JP4028647B2 - 新規化学発光試薬及びその製造方法 - Google Patents

新規化学発光試薬及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された化学発光が可能であり、化学発光分析による種々の物質の検出及び定量等に用いられる新規な化学発光試薬及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学発光試薬として、古くから用いられているルシゲニン(N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート)は、アルカリ性水溶液中で微光を呈し、過酸化水素を加えると強く発光することが知られており、種々の微量分析に利用されている。しかしながら、ルシゲニンは過酸化水素とアルカリの存在で定量的に発光するので、過酸化水素の定量には利用することができるが、この反応による発光を制御して発光量で酵素活性を測定する化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)等には利用し難いと云う問題点がある。この問題点を解決する手段として、標識酵素にグルコースオキシダーゼを用いて、グルコースの酸化反応により生成する過酸化水素をアルカリ存在下にルシゲニンに作用させることにより、測定対象物質の濃度に依存した化学発光を行なう方法等が行なわれている。
【0003】
しかしながら、グルコースオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAは、試薬の調製及び発光系の操作が煩雑である。また、安定性にも優れ、取り扱いが比較的に容易なペルオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAに利用できる化学発光試薬としてルミノールが用いられているが、発光促進剤を併用しても感度の点で必ずしも充分とは云えない。
【0004】
従って、試薬の調製及び発光系の操作が容易で、かつ高感度測定が可能な、ペルオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAに利用できる化学発光試薬の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の事情に鑑み、過酸化水素を基質とするペルオキシダーゼのモル数に依存して化学発光する新規な化学発光試薬及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行なった結果、ルシゲニン等のN,N’−ジ置換−9,9’−ビスジアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボンアミド化合物及びギ酸の存在下において光照射することにより得られる反応生成物を含有する化学発光試薬が、特定アルカリ性pH条件下において、過酸化水素とは反応せず、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼのモル数に依存して化学発光することを見い出し、これらの知見に基づいて本発明の完成に到達したものである。
従って、本発明の第一は、
下記一般式(1)
【0007】
【化5】
Figure 0004028647
(上記一般式(1)において、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、Xはn価の陰イオンであり、nは1又は2である。)
で表わされるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、
下記一般式(2)
【0008】
【化6】
Figure 0004028647
(上記一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、R2 はメチル基又はエチル基であり、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
で表わされるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物
及びギ酸の存在下において光照射下に反応させることにより得られる反応生成物を含有してなることを特徴とする化学発光試薬
に関するものである。
また、本発明の第二は、
下記一般式(1)
【0009】
【化7】
Figure 0004028647
(上記一般式(1)において、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、Xはn価の陰イオンであり、nは1又は2である。)
で表わされるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、
下記一般式(2)
【0010】
【化8】
Figure 0004028647
(上記一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、R2 はメチル基又はエチル基であり、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
で表わされるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物
及びギ酸の存在下において光照射下に反応させることを特徴とする化学発光試薬の製造方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の化学発光試薬の製造に用いられるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、上記一般式(1)
で表わされる化合物である。
【0012】
上記一般式(1)において、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよい。アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基は、炭素数1〜20を有するものであり、好ましいアルキル基は炭素数1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖状アルキル基又はこれらの分岐状アルキル基を挙げることができる。また、アリール基は炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、トリール基、キシリル基等を挙げることができ、さらにアルキル基で置換されたものでもよい。アリール基としては、特に、フェニル基が好ましい。ハロゲン化アリール基としてはハロゲン化フェニル基、ハロゲン化トリル基、ハロゲン化キシリル基等を挙げることができ、特に、クロロフェニル基が好ましい。
【0013】
一般式(1)において、R3 、R4 、R5 及びR6 は、各々、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでよい。これらの炭化水素基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のものを挙げることができる。例えば、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、アリーロキシ基を挙げることができ、アリール基、アリーロキシ基にはアルキル基が置換されたものでもよい。
【0014】
また、一般式(1)において、Xはn価の陰イオンであり、nは1又は2である。陰イオンとしては、特に限定されるものではなく、硝酸イオン、ハロゲンイオン(例えば、塩素イオン、フッ素イオン、臭素イオン等)、リン酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオン等を挙げることができる。これらの陰イオンのなかで、特に硝酸イオンが好ましい。
【0015】
上記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の具体例としては、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジエチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N−ジフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジ−m−クロロフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩等を挙げることができる。これらのなかで、特に、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)が好適である。
【0016】
