管50の内周面と上部内管72の外周面とに密着し、外管50と上部内管72との間をシールする。
【0030】
即ち、煙漏出防止部材30は、上部立て管70の外管74、伸縮両受けソケット10の上部受け口13、上部立て管70の内管72及び伸縮両受けソケット10の外管50によって上下左右から押圧されることで、結果的に上部立て管70の外管74と伸縮両受けソケット10の外管50との間をシールするようになる。
この状態で、縮両受けソケット10と排水管継手70との接続が完了する。
即ち、上部立て管70の外管74が本発明の被覆用外管に相当する。
【0031】
このように、本実施形態に係る伸縮両受けソケット10に使用される煙漏出防止部材30は、その伸縮両受けソケット10の外管50と上部立て管70の外管74との突き合わせ部分をシールできるようになる。このため、火災時に耐火二層管70,10,80内に煙が充満しても、煙漏出防止部材30の働きでその煙がほとんど外部に漏れ出ることがない。
【0032】
また、外管50の先端部52fが上部受け口13の先端面13fよりも一定寸法だけ突出する構成であり、外管50の突出部分の内側に煙漏出防止部材30が嵌め込まれる構造のため、煙漏出防止部材30を耐火二層管の受け口部分に装着し易くなる。
ここで、図1(B)に示すように、リング状の煙漏出防止部材30及び外管50の先端面52u及びその外管50の先端外周面52rをカバー状の煙漏出防止部材34で覆うようにしても良い。このようにすることで、煙漏出防止部材34で外管50の角部の欠け防止を図ることもできる。
【0033】
なお、本実施形態では、上下の耐火二層管(立て管70,80)を接続する伸縮両受けソケット10に本発明を適用する例を示したが、立て管の受け口に本発明を適用することも可能である。また、耐火二層横枝管の受け口に本発明を適用することも可能である。
また、本実施形態では、煙漏出防止部材30を火災時の煙漏出防止のために使用する例を示したが、煙漏出防止部材30は弾力性を有しているため、地震等における配管の損傷防止材として応用することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、一方の耐火二層管の外管と他方の耐火二層管の外管との突き合わせ部分が煙漏出防止部材によってシールされるため、火災時に耐火二層管内に煙が充満してもその煙がほとんど外部に漏れ出ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る耐火二層管である伸縮両受けソケットの縦断面図(A図)及び部分縦断面図(B図)である。
【図2】伸縮両受けソケットを使用した施工例を表す縦断面図である。
【図3】従来の耐火二層管を表す縦断面図及び外形図である。
【符号の説明】
10 伸縮両受けソケット(耐火二層管)
11 内管
13 上部受け口
13f 先端面
14 下部受け口
15 段差部
30 煙漏出防止部材
40 干渉防止材
50 外管
70 上部立て管
72 上部内管(配管)
74 外管(被覆用外管)
Claims (3)
- 配管が挿入される受け口を端部に備える内管と、その内管の周囲を覆う耐火性の外管とを備える耐火二層管であって、
前記受け口の先端部には、耐火性、非通気性かつ弾力性を有する煙漏出防止部材が装着されており、
前記煙漏出防止部材は、前記受け口の先端面とその受け口に挿入される配管の被覆用外管の端面との間に挟持されることで変形し、その被覆用外管と前記受け口の周囲を覆う前記外管との間をシール可能な構成であることを特徴とする耐火二層管。 - 請求項1に記載の耐火二層管であって、
外管の先端部が受け口の先端面よりも一定寸法だけ突出する構成であり、前記外管の突出部分の内側に煙漏出防止部材が嵌め込まれていることを特徴とする耐火二層管。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の耐火二層管であって、
煙漏出防止部材は、受け口の先端面、外管の先端面及びその外管の先端外周面を覆えるように構成されていることを特徴とする耐火二層管。
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