本発明の化学発光試薬の製造に用いられるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、上記一般式(2)
で表わされる化合物である。
【0017】
上記一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等からなる群より選択される基で置換されていてもよい。R2 はメチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、アリール基は、アルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等からなる群より選択される基で置換されていてもよい。R1 及びR3 のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状アルキル基又はこれらの分岐状アルキル基のものを挙げることができる。また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。
【0018】
上記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
【0019】
本発明の化学発光試薬におけるギ酸の存在は、得られた化学発光試薬の発光反応時において発光強度を大幅に増大させる効果を有し、光照射による反応において化学発光性物質の生成量を増大させる作用を示すものと考えられる。この作用はギ酸に特異的であり、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等の他の有機酸類やホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類にはその効果は全く認められない。
【0020】
本発明の化学発光試薬の製造に用いられる光照射用の光源としては、波長領域が約290〜800nmの範囲の紫外可視部を挙げることができ、特に、約400〜800nmの範囲の可視光が望ましい。これらの光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、殺菌灯、蛍光灯及び白熱電灯等を非限定的に用いることができるが、白熱電灯が好ましく用いられる。この光照射により得られる化学発光試薬は、光源を用いずに自然光の下で製造した化学発光試薬に較べて、同じ原料ルシゲニン濃度で製造し同量で使用した場合に短時間で非常に高い発光強度を示すことと、この反応を光遮蔽下に実施した場合にはペルオキシダーゼ濃度依存性を有する化学発光試薬が得られないことから、化学発光性化合物の生成には光照射が重要な役割を担っていることが認められる。
【0021】
上記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、pH8付近では過酸化水素ともペルオキシダーゼ存在下の過酸化水素とも顕著な発光反応は起こさないが、これはN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンが対イオン、特に硝酸イオンと安定な塩を形成しているためと考えられる。しかし、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物等の極性の高い化合物の存在下で光照射を行なうことにより、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの対アニオンからの電荷移動が促進され、イオン性の高い塩類からラジカル性を有する電荷移動錯体に変化し、この錯体がN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の配位又は溶媒和によって安定化され、この安定化されたビラジカル性化合物が、過酸化水素の酵素分解により生成する活性酵素と反応して、励起状態のジオキセタン構造を経て発光するのでペルオキシダーゼ濃度に依存した発光強度が得られるものと考えられる。
【0022】
この発光反応におけるギ酸の作用については、明確な反応機構は不明であるが、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの電荷移動に関与してその反応を促進する作用を有するものと考えられる。
【0023】
これらN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及びギ酸の使用割合としては、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類に対してN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物を1〜1万倍モルの量で用い、ギ酸を1〜1万倍モル、好ましくは10〜1千倍モル、さらに好ましくは50〜500倍モルの量で用いることができる。さらに、同種及び/又は異種のN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び/又はその他の溶媒を反応溶媒として用いることもできる。
【0024】
本発明の新規化学発光試薬は、pH7.5〜13の塩基性条件下において、過剰の過酸化水素の存在下、ペルオキシダーゼの濃度に依存した量で発光する。この発光は、フェノール性化合物等の発光促進剤によって増強することが認められる。このようなフェノール性化合物としては、p−ヒドロキシ桂皮酸、p−フェニルフェノール、p−(4−クロロフェニル)フェノール、p−(4−ブロモフェニル)フェノール、p−(4−ヨードフェニル)フェノール、p−ヨードフェノール、p−ブロモフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−クマル酸、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ナフトール、ホタルルシフェリン等が非限定的に挙げられる。
【0025】
本発明の新規化学発光試薬は、化学発光分析を行なう場合には、10-8〜1M、好ましくは10-6〜10-2Mの範囲の濃度で用いられ、その使用量は10〜500μl、好ましくは50〜300μlの範囲で用いるのが望ましい。
【0026】
前記発光促進剤の使用量は、化学発光試薬の0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルの範囲であり、その濃度は、10-6〜1M、好ましくは10-4〜10-2Mの範囲で用いるのが望ましい。
【0027】
また、化学発光反応に用いられる水素受容体としての過酸化水素の量は化学発光試薬に対して充分に過剰な量が必要であり、その使用量は化学発光試薬に対して3〜1万倍モル、好ましくは10〜1千倍モルの範囲で用いるのが望ましい。
【0028】
また、ペルオキシダーゼを標識物質として抗体、核酸等を標識して種々の物質を定量する場合には、特に限定されるものではないが、ペルオキシダーゼとして、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が好ましく用いられる。
【0029】
化学発光反応に用いられる塩基性緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ほう酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液等を挙げることができる。これらの緩衝液の濃度は1mM〜1Mの範囲で用いるのが望ましい。また、発光反応時に界面活性剤、キレート剤等の添加剤を任意に用いることもできる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
[実施例1]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.0mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルホルムアミド2ml及びギ酸20μlを加えて均一に溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを2時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得た。
【0031】
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液100μl及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表1に示すような発光強度が得られ、ギ酸を添加せずに発光反応を行なった比較例1に較べて感度及び発光強度において大幅な改善が認められた。
【0032】
【表1】
Figure 0004028647
【0033】
[比較例1]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得た。
【0034】
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液100μl及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表2に示すような発光強度が得られた。
【0035】
【表2】
Figure 0004028647
【0036】
[実施例2]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.0mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド2ml及びギ酸20μlを加えて均一に溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを5時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得た。
【0037】
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液100μl及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表3に示すような発光強度が得られ、ギ酸を添加せずに発光反応を行なった比較例2に較べて発光強度において大幅な改善が認められた。
【0038】
【表3】
Figure 0004028647
【0039】
[比較例2]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射することによりルシゲニン−N,N−ジメチルアセトアミド複合体を含有する化学発光試薬を得た。
【0040】
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液100μl及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表4に示すような発光強度が得られた。
【0041】
【表4】
Figure 0004028647
【0042】
[実施例3]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.0mgを試験管に採り、これにN−メチル−2−ピロリドン2ml及びギ酸20μlを加えて均一に溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを2時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得た。
【0043】
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液100μl及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表5に示すような発光強度が得られ、ギ酸を添加せずに光反応を行なった比較例3に較べて発光強度において大幅な改善が認められた。
【0044】
【表5】
Figure 0004028647
【0045】
[比較例3]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN−メチル−2−ピロリドン1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを1時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得た。
【0046】
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液100μl及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表6に示すような発光強度が得られた。
【0047】
【表6】
Figure 0004028647
【0048】
【発明の効果】
本発明により提供される新規化学発光試薬は、安価な製造原料を用いて比較的に短時間で容易に製造することができ、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼの濃度に依存して化学発光する性質を利用して、ペルオキシダーゼ酵素を高感度で検出することができる。さらに、ペルオキシダーゼを標識物質として抗原、抗体、核酸等を標識した酵素標識物を用いて、酵素免疫測定法により抗体、抗原等を、ウェスタンブロット法により蛋白質を、サザーン及びノーザンブロット法によりDNA及びRNAを、そして酵素標識核酸プローブを用いて核酸を各々特異的に、且つ高感度で測定することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004028647
    (上記一般式(1)において、R1 及びR2 はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基及びハロゲン化フェニル基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、いずれも水素原子であり、 n- は硝酸イオン、ハロゲンイオン、リン酸イオン、硫酸イオン又はスルホン酸イオンである。)
    で表わされるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、
    下記一般式(2)
    Figure 0004028647
    (上記一般式(2)において、R1 は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アクリル基およびフェニル基からなる群より選択され、R2 はメチル基又はエチル基であり、R3 はメチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基からなる群より選択され、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
    で表わされるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物
    及びギ酸の存在下において光照射下に反応させることにより得られる反応生成物を含有してなる混合物であることを特徴とする化学発光試薬。
  2. 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類が、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレートである請求項1に記載の化学発光試薬。
  3. 前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項1又は2に記載の化学発光試薬。
  4. 前記光照射に用いられる光源が、可視光を発する光源である請求項1〜3のいずれかの1項に記載の化学発光試薬。
  5. 下記一般式(1)
    Figure 0004028647
    (上記一般式(1)において、R1 及びR2 はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基及びハロゲン化フェニル基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、いずれも水素原子であり、 n- は硝酸イオン、ハロゲンイオン、リン酸イオン、硫酸イオン又はスルホン酸イオンである。)
    で表わされるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、
    下記一般式(2)
    Figure 0004028647
    (上記一般式(2)において、R1 は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アクリル基およびフェニル基からなる群より選択され、R2 はメチル基又はエチル基であり、R3 はメチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基からなる群より選択され、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
    で表わされるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物に
    ギ酸を添加し、光照射下に反応させることにより得られる反応生成物を含有してなる混合物であることを特徴とする化学発光試薬の製造方法。
  6. 前記光照射に用いられる光源が、可視光を発する光源である請求項5に記載の化学発光試薬の製造方法。
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